JP2006085059A - フラッシュ定着装置 - Google Patents

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【課題】 フラッシュランプの長寿命化を図りつつ、記録媒体に転写されたトナー像を画質の劣化を生じさせることなく定着性を向上させるフラッシュ定着装置を得る。
【解決手段】 フラッシュ定着ユニット46の6本のフラッシュランプ48A〜48Fを、第1のフラッシュランプ群49A(48A,48C,48E)と第2のフラッシュランプ群91B(48B,48D,48F)に分け、フラッシュ発光をその2つのフラッシュランプ群に分割して行うと共に、その分割発光では、先に発光させる第1のフラッシュランプ群49Aの発光タイミングから1〜10ms遅らせて第2のフラッシュランプ群91Bを発光させる。
【選択図】 図2

Description

本発明はフラッシュ定着装置に係り、特に、記録媒体上に転写されたトナー像を、フラッシュランプから発せられたフラッシュ光を照射することで定着させるフラッシュ定着装置に関する。
電子写真方式で画像を形成する画像形成装置は、粉体のトナーにより形成したトナー像を記録媒体上に転写した後に、トナー像を転写した記録媒体(記録媒体上の粉体トナー)に熱エネルギーを加え、粉体トナーを溶融させることで記録媒体上にトナー像を定着させる構成となっている。トナー像定着のための熱エネルギーの供給にはヒートローラが用いられることが多いが、大量の画像を高速で形成可能な高能力の画像形成装置(例えばA4換算で1秒当り500枚程度の面積の記録媒体に画像を形成可能な画像形成装置)では、フラッシュランプを間欠点灯させ、点灯時にフラッシュランプから発せられるフラッシュ光を照射することで、粉体トナーを溶融させてトナー像を定着させるエネルギーを供給するフラッシュ定着方式が用いられている。フラッシュ定着方式は記録媒体に接触することなく高いエネルギーを供給できるため、記録媒体の搬送に影響を与えることがなく高速な画像形成に適している。
高能力の画像形成装置は帳票類の印刷が主な用途でモノクロが殆どであったが、帳票類の印刷であっても、例えば帳票類にヘッダー又はフッターとして付加する企業ロゴをカラーで印刷したい等、高能力の画像形成装置に対してもカラー化のニーズは徐々に高まってきている。電子写真方式でのカラー画像の形成はC,M,Y(及びK)各色のトナー像を重ね合わせることで実現できるが、これに伴って記録媒体に転写されるトナーの量(定着対象のトナーの量)が増大することになり、トナー像定着のためにより大きなエネルギーを供給する必要が生ずる。
フラッシュ定着方式において、供給エネルギーを増大させることは、記録媒体の搬送速度を低下させる(例えば搬送速度を1/2にすれば供給エネルギーは2倍になる)か、フラッシュランプの発光周期を短くする(例えば発光周期を1/2(発光周波数を2倍)にすれば供給エネルギーは2倍になる)ことで実現できる。しかしながら、記録媒体の搬送速度を低下させることは画像形成装置の処理能力の低下に繋がるので望ましくなく、フラッシュランプの発光周期を短くすることもフラッシュランプの短寿命化を招き、ランプ温度の上昇も大きくなってしまうという問題がある。また、フラッシュランプの数を増やせば、搬送速度を低下させたり発光周期を短くしたりすることなく供給エネルギーを増大させることができるが、大きなエネルギーをトナー像へ一気に供給すると、トナー組成分(例えばトナーに含有されている水分)が昇華(爆裂)することで、記録媒体上に形成される画像にボイドと呼ばれるドット抜け(白点)等の画質劣化が生ずることになる。
上記に関連して、トナー定着性の向上を図るために、単体又は複数本の放電灯を複数回発光させる(複数本の場合は同時発光を複数回行う)、また、その放電灯の発光間隔を1/1000〜1/20秒等とするトナー定着方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開昭63−269185号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、複数回発光させる単体又は複数本の放電灯の発光間隔が非常に短くされるため、上述したように、放電灯の短寿命化を招く問題がある。
本発明は上記事実を考慮して、フラッシュランプの長寿命化を図りつつ、記録媒体に転写されたトナー像を画質の劣化を生じさせることなく定着性を向上させることができるフラッシュ定着装置を提供することを課題とする。
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、記録媒体上に転写されたトナー像を定着させるためのフラッシュ光を発する複数のフラッシュランプを有し、前記複数のフラッシュランプによるフラッシュ発光を分割して行うと共にその分割発光における最初の発光タイミングから最後の発光タイミングまでの発光遅延時間を1〜10msにすることを特徴としている。
請求項1に記載の発明では、フラッシュ定着装置の複数のフラッシュランプによるフラッシュ発光を分割して行うことにより、トナー像が転写された記録媒体上に、フラッシュ光が複数回に分けて照射される。記録媒体上のトナー像を形成している各トナーは、複数のフラッシュランプのうち、先に発光したフラッシュランプからのフラッシュ光が照射されることで供給されたエネルギーにより温度が上昇した後に、後に発光したフラッシュランプからのフラッシュ光が照射されることで供給されたエネルギーにより温度が更に上昇することで溶融し、記録媒体上にトナー像として定着される。
このように、トナー像の定着(トナーの溶融)のためのエネルギーが、複数のフラッシュランプの分割発光によって複数回に分けて供給されるため、エネルギーを一気に供給する場合と比較して、トナー組成分の昇華によるドット抜け等の画質劣化が生じないように1回当りの供給エネルギーの大きさを調整することで、上記の画質劣化を生じさせることなく、記録媒体に転写されたトナー像を定着(トナーを溶融)させることができる。
さらに、この分割発光では、最初の発光タイミングから最後の発光タイミングまでの発光遅延時間を1〜10msにすることで、発光遅延時間を10msよりも大きくする場合に比べ、例えば汎用的な厚さの用紙に加えて厚手の用紙に対しても十分なトナー定着性を確保できるようになり、より多くの種類の記録媒体に対する画像形成に対応できるようになる。
また、この分割発光では、1回のトナー定着動作における各フラッシュランプの発光は、それぞれ1回であるため、各フラッシュランプの発光周期を長く(発光周波数を低く)することができ、フラッシュランプの長寿命化を図ることができる。
請求項2に記載の発明は、記録媒体上に転写されたトナー像を定着させるためのフラッシュ光を発する複数のフラッシュランプを有し、前記複数のフラッシュランプによるフラッシュ発光を分割して行うと共にその分割発光における最初の発光強度を最後の発光強度よりも小さくすることを特徴としている。
請求項2に記載の発明では、複数のフラッシュランプを有するフラッシュ定着装置によるフラッシュ光の分割発光において、最初の発光強度を最後の発光強度よりも小さくする方が、例えば同じ発光強度で複数回発光させるよりも、画質劣化を生じさせることなく、記録媒体に転写されたトナー像をより良好に定着させることができる。また、この分割発光でも、1回のトナー定着動作における各フラッシュランプの発光は、それぞれ1回であるため、各フラッシュランプの発光周期を長くすることができ、フラッシュランプの長寿命化を図ることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2記載のフラッシュ定着装置において、前記分割発光における最初の発光タイミングから最後の発光タイミングまでの発光遅延時間を、前記フラッシュランプの発光強度に対する半値幅の発光時間の4倍以下にすることを特徴としている。
請求項3に記載の発明では、フラッシュ光の分割発光において最初の発光強度を最後の発光強度よりも小さくする場合には、分割発光における最初の発光タイミングから最後の発光タイミングまでの発光遅延時間を、フラッシュランプの発光強度に対する半値幅の発光時間の4倍よりも大きくすると、発光間隔が長くなりすぎて光照射領域の温度降下を招いてしまい、光照射効率(トナー加熱効率)が低下する。したがって、その発光遅延時間を、フラッシュランプの発光強度に対する半値幅の発光時間の4倍以下にすることにより、最初の発光でのエネルギー損失を抑えることができ、光照射効率を高めることができる。
本発明のフラッシュ定着装置は上記構成としたので、フラッシュランプの長寿命化を図りつつ、記録媒体に転写されたトナー像を画質の劣化を生じさせることなく定着性を向上させることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1には本実施形態に係るカラー画像形成装置10が示されている。カラー画像形成装置10は、切断連続用紙から成る記録媒体12にカラー画像を形成する装置であり、カラー画像形成装置10の機体内へ挿入された記録媒体12は巻掛ローラ14,16に巻き掛けられ、機体内を横切るように形成された搬送路を一定速度で搬送される。記録媒体12の搬送路の下方側には、C(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー),K(ブラック)各色のトナー像を形成する画像形成部18A,18B,18C,18Dが前記搬送路に沿って略等間隔で配置されている。
画像形成部18A〜18Dは形成するトナー像の色以外は同一の構成であり、軸線が記録媒体12の搬送方向と直交するように配置された感光体ドラム20を備え、感光体ドラム20の周囲には、感光体ドラム20を帯電させるための帯電器22、帯電された感光体ドラム20上にLED光を照射して静電潜像を形成する露光装置24、感光体ドラム20上の静電潜像形成部位に所定色のトナーを供給して静電潜像を現像することで感光体ドラム20上に所定色のトナー像を形成させる現像器26、記録媒体12の搬送路を挟んで感光体ドラム20と対向配置された転写器28、感光体ドラム20を除電する除電器30、感光体ドラム20上の残留トナーを除去するためのクリーナブレード32及びクリーナブラシ34が各々配置されて構成されている。
画像形成部18A〜18Dは、帯電器22、露光装置24及び現像器26により感光体ドラム20の周面上に互いに異なる色のトナー像を形成した後に、形成したトナー像を転写器28によって記録媒体12に転写する。各画像形成部18A〜18Dにおける帯電・露光(静電潜像形成)・現像(トナー像形成)・転写の一連のプロセスは、各画像形成部18A〜18Dで形成したトナー像が記録媒体12上で互いに重なり合うように実行タイミングが制御される。これにより、記録媒体12上にフルカラーのトナー像が形成されることになる。
また、記録媒体12の搬送路は、画像形成部18A〜18Dの配設位置の下流側で巻掛ローラ38、40によって搬送方向が反転され、巻掛ローラ40と後段の巻掛ローラ42の間の区間では、記録媒体12は水平に近い角度で斜め下方へ搬送される。巻掛ローラ40,42の間の区間の搬送路の上方にはフラッシュ定着ユニット46が配設されている。
図2にも示すように、フラッシュ定着ユニット46は、記録媒体12に転写されたトナー像を定着させる(トナーを溶融させる)エネルギーを供給するためのフラッシュ光を発する6本のフラッシュランプ48A〜48Fを備えている。各フラッシュランプ48は、長手方向が記録媒体12の幅方向(記録媒体12の搬送方向に直交する方向)に沿うように向けられ、記録媒体12の搬送方向に沿って一定間隔で配置されている。また、記録媒体12の搬送路側から見てフラッシュランプ48の背面側には、6本のフラッシュランプ48の背面側を包囲すると共に前面側(搬送路側)に開口が形成された形状とされ、フラッシュランプ48から背面側へ射出されたフラッシュ光を搬送路側へ反射する反射板50が設けられている。
本実施形態では、6本のフラッシュランプ48A〜48Fのうち、記録媒体12の搬送方向に沿って1つおきに配置されたフラッシュランプ48A,48C,48Eを1つのグループと見なすと共に、同じく1つおきに配置されたフラッシュランプ48B,48D,48Fを1つのグループと見なし(以下、フラッシュランプ48A,48C,48Eを「第1のフラッシュランプ群49A」、フラッシュランプ48B,48D,48Fを「第2のフラッシュランプ群49B」と称する)、各グループ毎にフラッシュランプを点灯させるが(詳細は後述)、反射板50は、第1のフラッシュランプ群49Aの各フラッシュランプ48が点灯されたときにも、第2のフラッシュランプ群49Bの各フラッシュランプ48が点灯されたときにも、記録媒体12に照射されるフラッシュ光が照射範囲の略全面に亘って略均一な光量(=エネルギー)になるように形状等が調整されている。
また、フラッシュランプ48の前面側(搬送路側)にはカバーガラス52が配置されている。カバーガラス52は反射板50の開口を閉止するように設けられており、このカバーガラス52によってフラッシュ定着ユニット46内部への塵埃等の侵入が阻止される。
フラッシュ定着ユニット46の個々のフラッシュランプ48は、図3に示すように両端が電源回路58に接続されている。すなわち、フラッシュランプ48の一端は電源端子64Bに接続され、ランプ48の他端はチョークコイル60の一端に接続されている。チョークコイル60の他端は電源端子64Aとコンデンサ62の一端に各々接続されており、コンデンサ62の他端は電源端子64Bに接続されている。電源端子64A,64Bには例えば商用交流電圧が整流されて昇圧されることで生成された直流電圧Vsが供給され、コンデンサ62は直流電圧Vsによって充電され、フラッシュランプ48の発光時に蓄積している静電エネルギーをフラッシュランプ48に供給する。
また、フラッシュランプ48のトリガ電極はトリガ回路66に接続されている。トリガ回路66はトランス68を備えており、フラッシュランプ48のトリガ電極は一端が接地されたトランス68の2次側コイル68Bの他端に接続されている。また、トランス68の1次側コイル68Aの一端は、抵抗70の一端及びコンデンサ72の一端に接続されており、抵抗70の他端は電源端子74Aに接続されている。1次側コイル68Aの他端はサイリスタ76の一端に接続されており、サイリスタ76の他端はコンデンサ72の他端及び電源端子74Bに接続されている。コンデンサ72は電源端子74A,74Bを介して供給される直流電圧Egによって充電され、サイリスタ76が導通状態になると、蓄積している静電エネルギーをトランス68を介してフラッシュランプ48のトリガ電極に供給することで、フラッシュランプ48を発光させる。
また、サイリスタ76のゲートはトランジスタ78のコレクタに接続されている。トランジスタ78のコレクタは抵抗80を介して給電線に接続されており、エミッタは接地されている。また、トランジスタ78のベースは、一端が接地された抵抗82の他端に接続されていると共に、抵抗84を介して制御信号入力端86に接続されている。そして、制御信号入力端86は、マイクロコンピュータ等を含んで構成された点灯制御回路88に接続されている。点灯制御回路88は制御信号入力端86を介し、フラッシュランプ48を消灯させている期間はハイレベル、フラッシュランプ48を点灯させる際はローレベルに切り替わる制御信号をトリガ回路66に供給する。制御信号がローレベルとなっている間は、トランジスタ78がオフすることでサイリスタ76が導通し、コンデンサ72に蓄積されていた静電エネルギーがトランス68を介してフラッシュランプ48のトリガ電極に供給されることで、フラッシュランプ48が発光される。
なお、フラッシュ定着ユニット46の6本のフラッシュランプ48には、上記の電源回路58及びトリガ回路66が各々接続されており、個々のフラッシュランプ48に接続されたトリガ回路66は点灯制御回路88に各々接続されている。点灯制御回路88は6本のフラッシュランプ48の点消灯を各々制御する。
一方、巻掛ローラ42の後段には巻掛ローラ56,58が順に配置されており、フラッシュ定着ユニット46からのフラッシュ光が照射されることでトナー像が定着された記録媒体12は、巻掛ローラ56,58に案内されてカラー画像形成装置10の機体外へ排出される。なお、本実施形態に係るカラー画像形成装置10は記録媒体12の片面にのみカラー画像を記録する構成であるが、本実施形態に係るカラー画像形成装置10を2台用意すると共に、記録媒体12の表裏を反転する反転器を用意し、1台目のカラー画像形成装置10によって一方の面にのみカラー画像が記録されて排出された記録媒体12が、反転器によって表裏反転された後に2台目のカラー画像形成装置10の機体内に送り込まれるように、2台のカラー画像形成装置10及び反転器を配置すれば、記録媒体12の両面にカラー画像を記録することも可能である。
次に本第1実施形態の作用を説明する。カラー画像形成装置10で記録媒体12への画像の記録が開始されると、点灯制御回路88は、1回のトナー定着動作でフラッシュ定着ユニット46の6本のフラッシュランプ48A〜48Fによるフラッシュ発光を、第1のフラッシュランプ群49Aと第2のフラッシュランプ群49Bに2分割し、その分割発光で、第1のフラッシュランプ群49Aが先に所定の発光タイミングで発光すると共に、第2のフラッシュランプ群49Bが、第1のフラッシュランプ群49Aの発光タイミングに対して1〜10msだけ遅れたタイミングで発光するように、各フラッシュランプ48に接続されたトリガ回路66へ制御信号を出力する。
このように、フラッシュ定着ユニット46によるフラッシュ発光を(総発光量×1/2)×2回の発光で行う分割発光では、図4に示すボイド限界特性(トナー付着量と入力エネルギーの関係)のグラフから分かるように、発光遅延時間を2ms、5ms、10msに設定してそれぞれ分割発光を行った場合、発光遅延時間が長くするほど、ボイド発生の限界線が高エネルギー側にシフトし、ボイドの発生しない領域が広がっていく。
一方、図5に示す用紙−トナー層界面の温度(遅延時間との関係)のグラフから分かるように、汎用的な米坪64g/m2紙と厚手の米坪157g/m2紙に対してそれぞれ発光遅延時間を変えて分割発光を行った場合には、これら厚さの異なる2種類の用紙では、発光遅延時間が10msを越えると、汎用的な薄手の用紙に対して厚手の用紙の方が用紙−トナー層界面の温度低下が大きくなり、用紙−トナー層界面の温度に差を生じる。つまり、分割発光を行う場合、発光遅延時間が10msを越えると、用紙の厚さ(坪量)が異なると同等のトナー定着性を確保できなくなり、特に厚手の用紙に対して、十分なトナー定着性を確保できなくなる恐れがある。
したがって、ボイドの発生を抑え、且つ、汎用的な厚さの用紙に加えて厚手の用紙に対しても十分なトナー定着性を確保できる発光遅延時間は10ms以下となり、上記のように、発光遅延時間を1〜10msに設定して行う分割発光であればその条件を満たすことができる。
発光遅延時間を上記の設定にしてフラッシュ定着ユニット46によるフラッシュ発光を第1のフラッシュランプ群49Aと第2のフラッシュランプ群49Bとに分割発光することにより、記録媒体12上の各部分に対し、2回に分けてフラッシュ光が照射されることになる。
記録媒体12上のトナー像はC,M,Y,K各色のトナー像が重ね合わされたカラートナー像であり、単色のトナー像と比較してトナー像を形成するトナーの量が多量であるので、トナーの全量を溶融させるにはより大きなエネルギーを必要とするが、上記のように、第1のフラッシュランプ群49Aと第2のフラッシュランプ群49Bを適切なタイミングで順次発光させることにより、トナー像を形成するトナーはトナー溶融温度を若干越える温度に比較的長期間維持されるので、記録媒体12上のトナー像(カラートナー像)を確実に定着させることができる。また、フラッシュ光を1回のみ照射させることでトナーを溶融させる場合に比べ、トナー温度の過度な上昇を抑制できる(トナー溶融温度を大きく越える温度迄上昇することを防止できる)ので、記録媒体12に転写されたトナー像をドット抜け(白点)等の画質の劣化を生じさせることなく定着させることができる。
また、本実施形態では記録媒体12の搬送方向に沿って1つおきに配置された3本のフラッシュランプ48から成る第1のフラッシュランプ群49Aを同時に発光させると共に、同じく1つおきに配置された3本のフラッシュランプ48から成る第2のフラッシュランプ群49Bを同時に発光させるので、第1のフラッシュランプ群49A及び第2のフラッシュランプ群49Bの各1回の発光により記録媒体12上のより広い範囲にフラッシュ光を照射させることができる。また、1回のトナー定着動作における各フラッシュランプ群の発光は、それぞれ1回であるため、各フラッシュランプ群の発光周期を長く(発光周波数を低く)することができ、フラッシュランプ48の長寿命化を図ることができる。
〔第2実施形態〕
次に本発明の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付して説明を省略し、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図6に示すように、本第2実施形態に係るフラッシュ定着ユニット90は、8本のフラッシュランプ48A〜48Hを備えている。本実施形態では、8本のフラッシュランプ48A〜48Hのうち、記録媒体12の搬送方向の上流側から1番目と3番目に配置された2本のフラッシュランプ48A,48Cを1つのグループと見なし、同じく5番目と7番目に配置された2本のフラッシュランプ48E,48Gを1つのグループと見なすと共に、同じく2,4,6,8番目に配置された4本のフラッシュランプ48B,48D,48F,48Hを1つのグループと見なし(以下、フラッシュランプ48A,48Cを「第1のフラッシュランプ群91A」、フラッシュランプ48E,48Gを「第2のフラッシュランプ群91B」、フラッシュランプ48B,48D,48F,48Hを「第3のフラッシュランプ群91C」と称する)、第1の実施形態で説明した点灯制御回路88により各グループ毎にフラッシュランプを点灯させる。
本実施形態では、1回のトナー定着動作でフラッシュ定着ユニット90の8本のフラッシュランプ48A〜48Hによるフラッシュ発光を第1のフラッシュランプ群91A、第2のフラッシュランプ群91B、及び第3のフラッシュランプ群91Cに3分割して行うが、その分割発光で、点灯制御回路88は、最初に第1のフラッシュランプ群91Aが所定の発光タイミングで発光し、次に第2のフラッシュランプ群91Bが第1のフラッシュランプ群91Aの発光タイミングに対して1msだけ遅れたタイミングで発光し、最後に第3のフラッシュランプ群91Cが第2のフラッシュランプ群91Bの発光タイミングに対して1msだけ遅れたタイミングで発光するように、各フラッシュランプ48に接続されたトリガ回路66へ制御信号を出力する。
このように、フラッシュ定着ユニット90の8本のフラッシュランプ48A〜48Hを2,2,4本にグループ化し、1msの間隔で各グループを1回ずつ発光する本実施形態の分割発光では((総発光量×1/4)×2回+(総発光量×1/2)×1回の分割発光)、図7に示すトナー表面/用紙−トナー層界面/用紙下面の温度特性のグラフから分かるように、トナー表面と用紙−トナー層界面の温度が急激には上昇しない。これに対し、図8に示すように、8本のフラッシュランプ48A〜48Hを4本ずつ2msの間隔で発光した場合には、トナー表面と用紙−トナー層界面の温度の立ち上がりが急峻になる。この結果、上記2種類の分割発光では、トナー表面の最高到達温度がほぼ同じであるにも関わらず、それらのボイド限界特性を示す図9に見られるように、ボイドの発生限界に大きな差が生じ、本実施形態の条件による分割発光の方がボイドの発生しない領域が広くなっている。したがって、この図9から、最初の発光強度を最後の発光強度よりも小さくする方が、同じ発光強度で複数回発光させるよりもボイドの発生しない領域が広くなることが分かる。
図10は、上記2種類の分割発光によるトナー定着限界特性を示したものであるが、本実施形態の条件による分割発光では、温度上昇に必要な熱エネルギーを効率的に与えることができるため、トナーの定着限界領域が広がっていることが分かる。したがって、本実施形態の条件による分割発光はトナー定着性に対しても有利である。
また、図11に、本実施形態で使用したフラッシュランプ48の発光特性(経過時間−発光強度)を示す。本実施形態のフラッシュランプ48は、図11に示すように、発光強度(ピーク)に対する発光時間の半値幅が約1msであり、図12に、このフラッシュランプ48の発光強度に対する発光時間の半値幅の約4倍にあたる4msの間隔で、2,2,4本でグループ化した各フラッシュランプ群を分割発光させた場合のトナー表面及び用紙−トナー層界面の温度特性を示す。この図12から分かるように、発光間隔を4msにすると(最初の発光タイミングから最後の発光タイミングまでの発光遅延時間としては8ms)、発光間隔が長くなりすぎて温度降下を招くため、光照射効率(加熱効率)が悪化する。
したがって、複数本のフラッシュランプによるフラッシュ発光を分割して行うことにより、ボイドの発生を抑えつつ、トナー定着性を向上させるには、その分割発光における最初の発光強度を最後の発光強度よりも小さくすることが望ましく、本実施形態のように、最初に発光させるフラッシュランプ48の本数を最後に発光させる本数の1/2にすることで、最初の発光強度を最後の発光強度の1/2に抑えた分割発光であればその条件を満たすことができる。
また、上記の条件の元に行う分割発光において、トナーを定着させるために発するフラッシュ光の光照射効率を高めるには、分割発光における最初の発光タイミングから最後の発光タイミングまでの発光遅延時間を、フラッシュランプ48の発光強度に対する半値幅(1ms)の発光時間の4倍(4ms)以下にすることが望ましく(図7参照)、本実施形態のように、分割発光における最初の発光タイミングから最後の発光タイミングまでの発光遅延時間を2msに設定して行う分割発光であればその条件を満たすことができる。
以上により、発光遅延時間を1〜2ms程度といった短時間に設定して行う分割発光でも、最初の発光強度を最後の発光強度よりも小さくすることで、記録媒体に転写されたトナー像を画質の劣化を生じさせることなく定着性を向上させることができる。さらに、最初の発光でのエネルギー損失が少なくされるため、エネルギー効率(光照射効率)を高めることができる。
また、本実施形態の場合も、第1の実施形態と同じく、1回のトナー定着動作における各フラッシュランプ群の発光は、それぞれ1回であるため、各フラッシュランプ群の発光周期を長くすることができ、フラッシュランプ48の長寿命化を図ることができる。
以上、本発明を上述した第1及び第2の実施形態により詳細に説明したが、本発明はそれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の形態が実施可能である。
例えば、第2の実施形態では、フラッシュ定着ユニットによるフラッシュ光の分割発光において、最初と最後の発光強度を変更するために、発光させるフラッシュランプの本数を変えているが、このフラッシュ光の発光強度の変更は、各フラッシュランプの印加電圧を変える(例えば、最初に発光させるフラッシュランプの印加電圧を最後に発光させるフラッシュランプの印加電圧よりも小さくする)ことにより行うようにしてもよい。また、第2の実施形態では、フラッシュ光の分割発光において、最初の発光強度を最後の発光強度の1/2(50%)に設定しているが、最後の発光強度よりも小さくする最初の発光強度はこの値に限定されない。
また、フラッシュ光の分割数については、第1の実施形態で説明した2分割、及び、第2の実施形態で説明した3分割に限らず、第1の実施形態であれば2分割以上としてもよく、また、第2の実施形態であれば2分割又は4分割以上としてもよい。
本実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。 第1実施形態に係るフラッシュ定着ユニットの概略図である。 フラッシュランプ駆動系の概略構成図である。 第1実施形態に係るフラッシュ定着ユニットによる分割発光で発光遅延時間を変化させた場合の入力エネルギーに対するトナー付着量の比較から見たボイド限界特性を示すグラフ図である。 異なる厚さの用紙で分割発光の発光遅延時間を変化させた場合の用紙−トナー層界面の温度の比較を示すグラフ図である。 第2実施形態に係るフラッシュ定着ユニットの概略図である。 第2実施形態に係るフラッシュ定着ユニットにより所定の条件で分割発光をおこなった場合のトナー表面/用紙−トナー層界面/用紙下面の温度特性の比較を示すグラフ図である。 第2実施形態に係るフラッシュ定着ユニットにより図7とは異なる条件で分割発光をおこなった場合のトナー表面/用紙−トナー層界面/用紙下面の温度特性の比較を示すグラフ図である。 図7に対応する条件の分割発光と図8に対応する条件の分割発光での入力エネルギーに対するトナー付着量の比較から見たボイド限界特性を示すグラフ図である。 図7に対応する条件の分割発光と図8に対応する条件の分割発光での入力エネルギーに対するトナー付着量の比較から見た定着限界特性を示すグラフ図である。 本実施形態に係るフラッシュランプの発光特性(経過時間−発光強度)を示すグラフ図である。 第2実施形態に係るフラッシュ定着ユニットにより、フラッシュランプの発光強度に対する発光時間の半値幅の約4倍の発光遅延時間で分割発光をおこなった場合のトナー表面/用紙−トナー層界面/用紙下面の温度特性の比較を示すグラフ図である。
符号の説明
10 カラー画像形成装置
12 記録媒体
46 フラッシュ定着ユニット(フラッシュ定着装置)
48 フラッシュランプ
49 フラッシュランプ群
90 フラッシュ定着ユニット
91 フラッシュランプ群

Claims (3)

  1. 記録媒体上に転写されたトナー像を定着させるためのフラッシュ光を発する複数のフラッシュランプを有し、
    前記複数のフラッシュランプによるフラッシュ発光を分割して行うと共にその分割発光における最初の発光タイミングから最後の発光タイミングまでの発光遅延時間を1〜10msにすることを特徴とするフラッシュ定着装置。
  2. 記録媒体上に転写されたトナー像を定着させるためのフラッシュ光を発する複数のフラッシュランプを有し、
    前記複数のフラッシュランプによるフラッシュ発光を分割して行うと共にその分割発光における最初の発光強度を最後の発光強度よりも小さくすることを特徴とするフラッシュ定着装置。
  3. 前記分割発光における最初の発光タイミングから最後の発光タイミングまでの発光遅延時間を、前記フラッシュランプの発光強度に対する半値幅の発光時間の4倍以下にすることを特徴とする請求項2記載のフラッシュ定着装置。
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