JP2006088052A - オイルミストの環流方法と、そのオイルミストのコントロールシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】 機械より発生するオイルミストの処理には、小型で経済性に優れたミストコレクターが使用されている。このミストコレクターは、単にオイルミストを分離処理し、分離した油を再利用する構造である。従って、閉塞室を加工部品の取出し、又は加工資材の搬入等で開放した際にミストが拡散し、工場内外の空気が切削屑及び/又はミスト等で汚染されること、職場環境の悪化を招来すること等の弊害が考えられる。
【構成】 工場の機械と、その近傍のミストコレクターとによるオイルミストの環流方法であって、機械とミストコレクターとの間を吸込み用のホースと、吐出用のホースとで連繋し、また吐出用のホースに切換え弁を介して排気用のホースを設けた構造であり、汚染空気を吸込み用のホースでミストコレクターに導き、清浄空気を切換え手段の制御で吐出用のホースで機械に環流し、また清浄空気を切換え手段の制御でフィルタ・排気用のホースに導くオイルミストの環流方法である。
【選択図】 図1−1

Description

本発明は、オイルミストの環流方法と、そのオイルミストのコントロールシステムに関する。
従来、機械より発生するオイルミストは、小型で経済性に優れたミストコレクター(オイルミストコレクター)が使用されている。しかしながら、このミストコレクターは、単にオイルミストを油(オイル)と空気及び/又は塵(ミスト)とに分離し、この分離した油を再利用する構造に留まっている。従って、閉塞室を加工部品の取出し、又は加工資材の搬入等で開放した際に、オイルミストが工場内に拡散し、工場内・屋外の空気が切削屑及び/又はミスト等で汚染されること、職場環境の悪化を招来すること、人身事故又は清掃頻度の高くなること等の弊害が考えられる。またミストコレクターで清浄化された空気(清浄空気)が、単純に工場内に排気されており、この清浄空気が有効利用されていないことも問題の一つである。
尚、機械に関連して設けられたミストコレクターで、ミスト(油)の拡散防止と、又は清浄空気の生成を意図した先行文献を検討すると、次の文献(1)、(2)とが挙げられる。以下、その概要を説明する。文献(1)は、実開平4−50110号の「可搬式オイルミスト除去装置」であり、その内容は、オイルミスト発生源(加工機械)を略囲繞する門型の可搬式フードと、このフードに設けた吸込み口及び空気吹出口並びに空気放出孔と、またこのフードに設けたフィルタ及び/又はオイルタンクとで構成し、可搬式フードの特徴を利用し、自由な移動と、経済性の向上とを図る構造である。しかし、この考案は、従来のこの種のオイルミスト除去装置と略同様であり、オイルミストを油と空気及び/又は塵とに分離し、この分離した油を再利用する構造に留まっている。従って、この考案は、閉塞室を加工部品の取出し、又は加工資材の搬入等で開放した際に、オイルミストが工場内に拡散し、工場内・屋外の空気が切削屑及び/又はミスト等で汚染されること、職場環境の悪化を招来すること等の弊害が考えられる。またこの考案では、オイルミスト除去フィルタが単層構造であることから、オイルミストの分離効率化の低下及び/又は目詰まりの発生頻度が高くなることが考えられる。またこの分離効率化の低下及び/又は目詰まり発生頻度が高くなるので、利用分野が限定される弊害が考えられる。次に文献(2)は実開平5−70846号の「工作機械等の集塵装置」であり、その内容は、オイルミスト発生源(工作機械)を囲繞するカバー体と、このカバー体に内蔵したミストコレクターの吸引口を加工部の上方に設けるとともに、その排気口を吸引口の対峙側に開口し、この吸引口から吸引したオイルミストを排気口からカバー体の内部に還流させ、オイルミストが外部へ全く漏洩せずカバー体の内部のみで循環集塵処理するようにした構成であるので、工作機械より発生したオイルミストを、小型で経済性に優れたミストコレクターを利用し、分離処理した油及び/又はミスト等を外部に漏洩せず、かつ効率的に集塵捕捉することを意図する。しかし、この考案は、ミストコレクターの構造に関する開示がなく、集塵捕捉に関しての取扱いに疑問を残すこと、また使用するミストコレクターの構造及び/又は能力等によっては、分離処理に困難があること、又はこの分離処理を確実かつ効率的に行うには問題を残すこと等が考えられる。そして、このミストコレクターが小型で処理能力の小さい構造にあっては、その利用分野が限定されるものと考えられる。この考案は、前述の内容を総合的に解釈した場合、その着想は素晴らしいが、前記構成では、実用化に向かって種々の改良とともに、機器の選択を余儀なくされ、実用に供するためには、多くの問題を抱えているものと思量される。
実開平4−50110号 実開平5−70846号
文献(1)の「可搬式オイルミスト除去装置」は、加工機械を略囲繞する門型の可搬式フードの通気路内に吸込んだオイルミストをフィルタで、油と空気及び/又は塵とに分離し、油を収容し、また清浄空気を工場内に排気する構成であって、工場の環境維持と、可搬式フードの特徴を利用し、自由な移動と、経済性の向上とを図る構造である。しかし、この考案は、閉塞室を加工部品の取出し、又は加工資材の搬入等で開放した際に発生する弊害と、オイルミスト(オイルミストと加工屑、塵等を含む空気)の分離効率化の低下、目詰まりの発生頻度が高くなる等の弊害が考えられる。
また文献(2)の「工作機械等の集塵装置」は、機械を囲繞するカバー体に内蔵したミストコレクターで、油と空気及び/又は塵とに分離し、油を収容し、また清浄空気をこのカバー体の内部に還流し、このミストコレクターを用いて外部へ漏洩させることなく効率的に集塵処理することを意図する。しかし、この考案は、ミストコレクターの構造の問題と、集塵処理に関する取扱いに疑問を残すものと考えられる。またミストコレクターが小型で処理能力の小さい構造にあっては、その利用分野が限定されるものと考えられる。この考案は、着想としては、素晴らしい。しかし、この考案の実用化には、種々の改良と、機器の選択、機械を囲繞するカバー体の構造等の如く、改良すべき多くの問題を抱えていると思量される。
請求項1の発明は、機械より排出されるオイルミストを確実に分離処理し(油と空気及び/又は塵とに分離し、油を収容し、また清浄空気を工場内に排気する)、工場の作業等の環境維持と、清浄空気の有効利用を図ることを意図する。また閉塞室を加工部品の取出し、又は加工資材の搬入等で開放した際に、オイルミスト(切削屑及び/又はミスト等)が工場内外(工場内・屋外)に拡散し、この工場内外の汚染の回避を意図する。さらに切換え手段を活用することで、ミストコレクターの機能を発揮しやすい状況を確保すること、またミストコレクター等のフィルタ目詰まり及び/又は清掃回数の軽減化、フィルタ消耗の減少化、また合理性を確保すること等を意図する。
請求項1は、工場に設置された加工機械、洗浄機械等の機械と、この機械の近傍に設けたダンパー等の切換え手段を備えたミストコレクターとで構成したオイルミストの環流方法であって、
オイルミストの環流方法は、機械とミストコレクターとの間を吸込み用のホースと、吐出用のホースとで連繋し、また前記ミストコレクターに排気用のホースを設けた構造であり、
前記機械からのオイルミスト(汚染空気)を吸込み用のホースでミストコレクターに導き、このミストコレクターを介して清浄化した空気を吐出用のホースで機械に環流し、機械の加工部に導くことで、この清浄空気の再利用を可能とするとともに、必要によりこの清浄空気を切換え手段(三方向切換えダンパー、弁、蓋体等)の制御で排気用のホースに導き工場内等に排気可能とすることを特徴とする少なくとも機械とミストコレクターの間(ミストコレクターよりの排気を含めて)におけるオイルミスト(オイルミスト及び/又は清浄空気)の環流方法である。
請求項2の発明は、機械とミストコレクターとを吐出用のホース・吸込み用のホースで連繋し、またこのミストコレクターのケーシング内に切換え手段を介して排気用のホースを設けた構成を利用することで、機械より排出されるオイルミストを確実に分離処理し(油と空気及び/又は塵とに分離し、油を収容し、また清浄空気を工場内に排気する)、工場の作業等の環境維持と、清浄空気の有効利用を図ることを意図する。また閉塞室を加工部品の取出し、又は加工資材の搬入等で開放した際に、オイルミストが工場内外(工場内・屋外)に拡散し、工場内外の汚染の回避を意図する。さらに機械とミストコレクターを、このミストコレクターに設けた切換え手段(三方向切換えダンパー、弁、蓋体等)と、吐出用のホースを介して連繋し、この切換え手段を活用することで、ミストコレクターの機能を発揮しやすい状況を確保することを意図する。
請求項2は、工場に設けた閉塞室に設置された加工機械、洗浄機械等の機械と、この機械の近傍に設けられたダンパー等の切換え手段を備えたミストコレクターとで構成したオイルミストのコントロールシステムであって、
このオイルミストのコントロールシステムは、前記機械の閉塞室の第1排出口とミストコレクターの第1吸込み口とを吸込み用のホースで連繋し、またこのミストコレクターの第2排出口と前記機械の閉塞室の第2吸込み口とを吐出用のホースで連繋し、前記ミストコレクターに排気用のホースを設けた構成であり、
前記ミストコレクターのケーシング内に設けた切換え手段で、前記ミストコレクターより排出される清浄空気を、この吐出用のホース又は排気用のホースの何れかに選択して吐出可能とし、また閉塞室のオイルミスト(汚染空気)を、前記吸込み用のホースで吸込み可能とし、この吸込みで当該閉塞室の開放時に、当該オイルミストを前記ミストコレクターに送風可能とした構成の少なくとも機械とミストコレクターの間におけるオイルミスト(オイルミスト及び/又は清浄空気)のコントロールシステムである。
請求項3の発明は、請求項2の目的を達成すること、またこの目的を達成するに最適な切換え手段を提供することを意図する。
請求項3は、請求項2に記載の切換え手段の切換えで、清浄空気を前記吐出用のホース又は排気用のホースに選択して吐出可能とし、清浄空気の有効利用及び/又は工場空気の汚染防止を図ることを特徴としたオイルミストのコントロールシステムである。
請求項4の発明は、請求項2の目的を達成すること、また閉塞室の扉を開放した際に、閉塞室のオイルミストを工場内外に排気せず、汚染防止と、環境維持を図ること、又はこの請求項2の目的を達成するに最適な機能を備えた切換え手段を提供すること、又はミストコレクター内のスペースを利用して切換え手段を設けること等を意図する。
請求項4は、請求項2に記載の閉塞室の扉を開放した際に、前記ミストコレクター内に設けた切換え手段の切換えで、清浄空気を前記排気用のホースより工場内に排気し、またこの扉を閉塞した際に、前記切換え手段の切換えで、清浄空気を前記吐出用のホースで、前記閉塞室に環流することを特徴としたオイルミストのコントロールシステムである。
請求項1の発明は、工場に設置された加工機械、洗浄機械等の機械と、機械の近傍に設けたダンパー等の切換え手段を備えたミストコレクターとで構成したオイルミストの環流方法であって、
オイルミストの環流方法は、機械とミストコレクターとの間を吸込み用のホースと、吐出用のホースとで連繋し、またミストコレクターに排気用のホースを設けた構造であり、
機械からのオイルミストを吸込み用のホースでミストコレクターに導き、ミストコレクターを介して清浄化した空気を吐出用のホースで機械に環流し、機械の加工部に導くことで、清浄空気の再利用を可能とするとともに、必要により清浄空気を切換え手段の制御で排気用のホースに導き工場内等に排気可能とするオイルミストの環流方法である。
従って、請求項1は、機械より排出されるオイルミストを確実に分離処理し、工場の作業等の環境維持と、清浄空気の有効利用が図れる特徴がある。また閉塞室を加工部品の取出し、又は加工資材の搬入等で開放した際に、オイルミストが工場内外に拡散し、工場内外の空気の汚染を回避できる実益がある。さらに切換え手段を活用することで、ミストコレクターの機能を発揮しやすい状況を確保すること、またミストコレクター等のフィルタ目詰まり及び/又は清掃回数の軽減化、フィルタ消耗の減少化、また合理性を確保すること等を意図する。
請求項2の発明は、工場に設けた閉塞室に設置された加工機械、洗浄機械等の機械と、機械の近傍に設けられたダンパー等の切換え手段を備えたミストコレクターとで構成したオイルミストのコントロールシステムであって、
オイルミストのコントロールシステムは、機械の閉塞室の第1排出口とミストコレクターの第1吸込み口とを吸込み用のホースで連繋し、またミストコレクターの第2排出口と機械の閉塞室の第2吸込み口とを吐出用のホースで連繋し、ミストコレクターに排気用のホースを設けた構成であり、
ミストコレクターに設けた切換え手段で、ミストコレクターより排出される清浄空気を、吐出用のホース又は排気用のホースの何れかに選択して吐出可能とし、また閉塞室のオイルミストを、吸込み用のホースで吸込み可能とし、吸込みで閉塞室の開放時に、オイルミストをミストコレクターに送風可能としたオイルミストのコントロールシステムである。
従って、請求項2は、機械とミストコレクターとを吐出用のホース・吸込み用のホースで連繋し、またミストコレクターのケーシング内に設けた切換え手段を介して排気用のホースを設けた構成を利用することで、機械より排出されるオイルミストを確実に分離処理し、工場の作業等の環境維持と、清浄空気の有効利用が図れる特徴がある。また閉塞室を加工部品の取出し、又は加工資材の搬入等で開放した際に、オイルミストが工場内外に拡散し、工場内外の空気の汚染を回避できる実益がある。さらに機械とミストコレクターを、ミストコレクターに設けた切換え手段と、吐出用のホースを介して連繋し、切換え手段を活用することで、ミストコレクターの機能を発揮しやすい状況を確保できる特徴がある。
請求項3の発明は、請求項2に記載の切換え手段の切換えで、清浄空気を吐出用のホース又は排気用のホースに選択して吐出可能とし、清浄空気の有効利用及び/又は工場空気の汚染防止を図るオイルミストのコントロールシステムである。
従って、請求項3は、請求項2の目的を達成できること、またこの目的を達成するに最適な切換え手段を提供できること等の特徴がある。
請求項4の発明は、請求項2に記載の閉塞室の扉を開放した際に、ミストコレクター内に設けた切換え手段の切換えで、清浄空気を排気用のホースより工場内に排気し、また扉を閉塞した際に、切換え手段の切換えで、清浄空気を吐出用のホースで、閉塞室に環流するオイルミストのコントロールシステムである。
従って、請求項4は、請求項2の目的を達成できること、また閉塞室の扉を開放した際に、閉塞室のオイルミストを工場内外に排気せず、汚染防止と、環境維持が図れること、又はこの請求項2の目的を達成するに最適な機能を備えた切換え手段を提供できること、又はミストコレクター内のスペースを利用して切換え手段を設け得ること等の特徴がある。
本発明の一例を説明する。
図面の説明をすると、図1−1と図1−2は請求項2に示したオイルミストの環流方法・オイルミストのコントロールシステムの一例に関し、その一部を省略した概念図であり、図1−1は切換え手段で排気用のホースを閉塞した状態を、図1−2は切換え手段で吐出用のホースを閉塞した状態をそれぞれ示している。また図2は請求項2に示したコントロールシステムの閉塞室の密封状態における流れの一例を示したフローチャート、図3は請求項2に示したコントロールシステムの閉塞室の開放状態における流れの一例を示したフローチャート、図4は請求項3に示したオイルミストの環流方法・オイルミストのコントロールシステムの一例に関し、その一部を省略した概念図であり、図4−1は切換え手段で排気用のホースを閉塞した状態を、図4−2は切換え手段で吐出用のホースを閉塞した状態をそれぞれ示している。また図5は請求項3に示したコントロールシステムの閉塞室の密封状態における流れの一例を示したフローチャート、図6は請求項3に示したコントロールシステムの閉塞室の開放状態における流れの一例を示したフローチャート、図7はミストコレクターの一例を示した要部を欠截した模式図である。
図1に示したオイルミスト(汚染空気)の環流方法について説明すると、機械の閉塞室1(請求項1の例ではフード付きの機械のみもあり得る)の第1排出口100とミストコレクター2の第1吸込み口200とを吸込み用のホース3(ホースにはパイプ等の管体を含む)で連繋し、また機械の閉塞室1の第2吸込み口101とミストコレクター2の第2排出口201とを吐出用のホース4で連繋する。またミストコレクター2には切換え手段5(ダンパー、切換え弁、弁体等を含む)と、排気用のホース6、又はフィルタ7とを設ける。この構造により、閉塞室1の第1排出口100より排出されたオイルミストは、吸込み用のホース3を経由し第1吸込み口200よりミストコレクター2内に導かれる。このオイルミストは、ミストコレクター2内で分離処理され、油・加工屑・塵の回収と、清浄空気の生成とが行われる。この清浄空気は、切換え手段5の操作で、三つのルートに分かれて送られる。その一つが、ミストコレクター2の排気用のホース6用の第3排出口202を閉塞することで、前記第2排出口201に設けた吐出用のホース4を経由し第2吸込み口101より閉塞室1内に導かれ、この閉塞室1は清浄空気で満たされるとともに、当該閉塞室1内の清潔が確保される。その二つがミストコレクター2の第2排出口201を閉塞することで、前記第3排出口202に設けた排気用のホース6を経由して工場の内外(工場内外)に排気し、工場の空気を清浄な状態に維持できること、又は作業環境の向上化等に役立て得ること等の特徴がある。またその三つが(図示しないが)切換え手段5を中間位置等に設けることで、吐出用のホース4と排気用のホース6に振分けて送風(還流、排気)される(振分けによる送風量は限定されない)。以上の如く、三つのルートを用い、この清浄空気を利用する。
以上の如く、閉塞室1の閉塞時には、この閉塞室1のオイルミストを、吸込み用のホース3を経由し、ミストコレクター2に導き、分離処理した後、清浄空気を吐出用のホース4を経由し、閉塞室1に導くオイルミストの環流方法を採用し、閉塞室1のオイルミストを、吸込用のホース3で迅速及び/又は略100%吸込み可能な構造である。そして、この環流で清浄空気を閉塞室1に導くことで、主として外気に含まれる塵、油等の汚染空気の加工部への侵入を排除し、精密な加工と、品質の向上又は合理化が図れる特徴がある。またこの清浄空気の温度制御を図ることも可能であり、精密な加工と、品質の向上又は温度障害の回避(摩耗や焼付きを回避できると考えられる)等が図れて有益である。さらにこのオイルミストが工場内外に排気されず工場内外の汚染を回避できること等の特徴がある。次に閉塞室1の開放時には、この閉塞室1のオイルミストを、吸込み用のホース3を経由し、ミストコレクター2に導き、分離処理した後、清浄空気を排気用のホース6を経由し工場内外に排気する。この排気は清浄空気であり、工場内外の汚染は少ない。また前記排気用のホース6にフィルタ7を付設し、一層の清浄化を図ることも可能であり、前記汚染を略0になし得る特徴がある。従って、開放時の閉塞室1からのオイルミストの工場内外への排気を減少できる(機械の稼動時である)。尚、閉塞室1はエアカーテン等の手段での閉塞もあり得る。さらに吐出用のホース4と排気用のホース6に振分けて送風する例では、清浄空気の一部を吐出用のホース4を経由し、閉塞室1に導くオイルミストの環流方法と、他の一部を排気用のホース6を経由し工場内外に排気する方法とを利用し、前述の特徴をそれぞれ達成することも可能である。
以上で説明したオイルミスト及び/又は空気の流れを、図2に示したコントロールシステムの閉塞室の密封状態における流れの一例を示したフローチャートと、図3に示したコントロールシステムの閉塞室の開放状態における流れの一例を示したフローチャートとを基に説明する。先ず、図2に示した閉塞室1の扉1aが閉塞された状態(ST−1)では、オイルミスト(汚染空気)は吸込み用のホース3を経由し(ST−2)、ミストコレクター2に導かれ分離処理される(ST−3)。この清浄空気は、コンピュータによる指令で作動する切換え手段5(ST−4)の動作と、開放された吐出用のホース4を経由して閉塞室1に戻る(ST−5・6)流れである。一方、図3に示した閉塞室1の扉1aの開放状態(ST−10)では、吸込み用のホース3を経由し(ST−2)、ミストコレクター2に導かれ分離処理される(ST−3)。この清浄空気は、コンピュータによる指令で作動する切換え手段5(ST−40)の動作と、排気用のホース6に至り(ST−60)、この排気用のホース6よりフィルタ7を経由して工場内外に排気される(ST−70・71)。
図4に示したオイルミストの環流方法について説明する。但し、前述の実施例で説明した構造と実質的に同じ部分(部材)は説明を省略し、異なる構造のみを説明する。この例では、後述するミストコレクター2の吸込みファンの上方の空間に切換え手段5を設け、この切換え手段5に連設してフィルタ7を設けた構成であり、このフィルタ7にはミストコレクター2外に向かって延設した排気用のホース6が連設されている。従って、この切換え手段5の動作で、清浄空気を、吐出用のホース4と排気用のホース6に個別に送る。具体的には、閉塞室1が閉塞状態では、清浄空気を吐出用のホース4を経由し、閉塞室1に環流し、この清浄空気を前述の如く、有効利用する。また閉塞室1が開放状態では、清浄空気を排気用のホース6及び/又はフィルタ7を経由して工場内外に排気するとともに、この排気で閉塞室1に環流せず、この閉塞室1のオイルミストの拡散を少なくする。他の構造及び/又は作用は前述の例に準ずる。
以上で説明したオイルミスト及び/又は空気の流れを、図5に示したコントロールシステムの閉塞室の密封状態における流れの一例を示したフローチャートと、図6に示したコントロールシステムの閉塞室の開放状態における流れの一例を示したフローチャートとを基に説明する。先ず、図5に示した閉塞室1の扉1aが閉塞された状態(ST−1)〜閉塞室1に戻る(ST−6)作用は、前記図2と同様である。一方、図3に示した閉塞室1の扉1aの開放状態(ST−10)では、オイルミストが吸込み用のホース3を経由し(ST−2)、ミストコレクター2に導かれて分離処理される(ST−3)。この清浄空気は、コンピュータによる指令で作動する切換え手段5(ST−40)の動作と、フィルタ7で清浄化された後(ST−70)、排気用のホース6に至り(ST−60)、この排気用ホース6より工場内外に排気される(ST−71)。その他は前述の図3に準ずる。
次にミストコレクター2の作用を説明すると、ケーシング11のモータ12を駆動して、吸込みファン13を回転させる。この回転で使用済、又は処理対象等のオイルミストを含んだ空気(オイルミストとする)を、吸込み口14より後述する衝突分離手段(ケーシング11に設けた衝突板15、リンク16等とで構成する)を経由してケーシング11に導入する。このケーシング11に導入されたオイルミストは、吸込み口14近傍に設けた衝突板15(必要により、バーリング形状の孔を開設する)に衝止し、その大部分は衝突板15の表面に倣って拡散・誘導される。この衝突板15に誘導されたオイルミストは、衝突板15の表面で拡散し、又はその表面を流動した後、リンク16の外周面とケーシング11との隙間で形成したミスト通路17、又は衝突板15の環状部15aとリンク16の内周面との隙間で形成したミスト通路17a等を通過する。この通過過程で、衝突板15への衝突によるオイルミストの拡散及び/又は集合(集合分離)が発生するとともに、この衝突板15とリンク16とで処理されるオイルミストは中央部に集積せず、撹拌された空気の流れとなり、少なくとも二枚の第1セパレータ18に対し略均等な負荷を与えながらオイルミストの効率的な拡散と、吸込み空気量の低減化等が図れる。そして、この拡散されたオイルミストの油は、前記吸込みファン13の周辺に設けた第2セパレータ19に至るまでに油の粒径化(油滴)される。また当該衝突板15において、比重の重いスラッジ類、加工屑類及び/又は油は、略確実に分離され、ケーシング11の第1ドレン溜部1100に収容される。
その後、第1セパレータ18に至ったオイルミストを少量含んだ空気(低オイルミストとする)は、先ず、第1セパレータ18に接触(衝止)する。この第1セパレータ18は、通常の形態でも可能であるが、この例では、この第1セパレータ18にバーリングを形成し、このバーリング近傍での油の迂回効果を利用し、油の油滴化と滞留時間の拡充、又は油の落下促進、捕捉の拡充、また塵埃の分離効果等が達成できる。また二枚〜数枚の第1セパレータ18を設ける構成では、この第1セパレータ18に設けられた孔の位置を互い違いに(位相を変えて)設ける構成にした場合は、油滴化(空気との分離効果)、油滴の孔への流れ込み回避、又は飛散防止等が図れること、また滞留時間の拡充が図れること等の特徴がある。この第1処理済み低オイルミストは、その後、この第1セパレータ18の後方に僅かな間隔をもって配備した一枚〜数枚の第1フィルタ20を通過することで、当該第1処理済み低オイルミストに含まれる塵埃、切削屑等の異物を、当該第1フィルタ20で、確実かつ効率よく捕捉できること、又は油滴化の促進等に役立つこと、また空気抵抗の軽減化にも寄与できること等の特徴がある。
この第1フィルタ20を通過した一次処理されたオイルミストを微量に含む空気(一次処理済み微量オイルミストとする)は、吸込みファン13により吸引及び/又は拡散されつつ第2セパレータ19の後部に至り、この一次処理済み微量オイルミストは第2セパレータ19を介して拡散及び/又は油滴化される。また一次処理済み微量オイルミストの吸込みファン13の羽根車への衝突及び/又は衝突回避との総合的な調和により、効率的な分離及び/又は油滴化が図れる。またこれら吸込みファン13、第2セパレータ19の機能と、ケーシング11内のスペースを利用し、領域での滞留時間の拡充が図れる。
そして、この第2セパレータ19の孔を通過した処理済み空気(二次処理済み微量オイルミストとする)は、一枚〜数枚の第2フィルタ21を通過する。この通過過程において、第2フィルタ21で二次処理済み微量オイルミストに含まれる微細な塵埃、加工屑等の微細異物を捕捉する。この濾過等された清浄空気は、第2排出口201を介して吐出用のホース4を経由して閉塞室1に環流するか、又はフィルタ7・排気用のホース6より工場内外に排気される。また油は第2ドレン溜部1101に収容される。
尚、図1−1、図1−2の例では切換え手段5をケーシング11の天井に配し、この天井に開設した第2排出口201を介して吐出用のホース4を設け、また同天井に開設した第3排出口202を介して排気用のホース6を設けた構造であり、本発明の如く、新規のミストコレクター2として提供するか、又は既設のミストコレクター(図示せず)を改良して設置するかの何れかの構造とする。また図4−1、図4−2の例では切換え手段5をケーシング11の吸込みファン13の直上に配し、天井に開設した第2排出口201を介して吐出用のホース4を設け、また側面に開設した第3排出口202を介して排気用のホース6を設けた構造であり、本発明の如く、新規のミストコレクター2として提供するか、又は既設のミストコレクター(図示せず)を改良して設置するかの何れかの構造とする。この例では、吸込みファン13の直上に吐出用のホース4を設けた構成であり、モータ12の汚れを回避できる利点がある。またフィルタ7をケーシング11内にセットし、ミストコレクター2の小型化、フィルタ7、排気用のホース6等の容易な設置が図れる。尚、フィルタ7は、何れの例も取付け、取外し可能である。
請求項2に示したオイルミストの環流方法・オイルミストのコントロールシステムの一例に関し、その一部を省略した概念図であり、切換え手段で排気用のホースを閉塞した状態を示す 請求項2に示したオイルミストの環流方法・オイルミストのコントロールシステムの一例に関し、その一部を省略した概念図であり、切換え手段で吐出用のホースを閉塞した状態を示す 請求項2に示したコントロールシステムの閉塞室の密封状態における流れの一例を示したフローチャート 請求項2に示したコントロールシステムの閉塞室の開放状態における流れの一例を示したフローチャート 請求項3に示したオイルミストの環流方法・オイルミストのコントロールシステムの一例に関し、その一部を省略した概念図であり、切換え手段で排気用のホースを閉塞した状態を示す 請求項3に示したオイルミストの環流方法・オイルミストのコントロールシステムの一例に関し、その一部を省略した概念図であり、切換え手段で吐出用のホースを閉塞した状態を示す 請求項3に示したコントロールシステムの閉塞室の密封状態における流れの一例を示したフローチャート 請求項3に示したコントロールシステムの閉塞室の開放状態における流れの一例を示したフローチャート ミストコレクターの一例を示した要部を欠截した模式図である
符号の説明
1 閉塞室
1a 扉
100 第1排出口
101 第2吸込み口
2 ミストコレクター
200 第1吸込み口
201 第2排出口
202 第3排出口
3 吸込み用のホース
4 吐出用のホース
5 切換え手段
6 排気用のホース
7 フィルタ
11 ケーシング
1100 第1ドレン溜部
1101 第2ドレン溜部
12 モータ
13 吸込みファン
14 吸込み口
15 衝突板
15a 環状部
16 リンク
17 ミスト通路
17a ミスト通路
18 第1セパレータ
19 第2セパレータ
20 第1フィルタ
21 第2フィルタ




Claims (4)

  1. 工場に設置された加工機械、洗浄機械等の機械と、この機械の近傍に設けたダンパー等の切換え手段を備えたミストコレクターとで構成したオイルミストの環流方法であって、
    オイルミストの環流方法は、機械とミストコレクターとの間を吸込み用のホースと、吐出用のホースとで連繋し、また前記ミストコレクターに排気用のホースを設けた構造であり、
    前記機械からのオイルミストを吸込み用のホースでミストコレクターに導き、このミストコレクターを介して清浄化した空気を吐出用のホースで機械に環流し、機械の加工部に導くことで、この清浄空気の再利用を可能とするとともに、必要によりこの清浄空気を切換え手段の制御で排気用のホースに導き工場内等に排気可能とすることを特徴とする少なくとも機械とミストコレクターの間におけるオイルミストの環流方法。
  2. 工場に設けた閉塞室に設置された加工機械、洗浄機械等の機械と、この機械の近傍に設けられたダンパー等の切換え手段を備えたミストコレクターとで構成したオイルミストのコントロールシステムであって、
    このオイルミストのコントロールシステムは、前記機械の閉塞室の第1排出口とミストコレクターの第1吸込み口とを吸込み用のホースで連繋し、またこのミストコレクターの第2排出口と前記機械の閉塞室の第2吸込み口とを吐出用のホースで連繋し、前記ミストコレクターに排気用のホースを設けた構成であり、
    前記ミストコレクターに設けた切換え手段で、前記ミストコレクターより排出される清浄空気を、この吐出用のホース又は排気用のホースの何れかに選択して吐出可能とし、また閉塞室のオイルミストを、前記吸込み用のホースで吸込み可能とし、この吸込みで当該閉塞室の開放時に、当該オイルミストを前記ミストコレクターに送風可能とした構成の少なくとも機械とミストコレクターの間におけるオイルミストのコントロールシステム。
  3. 請求項2に記載の切換え手段の切換えで、清浄空気を前記吐出用のホース又は排気用のホースに選択して吐出可能とし、清浄空気の有効利用及び/又は工場空気の汚染防止を図ることを特徴としたオイルミストのコントロールシステム。
  4. 請求項2に記載の閉塞室の扉を開放した際に、前記ミストコレクター内に設けた換え手段の切換えで、清浄空気を前記排気用のホースより工場内に排気し、またこの扉を閉塞した際に、前記切換え手段の切換えで、清浄空気を前記吐出用のホースで、前記閉塞室に環流することを特徴としたオイルミストのコントロールシステム。



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