JP2006089848A - 薄膜の形成方法 - Google Patents

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康徳 瀬戸
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Abstract

【課題】透明導電膜に代表される薄膜をガラス板上の一部に選択的に堆積させる新たな方法を提供する。
【解決手段】ガラス板1上の所定領域に形成された成長起点3のみから薄膜が成長を開始するように成分を調整した原料ガスを用いた化学蒸着(CVD)法により、薄膜(例えば酸化錫膜等の透明導電膜)を上記所定領域に選択的に成長させる。成長起点3は微粒子であってもよい。
【選択図】図1

Description

本発明は、化学蒸着(CVD)法により、ガラス板上に薄膜を選択的に形成する方法に関する。本発明は、特に、エッチング等の後加工を要することなく所定のパターンに薄膜、例えば透明導電膜、を形成する方法に関する。
ガラス板の表面に所望の機能を付与する手段として薄膜は有用である。ガラス板の表面の一部のみに薄膜による機能を付与すべき場合には、薄膜をその一部のみに形成することが求められる。このような場合には、当該機能を不要とする領域から薄膜を除去する加工が施される。
例えば、各種ディスプレイの電極は、ガラス板上の透明導電膜をフォトリソグラフィー技術により加工して形成される。しかし、この加工は、レジスト塗布、マスクを用いた露光、現像、エッチング、剥離等の諸工程を要し、効率的とは言いがたい。
薄膜によってはエッチング自体が容易ではない。代表的な透明導電膜であるITO(indium tin oxide)膜は、塩酸、酢酸等を用いたウェットエッチング、または有機ガス、ハロゲン系ガス等を用いたドライエッチングにより部分的に除去できる。一方、同じく汎用の透明導電膜である酸化錫膜は、化学的安定性が高いという特徴を有するが、この特徴が、同時に精度の高いエッチングを困難とする。
特許文献1には、酸化錫膜のパターニング方法が開示されている。このパターニング方法では、スピンコート法等による塗膜を乾燥した後であって焼成する前にエッチングが行われる。しかし、特許文献1が開示する方法は、CVD法等の気相成膜法には適用できず、難エッチング性の酸化錫膜のパターニングをやや簡略化するものではあっても、フォトリソグラフィー技術を要することに変わりはない。
レーザー光を照射することにより薄膜のパターニングを行う方法も知られている。この方法は、精度の高い加工に適している。しかし、レーザー光による加工は処理速度が大きくはない。このため、レーザー光による加工に頼ると、除去すべき領域が広い場合には生産性が大きく低下する。
特開平11−111082号公報
そこで、本発明は、薄膜をガラス板上の一部に選択的に成長させる新たな方法を提供することを目的とする。
本発明は、ガラス板上の一部に薄膜を形成する方法であって、ガラス板上の所定領域に形成された成長起点のみから薄膜が成長を開始するように成分を調整した原料ガスを用いたCVD法により、薄膜を上記所定領域に選択的に成長させることを特徴とする薄膜の形成方法を提供する。
また、本発明は、本発明の方法により形成した薄膜を含む薄膜付きガラス板、を提供する。
本発明によれば、ガラス板上の所定領域のみに薄膜を堆積できるため、フォトリソグラフィー技術その他による後加工を要することなく、薄膜による機能の選択的な付与が可能となる。本発明の方法では、量産性に優れた成膜法の一つであるCVD法を用い、薄膜が必要とされる領域に薄膜を選択的に成長させることとした。従って、本発明によれば、極めて効率的かつ合理的に薄膜を部分的に形成できる。本発明によれば、エッチング残渣が発生することがなく、レーザー光を照射したりフォトリソグラフィーを行ったりするための特別な装置も必要とされない。酸化錫膜に代表される難エッチング性の膜に適用した場合に、本発明により得られる効果はとりわけ大きいものとなる。
本発明には所定領域に薄膜の成長起点を有する基体が用いられる。成長起点は、薄膜が成長を開始する起点となりうる限り、その形状、大きさ等に制限はないが、好ましくはガラス板の表面に形成された凸部である。
凸部は、ガラス板の表面に配置された微粒子であってもよい。微粒子は、形成すべき薄膜と同じ材料から構成されていてもよく、異種の材料から構成されていてもよい。微粒子は、例えば溶媒に分散させた状態で基板の表面に塗布することにより、所望の領域に容易に配置できる。溶媒は、薄膜の形成前に除去しておくとよい。溶媒の除去のため、必要に応じ、CVD法による成膜工程の前に乾燥工程等を実施してもよい。
成長起点は、ガラス板の表面の一部に凹凸を付与することにより形成してもよい。例えば、ガラス板の表面の一部に硬度が高い部材との機械的接触による粗面化を施せば、成長起点となる凸部を形成できる。このように、成長起点は、ガラス板の所定領域の表面粗さを部分的に大きくすることにより形成できる。
本発明には、予め成長起点を形成したガラス板を用いてもよいが、ガラス板の所定領域に成長起点を形成する工程を実施してからCVD法を適用してもよい。即ち、本発明の一形態は、ガラス板上の一部に薄膜を形成する方法であって、ガラス板上の所定領域に成長起点を形成し、この成長起点のみから薄膜が成長を開始するように成分を調整した原料ガスを用いたCVD法により、薄膜を上記所定領域に選択的に成長させる、ことを特徴とする薄膜の形成方法、である。成長起点は、上記で例示した方法によれば、任意の領域に簡便に形成できる。本発明により得られる薄膜のパターン形状は極めて自由度が高い。
例えば、成長起点となる微粒子は、油性インク等の有機系塗料に含まれているカーボンであってもよい。従って、薄膜を形成すべき所定領域に油性インクを塗布するだけで、薄膜の選択的成長に適したガラス板を得ることができる。
さらに、成長起点の密度をあらかじめ制御することによって、起点から選択的に成長した粒子の粒径を制御することが可能である。例えば、低いヘイズ率の薄膜が望まれる場合には、成長起点の密度を大きくすることで、起点から選択的に成長する粒子の粒径を小さくでき、薄膜のヘイズ率を低減することが可能である。
パターン形成された薄膜を有する薄膜付きガラス板において、そのパターンが容易に視認できてしまうことは望ましくない。このため、薄膜付きガラス板における薄膜のヘイズ率は10%以下が望ましい。線条パターンのように、そのままヘイズ率を比較することが困難な場合でも、測定領域において薄膜が占める面積割合Xから、以下の式(1)により、薄膜のヘイズ率を見積もることが可能である。
ヘイズ率(薄膜)=ヘイズ率(薄膜測定値)/面積割合(X) (1)
なお、式(1)において、ヘイズ率(薄膜測定値)は、以下の式(2)に基づいて測定すれば足りる。
ヘイズ率(薄膜測定値)=ヘイズ率(膜付き基板測定値)−ヘイズ率(基板測定値)(2)
式(2)に示すとおり、本明細書において、薄膜のヘイズ率は、膜付き基板のヘイズ率から基板のみのヘイズ率を差し引いた値により定める。
薄膜の形成を要しない領域は平滑であることが好ましい。フロート法等により量産されているガラス板の平滑性は十分に高いため、そのままの状態で用いればよい。ただし、薄膜を形成しない領域においてガラス板の表面が完全に平滑でなくても、薄膜を形成すべき領域の成長起点からのみ膜が成長すれば本発明の実施は可能である。ガラス板は、平板であることを要せず、曲げ加工が施されていても構わない。
本発明は、ガラス板の表面に直接薄膜を形成する方法としては勿論のこと、予め下地膜が設けられたガラス板上への薄膜形成方法としても実施できる。この場合は、ガラス板上に形成された下地膜の表面に成長起点が形成される。代表的な下地膜としては、ガラス板からのアルカリ成分の拡散を抑制するための酸化珪素膜が挙げられる。下地膜は、1層に限らず、2以上の層から構成されていてもよい。
堆積する薄膜は、CVD法によりガラス板上に成膜できる限り制限はない。薄膜としては、酸化物膜、窒化物膜、酸窒化物膜を例示できるが、これらに限定されるわけではない。薄膜は、錫、チタン、亜鉛、インジウム、ガリウム、クロム、コバルト、鉄、銅、銀、金、タングステン、ニッケル、バナジウム、ビスマス、マンガン、マグネシウムおよび珪素から選ばれる少なくとも1種を含んでいてもよい。
パターニングの必要性が高い導電膜、例えばITO膜、酸化錫膜、酸化亜鉛膜等の透明導電膜、は本発明の方法による成膜に適している。従来から行われているように、透明導電膜には適宜ドーパントを添加するとよい。酸化錫膜へのドーパントとしては、フッ素、アンチモン等が知られている。微量成分としてのドーパント、原料等から混入する不純物等を考慮すると、上記における酸化錫膜、酸化亜鉛膜は、それぞれ、酸化錫を主成分とする膜、酸化亜鉛を主成分とする膜、と表記できる。なお、本明細書において、主成分とは、慣用に従い、50重量%以上を占める成分をいう。
酸化錫を主成分とする膜は難エッチング性であり、従来からその後加工には種々の提案が行われてきた。しかし、本発明によれば、難エッチング性を補ってパターニングするための煩雑な工程がすべて不要となる。
本発明では、CVD法に用いる原料ガスにおける成分の調整が極めて重要である。例えば金属酸化物膜の成膜に用いられる原料ガスの成分には、金属元素含有成分A、および成分Aと反応する成分B(例えば酸化剤)が含まれる。成分Aとして四塩化錫を、成分Bとして水を用いた場合の反応を以下に示す。
上記(1)は可逆反応である。このため、原料ガスに塩化水素を添加し、その添加量を調整すれば、この可逆反応の平衡を制御し、酸化錫を選択的に堆積できる。
原料ガスは、金属塩化物、水および塩化水素を含むことが好ましい。図1に、四塩化錫に対する塩化水素の比(HCl/SnCl4;以下「塩化水素比」という)とガラス板1上における酸化錫2の付着との関係を模式的に示す。塩化水素比の増加に伴い、基板1に付着する酸化錫2の密度は減少し(図1(a)〜(c))、ついには付着しなくなる(図1(d))。しかし、この程度に塩化水素比が高くても、成長起点3が存在する領域では、成長起点3に酸化錫2が選択的に付着し、この成長起点3から膜が成長を開始する(図1(d))。このように、塩化水素比は、成長起点を有しないガラス板の表面において酸化錫が局部的に堆積しうる範囲(図1(c))にとどまらず、成長起点を有しないガラス板上において薄膜が成長を開始しないように塩化水素を過剰に添加することが好ましい(図1(d))。
選択的な堆積を実現するための塩化水素比の適切な範囲は、CVD法の諸条件、例えばガラス板の温度、原料ガスの流量その他に依存するが、一般には、モル比により表示して、1〜10、さらには3〜8、特に5.5〜8が好ましい。
塩化水素のような平衡制御成分Cを添加せずに、金属元素含有成分Aと、この成分と反応する成分Bとの比を調整することによっても、薄膜の選択的な堆積は可能である。上記の例では、四塩化錫に対する水の比(H2O/SnCl4)を、成長起点を有しない平滑な表面では膜が成長を開始しない程度に低下させるとよい。水に代えて酸素を酸化剤として用いる場合にも、この手法を採用するとよい。
上記では、原料ガスの成分を酸化錫の生成反応(1)に関与する成分A〜Cに限って説明したが、原料ガスには、必要に応じ、その他の成分、例えばドーパントを供給するための成分、が添加される。例えば、フッ素をドープする場合には、フッ化水素、トリフルオロ酢酸、ブロモトリフルオロメタン等を添加するとよい。原料ガスは、従来から行われているとおり、窒素、不活性ガス等からなるキャリアガスととともにガラス板上に供給するとよい。
金属元素含有成分は、錫、チタン、亜鉛、インジウム、ガリウム、クロム、コバルト、鉄、銅、銀、金、タングステン、ニッケル、バナジウム、ビスマス、マンガン、マグネシウムおよび珪素から選ばれる少なくとも1種の元素を含むとよく、好ましい金属元素含有成分としては、四塩化錫、ジメチル錫ジクロライド、ジブチル錫ジクロライド、ジオクチル錫ジクロライド、モノブチル錫トリクロライド、四塩化チタン、塩化亜鉛、塩化インジウム、モノシラン、ジシラン、を例示できる。
CVD法は、その種類を問わずプラズマCVD法等であってもよいが、いわゆる熱CVD法にも適用できる。高温を適用する熱CVD法は、緻密で耐久性が高く、導電性の良好な膜が得られるという特徴を有する。本発明によれば、ガラス板を400℃以上800℃以下、さらには500℃以上700℃以下、に保持しながら原料ガスを供給しても、ガラス板の全面にではなくその一部のみに薄膜を堆積できる。
本発明によれば、必要とされる領域のみにおける薄膜の成長を実現できる。この選択的な成長は、全面に形成した薄膜を部分的に除去する従来の方法に比べ、それ自体合理的であるが、この合理性は、薄膜による機能が限られた狭い領域においてのみ要求される場合、例えばガラス板の面積の半分以下の所定領域に薄膜を形成すべき場合、に顕著となる。例えば、窓ガラス用のガラス板上に形成された導電性の線条は、発熱線(ヒーター)、アンテナ線等として用いられることがあるが、これら線条が占める面積は、通常、ガラス板全体から見ればごくわずかである。
上記のように所定の機能を有する線条を形成する場合、成長起点もガラス板上の線条領域に形成するとよい。この線条の所定領域を所定のパターンを描くように形成しておくと、当該パターンを描く線条の薄膜、例えば導電性の線条、を得ることができる。このように、本発明の一形態では、所定領域が線条領域を含み、さらには所定領域が所定のパターンを描く線条領域から構成される。
本発明は、極めて限定された領域において薄膜を形成すべき場合、例えばガラス板上に形成された破断した薄膜の修復、にも適している。即ち、薄膜の破断部を含むように所定領域を設定し、この破断部において薄膜を成長させれば、破断した薄膜を修復できる。この薄膜の修復方法は、例えば、断線した導電膜の修復に有用である。
引き続き、実施例により本発明を具体的に説明するが、上記説明と同様、以下の実施例は本発明の実施形態の例示に過ぎない。
実施例の説明において使用する性能に関する測定、評価法を説明する。
(ヘイズ率)
ヘイズ率の測定には、日本電色工業社製NDH2000を用い、入射光は供試体のガラス面(薄膜を形成した面と反対側の面)から入射させ、測定されたヘイズ率と、測定領域において薄膜が占める面積割合とから、上記式(1)に基づいて薄膜のヘイズ率を算出した。なお、ここでは、用いたガラス板のヘイズ率が実質的に0であったため、膜を形成したガラス板のヘイズ率測定値をそのまま薄膜のヘイズ率測定値とした(上記式(2)参照)。
(起点密度)
AFM(原子間力顕微鏡:THERMOMICROSCOPE社製走査型プローブ顕微鏡)を用い、ノンコンタクトモードで5μm□の観察領域に存在する起点数を計測し、起点密度を算出した。
(実施例1)
一辺が10cmの正方形となるように切断した厚さ0.7mmの無アルカリガラス板を洗浄し、乾燥させた。このガラス板上に、市販の油性インク(寺西化学工業「マジックインキNo.500黒」)によって所定のパターンを描画した。次いで、このガラス板を、メッシュベルトを用い、約660℃に加熱された大気開放型搬送炉内を通過させ、この炉内において、SnCl4、H2O、HCl、HF、N2を含む原料ガスを、パターンを描画したガラス板上に吹き付けた。原料ガスにおける各成分の比率は、モル比により表示して、SnCl4:H2O:HCl:HF:N2を0.4:12.4:3.1:1.3:82.8とした。
こうして、熱CVD法により、フッ素がドープされた酸化錫膜をガラス板上に形成した。図2に、得られたガラス板の写真を示す。図2に示したとおり、予め描画したパターンどおりの酸化錫膜を得ることができた。テスターを用い、ガラス板の表面の導電性を調べたところ、描画した領域では導電性が確認されたのに対し、これ以外の領域では導電性が確認できなかった。
(比較例1)
比較のため、原料ガスからHClを除いた以外は実施例1と同様にして、熱CVD法によりフッ素がドープされた酸化錫膜をガラス板上に形成した。酸化錫膜は、ガラス板の全面に形成され、所望のパターンは得られなかった。
(実施例2)
市販の黒色油性インク(寺西化学工業「マジックインキNo.500黒」)、紫色油性インク(寺西化学工業「マジックインキNo.500紫」)、青色油性インク(寺西化学工業「マジックインキNo.500青」)、および緑色油性インク(寺西化学工業「マジックインキNo.500緑」)を用い、ガラス板面内に2種類の3cm角の塗りつぶし領域を形成し、原料ガスを吹き付けずに約660℃に加熱された大気開放型搬送炉内を通過させ、ガラス板上に残留した成長起点であるカーボン残渣の密度をAFMで測定した。
さらに、このガラス板を約660℃に加熱された大気開放型搬送炉内を通過させ、この炉内において、SnCl4、H2O、HCl、HF、N2を含む原料ガスを、パターンを描画したガラス板上に吹き付け、成長起点上に形成したSnO2膜のヘイズ率を測定した。原料ガスにおける各成分の比率は、実施例1の比率と同じとした。
黒色油性インクおよび緑色油性インクを用いた場合の成長起点のAFM像を図3および図4に示した。図3の黒色領域の成長起点は、図4の緑色領域の成長起点に比べて起点密度が低いことがわかる。表1に示したように、起点密度が大きいものほど、起点上に形成したSnO2膜のヘイズ率が小さいことがわかる。
(比較例2)
比較のため、市販の赤色油性インク(寺西化学工業「マジックインキNo.500赤」)を用いて塗りつぶし領域を形成した以外は、実施例2と同様にして膜の形成を試みた。しかし、表1に示したように、赤色の塗りつぶし領域には、大気開放型搬送炉内を通過させた後に膜成長の起点となるカーボン残渣が残らないため、膜が形成されなかった。
なお、上記実施例および比較例において用いたマジックインキは、購入したばかりの未使用品とした。
本発明は、ガラス板の表面の一部に薄膜による機能の付与が求められる分野、例えば、PDP等のフラットパネルディスプレイ、太陽電池に代表される光電変換装置、タッチパネル、ガラスアンテナ、ガラスヒーター、電波透過膜、電波遮蔽膜等において多大な利用価値を有する。
四塩化錫に対する塩化水素の比と、ガラス板上に堆積する酸化錫の状態との関係を模式的に示す図である。 実施例1で作製した酸化錫膜付きガラス板の写真である。 実施例2で作製した成長起点(黒色領域)のAFM像である。 実施例2で作製した成長起点(緑色領域)のAFM像である。
符号の説明
1 ガラス板
2 酸化錫
3 成長起点

Claims (19)

  1. ガラス板上の一部に薄膜を形成する方法であって、前記ガラス板上の所定領域に形成された成長起点のみから前記薄膜が成長を開始するように成分を調整した原料ガスを用いた化学蒸着法により、前記薄膜を前記所定領域に選択的に成長させることを特徴とする薄膜の形成方法。
  2. 前記成長起点が凸部である請求項1に記載の薄膜の形成方法。
  3. 前記凸部が微粒子である請求項2に記載の薄膜の形成方法。
  4. 前記成長起点が、前記ガラス板上に形成された下地膜の表面に形成された請求項1〜3のいずれか1項に記載の薄膜の形成方法。
  5. 前記薄膜が導電膜である請求項1〜4のいずれか1項に記載の薄膜の形成方法。
  6. 前記導電膜が酸化錫を主成分とする請求項5に記載の薄膜の形成方法。
  7. 前記原料ガスが金属元素含有成分を含む請求項1〜6のいずれか1項に記載の薄膜の形成方法。
  8. 前記金属元素含有成分が、錫、チタン、亜鉛、インジウム、ガリウム、クロム、コバルト、鉄、銅、銀、金、タングステン、ニッケル、バナジウム、ビスマス、マンガン、マグネシウムおよび珪素から選ばれる少なくとも1種の金属元素を含む請求項7に記載の薄膜の形成方法。
  9. 前記原料ガスが、金属塩化物、水および塩化水素を含む請求項7または8に記載の薄膜の形成方法。
  10. 前記成長起点を有しない前記ガラス板上において前記薄膜が成長を開始しないように、前記塩化水素を過剰に添加する請求項9に記載の薄膜の形成方法。
  11. 前記ガラス板を400℃以上800℃以下に保持しながら前記薄膜を成長させる請求項1〜10のいずれか1項に記載の薄膜の形成方法。
  12. 前記所定領域の面積が前記ガラス板の面積の半分以下である請求項1〜11のいずれか1項に記載の薄膜の形成方法。
  13. 前記所定領域が線条領域を含む請求項1〜12のいずれか1項に記載の薄膜の形成方法。
  14. 前記所定領域が所定のパターンを描く線条領域からなる請求項13に記載の薄膜の形成方法。
  15. 前記ガラス板上に予め形成され、破断した薄膜の破断部を含むように前記所定領域を設定し、前記破断部における薄膜の成長により前記破断した薄膜を修復する請求項1〜14のいずれか1項に記載の薄膜の形成方法。
  16. 前記破断した薄膜が導電膜である請求項15に記載の薄膜の形成方法。
  17. ガラス板上の一部に薄膜を形成する方法であって、
    前記ガラス板上の所定領域に成長起点を形成し、
    前記成長起点のみから前記薄膜が成長を開始するように成分を調整した原料ガスを用いた化学蒸着法により、前記薄膜を前記所定領域に選択的に成長させる、ことを特徴とする薄膜の形成方法。
  18. 請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法により形成した薄膜を含む薄膜付きガラス板。
  19. 前記薄膜のヘイズ率が10%以下である請求項18に記載の薄膜付きガラス板。
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