JP2006088565A - 光走査装置及び画像形成装置 - Google Patents

光走査装置及び画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006088565A
JP2006088565A JP2004278038A JP2004278038A JP2006088565A JP 2006088565 A JP2006088565 A JP 2006088565A JP 2004278038 A JP2004278038 A JP 2004278038A JP 2004278038 A JP2004278038 A JP 2004278038A JP 2006088565 A JP2006088565 A JP 2006088565A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
scanning
deflection
image
scanning direction
scanned
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004278038A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4470668B2 (ja
Inventor
Hideki Kashimura
秀樹 樫村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP2004278038A priority Critical patent/JP4470668B2/ja
Publication of JP2006088565A publication Critical patent/JP2006088565A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4470668B2 publication Critical patent/JP4470668B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】 被走査面上の結像位置ずれや相反則不軌等による濃度ムラを低減できる光走査装置および画像形成装置を得る。
【解決手段】 複数のレーザービームを被走査面上で副走査方向に不等間隔となるように配置し、走査領域に対し複数回(3回以上)の偏向走査を行い、この走査領域を、等間隔を有する複数の結像スポットの重ねあわせによる走査線で埋めるようにする。各回の主走査領域を副走査方向に見ると、複数の領域に分割されていることになるので、特定回の主走査において結像スポットにジッター等による結像位置ずれが生じていても、このずれに起因するトナー像の濃度変動を、目視では視認し難い程度の周期とすることができる。また、走査領域の境界で発生する濃度ムラに関しても、これを抑制することができる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、光走査装置及び画像形成装置に関し、特に、複数のレーザービームを走査させる光走査装置と、この光走査装置を備えた画像形成装置に関する。
複数本のレーザービームを各々偏向して感光体等の被走査体上で同時に走査させ、1回の偏向で複数本の走査線の走査を行う光走査装置や、このような光走査装置を備えた画像形成装置が従来より知られている。また、アレイ化が容易な面発光レーザ等を光源として用い、同時に走査させるレーザ光の本数(レーザ光によって同時に走査される走査線の本数)を増加させることで、画像形成速度の高速化を実現する構成も提案されている(例えば特許文献1等参照)。
このように、複数本のレーザービームを同時に走査させる構成において、1回の走査によって形成される複数の走査線の両端部では感光体が複数回露光されるために、相反則不軌および多重露光により濃度特性変化が発生する。
図11には、この現象が発生する様子が示されている。なお、図11(A)は実際の感光体上の結像スポットの配列が示されており、同一の偏向角度の場合、複数のレーザビームは主走査方向にずれているが、ここでは説明を簡単にするために、このずれを解消して図11(B)のように模式的に示す。また、図11(C)には、最終的に得られる露光像を示す。この例では、1回の走査で同時に走査される走査線本数は24本であり、N回目の走査とN+1回目の走査の間に感光体は走査線24本分だけ、副走査方向に移動する。
この場合、図11(C)に示すトナー像は、N回目とN+1回目の走査線の境界部分の濃度が周辺部と異なり、トナー像全体として周期的な濃度ムラが生じてしまう。
図12には、各回の走査における副走査方向(主走査方向と直交する方向)の位置での露光エネルギー分布が示されている。各回の露光エネルギー分布は、1回の露光で全露光エネルギーが加えられる領域はほぼ平坦な台形状をしているが、1回の露光の境界領域はなだらかな裾部をなして露光エネルギーが漸減しており、次の走査による露光エネルギーと重なることになる。
この境界領域に加えられる露光エネルギーの総量は平坦部の露光エネルギーと結果的には等しいが、実際の画像濃度は境界領域の方が高くなる。これは、感光体を露光することによって発生する電子と正孔の再結合率が、露光を複数回行ったほうが高くなるため、静電潜像として残る電化量が、境界領域において多くなることが原因である。
これに対し、特許文献2には、1回の走査で形成される走査線の両端部を重ね書きすることで上記にような濃度変化を低減させる構成が提案されている。
しかしながら、特許文献2に記載の構成では、複数の走査線のうち1部のみ複数のスポットの重ね書きにより走査線を形成するようにしているため、図13に示すように、複数の走査による結像スポットの走査方向位置ずれ等があると、その露光分布は図14(A)に対し、図14(B)に示すようにピークが低くなる。その結果、図13(B)に示すように、重なり部分の濃度が低下した部分P1が生じ、周辺部に対し筋状になる。1回の走査により複数本の走査線を形成する場合、その筋の間隔が複数ピッチとなるため、視認しやすくなる(ディフェクトとなる)という問題がある。
また、図15(A)には、1回の偏向で被走査体上に隣接した走査線を形成し、次の走査までに被走査体が移動する距離を各走査線の最大間隔の半分として、すべての走査線が2回の走査で形成されるようにした場合の露光スポットが示されている。この構成においても、各々の走査毎の主走査方向位置ずれがあると、図15(B)に示すように、複数の光ビーム周期の濃度ムラとなってしまう。
特開平5−294005号公報 特開2003−182139号公報
本発明は上記事実を考慮し、被走査面上の結像位置ずれや相反則不軌等による濃度ムラを低減できる光走査装置および画像形成装置を得ることを課題とする。
請求項1に記載の発明では、複数の発光点を備えた光源部と、前記光源部の複数の発光点から射出された複数のレーザビームが入射する偏向前光学系と、一定周期で回転する回転多面鏡を有し、前記偏向前光学系を経た複数のレーザビームを主走査方向に偏向する偏向手段と、前記偏向手段で偏向されたレーザビームを被走査面に結像させる走査光学系と、前記主走査方向と直交する副走査方向に移動可能とされレーザービームによって露光される像担持体と、を備え、前記像担持体の移動により形成される走査線が複数回の偏向による結像スポットの重ねあわせにより形成されるとともに、1回の偏向により前記被走査面上に同時に形成される複数走査線が前記像担持体の移動によって前記回転多面鏡の異なる3面以上の偏向による結像スポットの重なりで形成される、ことを特徴とする。
請求項2に記載の発明では、複数の発光点を備えた光源部と、前記光源部の複数の発光点から射出された複数のレーザビームが入射する偏向前光学系と、一定周期で回転する回転多面鏡を有し、前記偏向前光学系を経た複数のレーザビームを主走査方向に偏向する偏向手段と、前記偏向手段で偏向されたレーザビームを被走査面に結像させる走査光学系と、前記主走査方向と直交する副走査方向に移動可能とされレーザービームによって露光される像担持体と、を備え、前記像担持体の移動により形成される走査線が複数回の偏向による結像スポットの重ねあわせにより形成されるとともに、前記像担持体上の各走査線の間隔をp、複数レーザビームの本数をn、同一の走査線を形成する際に重ねあわせるレーザビーム本数をm、1回の偏向により形成される複数走査線の先頭から各走査線までの距離を各々L2乃至Lnとしたとき、L2乃至Lnをp*(n/m)で除した剰余がn/m未満の自然数であり、かつm回出現する、ことを特徴とする。
請求項3に記載の発明では、複数の発光点を備えた光源部と、前記光源部の複数の発光点から射出された複数のレーザビームが入射する偏向前光学系と、一定周期で回転する回転多面鏡を有し、前記偏向前光学系を経た複数のレーザビームを主走査方向に偏向する偏向手段と、前記偏向手段で偏向されたレーザビームを被走査面に結像させる走査光学系と、前記主走査方向と直交する副走査方向に移動可能とされこのレーザービームによって露光される像担持体と、を備え、前記像担持体の移動により形成される走査線が複数回の偏向による結像スポットの重ねあわせにより形成されるとともに、1回の偏向により形成される複数走査線のうち隣接した走査線を形成するスポット群数をr、スポット群中のスポット数をcとしたとき、隣り合うスポット群では、その先頭の結像スポット間距離Lを、スポット群数rと最大公約数が1である自然数qにスポット群中の結像スポット数cを重ね合わせ数mで割った数と、走査線間隔pを乗じた距離とし、かつスポット群中の結像スポット数cと重ね書きレーザ本数mの商は自然数である、ことを特徴とする。
請求項1〜請求項3のいずれに記載の発明においても、光源部の複数の発光点から射出された複数のレーザビームが偏向前光学系を経て、偏向手段で偏向される。さらに、複数のレーザビームは走査光学系で被走査面すなわち像担持体上に結像される。そして、像担持体が副走査方向に移動することで、像担持体上に露光像が得られる。このように、複数本のレーザービームを1回の偏向で同時走査させて複数方の走査線を形成できるので、高速での走査が可能となる。
また、像担持体の移動により形成される走査線は、複数回の偏向による結像スポットの重ね合わせにより形成されるので、多重露光による濃度むらを抑制できる。
ここで、請求項1に記載の発明では、1回の偏向によって被走査面上に形成される複数走査線を、像担持体の移動によって回転多面鏡の異なる3面以上の偏向による結像スポットの重なりで形成するようにしている。
このため、回転多面鏡の誤差等による結像スポットの走査位置ずれがあっても、これに起因する筋状のディフェクトの発生を抑制できる。
請求項2に記載の発明では、像担持体上の各走査線の間隔p、複数レーザビームの本数n、同一の走査線を形成する際に重ねあわせるレーザビーム本数m、1回の偏向により形成される複数走査線の先頭から各走査線までの距離を各々L2乃至Lnとして、L2乃至Lnをp*(n/m)で除した剰余がn/m未満の自然数であり、かつm回出現する
ようにしている。
このため、被走査面においてすべての走査線ピッチに従って抜けなく、すべての走査線を複数の結像スポットで走査できる。
請求項3に記載の発明では、1回の偏向により形成される複数走査線のうち隣接した走査線を形成するスポット群数をr、スポット群中のスポット数をcとしたとき、隣り合うスポット群では、その先頭の結像スポット間距離Lを、スポット群数rと最大公約数が1である自然数qにスポット群中の結像スポット数cを重ね合わせレーザ本数mで割った数と、走査線間隔pと、を乗じた距離とし、かつスポット群中の結像スポット数cと重ね書き数mの商は自然数となるようにしている。
このため、スポット群による走査が可能であり、かつすべての走査線を複数スポットで重ね書きすることが可能となる。
請求項4に記載の発明では、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の発明において、前記光源部が、複数の発光点が2次元配列された面発光レーザであることを特徴とする。
これにより、複数の発光点の配列の自由度が高くなる。
請求項5に記載の発明では、請求項4に記載の発明において、前記面発光レーザの複数の発光点のうちレーザービームの主走査方向に対応する主走査対応方向に配列された発光点の少なくとも一部が、この発光点からのレーザービームが被走査面上で副走査方向に隣接した走査線を形成するように配置されていることを特徴とする。
1つの走査線を複数回走査して最終露光像を得る構成では、最後の走査が終了するまで走査線の情報を画像データとしてバッファしておく必要があるが、請求項5に記載の発明では、このバッファ量を少なくすることができる。
請求項6に記載の発明では、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の発明において、レーザービームの走査周期あたりの前記像担持体の副走査方向の移動量が、走査線間隔pに、複数レーザビームの本数nを同一の走査線を形成する際に重ねあわせるレーザビーム本数mで除した数(n/m)を乗じた量である、ことを特徴とする。
これにより、複数の結像スポットで形成される走査線により、被走査面のすべてを露光することができる。
請求項7に記載の発明では、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の発明において、前記複数の発光点からのレーザービームが、前記被走査面上において副走査方向に所定の間隔をあけて走査され、複数回の走査によって一定ピッチの露光像が形成されることを特徴とする。
すなわち、いわゆるインターレース走査を行うことになるので、発光点の間隔や結像倍率により高い自由度をもたせることが可能になる。
また、この構成において、請求項5に記載のように、発光点配列をレーザービームが被走査面上で隣接した走査線を形成する配列とすれば、最小限のバッファメモリの使用でインターレース走査を行うことが可能となる。
請求項8に記載の発明では、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の光走査装置と、前記像担持体を帯電させる帯電手段と、前記光走査装置からのレーザービームの露光によって前記像担持体上に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、前記転写手段で記録媒体に転写されたトナー像を定着させる定着手段と、を有することを特徴とする。
したがって、帯電手段で帯電された像担持体が光走査装置からのレーザービームで露光され、像担持体上に静電潜像が形成される。この静電潜像が現像手段によって現像され、トナー像が得られる。トナー像は、転写手段で記録媒体に転写され、さらに定着手段で定着される。
この画像形成装置では、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の光走査装置を有しているので、被走査面上の結像位置ずれや相反則不軌等による濃度ムラを低減できる
本発明は上記構成としたので、被走査面上の結像位置ずれや相反則不軌等による濃度ムラを低減できる。
図1には本発明の第1実施形態に係る画像形成装置10が示されている。画像形成装置10は、図示しない駆動手段により所定の回転速度で矢印A方向に回転される感光体ドラム12を備えており、感光体ドラム12の上方には、感光体ドラム12の外周面を帯電させる帯電器14が設けられている。
帯電器14の上方には光走査装置16が配置されている。光走査装置16は、光源から射出される複数本のレーザビームを、形成すべき画像に応じて変調すると共に、主走査方向に偏向し、感光体ドラム12の外周面上を感光体ドラム12の軸線と平行に走査させる。これにより、感光体ドラム12の外周面上に静電潜像が形成される。感光体ドラム12の外周面が、本発明に係る被走査面となっている。
感光体ドラム12の側方には現像装置18が配置されている。現像装置18は回転可能に配置されたローラ状の収容体を備えている。この収容体の内部には4個の収容部が形成されており、各収容部には現像器18Y,18M,18C,18Kが設けられている。現像器18Y,18M,18C,18Kは各々現像ローラ20を備え、内部に各々Y,M,C,Kの色のトナーを貯留している。また感光体ドラム12を挟んで現像装置18の反対側には、感光体ドラム12の外周面を除電する機能及び外周面上に残留している不要トナーを除去する機能を備えた除電・清掃器22が配置されている。
感光体ドラム12の下方には無端状の中間転写ベルト24が配設されている。中間転写ベルト24はローラ26,28,30に巻掛けられており、外周面が感光体ドラム12の外周面に接触するように配置されている。ローラ26,28,30のいずれか1つは図示しないモータの駆動力が伝達されて回転し、中間転写ベルト24を図1矢印B方向に回転させる。
中間転写ベルト24を挟んで感光体ドラム12の反対側には転写器32が配置されている。感光体ドラム12の外周面上に形成されたトナー像は転写器32によって中間転写ベルト24の画像形成面に転写される。感光体ドラム12の外周面上に形成されたトナー像が中間転写ベルト24に転写されると、感光体ドラム12の外周面のうち転写されたトナー像を担持していた領域は、除電・清掃器22によって清掃される。
本実施形態に係る画像形成装置10でのフルカラーの画像の形成は、中間転写ベルト24が4回転する間に行われる。すなわち、感光体ドラム12が回転する間、帯電器14は感光体ドラム12の外周面の帯電を行い、除電・清掃器22は外周面の除電を継続する。また、光走査装置16は、形成すべきカラー画像を表すY,M,C,Kの画像データのうちの何れかに応じて変調したレーザビームを感光体ドラム12の外周面上で走査させる。また現像装置18は、現像器18Y,18M,18C,18Kの何れかの現像ローラ20が感光体ドラム12の外周面に対応している状態で、外周面に対応している現像器を作動させ、感光体ドラム12の外周面に形成された静電潜像を特定の色に現像し、感光体ドラム12の外周面上に特定色のトナー像を形成した後、中間転写ベルト24にトナー像を転写する。中間転写ベルト24が1回転する毎に、レーザビームの変調に用いる画像データを切替えるとともに静電潜像の現像に用いる現像器が切り替わるように収容体を回転させながら、この動作を繰り返す。
これにより、中間転写ベルト24が1回転する毎に、中間転写ベルト24の外周面上には、Y,M,C,Kのトナー像が互いに重なるように順次形成されることになり、中間転写ベルト24が4回転した時点で中間転写ベルト24の外周面上にフルカラーのトナー像が形成されることになる。
中間転写ベルト24よりも下方側にはトレイ34が配置されており、トレイ34内には記録材料としての用紙Pが多数枚積層された状態で収容されている。図1におけるトレイ34の左斜め上方には取り出しローラ36が配置されており、取り出しローラ36による用紙Pの取り出し方向下流側にはローラ対38、ローラ40が順に配置されている。積層状態で最も上方に位置している記録紙は、取り出しローラ36が回転されることによりトレイ34から取り出され、ローラ対38、ローラ40によって搬送される。
また、中間転写ベルト24を挟んでローラ30の反対側には転写器42が配置されている。ローラ対38、ローラ40によって搬送された用紙Pは、中間転写ベルト24と転写器42の間に送り込まれ、中間転写ベルト24の画像形成面に形成されたトナー像が転写器42によって転写される。転写器42よりも用紙Pの搬送方向下流側には、定着ローラ対を備えた定着器44が配置されており、トナー像が転写された用紙Pは、転写されたトナー像が定着器44によって溶融定着された後に画像形成装置10の機体外へ排出され、図示しない排紙トレイ上に載置される。
図2には、第1実施形態に係る光走査装置16が示されている。光走査装置16はm本(mは少なくとも2以上)のレーザビームを射出する面発光レーザアレイ50を備えている。なお、図2は簡略化のためにレーザビームを3本のみ示しているが、面発光レーザをアレイ化して成る面発光レーザアレイ50は、数十本のレーザビームを射出するように構成することができ、また、面発光レーザの配列(面発光レーザアレイ50から射出されるレーザビームの配列)についても、1列に配列する以外に、2次元的に(例えばマトリクス状に)配列することも可能である。なお、複数のレーザービームを射出可能な本発明に係る光源部としては、このような面発光レーザアレイに限定されないが、面発光レーザアレイでは、複数の発光点の配列の自由度が高いので、好ましい。
面発光レーザアレイ50のレーザビーム射出側には、コリメートレンズ52、ハーフミラー54が順に配置されている。面発光レーザアレイ50から射出されたレーザビームは、コリメートレンズ52によって略平行光束とされた後にハーフミラー54に入射され、ハーフミラー54によって一部が分離・反射される。ハーフミラー54のレーザビーム反射側にはレンズ56、光量センサ58が順に配置されており、ハーフミラー54によって主レーザビーム(露光に用いるレーザビーム)から分離・反射された一部のレーザビームは、レンズ56を透過して光量センサ58へ入射され、光量センサ58によって光量が検出される。
なお、面発光レーザは、露光に用いるレーザビームが射出される側と反対側からはレーザビームが射出されない(端面発光レーザでは両側から射出される)ため、レーザビームの光量を検出・制御するためには、上記のように露光に用いるレーザビームの一部を分離して光量検出に供することが必要になる。
ハーフミラー54の主レーザビーム射出側にはアパーチャ60、副走査方向にのみパワーを有するシリンダレンズ62、折り返しミラー64が順に配置されており、ハーフミラー54から射出された主レーザビームは、アパーチャ60によって整形された後に、回転多面鏡66の反射面近傍で主走査方向に長い線状に結像するようにシリンダレンズ62によって屈折され、折り返しミラー64によって回転多面鏡66側へ反射される。なお、アパーチャ60は複数本のレーザビームを均等に整形するために、コリメートレンズ52の焦点位置近傍に配置することが望ましい。
回転多面鏡66は、図示しないモータの駆動力が伝達されて図4矢印C方向に回転され、折り返しミラー64によって反射されて入射されたレーザビームを主走査方向に沿って偏向・反射する。回転多面鏡66のレーザビーム射出側には主走査方向にのみパワーを有するFθレンズ68,70が配置されており、回転多面鏡66によって偏向・反射されたレーザビームは、感光体ドラム12の外周面上を略等速で移動し、且つ主走査方向の結像位置が感光体ドラム12の外周面上に一致するようにFθレンズ68,70によって屈折される。
Fθレンズ68,70のレーザビーム射出側には、副走査方向にのみパワーを有するシリンダミラー72,74が順に配置されており、Fθレンズ68,70を透過したレーザビームは、副走査方向の結像位置が感光体ドラム12の外周面に一致するようにシリンダミラー72,74によって反射され、感光体ドラム12の外周面上に照射される。なお、シリンダミラー72,74は回転多面鏡66と感光体ドラム12の外周面を副走査方向において共役にする面倒れ補正機能も有している。
また、シリンダミラー72のレーザビーム射出側には、レーザビームの走査範囲のうち走査開始側の端部(SOS:Start Of Scan)に相当する位置にピックアップミラー76が配置されており、ピックアップミラー76のレーザビーム射出側にはビーム位置検出センサ78が配置されている。面発光レーザアレイ50から射出されたレーザビームは、回転多面鏡66の各反射面のうちのレーザビームを反射している面が、入射ビームをSOSに相当する方向へ反射する向きとなったときに、ピックアップミラー76で反射されてビーム位置検出センサ78に入射される。
ビーム位置検出センサ78から出力された信号は、回転多面鏡66の回転に伴って感光体ドラム12の外周面上を走査されるレーザビームを変調して静電潜像を形成するにあたり、各回の主走査における変調開始タイミングの同期をとるために用いられる。
また、本実施形態に係る光走査装置16では、コリメートレンズ52とシリンダレンズ62、2枚のシリンダミラー72,74が各々副走査方向においてアフォーカルになる様に配置されている。これは本願出願人が既に出願した特願2000−28462号に記載されているように、複数本のレーザビームの走査線湾曲(BOW)の差と複数本のレーザビームによる走査線間隔の変動を抑制するためである。
ここで、本実施形態のように、複数本のレーザビームを感光体ドラム12の外周面上で同時に走査、露光して潜像画像を形成する場合、先に図11にも示したように、各回の走査における走査領域の境界付近でレーザビームが時間をおいて照射されるため、境界付近に筋上の濃度ムラが発生することがある。
この現象による濃度ムラを低減するためには、たとえば図4に示すように、感光体ドラム12の副走査方向の移動量を1回の走査による走査領域の半分(すなわち24ライン分の走査線の半分である12ライン分の走査領域)として、N回目の走査とN+1回目の走査で半分の走査線を重ね合わせ、境界領域での濃度ムラを低減する走査方法が考えられる。しかし、各走査線は回転多面鏡66の隣接面による複数レーザビームで形成されるため、ジッターによる結像位置ずれが発生すると、同時に走査される領域全体が隣接面による走査領域と微小に異なり、露光分布が崩れて結像位置ずれが生じた走査領域のみ濃度が低下する。この濃度低下は、回転多面鏡の1回転周期で発生するため、視認しやすい。たとえば、1200dpiの走査密度で、回転多面鏡の6面の偏向面を使用し、24ビームを同時走査する場合、0.5mm幅の濃度変動が1.5mm周期で発生することになる。図4に示した例では、2面目の走査による露光像にジッターによる結像位置ずれが生じているため、最終的に得られるトナー像としても、これに対応する領域(視認されやすい幅をもつ領域)が濃度ムラとなっている。
これに対し、本実施形態では、このような濃度ムラを抑制するために、複数のレーザービームを被走査面上で副走査方向に不等間隔となるように配置している。すなわち、本実施形態によるレーザービームの走査では、同時に走査される走査領域に対し複数回(3回以上)の偏向走査を行い、この走査領域を、等間隔を有する複数の結像スポットの重ねあわせによる走査線で埋めるようにしている。
図3には、1回の偏向走査による結像スポットが1列で模式的に示されている。なお、図3以降の各図面において、各結像スポットの左側の数値は(偏向回数、結像スポット番号)を示しており、たとえば、1面目の走査で、副走査方向の3番目の結像スポットは(1,3)と表現している。また、各走査線の番号を、必要に応じて、n番目についてLnと表示している。
ここに示すように、本実施形態では、被走査面上において、副走査方向に連続した6個の結像スポットで1つの結像スポット群が構成されており、この結像スポット群が、3ラインの走査線間隔をおいて4群配列されるようにしている。たとえば1面目の結像スポットに着目すると、(1,1)〜(1,6)までは連続した結像スポットが並んで1つの結像スポット群が構成され、(1,6)から(1,7)までは、3ライン分の走査線間隔(L7〜L9)があけられている。そして、(1,7)〜(1,12)以降も、同様の周期で同様の間隔を繰り返している。また、2面目以降の結像スポットについても同様の配列とされている。だたし、主走査方向には必ずしもずれなく配列する必要はなく、各結像スポットが主走査方向の異なる位置に結像していても、同期信号からの書き出しタイミングを各スポットごとに設定することにより、画像上は主走査方向に一致した潜像が得られる。
このときの、被走査面の副走査方向への移動量は結像スポット数の1/2、すなわち12ライン分の間隔とされる。これらの結像スポット配置と被走査面移動量により、6面の偏向面を持つ回転多面鏡に対し、5面分の偏向走査で2つの結像スポットの重ね合わせによる各走査線が等間隔に形成されることになる。
これにより、各回の主走査領域を副走査方向に見ると、複数の領域に分割されていることになるので、特定回の主走査において結像スポットにジッター等による結像位置ずれが生じていても、このずれに起因するトナー像の濃度変動を、目視では視認し難い程度の周期とすることができる。また、走査領域の境界で発生する濃度ムラに関しても、これを抑制することができる。具体的には、本実施形態において、図3に示すように3面目の走査ラインにジッタ-による結像位置ずれがあった場合を想定すると、このような結像位置のずれがあっても、それによる濃度変動周期は1200dpi周期で9ライン分の0.19mmピッチ、空間周波数では5line/mmとなり、コントラスト感度が低下するために、目視では認識されにくくなって、高画質の画像形成が可能となる。
本実施形態において、1回の偏向走査で形成される複数の走査線のそれぞれは、最終的に異なる複数回の偏向走査による走査線と重ね合わされ、所望とする走査線が形成される。たとえば図3に示す例では、3面目に偏向走査される走査線に着目すると、(3,1)(3,2)(3,3)(3,7)(3,8)(3,9)(3,13)(3,14)(3,15)の結像スポットは各々、2面目に偏向走査される結像スポットである(2,10)(2,11)(2,12)(2,16)(2,17)(2,18)(2,22)(2,23)(2,24)の結像スポットと重なる。以下、同様に(3,4)(3,5)(3,6)の結像スポットは1面目に偏向走査される(1,19)(1,20)(1,21)の結像スポットと重なり、(3,10)(3,11)(3,12)(3,16)(3,17)(3,18)(3,22)(3,23)(3,24)の結像スポットは、各々、4面目に偏向走査される(4,1)(4,2)(4,3)(4,7)(4,8)(4,9)(4,13)(4,14)(4,15)の結像スポットと重なり、(3、19)(3、20)(3、21)の結像スポットは各々、5面目に偏向走査される(5、4)(5、5)(5、6)の結像スポットと重なり合う。したがって、3面目に偏向される結像スポットは、1面目、2面目、4面目又は5面目のいずれかで偏向走査される結像スポットと重なり合うことになる。
これにより、前述のジッターのみでなく、回転多面鏡66による特性ばらつき(たとえば面精度によるフォーカス差等)が複数面で生じても、その誤差による濃度変動が分散され、高画質の画像形成が可能である。
このように、すべての走査線がある所定の重ね書き回数でくまなく走査されるためには、各ライン番号L1乃至Lnを結像スポット数で除した剰余がn/m未満の自然数であり、かつm回出現することが必要十分条件となる。すなわち、本実施形態では、たとえば重ね書き回数2、結像スポット数24であり、結像スポット数を重ね書きレーザ本数で割った商は12である。各ライン番号L1乃至Lnを商で除した剰余は、結像スポット番号毎に、1,2,3,4,5,6,10,11,0,1,2,3,7,8,9,10,11,0,4,5,6,7,8,9となり、12未満の自然数が2回出現することで、走査領域を同一の走査線間隔でもれなく走査することができる。
加えて、本実施形態のように複数スポットの重ね書きにより走査線を形成することで、レーザビーム1本あたりの光量を小さくすることが可能となる。たとえば、高出力化が困難な面発光レーザであっても、その出力範囲で使用して、所望の走査線を形成することができる。
なお、上記したように1回の偏向走査で形成される複数の走査線のそれぞれが、最終的に異なる複数回の偏向走査による走査線と重ね合わされるようにするためには、必ずしも、各スポット群のスポット像が被走査面上で副走査方向に隣接している必要はないが、本実施形態のように隣接した構成とすると、最終的な露光像を得るためのバッファメモリの量を少なくして、飛び越し走査をすることができる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態では、光走査装置及び画像形成装置の基本的構成は第1実施形態と略同一とされているので、詳細な説明を省略する。
図5に示すように、本実施形態では、回転多面鏡の偏向面の面数は6、結像スポット数は4であり、1回の偏向走査により3ラインの走査線間隔をもって4本の走査線が形成される。感光体ドラム12の副走査方向への移動量は1走査あたり、4/2=2の2ライン分である。
なお、図5は主走査方向にも離間した結像スポットによる走査を示しており、この点において、第1実施形態と異なって、主走査方向に連続する結像スポットによる結像スポット群は構成されていない。これは半導体レーザアレイに、発光点が2次元に配列された面発光レーザを用いたときの結像スポット配列の一例である。面発光レーザは半導体素子の接合方向に対し垂直方向にレーザを射出しているためマルチビーム化が容易であり、図示するように2次元に配列することが可能である。2次元に配列することで、副走査方向の間隔を実際の発光点間隔より狭めることが可能となり、光学系の自由度が増大する。
本実施形態において、5面目に偏向走査する走査線に着目すると、(5,1)の結像スポットは(1,4)の結像スポットと、(5,2)の結像スポットは(4,3)の結像スポットと、(5,3)の結像スポットは(6,2)の結像スポットと、(5,4)の結像スポットは(3,1)の結像スポットと重ね合わされている。すなわち、それぞれ5面目の偏向走査によるすべての結像スポットが、1面目、4面目、6面目、3面目と異なる4面の偏向面による結像スポットスポットと重ね合わされることで走査線が形成されている。このように構成することで、各走査線は、異なる2面での偏向走査による結像スポットで構成される。すなわち、L1は2面及び3面、L2は1面及び5面、L3は3面及び4面、L4は2面及び6面、L5は4面及び5面、L6は3面及び1面、L7は5面及び6面、L8は4面及び2面、L9は6面及び1面で偏向される。よって、同一面の組み合わせによる走査線が隣接することなく、組み合わせが離散的に変わるため、回転多面鏡12の反射面のばらつきによる特性誤差があっても結像スポットの重ねあわせにより軽減することとなる。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態でも、光走査装置及び画像形成装置の基本的構成は第1実施形態と略同一とされているので、詳細な説明を省略する。
第3実施形態では、回転多面鏡66の偏向面の面数は6とされている。また、図6に示すように、3つの結像スポットで1つの結像スポット群を構成し、副走査方向に均一の間隔(4ライン分)を持つ5つのスポット群を計15個の結像スポット数で構成している。1本の走査線を形成する結像スポットの数(重ね書き数)は3であり、感光体ドラム12の副走査方向への移動量は1走査あたり、5ライン分とされている。
ここで、隣り合うスポット群では、その先頭の結像スポット間の距離をLとして、Lはスポット群数rと最大公約数が1である自然数qにスポット群中の結像スポット数cを重ね合わせ数mで割った数と、走査線間隔pとを乗じた量とされている。このような距離とすることで、走査領域を同一の走査線間隔でもれなく走査することができる。また、本実施形態においては、1つのスポット群中の結像スポット数cと重ね書き数mの商は自然数であることが、すべての走査線がすべて重ね書き露光される条件となる。
なお、本実施形態では、上記の自然数qを7に設定している。そして、スポット群中のスポット数を3、重ね書き数を3とし、隣り合うスポット群の先頭結像スポット間Lを7ライン分とすることで、走査領域全域において、3つの結像スポットの重ね合わせにより構成され、同一の走査線間隔を有する複数の走査線を形成している。
また、本実施形態のように、重ね書き数を3以上とすることで、より結像スポットの走査位置ずれに関する許容値をなくすことができ、部品に対する要求精度を緩めることができる。
次に、本発明の第4実施形態について説明する。第4実施形態でも、光走査装置及び画像形成装置の基本的構成は第1実施形態と略同一とされているので、詳細な説明を省略する。
図8には、従来の構成での結像スポット及び走査線一例が比較例として示されている。この比較例では、結像スポット数は4、1走査あたりに感光体ドラムが移動する量は4ライン分とされている。このケースにおいて、副走査方向の結像倍率に誤差がある場合を考える。面発光レーザアレイ50における発光点の副走査方向の間隔はS1とS3は32μm、S1とS2は2次元に配置することで、副走査方向の間隔は3.2μmとしている。この光源(面発光レーザアレイ)を用いて600dpiの走査密度で走査する場合、結像倍率Mを13.23倍とすることで被走査面上で42.3umの走査線間隔を実現できる。。ここで、光学系の結像倍率に仮に1%の誤差がある場合、被走査面上における結像スポットS1と結像スポットS2の走査線間隔は42.75μmであり、理想の間隔に対し0.4umしか違わないのに対し、結像スポットS1と結像スポットS3の被走査面上の間隔は427.57umと4.23umのずれ(間隔誤差)がある。走査線間隔42.3umに対しては、約10%のずれが生じていることになり、離間する走査線数倍の影響が発生することになる。
このように間隔誤差がある状態で走査線が形成されると、図8に示すように、露光像において隣接する走査線間で露光ムラが発生し、最終的なトナー像においては高濃度と低濃度が周期的に発生するいわゆるバンディングが発生することになる。
このような問題に対し、本実施形態は、図7に示す例のように、レーザビーム数を8とし、さらに1走査あたりの感光体ドラム12の移動量をスポット数の1/2である4ラインとして、2回の重ね書き露光としている。結像倍率誤差がある場合、従来例と同様に結像スポットS1と結像スポットS5の間隔誤差は4.23umとなるが、スポット間隔誤差の大きいr2のスポット群は異なる偏向面によるr1のスポット群を構成するスポット像と重ね書き露光される。たとえば、2面目の2番目のスポット群に着目すると、結像スポット(2,5)(2,6)は4面目の結像スポット(4,3)(4,4)、結像スポット(2,7)(2,8)は5面目の結像スポット(5,1)(5,2)と重ね書きされる。重ね書きされるこれらの結像スポット(4,3)(4,4)及び、結像スポット(5,1)(5,2)は、各々同時に走査される1番目のスポット群を構成している。
これらにより、各露光像は位置によらず同一の露光分布となり、トナー像においても濃度ムラの発生のない均一な濃度分布が得られることになる。
本実施形態では、1走査あたりの被走査面移動量がn/mであり、前述した条件、すなわち各ライン番号L1乃至Lnを結像スポット数で除した剰余がn/m未満の自然数であり、かつm回出現する条件をみたしている。
また、隣り合うスポット群では、その先頭の結像スポット間をLとして、Lはスポット群数rと最大公約数が1である自然数qにスポット群中の結像スポット数cをレーザ重ね合わせ本数mで割った数と、走査線間隔pと、を乗じた量であり、かつスポット群中の結像スポット数cと重ね書き数mの商は自然数である条件を満たしている。
次に、本発明の第5実施形態について説明する。第5実施形態でも、光走査装置及び画像形成装置の基本的構成は第1実施形態と略同一とされているので、詳細な説明を省略する。
第5実施形態では、回転多面鏡66として、6つの偏向面を有するものを使用し、24ビームにより走査する例を挙げている。すなわち、図9に示すように、1度の偏向走査で24本の走査線を形成し、被走査面の移動により、つぎの偏向面の走査では結像スポットが走査線6本分だけ副走査方向に移動した位置に走査される。なお、第5実施形態では、1度の偏向走査によって形成される複数本(本実施形態では24本)の走査線は、副走査方向に離間することなく隣接しており、この点において、第1〜第4実施形態とは異なっている。
この様な走査を繰り返すことにより、1本の走査線は回転多面鏡66の偏向面4面分の偏向走査による4回の重ねあわせにより形成されることになる。たとえば、2面目の偏向走査により形成される走査線中の(2,19)ラインに着目すると、3面の(3,13),4面の(4,7),5面の(5,1)のそれぞれ、すなわち異なる3面の走査線が重なることになる。
このように構成することにより、走査に伴う位置ずれ(たとえば、面精度に起因するジッターや倒れ補正誤差によるピッチムラ、複数ビーム間隔ピッチ誤差)があっても、その影響による画質劣化を抑制することができる。
なお、図9は、2面目の偏向走査時に偏向面の面精度に起因したジッターにおる走査位置ずれがある場合の例である。本実施形態における効果を、従来例との比較において、図10により説明する。
図10にはそれぞれ、は被走査面上のビーム強度分布が示されており、図10(A)は重ね合わせなしの場合の単独ドットの強度分布であり、図10(B)は1ドットをb1、b2の2回の重ね書きにより形成した場合である。また、図10(C)は、1ドットをc1〜c4の4回の重ね書きにより形成した本実施形態の場合である。
図10(B)に示す2回重ね書きの場合、本来であれば、b1とb2は同一位置に描かれ、その合成強度分布はa1と同じになる。しかし、たとえばb2を走査する際にジッターにより主走査方向にビームがずれた場合を想定すると、その合成強度分布は主走査方向に広がり、ピーク強度が下がるとともにその重心位置は太い一点鎖線Bで示す位置にずれる。この従来例の場合、1ドット相当のジッターでb2が1ドットずれると、その重心位置は1/2ドットずれ、細線のがたつきや、スクリーン構造の乱れ等の画質劣化が生じてしまう。
これに対して、本実施形態では、1ドットを4回の重ね書きで形成するため、たとえ1回の走査でジッターが発生してもその影響は 1/4に抑制される。すなわち、図10(C)に示すように、たとえばc2に1ドット相当のジッターがあっても、4回の重ね書きのためその影響は1/4に軽減されるため、1/4ドット分の重心位置変化で済み、視認することができなくなる。また、合成強度分布のピーク強度低下も小さくなり、この露光像による潜像電位強度を大きく維持できる。このため、電界強度も大きくなりトナー現像性の低下も抑制できる。たとえば、振動等による不定期な露光位置ずれが重なっても、その影響を軽微にすることができる。
なお、本実施形態では、主走査方向に位置ずれが生じた場合を例に挙げて説明したが、副走査方向の位置ずれ、すなわち倒れ補正誤差によるピッチムラや複数ビーム間隔誤差に対しても同様な効果を有する。
このように、1度の偏向走査で形成される複数走査線が回転多面鏡の異なる3面以上の偏向走査により重ねあわされることにより、走査装置の誤差による影響を抑制し、かつ外乱の影響を受けずらくなり、良好なプリントを得ることが可能である。
本発明の第1実施形態の画像形成装置の全体構成を示す概略正面図である。 本発明の第1実施形態の画像形成装置の光走査装置を示す概略斜視図である。 本発明の第1実施形態の光走査装置の作用を示す説明図である。 本発明の第1実施形態の光走査装置に対する比較のために、従来において濃度ムラが生じる原理をを示す説明図である。 本発明の第2実施形態の光走査装置の作用を示す説明図である。 本発明の第3実施形態の光走査装置の作用を示す説明図である。 本発明の第4実施形態の光走査装置の作用を示す説明図である。 本発明の第4実施形態の光走査装置に対する比較のために、従来において濃度ムラが生じる原理をを示す説明図である。 本発明の第5実施形態の光走査装置の作用を示す説明図である。 被走査面上でのレーザビームの強度分布を示すグラフであり、(A)は重ね合わせなしの場合、(B)は2回の重ね書きを行う場合、(C)は4回の重ね書きを行う第5実施形態の場合である。 従来の光走査装置において濃度特性変化が発生する原理を示す説明図である。 従来の光走査装置における副走査方向の位置と露光エネルギーとの関係を示すグラフである。 従来の光走査装置において筋状の濃度ムラが発生する原理を示す説明図である。 従来の光走査装置での主走査方向の位置とビーム強度との関係を示すグラフである。 従来の光走査装置において筋状の濃度ムラが発生する原理を示す説明図である。
符号の説明
10 画像形成装置
12 感光体ドラム
14 帯電器
16 光走査装置
18 現像装置
18Y,18M,18C,18K 現像器
20 現像ローラ
22 除電・清掃器
24 中間転写ベルト
26 ローラ
26,28,30 ローラ
30 ローラ
32 転写器
34 トレイ
36 ローラ
38 ローラ対
40 ローラ
42 転写器
44 定着器
50 面発光レーザアレイ
52 コリメートレンズ
54 ハーフミラー
56 レンズ
58 光量センサ
60 アパーチャ
62 シリンダレンズ
64 ミラー
66 回転多面鏡
68,70 Fθレンズ
72 シリンダミラー
72,74 シリンダミラー
76 ピックアップミラー
78 ビーム位置検出センサ
P 用紙
c 結像スポット数
L 結像スポット間距離
c 結像スポット数
m 重ね合わせのレーザビーム本数
p 走査線間隔
r スポット群数

Claims (8)

  1. 複数の発光点を備えた光源部と、
    前記光源部の複数の発光点から射出された複数のレーザビームが入射する偏向前光学系と、
    一定周期で回転する回転多面鏡を有し、前記偏向前光学系を経た複数のレーザビームを主走査方向に偏向する偏向手段と、
    前記偏向手段で偏向されたレーザビームを被走査面に結像させる走査光学系と、
    前記主走査方向と直交する副走査方向に移動可能とされレーザービームによって露光される像担持体と、
    を備え、
    前記像担持体の移動により形成される走査線が複数回の偏向による結像スポットの重ねあわせにより形成されるとともに、
    1回の偏向により前記被走査面上に同時に形成される複数走査線が前記像担持体の移動によって前記回転多面鏡の異なる3面以上の偏向による結像スポットの重なりで形成される、ことを特徴とする光走査装置。
  2. 複数の発光点を備えた光源部と、
    前記光源部の複数の発光点から射出された複数のレーザビームが入射する偏向前光学系と、
    一定周期で回転する回転多面鏡を有し、前記偏向前光学系を経た複数のレーザビームを主走査方向に偏向する偏向手段と、
    前記偏向手段で偏向されたレーザビームを被走査面に結像させる走査光学系と、
    前記主走査方向と直交する副走査方向に移動可能とされレーザービームによって露光される像担持体と、
    を備え、
    前記像担持体の移動により形成される走査線が複数回の偏向による結像スポットの重ねあわせにより形成されるとともに、
    前記像担持体上の各走査線の間隔をp、複数レーザビームの本数をn、同一の走査線を形成する際に重ねあわせるレーザビーム本数をm、1回の偏向により形成される複数走査線の先頭から各走査線までの距離を各々L2乃至Lnとしたとき、L2乃至Lnをp*(n/m)で除した剰余がn/m未満の自然数であり、かつm回出現する、ことを特徴とする光走査装置。
  3. 複数の発光点を備えた光源部と、
    前記光源部の複数の発光点から射出された複数のレーザビームが入射する偏向前光学系と、
    一定周期で回転する回転多面鏡を有し、前記偏向前光学系を経た複数のレーザビームを主走査方向に偏向する偏向手段と、
    前記偏向手段で偏向されたレーザビームを被走査面に結像させる走査光学系と、
    前記主走査方向と直交する副走査方向に移動可能とされこのレーザービームによって露光される像担持体と、
    を備え、
    前記像担持体の移動により形成される走査線が複数回の偏向による結像スポットの重ねあわせにより形成されるとともに、
    1回の偏向により形成される複数走査線のうち隣接した走査線を形成するスポット群数をr、スポット群中のスポット数をcとしたとき、隣り合うスポット群では、その先頭の結像スポット間距離Lを、スポット群数rと最大公約数が1である自然数qにスポット群中の結像スポット数cを重ね合わせ数mで割った数と、走査線間隔pを乗じた距離とし、かつスポット群中の結像スポット数cと重ね書きレーザ本数mの商は自然数である、ことを特徴とする光走査装置。
  4. 前記光源部が、複数の発光点が2次元配列された面発光レーザであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の光走査装置。
  5. 前記面発光レーザの複数の発光点のうちレーザービームの主走査方向に対応する主走査対応方向に配列された発光点の少なくとも一部が、この発光点からのレーザービームが被走査面上で副走査方向に隣接した走査線を形成するように配置されていることを特徴とする請求項4に記載の光走査装置。
  6. レーザービームの走査周期あたりの前記像担持体の副走査方向の移動量が、走査線間隔pに、複数レーザビームの本数nを同一の走査線を形成する際に重ねあわせるレーザビーム本数mで除した数(n/m)を乗じた量である、ことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の光走査装置。
  7. 前記複数の発光点からのレーザービームが、前記被走査面上において副走査方向に所定の間隔をあけて走査され、複数回の走査によって一定ピッチの露光像が形成されることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の光走査装置。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の光走査装置と、
    前記像担持体を帯電させる帯電手段と、
    前記光走査装置からのレーザービームの露光によって前記像担持体上に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
    前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
    前記転写手段で記録媒体に転写されたトナー像を定着させる定着手段と、
    を有することを特徴とする画像形成装置。
JP2004278038A 2004-09-24 2004-09-24 光走査装置及び画像形成装置 Expired - Fee Related JP4470668B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004278038A JP4470668B2 (ja) 2004-09-24 2004-09-24 光走査装置及び画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004278038A JP4470668B2 (ja) 2004-09-24 2004-09-24 光走査装置及び画像形成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006088565A true JP2006088565A (ja) 2006-04-06
JP4470668B2 JP4470668B2 (ja) 2010-06-02

Family

ID=36229986

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004278038A Expired - Fee Related JP4470668B2 (ja) 2004-09-24 2004-09-24 光走査装置及び画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4470668B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006215270A (ja) * 2005-02-03 2006-08-17 Ricoh Co Ltd 光走査装置および画像形成装置
JP2006301482A (ja) * 2005-04-25 2006-11-02 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP2009134200A (ja) * 2007-12-03 2009-06-18 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP2010274652A (ja) * 2009-05-28 2010-12-09 Xerox Corp 光走査装置
JP2017072851A (ja) * 2007-07-13 2017-04-13 株式会社リコー 面発光レーザアレイ、光走査装置及び画像形成装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006215270A (ja) * 2005-02-03 2006-08-17 Ricoh Co Ltd 光走査装置および画像形成装置
JP2006301482A (ja) * 2005-04-25 2006-11-02 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP2017072851A (ja) * 2007-07-13 2017-04-13 株式会社リコー 面発光レーザアレイ、光走査装置及び画像形成装置
JP2009134200A (ja) * 2007-12-03 2009-06-18 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP2010274652A (ja) * 2009-05-28 2010-12-09 Xerox Corp 光走査装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4470668B2 (ja) 2010-06-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100846378B1 (ko) 화상 형성 장치 및 형성 화상 보정 방법
JP4363015B2 (ja) 光走査装置
US8699096B2 (en) Image forming apparatus
US9266351B2 (en) Optical scanning device and image forming apparatus
US8314975B2 (en) Optical scanning device and image forming apparatus
JP2003182139A (ja) 画像形成装置
EP2602669A2 (en) Laser scanning unit and colour image forming apparatus including the same
JP2004276532A (ja) カラー画像形成装置
US9288366B2 (en) Optical scanning device and image forming apparatus
JP4470668B2 (ja) 光走査装置及び画像形成装置
JP2004361627A (ja) 光走査装置及びそれを用いた画像形成装置
JP5417913B2 (ja) 画像形成装置
JP2006198882A (ja) 光走査装置及び光量制御方法
JP2009069270A (ja) 光走査装置及び画像形成装置
JP2007118246A (ja) 画像形成装置
JP5163923B2 (ja) 画像形成方法
JP2008275711A (ja) 光走査装置及び画像形成装置
JP2000318211A (ja) 画像形成装置
JP2004223754A (ja) 画像形成装置
JP4083935B2 (ja) 画像形成装置
JP5303346B2 (ja) 光学走査装置及びそれを備えた画像形成装置
JP2008026570A (ja) マルチビーム光走査装置及び画像形成装置
JP4396177B2 (ja) 画像形成装置
JP2010179629A (ja) 画像形成装置
JP5458827B2 (ja) ビームピッチ調整方法、光走査装置および画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070817

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090813

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090825

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091015

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091201

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100126

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100209

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100222

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130312

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4470668

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130312

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140312

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees