JP2006086111A - 燃料電池システムおよびその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 水タンク内に適量の水を確保できかつエネルギー効率を良好にできる、燃料電池システムおよびその制御方法を提供する。
【解決手段】 燃料電池システム10は、燃料電池12からの水分を含む排気を冷却するラジエータ46、ラジエータ46を冷却する冷却ファン48、ラジエータ46から排出される水分を収容する水タンク44、水タンク44内の液量を検出する水位センサ54、燃料電池12の温度を検出する温度センサ66、カソード出口13の温度を検出する温度センサ68、およびラジエータ出口46aの温度を検出する温度センサ70を備える。燃料電池システム10では、水タンク44内の液量に基づいて冷却ファン48を駆動させる第1モードおよび冷却ファン48を駆動しない第2モードのいずれか一方が、温度センサ66,68および70によって検出した温度に応じて選択される。
【選択図】 図9

Description

この発明は燃料電池システムおよびその制御方法に関し、より特定的には、燃料電池から排出される水分を水タンクに収容する燃料電池システムおよびその制御方法に関する。
従来、燃料電池における反応によってカソード側に生じた水分をラジエータで冷却して水タンクに回収する燃料電池システムが提案されており、その一例が特許文献1に開示されている。
特許文献1の燃料電池システムでは、燃料電池の排気温度が外気温度を超えている状態において、水タンク内の水位が正常な範囲よりも低いときには冷却ファンを駆動させ、水タンク内の水位が正常な範囲を超えているときには冷却ファンを停止する。また、水タンク内の水位が正常な範囲内であれば冷却ファンの駆動あるいは冷却ファンの停止を維持する。特許文献1の燃料電池システムでは、このように水タンク内の液量に応じて冷却ファンを制御することによって水タンク内に適量の水を確保している。
特開2000−30727
しかし、特許文献1技術では、排気温度が外気温を超えている状態において、燃料電池システムの温度が冷却ファンを駆動させずとも十分な水を水タンクに回収できる温度であっても、冷却ファンの駆動を維持し、電力を無駄に消費するおそれがあった。ひいては、燃料電池システムのエネルギー効率が低下してしまうおそれがあった。
それゆえに、この発明の主たる目的は、水タンク内に適量の水を確保できかつエネルギー効率の良好な、燃料電池システムおよびその制御方法を提供することである。
上述の目的を達成するために、請求項1に記載の燃料電池システムは、電気エネルギーを生成するための燃料電池システムであって、電気化学反応によって電気エネルギーを生成する燃料電池、燃料電池から排出される水分を含む排気を冷却するラジエータ、ラジエータを冷却する冷却ファン、ラジエータから排出される水分を収容する水タンク、水タンク内の液量を検出するために水タンクに設けられる検出手段、当該燃料電池システムの温度を検出する温度検出手段、ならびに検出手段によって検出された液量に応じて冷却ファンを駆動させる第1モードと冷却ファンを駆動しない第2モードとを含む複数の動作モードを有し、温度検出手段によって検出された温度に応じて冷却ファンを駆動させる制御手段を備える。
請求項2に記載の燃料電池システムは、請求項1に記載の燃料電池システムにおいて、第1モードである場合に制御手段は、検出手段によって検出された液量が第1閾値未満のときに冷却ファンを駆動させ、検出手段によって検出された液量が第2閾値を超えたときに冷却ファンを停止させることを特徴とする。
請求項3に記載の燃料電池システムは、請求項1または2に記載の燃料電池システムにおいて、温度検出手段はラジエータの出口の温度を検出するラジエータ出口温度検出手段を含み、制御手段はラジエータ出口温度検出手段によって検出された温度に応じて冷却ファンを駆動させることを特徴とする。
請求項4に記載の燃料電池システムは、請求項1から3のいずれかに記載の燃料電池システムにおいて、温度検出手段は燃料電池の温度を検出する燃料電池温度検出手段を含み、制御手段は燃料電池温度検出手段によって検出された温度に応じて冷却ファンを駆動させることを特徴とする。
請求項5に記載の燃料電池システムは、請求項1から4のいずれかに記載の燃料電池システムにおいて、温度検出手段は燃料電池のカソード出口の温度を検出するカソード出口温度検出手段を含み、制御手段はカソード出口温度検出手段によって検出された温度に応じて冷却ファンを駆動させることを特徴とする。
請求項6に記載の燃料電池システムは、電気エネルギーを生成するための燃料電池システムであって、電気化学反応によって電気エネルギーを生成する燃料電池、燃料電池から排出される水分を含む排気を冷却するラジエータ、ラジエータを冷却する冷却ファン、ラジエータから排出される水分を収容する水タンク、水タンク内の液量を検出するために水タンクに設けられる検出手段、当該燃料電池システムの温度を検出する温度検出手段、ならびに温度検出手段によって検出された温度と検出手段によって検出された液量とに応じて冷却ファンを制御する制御手段を備える。
請求項7に記載の燃料電池システムは、請求項1から6のいずれかに記載の燃料電池システムにおいて、燃料電池には燃料水溶液が供給されることを特徴とする。
請求項8に記載の輸送機器は、請求項1から7のいずれかに記載の燃料電池システムを用いたことを特徴とする。
請求項9に記載の燃料電池システムの制御方法は、燃料電池から排出される水分を含む排気を冷却するラジエータと、ラジエータを冷却する冷却ファンと、ラジエータから排出される水分を収容する水タンクとを備える、燃料電池システムの制御方法において、水タンク内の液量に応じて冷却ファンを駆動させる第1モードと冷却ファンを駆動しない第2モードとを含む複数の動作モードを有し、当該燃料電池システムの温度に応じて冷却ファンを駆動させることを特徴とする。
請求項10に記載の燃料電池システムの制御方法は、請求項9に記載の燃料電池システムの制御方法において、第1モードでは、水タンク内の液量が第1閾値未満のときに冷却ファンを駆動させ、水タンク内の液量が第2閾値を超えたときに冷却ファンを停止させることを特徴とする。
請求項11に記載の燃料電池システムの制御方法は、請求項9または10に記載の燃料電池システムの制御方法において、ラジエータの出口の温度に応じて冷却ファンを駆動させることを特徴とする。
請求項12に記載の燃料電池システムの制御方法は、請求項9から11のいずれかに記載の燃料電池システムの制御方法において、燃料電池の温度に応じて冷却ファンを駆動させることを特徴とする。
請求項13に記載の燃料電池システムの制御方法は、請求項9から12のいずれかに記載の燃料電池システムの制御方法において、燃料電池のカソード出口の温度に応じて冷却ファンを駆動させることを特徴とする。
なお、制御手段が第1モードおよび第2モード以外の冷却ファンの動作モードを有していてもよい。また、「冷却ファンを駆動しない」とは、実質的に駆動しない意味であって極めて低い電力で冷却ファンを駆動させる場合も含む。
請求項1に記載の燃料電池システムでは、燃料電池システムの温度が高いときには、第1モードに移行し、水タンク内の液量に応じて冷却ファンを駆動させる。一方、燃料電池システムの温度が低いときには、第2モードに移行し、冷却ファンを駆動しない。言い換えれば、燃料電池システムの温度と水タンク内の液量とに応じて冷却ファンを制御する。これによって、燃料電池システムの温度が高いときには、ラジエータから水タンクに供給する液量を冷却ファンの駆動によって調節でき、水タンク内に適量の水を確保できる。一方、燃料電池システムの温度が低いときには、燃料電池から排出される水分の温度も低く、水タンクに至るまでに水分の一部が自然に凝集し液化する。したがって、ラジエータを冷却ファンによって強制的に冷却せずとも水タンクに十分な水を回収できる。このように水分が自然に液化するときには冷却ファンを駆動しないことによって、節電でき、エネルギー効率を良好にできる。また、水分が自然に液化するときには冷却ファンを駆動しないことによって、水タンクに必要以上の水を回収して水タンクから水が溢れることを抑制できる。請求項6に記載の燃料電池システムおよび請求項9に記載の燃料電池システムの制御方法についても同様である。
請求項2に記載の燃料電池システムでは、第1モードにおいて、水タンク内の液量が第1閾値未満のときに冷却ファンを駆動させ、一方、第2閾値を超えたときに冷却ファンを停止させる。これによって、水タンク内の液量を所望の範囲内に安定させることができる。請求項10に記載の燃料電池システムの制御方法についても同様である。
請求項3に記載の燃料電池システムでは、冷却ファンの動作の影響を直接的に受けるラジエータの出口の温度に着目し、ラジエータ出口の温度に応じて第1モードに移行する。このようにラジエータの出口の温度に着目することによって、冷却ファンを駆動させずともよいか否か、つまりラジエータを強制的に冷却せずともよいか否かを適切に判断でき、無駄な電力消費を抑え、エネルギー効率をより一層良好にできる。請求項11に記載の燃料電池システムの制御方法についても同様である。
通常、燃料電池にはその動作状態等を確認するために温度検出手段が設けられる。請求項4に記載の燃料電池システムでは、動作状態等を確認するために検出される燃料電池の温度に着目し、燃料電池の温度に応じて第1モードに移行する。このように動作状態等を確認するための燃料電池の温度に着目することによって、冷却ファンを駆動させずともよいか否かを効率的に判断できる。請求項12に記載の燃料電池システムの制御方法についても同様である。
また、この他にも請求項5に記載の燃料電池システムおよび請求項13に記載の燃料電池システムの制御方法のように、燃料電池のカソード出口の温度に着目し、カソード出口の温度に応じて第1モードに移行するようにしてもよい。
一般に、燃料水溶液が燃料電池に直接供給される燃料電池システムでは、燃料水溶液に水を利用する必要があり、水分の回収および循環が不可欠である。適量の水を確保できかつエネルギー効率を良好にできるので、この発明は請求項7に記載するように燃料水溶液が燃料電池に供給される燃料電池システムに特に有効である。
一般に、輸送機器は、据え置き型の装置とは異なり水や燃料の補給が難しく、据え置き型の装置よりもエネルギー効率が良好であることが望まれる。適量の水を確保できかつエネルギー効率を良好にできるので、この発明の燃料電池システムは請求項8に記載するように輸送機器に好適に用いられる。
この発明によれば、水タンク内に適量の水を確保できかつエネルギー効率を良好にできる。
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態について説明する。
図1〜図4に示すように、この発明の一実施形態の燃料電池システム10は、直接メタノール型燃料電池システムとして構成される。直接メタノール型燃料電池システムは改質器が不要であるので、携帯性を要する機器や小型化が望まれる機器に好適に用いられる。ここでは、燃料電池システム10を輸送機器の一例である自動二輪車に用いる場合について説明する。なお、図2に示すように、自動二輪車については車体フレーム200のみを示し、図2において左側が車両前方、右側が車両後方である。燃料電池システム10は車体フレーム200に沿って配置される。
図1を主に参照して、燃料電池システム10は燃料電池12を含む。燃料電池12は、電解質12aと電解質12aを両側から挟むアノード(燃料極)12bおよびカソード(空気極)12cとを含む複数の直接メタノール型燃料電池セルを直列に接続(積層)した燃料電池セルスタックとして構成される。
また、燃料電池システム10は、高濃度のメタノール燃料(メタノールを約50wt%程度含む水溶液)Fを収容する燃料タンク14を含み、燃料タンク14は燃料供給パイプ16を介してメタノール水溶液(メタノールを約3wt%程度含む水溶液)Sが収容される水溶液タンク18に接続される。燃料供給パイプ16には燃料ポンプ20が介挿され、燃料ポンプ20の駆動によって燃料タンク14内のメタノール燃料Fが水溶液タンク18に供給される。
燃料タンク14には水位センサ15が装着され、燃料タンク14内のメタノール燃料Fの水位が検出される。また、水溶液タンク18には水位センサ22が装着され、水溶液タンク18内のメタノール水溶液Sの水位が検出される。水溶液タンク18は、水溶液パイプ24を介して燃料電池12のアノード12bに接続される。水溶液パイプ24には、上流側から水溶液ポンプ26、熱交換器として機能するラジエータ28、および水溶液フィルタ30が順に介挿される。ラジエータ28の近傍にはラジエータ28を冷却するための冷却ファン32が配置される。水溶液タンク18内のメタノール水溶液Sは、水溶液ポンプ26によってアノード12bに向けて供給され、必要に応じてラジエータ28によって冷却され、さらに水溶液フィルタ30によって浄化されてアノード12bに供給される。
一方、燃料電池12のカソード12cにはエアポンプ34がエア側パイプ36を介して接続され、エア側パイプ36にはエアフィルタ38が介挿される。したがって、エアポンプ34からの酸素を含む空気がエアフィルタ38によって浄化されたのちカソード12cに与えられる。
また、アノード12bと水溶液タンク18とはパイプ40を介して接続され、アノード12bから排出される未反応のメタノール水溶液や生成された二酸化炭素が水溶液タンク18に与えられる。
さらに、カソード12cにはパイプ42を介して水タンク44が接続される。パイプ42には気液分離器として機能するラジエータ46が介挿され、ラジエータ46近傍にはラジエータ46を冷却するための冷却ファン48が配置される。カソード12cのカソード出口13(図2および図3参照)から排出される水分(水および水蒸気)を含む排気がパイプ42を介して水タンク44に与えられる。
また、水溶液タンク18と水タンク44とはCO2ベントパイプ50を介して接続される。CO2ベントパイプ50にはメタノール水溶液Sを分離するためのメタノールトラップ52が介挿される。これによって、水溶液タンク18から排出される二酸化炭素が水タンク44に与えられる。
水タンク44には、水位センサ54が装着され、水タンク44内の水位が検出される。また、水タンク44には排気ガスパイプ56が取り付けられ、排気ガスパイプ56から二酸化炭素とカソード12cからの排気とが排出される。
水タンク44は水還流パイプ58を介して水溶液タンク18に接続され、水還流パイプ58には水ポンプ60が介挿される。水タンク44内の水は、水溶液タンク18の状況に応じて必要なときに水ポンプ60の駆動によって水溶液タンク18へ還流される。
また、水溶液パイプ24において、ラジエータ28と水溶液フィルタ30との間には、バイパスパイプ62が形成される。
図4をも参照して、燃料電池システム10には、バイパスパイプ62にメタノール水溶液Sの濃度を検出するための濃度センサ64が設けられる。また、燃料電池システム10には、燃料電池12内のメタノール水溶液Sの温度を検出することによって燃料電池12の温度を検出する温度センサ66、カソード出口13の温度を検出するための温度センサ68、ラジエータ46の出口(以下、ラジエータ出口という)46aの温度を検出するための温度センサ70が設けられる。図3に示すように、温度センサ66は、アノード12bのメタノール水溶液Sの温度を検出するように燃料電池12内に配置される。温度センサ68は、カソード出口13から排出される排気の温度を検出するようにカソード出口13内に配置される。温度センサ70は、ラジエータ46から排出される排気の温度を検出するようにラジエータ出口46a内に配置される。この実施形態では、温度センサ66が燃料電池温度検出手段に相当し、温度センサ68がカソード出口温度検出手段に相当し、温度センサ70がラジエータ出口温度検出手段に相当する。なお、燃料電池温度検出手段としては、燃料電池12に設けられる温度センサ66以外のセンサを用いてもよい。
さらに、エアポンプ34のエア取込口近傍には、外気温度を検出するための温度センサ72が設けられる。温度センサ72は、エアポンプ34のエア取込口近傍で車体フレーム200に取り付けられる。
図4に示すように、燃料電池システム10は制御手段である制御回路74を含む。
制御回路74は、必要な演算を行い燃料電池システム10の動作を制御するためのCPU76、CPU76にクロックを与えるクロック回路78、燃料電池システム10の動作を制御するためのプログラムやデータおよび演算データ等を格納するための、たとえばEEPROMからなるメモリ80、燃料電池システム10の誤動作を防ぐためのリセットIC82、外部機器と接続するためのインターフェイス回路84、自動二輪車を駆動するモータ202に燃料電池12を接続するための電気回路86における電圧を検出するための電圧検出回路88、電気回路86を流れる電流を検出するための電流検出回路90、電気回路86を開閉するためのON/OFF回路92、電気回路86の過電圧を防止するための電圧保護回路94、電気回路86に設けられるダイオード96、および電気回路86に所定の電圧を供給するための電源回路98を含む。
このような制御回路74のCPU76には、濃度センサ64、温度センサ66,68,70および72からの検出信号が入力され、また転倒の有無を検知する転倒スイッチ100からの検知信号や各種設定や情報入力のための入力部102からの信号が与えられる。さらに、CPU76には、水位センサ15,22および54からの検出信号も与えられる。
メモリ80には、水タンク44内の液量に応じて冷却ファン48を駆動させる第1モードを実行するためのプログラム、および水タンク44内の液量に拘わらず冷却ファンを駆動しない第2モードを実行するためのプログラムが格納される。また、メモリ80には、温度センサ66によって検出した燃料電池12内のメタノール水溶液Sの温度と比較するための第1所定値、温度センサ68によって検出したカソード出口13内の排気の温度と比較するための第2所定値、および温度センサ70によって検出したラジエータ出口46a内の排気の温度と比較するための第3所定値が格納される。
第1所定値は、それ以下であれば水分が水タンク44に至るまでに自然に液化すると想定される燃料電池12内のメタノール水溶液Sの温度である。また、第2所定値は、それ以下であれば水分が水タンク44に至るまでに自然に液化すると想定されるカソード出口13内の排気の温度である。また、第3所定値は、それ以下であれば水分が水タンク44に至るまでに自然に液化すると想定されるラジエータ出口46a内の排気の温度である。
また、CPU76によって、燃料ポンプ20、水溶液ポンプ26、エアポンプ34、熱交換器用冷却ファン32、気液分離器用冷却ファン48および水ポンプ60等の補機類が制御される。また、CPU76によって、各種情報を表示し、自動二輪車の搭乗者に各種情報を報知するための表示部104が制御される。
また、燃料電池12には二次電池106および二次電池106の蓄電量を検出するための蓄電量検出装置108が並列接続される。二次電池106および蓄電量検出装置108はモータ202にも並列接続される。二次電池106は、燃料電池12からの出力を補完するものであり、燃料電池12からの電気エネルギーによって充電され、その放電によってモータ202や補機類に電気エネルギーを与える。
モータ202には、モータ202の各種データを計測するためのメータ204が接続され、メータ204によって計測されたデータやモータ202の状況は、インターフェイス回路110を介してCPU76に与えられる。
ここで、水タンク44について詳しく説明する。
図2および図3に示すように、水タンク44は、たとえばFRPからなり、車体フレーム200における配置箇所に対応するように小型に構成されかつその上部より下部の方を膨出させて構成される。水タンク44の容量は500cc程度である。
図5〜図7を参照して、水タンク44には、それぞれたとえばSUS304等からなる導入パイプ112,114および排出パイプ116,118が嵌通するように取り付けられる。
導入パイプ112は、水タンク44の前面やや上部から水タンク44内に嵌通する円筒部112aと水タンク44内において下方に屈曲する略ラッパ状の拡開部112bとからなる。拡開部112bの導入口120bの開口面積は、円筒部112aの入口120aのそれより大きく設定される。円筒部112aにはパイプ42が接続される。
導入パイプ114は、水タンク44の上面角部から水タンク44内に嵌通する円筒状パイプであり、水タンク44内において排出パイプ116の上方に配置される。導入パイプ114にはCO2ベントパイプ50が接続される。
排出パイプ116は、水タンク44の背面から水タンク44内に嵌通する円筒状パイプであり、水タンク44内において導入パイプ112の拡開部112bの上方に排出口122が位置するように設けられる。このように水タンク44内において導入口120bと排出口122とが対向しないように、拡開部112bと排出パイプ116とが配置される。排出パイプ116には排気ガスパイプ56が接続される。
排出パイプ118は、水タンク44の背面かつ底面近傍から水タンク44内に嵌通する円筒状パイプであり、排出パイプ118には水還流パイプ58が接続される。
したがって、カソード12cからの水分を含む排気はパイプ42を経由し導入パイプ112から水タンク44内に導入される。水溶液タンク18、CO2ベントパイプ50を経由した二酸化炭素は、導入パイプ114から水タンク44内に導入される。水タンク44内の水は、排出パイプ118を経由して水還流パイプ58に流入する。水タンク44内の二酸化炭素を含む排気は排出パイプ116および排気ガスパイプ56を通って外部に放出される。
さらに、水タンク44内には防風部材124が設けられる。防風部材124は、たとえばSUS304からなり、略長方形かつ板状のセパレータ124aと、セパレータ124aに対して略直角に折り曲げられた取付部124bとからなる。セパレータ124aが略水平になるように取付部124bが水タンク44の側面内壁に取り付けられて、防風部材124が水タンク44内に固定される。セパレータ124aによって水タンク44の内部が上方空間126aと下方空間126bとに区画される。上方空間126a側には導入パイプ112,114および排出パイプ116が設けられ、下方空間126b側には排出パイプ118が設けられる。
防風部材124の取付位置は、下方空間126bに水溶液タンク18への補給に必要十分な水を収容できるような高さに設定される。また、防風部材124が取付部124bを除いて水タンク44の内壁と接触しないように、すなわちセパレータ124aの外縁3辺と水タンク44の対応する内壁3面とが間隙128を有するように、防風部材124が位置決めされる。
また、セパレータ124aには、複数(ここでは21個)の小径貫通孔130aと複数(ここでは13個)の大径貫通孔130bとが設けられる。小径貫通孔130aは導入口120bと対向し導入口120bからの水分を含む排気の吐出箇所に集中的に設けられる。好ましくは、小径貫通孔130aの直径は4mmに、大径貫通孔130bの直径は6mmに設定される。小径貫通孔130aをこのような位置に設けることによって、下方空間126b内への排気の進入を抑えつつ水を効率的に回収できる。
さらに、図5および図6に示すように、下方空間126b側の前面の内壁には、セパレータ124aの下方かつセパレータ124aと所定の間隙を有する位置に突起部(邪魔板)132が設けられる。突起部132は、垂直方向からみて水タンク44の前面の内壁とセパレータ124aとの間隙128を塞ぐように設けられる。
また、下方空間126bには、水タンク44内の水位を検出するためのたとえばフロートセンサからなる水位センサ54が設けられる。図7に示すように、水位センサ54は、センサ本体54aとセンサ本体54aに取り付けられるフロート部54bとを含む。水位センサ54では、下方空間126b内の水位の変化に伴ってフロート部54bが浮動することによって、下方空間126b内の水位を検出できる。言い換えれば、水位センサ54では、浮動するフロート部54bの位置に基づいて水タンク44内の液量(水量)を検出できる。
このような燃料電池システム10の発電時の動作について説明する。
発電開始時には、水溶液タンク18内に収容された所望の濃度のメタノール水溶液Sが水溶液ポンプ26の駆動によって燃料電池12に向けて送られ、必要に応じてラジエータ28で冷却され、水溶液フィルタ30によって浄化されてアノード12bに供給される。燃料電池システム10では、温度センサ66によって検出した燃料電池12内のメタノール水溶液Sの温度に応じてラジエータ28を冷却するための冷却ファン32を制御し、メタノール水溶液Sの温度を管理する。
一方、酸素を含む空気がエアポンプ34の駆動によって燃料電池12に向けて送られ、エアフィルタ38によって浄化されカソード12cに供給される。
燃料電池12のアノード12bでは、メタノール水溶液Sのメタノールと水とが電気化学反応して二酸化炭素と水素イオンとが生成され、生成された水素イオンは、電解質12aを通ってカソード12cに流入する。この水素イオンは、カソード12cに供給された空気中の酸素と電気化学反応して、水(水蒸気)と電気エネルギーとが生成される。
燃料電池12のアノード12bで生成された二酸化炭素はパイプ40、水溶液タンク18、CO2ベントパイプ50および導入パイプ114を通って水タンク44に与えられ、排出パイプ116を介して排気ガスパイプ56から排出される。
一方、燃料電池12のカソード12cで生成された水蒸気の大部分は液化して水となって排出されるが、飽和水蒸気分はガス状態で排出される。カソード12cから排出された水蒸気の一部は、ラジエータ46で冷却され露点を下げることによって液化される。ラジエータ46による水蒸気の液化動作は、冷却ファン48を動作させラジエータ46を冷却することによって行われる。カソード12cからの水分(水および水蒸気)ならびに未反応の空気はパイプ42および導入パイプ112を経由して水タンク44に与えられる。また、水のクロスオーバーによってカソード12cに移動した水がカソード12cから排出され水タンク44に与えられる。さらに、メタノールのクロスオーバーによってカソード12cに移動したメタノールがエアポンプ34によって供給される空気(酸素)と反応して水と二酸化炭素とに分解され、カソード12cから水と二酸化炭素とが排出され水タンク44に与えられる。
なお、水のクロスオーバーとは、アノード12bで生成された水素イオンのカソード12cへの移動に伴って、数モルの水がカソード12cへ移動する現象である。メタノールのクロスオーバーとは、水素イオンのカソード12cへの移動に伴って、メタノールがカソード12cへ移動する現象である。水と混合し易いメタノールは、水の中に拡散し、水のクロスオーバーに伴ってカソード12cに達する。
このようなカソード12cからの水分(水および水蒸気)を含む排気は、エアポンプ34の駆動によって導入パイプ112の導入口120bから図5において矢印Wで示すように上方空間126aに導入され、水タンク44内には強い旋回流が生じる。排気の大部分は、防風部材124のセパレータ124aと衝突して上方空間126aを旋回し、下方空間126bにはさほど流れ込まない。導入口120bから上方空間126aに導入された水は、セパレータ124aの複数の小径貫通孔130aおよび複数の大径貫通孔130bを通って流下するとともに、セパレータ124aと水タンク44の内壁との間隙128を通って流下し、下方空間126bに貯留される。下方空間126bに貯留される水が旋回流によって掻き上げられても図5において矢印Xで示すように突起部132に衝突するので、水が上方空間126aに逆流しない。
水タンク44に回収された水は、水ポンプ60の駆動によって水還流パイプ58を経由して水溶液タンク18に適宜還流され、メタノール水溶液Sの水として利用される。
ついで、燃料電池システム10の起動時の主要動作の一例について説明する。
図8を参照して、まず、図示しないメインスイッチがONされ、メインスイッチONの信号がCPU76に入力されると(ステップS1)、電源電圧が立ち上がるまで待機し安定状態になると、蓄電量検出装置108によって二次電池残存容量が検出される(ステップS3)。検出された二次電池残存容量に基づいて水ポンプ60を駆動できるか否かが判断される(ステップS5)。
二次電池残存容量によって、発電に必要な電力(補機類駆動用電力)を供給できるならば、水ポンプ60を駆動できると判断され、液量チェックモードに入り、水位センサ54によって水タンク44内の液量(水量)が検出される(ステップS7)。
ステップS7で検出した液量が予め設定されている第1所定量(たとえば250cc)以上であれば(ステップS9がYES)、二次電池106の電力によって水ポンプ60が駆動され、水タンク44内の水が水還流パイプ58を経由して水溶液タンク18に還流される(ステップS11)。その後、水位センサ54の検出する液量が予め設定されている第2所定量(たとえば220cc)以下になると(ステップS13がYES)、水ポンプ60が停止される(ステップS15)。
また、ステップS13において、水位センサ54の検出する液量が第2所定量以下にならずとも(ステップS13がNO)、一定時間(たとえば1分)経過すれば(ステップS17がYES)、ステップS15に進む。このように、一定時間経過後に水ポンプ60を停止させることで、たとえば水位センサ54の異常等のために検出する液量がいつまでも第2所定量にならず発電できないといったことがない。一定時間経過するまでは(ステップS17がNO)、引き続きステップS11の処理が行われる。
ステップS15の後に、燃料ポンプ20、水溶液ポンプ26、エアポンプ34、熱交換器用冷却ファン32、気液分離器用冷却ファン48および水ポンプ60等の補機類が駆動され、上述のようにして発電が行われる(ステップS19)。ステップS9において水タンク44内の液量が第1所定量未満である場合も、ステップS19に進む。
なお、二次電池残存容量が、発電に必要な電力(補機類駆動用電力)を供給できないほど少なければ、ステップS5において水ポンプ60を駆動できないと判断される。この場合には、燃料電池システム10がダウンしてしまうことを防止するため、水ポンプ60を駆動せずに別の処理を施して(ステップS21)、ステップS19に進み発電を開始する。
ついで、図9を参照して、燃料電池システム10の運転時の主要動作の一例について説明する。
燃料電池システム10の運転が開始されると、燃料電池12内のメタノール水溶液Sの温度が温度センサ66によって検出される(ステップS51)。そして、温度センサ66によって検出された温度が第1所定値(たとえば55℃)以下であるか否かが判断される(ステップS53)。
温度センサ66によって検出された温度が第1所定値を超えていれば、カソード出口13内の排気の温度が温度センサ68によって検出される(ステップS55)。そして、温度センサ68によって検出された温度が第2所定値(たとえば54℃)以下であるか否かが判断される(ステップS57)。
温度センサ68によって検出された温度が第2所定値を超えていれば、ラジエータ出口46a内の排気の温度が温度センサ70によって検出される(ステップS59)。そして、温度センサ70によって検出された温度が第3所定値(たとえば53℃)以下であるか否かが判断される(ステップS61)。温度センサ70によって検出された温度が第3所定値を超えていれば、水タンク44内の液量に応じて冷却ファン48を駆動させる第1モードに移行する(ステップS63)。
つまり、温度センサ66によって検出した温度が第1所定値を超え、かつ温度センサ68によって検出した温度が第2所定値を超え、かつ温度センサ70によって検出した温度が第3所定値を超えているときには、第1モードが選択され実行される。
ここで、図10を参照して第1モードの動作について説明する。
まず、水位センサ54によって水タンク44内の液量が検出され(ステップS101)、水タンク44内の検出された液量が第1閾値となる下限値(たとえば100cc)未満か否かが判断される(ステップS103)。液量が下限値未満であれば、CPU76からの指示によって冷却ファン48が駆動される(ステップS105)。その状態で一定時間(たとえば10秒)経過したか否かが判断され(ステップS107)、一定時間経過するとステップS101に戻り、水タンク44内の液量が検出される。
そして、ステップS103において水タンク44内の液量が下限値以上と判断されると、冷却ファン48が駆動中か否かが判断される(ステップS109)。冷却ファン48が駆動中であれば、水タンク44内の液量が第2閾値となる上限値(たとえば400cc)を超えたか否かが判断される(ステップS111)。液量が上限値を超えていれば、CPU76からの指示によって冷却ファン48が停止され(ステップS113)、第1モードが終了される。ステップS111において水タンク44内の液量が上限値を超えていないときや、ステップS109において冷却ファン48が駆動中でないときも、第1モードが終了される。
図9に戻って、第1モードの終了後、一定時間(たとえば10秒)経過したか否かが判断され(ステップS65)、一定時間経過するとステップS51に戻る。
一方、ステップS53において燃料電池12内のメタノール水溶液Sの温度が第1所定値以下であれば、冷却ファン48を駆動しない第2モードに移行する(ステップS67)。ステップS57においてカソード出口13内の排気の温度が第2所定値以下の場合、およびステップS61においてラジエータ出口46a内の排気の温度が第1所定値以下の場合もステップS67に進む。
つまり、温度センサ66,68および70によって検出した温度のいずれか1つがそれぞれに対応する所定値以下であるときには、第2モードが選択され実行される。
ここで、図11を参照して第2モードの動作について説明する。
まず、冷却ファン48が駆動中であるか否かが判断される(ステップS201)。そして、冷却ファン48が駆動中であれば、CPU76からの指示によって冷却ファン48が停止され(ステップS202)、第2モードが終了される。第2モードが終了すると、第1モードの終了後と同様に図9のステップS65に進む。ステップS201において冷却ファン48が駆動中でない場合も第2モードが終了され、図9のステップS65に進む。
なお、図10に示す第1モードにおいて、ステップS103がYESである場合に温度センサ66,68および70によって温度を検出し、検出した温度に応じて第2モードに移行するようにしてもよい。つまり、第1モードの実行中に第2モードを選択し、第1モードから第2モードに切り替えるようにしてもよい。
また、図9においては冷却ファン48を駆動させるか否かを第1モードと第2モードとで制御する場合について説明したが、この発明はこれに限定されない。第1モードおよび第2モードに加えて、第1モードおよび第2モード以外の冷却ファン48の動作モードを実行するためのプログラムをメモリ80に格納するようにしてもよい。そして、これらのプログラムに基づく複数の動作モードの中から燃料電池システム10の温度に応じて所定の動作モードを選択し実行してもよい。たとえば、燃料電池システム10の温度をいくつかのレンジに分け、冷却ファン48の回転速度を現在のレンジに応じて設定(変更)する動作モードを実行するようにしてもよい。
このような燃料電池システム10によれば、水タンク44内の液量に応じて冷却ファン48を駆動させる第1モードおよび冷却ファン48を駆動しない第2モードのいずれか一方が、温度センサ66,68および70によって検出した温度に応じて選択される。言い換えれば、燃料電池システム10の温度と水タンク44内の液量とに応じて冷却ファン48の動作が制御される。
温度センサ66,68および70によって検出した温度がそれぞれに対応する所定値を超えているときには、第1モードを選択し、水タンク44内の液量に応じて冷却ファン48を駆動させる。これによって、ラジエータ46から水タンク44に供給される液量を調節でき、燃料電池システム10の駆動に必要な量の水を水タンク44から溢れることのない程度に確保できる。
一方、温度センサ66,68および70によって検出した温度のいずれか1つがそれぞれに対応する所定値以下であるときには、第2モードを選択し、水タンク44内の液量に拘わらず冷却ファン48を駆動しない。温度センサ66,68および70によって検出した温度のいずれか1つがそれぞれに対応する所定値以下のときには、燃料電池12から排出される水分の温度も低いので、冷却ファン48を駆動させずとも水タンク44に至るまでに水分の一部が自然に凝集し液化する。具体的には、たとえば、燃料電池12のエネルギー変換効率が約20%、燃料電池12の出力が500Wh、燃料電池12が65℃、外気温度が25℃、メタノール水溶液Sのメタノール濃度が3wt%、メタノール燃料Fのメタノール濃度が54wt%、カソード12cに供給される空気の流量が100L/minである場合、温度センサ66,68および70によって検出した温度のいずれか1つがそれぞれに対応する所定値以下であればラジエータ46を冷却ファン48によって強制的に冷却せずとも水タンク44に十分な水を回収できる。このように水分が自然に液化するときには冷却ファン48を駆動しないことによって、節電でき、エネルギー効率を良好にできる。また、水分が自然に液化するときには冷却ファン48を駆動しないことによって、水タンク44に必要以上の水を回収して水タンク44から水が溢れることを抑制でき、燃料電池システム10から排出される水によって水溜まりができるようなことはない。
また、温度センサ66,68および70によって検出した温度とそれぞれに対応する所定値とを比較することによって、冷却ファン48を駆動させずともよいか否かの判断をより詳細に行うことができる。メタノール水溶液Sの温度を制御するために温度センサ66によって検出される燃料電池12の温度を用いることによって、冷却ファン48を駆動させずともよいか否かを効率的に判断できる。温度センサ68によって検出したカソード出口13内の排気の温度と温度センサ70によって検出したラジエータ出口46a内の排気の温度とを冷却ファン48を駆動させずともよいか否かの判断に用いることによって、自動二輪車が受ける走行風等の外的要因に対応して適切に判断できる。特に、冷却ファン48の動作の影響を直接的に受けるラジエータ出口46aの温度を用いることによって、ラジエータ46を強制的に冷却せずともよいか否かを適切に判断できる。
また、水タンク44内の液量が、下限値未満のときに冷却ファン48を駆動させ、一方、上限値を超えたときに冷却ファン48を停止させることによって、水タンク44内の液量を所望の範囲内に安定させることができる。
適量の水を確保できかつエネルギー効率を良好にできるので、この発明はメタノール水溶液Sとして利用するために水の回収および循環が不可欠な直接メタノール型の燃料電池システム10に特に有効である。
このような燃料電池システム10を用いた自動二輪車では、適量の水を確保できるとともに、節電できる。
さらに、一般に小型の水タンクでは、水タンク内に導入される排気の旋回流によって水タンク内の水面が波打つため、水位を精度良く検出できないおそれがある。しかし、燃料電池システム10では、防風部材124を設けることによって、下方空間126bは旋回流の影響をさほど受けず、下方空間126bに安定して水を貯留でき、水位センサ54が水タンク44内の水位を精度よく検出できる。
なお、上述の実施形態では、燃料電池12内のメタノール水溶液Sの温度を検出するように燃料電池12内に温度センサ66を配置する場合について説明したが、温度センサ66の位置はこれに限定されない。たとえば、燃料電池12内の空気の温度を検出するように燃料電池12内に温度センサ66を配置してもよいし、燃料電池12の外周面に温度センサ66を配置してもよい。温度センサ66を燃料電池12の外周面に配置する場合、外気温度(雰囲気温度)の影響を受けて検出精度が低下してしまう。検出精度の低下には、温度センサ72によって検出した外気温度と補正用のテーブルデータ(マップ)とを用いて、温度センサ66によって検出した温度を補正することによって対応すればよい。また、上述の実施形態では、温度センサ68をカソード出口13内に配置し、温度センサ70をラジエータ出口46a内に配置する場合について説明したが、温度センサ68および70の位置はこれに限定されない。たとえば、温度センサ68をカソード出口13の外周面に配置し、温度センサ70をラジエータ出口46aの外周面に配置してもよい。この場合、温度センサ66を燃料電池12の外周面に配置する場合と同様に、外気温度とテーブルデータとを用いて検出した温度を補正すればよい。
また、上述の実施形態では、温度検出手段として温度センサ66,68および70を設け、それぞれが検出した温度とそれぞれに対応して設定される所定値とを比較する場合について説明したが、これに限定されない。たとえば、温度センサ70が検出した温度と第2所定値との比較結果のみによって、冷却ファン48を駆動させずともよいか否かを判断してもよい。また、燃料電池システム10の温度を検出する温度検出手段の位置についても温度センサ66,68および70の位置に限定されないが、燃料電池12からの排気の流路に温度検出手段を設けることが好ましい。
また、図9に示す動作例において、水ポンプ44内の液量の上限値と下限値とを等しくしてもよい。さらに、検出した温度と所定値とを比較する順番は、図9に示す動作例に限定されず、任意に設定できる。たとえば、燃料電池12、カソード出口13およびラジエータ出口46aの温度を同時に検出しそれぞれに対応する所定値と比較してもよい。
また、水タンク44内の液量の検出手段は、水タンク44内の水位に基づいて検出するものに限定されず、その他の任意の手段を適用できる。
さらに、上述の実施形態では、アルコール系燃料の一例としてメタノールを用い、アルコール系燃料水溶液であるメタノール水溶液を用いる場合について説明したが、これに限定されない。たとえば、アルコール系燃料の他の例であるエタノール等を用い、アルコール系燃料水溶液としてエタノール水溶液等を用いてもよい。
燃料電池システム10は自動二輪車だけではなく、自動車、船舶等の任意の輸送機器にも好適に用いることができる。
この発明は、水素ガスを燃料として燃料電池に供給する水素型の燃料電池システムや改質器搭載タイプの燃料電池システムにも適用できる。また、この発明は、小型の据え付けタイプの燃料電池システムにも適用できる。
この発明に係る燃料電池システムの要部を示す図解図である。 自動二輪車のフレームに燃料電池システムを搭載した状態を示す斜視図である。 燃料電池システムの要部を示す図解図である。 燃料電池システムの電気的構成を示すブロック図である。 水タンクおよびその近傍を示す側面図である。 水タンクおよびその近傍を示す断面図解図である。 水タンクおよびその近傍を示す背面図である。 この発明に係る燃料電池システムの起動時の主要動作の一例を示すフロー図である。 この発明に係る燃料電池システムの運転時の主要動作の一例を示すフロー図である。 運転時に実行される第1モードの動作を示すフロー図である。 運転時に実行される第2モードの動作を示すフロー図である。
符号の説明
10 燃料電池システム
12 燃料電池
15,22,54 水位センサ
28,46 ラジエータ
32,48 冷却ファン
44 水タンク
66,68,70,72 温度センサ
74 制御回路
76 CPU
200 車体フレーム
202 モータ

Claims (13)

  1. 電気エネルギーを生成するための燃料電池システムであって、
    電気化学反応によって電気エネルギーを生成する燃料電池、
    前記燃料電池から排出される水分を含む排気を冷却するラジエータ、
    前記ラジエータを冷却する冷却ファン、
    前記ラジエータから排出される水分を収容する水タンク、
    前記水タンク内の液量を検出するために前記水タンクに設けられる検出手段、
    当該燃料電池システムの温度を検出する温度検出手段、ならびに
    前記検出手段によって検出された液量に応じて前記冷却ファンを駆動させる第1モードと前記冷却ファンを駆動しない第2モードとを含む複数の動作モードを有し、前記温度検出手段によって検出された温度に応じて前記冷却ファンを駆動させる制御手段を備える、燃料電池システム。
  2. 前記第1モードである場合に前記制御手段は、前記検出手段によって検出された液量が第1閾値未満のときに前記冷却ファンを駆動させ、前記検出手段によって検出された液量が第2閾値を超えたときに前記冷却ファンを停止させる、請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記温度検出手段は前記ラジエータの出口の温度を検出するラジエータ出口温度検出手段を含み、
    前記制御手段は前記ラジエータ出口温度検出手段によって検出された温度に応じて前記冷却ファンを駆動させる、請求項1または2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記温度検出手段は前記燃料電池の温度を検出する燃料電池温度検出手段を含み、
    前記制御手段は前記燃料電池温度検出手段によって検出された温度に応じて前記冷却ファンを駆動させる、請求項1から3のいずれかに記載の燃料電池システム。
  5. 前記温度検出手段は前記燃料電池のカソード出口の温度を検出するカソード出口温度検出手段を含み、
    前記制御手段は前記カソード出口温度検出手段によって検出された温度に応じて前記冷却ファンを駆動させる、請求項1から4のいずれかに記載の燃料電池システム。
  6. 電気エネルギーを生成するための燃料電池システムであって、
    電気化学反応によって電気エネルギーを生成する燃料電池、
    前記燃料電池から排出される水分を含む排気を冷却するラジエータ、
    前記ラジエータを冷却する冷却ファン、
    前記ラジエータから排出される水分を収容する水タンク、
    前記水タンク内の液量を検出するために前記水タンクに設けられる検出手段、
    当該燃料電池システムの温度を検出する温度検出手段、ならびに
    前記温度検出手段によって検出された温度と前記検出手段によって検出された液量とに応じて前記冷却ファンを制御する制御手段を備える、燃料電池システム。
  7. 前記燃料電池には燃料水溶液が供給される、請求項1から6のいずれかに記載の燃料電池システム。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載の燃料電池システムを用いた、輸送機器。
  9. 燃料電池から排出される水分を含む排気を冷却するラジエータと、前記ラジエータを冷却する冷却ファンと、前記ラジエータから排出される水分を収容する水タンクとを備える、燃料電池システムの制御方法において、
    前記水タンク内の液量に応じて前記冷却ファンを駆動させる第1モードと前記冷却ファンを駆動しない第2モードとを含む複数の動作モードを有し、当該燃料電池システムの温度に応じて前記冷却ファンを駆動させることを特徴とする、燃料電池システムの制御方法。
  10. 前記第1モードでは、前記水タンク内の液量が第1閾値未満のときに前記冷却ファンを駆動させ、前記水タンク内の液量が第2閾値を超えたときに前記冷却ファンを停止させる、請求項9に記載の燃料電池システムの制御方法。
  11. 前記ラジエータの出口の温度に応じて前記冷却ファンを駆動させる、請求項9または10に記載の燃料電池システムの制御方法。
  12. 前記燃料電池の温度に応じて前記冷却ファンを駆動させる、請求項9から11のいずれかに記載の燃料電池システムの制御方法。
  13. 前記燃料電池のカソード出口の温度に応じて前記冷却ファンを駆動させる、請求項9から12のいずれかに記載の燃料電池システムの制御方法。
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