JP2006088236A - 高圧液噴射式切断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 再利用可能な粒径の研磨材の回収効率を向上できるとともに,排水経路の詰まりを防止することが可能な高圧液噴射式切断装置を提供すること。
【解決手段】 本発明の高圧液噴射式切断装置は,研磨材混合液貯留タンク22と;研磨材混合液貯留タンク22に高圧液を供給して研磨材混合液を高圧で送出する高圧液供給手段15と;高圧の研磨材混合液を被加工物5に対して噴射する噴射ノズル30と;噴射された高圧の研磨材混合液を受け止めるキャッチタンク50と;キャッチタンク50から移送された研磨材混合液から,再利用可能な所定範囲の粒径の研磨材を回収して,研磨材混合液貯留タンク22に移送する研磨材回収手段60と;研磨材回収手段60によって回収されなかった研磨材を含む研磨材混合液から,再利用可能な粒径の研磨材を分別回収し,排出不可能な粒径の研磨材を分別除去する研磨材分別手段70と;を備える。
【選択図】 図2

Description

本発明は,研磨材を含む高圧液の噴射によって被加工物を切断する高圧液噴射式切断装置に関し,特に,研磨材を再利用可能な高圧液噴射式切断装置に関する。
ウォータージェットは,超高圧ポンプ等によって水にエネルギーを与えて形成された高圧水の噴流であり,例えば音速の2〜3倍という流速を有する。近年では,このウォータージェットを使用して各種の被加工物(ワーク)を切断する方法および装置が開発されている。特に,切断効率を向上させるため,高圧水に固体の研磨材(abrasive)を混入したアブレシブジェットに注目が集まっている。この研磨材は,ガーネット,酸化アルミナ,炭化ケイ素などの高硬度の材質からなり,粒径が例えば数十〜数百μm程度の粒状物であるが,これらの研磨材は,高圧水とともに被加工物に高速で衝突し,被加工物の一部を破壊して切削する。
このようなウォータージェットによる切断は,被加工物に熱影響を与えずに切断でき,研磨材によって切断面におけるバリの発生を低減できるという利点がある。さらに,切断ラインが曲線であっても問題なく切断できることに加え,複合材や難加工材の切断にも適しているという利点もある。このため,近年では,半導体基板,特にパッケージ化された基板などをダイシングするために,従来のような切削ブレードに代えてウォータージェットによる切断加工が検討されている。
アブレシブジェットを用いたウォータージェット切断装置では,一般的に,切断加工に使用された研磨材を回収して再利用することがなされる。これは,一回の被加工物の切断において,噴射ノズルから高圧水とともに噴射された研磨材のすべてが加工に寄与して消耗するわけではないため,研磨材を使い捨てにすると,消耗していない研磨材をも大量に廃棄することになり,極めて生産効率が低下してしまうからである。
この研磨材の再利用に際しては,様々な問題が発生する。例えば,再利用した高圧水の中に被加工物の切断屑が含まれていると,切断効率を低下させるだけではなく,切断時に切断屑が被加工物に付着したり,装置が故障する原因になったりもする。このため,研磨材を再利用するためには,排水中に含まれる切断屑を除去しなければならない。かかる例として,特許文献1には,排水に含まれている切断屑をフィルタによって除去する装置について記載されている。
また,再利用した研磨材も消耗すると,切断に寄与できなくなるため,消耗した研磨材を回収,除去しなければならない。研磨材を回収する例として,特許文献2には,キャッチタンク内の水を循環させて,一度使用した研磨材をフィルタで回収する装置について記載されている。しかし,この特許文献2の装置では,研磨材を回収して再利用するためには,必ず人手を必要とするものであり,研磨材を自動的に再利用できないという問題がある。
さらに,研磨材を循環させられる例として,特許文献3には,キャッチタンクから沈殿タンクに研磨材混合廃液を移送し,沈殿タンクによって,比重の重い切削屑や研磨材を沈降分離して,研磨材を回収する装置について記載されている。しかし,この方法によっても,研磨材を回収して再利用するためには,一度人手によって研磨材を回収した上で,再生処理を施し,装置に再装填する必要があると推察される。
特開平11−33549号公報 特開平11−123662号公報 特開2001−260030号公報
上記のように,従来のウォータージェット切断装置では,回収した研磨材を人力で装置に再装填するものであり,装置内で研磨材を自動的に再利用できるものではなかった。そこで,装置内で研磨材を自動的に循環させて再利用可能なウォータージェット切断装置が検討されている。
例えば,本願発明者らが検討しているウォータージェット切断装置では,図6に示すように,高圧ポンプ115から供給された高圧水によって,研磨材混合液貯留タンク122aまたは122b内の研磨材混合液を高圧で送出し,この高圧の研磨材混合液(アブレシブジェット)を噴射ノズル130から被加工物105に対して噴射して,切断加工を行う。さらに,噴射ノズル130から噴射された研磨材混合液を,キャッチタンク150で受け止めた後に,研磨材回収手段160によって,当該研磨材混合液から,消耗しておらず再利用可能な粒径(例えば30〜100μm)の研磨材を回収して,2つの研磨材混合液供給タンク122a,122bのうち,切断加工に使用していない方に戻すような構成である。かかる構成により,装置内で研磨材を自動的に循環させて再利用することができる。なお,図6のウォータージェット切断装置では,研磨材回収手段160によって回収されなかった研磨材は,排水とともに未処理で排出されていた。
ところが,図6に示したような研磨材を自動的に循環させる方式のウォータージェット切断装置が新規なものであるため,再利用する研磨材の回収効率や,研磨材の排出の仕方等に技術的課題があった。
具体的には,まず,研磨材回収手段160は,再利用可能な粒径の研磨材の全てを完全に回収することはできなかった。このため,排水の中には,消耗により再利用に不適な粒径(例えば30μm未満)の研磨材のみならず,本来であれば研磨材回収手段160で回収されるべき再利用可能な粒径(例えば30〜100μm)の研磨材も混入しており,その量は再利用可能な研磨材の約8%に及ぶと推定された。このように,上記図6のウォータージェット装置では,再利用可能な研磨材を効率的に回収することができないという問題があった。
また,上記図6のウォータージェット切断装置から排水とともに排出された研磨材等に関しても,粒径が大きい研磨材(例えば10μm以上)や切断屑等は,装置外部の排液経路(排水溝等)に堆積して,当該排液経路を詰まらせてしまうという問題があった。
そこで,本発明は,上記問題点に鑑みてなされたものであり,研磨材を循環させて自動的に再利用する際に,再利用可能な粒径の研磨材の回収効率を向上できるとともに,排液から粒径が大きい研磨材や切断屑等を除去して,排液経路の詰まりを防止することが可能な,新規かつ改良された高圧液噴射式切断装置を提供することにある。
上記課題を解決するために,本発明の第1の観点によれば,研磨材と液体とが混合された研磨材混合液を貯留する研磨材混合液貯留タンクと;研磨材混合液貯留タンクに高圧液を供給することによって,研磨材混合液貯留タンクに貯留されている研磨材混合液を高圧で送出する高圧液供給手段と;研磨材混合液貯留タンクから送出された高圧の研磨材混合液を,被加工物に対して噴射する噴射ノズルと;噴射ノズルから噴射された高圧の研磨材混合液を受け止めるキャッチタンクと;キャッチタンクから移送された研磨材混合液から,再利用可能な所定範囲の粒径の研磨材を回収し,回収された研磨材を含む研磨材混合液を研磨材混合液貯留タンクに移送する研磨材回収手段と;を備えた高圧液噴射式切断装置が提供される。この高圧液噴射式切断装置は,研磨材回収手段から,研磨材回収手段によって回収されなかった研磨材を含む研磨材混合液が移送され,当該研磨材混合液から,再利用可能な粒径の研磨材を分別して回収するとともに,排出不可能な粒径の研磨材を分別して除去する研磨材分別手段;を備えることを特徴とする。
なお,「再利用可能な所定範囲の粒径の研磨材」とは,被加工物の切断加工に寄与する適切な範囲の粒径(例えば30〜100μm)を有する研磨材である。また,「排出不可能な粒径の研磨材」とは,排液に含ませて排出してしまうと排液経路を詰まらせるなどといった支障が生じうる大きさの粒径(例えば,10μm以上)を有する研磨材である。
かかる構成により,研磨材を循環させて自動的に再利用する高圧液噴射式切断装置において,研磨材回収手段によって回収しきれなかった再利用可能な研磨材を,研磨材分別手段によって回収できる。このため,再利用可能な研磨材の回収効率を向上できるため,生産コストを低減し,生産効率の向上が図れる。また,排出不可能な大きの研磨材を除去した上で排液するので,研磨材が排液経路に堆積して排液経路が詰まってしまうことを防止できる。
また,上記研磨材分別手段は,研磨材回収手段から移送され,研磨材回収手段によって回収されなかった研磨材を含む研磨材混合液を貯留し,当該研磨材混合液に含まれる再利用可能な粒径の研磨材を沈殿させる研磨材回収用タンクと;研磨材回収用タンクの底部に沈殿した再利用可能な粒径の研磨材を含む研磨材混合液を,キャッチタンクに移送する第1の移送手段と;研磨材回収用タンクから溢れた研磨材混合液を濾過して,排出不可能な粒径の研磨材を除去する不要物除去フィルタと;不要物除去フィルタを通過した研磨材混合液を外部に排出する排出手段と;を備えるようにしてもよい。
かかる構成により,研磨材回収用タンクにおいて,比重の違いを利用した沈降分離方式により,再利用可能な研磨材と,消耗して再利用できない研磨材および切削屑と,を分別して,再利用可能な研磨材を好適に回収して再利用できる。さらに,消耗して再利用できない研磨材および切削屑のうち,排液経路に堆積する大きさのものを,不要物除去フィルタによって好適に除去して排液できる。このため,排液経路が詰まることを防止できる。
また,上記研磨材分別手段は,外部から研磨材を補充するための研磨材補充口が設けられているようにしてもよい。かかる構成により,キャッチタンクに研磨材を補充する場合と異なり,切断加工を停止させることなく,オペレータが新たな研磨材を安全に補充できる。
また,上記研磨材回収手段は,キャッチタンクから移送された研磨材混合液に含まれる研磨材のうち,再利用可能な所定範囲の粒径の研磨材を通過させる研磨材回収フィルタと;研磨材回収フィルタを通過した研磨材を貯留する研磨材貯留容器と;研磨材貯留容器に貯留された研磨材を含む研磨材混合液を,研磨材混合液貯留タンクに移送する第2の移送手段と;研磨材貯留容器に液体を供給することによって,研磨材回収フィルタを研磨材貯留容器側から反対側に通過するような液流を発生させて,研磨材回収フィルタに目詰まりした研磨材を除去する研磨材回収フィルタ清掃手段と;を備えるようにしてもよい。
かかる構成により,研磨材回収フィルタ清掃手段によって,研磨材回収フィルタの目詰まりを好適に解消できる。このため,研磨材回収手段において,再利用可能な研磨材を好適に回収できるようになるので,研磨材回収手段から研磨材分別手段に流れ込む再利用可能な研磨材の量を低減して,研磨材分別手段の回収負荷を抑制できる。また,研磨材回収フィルタの寿命を延ばすこともできる。
また,上記研磨材分別手段からキャッチタンクに研磨材混合液を移送する第1の移送手段,研磨材回収手段から研磨材混合液貯留タンクに研磨材混合液を移送する第2の移送手段,及び/又は,キャッチタンクから研磨材回収手段に研磨材混合液を移送する第3の移送手段は,移送動力源として正圧ポンプを具備するようにしてもよい。かかる構成により,負圧ポンプを使用した場合のように,高圧液噴射式切断装置内で循環する研磨材混合液に空気が混入してしまうという問題を解消して,切断加工品質の低下を防止することができる。
以上説明したように本発明の高圧液噴射式切断装置によれば,研磨材を循環させて自動的に再利用する際に,再利用可能な粒径の研磨材の回収効率を向上できる。さらに,排出される研磨材混合液から,排液経路を詰まらせるような大きさの研磨材や切断屑等を好適に除去して,排液経路の詰まりを防止することができる。
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(第1の実施の形態)
以下に,本発明の第1の実施形態にかかる高圧液噴射式切断装置について説明する。なお,本実施形態にかかる高圧液噴射式切断装置は,例えば,以下に説明するように,研磨材が混入された高圧水の噴流(アブレシブジェット)によって被加工物を切断するウォータージェット切断装置として構成されているが,本発明はかかる例に限定されるものではない。
まず,図1に基づいて,本実施形態にかかるウォータージェット切断装置1の全体構成について概略的に説明する。なお,図1は,本実施形態にかかるウォータージェット切断装置1の全体構成を示す概略図である。
図1に示すように,本実施形態にかかるウォータージェット切断装置1は,被加工物5に対して,研磨材を含む高圧水を噴射することにより,被加工物5を比較的自由な切断ラインで高精度に切断加工(即ち,ウォータージェット加工)することが可能な切断装置である。このウォータージェット切断装置1による切断対象である被加工物5は,例えば,シリコンウェハ,パッケージ化された半導体基板(例えばCSP基板)等の各種の半導体基板などであるが,かかる例に限定されない。
かかるウォータージェット切断装置1は,例えば,高圧液供給手段10と,研磨材混合手段20と,噴射ノズル30と,保持テーブル40と,テーブル移動装置42と,キャッチタンク50と,研磨材回収手段60と,研磨材分別手段70と,低圧液供給手段80とを主に備える。
高圧液供給手段10は,例えば,後述する高圧ポンプおよびモータなどで構成されており,外部から供給された水を加圧して,例えば600〜700バール(1バール=約1.02kgf/cm)の高圧水を発生して供給することができる。外部から供給される水は,例えば水道水であるが,かかる例に限定されず,純水等であってもよい。高圧液供給手段10によって発生した高圧水は,高圧流体を運搬するための配管である高圧管11を介して研磨材混合手段20に供給される。
研磨材混合手段20は,後述する研磨材混合液貯留タンクなどで構成され,研磨材(砥粒)と水とが混合された研磨材混合水を貯留している。この研磨材混合手段20は,高圧液供給手段10から供給された高圧水に,所定の割合で研磨材を混合し,この研磨材が混合された高圧水を送出する。この研磨材は,例えば,ガーネット,酸化アルミナ,炭化ケイ素,ダイヤモンド等の高硬度の材質からなり,粒径が例えば数十〜数百μm程度の粒状物であり,高圧水の切断効率を高める機能を有する。本実施形態では,この研磨材として,例えば,粒径が40〜100μmの酸化アルミナが使用される。かかる研磨材が混合された高圧水(以下,「高圧の研磨材混合水」ともいう。)は,高圧管21を介して噴射ノズル30に供給される。
噴射ノズル30は,高圧液を噴射する高圧液噴射手段の一例として構成されており,例えば,ノズル管31と,オリフィス32とからなる。この噴射ノズル30には,上記研磨材混合手段20から高圧管21を介して,高圧の研磨材混合水が供給される。噴射ノズル30は,例えば,この高圧の研磨材混合水を,保持テーブル40に保持されている被加工物5に対して上方から高速で噴射する。
この噴射ノズル30は,例えば,ノズル固定部材(図示せず。)によって,装置本体に対して安定的に固定される。また,噴射ノズル30は,例えば,昇降機構(図示せず。)によって,Z軸方向(垂直方向)に上下動可能に構成されている。これにより,被加工物5の種類,厚さ,表面の凹凸等に応じて,噴射ノズル30の先端と被加工物5との距離を調整できる。
また,図1内の部分拡大図に示すように,噴射ノズル30のノズル管31の先端には,高圧水の噴出径を縮小化するためのオリフィス32が装着されている。このオリフィス32は,例えば,先端に所定の微細径の噴出口321が形成されたオリフィス本体322と,このオリフィス本体322を覆うように設けられ,ノズル管31の先端部にネジ止めされるオリフィスカバー323とを備える。このオリフィスカバー323をネジ止めすることにより,オリフィス本体322が噴射ノズル30の先端に固定される。
かかる噴射ノズル30から噴射される高圧水噴流(即ち,ウォータージェット)Jの流速は,例えば音速の約2〜3倍である。また,この噴射ノズル30の先端と被加工物5表面との距離は,例えば50μm〜1mmであり,双方が極力近くなるように調整される。このように噴射ノズル30と被加工物5を接近させることで,噴射された高圧水噴流Jの拡散を極力抑え,被加工物5の切断幅が広くなってしまうことを防止できる。また,噴射ノズル30の口径(噴出口321の径)は例えば約250μmであり,この場合,被加工物5の切断幅は,例えば300μm程度となる。
このようにして,噴射ノズル30によって,研磨材が混合された高圧水噴流であるウォータージェットJを,被加工物5に対して噴射することにより,高圧水のエネルギーによって被加工物5を切断することができる。このとき,研磨材は,高圧水とともに被加工物5に衝突して被加工物5の一部を破壊して切削するので,切断能率を向上させることができる。このように,本実施形態にかかるウォータージェットJは,アブレシブジェットとして構成されている。
保持テーブル40は,被加工物を保持する被加工物保持手段の一例として構成されている。この保持テーブル40は,例えば,ステンレス等の硬質な金属で形成された板状部材であり,被加工物である被加工物5を保持・固定する。この保持テーブル40には,被加工物5が固定される部分に,ウォータージェットJを通過させるための開口部であるテーブル窓401が形成されている。このテーブル窓401は,例えば,被加工物5に対応した形状(例えば略矩形状)を有しており,その大きさは被加工物5の外形よりも若干小さい。かかるテーブル窓401の上部に被加工物5を配置し,被加工物5の外周部をカバーまたは係止爪等(図示せず。)で固定することにより,保持テーブル40に対して被加工物5が固定される。また,上記噴射ノズル30が噴射したウォータージェットJは,このテーブル窓401の部分を通過するため,ウォータージェットJによって保持テーブル40自体が切断されてしまうことはない。
なお,例えば,保持テーブル40のテーブル窓401の部分に,被加工物5を下方から支持する平板状の支持部材(治具)を取り付けてもよい。この支持部材を設けることにより,切断時の高圧水の圧力による被加工物5の変形を防止して,加工精度を向上させることができる。
また,本実施形態では,上記テーブル窓401を有する保持テーブル40によって被加工物5を保持・固定しているが,かかる例に限定されず,例えば,各種の載置台,治具,保持器具などで構成された被加工物保持手段によって,被加工物5を保持・固定してもよい。
テーブル移動装置42は,例えば,電動モータ,ギヤ等の駆動機構などで構成されており,上記保持テーブル40を水平方向(X軸およびY軸方向)に移動させる。このようなテーブル移動装置42によって保持テーブル40をX軸およびY軸方向に移動させることにより,保持テーブル40によって保持されている被加工物5を噴射ノズル30に対してX軸およびY軸方向に相対移動させることができる。これにより,被加工物5に対するウォータージェットJの噴射位置(切断箇所)を変更して,被加工物5を連続的に切断することができる。この切断時の被加工物5の送り速度は,切断される被加工物5の厚さや材質によって異なるが,例えば20mm/秒である。なお,テーブル移動装置42の構成は,上記例に限定されるものではなく,被加工物5を水平方向に移動可能な構成であれば,多様に設計変更可能である。
キャッチタンク50は,例えば,上面が開放された縦長の貯水槽である。このキャッチタンク50は,例えば,上記保持テーブル40の下側であって,噴射ノズル30の直下に設けられる。このキャッチタンク50は,その内部に所定の高さまで研磨材を含む水を貯留しており,この水面の高さを一定に保つために,キャッチタンク50に対する水の供給及び排出が制御されている。
かかるキャッチタンク50は,ウォータージェットJの受け水槽として機能する。即ち,キャッチタンク50は,貯留している水を緩衝材として,上記のようにして被加工物5を切断して貫通したウォータージェットJの威力を弱めて受け止めることができる。このキャッチタンク50の底部には,上記のように受け止めた研磨材混合水に含まれる研磨材が,沈降して堆積する。また,キャッチタンク50の例えば側面底部側には,配管51が接続されており,この配管51を介して,キャッチタンク50内の研磨材および水が排出され,研磨材回収手段60に移送される。
研磨材回収手段60は,上記キャッチタンク50から配管51を介して移送された研磨材混合水から,再利用可能な所定範囲の粒径(例えば,30〜100μm)の研磨材を回収(一次回収)して,研磨材混合装置に移送する。この研磨材回収手段60は,上記再利用可能な粒径の研磨材を通過させる研磨材回収フィルタ(図示せず。詳細は後述する。)を備えており,この研磨材回収フィルタを通過する研磨材を回収して貯留しておき,この回収された研磨材を含む研磨材混合水を,配管61を介して研磨材混合手段20に移送する。また,上記研磨材回収フィルタを介して回収されなかった研磨材を含む研磨材混合水は,研磨材回収手段60から配管62を介して研磨材分別手段70に排出される。
研磨材分別手段70は,研磨材回収手段60から,配管62を介して,上記回収されなかった研磨材を含む研磨材混合液が移送される。研磨材分別手段70は,移送された研磨材混合液から,再利用可能な粒径(例えば30〜100μm)の研磨材を分別して回収(二次回収)し,回収した研磨材を含む研磨材混合水を,配管71を介してキャッチタンク50に移送する。これにより,研磨材回収手段60によって回収されなかった再利用可能な粒径の研磨材を回収できるので,研磨材の回収効率を向上できる。
また,研磨材分別手段70は,上記のように再利用可能な粒径の研磨材を回収後の研磨材混合液から,排出不可能な比較的大きい粒径(例えば10μm以上)の研磨材や切削屑を分別して除去する。さらに,研磨材分別手段70は,上記のように研磨材が回収および除去された研磨材混合液を排水として,排水管72を介して装置外部に排出する。これによって,排水中に,排出不可能な比較的大きい粒径の研磨材や切削屑が含まれないようにできるので,排水管72に連通する排水溝等の排水経路(図示せず。)が詰まることを防止できる。なお,この排水中には,比較的小さい粒径の研磨材(例えば10μm未満)が含まれる可能性があるが,かかる研磨材は,粒径が小さいため,排水経路を詰まらせることがない。
低圧液供給手段80は,例えば,後述する低圧ポンプおよびモータなどで構成されており,外部から供給された水から低圧水を発生させて,各部に供給する。この外部から供給される水は,例えば水道水であるが,かかる例に限定されず,純水等であってもよい。この低圧液供給手段80によって発生された低圧水は,配管81,82,83,84を介して,それぞれ,キャッチタンク50,研磨材回収手段60,研磨材分別手段70に供給される。このように低圧液供給手段80から供給された低圧水を排出する配管81,83,84は,切断装置1の各部の間で配管を介して研磨材混合液を移送するときの補助手段(水流発生手段)として機能し,また,配管82は,研磨材回収フィルタ清掃手段として機能するが,詳細は後述する。
以上のような構成のウォータージェット切断装置1は,噴射ノズル30からウォータージェットJを噴射しながら,当該噴射ノズル30に対して保持テーブル40をX軸およびY軸方向に相対移動させることにより,被加工物5の切断予定ラインに沿って,研磨材入りのウォータージェットJを作用させて,被加工物5を切断加工することができる。
このように,本実施形態にかかるウォータージェット切断装置では,切断加工時に,噴射ノズル30を固定して,保持テーブル40により被加工物5を移動させる切断方式を採用している。かかる切断方式を採用することにより,噴射ノズル30の位置が固定されているため,キャッチタンク50を小型化して,設置面積を小さくできるとともに,移動機構の構成を簡略化できるという利点がある。しかし,かかる例に限定されず,保持テーブル40を固定して,噴射ノズル30を移動させて切断を行ってもよい。
また,上記ウォータージェット切断装置1は,研磨材混合手段30,キャッチタンク50,研磨材回収装置60および研磨材分別手段70などを用いて,切断加工に適切な粒径の研磨材を装置内で循環させて自動的に再利用することができる。これにより,人手をかけずに研磨材を再利用して利用効率を高めて,生産性を向上できる。
次に,図2に基づいて,本実施形態にかかるウォータージェット切断装置1において,研磨材を自動的に再利用するための循環構造について詳細に説明する。なお,図2は,本実施形態にかかるウォータージェット切断装置1において,研磨材を自動的に再利用するための循環構造を示す説明図である。
図2に示すように,本実施形態にかかるウォータージェット切断装置1では,再利用される研磨材は,基本的には,(1)研磨材混合液貯留タンク22→(2)噴射ノズル30→(3)キャッチタンク50→(4)研磨材回収手段60→(5a)研磨材混合液貯留タンク22という経路で循環する。さらに,研磨材回収手段60により回収されなかった再利用可能な研磨材は,上記(4)研磨材回収手段60→(5b)研磨材分別手段70→(6)キャッチタンク50→(7)研磨材回収手段60という経路で循環する。このように,本実施形態にかかるウォータージェット切断装置1の研磨材循環構造では,図6に示したウォータージェット切断装置と比べて,新たに研磨材分別手段70を設置した点が大きな特徴である。以下に,かかる研磨材再利用のための循環経路を構成する各部について詳述する。
まず,高圧ポンプ15について説明する。高圧ポンプ15は,上述した高圧液供給手段10の一構成例であり,外部給水から高圧水を発生させ,この高圧水を高圧管11a,11b(「高圧管11」と総称する場合もある。)を介して研磨材混合液貯留タンク22a,22b(「研磨材混合液貯留タンク22」と総称する場合もある。)に供給する。
次に,研磨材混合手段20について説明する。研磨材混合手段20は,例えば,2つの研磨材混合液貯留タンク22a,22bと,タンク切替装置23と,高圧管24a,24bとから構成される。
研磨材混合液貯留タンク22は,外部から密閉された耐高圧容器で構成され,研磨材が混合された水(研磨材混合水)を貯留する。この研磨材混合液貯留タンク22は,上記高圧ポンプ15から,高圧管11を介して高圧水が供給され,また,上記研磨材回収手段60から,配管61を介して,回収された研磨材を含む研磨材混合水が供給される。
タンク切替装置23は,例えば,切替バルブ等で構成され,高圧管24a,24bを介して2つの研磨材混合液貯留タンク22a,22bとそれぞれ接続され,高圧管21を介して噴射ノズル30と接続されている。このタンク切替装置23は,2つの研磨材混合液貯留タンク22a,22bのうちいずれか一方を噴射ノズル30に連通させるように,配管接続を切り替える。なお,噴射ノズル30と連通されていない方の研磨材混合液貯留タンク22aまたは22bは,バルブ611aまたは611bの開放により研磨材回収手段60に連通される。
かかる構成の研磨材混合手段20により,高圧ポンプ15から供給された高圧水の圧力によって,いずれか一方の研磨材混合液貯留タンク22に貯留されている研磨材および水を高圧で押し出し,高圧管24および高圧管21を介して,高圧の研磨材混合水を噴射ノズル30に送出することができる。また,他方の研磨材混合液貯留タンク22では,研磨材回収手段60によって回収された研磨材と水とを混合して貯留しておくことができる。そして,一方の研磨材混合液貯留タンク22内の研磨材が所定レベル以下に減少した場合には,タンク切替装置23によって研磨材混合液貯留タンク22を切り替えて,上記と同様にして,噴射ノズル30に対する研磨材混合水の供給と,研磨材回収手段60からの研磨材の貯留とを同時並行で行う。これにより,高圧の研磨材混合水を,噴射ノズル30に安定して連続供給することができる。なお,3つ以上の研磨材混合液貯留タンク22を配設し,これらを切り替えて使用してもよい。
次に,キャッチタンク50について説明する。キャッチタンク50は,上述したように,噴射ノズル30から噴射され,被加工物5を切断して貫通した高圧の研磨材混合水の噴流(ウォータージェットJ)を,貯留水を緩衝材として受け止める。このキャッチタンク50の底部に堆積した研磨材は,第3の移送手段によって,研磨材回収手段60に移送される。この第3の移送手段は,キャッチタンク50の底部と研磨材回収手段60とを連通する配管51と,この配管51の途中に設けられ,上記研磨材混合水の移送動力源となる第3の正圧ポンプ59とで構成される。また,キャッチタンク50の底部には,後述する水流発生手段として,低圧ポンプ85と連通する配管81が,その排出口が上記配管51の吸入口に隣接するように配設されている。
次に,図2及び図3に基づいて,研磨材回収手段60について説明する。研磨材回収手段60は,キャッチタンク50から移送された研磨材混合水から,研磨材を回収して再利用するための装置である。この研磨材回収手段60は,図2及び図3に示すように,概略的には,研磨材回収容器64と,研磨材貯留容器66と,研磨材回収容器64の底部と研磨材貯留容器66の上部を連結する連結部65とから構成される。
研磨材回収容器64は,再利用可能な研磨材を回収するための密閉型の容器であり,その内部には,研磨材回収フィルタ67が略水平に設けられている。この研磨材回収フィルタ67は,例えば,複数の微細孔が形成されたステンレス製の金網などで構成され,所定の粒径(例えば100μm以下)の研磨材を通過させる。また,研磨材回収容器64の上部には,研磨材回収容器64を振動させて研磨材回収フィルタ67の目詰まりを改善するための振動発生手段として,例えば振動モータ63が設置されている。
この研磨材回収容器64の上部空間(研磨材回収フィルタ67より上側の空間)は,研磨材を回収するための流路を構成しており,一側端には,上記キャッチタンク30と連通する配管51が接続され,他側端には,研磨材分別手段70と連通する配管62が接続されている。このため,キャッチタンク50から移送された研磨材混合液は,配管51から研磨材回収容器64の上部空間内に流入し,所定の流速(例えば8リットル/分)で研磨材回収フィルタ67上を流れて,配管62から排出される。
かかる構成により,キャッチタンク50から移送された研磨材混合水に含まれる再利用可能な所定範囲(例えば30〜100μm)の粒径を有する研磨材のみが,研磨材回収フィルタ67を通過して,下方に落下して回収される。具体的には,研磨材回収容器64の上部を流れる研磨材混合水の流速によって,過度に小さいの研磨材(粒径が例えば30μm未満)は,研磨材回収フィルタ67を通過することなく水流に乗って,配管62から排出される。また,過度に大きい研磨材(粒径が例えば100μmより大)は,研磨材回収フィルタ67を通過できないため,配管62から排出される。このため,粒径が切断加工に適切な所定範囲(例えば30〜100μm)にある大きさの研磨材のみが,研磨材回収フィルタ67を通過して回収される。一方,上記所定範囲外の大きさの研磨材を含む研磨材混合水は,配管62を介して,研磨材分別手段70に移送される。これは,過度に小さい研磨材は再利用しても研磨に寄与できず,過度に大きい研磨材は噴射ノズル30が詰まる原因となるので,再利用すべきではないからである。
また,研磨材回収容器64の下部空間(研磨材回収フィルタ67より下側の空間)は,例えば,上記研磨材回収フィルタ67を通過して回収された研磨材を集めるような漏斗形状を有している。回収された研磨材は,この下部空間から管状の連結部65を通過して研磨材貯留容器66に落下する。
研磨材貯留容器66は,上記のようにして研磨材回収フィルタ67から回収された研磨材を含む研磨材混合水を貯留する密閉型の容器である。この研磨材貯留容器66の底部に堆積した研磨材を含む研磨材混合水は,第2の移送手段によって,2つの研磨材混合液供給タンク22のうち,切断加工に使用されていない方の研磨材混合液供給タンク22に移送される。この第2の移送手段は,研磨材貯留容器66の底部と研磨材混合液供給タンク22とを連通する配管61と,この配管61の途中に設けられ,上記研磨材混合水の移送動力源となる第2の正圧ポンプ69とで構成される。
また,研磨材貯留容器66の上部には,研磨材貯留容器66内の研磨材の堆積量(貯留量)を計測するための測定センサ,例えば超音波センサ68が取り付けられている。この超音波センサ68による計測結果によって,研磨材貯留容器66内に研磨材が十分に堆積したと判断された場合に,研磨材貯留容器66から研磨材混合液貯留タンク22に研磨材混合水が移送される。これにより,研磨材貯留容器66内で過度に多くの研磨材が堆積してしまうことや,逆に,研磨材が十分に堆積していないにもかかわらず,移送動作を行ってしまうことを防止できる。
なお,この研磨材貯留容器66の上部には,後述する低圧ポンプ85と連通する配管83が接続されている。この低圧ポンプ85および配管83は,研磨材回収フィルタ清掃手段を構成するが詳細は後述する。また,研磨材貯留容器66の底部には,後述する水流発生手段として,低圧ポンプ85と連通する配管82が,その排出口が上記配管61の吸入口に隣接するように配設されている。さらに,研磨材貯留容器66の上部には,研磨材混合液貯留タンク22と連通し,研磨材混合液貯留タンク22内の研磨材混合水を研磨材貯留容器66に戻すための配管612が接続されている。
以上のように,研磨材回収手段60は,切断加工に適切な所定範囲の粒径(例えば30〜100μmの範囲)を有する研磨材のみを,研磨材回収フィルタ67によって回収して研磨材貯留容器66に貯留し,その後,研磨材混合液供給タンク22に,回収した研磨材を移送して再利用させる。
次に,図4に基づいて,この研磨材回収手段60において研磨材回収フィルタ67の目詰まりを防止する機構について説明する。
研磨材回収フィルタ67は,交換不可能ではないが交換作業が困難であり,また高価でもあるため,頻繁には交換できない。このため,研磨材による研磨材回収フィルタ67の目詰まりを解消することが求められる。上記のように,振動モータ63からなる振動発生手段によって,研磨材回収手段60全体を振動させて,研磨材回収フィルタ67上の研磨材をふるいにかけた状態とすることによって,研磨材回収フィルタ67に研磨材が目詰まりすることを,ある程度は防止できる。
しかし,この振動発生手段を使用したしても,長期間にわたり連続的に使用していると,次第に研磨材回収フィルタ67に研磨材が目詰まりしてしまうという問題があった。かかる問題を解消するために,本実施形態にかかる研磨材回収手段60では,研磨材回収フィルタ清掃手段が設けられている。この研磨材回収フィルタ清掃手段は,上記のように,低圧水を供給する低圧ポンプ85と,この低圧ポンプ85から低圧水を導水し,研磨材回収手段60の研磨材貯留容器66内に排出する配管83とから構成される。
この研磨材回収フィルタ清掃手段は,図4に示すように,研磨材回収手段60の研磨材貯留容器66の上部に低圧水を流し込むことによって,研磨材回収手段60内の貯留水の水位を,例えば,研磨材貯留容器66内の上部に位置するレベル(図2に示すレベル)から,研磨材回収容器64内の研磨材回収フィルタ67より上方のレベル(図4に示すレベル)まで上昇させる。これにより,研磨材回収フィルタ清掃手段は,研磨材回収フィルタ67の研磨材貯留容器67側(下側)から反対側(上側)に向かって,研磨材回収フィルタ67を通過するような水流671を発生させる。この結果,かかる水流671によって,研磨材回収フィルタ67の上面側に付着している研磨材を押し流して,研磨材回収フィルタ67の目詰まりを解消することができる。
このような研磨材回収フィルタ清掃手段を構成する配管83には,バルブ831が設けられている。このバルブ831を解放/閉鎖することによって,研磨材貯留容器67に対する低圧水の供給を制御して,研磨材回収フィルタ67の清掃動作を開始/中止することができる。
また,研磨材貯留容器66内の研磨材堆積量の変化に基づいて,研磨材回収フィルタ清掃手段による清掃動作を自動的に開始するよう制御してもよい。具体的には,例えば,上述した超音波センサ68を利用して,研磨材貯留容器66内の研磨材の堆積量を継続的に計測して,この研磨材堆積量の増加率を監視する。この監視の結果,研磨材堆積量の増加率が所定の基準増加率以下に低下した場合に,研磨材回収フィルタ67の目詰まりが激しいと判断して,研磨材回収フィルタ清掃手段を起動(即ち,バルブ831を開放して配管83から研磨材貯留容器66内に水を供給)させ,研磨材回収フィルタ67の清掃作業を開始するよう制御する。かかる制御により,上記研磨材回収フィルタ清掃手段による清掃動作を,研磨材回収フィルタ67の目詰まりの状態に応じて,自動的に実行することができる。なお,かかる研磨材回収フィルタ清掃手段の動作制御は,オペレータが手動で行っても勿論よい。
なお,上記のような研磨材回収フィルタ67の清掃動作は,ウォータージェット装置1による切断加工中或いは切断加工停止中に関わらず,いつでも実行可能である。また,上記研磨材回収フィルタ67の清掃動作は,ウォータージェット切断装置1の起動時にも実行される。
また,研磨材回収手段60に対する低圧水の供給位置(即ち,配管83の接続箇所)については,本願発明者らによるこれまでの実験結果によれば,研磨材貯留容器66の上部に配管83を接続した場合に,最良の洗浄効果が得られることが分かった。しかし,かかる例に限定されず,配管83の接続箇所は,研磨材回収フィルタ67よりも下側であれば,研磨材回収手段60の任意の箇所であってよい。
次に,図2及び図5に基づいて,研磨材分別手段70について説明する。この研磨材分別手段70は,上記研磨材回収手段60によって回収しきれなかった再利用可能な粒径の研磨材を再回収するとともに,排水内に排水経路を詰まらせるような研磨材や切削屑が含まれないように除去するための装置である。
上述したように,図6に示したウォータージェット切断装置の構成では,研磨材回収手段160で回収されなかった研磨材を含む研磨材混合水は,排液として処理されていた。しかし,上述したように,再利用可能な粒径の研磨材のすべてが研磨材回収フィルタを通過できるわけではないため,本来であれば回収すべき研磨材の約8パーセント程度は,回収できずに廃棄されてしまっており,生産コストを増加させる要因となっていた。
また,所定の大きさ(例えば10μm)以上の研磨材を含む研磨材混合水は,そのまま排水溝等の排水経路に排水されると,排水経路を詰まらせる要因となっていた。特に過度に大きい研磨材(例えば100μmより大)はその大きな要因となると考えられる。さらに,研磨材混合水に含まれる切削屑も,排水経路を詰まらせる要因となることが分かった。
かかる理由から,本実施形態にかかるウォータージェット切断装置1では,研磨材回収手段60で回収されなかった研磨材を含む研磨材混合水を,回収効率面および排水面の双方の観点から適切に処理すべく,研磨材分別手段70が新たに追加して設けられている。
この研磨材分別手段70は,図2及び図5に示すように,大別すると,研磨材回収用タンク74と,排液用タンク76とからなる。この研磨材回収用タンク74および排液用タンク76は,例えば,1つの水槽を中央部に略垂直に設けられた隔壁741によって,2つに区分して構成される。
まず,研磨材分別手段70の研磨材回収用タンク74について説明する。研磨材回収用タンク74は,再利用可能な粒径の研磨材を,沈殿させて回収するための沈殿タンクとして機能する。具体的には,この研磨材回収用タンク74は,研磨材回収手段60から配管62を介して,研磨材混合水が移送される。このため,研磨材回収用タンク74の底部には,上記研磨材回収手段60移送された研磨材混合水のうち,水より比重が重い研磨材が沈降して堆積(即ち,沈殿)する。このように沈殿する研磨材は,本来であれば研磨材回収フィルタ67を通過して回収されるべき,再利用可能な粒径(例えば30〜100μm)の研磨材である。一方,比較的小さい粒径(例えば30μm未満)の研磨材の大半は,研磨材回収用タンク74の貯留水内に浮遊した状態となる。
上記のように,研磨材回収用タンク74の底部に沈殿した研磨材を含む研磨材混合水は,第1の移送手段によって,キャッチタンク50に移送される。この第1の移送手段は,研磨材回収用タンク74の底部とキャッチタンク50を連通する配管71と,この配管71の途中に設けられ,上記研磨材混合水の移送動力源となる第1の正圧ポンプ79とで構成される。また,研磨材回収用タンク74の底部には,後述する水流発生手段として,低圧ポンプ85と連通する配管84が,その排出口が上記配管71の吸入口に隣接するように配設されている。
このように,研磨材回収用タンク74で回収されキャッチタンク50に移送された再利用可能な研磨材は,キャッチタンク50の底部に堆積した後,再び研磨材回収手段60に移送されて回収対象となる。以上のように,研磨材分別手段70の研磨材回収用タンク74によって,研磨材回収手段60で回収されなかった再利用可能な研磨材を沈殿させて回収することによって,研磨材の回収効率を向上させ,生産コストを低減できる。
また,研磨材回収用タンク74の上部には,外部から新しい研磨材を初期投入または補充するための研磨材補充口75が設けられている。さらに,この研磨材補充口75の一側には,研磨材補充口75から研磨材を投入しやすいように,研磨材を研磨材回収用タンク74内に案内する傾斜板751が設置されている。このため,オペレータは,この研磨材補充口75から研磨材を容易に補充して,消耗するまで装置内で循環利用させることができる。
図6に示したウォータージェット装置では,オペレータが,キャッチタンク150に対して,新しい研磨材を補充していた。しかし,キャッチタンク150は噴射ノズル130から噴射されたウォータージェットJを受け止める箇所であるため,例えば,切断加工中に新しい研磨材を補充するときには,ウォータージェットJによってオペレータが傷つく危険性がある。従って,研磨材を安全に補充するためには,一度装置を停止させるしかないが,ウォータージェット切断装置を再起動させるためには長時間を必要とするため,生産効率を著しく低下させてしまっていた。
このような問題を解決すべく,本実施形態にかかるウォータージェット切断装置1では,上記のように,研磨材分別手段70に対して研磨材を補充する構成が採用されている。かかる構成により,ウォータージェット切断装置1を再起動させることなく,切断加工中に安全に新しい研磨材を補給することが可能である。さらに,新しく補充された研磨材が研磨材混合液貯留タンク22に至るまでの工程を長くできるため,研磨材をより均等に混合された状態にできるという利点もある。
次に,研磨材分別手段70の排液用タンク76について説明する。排液用タンク76は,研磨材回収用タンク74の上部から溢れた研磨材混合水を,装置外部に排出するため一時的に貯留するタンクである。この排液用タンク76には,不要物除去フィルタ77が設けられている。この不要物除去フィルタ77は,例えば紙製または布製のフィルタであり,通過する液体から所定粒径(例えば10μm)以上の不要物を除去する。
上記のように,研磨材回収用タンク74の上部から溢れた研磨材混合水は,隔壁741に形成された貫通孔742を通って,排液用タンク76に流入する。この研磨材混合水には,水より比重が軽い切削屑や,水に浮遊している微小な粒径(例えば30μm未満)の研磨材が含まれている。かかる研磨材混合水は,不要物除去フィルタ77を通過する際に,排水経路を詰まらせる可能性のある所定粒径(例えば10μm)以上の切削屑や研磨材が除去される。なお,この不要物除去フィルタ77は,例えば,不要物の蓄積状態などに応じて,定期的に交換される。
また,排液用タンク76および配水管72は,使用済みの研磨材混合液を排液として外部に排出する排出手段としても構成されている。具体的には,排液用タンク76は,上記のようにして不要物除去フィルタ77を通過した研磨材混合水(即ち,排水)を受け取る。このように排液用タンク76に至った排水は,排液用タンク76に一時的に貯留された後,排液用タンク76の底部に設けられた排水管72から排出され,装置外部の排水経路を通って廃棄される。この際,上記不要物除去フィルタ77によって,排水経路を詰まらせる可能性のある所定粒径以上の切削屑および研磨材等が予め除去されているので,この排液用タンク76からの排水によって排水経路が詰まることがない。なお,上記例の不要物除去フィルタ77を用いた場合には,例えば10μm以下の粒径の微小な研磨材は,除去されずに排水中に含まれることになるが,当該微小な研磨材は排水経路で堆積しないので,排出しても問題が生じない。
次に,図2に基づいて,上記のような各装置間で研磨材混合水を移送する機構について詳細に説明する。
上述したように,キャッチタンク50の底部,研磨材回収手段60の研磨材貯留容器66の底部,および研磨材分別手段70の研磨材回収用タンク74の底部には,各装置内の底部に堆積している研磨材を配管51,61,71介して移送することを補助するために,水流発生手段がそれぞれ設けられている。この水流発生手段は,それぞれ,低圧ポンプ85から供給された低圧水を,各装置内の配管51,61,71の吸入口付近に排出する配管81,82,84で構成されている。かかる水流発生手段は,このように低圧水を排出することによって,各装置内の底部に堆積している研磨材を含む研磨材混合水を,各配管51,61,71内に導くような水流を発生する。各水流発生手段による水流発生動作は,各配管81,82,84に設けられたバルブ811,821,841を開閉することによって制御される。
なお,本実施形態にかかる各水流発生手段は,装置コストの観点から,例えば,同一の低圧ポンプ85から導かれた配管を分岐させた配管81,82,84で構成されているが,かかる例に限定されず,それぞれ独立した低圧ポンプ等から導かれた配管で構成されてもよい。
ここで,このような水流発生手段を設ける理由を説明する。ウォータージェット切断装置1の起動時には,配管51,61,71内に,過去に流れた研磨材混合液が乾燥して生成された研磨材が堆積した状態となっている。このため,この堆積された研磨材を押し流して,配管51,61,71内を研磨材混合液が円滑に循環するようにしなければならない。しかしながら,正圧ポンプ59,69,79の出力だけでは,配管51,61,71の内部に堆積付着している研磨材を排出することが困難である。従って,ウォータージェット切断装置1の起動時には,上記水流発生手段により,配管51,61,71内に水を強制的に流し込んで,この水流により,固着している研磨材を押し流して排出する。
このようなウォータージェット切断装置1の起動時の動作を具体的に説明する。当該起動時には,キャッチタンク50に対応する水流発生手段(配管81)のバルブ811が開かれ,この水流発生手段により,キャッチタンク50と研磨材回収手段60とを連通する配管51に水が流れ込む。これと同時に,研磨材回収手段60の研磨材貯留容器66にある研磨材回収フィルタ清掃手段(配管83)のバルブ831が開かれ,研磨材回収フィルタ67の下側から上側に通過する水流が発生して,研磨材回収フィルタ67を清掃する。この研磨回収フィルタ67を通過した水は,キャッチタンク50から配管51を介して移送された水と合流して,配管62を介して研磨材回収手段60から研磨材分別手段70の研磨材回収用タンク74に流入する。
このような状態にした上で,第3の正圧ポンプ59を始動させて,キャッチタンク50→研磨材回収手段60→研磨材分別手段70という循環経路を構成する配管51,62を介して,研磨材混合液を移送させる。
以上のように起動させることによって,最初に上記水流発生手段により配管51,62に水を流し込んで,この水流によって配管51,62内の研磨材を除去した上で,第3の正圧ポンプ59により配管51,62を介して研磨材混合液を移送できる。
さらに,ウォータージェット切断装置1の起動時には,研磨材回収手段60に対応する水流発生手段(配管82)のバルブ821が開かれるとともに,研磨材分別手段70に対応する水流発生手段(配管84)のバルブ841も開かれる。これによって,上記と同様にして,各水流発生手段により,研磨材回収手段60と研磨材混合液貯留タンク22とを連通する配管61と,研磨材分別手段60とキャッチタンク50とを連通する配管71とに水を流し込んで,これらの配管61,71内に付着している研磨材を除去し,次いで,第1,2の正圧ポンプ79,69をそれぞれ動作させて,上記装置間で,配管71,62を介して研磨材混合液をそれぞれ移送させる。
ここで,上記各正圧ポンプ59,69,79を始動させるタイミングについて説明する。上記のようにして,各水流発生手段により各配菅51,61,71に水が流れると,その水流によって各正圧ポンプ59,69,79が従動する。そこで,この正圧ポンプ59,69,79の従動動作をパルス信号などで測定し,この測定結果に基づき,各配菅51,61,71内の流速が所定の基準流速以上の流速になったと判断されたタイミングで,各正圧ポンプ59,69,79を始動させるように制御する。
次に,研磨材混合水の移送動力源である正圧ポンプ79,69,59について説明する。上記各装置間で研磨材混合水を移送する第1,第2および第3の移送手段は,上述したように,それぞれ,配管71,61,51と,移送動力源である正圧ポンプ79,69,59とで構成される。
このように,本実施形態にかかるウォータージェット切断装置1では,研磨材混合水の移送動力源として,一般的に使用される負圧ポンプではなく,正圧ポンプ79,69,59が使用されている。研磨材混合水の移送先の装置(例えば,研磨材混合液貯留タンク22,研磨材回収手段60などといった密閉型の容器)では,何らかの原因で,当該装置の密閉状態が緩むことがある。密閉状態を恒久的に維持することも技術的に設計可能であるが,コスト的に見合わないため,本実施形態にかかるウォータージェット切断装置1では,上記移送先の装置は,ある程度の密閉状態の緩みを予想した設計になっている。
このような装置設計のウォータージェット切断装置1において,移送動力源として負圧ポンプを使用した場合には,移送先の装置内の空気を吸引することによって移送動力を得る構成であるので,密封が緩んだ箇所を通って外部から移送先の装置内に空気が入り込んでしまうことになる。これに対して,移送動力源として正圧ポンプを使用した場合には,移送動力によって移送先の装置側に液体を送るような構成であるので,移送先の装置内部の研磨材混合液が,密封が緩んだ箇所から外部に漏れることになる。
例えば,研磨材混合液貯留タンク22では,正圧ポンプを使用した場合,研磨材混合液が外部に漏れるため,この水漏れに対応するため,研磨材混合液貯留タンク22の下方に,水受け部材を設けるなどといった水漏れ処置が必要となる。従って,通常であれば,このような水漏れ処置が不要となる負圧ポンプを使用する方が好ましいと考えられる。
ところが,負圧ポンプを使用した場合,上記のように研磨材混合液貯留タンク22の中に空気が入り込んでしまい,この結果,研磨材混合液の中に空気が混入してしまうことになる。このように空気が混入した研磨材混合液を噴射ノズル30から噴射すると,被加工物5の切断面の品質が著しく低下してしまうことが分かった。切断加工品質は,ウォータージェット装置1自身の性能を左右する重要な要素であり,他の要素より優先すべき事項である。従って,本実施形態にかかるウォータージェット切断装置1では,たとえ,上記のような水漏れ処置により追加コストを要するとしても,装置間の移送動力源として上記正圧ポンプ79,69,59を使用することで,切断加工品質の低下を防止している。
以上,本実施形態にかかるウォータージェット切断装置1の構成及び動作について詳述した。かかるウォータージェット切断装置1によれば,装置内で研磨材を自動的に循環させて,研磨材を効率的かつ環境に影響を与えることなく再利用できる。
即ち,上記研磨材分別手段70によって,研磨材分別手段70によって回収しきれなかった再利用可能な研磨材を回収して再利用できるので,研磨材の回収効率を高めて生産コストの向上が図れる。
また,上記研磨材分別手段70によって,再利用可能な研磨材と,消耗して再利用不能な研磨材や切削屑とを分別し,さらに,消耗した研磨材や切削屑に関し,排水経路に堆積する可能性がある大きさのものを,不要物除去フィルタ77で回収除去した上で,排水できる。このため,当該研磨材や切削屑が堆積することによって排水経路が詰まることを防止できる。
さらに,研磨材分別手段70に研磨材補充口75を設けることによって,切断加工中に新しい研磨材を補充する際に,オペレータが安全に研磨材を補充できるとともに,研磨材の混合をより円滑に行うことができる。
また,研磨材回収手段60に研磨材回収フィルタ清掃手段を設けることにより,研磨材回収フィルタ67の目詰まりを解消できる。このため,再利用可能な研磨材が研磨材分別手段70に流れ込む量が時間の経過とともに増大し,研磨材分別手段70の負荷が増大してしまう問題を解消できるとともに,研磨材回収フィルタ67を長寿命化できる。
さらに,研磨材混合液の移送手段に,負圧ポンプでなく,正圧ポンプ59,69,79を使用することによって,装置内で循環される研磨材混合液中,特に,研磨材混合液貯留タンク22内の研磨材混合液中に空気が混入しないようにできるので,切断加工品質の劣化を防止できる。
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態および実施例について説明したが,本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば,被加工物5は,各種の半導体ウェハ,CSP基板,GPS基板,BGA基板等のパッケージ基板等の半導体基板などであってよい。また,被加工物は,サファイア基板,ガラス材,セラミックス材,金属材,プラスチック等の合成樹脂材,或いは,磁気ヘッド,レーザダイオードヘッド等を形成するための電子材料基板,などであってもよい。また,被加工物5の形状は,略矩形板形状,略円盤形状など任意の形状であってよい。
また,上記実施形態では,高圧液噴射式切断装置として,ウォータージェット切断装置1を採用した例について説明したが,本発明は,かかる例に限定されない。高圧液噴射式切断装置は,高圧液を噴射する高圧液噴射手段を備え,高圧液の噴射によって被加工物を切断加工できる装置であれば,多様に設計変更可能である。例えば,噴射および貯留する液体は,上記水の例に限定されず,アルコール,油などの任意の液体であっても良いし,或いは,各種の化学物質等を各種溶媒に溶解させた液体などであってもよい。
また,1台の高圧液噴射式切断装置に,高圧液噴射手段(噴射ノズル30等)とキャッチタンク50とを複数組設けることによって,1つの被加工物5のうちの複数箇所,或いは,複数の被加工物5を同時に切断加工できるように構成してもよい。この構成は,例えば,1つの金属フレーム上に複数のパッケージ部分が形成されているパッケージ基板などを切断する際に適用できる。
また,上記実施形態では,研磨材分別手段60で回収された研磨材は,配管71を介してキャッチタンク50に移送されて再利用されたが,かかる例に限定されず,研磨材回収手段60または研磨材混合液貯留タンク22などに移送されて再利用されてもよい。
また,研磨材回収手段60は,必ずしも,上記実施形態のように研磨材回収容器64と研磨材貯留容器66という,相互連通された2つ密閉容器で構成されなくてもよく,例えば,1つの密閉容器で構成されてもよい。
本発明は,研磨材が混合された高圧液の噴射によって被加工物を切断加工する高圧液噴射式切断装置に適用可能である。
本発明の第1の実施形態にかかるウォータージェット切断装置の全体構成を示す概略図である。 同実施形態にかかるウォータージェット切断装置において,研磨材を自動的に再利用するための循環構造を示す説明図である。 同実施形態にかかる研磨材回収手段の外観構成(a)と,内部構成(b)を示す斜視図である。 同実施形態にかかる研磨材回収手段において,研磨材回収フィルタ清掃手段が動作した状態を示す断面図である。 同実施形態にかかる研磨材分別手段の内部構成を示す斜視図である。 従来のウォータージェット切断装置において,研磨材を自動的に再利用するための循環構造を示す説明図である。
符号の説明
1 : ウォータージェット切断装置
5 : 被加工物
10 : 高圧液供給手段
15 : 高圧ポンプ
20 : 研磨材混合手段
22 : 研磨材混合液貯留タンク
30 : 噴射ノズル
40 : 保持テーブル
42 : テーブル移動装置
50 : キャッチタンク
51 : 配管
59 : 第3の正圧ポンプ
60 : 研磨材回収手段
61 : 配管
64 : 研磨材回収容器
66 : 研磨材貯留容器
67 : 研磨材回収フィルタ
68 : 超音波センサ
69 : 第2の正圧ポンプ
70 : 研磨材分別手段
71 : 配管
72 : 排水管
74 : 研磨材回収用タンク
75 : 研磨材補充口
76 : 排液用タンク
77 : 不要物除去フィルタ
79 : 第1の正圧ポンプ
80 : 低圧液供給手段
85 : 低圧ポンプ
J : ウォータージェット

Claims (5)

  1. 研磨材と液体とが混合された研磨材混合液を貯留する研磨材混合液貯留タンクと;
    前記研磨材混合液貯留タンクに高圧液を供給することによって,前記研磨材混合液貯留タンクに貯留されている研磨材混合液を高圧で送出する高圧液供給手段と;
    前記研磨材混合液貯留タンクから送出された高圧の研磨材混合液を,被加工物に対して噴射する噴射ノズルと;
    前記噴射ノズルから噴射された高圧の研磨材混合液を受け止めるキャッチタンクと;
    前記キャッチタンクから移送された研磨材混合液から,再利用可能な所定範囲の粒径の研磨材を回収し,前記回収された研磨材を含む研磨材混合液を前記研磨材混合液貯留タンクに移送する研磨材回収手段と;
    を備えた高圧液噴射式切断装置において:
    前記研磨材回収手段から,前記研磨材回収手段によって回収されなかった研磨材を含む研磨材混合液が移送され,当該研磨材混合液から,再利用可能な粒径の研磨材を分別して回収するとともに,排出不可能な粒径の研磨材を分別して除去する研磨材分別手段;
    を備えることを特徴とする,高圧液噴射式切断装置。
  2. 前記研磨材分別手段は,
    前記研磨材回収手段から移送され,前記研磨材回収手段によって回収されなかった研磨材を含む研磨材混合液を貯留し,当該研磨材混合液に含まれる前記再利用可能な粒径の研磨材を沈殿させる研磨材回収用タンクと;
    前記研磨材回収用タンクの底部に沈殿した前記再利用可能な粒径の研磨材を含む研磨材混合液を,前記キャッチタンクに移送する第1の移送手段と;
    前記研磨材回収用タンクから溢れた研磨材混合液を濾過して,前記排出不可能な粒径の研磨材を除去する不要物除去フィルタと;
    前記不要物除去フィルタを通過した研磨材混合液を外部に排出する排出手段と;
    を備えることを特徴とする,請求項1に記載の高圧液噴射式切断装置。
  3. 前記研磨材分別手段は,外部から研磨材を補充するための研磨材補充口が設けられていることを特徴とする,請求項1または2のいずれかに記載の高圧液噴射式切断装置。
  4. 前記研磨材回収手段は,
    前記キャッチタンクから移送された研磨材混合液に含まれる研磨材のうち,前記再利用可能な所定範囲の粒径の研磨材を通過させる研磨材回収フィルタと;
    前記研磨材回収フィルタを通過した研磨材を貯留する研磨材貯留容器と;
    前記研磨材貯留容器に貯留された研磨材を含む研磨材混合液を,前記研磨材混合液貯留タンクに移送する第2の移送手段と;
    前記研磨材貯留容器に液体を供給することによって,前記研磨材回収フィルタを前記研磨材貯留容器側から反対側に通過するような液流を発生させて,前記研磨材回収フィルタに目詰まりした研磨材を除去する研磨材回収フィルタ清掃手段と;
    を備えることを特徴とする,請求項1,2または3のいずれかに記載の高圧液噴射式切断装置。
  5. 前記研磨材分別手段から前記キャッチタンクに研磨材混合液を移送する第1の移送手段,前記研磨材回収手段から前記研磨材混合液貯留タンクに研磨材混合液を移送する第2の移送手段,及び/又は,前記キャッチタンクから前記研磨材回収手段に研磨材混合液を移送する第3の移送手段は,移送動力源として正圧ポンプを具備することを特徴とする,請求項1,2,3または4のいずれかに記載の高圧液噴射式切断装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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