JP2010197285A - 湿度センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関等の吸入空気の湿度計測が可能な、高応答で高精度の湿度センサを提供すること。
【解決手段】湿度センサ1は、基板2の空洞部5内に複数本の支持腕6a〜6d、6e〜6hを介して第一および第二の薄膜支持体4a、4bを支持し、その第一および第二の薄膜支持体4a、4bに第一および第二の発熱体3a、3bを形成する。そして、第一および第二の発熱体3a、3bに対して加熱電力を供給して第一の発熱体3aを第一の温度T1に制御しかつ第二の発熱体3bを第一の温度T1よりも高温である第二の温度T2に制御し、第一および第二の発熱体3a、3bの加熱電力に基づいて周囲気体の湿度を演算する
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば内燃機関に吸入される空気の環境特性を計測する環境センサに係わり、特に吸入空気の水蒸気量を検出する湿度センサに関する。
最近の内燃機関では低燃費化を図るために、高度なエンジン制御が求められており、吸入空気量のみならず吸入空気の温度、圧力および湿度等の環境パラメータも高精度に計測することが求められている。これらの吸入空気量、温度、圧力および湿度等の計測信号は、燃焼行程に係わる重要なデータとなり、燃料噴射時間等の計算のために用いられる。
吸入空気の湿度を計測する湿度センサに関して、従来の湿度センサは感湿材の水分吸収による電気特性の変化を応用した電気抵抗式または静電容量式や、空気中の水蒸気の有無による空気の熱伝導変化を検出する熱伝導式等があるが、熱伝導式は水分の吸収が無いため長期安定性に優れている。このような熱伝導式を用いた湿度センサの先行技術文献としては、例えば以下の特許文献1、2、3が存在する。
特許第2889909号公報 特許第3343801号公報 特開2004−286492号公報
特許文献1(特許第2889909号公報)の従来例では、雰囲気中において加熱される抵抗体の抵抗値の変化に基づいて、抵抗変化が雰囲気温度のみに影響される低温度と抵抗変化が雰囲気の温度および湿度に感応する高温度にて、抵抗体両端に生ずる高温における電圧から低温における電圧を比較して湿度を検知する湿度センサが開示されている。
また、特許文献2(特許第3343801号公報)の従来例では、発熱体により感温抵抗体を加熱する加熱手段を有し、この加熱手段は発熱体に対して一定時間内に2つのパルス電圧を順番に印加することにより、感温抵抗体の温度を300℃以上の第1の温度と100℃〜150℃の第2の温度とに切り替え、それぞれの感温抵抗体の電圧降下に関連する出力電圧から湿度を検知する湿度センサが開示されている。
上記の特許文献1および2に開示された従来の湿度センサでは、同一の発熱体または感温抵抗体を低温度(第2の温度)と高温度(第1の温度)に時分割に加熱する構成となっている。
このように、時分割で同一の発熱体または感温抵抗体を加熱する構成では、省電力という利点はあるが、異なる温度に発熱体または感温抵抗体を加熱および自然冷却するための時間が必要となり応答速度が遅いという問題がある。
特に、内燃機関の吸入空気の湿度計測では、燃料噴射時間等の瞬時計算に用いられる重要なデータとなることから即時性が求められる。このような応用に対しては、上記の特許文献1および2に開示された従来の湿度センサは応答速度が課題となる。
一方、特許文献3(特開2004−286492号公報)の従来例では、請求項6において、基板から熱分離し独立した2個の薄膜体のそれぞれに、1個のヒータと、該ヒータの場所Aの温度Taを検出する温度センサTSaと、熱抵抗を有するようにヒータから距離を隔てた場所Bに配置温度センサTSbをそれぞれ配置した構成が開示されている。
それぞれ独立した2個の薄膜体の温度Taを、低温度(第2の温度)と高温度(第1の温度)にそれぞれ制御し、それぞれの薄膜体における上記温度センサTSaと温度センサTSbの温度差情報から湿度を検出する構成となっている。
このような上記構成では、それぞれ独立した2個の薄膜体を異なる温度に制御することから、湿度の出力信号をリアルタイムに出力することが可能となり応答性の向上が期待される。
しかしながら、上記の特許文献3の従来例では、基板から熱分離し独立した2個の薄膜体に対して、それぞれ1個のヒータと2個の温度センサ(合計で2個のヒータと4個の温度センサ)が必要となる。
このように各薄膜に形成される温度センサが増えることから、各温度センサから基板に至る引出配線の数も増大し、結果として、基板と薄膜体との間の熱抵抗が下がり、薄膜体の熱分離が不十分となって、計測精度が劣化する問題がある。
本発明の目的は、上記の従来例の課題を解決し、内燃機関等の吸入空気の湿度計測が可能な、高応答で高精度の湿度センサを提供することにある。
上記課題を解決する本発明の湿度センサは、基板の空洞部内に複数本の支持腕を介して第一および第二の薄膜支持体を支持し、その第一および第二の薄膜支持体に第一および第二の発熱体を形成する。そして、第一および第二の発熱体に対して加熱電力を供給して第一の発熱体を第一の温度に制御しかつ第二の発熱体を第一の温度よりも高温である第二の温度に制御し、第一および第二の発熱体の加熱電力に基づいて周囲気体の湿度を演算することを特徴としている。
本発明によれば、基板の空洞部内に複数本の支持腕を介して第一および第二の薄膜支持体を支持し、その第一および第二の薄膜支持体に第一および第二の発熱体を形成しているので、第一および第二の薄膜支持体から基板への熱逃げを防ぎ、熱絶縁性を向上させることができる。
そして、第一および第二の発熱体に対して加熱電力を供給して第一の発熱体を第一の温度に制御しかつ第二の発熱体を第一の温度よりも高温である第二の温度に制御し、第一および第二の発熱体の加熱電力に基づいて周囲気体の湿度を演算するので、それぞれ独立した2個の薄膜支持体を互いに異なる温度に同時に制御することができる。したがって、湿度の出力信号をリアルタイムに出力することができ、応答性を向上させることができる。
第一実施例を示す湿度センサの平面図。 図1のA−A線断面図。 第一実施例を示す湿度センサの駆動回路図。 第二実施例を示す湿度センサの平面図。 図4のB−B線断面図。 第二実施例を示す湿度センサの駆動回路図。 第三実施例を示す湿度センサの平面図。 図7のC−C線断面図。
以下、本発明の実施例について図面に基づき詳細に説明する。図1は第一実施例を示す湿度センサの平面図、図2は、図1のA−A線断面図である。
湿度センサ1は、単結晶シリコンの基板2を有している。基板2には、図1に示すように、互いに独立した第一および第二の空洞部5a、5bが所定間隔をおいて隣り合う位置に形成されており、これらの第一および第二の空洞部5a、5b内に、第一の発熱体3aと第二の発熱体3bを支持する第一の薄膜支持体4aと第二の薄膜支持体4bが位置するように形成されている。
第一および第二の薄膜支持体(メンブレン)4a、4bは、図2に示すように、基板2の上面に積層された絶縁層8a、8bによって構成されており、これらの絶縁層8a、8bの間に、第一および第二の発熱体3a、3bが介在されて支持されている。
第一および第二の薄膜支持体4a、4bは、発熱体3a、3bと基板2間の熱絶縁を図るために、図1に示すように、空洞部5a、5b上にて複数の支持腕6a〜6d、6e〜6hによって支持された構造となっている。本実施例では、第一および第二の薄膜支持体4a、4bが平面視略矩形を有しており、各四隅にそれぞれ四本の支持腕6a〜6d、6e〜6hが連結されて支持する構造を有している。
発熱体3a、3bは、第一および第二の薄膜支持体4a、4bの平面に沿って延在するジクザク構造を有する微細幅の抵抗体からなり、基板2上に形成された外部回路との接続のための電極7a、7b、7c、7dと、支持腕6a、6b、および支持腕6e、6fに形成された接続パターンを介して電気的に接続される。
発熱体3a、3bとしては、高温において安定な材料(高い融点を有する材料)として、白金(Pt)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、シリコン(Si)等が選定され、絶縁層8a、8bとしては酸化シリコン(SiO)と窒化シリコン(Si)が単層あるいは積層構成にて選定される。また、電極7a、7bとしては、アルミニウム(Al)または金(Au)が選定される。
発熱体3a、3b、絶縁層8a、8bおよび電極7a〜7dは、公知のフォトリソグラフィーを利用した半導体微細加工技術、異方性エッチング技術を用いて形成される。特に、空洞部5a、5bは、単結晶シリコン基板2を異方性エッチングして形成するので、電極7a〜7dには、異方性エッチングに用いるアルカリエッチング溶液への耐性のある金属を用いる方が良い。
また、アルミニウムなどの耐性の無い金属を使用するときは、電極7a〜7dをアルミニウムとシリコンの合金で構成して耐性を持たせるか、または、電極7a〜7dの上に保護膜を形成しておいてから異方性エッチングを行う。
図3は、湿度センサの駆動回路の構成図である。以下、図3を用いて、第一実施例における湿度センサの動作について説明する。
湿度センサ1の駆動回路は、第一および第二の発熱体3a、3bに対して加熱電力を供給して第一の発熱体を第一の温度に制御し且つ第二の発熱体を第一の温度よりも高温である第二の温度に制御する構成を有している。
湿度センサ1の駆動回路は、第一および第二のホーイストン・ブリッジ回路21、31と、差動増幅器10a、10bと、発熱体3a、3bに加熱電流を流すためのトランジスタ11a、11bを有している。尚、図3で符号12は電源であり、符号13は信号処理回路である。
第一のホーイストン・ブリッジ回路21は、発熱体3aと固定抵抗91a、92a、93aを有しており、第二のホーイストン・ブリッジ回路31は、発熱体3bと固定抵抗91b、92b、93bを有している。
第一のホーイストン・ブリッジ回路21における、発熱体3aと固定抵抗93aの接続端22の電位と、固定抵抗91aと92aの接続端23の電位とが差動増幅器10aに入力され、発熱体3aの温度が100℃から200℃の間の一定温度である第一の温度T1になるようにフィードバック制御される(第一のフィードバック制御手段)。
発熱体3aの温度設定は、既知である発熱体3aの抵抗温度係数から第一の温度T1における抵抗と固定抵抗93aの比と、固定抵抗91aと92aの比が一致するように設定され、発熱体3aの温度が第一の温度T1より低いと、トランジスタ11aがオンして発熱体3aに加熱電流が流れることになる。
第二のホーイストン・ブリッジ回路31でも同ように、発熱体3bと固定抵抗93bの接続端32の電位と、固定抵抗91bと92bの接続端33の電位とが差動増幅器10bに入力され、発熱体3bの温度が300℃以上の一定温度である第二の温度T2になるように抵抗比が設定されて、フィードバック制御される(第二のフィードバック制御手段)。
上記の第一の温度T1および第二の温度T2に制御された第一および第二の発熱体3a、3bの近傍では、湿度による熱伝導率が第一の温度T1および第二の温度T2に応じて異なってくる。発熱体3a、3bでは、熱伝導率に比例した熱が周囲環境に奪われることから、各発熱体3a、3bに流れる加熱電流(投入電力)に差が生じる。この第一および第二の発熱体3a、3bに流れる加熱電流の信号(図3における固定抵抗93a、93bの端子電圧)を信号処理回路(湿度演算手段)13に入力して、周囲気体の湿度を求める構成となっている。
発熱体3aまたは3bに投入される電力(P)は、下記の(1)式となる。
P=Qh+Q1+Q2―――――(1)
上記(1)式で、Qhは湿度に依存して熱伝導により周囲環境に放熱される熱量、Q1は薄膜支持体4a、4bの発熱体3a、3bから各4本の支持腕6a〜6hを介して熱伝導により単結晶シリコン基板2に漏れる熱量、Q2は自然対流および輻射により伝わる熱量である。
ここで、ブリッジ構造における各4本の支持腕6a〜6hの熱絶縁が理想的に十分確保され、自然対流および輻射が無視できる(Q1=Q2=0)と仮定すると、発熱体3a、3bに投入される電力(P)は、下記の(2)式となる。
P=Qh=R・I―――――(2)
ここで、Iは発熱体に流れる加熱電流、Rは発熱体抵抗である。
300℃以上の第2の温度(T2)と100℃〜150℃の第1の温度T1における、発熱体抵抗(R2)、(R1)および加熱電流I2、I1とすると(2)式から近似的に下記の(3)式、(4)式が導ける。
(I2)=(λ2T2−λaTa)S/R2―――――(3)
(I1)=(λ1T1−λaTa)S/R1―――――(4)
ここで、λ2、λ1、λaは、発熱体温度T2、T1および周囲空気温度Taにおける空気の熱伝導率、Sはヒータ部(絶縁薄膜部)の表面積である。
更に、ここで計測すべく絶対湿度と関連する評価関数(Φ)を下記の(5)式で定義する。
Φ=(I2)−K・(I1)―――――(5)
定数Kを、第2の温度(T2)、第一の温度T1における発熱体抵抗の比として下記の(6)式とすれば、
K=R1/R2―――――(6)
上記した(3)、(4)、(6)式を(5)式に代入すると、下記の(7)式となる。
Φ=(λ2T2/R2−Kλ1T1/R1)S−λaTa(1/R2−K/R1)S
=(λ2T2−λ1T1)S/R2―――――(7)
上記(7)式における評価関数(Φ)は、周囲の空気温度(Ta)を含まず、また、発熱体温度(T1)100℃〜150℃において、熱伝導率λ1は水蒸気の量に殆ど依存しないことから、発熱体温度T2、T1における加熱電流I2、I1、発熱体抵抗R2、R1が分かれば、評価関数(Φ)から絶対湿度(H:λ2と相関)が演算できる。
信号処理回路13では、発熱体温度T2、T1および発熱体抵抗R2、R1が一定で既知の値になるので、予め、(7)式の評価関数(Φ)と絶対湿度(H)の関係をマップとして記憶しておけば、図3の固定抵抗93a、93bの端子電圧から加熱電流I2、I1の検出値から計算される評価関数(Φ)の値から絶対湿度を逆算することが可能となる。
以上のように構成された本発明の第一の実施例である湿度センサ1では、第一および第二の薄膜支持体4a、4b上にそれぞれ独立した第一および第二の発熱体3a、3bを異なる温度T1、T2に同時に制御することから、湿度の出力信号をリアルタイムに出力することが可能となり、従来例に比較して応答性が向上する。
また、第一および第二の薄膜支持体4a、4bは、空洞部5a、5b上にて夫々四隅が支持腕6a〜6d、6e〜6hにて支持された構造となっていることから、発熱体3a、3bと基板2との間の熱絶縁が得られ、従来例における熱分離が不十分となって計測精度が劣化する問題を解決することが可能となる。
次に、本発明の第二実施例について、図4〜図6を用いて以下に説明する。図4は、第二実施例を示す湿度センサの平面図、図5は、図4のB−B線断面図、図6は、第2実施例を示す湿度センサの駆動回路図である。
本実施例の湿度センサ1’が、第一実施例と異なるのは、第一および第二の発熱体3a、3bの近傍にそれぞれの発熱温度T1、T2を計測するための第一および第二の測温抵抗体14a、14bを形成したことである。
第一および第二の測温抵抗体14a、14bは、図4に示すように、発熱体3a、3bと同一の材料でジクザク構造を有する微細幅の抵抗体で形成されており、抵抗値が発熱体3a、3bよりも大きくなるように、より微細幅の抵抗体となっている。また、接続パターンが4本の支持腕6a〜6d、6e〜6hの内の2本の支持腕6c、6d、および6g、6h(発熱体とは別個)に形成され、外部回路との接続のための電極7e、7f、7g、7hと接続されている。
第一および第二の測温抵抗体14a、14bの断面構造としては、第一実施例のように発熱体3a、3bと同一平面内に単層構造にて同時にパターニングして形成する方法がある。これに対して、図5に示した断面構造は、第一および第二の測温抵抗体14a、14bと発熱体3a、3bを多層構造としたものである。絶縁層8a上に発熱体3a、3bと絶縁層8bと測温抵抗体14a、14bと絶縁層8cをそれぞれ順次積層・パターニングして形成する。
このように多層構造とすることにより、測温抵抗体14a、14bと発熱体3a、3bをそれぞれに適したパターン形状が選択でき、素子の小型化が図れる上に、測温抵抗体14a、14bと発熱体3a、3bの熱結合が十分に取れることから、発熱温度T1、T2の計測の精度が向上する。
図6は、第二実施例である湿度センサ1’の駆動回路の構成を示す図である。
第二実施例の駆動回路と、第一実施例の駆動回路との差異は、第一実施例では発熱体3a、3bで第一および第二のホーイストン・ブリッジ回路21、31を構成していたのに対し、第二の実施例では測温抵抗体14a、14bで第一および第二のホーイストン・ブリッジ回路41、51を構成したことである。
第一および第二の発熱体3a、3bには、加熱電流を流すためのトランジスタ11a、11bが接続されており、発熱体3a、3bによって傍熱された測温抵抗体14a、14bによって発熱体3a、3bの温度を検出して、一定温度T1、T2となるように制御する構成となっている。入力端子42、52には、一定電圧Vccが印可される。
発熱体3a、3bの第一および第二の温度T1、T2の設定は、既知である測温抵抗体14a、14bの抵抗温度係数(発熱体と同一材料の場合には同じ)から温度T1、T2における抵抗と固定抵抗93a、93bの比と、固定抵抗91a、91bと92a、92bの比が一致するように設定される。
測温抵抗体14a、14bによって発熱体3a、3bの第一および第二の温度T1、T2を制御し、この時の発熱体3a、3bに流れる加熱電流I3、I4を発熱体3a、3bの印加電圧(図6参照)として信号処理回路(湿度演算手段)13に入力して、湿度を求める構成となっている。
このように構成した第二実施例では、第一および第二の発熱体3a、3bに固定抵抗93a、93bが直列接続されていないことから、第一実施例と比較して電源12の電源電圧を小さくすることが可能となり、低電圧駆動に適している。また、発熱体3a、3bおよび測温抵抗体14a、14bで構成したことから、それぞれの発熱体3a、3bおよび測温抵抗体14a、14bに適した抵抗値および抵抗パターンを用いることができ、設計の自由度を高めることができるという利点がある。また、測温抵抗体14a、14bを用いて、第一および第二の発熱体3a、3bの放熱量を直接計測しているので、感度がよい。
信号処理回路13では、第一実施例と同ように、発熱体温度T2、T1および発熱体抵抗R2、R1が一定で既知の値になるので、予め、(7)式の評価関数(Φ)と絶対湿度(H)の関係をマップとして記憶しておけば、発熱体3a、3bの端子電圧から加熱電流I2、I1が計算され、これに対応する評価関数(Φ)の値から絶対湿度を逆算することが可能となる。
次に、本発明の第三実施例について、図7および図8を用いて以下に説明する。図7は、第三実施例を示す湿度センサの平面図、図8は、図7のC−C線断面図である。
第三実施例の湿度センサ1”において、第一の実施例と異なるのは、第一および第二の空洞部5a、5bを1個の共通の空洞部5としたことである。
第一実施例では、発熱体3a、3bがそれぞれ個別の空洞部5a、5bに配置されていたが、これを1個の共通の空洞部5として、空洞部5内に発熱体3a、3bを互いに隣り合うように並べて配置したことにより、湿度センサ1”の横幅方向長さを短縮することができ、湿度センサ1”全体の小型化が可能となり、低コスト化が図れる。
また、第一実施例では、薄膜支持体4a、4bがそれぞれ4本の支持腕6a〜6d、6e〜6hにて支持された構造であったが、第三実施例では、各3本の支持腕6i〜6k、6m〜6pにて支持された構造となるため、発熱体3a、3bと単結晶シリコン基板2間の熱絶縁が高められ、熱分離が向上することから計測精度が高められる。
尚、本発明は、上述の各実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、上述の各実施例では、各薄膜支持体4a、4bを支持する支持腕の本数が3本、または4本の場合を例に説明したが、複数本であればよく、例えば2本でもよい。
1、1’、1” 湿度センサ
2 基板
3a 第一の発熱体
3b 第二の発熱体
4a、4b 薄膜支持体
5、5a、5b 空洞
6a〜6d、6e〜6h、6i〜6k、6m〜6p 支持腕
7a〜7d、7e〜7h 電極
8a、8b、8c 絶縁層
91a、91b、92a、92b、93a、93b 固定抵抗
10a、10b 差動増幅器
11a、11b トランジスタ
12 電源
13 信号処理回路
14a、14b 測温抵抗体
21、41 第一のホーイストン・ブリッジ回路
31、51 第二のホーイストン・ブリッジ回路

Claims (8)

  1. 発熱体の熱放散が湿度により変化することを利用して湿度を測定する湿度センサにおいて、
    空洞部を有する基板と、
    複数本の支持腕によって前記空洞部内に支持された第一および第二の薄膜支持体と、
    前記第一の薄膜支持体に形成された第一の発熱体と、
    前記第二の薄膜支持体に形成された第二の発熱体と、
    該第一および第二の発熱体に対して加熱電力を供給して、前記第一の発熱体を第一の温度に制御し且つ前記第二の発熱体を前記第一の温度より高い第二の温度に制御する温度制御手段と、
    前記第一の発熱体の加熱電力および前記第二の発熱体の加熱電力に基づいて周囲気体の湿度を演算する湿度演算手段と、
    を有することを特徴とする湿度センサ。
  2. 前記温度制御手段は、
    前記第一の発熱体と固定抵抗とからなる第一のホーイストン・ブリッジ回路と、該第一のホーイストン・ブリッジ回路に接続された第一の差動増幅器を有し、前記第一の発熱体を前記第一の温度にフィードバック制御する第一のフィードバック制御手段と、
    前記第二の発熱体と固定抵抗とからなる第二のホーイストン・ブリッジ回路と、該第二のホーイストン・ブリッジ回路に接続された第二の差動増幅器とを有し、前記第二の発熱体を前記第二の温度にフィードバック制御する第二のフィードバック制御手段を有し、
    前記第一の温度にフィードバック制御された前記第一の発熱体に流れる加熱電流から前記第一の加熱電力を検出し、前記第二の温度にフィードバック制御された前記第二の発熱体に流れる加熱電流から前記第二の加熱電力を検出し、前記第一および第二の加熱電力を前記湿度演算手段に出力することを特徴とする請求項1に記載の湿度センサ。
  3. 前記第一の薄膜支持体に設けられ前記第一の発熱体によって傍熱される第一の測温抵抗体と、前記第二の薄膜支持体に設けられ前記第二の発熱体によって傍熱される第二の測温抵抗体を有し、
    前記温度制御手段は、前記第一の測温抵抗体により計測した前記第一の発熱体の温度と、前記第二の測温抵抗体により計測した前記第二の発熱体の温度に基づいて、前記第一および第二の発熱体の温度を制御することを特徴とする請求項1に記載の湿度センサ。
  4. 前記温度制御手段は、
    前記第一の測温抵抗体と固定抵抗とからなる第一のホーイストン・ブリッジ回路と、該第一のホーイストン・ブリッジ回路に接続された第一の差動増幅器とを有し、前記第一の発熱体を前記第一の温度にフィードバック制御する第一のフィードバック制御手段と、
    前記第二の測温抵抗体と固定抵抗とからなる第二のホーイストン・ブリッジ回路と、該第二のホーイストン・ブリッジ回路に接続された第二の差動増幅器とを有し、前記第二の発熱体を前記第二の温度にフィードバック制御する第二のフィードバック制御手段を有し、
    前記第一の温度に制御された前記第一の発熱体の印加電圧から前記第一の加熱電力を検出し、前記第二の温度に制御された前記第二の発熱体の印加電圧から前記第二の加熱電力を検出し、前記第一および第二の加熱電力を前記湿度演算手段に出力することを特徴とする請求項3に記載の湿度センサ。
  5. 前記第一の温度が100℃から200℃の間の温度で、前記第二の温度が300℃以上の温度であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の湿度センサ。
  6. 前記基板は、互いに独立して形成された第一および第二の空洞部を有し、
    前記第1の薄膜支持体は、前記複数本の支持腕によって前記第1の空洞部内に支持され、
    前記第2の薄膜支持体は、前記複数本の支持腕によって前記第2の空洞部内に支持されたことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の湿度センサ。
  7. 前記基板は、単一の空洞部を有し、
    前記第一および第二の薄膜支持体は、前記複数本の支持腕によって前記空洞部内に支持されたことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の湿度センサ。
  8. 発熱体の熱放散が湿度により変化することを利用して湿度を測定する湿度センサにおいて、
    基板の空洞部内に複数本の支持腕を介して第一および第二の薄膜支持体を支持し、該第一および第二の薄膜支持体に第一および第二の発熱体を形成し、該第一および第二の発熱体に対して加熱電力を供給して前記第一の発熱体を第一の温度に制御しかつ第二の発熱体を前記第一の温度よりも高温である第二の温度に制御し、前記第一および第二の発熱体の加熱電力に基づいて周囲気体の湿度を演算することを特徴とする湿度センサ。
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