JPH08105777A - マスフローセンサ - Google Patents

マスフローセンサ

Info

Publication number
JPH08105777A
JPH08105777A JP6242482A JP24248294A JPH08105777A JP H08105777 A JPH08105777 A JP H08105777A JP 6242482 A JP6242482 A JP 6242482A JP 24248294 A JP24248294 A JP 24248294A JP H08105777 A JPH08105777 A JP H08105777A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass flow
flow sensor
thin film
film thermal
thin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6242482A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsuru Oishi
満 大石
Satoshi Sakagami
智 坂上
Masahiro Uno
正裕 宇野
Shinichi Soma
伸一 相馬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Electric Co Ltd filed Critical Fuji Electric Co Ltd
Priority to JP6242482A priority Critical patent/JPH08105777A/ja
Publication of JPH08105777A publication Critical patent/JPH08105777A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Volume Flow (AREA)
  • Measuring Temperature Or Quantity Of Heat (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】基板上に対をなす2組の薄膜熱感知体を構成
し、マスフローセンサとしての検出感度を向上させ、製
造プロセスを簡素化する。 【構成】ガラスまたはセラッミク基板3と、この基板3
上に形成される対をなす2組の薄膜熱感知体(11,12),(2
1,22) と、からなり、対をなす薄膜熱感知体(11,12),(2
1,22) は、検知すべき流体の流れ方向Bに対して、上流
側に配置された熱感知体(11,21) と、下流側に配置され
た熱感知体(12,22) と、を備え、薄膜熱感知体(11,12),
(21,22) は、加熱体であるとともに測温抵抗体であり、
上流側同士の熱感知体(11,21) および下流側同士の熱感
知体(12,22) がホイートストンブリッジの対辺に配備す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄膜抵抗体により形成
されたブリッジ回路の抵抗値が、流体の通過によって変
化することから、流体の流量を測定するマスフローセン
サの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】マスフローセンサは、発熱抵抗体によっ
て加熱された測温抵抗体の抵抗値が流体の通過によって
その抵抗値が変化することを利用して、流体の流量を検
出するものである。図6は従来技術のマスフローセンサ
の構造図である。図6において、従来のマスフローセン
サは、シリコン基板4の上に熱絶縁用の酸化シリコン膜
4Aを設け、この酸化シリコン膜4Aの中心に発熱抵抗体13
を形成し、同じ酸化シリコン膜4Aの上に、第1の測温抵
抗体11と第2の測温抵抗体12とを発熱抵抗体13を中心と
して、対称に配置されている。
【0003】かかる構成で、発熱抵抗体13に電極6を介
して定電流を流すと、測温抵抗体11、12の温度が上昇す
る。この状態で流体を第1の測温抵抗体11の方向から発
熱抵抗体13、第2の測温抵抗体12に向けて流す。流体は
第1の測温抵抗体11を冷却し、発熱抵抗体13で加熱され
て第2の測温抵抗体12をさらに加熱する。このようにし
て第1の測温抵抗体11は温度が低下し、第2を測温抵抗
体12は温度が上昇する。2つの測温抵抗体11、12は、ブ
リッジ回路に直列に接続されており、温度変化によって
生ずる抵抗値の変化から発生する不平衡電圧と、ブリッ
ジ回路の他の辺のバイアス電圧との差電圧により流体の
流量を検出する。
【0004】このようなマスフローセンサは、シリコン
半導体基板4の表面に熱酸化により酸化シリコン膜4Aを
形成し、例えば、スパッタリング法によりニッケル(N
i)膜をシリコン半導体基板4の表面に成膜する。次
に、フォトリソグラフィの方法により第1の測温抵抗体
11、発熱体13および第2の測温抵抗体12のパターンを形
成するために、ニッケル膜上にレジストを塗布し、マス
クを介して露光し、レジストパターンマスクを形成す
る。次に、エッチング処理により、第1の測温抵抗体1
1、発熱体13および第2の測温抵抗体12に所要のパター
ン形成を行う。さらにこの後、シリコン半導体基板4の
背面からプラズマエッチングにより、第1の測温抵抗体
11、発熱抵抗体13および第2の測温抵抗体12の下方のシ
リコン半導体を除去し、空洞部7を設け、酸化シリコン
膜4Aからなるダイアフラムを形成する。
【0005】酸化シリコン膜4A自身は、熱伝導率が小さ
く熱絶縁性が良いが、酸化シリコン膜4Aの膜厚さが薄い
ため、第1の測温抵抗体11および第2の測温抵抗体12が
検出した温度差は、この酸化シリコン膜4Aを介して、比
較的熱良導体性であるシリコン半導体基板4に流れ、検
出感度を低下させる。このため、上述のごとく、空洞部
7を設けることにより、第1の測温抵抗体11と発熱抵抗
体13と第2の測温抵抗体12の下部は、酸化シリコン膜4A
のみとなり、第1の測温抵抗体11と第2の測温抵抗体12
の間の比熱の減少とともに、熱絶縁性が改善され、微小
な流体変化に対して高感度に、鋭敏に温度変化を検出す
ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
様な従来技術のマスフローセンサでは、酸化シリコン膜
が残留応力のため歪むという現象があり、酸化シリコン
膜からなるダイアフラムが空洞側に撓み、第1の測温抵
抗体や発熱抵抗体及および第2の測温抵抗体に流体が十
分に接触しなくなるという問題がある。
【0007】また、プラズマエッチング加工によりダイ
ヤフラム構造を形成すると、加工寸法のバラツキと不純
物の付着を抑えることはできるが、エッチングガスとし
てフッ素系のガス、例えば、テトラフルオロメタンCF4
、六沸化硫黄SF6 、三沸化窒素NF3 を用いてエッチン
グを行っており、長時間の加工により、センサパターン
が損傷をおこす、あるいは電極の膜の剥れが発生すると
言う欠点があった。このためプラズマエッチングを行う
場合、抵抗体に予め保護膜を成膜し、エッチングを行う
等の工夫が必要であり、製造プロセスが複雑になる。
【0008】本発明は上記の点にかんがみてなされたも
のであり、その目的は前記した課題を解決して、マスフ
ローセンサとしての検出感度を向上させ、製造プロセス
を簡素化したマスフローセンサを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の第1の手段によれば、ガラスまたはセラッ
ミクの熱伝導率の小さい材料からなる基板と、この基板
上に形成される対をなす2組の薄膜熱感知体と、からな
り、対をなす薄膜熱感知体は、検知すべき流体の流れ方
向に対して上流側に配置された薄膜熱感知体と下流側に
配置された薄膜熱感知体とを備え、薄膜熱感知体は加熱
体であるとともに測温抵抗体であり上流側同士および下
流側同士の薄膜熱感知体をホイートストンブリッジの対
辺に配備するものとする。
【0010】また、本発明の第2の手段によれば、対を
なす2組の薄膜熱感知体が形成されるガラス基板の背面
側であって、薄膜熱感知体の周辺を含む範囲内のガラス
の一部が除去され、空洞部を形成するものとする。ま
た、本発明の第3の手段によれば、対をなす薄膜熱感知
体間に空隙部を形成するものとする。
【0011】また、本発明の第4の手段によれば、対を
なす薄膜熱感知体の両側面に空隙部を形成するものとす
る。また、本発明の第5の手段によれば、対をなす2組
の薄膜熱感知体が形成されるガラス基板側から対をなす
薄膜熱感知体間に彫り込み部を形成するものとする。
【0012】また、本発明の第6の手段によれば、対を
なす2組の薄膜熱感知体が形成されるガラス基板側から
対をなす薄膜熱感知体の両側面に彫り込み部を形成する
ものとする。また、本発明の第7の手段によれば、基板
は、電気的な導体が気密にガラス基板を貫通しているも
のとする。
【0013】また、本発明の第8の手段によれば、マス
フローセンサに装着されるキャップのマスフローセンサ
側の一部が除去され、マスフローセンサとキャップの除
去部分とでなす空間が流体の通路を形成するものとす
る。
【0014】
【作用】上記構成により、本発明の第1の手段によれ
ば、センサ基板材料として熱絶縁の良いガラス基板また
はセラッミク基板を用いるため、対をなす薄膜熱感知体
間の熱絶縁抵抗を高くすることができる。特に、薄膜熱
感知体部分のみならず、センサ基板材料上に形成され、
比較的広い面積を有する電極パターン部の熱絶縁抵抗も
高くすることができる。この結果、従来技術の薄膜熱感
知体部分に対しては、その背面のシリコン半導体を除去
し、熱絶縁抵抗を高く維持していたが、薄膜熱感知体か
ら接続パターン部を介して比較的広い面積を有する電極
パターン部に熱移動が発生し、電極パターン部を介して
シリコン半導体を経由して薄膜熱感知体部分間の熱絶縁
抵抗を低下させていた原因を除去することができ、マス
フローセンサとしての高感度性を改善することができ
る。
【0015】また、本発明の第2の手段によれば、薄膜
熱感知体が形成されるガラス基板の背面のガラスの一部
を除去し空洞部を形成することにより、接近した間隔に
配置された薄膜熱感知体間の熱絶縁抵抗を第1の手段よ
りも高くできる。また、本発明の第3、第4の手段によ
れば、対をなす薄膜熱感知体間に空隙部を、あるいは、
対をなす薄膜熱感知体の両側面に空隙部を形成すること
により、接近した間隔に配置された薄膜熱感知体間の熱
絶縁抵抗をより高くできる。
【0016】また、本発明の第5、第6の手段によれ
ば、対をなす2組の薄膜熱感知体が形成されるガラス基
板の表面側から、対をなす薄膜熱感知体間、あるいは、
対をなす薄膜熱感知体の両側面に彫り込み部を形成する
ことにより、薄膜熱感知体間の熱絶縁距離を延長するこ
とができ、高熱絶縁抵抗が確保できる。また、本発明の
第7の手段によれば、基板と端子間を気密に構成するこ
とにより、本マスフローセンサを組み込んだ検出器に封
入されたガスの気密を維持することができる。
【0017】また、本発明の第8の手段によれば、キャ
ップ側に流体通路を構成することにより、微弱な流体の
流れを効率的に検出できる。また、上記の第1〜第8の
手段は、従来のシリコン半導体基板を用いた製造プロセ
スに比べ、ガラス基板を用いた製造プロセスは、酸化膜
の形成およびエッチング保護膜の形成等のプロセスを省
略でき、かつ、エッチングのプロセスを等方性に優れた
ウエットエッチングで行うことにより、撓みの少ないダ
イアフラム構造が、抵抗体パターンへの損傷を少なく形
成することが可能となる。
【0018】また、セラミック基板を用いた製造プロセ
スは、セラミックの後加工が困難であるため、セラミッ
ク焼成前に形成可能な形状に限定されるが、第1、3、
4、7、8の手段を適用することができる。
【0019】
【実施例】図1は本発明の一実施例であり第1の手段に
よるマスフローセンサの構成図、図2は他の実施例であ
り第2の手段によるマスフローセンサの構成図、図3は
第3の手段によるマスフローセンサの構成図、図4は第
4、第5の手段によるマスフローセンサの構成図、図5
は第6の手段によるマスフローセンサの構成図であり、
図6に対応する同一部材には同じ符号が付してある。
【0020】実施例1 図1は、本発明の実施例の第1の手段に係わるマスフロ
ーセンサの構成図であり、図1の(A) は正面図とブリッ
ジ回路図を、図1の(B) は A-A断面図を示す。図1にお
いて、3はガラスまたはセラッミクの熱伝導率の小さい
材料からなる基板であり、この基板3上に対をなす薄膜
熱感知体(11,12),(21,22) の2組が形成される。これら
の薄膜熱感知体(11,12),(21,22) は、加熱体であるとと
もに測温抵抗体であり、検知すべき流体の流れ方向Bに
対して、上流側に配置された熱感知体(11,21) と下流側
に配置された熱感知体(12,22) とがあり、接続パターン
部6aを介して電極パターン部6に接続され、ここでは図
示省略されている端子6Bを介して外部回路に引き出さ
れ、上流側同士の熱感知体(11,21) および下流側同士の
熱感知体(12,22) がホイートストンブリッジの対辺に配
置されている。
【0021】かかる構成で、加熱体であるとともに測温
抵抗体である薄膜熱感知体(11,12),(21,22) に電極パタ
ーン部6を介して電流を流すと、薄膜熱感知体(11,12),
(21,22) の周辺温度が上昇する。この状態で流体を矢視
Bの方向に流す。流体通路にある高温の流体の分布が移
動することにより、流体は、上流側の熱感知体(11,21)
を冷却し、下流側の熱感知体(12,22) を加熱する。この
様にして、熱感知体(11,21) は温度が低下し、熱感知体
(12,22) は温度が上昇する。上流側および下流側の熱感
知体(11,21) 、(12,22) がブリッジ回路の対辺に配置さ
れているので、上述の温度差でブリッジに不平衡が発生
し、ブリッジ不平衡電圧より流体の流量を検出すること
ができる。
【0022】本マスフローセンサと図6による従来技術
のマスフローセンサと異なる主な点は、センサ基板材料
が、シリコン半導体基板4に代わってガラスまたはセラ
ッミク基板3で構成される点である。この様な基板3上
に構成されるマスフローセンサは、次のプロセスで製造
することができる。即ち、基板上に金属薄膜を蒸着ある
いはスパッタにより成膜する。次に、フォトリソグラフ
ィの方法により薄膜熱感知体(11,12),(21,22) のパター
ンを形成するために、金属薄膜上にレジストを塗布し、
マスクを介して露光し、レジストパターンマスクを形成
する。次に、エッチング処理により薄膜熱感知体(11,1
2),(21,22) のパターン形成を行う。
【0023】図1の(B) によって、本発明のマスフロー
センサの検出感度を説明する。尚、説明の簡便化のた
め、A-A 矢視図に示された半分の部分で説明する。対を
なす薄膜熱感知体(11,12) 間の熱伝導抵抗をR12 とし、
薄膜熱感知体11、12と電極パターン部6との間の接続パ
ターン部6aによる熱伝導抵抗をraとし、電極パターン部
6間の熱伝導抵抗をR66 とする。流体の分布変化によっ
て薄膜熱感知体(11,12)間に生じた温度差は、一つは熱
伝導抵抗R12 を介して減少方向に作用し、他の一つは熱
伝導抵抗2raおよび熱伝導抵抗R66 の直列回路を介して
減少方向に作用する。
【0024】接続パターン部6aが金属薄膜であるので、
薄膜の厚さに依存するが、熱伝導抵抗raは比較的小さい
ものと見做せる。従来技術では、熱伝導抵抗R12 は空洞
部7を形成し、酸化シリコン膜4A(熱伝導率;約7.6/(m
・K)) からなるダイアフラムを形成することにより高熱
抵抗を形成しているが、熱伝導抵抗R66 は、シリコン半
導体基板4(熱伝導率;約98.9W/(m・K)) の熱伝導抵抗
が非常に小さいので、酸化シリコン膜4Aの膜厚に比例
し、電極パターン部6の面積に反比例して定まり、この
熱伝導抵抗R66 による影響は熱伝導抵抗R12 よりも大き
いと見做せる。
【0025】一方、図1の本発明の方法では、ガラス基
板3の熱伝導率(約1.24W/(m・K))が酸化シリコン膜4A
の熱伝導率より小さいので、熱伝導抵抗R66 は従来技術
に較べて高くでき、マスフローセンサの高感度性を確保
できる。また、セラミック基板3の熱伝導率は、アルミ
ナ(約26.4W/(m・K))、チタニア(約7.0W/(m ・K))、
ジルコニア(約3.3W/(m ・K))であり、アルミナは熱伝
導率がやや高いが、チタニアやジルコニアは酸化シリコ
ン膜4Aの熱伝導率とほぼ同程度ないし小さいので、ガラ
ス基板と同様に熱伝導抵抗R66 を高くでき、マスフロー
センサの高感度性を確保できる。(熱伝導率に数値は、
化学便覧 基礎II/日本化学編より引用) 実施例2 図2は本発明の第2の手段に係わる構成図である。図1
の第1の手段との差異は、図2の(B) に図示される様
に、図1のマスフローセンサに空洞部7をウエットエッ
チングにより構成し、ダイアフラム構造を形成したこと
である。かかる構成にすることにより、対をなす薄膜熱
感知体(11,12) 間の熱通路に相当する断面積が小さくな
り、接近した間隔に配置された薄膜熱感知体(11,12) 間
の熱絶縁抵抗R12 を第1の手段よりも高く維持でき、セ
ンサの高感度性を確保できる。
【0026】また、ガラス基板3を用いることにより、
従来技術と同様なダイアフラム構造が、従来技術に較べ
て、酸化シリコン膜4Aの形成およびプラズマエッチング
のために抵抗体に予め保護膜を形成する等のプロセスが
省略でき、複雑なプロセスを経ずに、マスフローセンサ
を構成することができる。 実施例3 図3は本発明の第3、第4の手段に係わる構成図であ
る。図3において、図2の第2の手段との差異は、図2
の構成に、上流側熱感知体(11,21) と下流側の熱感知体
(12,22) との間に空隙部8aを、あるいは、対をなす薄膜
熱感知体(11,12),(21,22) の両側面に空隙部8bを形成し
たものある。この様な空隙部8a、8bが形成されることに
よって、接近した間隔に配置された薄膜熱感知体(11,1
2),(21,22)間の熱伝導抵抗R12 をより高く維持できる。
【0027】実施例4 図4は本発明の第5および第6の手段に係わる構成図で
あり、図4の(A) は正面図を、図4の(B) は A-A断面図
を示す。図4に示す第5の手段の構成は、図1の第1の
手段の構成に対して、対をなす2組の薄膜熱感知体(11,
12),(21,22) が形成されるガラス基板3の表面側から、
対をなす薄膜熱感知体(11,12),(21,22)間に彫り込み部9
aを形成する、あるいは、対をなす薄膜熱感知体(11,1
2),(21,22) の両側面に彫り込み部9bを形成することに
より、薄膜熱感知体(11,12),(21,22) 間の熱絶縁距離を
延長することができ、高熱絶縁抵抗の確保とともに、汚
れなどの耐環境性の確保も維持しやすい。
【0028】また、図4に示す第7の手段の構成は、ガ
ラスまたはセラッミク基板3と端子6Bとの接続部を気密
シールし、この基板上に、例えば、実施例1の第1の手
段で示した構成と同様のセンサが形成できる。この様な
ガラス基板3と端子6Bとの接続部を気密シールしたマス
フローセンサは、図3の第3、第4の手段の場合を除
き、第1、第2、第5〜第7の手段に適用することがで
きる。
【0029】実施例5 図5は本発明の第8の手段に係わりマスフローセンサと
しての他の実施例であり、図5の(A) は正面図を、図5
の(B) は側面図を、図5の(C) は A-A断面図を示す。図
5の(A) において、薄膜熱感知体(11,12),(21,22) が構
成されるガラス基板3は、図5の(C) のA-A 断面図に図
示される様に、対をなす2組の薄膜熱感知体(11,12),(2
1,22) が形成されるガラス基板3の表面側から、薄膜熱
感知体(11,12),(21,22) 間に形成された彫り込み部9a
と、薄膜熱感知体(11,12),(21,22)の両側面に形成され
た彫り込み部9bがあり、この彫り込み部9bは流体の流れ
方向に延長されている。また、太い点線で図示されるキ
ャップ5はマスフローセンサ側に直方体状に除去された
部分5Aを有し、上記マスフローセンサの両側面に形成さ
れた彫り込み部9bとキャップの除去された直方体状部分
5Aとでなす空間が、流体の出入口と流体通路を形成す
る。
【0030】かかる構成のマスフローセンサは、例え
ば、赤外線ガス分析計の検出器に好適に適用することが
できる。即ち、赤外線ガス分析計の検出器は、2個の槽
を備え、この2個の槽間を連通するガス通路を有し、測
定対象ガスを2個の槽に封入し、被測定ガスを導入排出
する測定セルを透過した赤外線光束を少なくとも一方の
槽に受光し、この2個の槽に入射する赤外線光量の差を
封入ガスによる赤外線吸収によって生じる圧力差として
検出し、被測定対象ガス成分の濃度を測定する検出器に
おいて、2個の槽間を連通するガス通路途上にマスフロ
ーセンサ挿入口を有し、このガス通路に合わせて、上述
の流体の出入口と流体通路を有する気密シールしたマス
フローセンサを挿入し、検出器とマスフローセンサを気
密シールする。この様な構造を採用することにより、マ
スフローセンサを検出器に組み込むことが容易にでき、
かつ、2個の槽に封入したガスに気密性の確保とともに
ガス通路の確保が確実に実施できる。
【0031】
【発明の効果】以上述べたように本発明の構成によれ
ば、マスフローセンサの基板材料をガラスやセラッミク
等の熱絶縁性の適した材料で構成することにより、対を
なす薄膜熱感知体間の熱絶縁抵抗および電極パターン部
を介した熱絶縁抵抗を高くすることができ、より高感度
なマスフローセンサを提供することができる。また、マ
スフローセンサの感度は、薄膜熱感知体が形成されるガ
ラス基板の背面のガラスの一部を除去して空洞部を形成
する、薄膜熱感知体間にまたは両側面に空隙部を形成す
る、あるいは、薄膜熱感知体が形成されるガラス基板の
表面側から薄膜熱感知体間にまたは両側面に彫り込み部
を形成することにより、より高熱絶縁化でき、マスフロ
ーセンサの高感度化を図ることができる。
【0032】さらに、基板と端子との接続部を気密シー
ルすることにより、ガス封入型の検出器に容易に組み込
み可能とすることができる。また、ガス出入口としてガ
ラス基板の一部が除去されたガラス基板と端子とが気密
シールされたマスフローセンサに、流体通路を有するキ
ャップを組み込むことにより、微小な圧力差によって生
ずる流体を効率的に検出することができる。
【0033】また、製造プロセス面では、従来技術のシ
リコン基板上にセンサを構成する方法では、1)酸化膜形
成、2)成膜、3)パターニング、4)エッチング保護膜の形
成、5)エッチングのプロセスに、さらに、6)ダイアフラ
ム構造の形成等のエッチングプロセスが必要であるのに
対して、本発明のガラス基板では、2)抵抗体の成膜、3)
パターニング、5)エッチングのプロセス、および、必要
に応じて、6)断熱溝(空隙部、彫り込み部)やダイアフ
ラム構造の形成等のエッチングプロセスとなり、従来技
術に較べて、1)酸化膜形成、4)保護膜の形成等のプロセ
スを省略でき、量産に適したプロセスを実現することが
可能である。
【0034】また、ガラス基板を用いることにより、等
方性に優れたウエットエッチングで加工を行うことがで
き、6)断熱溝の構成等が容易となり、流体測定に適した
断熱構造を容易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であり第1の手段によるマス
フローセンサの構成図
【図2】他の実施例であり第2の手段によるマスフロー
センサの構成図
【図3】第3の手段によるマスフローセンサの構成図
【図4】第4、第5の手段によるマスフローセンサの構
成図
【図5】第6の手段によるマスフローセンサの構成図
【図6】従来技術によるマスフローセンサの構成図
【符号の説明】
11,12,21,22 薄膜熱感知体 3 ガラスまたはセラッミク基板 4 シリコン半導体基板 4A 酸化シリコン膜 5 キャップ 5A 流体通路 6 電極パターン部 6a 接続パターン部 6B 端子 7 空洞部 8a,8b 空隙部 9a,9b 彫り込み部 R12,R66,ra 熱伝導抵抗
フロントページの続き (72)発明者 相馬 伸一 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラスまたはセラッミクの熱伝導率の小さ
    い材料からなる基板と、 この基板上に形成される対をなす2組の薄膜熱感知体
    と、からなり、 対をなす薄膜熱感知体は、検知すべき流体の流れ方向に
    対して、上流側に配置された薄膜熱感知体と、下流側に
    配置された薄膜熱感知体と、を備え、 薄膜熱感知体は、加熱体であるとともに測温抵抗体であ
    り、上流側同士および下流側同士の薄膜熱感知体をホイ
    ートストンブリッジの対辺に配備する、 ことを特徴とするマスフローセンサ。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のマスフローセンサにおい
    て、対をなす2組の薄膜熱感知体が形成されるガラス基
    板の背面側であって、薄膜熱感知体の周辺を含む範囲内
    のガラスの一部が除去され、空洞部を形成する、ことを
    特徴とするマスフローセンサ。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2に記載のマスフロ
    ーセンサにおいて、対をなす薄膜熱感知体間に空隙部を
    形成する、ことを特徴とするマスフローセンサ。
  4. 【請求項4】請求項1ないし請求項3のいずれかの項に
    記載のマスフローセンサにおいて、対をなす薄膜熱感知
    体の両側面に空隙部を形成する、ことを特徴とするマス
    フローセンサ。
  5. 【請求項5】請求項1に記載のマスフローセンサにおい
    て、対をなす2組の薄膜熱感知体が形成されるガラス基
    板側から、対をなす薄膜熱感知体間に彫り込み部を形成
    する、ことを特徴とするマスフローセンサ。
  6. 【請求項6】請求項1または請求項5に記載のマスフロ
    ーセンサにおいて、対をなす2組の薄膜熱感知体が形成
    されるガラス基板側から、対をなす薄膜熱感知体の両側
    面に彫り込み部を形成する、ことを特徴とするマスフロ
    ーセンサ。
  7. 【請求項7】請求項1ないし請求項6のいずれかの項に
    記載のマスフローセンサにおいて、基板は、電気的な導
    体が気密にガラス基板を貫通している、ことを特徴とす
    るマスフローセンサ。
  8. 【請求項8】請求項7に記載のマスフローセンサにおい
    て、マスフローセンサに装着されるキャップのマスフロ
    ーセンサ側の一部が除去され、マスフローセンサとキャ
    ップの除去部分とでなす空間が流体の通路を形成する、
    ことを特徴とするマスフローセンサ。
JP6242482A 1994-10-06 1994-10-06 マスフローセンサ Pending JPH08105777A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6242482A JPH08105777A (ja) 1994-10-06 1994-10-06 マスフローセンサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6242482A JPH08105777A (ja) 1994-10-06 1994-10-06 マスフローセンサ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08105777A true JPH08105777A (ja) 1996-04-23

Family

ID=17089750

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6242482A Pending JPH08105777A (ja) 1994-10-06 1994-10-06 マスフローセンサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08105777A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006017723A (ja) * 2004-06-30 2006-01-19 Codman & Shurtleff Inc 基板に凹部を備えた熱式流量センサ
JP2006090989A (ja) * 2004-09-27 2006-04-06 Matsushita Electric Works Ltd ガスフローセンサ装置およびそれに用いるガスフローセンサの製造方法
JP2007322207A (ja) * 2006-05-31 2007-12-13 Yokogawa Electric Corp 磁気式酸素測定方法及び磁気式酸素計
JP2012093099A (ja) * 2010-10-25 2012-05-17 Shimadzu Corp フローセンサおよび赤外線ガス分析計
JP2013072790A (ja) * 2011-09-28 2013-04-22 Azbil Corp フローセンサ及びフローセンサの製造方法
CN104089719A (zh) * 2014-06-19 2014-10-08 天津科技大学 一种带i2c通信接口的铂电阻温度传感器及其制备方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006017723A (ja) * 2004-06-30 2006-01-19 Codman & Shurtleff Inc 基板に凹部を備えた熱式流量センサ
JP2006090989A (ja) * 2004-09-27 2006-04-06 Matsushita Electric Works Ltd ガスフローセンサ装置およびそれに用いるガスフローセンサの製造方法
JP4670293B2 (ja) * 2004-09-27 2011-04-13 パナソニック電工株式会社 ガスフローセンサ装置
JP2007322207A (ja) * 2006-05-31 2007-12-13 Yokogawa Electric Corp 磁気式酸素測定方法及び磁気式酸素計
JP2012093099A (ja) * 2010-10-25 2012-05-17 Shimadzu Corp フローセンサおよび赤外線ガス分析計
JP2013072790A (ja) * 2011-09-28 2013-04-22 Azbil Corp フローセンサ及びフローセンサの製造方法
CN104089719A (zh) * 2014-06-19 2014-10-08 天津科技大学 一种带i2c通信接口的铂电阻温度传感器及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2762864B1 (en) Membrane-based sensor device and method for manufacturing the same
JP3362714B2 (ja) 静電容量型圧力センサおよびその製造方法
KR100741520B1 (ko) 다이어프램을 갖는 반도체 압력 센서
US9829455B2 (en) Gas detector
AU603918B2 (en) Mass air flow sensors
EP0742893A1 (en) A capacitive pressure sensor having a reduced area dielectric spacer
JPH10213470A (ja) 薄膜式抵抗体及びその製造方法、流量センサ、湿度センサ、ガスセンサ、温度センサ
JPH08105777A (ja) マスフローセンサ
US5652443A (en) Sensor having a micro-bridge heater
JPH06109568A (ja) 真空センサ
JP5669678B2 (ja) 赤外線センサ
JP2000065850A (ja) 熱型加速度センサ
US11866323B2 (en) Method for manufacturing at least one membrane system, membrane system for a micromechanical sensor, and component
JP3596935B2 (ja) 半導体圧力センサ
JPH0196549A (ja) センサ素子
US6619130B1 (en) Pressure sensor
JPH0611374A (ja) 流体フローセンサ
JP2550435B2 (ja) 流速センサ
JPH07162019A (ja) 半導体圧力センサ
JPS63263426A (ja) センサ素子
JP2860086B2 (ja) 湿度センサ用マイクロキャップ及び湿度センサ
JPH02179459A (ja) 湿度センサ
JPH04218777A (ja) マイクロフローセンサおよびその製造方法
KR100329807B1 (ko) 반도체식 가스 센서의 전극 구조
SU389458A1 (ja)