JP2006090989A - ガスフローセンサ装置およびそれに用いるガスフローセンサの製造方法 - Google Patents

ガスフローセンサ装置およびそれに用いるガスフローセンサの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006090989A
JP2006090989A JP2004280392A JP2004280392A JP2006090989A JP 2006090989 A JP2006090989 A JP 2006090989A JP 2004280392 A JP2004280392 A JP 2004280392A JP 2004280392 A JP2004280392 A JP 2004280392A JP 2006090989 A JP2006090989 A JP 2006090989A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas flow
heater
flow sensor
resistance value
gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004280392A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4670293B2 (ja
Inventor
Yoshifumi Watabe
祥文 渡部
Yoshiaki Honda
由明 本多
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Works Ltd filed Critical Matsushita Electric Works Ltd
Priority to JP2004280392A priority Critical patent/JP4670293B2/ja
Publication of JP2006090989A publication Critical patent/JP2006090989A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4670293B2 publication Critical patent/JP4670293B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Measuring Volume Flow (AREA)
  • Micromachines (AREA)

Abstract

【課題】ガスフローセンサの構造および製造が容易で、且つ、低消費電力化および検出精度の向上が可能なガスフローセンサ装置およびそれに用いるガスフローセンサの製造方法を提供する。
【解決手段】支持基板たる半導体基板11の一表面側に形成されたヒータ13と半導体基板11との間に介在する熱絶縁層12を有するガスフローセンサ10と、ガスフローセンサ10のヒータ13へ電気的な入力を与える駆動手段と、ガスの流れに起因したガスフローセンサ10のヒータ13の抵抗値の変化からガスの流量を求める信号処理手段とを備える。ガスフローセンサ10は、熱絶縁層12の熱伝導率をαi、熱容量をCiとし、半導体基板11の熱伝導率をαs、熱容量をCsとするとき、〔αi×Ci〕<〔αs×Cs〕の関係を満足し、駆動手段は、ヒータ13へ電気的な入力を間欠的に与える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、熱式のガスフローセンサを備えたガスフローセンサ装置およびそれに用いるガスフローセンサの製造方法に関するものである。
従来から、マイクロマシンニング技術を応用して形成した熱式のガスフローセンサが各所で研究開発されており(例えば、特許文献1、2参照)、例えば、図10(a),(b)に示す構成のガスフローセンサ100が知られている。
このガスフローセンサ100は、シリコン基板111の一表面(図10(b)における上面)側に第1のシリコン酸化膜122aが形成され、第1のシリコン酸化膜122a上において所定形状にパターニングした多結晶シリコン膜からなるヒータ113が形成され、第1のシリコン酸化膜122aの表面側にヒータ113を覆う第2のシリコン酸化膜122bが形成され、第2のシリコン酸化膜122bに開孔したコンタクトホール122c,122cを通してヒータ113の両端部に電気的に接続される一対のパッド114,114が形成されている。また、シリコン基板111の他表面(図10(b)における下面)にはシリコン窒化膜からなる裏面側保護膜121が形成されている。
要するに、上述のガスフローセンサ100では、第1のシリコン酸化膜122aと第2のシリコン酸化膜122bとからなる表面保護膜122にヒータ113が埋設されており、シリコン基板111の上記一表面の所定領域に凹所112を形成することによりヒータ113とシリコン基板111とを熱絶縁している。
シリコン基板111の上記一表面への凹所112の形成にあたっては、パッド114,114の形成後に、まず、表面側保護膜122において上記所定領域に重複し且つヒータ113に重複しない適宜部位に厚み方向に貫通する2つのエッチング液導入孔123,123を形成してから、表面側保護膜122および裏面側保護膜121をマスクとし、アルカリ系溶液をエッチング液としてシリコン基板111を上記一表面側から異方性エッチングすることにより凹所112を形成している。
ところで、上述のガスフローセンサ100を用いたガスフローセンサ装置は、例えば、一対のパッド114,114を介してヒータ113へ定電流を供給する駆動手段と、ガスの流れに起因したヒータ113の電圧の変化量を検出し当該変化量からガスの流量を求める信号処理手段とを備えるように構成される。
特公平3−52028号公報 特開平8−54269号公報
図10に示した構成のガスフローセンサ100では、シリコン基板111の上記一表面に凹所112を形成することによりシリコン基板111とヒータ113とを熱絶縁しており、パッド114,114の形成後に異方性エッチングにより凹所112を形成する必要があるので、構造および製造プロセスが複雑であった。
また、上述のガスフローセンサ100を用いたガスフローセンサ装置では、駆動手段からヒータ113へ定電流を連続的に供給するので、消費電力が大きいという不具合があった。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、ガスフローセンサの構造および製造が容易で、且つ、低消費電力化および検出精度の向上が可能なガスフローセンサ装置およびそれに用いるガスフローセンサの製造方法を提供することにある。
請求項1の発明は、支持基板の一表面側に形成されたヒータと支持基板との間に介在する熱絶縁層を有するガスフローセンサと、ガスフローセンサのヒータへ電気的な入力を与える駆動手段と、ガスの流れに起因したガスフローセンサのヒータの電気的特性の変化からガスの流量を求める信号処理手段とを備え、ガスフローセンサは、熱絶縁層の熱伝導率をαi、熱容量をCiとし、支持基板の熱伝導率をαs、熱容量をCsとするとき、
〔αi×Ci〕<〔αs×Cs〕
の関係を満足し、
駆動手段は、ガスフローセンサのヒータへ電気的な入力を間欠的に与えることを特徴とする。ここにおいて、電気的な入力とは、ヒータへ印加する電圧またはヒータへ供給する電流を意味している。
この発明によれば、ガスフローセンサが、ヒータと支持基板との間に介在する熱絶縁層によりヒータと支持基板とを熱絶縁した構造となっているので、ガスフローセンサの構造および製造が容易であり、また、ガスフローセンサを間欠的に駆動するので、ガスフローセンサを連続的に駆動する場合に比べて低消費電力化を図ることができ、しかも、ガスフローセンサが〔αi×Ci〕<〔αs×Cs〕の関係を満足しているので、間欠駆動する際の電気的な入力であるパルス間の時間を短くしてもヒータの熱が支持基板を通して放熱されやすくなって、ヒータへの電気的な入力の有無によるヒータの温度差を大きくすることができるとともに、支持基板の温度が安定してヒータの温度が支持基板の温度の影響を受けにくくなるので、ガスの流量の検出精度を向上できる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記信号処理手段は、前記駆動手段により前記ヒータへ間欠的に電気的な入力が与えられているときの前記ヒータの電圧と電流とに基づいて前記ヒータの抵抗値を演算し、前記ヒータの電気的特性である抵抗値の変化からガスの流量を求めることを特徴とする。
この発明によれば、前記ヒータの温度を直接測定することなく前記ヒータの抵抗値からガスの流量を求めることができる。
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記信号処理手段は、演算により求めた前記ヒータの抵抗値が規定抵抗値に近づくように前記駆動手段から前記ヒータへ与える電気的な入力の大きさを変化させた後、前記ヒータの電気的特性である抵抗値の変化からガスの流量を求めることを特徴とする。
この発明によれば、ガスの流量によらず前記ヒータの最高到達温度を略一定値とすることが可能となり、検出精度の安定化を図れる。
請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記ガスフローセンサは、前記ヒータが複数並設されており、前記信号処理手段は、前記各ヒータそれぞれの抵抗値の変化量に基づいてガスの流量およびガスの流れている方向を求めることを特徴とする。
この発明によれば、ガスの流量と併せてガスの流れている方向を検出することができる。
請求項5の発明は、請求項1の発明において、前記ガスフローセンサは、前記ヒータからなる抵抗を4つ備えて当該4つの抵抗がブリッジ回路を構成するように接続されており、前記駆動手段は、ブリッジ回路の対角位置の一方の端子間に前記電気的な入力として電圧を印加し、前記信号処理手段は、ブリッジ回路の対向位置の他方の端子間の電圧の変化からガスの流量を求めることを特徴とする。
この発明によれば、検出精度を高めることができ、検出可能な流量の範囲がより広くなる。
請求項6の発明は、請求項1ないし請求項5の発明において、前記ガスフローセンサは、前記熱絶縁層が多孔質層からなることを特徴とする。
この発明によれば、前記熱絶縁層を構成する多孔質層の多孔度を高くするほど前記熱絶縁層の熱伝導率αiおよび熱容量Ciが小さくなって、〔αi×Ci〕と〔αs×Cs〕との差が大きくなるから、間欠駆動する際の電気的な入力であるパルス間の時間を短くしても前記ヒータの熱が前記支持基板を通してより放熱されやすくなり、ガスの流量の検出精度をより向上できる。
請求項7の発明は、請求項6の発明において、前記ガスフローセンサは、前記支持基板がシリコン基板からなり、前記熱絶縁層である前記多孔質層が多孔質シリコン層からなることを特徴とする。
この発明によれば、〔αi×Ci〕と〔αs×Cs〕との差を前記熱絶縁層としてシリコン酸化膜を用いる場合に比べて大きくでき、且つ、前記支持基板および前記熱絶縁層の耐熱温度が1000℃を超える高温なので、前記ヒータの材料としてシリコンよりも高融点の材料を適宜選択することにより、前記ヒータの最高到達温度を前記支持基板および前記熱絶縁層の耐熱温度に近い高温まで設定可能となり、高感度化を図れる。
請求項8の発明は、請求項7記載のガスフローセンサ装置に用いるガスフローセンサの製造方法であって、シリコン基板の一表面側の一部を陽極酸化することにより多孔質シリコン層からなる熱絶縁層を形成する熱絶縁層形成工程と、熱絶縁層上にヒータを形成するヒータ形成工程とを備えることを特徴とする。
この発明によれば、構造および製造が容易で低消費電力化が可能なガスフローセンサを提供することができる。
請求項1の発明では、ガスフローセンサの構造および製造が容易で、且つ、低消費電力化および検出精度の向上が可能になるという効果がある。
請求項8の発明では、構造および製造が容易で低消費電力化が可能なガスフローセンサを提供することができるという効果がある。
(実施形態1)
本実施形態のガスフローセンサ装置は、図1(a),(b)に示す構成のガスフローセンサ(以下、センサ素子と称す)10を備えている。
センサ素子10は、半導体基板11と、半導体基板11の一表面(図1(b)における上面)側に形成された熱絶縁層12と、熱絶縁層12上に形成された金属薄膜からなるヒータ13と、半導体基板11の上記一表面側でヒータ13の両端部(図1(a)における左右両端部)それぞれに沿って形成されヒータ13と電気的に接続された一対のパッド14,14とを備えている。本実施形態では、半導体基板11が支持基板を構成しており、支持基板とヒータ13との間に熱絶縁層12が介在している。なお、半導体基板11、熱絶縁層12それぞれの外周形状は矩形状としてあり、ヒータ13の外周形状は細長の矩形状としてある。
ここにおいて、センサ素子10は、ヒータ13への通電(電気エネルギの供給)に伴ってヒータ13の温度が上昇し、ヒータ13近傍を通過するガスの流量に依存してヒータ13の温度が変化するので、ヒータ13の電気的特性(例えば、電圧、電流、抵抗値)の変化からガスの流量を求めることが可能となる。
センサ素子10では、半導体基板11としてp形のシリコン基板を用いており、熱絶縁層12を多孔質層である多孔質シリコン層により構成している。ここで、熱絶縁層12を構成する多孔質シリコン層は、半導体基板11としてのp形シリコン基板の一部を電解液中で陽極酸化処理することにより形成されており、陽極酸化処理の条件を適宜変化させることにより、多孔度を変化させることができる。多孔質シリコン層は、多孔度が高くなるにつれて熱伝導率および熱容量が小さくなり、多孔度を適宜設定することにより熱伝導率を単結晶シリコンに比べて十分に小さくすることができる。一例として、熱伝導率が168W/(m・K)、熱容量が1.67×10J/(m・K)の単結晶のシリコン基板を陽極酸化処理して形成される多孔度が60%の多孔質シリコン層は、熱伝導率が1W/(m・K)、熱容量が0.7×10J/(m・K)となることが知られている。なお、熱絶縁材料の一種であるSiOの熱伝導率は、1.4W/(m・K)、熱容量は2.27×10J/(m・K)である。したがって、熱伝導率と熱容量との積で比較すれば、〔多孔質シリコン層〕<〔SiO〕<〔シリコン基板〕となっている。
ここに、半導体基板11は単結晶のp形シリコン基板に限らず、多結晶あるいはアモルファスのp形シリコン基板でもよいし、また、p形に限らず、n形あるいはノンドープであってもよく、半導体基板11の種類に応じて陽極酸化処理の条件を適宜変更すればよい。したがって、熱絶縁層12を構成する多孔質半導体層も多孔質シリコン層に限らず、例えば、多結晶シリコンを陽極酸化処理することにより形成した多孔質多結晶シリコン層や、シリコン以外の半導体材料からなる多孔質半導体層でもよい。
また、ヒータ13の材料としては、高融点金属の一種であるWを採用しているが、ヒータ13の材料は、Wに限らず、例えば、Ta、Moなどの高融点金属や、Irなどの貴金属を採用してもよい。また、各パッド4,4の材料としては、例えば、Alなどを採用すればよい。
なお、センサ素子10では、熱絶縁層12の厚さを40μm、ヒータ13の厚さを50nm、パッド14の厚さを0.5μmとしてあるが、これらの厚さは一例であって特に限定するものではない。
以下、センサ素子10の製造方法について簡単に説明する。
まず、単結晶のp形シリコン基板からなる半導体基板11の他表面(図1(b)における下面)側に陽極酸化処理時に用いる通電用電極(図示せず)を形成した後、図2に示すような陽極酸化処理装置にて陽極酸化を行うことで多孔質シリコン層からなる熱絶縁層12を形成する。ここにおいて、陽極酸化処理の工程が熱絶縁層形成工程となっており、陽極酸化処理にあたっては、図2に示すように、半導体基板11を主構成とする被処理物Cを処理槽Aに入れられた電解液(例えば、55wt%のフッ化水素水溶液とエタノールとを1:1で混合した混合液)Bに浸漬し、その後、電流源Dのマイナス側に配線を介して接続された白金電極Fを電解液B中において半導体基板11の上記一表面側に対向するように配置する。続いて、通電用電極を陽極、白金電極Fを陰極として、電流源Dから陽極と陰極Fとの間に所定の電流密度(ここでは、20mA/cm)の電流を所定時間(ここでは、30分)だけ流す陽極酸化処理を行うことにより半導体基板1の上記一表面側に周部以外の部位の厚さが一定の所定厚さ(ここでは、40μm)となる熱絶縁層12を形成する。なお、陽極酸化処理時の条件は特に限定するものではなく、電流密度は例えば1〜500mA/cm程度の範囲内で適宜設定すればよいし、上記所定時間も熱絶縁層12の上記所定厚さに応じて適宜設定すればよい。
上述の熱絶縁層形成工程の後、熱絶縁層12上にヒータ13を形成するヒータ形成工程、ヒータ13と電気的に接続するパッド14,14を形成するパッド形成工程を順次行い、ダイシング工程を行うことによって、センサ素子10が完成する。なお、ヒータ形成工程およびパッド形成工程では、例えば、各種のスパッタ法、各種の蒸着法、各種のCVD法などによって膜形成を行えばよい。
以上説明したセンサ素子10を用いたガスフローセンサ装置は、図3に示す構成を有している。
すなわち、本実施形態のガスフローセンサ装置は、センサ素子10のヒータ13へ電気的な入力を与える駆動手段としてのパルス入力部20と、パルス入力部20によりヒータ13へ間欠的に電気的な入力が与えられているときのヒータ13の電圧および電流を検出する電圧・電流検出部30と、電圧・電流検出部30の検出結果に基づいてガスの流れに起因したセンサ素子10のヒータ13の電気的特性の変化からガスの流量を求める信号処理手段40とを備えている。ここにおいて、パルス入力部20は、センサ素子10のヒータ13へ電気的な入力として電圧または電流のいずれかを間欠的に与える。また、信号処理手段40は、パルス入力部20によりヒータ13へ間欠的に電気的な入力(入力パルス)が与えられているときのヒータ13の電圧と電流とに基づいてヒータ13の抵抗値を演算する抵抗算出部41と、ヒータ13の電気的特性である抵抗値の変化からガスの流量を求めるガス流量換算部42とを備えている。なお、信号処理手段40の抵抗算出部41およびガス流量換算部42は、信号処理手段40を構成するマイクロコンピュータに適宜ソフトウェアを搭載することにより実現できる。
以下、ガスフローセンサ装置の動作について図4を参照しながら説明する。
パルス入力部20によりセンサ素子10の駆動が開始され(S1)、電圧・電流検出部30において入力パルスの供給期間中の所定のタイミング(ヒータ13へ与える入力パルスの立ち上がりに同期して計時を開始するタイマなどを利用して決定する)でヒータ13の電圧および電流を検出し(S2)、抵抗算出部41において電圧・電流検出部30の出力に基づいてガスが流れているときの抵抗値を算出し(S3)、ガス流量換算部42においてガスが流れていないときの抵抗値とガスが流れているときの抵抗値との抵抗値変化量を算出して(S4)、当該抵抗値変化量からガスの流量を求める(S5)。なお、ガス流量換算部42には、あらかじめ抵抗値変化量とガスの流量との対応関係を記憶したメモリが設けられている。
ところで、上述のセンサ素子10は、熱絶縁層12の熱伝導率をαi、熱容量をCiとし、半導体基板11の熱伝導率をαs、熱容量をCsとすれば、
〔αi×Ci〕<〔αs×Cs〕
の関係を満足している。
しかして、本実施形態のガスフローセンサ装置では、センサ素子10が、ヒータ13と半導体基板11との間に介在する熱絶縁層12によりヒータ13と半導体基板11とを熱絶縁した構造となっているので、センサ素子10の構造および製造が容易であり、また、センサ素子10を間欠的に駆動するので、センサ素子10を連続的に駆動する場合に比べて低消費電力化を図ることができ、しかも、センサ素子10が〔αi×Ci〕<〔αs×Cs〕の関係を満足しているので、間欠駆動する際の電気的な入力であるパルス間の時間を短くしてもヒータ13の熱が半導体基板1を通して放熱されやすくなって、ヒータ13への電気的な入力の有無によるヒータ13の温度差を大きくすることができるとともに、半導体基板11の温度が安定してヒータ13の温度が半導体基板11の温度の影響を受けにくくなるので、ガスの流量の検出精度を向上できる。ここで、熱絶縁層12を構成する多孔質シリコン層の多孔度を高くするほど熱絶縁層12の熱伝導率αiおよび熱容量Ciが小さくなって、〔αi×Ci〕と〔αs×Cs〕との差が大きくなるから、間欠駆動する際の電気的な入力であるパルス間の時間を短くしてもヒータ13の熱が半導体基板11を通してより放熱されやすくなり、ガスの流量の検出精度をより向上できる。また、支持基板としての半導体基板11がシリコン基板からなり、熱絶縁層12が多孔質シリコン層からなるので、〔αi×Ci〕と〔αs×Cs〕との差を熱絶縁層12としてシリコン酸化膜を用いる場合に比べて大きくでき、且つ、支持基板および熱絶縁層12の耐熱温度が1000℃を超える高温なので、ヒータ13の材料として上述のようなシリコンよりも高融点の材料を適宜選択することにより、ヒータ13の最高到達温度を支持基板および熱絶縁層12の耐熱温度に近い高温まで設定可能となり、高感度化を図れる。
また、本実施形態のガスフローセンサ装置では、ヒータ13の温度を直接測定することなくヒータ13の抵抗値変化からガスの流量を求めることができる。
(実施形態2)
本実施形態のガスフローセンサ装置の基本構成は実施形態1と略同じであり、実施形態1にて説明した信号処理手段40の構成が相違するだけなので図示を省略する。なお、センサ素子10および他の構成については実施形態1と同じである。
本実施形態における信号処理手段40は、抵抗算出部41にて演算により求めたヒータ13の抵抗値を規定抵抗値(基準抵抗値)と比較して規定抵抗値に近づくようにパルス入力部20からヒータ13へ与える電気的な入力の大きさを変化させた後、ヒータ13の電気的特性である抵抗値の変化からガスの流量を求めるようになっている。このため、本実施形態における信号処理手段40は、抵抗算出部41にて求めた抵抗値と規定抵抗値(基準抵抗値)とを比較する比較部と、比較部の出力に基づいてパルス入力部20の出力を制御する制御部とを備えている。
以下、本実施形態のガスフローセンサ装置の動作について図5を参照しながら説明する。
パルス入力部20によりセンサ素子10の駆動が開始され(S11)、電圧・電流検出部30において入力パルスの供給期間中の所定のタイミングでヒータ13の電圧および電流を検出し(S12)、抵抗算出部41において電圧・電流検出部30の出力に基づいてガスが流れているときの抵抗値を算出し(S13)、上記比較部において抵抗算出部41で求めた抵抗値と基準抵抗値とを比較し(S14)、上記制御部が上記比較部の出力に基づいてパルス入力部20の出力を制御する(S15)。その後、電圧・電流検出部30において入力パルスの供給期間中の所定のタイミングでヒータ13の電圧および電流を検出し(S16)、抵抗算出部41において電圧・電流検出部30の出力に基づいてガスが流れているときの抵抗値を算出し(S17)、ガス流量換算部42においてガスが流れていないときの抵抗値とガスが流れているときの抵抗値との抵抗値変化量を算出して(S18)、当該抵抗値変化量からガスの流量を求める(S19)。
しかして、本実施形態のガスフローセンサ装置によれば、ガスの流量によらずヒータ13の最高到達温度を略一定値とすることが可能となり、ヒータ13の温度に依存した放熱性の変化がなくなるので、検出精度の安定化を図れる。
(実施形態3)
本実施形態のガスフローセンサ装置は、ガスフローセンサ(センサ素子)10の構成が実施形態1とは相違している。
本実施形態におけるセンサ素子10は、図6に示すように、熱絶縁層12上において複数(図示例では、2つ)のヒータ13がヒータ13の幅方向に離間して配設されており、各ヒータ13それぞれの長手方向の両端部に接するパッド14,14が形成されている。要するに、本実施形態のセンサ素子10では、熱絶縁層12上でヒータ13が複数並設されている。なお、センサ素子10の製造方法については実施形態1と同様である。
また、本実施形態のガスフローセンサ装置における信号処理手段40の基本構成は実施形態1と略同じであり、各ヒータ13それぞれの抵抗値の変化量に基づいてガスの流量およびガスの流れている方向を求める機能を有している点に特徴がある。ただし、本実施形態のガスフローセンサ装置では、複数のヒータ13の並設方向をガスの流れ方向と一致するようにガスの流路に配設している場合にガスの流れ方向を検出することが可能となる。要するに、複数のヒータ13の並設方向にガスが流れた場合、上流側から下流側へヒータ13の熱により温まったガスが流れることとなるので、下流側のヒータ13では上流側のヒータ13に比べてガスの流れに起因した抵抗値変化量が小さくなるから、各ヒータ13の抵抗値変化量を比較することによりガスの流れる方向を検出することができる。
以下、本実施形態のガスフローセンサ装置の動作について図7を参照しながら説明する。
パルス入力部20によりセンサ素子10の駆動(両ヒータ13を同時に駆動)が開始され(S31)、電圧・電流検出部30において入力パルスの供給期間中の所定のタイミング(ヒータ13へ与える入力パルスの立ち上がりに同期して計時を開始するタイマなどを利用して決定する)で各ヒータ13それぞれの電圧および電流を検出し(S32)、抵抗算出部41において電圧・電流検出部30の出力に基づいてガスが流れているときの各ヒータ13それぞれの抵抗値を算出し(S33)、信号処理手段40における抵抗値比較部(図示せず)において各ヒータ13のガスの流れていないときと流れているときの抵抗値変化量を比較し(S34)、信号処理手段40における上流側ヒータ決定部(図示せず)にて抵抗値変化量の大きなヒータ13を上流側のヒータ13であると決定し(S35)、ガス流量換算部42において上流側のヒータ13の抵抗値変化量からガスの流量を算出し(S36)、信号処理手段40における流れ方向検出部(図示せず)においてガスの流れ方向を検出してからガスの流量およびガスの流れ方向を出力する(S37)。
しかして、本実施形態のガスフローセンサ装置では、1つのセンサ素子10に複数のヒータ13が並設されており、信号処理手段40が各ヒータ13それぞれの抵抗値の変化量に基づいてガスの流量およびガスの流れている方向を求めるので、ガスの流量と併せてガスの流れている方向を検出することができる。
(実施形態4)
本実施形態のガスフローセンサ装置は、図8に示す構成のセンサ素子10を備えている。
本実施形態におけるセンサ素子10は、図8に示すように、1つの半導体基板11の一表面側に2つの熱絶縁層2が離間して形成されており、各熱絶縁層2上にヒータ13が2つずつ形成されている。ここにおいて、本実施形態では、図8における左上のヒータ13を抵抗R1、右上のヒータ13を抵抗R12、左下のヒータ13を抵抗R13、右下のヒータ13を抵抗R4とすると、これら4つの抵抗R1〜R4が複数の金属配線14により図9のブリッジ回路を構成するように接続されている。ここに、金属配線14は、パッドを兼ねている。なお、センサ素子10の製造方法については実施形態1と同様である。
しかして、本実施形態のガスフローセンサ装置では、図9に示すように駆動手段としての電源Eからブリッジ回路の対角位置の一方の端子T1,T2間に電気的な入力として電圧を印加し、図示しない信号処理手段において、ブリッジ回路の対向位置の他方の端子T3,T4間の電圧をヒータ13の電気的な特性の変化として検出し端子T3,T4間の電圧の変化からガスの流量を求めるようになっている。ここで、端子T3、T4間の電圧はアンプAPにて増幅され、アンプAPの出力電圧Voutが信号処理手段へ入力される。信号処理手段は、マイクロコンピュータなどにより構成され、アンプAPの出力電圧Voutの変化量からガスの流量を求める機能を有している。
しかして、本実施形態のガスフローセンサ装置では、上記各実施形態に比べて、検出精度を高めることができ、検出可能な流量の範囲がより広くなる。
実施形態1におけるガスフローセンサを示し、(a)は概略平面図、(b)は(a)のX−X’断面図である。 同上におけるガスフローセンサの製造方法の説明図である。 同上におけるガスフローセンサ装置のブロック図である。 同上におけるガスフローセンサ装置の動作説明図である。 実施形態2におけるガスフローセンサ装置の動作説明図である。 実施形態3におけるガスフローセンサの概略平面図である。 同上におけるガスフローセンサ装置の動作説明図である。 実施形態4におけるガスフローセンサの概略平面図である。 同上におけるガスフローセンサ装置の要部回路図である。 従来例を示し、(a)は概略平面図、(b)は(a)のX−X’断面図である。
符号の説明
11 半導体基板
12 熱絶縁層
13 ヒータ
14 パッド

Claims (8)

  1. 支持基板の一表面側に形成されたヒータと支持基板との間に介在する熱絶縁層を有するガスフローセンサと、ガスフローセンサのヒータへ電気的な入力を与える駆動手段と、ガスの流れに起因したガスフローセンサのヒータの電気的特性の変化からガスの流量を求める信号処理手段とを備え、ガスフローセンサは、熱絶縁層の熱伝導率をαi、熱容量をCiとし、支持基板の熱伝導率をαs、熱容量をCsとするとき、
    〔αi×Ci〕<〔αs×Cs〕
    の関係を満足し、
    駆動手段は、ガスフローセンサのヒータへ電気的な入力を間欠的に与えることを特徴とするガスフローセンサ装置。
  2. 前記信号処理手段は、前記駆動手段により前記ヒータへ間欠的に電気的な入力が与えられているときの前記ヒータの電圧と電流とに基づいて前記ヒータの抵抗値を演算し、前記ヒータの電気的特性である抵抗値の変化からガスの流量を求めることを特徴とする請求項1記載のガスフローセンサ装置。
  3. 前記信号処理手段は、演算により求めた前記ヒータの抵抗値が規定抵抗値に近づくように前記駆動手段から前記ヒータへ与える電気的な入力の大きさを変化させた後、前記ヒータの電気的特性である抵抗値の変化からガスの流量を求めることを特徴とする請求項2記載のガスフローセンサ装置。
  4. 前記ガスフローセンサは、前記ヒータが複数並設されており、前記信号処理手段は、前記各ヒータそれぞれの抵抗値の変化量に基づいてガスの流量およびガスの流れている方向を求めることを特徴とする請求項2または請求項3記載のガスフローセンサ装置。
  5. 前記ガスフローセンサは、前記ヒータからなる抵抗を4つ備えて当該4つの抵抗がブリッジ回路を構成するように接続されており、前記駆動手段は、ブリッジ回路の対角位置の一方の端子間に前記電気的な入力として電圧を印加し、前記信号処理手段は、ブリッジ回路の対向位置の他方の端子間の電圧の変化からガスの流量を求めることを特徴とする請求項1記載のガスフローセンサ装置。
  6. 前記ガスフローセンサは、前記熱絶縁層が多孔質層からなることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のガスフローセンサ装置。
  7. 前記ガスフローセンサは、前記支持基板がシリコン基板からなり、前記熱絶縁層である前記多孔質層が多孔質シリコン層からなることを特徴とする請求項6記載のガスフローセンサ装置。
  8. 請求項7記載のガスフローセンサ装置に用いるガスフローセンサの製造方法であって、シリコン基板の一表面側の一部を陽極酸化することにより多孔質シリコン層からなる熱絶縁層を形成する熱絶縁層形成工程と、熱絶縁層上にヒータを形成するヒータ形成工程とを備えることを特徴とするガスフローセンサの製造方法。
JP2004280392A 2004-09-27 2004-09-27 ガスフローセンサ装置 Expired - Fee Related JP4670293B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004280392A JP4670293B2 (ja) 2004-09-27 2004-09-27 ガスフローセンサ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004280392A JP4670293B2 (ja) 2004-09-27 2004-09-27 ガスフローセンサ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006090989A true JP2006090989A (ja) 2006-04-06
JP4670293B2 JP4670293B2 (ja) 2011-04-13

Family

ID=36232112

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004280392A Expired - Fee Related JP4670293B2 (ja) 2004-09-27 2004-09-27 ガスフローセンサ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4670293B2 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61170618A (ja) * 1985-01-24 1986-08-01 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 流速検出用半導体センサ
JPH02213767A (ja) * 1989-02-14 1990-08-24 Toray Ind Inc フローセンサ
JPH08105777A (ja) * 1994-10-06 1996-04-23 Fuji Electric Co Ltd マスフローセンサ
JPH11142194A (ja) * 1997-11-12 1999-05-28 Harman Co Ltd 流体検知装置及び給湯装置
JP2004233143A (ja) * 2003-01-29 2004-08-19 Denso Corp 半導体センサ及びその製造方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61170618A (ja) * 1985-01-24 1986-08-01 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 流速検出用半導体センサ
JPH02213767A (ja) * 1989-02-14 1990-08-24 Toray Ind Inc フローセンサ
JPH08105777A (ja) * 1994-10-06 1996-04-23 Fuji Electric Co Ltd マスフローセンサ
JPH11142194A (ja) * 1997-11-12 1999-05-28 Harman Co Ltd 流体検知装置及び給湯装置
JP2004233143A (ja) * 2003-01-29 2004-08-19 Denso Corp 半導体センサ及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4670293B2 (ja) 2011-04-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2005515081A (ja) 多孔質シリコンで封止するエアキャビティ技術またはマイクロチャネル技術を用いた低電力シリコン熱センサ及びマイクロ流体デバイス
JP2009210341A (ja) ガス検知装置
JP2006217059A (ja) 圧力波発生装置
JP4801396B2 (ja) ガスセンサ及びガスセンサの製造方法
JPWO2012117446A1 (ja) 熱式流量計
JP2014182149A (ja) マイクロ電気化学的なセンサおよびマイクロ電気化学的なセンサを作動させる方法
KR20220139864A (ko) 복합형 온도 상승 및 제어 일체식 발열소자와 온도 제어방법
JP2015068802A (ja) 薄膜型水素ガスセンサ
JP2011089943A (ja) 接触燃焼式ガスセンサ
JP6477303B2 (ja) 粒子状物質検出システム
JP2008002896A5 (ja)
JP4670293B2 (ja) ガスフローセンサ装置
JP2001349759A (ja) 熱式流量センサ
JP2002328053A (ja) 感熱式流量センサ
JP4798961B2 (ja) ヒータデバイス及びこれを用いた気体センサ装置
JP2007064908A (ja) 半導体式薄膜ガスセンサ
JP4900319B2 (ja) 薄膜ガスセンサ、ガス漏れ警報器、薄膜ガスセンサ設定調節装置および薄膜ガスセンサ設定調節方法
JP2010197285A (ja) 湿度センサ
JP3381831B2 (ja) 流速センサ及び流速計測方法
WO2016132935A1 (ja) 接触燃焼式ガスセンサ
JP2003240618A (ja) フローセンサ
JP7156013B2 (ja) ガスセンサ
JP2007322320A (ja) フローセンサ及びその製造方法
JP2007155502A (ja) 検出器
JP2013054948A (ja) 発熱装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070706

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100210

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100216

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100419

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20100701

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101221

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110103

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140128

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees