JP2006089431A - 4,4’−オキシジシクロヘキサノールの不飽和カルボン酸ジエステル及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、新規な化合物であり、取り扱い性が良好な4,4’−オキシジシクロヘキサノールの不飽和カルボン酸ジエステル及びその製造方法に関する。
従来、多価アルコールの不飽和カルボン酸エステルとしては、フタル酸/1,6−ヘキサンジオール/アクリル酸からなるエステルアクリレート、エポキシ樹脂にアクリル酸を付加させたエポキシアクリレート等がよく知られており、広い分野において用いられている。しかしながら、これらの多くは、常温で固体であるか、又は粘調な液体であって、取り扱い性に問題があるため、多くの場合、主として、脂肪族アルコールのアクリル酸エステルやメタクリル酸エステルが反応性希釈剤として組み合わせて用いられている。
このような脂肪族アルコールのアクリル酸エステルやメタクリル酸エステルとしては、多官能性のものとして、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が知られている。しかしながら、得られる硬化物の機械的強度と透明性が両立できる原料として期待されている脂環式アルコールの不飽和カルボン酸エステルは、極めて限られたものしか知られておらず、わずかにビシクロヘキシル−4,4’−ジオールのジアクリレート及びジメタクリレートが提供されている(特許文献1参照)。しかし、該特許文献1に記載されたビシクロヘキシル−4,4’−ジオールのジアクリレート及びジメタクリレートは、融点が100℃以上と高く、取り扱い性に問題があり、低粘度の脂環式アルコールの不飽和カルボン酸エステルが求められている。
本発明は、取り扱い性が良好な脂環式アルコールの不飽和カルボン酸エステル及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究したところ、室温で液状の、4,4’−オキシジシクロヘキサノールの不飽和カルボン酸ジエステルを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、下記一般式(1)
本発明によれば、4,4’−オキシジシクロヘキサノールの不飽和カルボン酸ジエステルを製造することができる。該化合物は、重合性の不飽和結合を有することから、光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂の基材や基材成分として特に有用であり、例えば、印刷用インキ用の基材成分、ガラス・無機材料用塗料、金属用塗料、プラスチック用塗料、紙・木工用塗料、熱硬化性塗料、自動車塗料、粉体塗料、UV硬化型塗料等の各種塗料の基材成分、各種粘着剤の基材成分、各種接着剤の基材成分、繊維処理剤、紙処理剤等の各種処理剤の基材成分、高分子凝集剤等の各種凝集剤の基材成分、反応性希釈剤、プリント配線基板のレジストインキ、ドライフィルムレジストや液状レジストの基材成分、樹脂凸版やフレキソ版の感光性印刷版の基材成分、生体適合性材料として、人工歯、義歯床用材料、虫歯充填用材料として使用することができる。また、不飽和ポリエステルの耐熱・耐候性向上剤や、塗料改質剤、架橋剤樹脂改質剤等の各種改質剤、感光性樹脂、通気性ポリマー、電子材料樹脂、難燃性エポキシ樹脂、難燃性ポリカーボネート樹脂、液晶ポリマー、飽和ポリエステル樹脂等の各種の樹脂原料として有用に用いることができる。
本発明の、下記一般式(1)
で表される4,4’−オキシジシクロヘキサノールの不飽和カルボン酸ジエステルにおいて、前記一般式(1)中のRは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、アルキル基は枝分かれしていても良い。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基を挙げることができ、好ましくは水素原子である。
4,4’−オキシジシクロヘキサノールの不飽和カルボン酸ジエステルの具体例としては、例えば、
(I)4,4’−オキシジシクロヘキサノールジアクリレート
〔別名:アクリル酸4−(4−アクリロイルオキシ−シクロヘキシルオキシ)シクロヘキシルエステル〕
(II)4,4’−オキシジシクロヘキサノールジメタクリレート
〔別名:2−メタクリル酸4−[4−(2−メチルアクリロイルオキシ)−シクロヘキシルオキシ]シクロヘキシルエステル〕
(III)4,4’−オキシジシクロヘキサノールジ(α−エチルアクリレート)
(IV)4,4’−オキシジシクロヘキサノールジ(α−プロピルアクリレート)
(V)4,4’−オキシジシクロヘキサノールジ(α−ブチルアクリレート)
等を挙げることができる。
(I)4,4’−オキシジシクロヘキサノールジアクリレート
〔別名:アクリル酸4−(4−アクリロイルオキシ−シクロヘキシルオキシ)シクロヘキシルエステル〕
(II)4,4’−オキシジシクロヘキサノールジメタクリレート
〔別名:2−メタクリル酸4−[4−(2−メチルアクリロイルオキシ)−シクロヘキシルオキシ]シクロヘキシルエステル〕
(III)4,4’−オキシジシクロヘキサノールジ(α−エチルアクリレート)
(IV)4,4’−オキシジシクロヘキサノールジ(α−プロピルアクリレート)
(V)4,4’−オキシジシクロヘキサノールジ(α−ブチルアクリレート)
等を挙げることができる。
これらの中でも、不飽和カルボン酸エステルの原料が入手容易なことから、4,4’−オキシジシクロヘキサノールジアクリレートが好ましい。
4,4’−オキシジシクロヘキサノールの不飽和カルボン酸ジエステルは、4,4’−オキシジシクロヘキサノールを酸触媒及び重合禁止剤の存在下に、下記一般式(2)
で表わされる不飽和カルボン酸と脱水反応させることによって得ることができる。また、前記一般式(2)で表わされる不飽和カルボン酸のエステル体と4,4’−オキシジシクロヘキサノールとのエステル交換反応によっても製造することができるが、前記一般式(2)で表わされる不飽和カルボン酸と4,4’−オキシジシクロヘキサノールとの脱水反応によって製造する方法が好ましい。
以下に本発明の製造方法である、4,4’−オキシジシクロヘキサノールと不飽和カルボン酸との脱水反応について詳細に説明する。
4,4’−オキシジシクロヘキサノールとしては、例えば、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルを溶媒中で、パラジウム及び/又はプラチナを含有する水素化触媒の存在下に水素と反応させることで容易に製造することができる。原料として用いる4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルとしては、特に限定されるものではないが、高純度のものを使用することが好ましく、例えば、特開2003−335718号公報に記載されている、ハイドロキノンを担体に担持されたヘテロポリ酸及び/又はその酸性金属塩の存在下、溶媒中で脱水二量化する製造方法で得られるものを用いることが好ましい。
前記一般式(2)で表わされる不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−エチルアクリル酸、α−プロピルアクリル酸、α−ブチルアクリル酸等を挙げることができる。これらの中でも、工業的に製造されており、入手容易なアクリル酸又はメタクリル酸が特に好ましい。
4,4’−オキシジシクロヘキサノールと不飽和カルボン酸とのエステル化反応において、使用する4,4’−オキシジシクロヘキサノールが常温でガラス状又は固体であるため、有機溶剤の存在下で行う方法が好ましい。前記有機溶剤としては、反応に使用する4,4’−オキシジシクロヘキサノール、不飽和カルボン酸、酸触媒、重合禁止剤、及び生成物と反応しないものであれば特に限定されるものではないが、反応終了後の後処理工程を容易にするため、水に不溶で、且つ、水と共沸し得る有機溶媒が好ましい。例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジクロロエタン等が挙げられ、ベンゼン、トルエン、キシレンが好ましく、トルエン、キシレンが特に好ましい。有機溶剤の使用量としては、特に限定されるものではないが、作業性及び安全性を考慮して、通常、4,4’−オキシジシクロヘキサノール100重量部に対して1000重量部以下であり、20〜500重量部が好ましく、40〜300重量部が特に好ましい。
前記エステル化反応において、不飽和カルボン酸の使用量としては、エステル化反応の効率や後処理工程の作業性を考慮して、4,4’−オキシジシクロヘキサノール1モルに対して、2〜6モルが用いられ、2〜5モルが好ましく、2.4〜3.6モルが特に好ましい。
また、前記エステル化反応は、酸触媒及び重合禁止剤の存在下に行うことが好ましい。前記酸触媒としては、特に限定されるものではなく、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸等の無機酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリクロロ酢酸、シュウ酸、ギ酸等の有機酸、陽イオン交換樹脂等の固体酸、塩化亜鉛、塩化スズ、塩化第二鉄、塩化第二銅、硫酸第二銅等のルイス酸、活性白土等を挙げることができる。
前記エステル化反応において、用いる酸触媒と反応温度によっては、4,4’−オキシジシクロヘキサノールの分子内脱水反応が引き起こされることがある。しかし、用いる酸触媒の量と反応温度を適正に選択することによって、分子内脱水反応を抑制することができる。特に、硫酸、リン酸、又はp−トルエンスルホン酸は、このような4,4’−オキシジシクロヘキサノールの分子内脱水反応を起こし難いので、硫酸、リン酸、又はp−トルエンスルホン酸を用いることが好ましい。これらは、通常、単独で使用されるが、2種以上の混合物として使用することもできる。
前記酸触媒の使用量としては、4,4’−オキシジシクロヘキサノール1モルに対して、通常、0.0001〜0.5モルであり、0.001〜0.3モルが好ましく、0.01〜0.15モルが特に好ましい。
前記重合禁止剤としては、種々のものを使用することができ、特に制限はない。例えば、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ハイドロキノンモノエチルエーテル、メチルハイドロキノン、フェノチアジン、t−ブチルクレゾール、硫酸第二銅等が挙げられる。その使用量としては、4,4’−オキシジシクロヘキサノールと不飽和カルボン酸の合計量に対して、通常、10〜10000ppmであり、100〜5000ppmが好ましく、500〜2000ppmが特に好ましい。これらは、通常、単独で使用されるが、2種類以上の混合物として使用することもできる。
前記エステル化反応において、原料の仕込み順に特に制限はないが、不飽和カルボン酸の重合を抑制するため、不飽和カルボン酸を加える前に重合禁止剤を加える方法が好ましい。また、4,4’−オキシジシクロヘキサノールは通常、常温でガラス状又は固体であるが、ガラス状のものを仕込む場合は、作業性等を考慮して、有機溶剤を仕込んだ後に、溶解させた4,4’−オキシジシクロヘキサノールを仕込む方法が好ましい。4,4’−オキシジシクロヘキサノールを溶解させる場合の温度は、高温で溶解させる場合は着色しやすいことを考慮して、可能な限り低温で溶解させることが好ましく、通常50〜150℃であり、60〜120℃が好ましく、70〜100℃が特に好ましい。また、仕込んだ後の温度が60℃以下となるように、溶解させた4,4’−オキシジシクロヘキサノールを徐々に加える方法が不飽和カルボン酸の重合が抑制されるため好ましい。
前記エステル化反応において、反応温度としては、高温下で起こり易い不飽和カルボン酸の重合を抑制するため、通常、40〜150℃で行われ、好ましくは50〜100℃であり、更に好ましくは60〜90℃の範囲で行われる。エステル化反応は、使用する有機溶剤の沸点、蒸気圧により、常圧下、減圧下、加圧下のいずれの方法でも行うことができるが、作業性、安全性及び不飽和カルボン酸の重合抑制を考慮して、通常、減圧下で行われる。この場合の減圧度は、共沸による脱水が効率よく進行するように、還流が維持される圧力に調整され、通常、10〜40kPaの範囲で行われる。
前記エステル化反応の反応雰囲気としては、特に制限はないが、不飽和カルボン酸の重合を防止するため、通常、空気雰囲気下で行われる。送気量は、通常、0.5〜20Nm3/hであり、好ましくは、1〜15Nm3/hであり、更に好ましくは、2〜10Nm3/hである。
前記エステル化反応の反応時間としては、上記記載の反応条件で実施した場合、通常、1〜25時間で終了する。好ましくは、4〜23時間であり、更に好ましくは、7〜18時間である。
反応の終点の判断方法としては、反応液をサンプリングし、ガスクロマトグラフィー等によって原料の消費状況を追跡する方法等によって容易に行うことができる。
エステル化反応終了後の後処理方法としては、通常、過剰に加えた不飽和カルボン酸を除去するため、得られた反応混合物にアルカリを加えて反応系を中和した後、油層と水層を分離し、油層から有機溶剤を減圧留去することにより行い、目的とする不飽和カルボン酸ジエステルを得ることができる。この時中和に使用するアルカリとしては、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等が使用でき、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムが好ましく、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムが特に好ましい。これらは、通常、単独で使用されるが、2種以上の混合物としても使用することができる。また、アルカリを加えて中和する場合は、通常、水溶液として使用される。この場合の濃度は、特に制限はないが、作業性、安全性等を考慮して、通常、2〜50重量%であり、3〜40重量%が好ましく、5〜20重量%が特に好ましい。また、中和反応は発熱反応であり、発熱による目的物の重合や加水分解を抑制するため、中和させる場合の温度は、通常、5〜60℃であり、5〜30℃が特に好ましい。
反応終了後の油層と水層の分離が悪い場合は、目的物に対する溶解度が高い有機溶媒を反応液に加えることで対処することが好ましい。この場合に使用する有機溶媒としては、目的物及び他の添加剤と反応しないものであれば特に制限はないが、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、ジブチルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル等の酢酸エステル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、3−ペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、テトラヒドロフラン等が挙げられ、特に、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、ジブチルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル等の酢酸エステル類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類が好ましく、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、ジブチルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル等の酢酸エステル類が特に好ましい。
油層の濃縮の方法としては、目的物の重合を抑制するため、重合禁止剤の存在下で行うことが好ましい。重合禁止剤としては、種々のものが使用でき、特に制限はない。例えば、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ハイドロキノンモノエチルエーテル、メチルハイドロキノン、フェノチアジン、t−ブチルクレゾール等が挙げられる。その使用量としては、4,4’−オキシジシクロヘキサノールの不飽和カルボン酸ジエステルの理論収量に対して、通常、10〜1000ppmであり、50〜500ppmが好ましく、100〜300ppmが特に好ましい。これらは、通常、単独で使用されるが、2種類以上の混合物として使用することもできる。
また、必要に応じて、晶析、再結晶、カラムクロマトグラフィー等により精製することも可能である。更に、目的物が着色している場合は、通常行われる活性炭を用いる方法や晶析、再結晶、カラムクロマトグラフィー等により脱色することができる。
エステル化反応終了後の後処理を行う場合の雰囲気としては、目的物や過剰に加えた不飽和カルボン酸の重合を抑制するため、通常、空気雰囲気下で行われる。送気量は、通常、0.5〜20Nm3/hであり、好ましくは、1〜15Nm3/hであり、更に好ましくは、1〜10Nm3/hである。
4,4’−オキシジシクロヘキサノールの不飽和カルボン酸ジエステルの製造において、反応が完結しない場合には、目的とするジエステル体の他に、モノエステル体を含む混合物が得られる。モノエステル体の不飽和結合の反応性も、ジエステル体のそれと同様であるため、用途によりこのようなモノエステル体を含む混合物としても使用することができる。
このような4,4’−オキシジシクロヘキサノールの不飽和カルボン酸ジエステルは、重合性の不飽和結合を有することから、光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂の基材や基材成分として特に有用であり、脂環構造を有することから、硬化物の機械的強度や透明性・耐光性等に優れることが期待できるものである。また、得られるジエステル体の粘度も低いため、取り扱い等の作業性にも優れるものである。
本発明を実施例により具体的に説明する。本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
合成例1 4,4’−オキシジシクロヘキサノールの合成
特開2003−335718号公報の製造方法に従い、ハイドロキノンの脱水二量化反応により4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルを得た後、以下の方法で、核水添により、4,4’−オキシジシクロヘキサノールを合成した。
オートクレーブに4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル10.1重量部、活性炭にパラジウムを5%担持させた触媒(5%Pd/C)0.5重量部、イソプロピルアルコール40部を仕込み、35〜45kg/cm2の水素圧で、142℃、5時間反応させた。反応後、室温まで冷却し金属化合物をろ過して除去した後、減圧で溶媒を留去してガスクロマトグラフによる純度96重量%の4,4’−オキシジシクロヘキサノールを得た。
特開2003−335718号公報の製造方法に従い、ハイドロキノンの脱水二量化反応により4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルを得た後、以下の方法で、核水添により、4,4’−オキシジシクロヘキサノールを合成した。
オートクレーブに4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル10.1重量部、活性炭にパラジウムを5%担持させた触媒(5%Pd/C)0.5重量部、イソプロピルアルコール40部を仕込み、35〜45kg/cm2の水素圧で、142℃、5時間反応させた。反応後、室温まで冷却し金属化合物をろ過して除去した後、減圧で溶媒を留去してガスクロマトグラフによる純度96重量%の4,4’−オキシジシクロヘキサノールを得た。
実施例1
攪拌機、冷却管、温度計及びガス導入管を備えた5Lの四つ口フラスコに、室温(25℃)で、トルエン465g、蒸留水7.6gに溶解させた硫酸第二銅・5水和物0.844g[4,4’−オキシジシクロヘキサノールとアクリル酸の合計仕込み量に対して、700ppm]、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.362g[4,4’−オキシジシクロヘキサノールとアクリル酸の合計仕込み量に対して300ppm]及びアクリル酸562.1g(7.8モル)を仕込み、室温で10分攪拌した。その後、80℃で溶解させた4,4’−オキシジシクロヘキサノール642.9g(3モル)を徐々に加え、フラスコ内の温度を50−60℃に保った。p−トルエンスルホン酸・1水和物45.7g(0.24モル)を加えた後、33.33kPaの減圧下、空気を2Nm3/hの速度で吹き込みながら還流が開始するまで徐々に昇温させた。78℃で還流が始まり、26.66〜33.33kPaの減圧度で調整しながら14時間反応させた。
攪拌機、冷却管、温度計及びガス導入管を備えた5Lの四つ口フラスコに、室温(25℃)で、トルエン465g、蒸留水7.6gに溶解させた硫酸第二銅・5水和物0.844g[4,4’−オキシジシクロヘキサノールとアクリル酸の合計仕込み量に対して、700ppm]、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.362g[4,4’−オキシジシクロヘキサノールとアクリル酸の合計仕込み量に対して300ppm]及びアクリル酸562.1g(7.8モル)を仕込み、室温で10分攪拌した。その後、80℃で溶解させた4,4’−オキシジシクロヘキサノール642.9g(3モル)を徐々に加え、フラスコ内の温度を50−60℃に保った。p−トルエンスルホン酸・1水和物45.7g(0.24モル)を加えた後、33.33kPaの減圧下、空気を2Nm3/hの速度で吹き込みながら還流が開始するまで徐々に昇温させた。78℃で還流が始まり、26.66〜33.33kPaの減圧度で調整しながら14時間反応させた。
反応終了後、得られた反応液を室温(25℃)まで冷却し、イソプロピルエーテル1934.4g及び蒸留水180gを加え、室温(25℃)で10分間攪拌した。油層を分離した後、10%水酸化ナトリウム水溶液105gで3回洗浄し、最後に蒸留水200gで3回水洗した。得られた有機層にハイドロキノン97mg[4,4’−オキシジシクロヘキサノールジアクリレートの理論収量に対して100ppm]及びフェノチアジン97mg[4,4’−オキシジシクロヘキサノールジアクリレートの理論収量に対して100ppm]を加え、空気を2Nm3/hの速度で吹き込みながら、30℃で濃縮を開始し、最後に80℃で、目的物に対する溶剤含有量が1000ppm以下になるまで真空ポンプで濃縮した。濃縮により、4,4’−オキシジシクロヘキサノールジアクリレート822.1gを淡黄色の透明液体として得た。収率は、4,4’−オキシジシクロヘキサノールに対して85重量%であり、ガスクロマトグラフィーによる純度は96面積%であった。
また、このもののNMRスペクトル(1H)「日本電子(株)製、GSX270)」、赤外吸収スペクトル(IRスペクトル)「日本分光(株)製、IR−700」から求めた物性は以下のとおりであった。
1H−NMR(CDCl3,δ)
−CH2−:1.3−2.1(m,16H)、
−CH−O−:3.3−3.6(m,2H)、
−CO−CH−:4.75−5.0(m,2H)、
CH2=CH−:5.7−5.9,6.0−6.2,6.3−6.5(m,6H)
IR(Liquid Film,cm−1)
1195:−C−O−C−伸縮、
1405:CH2=CH−変角、
1620:C=C伸縮、
1720:C=O伸縮、
2860,2940:−CH2−,−CH−伸縮
1H−NMR(CDCl3,δ)
−CH2−:1.3−2.1(m,16H)、
−CH−O−:3.3−3.6(m,2H)、
−CO−CH−:4.75−5.0(m,2H)、
CH2=CH−:5.7−5.9,6.0−6.2,6.3−6.5(m,6H)
IR(Liquid Film,cm−1)
1195:−C−O−C−伸縮、
1405:CH2=CH−変角、
1620:C=C伸縮、
1720:C=O伸縮、
2860,2940:−CH2−,−CH−伸縮
従って、実施例1で得られた物質は、4,4’−オキシジシクロヘキサノールジアクリレートであることが確認された。
また、粘度(25℃、B型粘度計)、比重(浮き秤り法、25℃)、酸価、屈折率(25℃)「(株)アタゴ製、アッベ屈折率計 DR−M2、測定波長:589nm
Na(D)」から求めた物性は以下のとおりであった。
粘度(25℃、B型粘度計):1153mPa・s
比重(浮き秤り法、25℃):1.1
酸価:0.12
屈折率(25℃):1.4904
Na(D)」から求めた物性は以下のとおりであった。
粘度(25℃、B型粘度計):1153mPa・s
比重(浮き秤り法、25℃):1.1
酸価:0.12
屈折率(25℃):1.4904
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2004
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