JP2006084721A - 無端ベルト及びその製造方法、ベルト状感光体及びその製造方法、並びに画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 無端ベルトを回転させるためのロールとの間に発生する滑りを十分に防止でき且つ長寿命化を実現できる無端ベルト及びベルト状感光体、並びに、無端ベルト及びベルト状感光体の製造方法、並びに画像形成装置及び画像形成方法を提供すること。
【解決手段】 本発明の無端ベルト10は、ベルト状の基体1と、樹脂及び前記樹脂に分散されているゴム粒子を含有し、基体1の内面上に設けられる摩擦層2を備える。この場合、無端ベルト10を複数のロールに張架して回転させて使用した場合、ロールの径が小さくても、駆動ロールと無端ベルト10の内面との間の滑りを十分に防止できる。また無端ベルト10の内面全体をゴム等の弾性体でコーティングした場合と比較し、ロールとの接触による摩擦層2の耐磨耗性が十分に向上する。
【選択図】 図1
【解決手段】 本発明の無端ベルト10は、ベルト状の基体1と、樹脂及び前記樹脂に分散されているゴム粒子を含有し、基体1の内面上に設けられる摩擦層2を備える。この場合、無端ベルト10を複数のロールに張架して回転させて使用した場合、ロールの径が小さくても、駆動ロールと無端ベルト10の内面との間の滑りを十分に防止できる。また無端ベルト10の内面全体をゴム等の弾性体でコーティングした場合と比較し、ロールとの接触による摩擦層2の耐磨耗性が十分に向上する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、無端ベルト及びその製造方法、ベルト状感光体及びその製造方法、並びに画像形成装置及び画像形成方法に関する。
画像形成装置の高性能化及び小型化のために、感光体、帯電体、転写体、及び定着体等として、肉厚が薄く且つ変形可能なプラスチック製フィルムからなるベルトが用いられる場合がある。その場合、ベルトに継ぎ目があると、出力画像に継ぎ目の跡が生じるので、継ぎ目がない無端ベルトが使用される。
この場合、無端ベルトは、複数のロールに張架されて回転するが、画像形成装置の小型化のためにロール径を小さくすると、駆動ロールと無端ベルト内面との摩擦力が不足し、無端ベルトが滑り、駆動ロールが空回りする。その結果、画像が所定の位置に形成されず、十分に高品質な画像が得られない場合がある。
このため、無端ベルトを用いた画像形成装置において、画像を高品質に保つためには、無端ベルトとロール間の滑りを十分に防止することが必要である。
従来、ベルト状電子写真感光体とこれを回転させるためのロールとの間に発生する滑りを防止するために、ベルト状電子写真感光体の基体の内面に、天然ゴム、合成ゴム、エラストマ等の弾性体材料からなるズレ防止層を設けることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−311471号公報
しかしながら、上記特許文献1のベルト状電子写真感光体では、ベルト状電子写真感光体とロールとの間の滑りを十分に防止することができるものの、ズレ防止層の耐磨耗性が決して十分ではなく、ベルトの寿命が短くなり、交換頻度が多くなるおそれがある。
そこで、本発明は、無端ベルトとこれを回転させるためのロールとの間に発生する滑りを十分に防止でき且つ長寿命化を実現できる無端ベルト及びベルト状感光体、並びに、無端ベルト及びベルト状感光体の製造方法、並びに画像形成装置及び画像形成方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、無端ベルトの内面に配置する摩擦層において樹脂中にゴム粒子を分散させることで、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明の無端ベルトにおいては、ベルト状の基体と、樹脂及び前記樹脂に分散されているゴム粒子を含有し、前記基体の内面上に設けられる摩擦層とを備えることを特徴とする。
本発明の無端ベルトは、ベルト状の基体の内面上に摩擦層が設けられており、この摩擦層においては樹脂中にゴム粒子が分散されている。つまり、摩擦層の一部がゴム粒子で構成されている。この無端ベルトを複数のロールに張架して回転させて使用した場合、ロールの径が小さくても、無端ベルトを回転させるための駆動ロールとこの駆動ロールが接する無端ベルトの内面は、無端ベルトの摩擦層中に分散しているゴム粒子によって摩擦抵抗が大きくなっている。このため、駆動ロールと無端ベルトの内面との間の滑りを十分に防止することができる。
また、摩擦層は、ゴム粒子のみならずポリイミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂も含有している。摩擦層全体がゴム材料のみで構成される場合に比べて、機械的には脆いゴム粒子の割合が低くなっている。また、ポリイミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂は磨耗に対する耐性が高い。このため、無端ベルトの内面全体をゴム等の弾性体でコーティングした場合と比較し、ロールとの接触による摩擦層の耐磨耗性が十分に向上し、無端ベルトの長寿命化が実現される。
さらに本発明は、ベルト状の基体と、前記基体の内面上に設けられ、樹脂及び前記樹脂に分散されているゴム粒子を含有する摩擦層とを備える無端ベルトの製造方法であって、帯状の外周面を有する芯体の前記外周面上に、前記ゴム粒子を含む摩擦層形成用塗布液を塗布し乾燥させ、塗膜を得る第1工程と、前記塗膜上に前記基体を形成する第2工程と、前記第1工程及び前記第2工程を経て前記芯体上に得られる前記無端ベルトを前記芯体から分離させる第3工程と、を含むことを特徴とする。
この無端ベルトの製造方法によれば、芯体の外周面上に順次、摩擦層及び基体が形成されるため、ベルト状の基体を製造し、このベルト状の基体の内面に摩擦層を後からコーティングする無端ベルトの製造方法と比較すると、上記無端ベルトを容易に得ることができ、また、層厚が均一な摩擦層を形成することができる。
また、上記無端ベルトの製造方法において、前記第2工程において、前記基体が、基体形成用塗布液を前記塗膜上に塗布し加熱することにより形成され、前記摩擦層形成用塗布液及び前記基体形成用塗布液の少なくとも一方が前記樹脂の前駆体を含み、前記第2工程において、前記塗膜及び前記基体形成用塗布液が、前記樹脂の前駆体を前記樹脂にする温度で加熱されればよい。
ここで、摩擦層形成用塗布液及び基体形成用塗布液のいずれもが前記樹脂の前駆体を含む場合は、前記第2工程において、前記摩擦層形成用塗布液及び前記基体形成用塗布液を、前記前駆体を前記樹脂にする温度で加熱することが好ましい。
この場合、前記摩擦層形成用塗布液に含まれる樹脂の前駆体と、前記基体形成用塗布液に含まれる樹脂の前駆体とが、加熱により反応しながら樹脂となる。このため、摩擦層と基体との密着性が向上した無端ベルトを製造することができる。
本発明のベルト状感光体は、上記無端ベルトと、前記無端ベルトの前記基体の外側に設けられる感光層とを備えることを特徴とする。
本発明のベルト状感光体においては、ベルト状の基体の内面上に摩擦層が設けられており、この摩擦層には樹脂に保持されてゴム粒子が分散されている。つまり、摩擦層の一部がゴム粒子で構成されている。このベルト状感光体を複数のロールに張架して回転させて使用した場合、ロールの径が小さくても、ベルト状感光体を回転させるための駆動ロールとこの駆動ロールが接するベルト状感光体の内面との間においては、ベルト状感光体の内面に設けられる摩擦層中に分散しているゴム粒子によって摩擦抵抗が大きくなっている。このため、駆動ロールと無端ベルトの内面との間の滑りを十分に防止することができる。
また、摩擦層は、ゴム粒子のみならずポリイミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂も含有している。摩擦層全体がゴム材料のみで構成される場合に比べて、機械的には脆いゴム粒子の割合が低くなっている。また、ポリイミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂は磨耗に対する耐性が高い。このため、無端ベルトの内面全体をゴム等の弾性体でコーティングした場合と比較し、摩擦層の耐磨耗性が十分に向上し、ベルト状感光体の長寿命化を実現される。
上記ベルト状感光体は、前記無端ベルトにおける前記基体と前記感光層との間に、導電性超微粒子を融解させてなる導電層を更に備えることが好ましい。この場合、基体と導電層との密着性、及び基体と感光層との密着性が向上する。
本発明のベルト状感光体においては、感光層に電荷輸送性高分子が含有されていることが好ましい。この場合、クラックや剥がれに対する耐性が向上する。
この電荷輸送性高分子は、ポリエステル樹脂及びポリカーボネート樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。ポリエステル樹脂及びポリカーボネート樹脂はポリエーテルやポリウレタンなどの電荷輸送性高分子と比較し、強度と電荷輸送性の点でより優れている。
また本発明は、ベルト状の基体と、前記基体の内面上に設けられ、樹脂及び前記樹脂に分散されているゴム粒子を含有する摩擦層と、前記基体の外面上に設けられる感光層と、を備えるベルト状感光体の製造方法であって、帯状の外周面を有する芯体の前記外周面上に、前記ゴム粒子を含む摩擦層形成用塗布液を塗布し乾燥させ、塗膜を得る第1工程と、前記塗膜上に基体を形成する第2工程と、前記感光層を形成する第3工程と、を含むことを特徴とする。更に本発明は、ベルト状の基体と、前記基体の内面上に設けられ、樹脂及び前記樹脂に分散されているゴム粒子を含有する摩擦層と、前記基体の外面上に設けられる感光層と、を備えるベルト状感光体の製造方法であって、帯状の外周面を有する芯体の前記外周面上に、前記ゴム粒子を含む摩擦層形成用塗布液を塗布し乾燥させ、第1塗膜を得る第1工程と、前記第1塗膜上に基体形成用塗布液を塗布し加熱して第2塗膜を得る第2工程と、前記感光層を形成する第3工程と、を含むことを特徴とする。
これらのベルト状感光体の製造方法によれば、芯体の外周面上に順次、摩擦層、基体及び感光層が形成されるため、ベルト状の基体を製造し、このベルト状の基体の内面に摩擦層を後からコーティングし基体の外面に感光層が形成されるベルト状感光体の製造方法と比較すると、上記ベルト状感光体を容易に得ることができ、また、層厚が均一な摩擦層を形成することができる。
上記ベルト状感光体の製造方法においては、前記第2工程と前記第3工程との間に、前記第2塗膜上に、導電性超微粒子を含む導電層形成用塗布液を塗布し、前記導電性超微粒子の融点以上の温度で加熱する第4工程を更に含むことが好ましい。
この場合、摩擦層、基体及び導電層の密着性を向上させることが可能となる。
特に、上記基体形成用塗布液が前記樹脂の前駆体を含む場合、導電層形成用塗布液を導電性超微粒子の融点以上の温度に加熱する場合に導電性超微粒子を取り込んだ状態で樹脂の前駆体が反応を起こすため、導電層と基体との密着性がより向上する。
また、本発明の画像形成装置は、感光体、前記感光体を帯電させる帯電体を有する帯電手段、帯電した前記感光体を露光して静電潜像を形成させる露光手段、前記静電潜像を現像してトナー像を形成させる現像手段、及び前記トナー像を前記感光体から被転写媒体に転写する転写体を有する転写手段を有する少なくとも1つの画像形成ユニットと、前記少なくとも1つの画像形成ユニットにより被転写媒体に形成された画像を定着させる定着体を有する定着手段とを備える画像形成装置において、帯電体、転写体、及び定着体の内、少なくとも1つが、上述した無端ベルトを有することを特徴とする。
この画像形成装置によれば、可動部材である帯電体、転写体、及び定着体の少なくとも1つに本発明の無端ベルトが用いられているため、駆動ロールとの間の滑りを十分に防止することができ、長期にわたり高品質な画像を形成することができる。また摩擦層の耐磨耗性が高いため、ベルト状感光体の長寿命化が実現される。
上記画像形成装置は、無端ベルトの内面に接触して設けられ、前記帯電体、前記転写体、及び前記定着体の内、少なくとも1つを回転させる複数のロールを更に備えており、前記複数のロールの少なくとも1つが、外径15mm以下のロールである場合に特に有効である。これは、複数のロールの少なくとも1つが、外径15mm以下のロールである場合に特にロールとベルト状感光体との間の滑りの問題が顕著に発生するためである。
また、本発明の画像形成装置は、感光体と、前記感光体に対して帯電、露光及び現像を行う少なくとも1つの画像形成ユニットと、前記少なくとも1つの画像形成ユニットにより形成された画像を定着させる定着体を有する定着手段と、を備える画像形成装置において、感光体が上記ベルト状感光体であることを特徴とする。
この画像形成装置では、可動部材である感光体に本発明のベルト状感光体が用いられている。このため、駆動ロールとの間の滑りを十分に防止することができ、長期にわたり高品質な画像を形成することができる。また摩擦層の耐磨耗性が高いため、ベルト状感光体の長寿命化が実現される。
上記画像形成装置は、ベルト状感光体の内面に接触して設けられ、前記ベルト状感光体の内、少なくとも1つを回転させる複数のロールを更に備えており、前記複数のロールの少なくとも1つが、外径15mm以下のロールである場合に有効である。これは、複数のロールの少なくとも1つが、外径15mm以下のロールである場合に特にロールとベルト状感光体との間の滑りの問題が顕著に発生するためである。
また、上記ベルト状感光体を感光体として使用する画像形成装置は、ベルト状感光体と接触し、ベルト状感光体の表面をクリーニングする繊維状部材をさらに備えていることが好ましい。
この繊維状部材をベルト状感光体の表面に接触させて、ベルト状感光体の表面をクリーニングすると、ベルト状感光体の表面の磨耗を少なくすることが可能となり、感光体の長寿命化が図られる。
上記繊維状部材が導電性を有することが好ましい。この場合、繊維状部材とベルト状感光体との間に電位差を付与することが可能となり、この電位差を利用して感光体表面に残留する放電生成物を効果的に除去することが可能となる。
本発明の画像形成方法は、上述したベルト状感光体の表面を帯電する帯電工程と、ベルト状感光体の表面における帯電領域を露光して静電潜像を形成する露光工程と、静電潜像を現像して前記ベルト状感光体の表面にトナー像を形成する現像工程と、トナー像を感光体から被転写媒体に転写する転写工程と、被転写媒体に形成された画像を定着する定着工程と、を含むことを特徴とする。
この画像形成方法によれば、可動部材である感光体として、上述したベルト状感光体が用いられているため、駆動ロールとの間の滑りを十分に防止することができ、長期にわたり高品質な画像を形成することができる。また摩擦層の耐磨耗性が高いため、ベルト状感光体の長寿命化が実現される。
上記画像形成方法は、ベルト状感光体の表面をクリーニングするクリーニング工程をさらに含み、クリーニング工程において、繊維状部材とベルト状感光体とを接触させることが好ましい。
この場合、繊維状部材をベルト状感光体の表面に接触させて、ベルト状感光体の表面がクリーニングされるので、ベルト状感光体の表面の磨耗を少なくすることが可能となり、感光体の長寿命化が図られる。
上記クリーニング工程において、繊維状部材が導電性を有し、繊維状部材とベルト状感光体との間に電位差を付与することが好ましい。
この場合、クリーニング工程において、繊維状部材とベルト状感光体との間に電位差を付与することで、感光体表面に残留する放電生成物を効果的に除去することが可能となる。
本発明の無端ベルト及びベルト状感光体によれば、無端ベルト又はベルト状感光体を回転させるためのロールとの間に発生する滑りを十分に防止でき且つ長寿命化を実現できる。
また本発明の無端ベルトの製造方法及びベルト状感光体の製造方法によれば、上記無端ベルト及びベルト状感光体を容易に得ることができ、且つ摩擦層の層厚を均一とすることができる。
更に本発明の画像形成装置によれば、駆動ロールとの間の滑りを十分に防止することができ、長期にわたり高品質な画像を形成することができる。また摩擦層の耐磨耗性が高いため、ベルト状感光体の長寿命化を実現でき、ベルト状感光体の交換頻度を低減することができる。
以下、場合により図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付することとし、重複する説明は省略する。
<無端ベルト>
図1は、本発明の無端ベルトの好適な一実施形態を示す模式断面図であり、図1に示す無端ベルト10は、継ぎ目のないベルト状の基体1と、基体1の内面上に設けられる摩擦層2を備えている。ここで、摩擦層2は、樹脂と、樹脂中に分散されているゴム粒子とを含有する。
図1は、本発明の無端ベルトの好適な一実施形態を示す模式断面図であり、図1に示す無端ベルト10は、継ぎ目のないベルト状の基体1と、基体1の内面上に設けられる摩擦層2を備えている。ここで、摩擦層2は、樹脂と、樹脂中に分散されているゴム粒子とを含有する。
無端ベルト10は、ベルト状の基体1の内面上に摩擦層2が設けられており、摩擦層2においては樹脂中にゴム粒子が分散されている。つまり、摩擦層2の一部がゴム粒子で構成されている。この無端ベルト10を複数のロールに張架して回転させて使用した場合、ロールの径が小さくても、駆動ロールが接する無端ベルト10の内面は、無端ベルト10を回転させるための駆動ロールに対し、無端ベルト10の摩擦層2中に分散しているゴム粒子によって摩擦抵抗が大きくなっている。このため、駆動ロールと無端ベルト10の内面との滑りを十分に防止することができる。
また、摩擦層2は、ゴム粒子のみならず樹脂も含有しており、摩擦層全体がゴム材料のみで構成される場合に比べて、機械的には脆いゴム粒子の割合が低くなっている。このため、無端ベルト10の内面全体をゴム等の弾性体でコーティングした場合と比較し、ロールとの接触による摩擦層2の耐磨耗性が十分に向上し、無端ベルト10の長寿命化が実現される。
(ベルト状基体)
ベルト状基体1に用いられる材料としては、強度、寸法安定性、耐熱性等の面で、ポリイミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂が挙げられる。
ベルト状基体1に用いられる材料としては、強度、寸法安定性、耐熱性等の面で、ポリイミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂が挙げられる。
基体1の厚さは30〜150μmであることが好ましく、40〜100μmであることがより好ましい。基体1の厚さが30μmに満たない場合は、30μm以上の場合と比較すると、基体1の強度が不十分となる傾向にあり、150μmを超える場合は、150μm以下の場合と比較すると、基体1の柔軟性が不十分となる傾向にある。
(摩擦層)
摩擦層2を構成する樹脂としては、耐磨耗性の観点から、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、又は、これらの組み合わせが用いられる。これらの樹脂は、基体1に好適に用いられる材料と同じであるが、基体1を構成する材料は必ずしも摩擦層2を構成する樹脂と同じである必要はない。
摩擦層2を構成する樹脂としては、耐磨耗性の観点から、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、又は、これらの組み合わせが用いられる。これらの樹脂は、基体1に好適に用いられる材料と同じであるが、基体1を構成する材料は必ずしも摩擦層2を構成する樹脂と同じである必要はない。
ゴム粒子の材料としては、天然ゴム、合成ゴム、エラストマ等のいわゆる定着ロールとして使用されるゴムが使用可能であるが、後述する無端ベルト又はベルト状感光体の製造工程において、高温にて加熱する工程が含まれる場合は、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロシリコーンゴム等の耐熱性を有するゴムが好ましい。
ゴム粒子の粒径は5〜50μmであることが好ましく、6〜40μmであることがより好ましい。ゴム粒子の粒径が5μmに満たない場合は、5μm以上の場合と比較すると、無端ベルト10と駆動ロールとの間の滑りの防止が不十分となる傾向にあり、50μmを超える場合は、50μm以下の場合と比較すると、摩擦層2の耐磨耗性が不十分となる傾向にある。
ゴム粒子の形状は、ゴム粒子が十分に摩擦層2を構成する樹脂中に分散されれば、特に限定されず、球状でも不定形でもよい。
摩擦層2を構成する樹脂に対するゴム粒子の配合量は、摩擦層2を構成する樹脂100質量部に対して、2〜30質量部であることが好ましく、3〜25質量部であることがより好ましい。ゴム粒子の配合量が2質量部に満たない場合は、2質量部以上の場合と比較すると、無端ベルト10と駆動ロールとの間の滑りを十分に防止できなくなる傾向にあり、ゴム粒子の配合量が30質量部を超える場合は、30質量部以下の場合と比較すると、摩擦層2からゴム粒子が脱落しやすくなる傾向にある。
摩擦層2の厚さは1〜10μmであることが好ましく、2〜8μmであることがより好ましい。摩擦層2の厚さが1μmに満たない場合は、1μm以上の場合と比較すると、摩擦層2の摩擦抵抗が不十分となる傾向にあり、10μmを超える場合は、10μm以下の場合と比較すると、摩擦層2が剥離しやすくなる傾向にある。
無端ベルト10の幅は、装着される装置から要求される大きさに合わせて切断され、300〜400mmであることが好ましい。また、無端ベルト10の周方向の長さは、柔軟性のある無端ベルト10を円筒形状とした場合、その直径が20〜400mmであることが好ましい。この範囲も無端ベルト10の幅と同様、装着される装置から要求される大きさに合わせて製造される。
また無端ベルト10には、必要に応じて端部の切断、穴あけ加工、テープ又はリブ貼り付け加工等が施されてもよい。無端ベルト10を搬送ベルトとする場合には、この状態で使用可能である。
無端ベルト10を転写ベルトや接触帯電ベルトとして利用する場合には、体積抵抗率が105〜1013Ωcm、且つ表面抵抗率が108〜1012Ω/□である半導電性を無端ベルト10が有していることが好ましい。基体1の材料が金属の場合は、基体1は導電性を有しているため、摩擦層2のみに対して、半導電性を付与すればよい。摩擦層2に半導電性を付与するためには、摩擦層2を構成する樹脂中に導電性材料を分散させればよい。一方、基体1に導電性を有しない樹脂を用いた場合、基体1及び摩擦層2を構成する樹脂中に導電性材料を分散させればよい。
上記導電性材料としては、カーボンブラック、カーボンブラックを造粒したカーボンビーズ、カーボンファイバー、カーボンナノチューブ、グラファイト等の炭素系物質、銅、銀、アルミニウム等の金属又は合金、酸化錫、酸化インジウム、酸化アンチモン、SnO2−In2O3等の複合酸化物、導電性酸化チタン等が挙げられる。
最終的に得られる無端ベルト10の体積抵抗率及び表面抵抗率は、上述の範囲であることが好ましく、基体1及び摩擦層2の樹脂に対する導電性材料の配合量はその体積抵抗率及び表面抵抗率の値となるように調整される。
無端ベルト10を定着ベルトとするには、基体1としてポリイミド樹脂を用い、基体1の摩擦層2とは反対側の表面に、トナーに対して非粘着性を示す非粘着層を形成することが好ましい。この場合、トナーが無端ベルト10の非粘着層に対して粘着しなくなる。このような非粘着層としては、例えば、フッ素樹脂粒子やSiC、Al2O3等の無機粒子を混合したフッ素ゴムを主体とした弾性離型層や、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等のフッ素樹脂層が挙げられる。非粘着層の厚さは5〜60μmが好ましく、10〜50μmがより好ましい。また、弾性離型層とフッ素樹脂層が積層されてもよい。
前記フッ素樹脂層を形成するには、フッ素樹脂の水分散液を塗布して焼き付け加工する方法が好ましい。フッ素樹脂の水分散液には、耐久性の向上やトナーの飛散防止ために、他の粒子が分散されていてもよい。当該他の粒子としては、例えば、カーボンブラック、カーボンブラックを造粒したカーボンビーズ、カーボンファイバー、カーボンナノチューブ、カーボンナノチューブ、グラファイト等の炭素系物質、銅、銀、アルミニウム等の金属又は合金、酸化錫、酸化インジウム、酸化アンチモン、等の導電性金属酸化物、チタン酸カリウム等のウィスカー、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化亜鉛、等が挙げられる。
またフッ素系樹脂層の基体1への密着性が不足する場合には、必要に応じて、基体1の表面にプライマー層をあらかじめ塗布形成する方法がある。
ポリイミド樹脂からなる基体1の表面にフッ素系樹脂層を形成するには、イミド化したポリイミド樹脂からなる基体1の表面にフッ素樹脂分散液を塗布し乾燥させてもよいが、ポリイミド樹脂前駆体溶液を芯体上の塗膜上に塗布して乾燥させてから、フッ素樹脂分散液を塗布し、その後に加熱して、イミド化反応とフッ素樹脂層の焼成処理を同時に行い、基体1とフッ素樹脂層を同時に形成してもよい。この場合、製造に要する時間を短縮できる。この場合、プライマー層がなくてもフッ素樹脂層の基体1への密着性が強固になることもある。
無端ベルト10を定着ベルトとする場合、基体1の厚さは25〜100μm、また、フッ素樹脂層の厚さは10〜50μmの範囲が好ましい。
<無端ベルトの製造方法>
次に、無端ベルト10の製造方法について詳しく説明する。
次に、無端ベルト10の製造方法について詳しく説明する。
まず帯状の外周面を有する芯体の外周面上に、ゴム粒子を含む摩擦層形成用塗布液を塗布し乾燥させ、塗膜を得る(第1工程)。
そして、上記塗膜上に、基体形成用塗布液を塗布し加熱する(第2工程)。
続いて、上記第1工程及び第2工程を経て芯体上に得られる無端ベルト10を芯体から分離させる(第3工程)。こうして無端ベルト10が得られる。
こうして無端ベルト10を製造すると、芯体の外周面上に順次、摩擦層2及び基体1が形成されるため、ベルト状の基体を製造し、このベルト状の基体の内面に摩擦層を後からコーティングする無端ベルトの製造方法と比較すると、上記無端ベルト10を容易に得ることができ、また、摩擦層2の層厚を均一にすることも可能となる。
(芯体)
上記の芯体は、帯状の外周面を有するものであればいかなるものであってもよく、中実状のものでも中空状のものでもよい。芯体としては、例えば円柱状又は円筒状の形状を有するものが用いられる。芯体の構成材料は、熱膨張率が大きいという観点から、アルミニウム又は亜鉛であることが好ましい。また、芯体は、本体部の表面をクロムやニッケルでメッキしたり、フッ素樹脂やシリコーン樹脂で被覆したり、あるいは後述の高温にて加熱する工程において得られる無端ベルト10が芯体表面に強固に接着しないよう、本体部の表面に離型剤を塗布しておいてもよい。
上記の芯体は、帯状の外周面を有するものであればいかなるものであってもよく、中実状のものでも中空状のものでもよい。芯体としては、例えば円柱状又は円筒状の形状を有するものが用いられる。芯体の構成材料は、熱膨張率が大きいという観点から、アルミニウム又は亜鉛であることが好ましい。また、芯体は、本体部の表面をクロムやニッケルでメッキしたり、フッ素樹脂やシリコーン樹脂で被覆したり、あるいは後述の高温にて加熱する工程において得られる無端ベルト10が芯体表面に強固に接着しないよう、本体部の表面に離型剤を塗布しておいてもよい。
(摩擦層形成用塗布液)
上記摩擦層形成用塗布液としては、例えば、乾燥によって摩擦層2を形成する樹脂を含む溶液中、又は加熱処理により熱硬化し摩擦層2を形成する樹脂の前駆体を含む溶液中に、ゴム粒子が分散している液体が挙げられる。
上記摩擦層形成用塗布液としては、例えば、乾燥によって摩擦層2を形成する樹脂を含む溶液中、又は加熱処理により熱硬化し摩擦層2を形成する樹脂の前駆体を含む溶液中に、ゴム粒子が分散している液体が挙げられる。
上記乾燥によって摩擦層2を形成する樹脂としては、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂が好ましく用いられる。このような樹脂を用いることにより、強度、寸法安定性、耐熱性等に優れた摩擦層2を得ることができる。上記樹脂を溶解する溶剤としては、例えばN−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン系極性溶剤が挙げられる。
また加熱処理により熱硬化し摩擦層2を形成する樹脂の前駆体としては、例えばポリイミド樹脂の前駆体が好ましく用いられる。このような樹脂の前駆体を用いることにより、強度、寸法安定性、耐熱性等に優れた摩擦層2を得ることができる。このようなポリイミド樹脂前駆体の材料としては、ジアミン成分とテトラカルボン酸二無水物とから得られるポリアミック酸が好ましい。上記ポリイミド樹脂前駆体を溶解する溶剤としては、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン系極性溶剤が挙げられる。
上記ポリイミド樹脂の前駆体溶液は、テトラカルボン酸二無水物とジアミン成分とを、上記溶剤中で反応させることによって得ることができる。ポリイミド樹脂の種類は特に制限されないが、ポリイミド樹脂としては、芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミン成分とを反応させて得られる芳香族ポリイミドが、皮膜強度の点から好ましい。
上記芳香族テトラカルボン酸の代表例としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、あるいはこれらのテトラカルボン酸エステル、又は上記各テトラカルボン酸類の混合物等が挙げられる。
一方、上記芳香族ジアミン成分としては、パラフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノフェニルメタン、ベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン等が挙げられる。
一方、ポリアミドイミド樹脂は、酸無水物、例えばトリメリット酸無水物、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、プロピレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、ピロメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸無水物等と、上記ジアミンを組み合わせて、当モル量で重縮合反応することで得られる。ポリアミドイミド樹脂はアミド基を有するため、イミド化反応が進んでも溶剤に溶解し易いので、100%イミド化したものが好ましい。
上記ポリイミド樹脂前駆体又はポリアミドイミド樹脂を含む溶液中に、サンドミル、ダイノミル、ジェットミル等の従来公知の方法でゴム粒子を分散させることにより、摩擦層形成用塗布液を得ることができる。
摩擦層形成塗布液の乾燥とは、塗布液に含まれている溶剤を蒸発させるために加熱することをいい、具体的には、乾燥に一般に使用される恒温槽等の乾燥装置を用い、50〜170℃の温度で10〜60分間の加熱をすることにより行われる。
(摩擦層形成用塗布液の塗布・乾燥方法)
以下、上記摩擦層形成用塗布液を芯体の外周面上に塗布し乾燥する方法を詳しく説明する。
以下、上記摩擦層形成用塗布液を芯体の外周面上に塗布し乾燥する方法を詳しく説明する。
摩擦層形成用塗布液を外周が円柱形状である芯体の外周面上に塗布する方法は、十分に均一な塗膜を形成することができれば特に制限されず、外面塗布法、浸漬塗布法、らせん塗布法等の方法を用いることができる。芯体の径及び長さに応じて、塗布方法を選択すればよい。これらの塗布方法のうち、塗膜を形成したい部位を塗布槽中に浸して塗膜する浸漬塗布法は、粘度が高い塗布液を使用すると、塗膜の濡れ膜厚が厚くなりすぎ、所望の膜厚を得ることが難しいが、塗布槽中の塗布液上に所定の円孔を設けた環状体を浮かべ、その円孔を通して芯体を引き上げるようにすれば、十分に均一な塗膜を形成することができる。
ここで、この環状体を用いた浸漬塗布方法について、浸漬塗布装置の概略断面図である図2〜7を用いて詳しく説明する。
図2は、芯体に摩擦層形成用塗布液を塗布する浸漬塗布装置を示す断面図、図3は、図2の浸漬塗布装置の平面図である。図2及び図3に示すように、浸漬塗布装置50は、主として、摩擦層形成用塗布液22を収容する塗布槽23と、塗布槽23内の塗布液22の液面に浮かべられる環状体25と、芯体21とを備えている。なお、図示しないが、浸漬塗布装置50は、芯体21を取り外し可能に保持する保持手段(図示せず)をさらに備えている。
図2及び図3では、例えば芯体21が円柱形状を有している。
環状体25は、芯体21の断面の外径よりも大きな内径を有する円形状の孔26を設けた連続環状体である。この環状体25は、上述の形状と孔26を有し、塗布液22により腐食しない構成材料から構成されており、かつ、塗布液22に浮かぶ構造を有していれば形状、構造及び構成材料は特に限定されない。例えば、構成材料として金属、プラスチック等を使用してもよい。また環状体25は、例えば中空構造であってもよい。
また、環状体25の外周面から塗布槽22の内壁面に向けて棒状の位置決め補助部材(図示せず)を設けてもよい。これにより、塗布液22に環状体25が浮かべられたときに、環状体25が塗布槽23に収容された塗布液22の液面の中央部に位置しやすくなり、第1工程の作業の進行がより容易となる。なお、位置決め補助部材は、一端を環状体25の外周面又は塗布槽22の内壁面に固定し、他端はフリーとするものであってもよく、一端を環状体25の外周面に固定し他端を塗布槽22の内壁面に固定するものであってもよい。また、環状体25の沈没防止のために、塗布液22の液面から所定の深さ以上に環状体25が沈むことを防止する補助部材(例えば、網など)を塗布液22の液面から所定の深さの塗布槽22の内壁面に設けてもよい。
また、環状体25は塗布液22の液面付近で自由移動が可能な状態で配置されていればよく、上述のように環状体25を塗布液22の液面状に浮遊させた状態で配置させる方法の他に、例えば、環状体25をロールやベアリングで支持する方法、或いは、環状体25をエア圧で支持する方法等を採用してもよい。
環状体25に設けられる孔26の形状は、塗布液22の液面に接触する最下部の側の開口部の面積が大きく、最下部と対向する最上部の側の開口部の面積が小さくなる形状を有していることが好ましい。これにより、芯体1を引き上げる際に芯体1の外面(外側面)にスムーズに塗布液22の塗膜24を形成することができる。なお、この場合、孔26の形状は、最下部の側の開口部と最上部の側の開口部の大きさの条件を満たしていれば特に限定されないが、孔26の断面をみた場合に、断面の形状が略台形のテーパー状であることが好ましく、傾斜角度は芯体に対して、1〜20°程度が好ましい。この傾斜角度が小さいほど塗布時における芯体21と環状体25の摩擦抵抗が強くなり、孔26と芯体21との間にできる間隙d16が均一になる作用が働くが、塗布速度が遅くなるので、両者の兼ね合いで調整される。テーパー形状の他に、最下部の側の開口部のみが狭い階段状や曲線状であってもよい。
孔26の内径は、使用する芯体21の外径との兼ね合いで、孔26と芯体21との間にできる間隙d16を考慮して設定される。更に、得られる無端ベルト10の厚さは、この間隙d16を通過して形成される塗布液22からなる塗膜24の厚さと、塗布液22中の不揮発分濃度を考慮して決定される。孔26と芯体21との間にできる間隙d16は、塗膜24の厚さの1倍〜2倍とするのが好ましい。1倍〜2倍とするのは、塗布液22の粘度や表面張力などにより、間隙d16と塗膜24の厚さが等しくなるとは限らないからである。
更に、芯体21の保持手段は芯体21を保持しつつ、塗布液22の液面の法線方向に対して芯体21の中心軸が略平行となる方向に芯体21を上下動させることが可能なリフト機構(図示せず)を備えている。この保持手段のリフト機構により芯体21の塗布液22中への浸漬或いは塗布液22中からの引き上げが可能になる。
また、塗布液22は樹脂とゴム粒子とを少なくとも含む液であれば特に限定されないが、塗布液22からなる塗膜24を芯体21上によりスムーズに形成する観点から、その固形分濃度は10〜50質量%であることが好ましく、15〜40質量%であることがより好ましい。また、芯体21を塗布液22から引き上げた際に、芯体21上に所定の厚さの塗膜24を形成するためには、塗布液22の粘度は0.2〜1000Pa・sであることが好ましく、1〜100Ps・sであることがより好ましい。特に、塗布液22の粘度が1000Pa・sを超えると、芯体21を塗布液22から引き上げにくくなる傾向が大きくなる。芯体21表面への塗布液22の塗布時の引き上げ速度は、芯体21上に均一の厚さの塗膜24を形成するために、0.2〜2m/minであることが好ましく、0.4〜1.5m/minであることがより好ましい。
摩擦層形成用塗布液を芯体の外面上に塗布する第1工程は上述した浸漬塗布装置50による方法に限定されず、例えば、以下のような装置を用いて行ってもよい。図4は、浸漬塗布装置の他の例を示す模式断面図である。図4に示す浸漬塗布装置50Aは、主として、図2に示した塗布槽23のかわりに環状塗布槽27を備えていること以外は図2に示した浸漬塗布装置50と同様の構成を有している。
この環状塗布槽27の底部中央には、使用する芯体21の外径より大きな内径を有する円形状の開口部71が形成されている。また、環状塗布槽27の底部の外側の面には、使用する芯体21の外径以下の内径を有する円形状の開口部81が形成された環状体からなるシール材28(例えば、ゴムパッキン等)が配置されている。このシール材28は、環状塗布槽27の開口部71から塗布液22が外部に漏れ出るのを防止するための部材である。
そして、上記第1工程において、まず環状塗布槽27に塗布液22が入っていない状態で、芯体21を開口部71から環状塗布槽27内に挿入する。次に、環状塗布槽27内に上部の開口部から塗布液22が充填される。このとき、環状塗布槽27の底部には、シール材28が配置されているので塗布液22が外部に漏れないようになっている。芯体21はその穴を通して、環状塗布槽の下部から上部に徐々につき上げられ、かつ塗布液22の液面に浮かぶ環状体25の孔26内を通過することにより、その表面に塗膜24が形成される。
ここで、図4に示したように、芯体21が円筒状である場合、芯体21の下部に芯体21とほぼ同じ外径を有しかつ所定の長手方向の長さを有する円柱状の蓋部材29を取り付けることが好ましい。これにより、芯体21を塗布液22の液面上に引き上げても、環状塗布槽27の開口部71から塗布液22が外部に漏れ出るのを防止することができる。なお、蓋部材29は、芯体21の上部に取り付けても同様の効果を得ることができる。
図4に示した環状塗布槽27を用いた方法では、環状塗布槽27の容積を図2に示した塗布槽23の容積よりも大幅に小さくすることができる利点がある。
こうして摩擦層形成用塗布液を芯体の外面上に塗布することができる。
塗布液に非プロトン系極性溶剤等の蒸発が遅い溶剤を使用すると、乾燥時に塗膜が下方に垂れやすい。その場合には、芯体の長手方向を水平にして中心軸を回転しながら乾燥させればよい。
摩擦層形成用塗布液がポリアミドイミド樹脂等の樹脂を含む場合は、乾燥に際して、溶剤を完全に蒸発させることにより、塗膜24を摩擦層2とすることができる。
一方、ポリイミド樹脂の前駆体等の熱硬化性樹脂を含む塗布液を塗布し、乾燥する場合は、溶剤を完全に蒸発させると、塗膜に割れが生じやすくなることがある。この場合、乾燥前の溶剤100質量部に対して、5〜40質量部程度の溶剤が残留している状態まで乾燥させておくと第1工程における塗膜の割れを十分に防止することができる。熱硬化性樹脂を含む塗膜24は、第1工程により摩擦層前駆体層となる。なお、この摩擦層前駆体層は、上記第2工程によって、熱硬化性樹脂が熱硬化して樹脂になり、摩擦層2となる。
(基体の形成)
基体形成工程では、第1工程によって得られた摩擦層2又は摩擦層前駆体層の外面上に基体1を形成する。基体1の材料としては、アルミニウム、チタン等の金属又はそれらの合金、あるいは樹脂が挙げられる。
基体形成工程では、第1工程によって得られた摩擦層2又は摩擦層前駆体層の外面上に基体1を形成する。基体1の材料としては、アルミニウム、チタン等の金属又はそれらの合金、あるいは樹脂が挙げられる。
また、基体1を構成する樹脂としては、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂が挙げられる。
基体1が樹脂で構成される場合は、基体1は、摩擦層2又は摩擦層前駆体層の外面上に、基体形成用塗布液を塗布し加熱することにより形成する。ここで、基体形成用塗布液は、ゴム粒子を除いたこと以外は摩擦層形成用塗布液と同様の構成を有している。但し、基体1を構成する樹脂は、必ずしも摩擦層2を構成する樹脂と同じである必要はない。
摩擦層形成用塗布液及び基体形成用塗布液を構成する樹脂がいずれもポリアミドイミド樹脂である場合には、摩擦層形成用塗布液を乾燥するだけで摩擦層2が得られ、摩擦層2の上に基体形成用塗布液を塗布し乾燥するだけで基体1を形成できるが、摩擦層形成用塗布液及び基体形成用塗布液のいずれかがポリイミド樹脂の前駆体を含む場合は、その前駆体を含む塗布液を乾燥するだけでは摩擦層2又は基体1を得ることができず、ポリイミド樹脂の前駆体をイミド化してポリイミド樹脂とする温度で加熱することにより摩擦層2又は基体1を形成する必要がある。この温度は、具体的には250〜450℃、好ましくは、300〜400℃の温度である。
摩擦層形成用塗布液及び基体形成用塗布液のいずれかもポリイミド樹脂の前駆体を含む場合は、摩擦層形成用塗布液及び基体形成用塗布液のそれぞれを別個に上記イミド化の温度で加熱せず、基体形成用塗布液の加熱時に、一括して上記イミド化の温度で加熱することが好ましい。この場合、摩擦層形成用塗布液及び基体形成用塗布液のそれぞれを別個に上記イミド化の温度で加熱する場合に比べて、製造時間を短縮することができる。
なお、摩擦層形成用塗布液及び基体形成用塗布液を構成する樹脂がいずれもポリアミドイミド樹脂の場合においても、これらの塗布液を200〜300℃に加熱して、残留溶剤を除去することが好ましい。
なお、樹脂又は樹脂前駆体を含む基体形成用塗布液を摩擦層2又は摩擦層前駆体層の外面上に塗布する方法は、第1工程における摩擦層形成用塗布液の替わりに基体形成用塗布液を用いる点で異なるが、その他は第1工程と同様であるため、重複する説明は省略する。
但し、第2工程で塗膜を乾燥させる際に塗膜中の残留溶剤を完全に除去できない場合、あるいは、第2工程でポリイミド樹脂の前駆体等の熱硬化性樹脂を加熱して無端ベルト10を得る際に熱硬化性樹脂から発生する水が除去しきれない場合、無端ベルト10に膨れが生じることが避けられない場合がある。これは特に無端ベルト10の厚さが50μmを越えるような厚い場合に顕著である。
このような不都合が生じる可能性がある場合には、芯体21の表面を、Ra(JIS B0601に規定された中心線平均粗さ)0.2〜2μm程度に粗面化しておくことが有効である。これにより、塗膜から生じる残留溶剤又は熱硬化性樹脂から生じる水の蒸気は、芯体21と塗膜24又は熱硬化性樹脂の間にできるわずかな隙間を通って外部に出ることができ、無端ベルト10の膨れを防止することができる。この芯体21の表面の粗面化には、ブラスト、切削、サンドペーパーがけ等の方法がある。また、芯体21の表面の粗面化は摩擦層2の摩擦抵抗をより向上させる効果もある。
芯体21の表面形状が摩擦層2の内面(無端ベルト10の内面)に転写されるので、無端ベルト10の内面に特定の形状を形成させる場合は、あらかじめその形状の加工を施した芯体21を使用すればよい。
なお、摩擦層形成用塗布液又は基体形成用塗布液に前述した導電性材料を分散させる方法は、サンドミル、ダイノミル、ジェットミル等の従来公知の方法を用いることができる。
基体1及び導電性材料の配合量は、最終的に得られる無端ベルト10の体積抵抗率及び表面抵抗率が無端ベルト10の用途に合うように調整される。
<ベルト状感光体>
次に、本発明のベルト状感光体について詳しく説明する。図5〜7は本発明のベルト状感光体の断面構造を模式的に表す模式断面図である。図5に示すベルト状感光体20においては、上記無端ベルト10における基体1の外面上に順次、導電層3及び感光層5が形成されている。
次に、本発明のベルト状感光体について詳しく説明する。図5〜7は本発明のベルト状感光体の断面構造を模式的に表す模式断面図である。図5に示すベルト状感光体20においては、上記無端ベルト10における基体1の外面上に順次、導電層3及び感光層5が形成されている。
ここで、導電層3は、導電性超微粒子を融解して得られるものである。導電層3の形成方法については後述する。
ベルト状基体1及び摩擦層2に導電性材料が分散し、両層が導電性を有している場合は、必ずしも導電層3は必要ではないが、ベルト状基体1及び摩擦層2の両層が導電性を有している場合であっても、電気特性の観点から、無端ベルト10の外面上に導電層3を設けて電極にすることが好ましい。但し、導電層3を配置した場合、基体1及び摩擦層2は絶縁性でもよい。
ベルト状感光体20は、少なくとも導電層3と感光層5とを無端ベルト10の外側に有していれば、特に制限はない。導電層3を接地電極とし、導電層3の端部に、導通のための電極を付加してもよい。
導電層3の材料として、金、銀、銅、ニッケル、パラジウム、インジウム、白金等の金属又はこれらの合金が挙げられる。導電層3の厚さは、0.01〜10μmであることが好ましく、0.05〜6μmであることがより好ましい。導電層3の厚さが0.01μmよりも薄い場合は、0.01μm以上の場合と比較すると、電極としての導電性が不十分となる傾向となり、10μmよりも厚い場合は、10μm以下の場合と比較すると、ベルト状感光体20の柔軟性が不十分となる傾向にある。
感光層5は、特に限定されるものではないが、例えば有機物を感光物質とした感光層を用いることができる。感光層は、電荷発生物質および電荷輸送物質と、結着樹脂とを含む単層型感光層であってもよいし、電荷発生物質及び結着樹脂を含む電荷発生層と、電荷輸送物質及び結着樹脂を含む電荷輸送層とを積層した積層型感光体であってもよい。
図5に示すベルト状感光体20の感光層5は単層型であり、電荷発生物質および電荷輸送物質と、結着樹脂とで構成される。一方、図6に示すベルト状感光体30は、積層型であり、電荷発生物質と結着樹脂とを含む電荷発生層6及び電荷輸送物質と結着樹脂とを含む電荷輸送層7とで構成される。
感光層5は、電荷輸送材として機能する部位、例えばヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物、トリフェニルアミン化合物等を、ポリマーの主鎖、あるいは側鎖に有する電荷輸送性高分子の少なくとも1種以上を含有する。これらのうち、特にスチルベン化合物、ベンジジン化合物、トリフェニルアミン化合物の骨格を有するものがモビリティーが高く、好ましい。特に以下の部分構造(A)を有するポリエステル、あるいは、ポリカーボネート樹脂が強度、電気特性、接着性などに優れ、好ましい。
[R1、R2、R3はそれぞれ独立に水素、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン、置換あるいは、未置換のアリール基を示し、Xは置換あるいは、未置換の2価の基を示す。k、l、mは0あるいは1から選ばれる整数を示し、Tは炭素数1〜10の枝分かれしてもよい2価の炭化水素基を示す。]
Tの具体的な構造例を以下に示す。アリールアミン骨格はどちらの側と結合してもよいが、たとえば、T−2rと記すと構造T−2の右側に、T−2lと記すと構造T−2の左側にアリールアミン骨格が結合していることを示すものとする。
Tの具体的な構造例を以下に示す。アリールアミン骨格はどちらの側と結合してもよいが、たとえば、T−2rと記すと構造T−2の右側に、T−2lと記すと構造T−2の左側にアリールアミン骨格が結合していることを示すものとする。
Xとしては、以下の基(1)〜(7)から選択されたものがあげられる。
[式中R3は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、置換または未置換のフェニル基、置換または未置換のアラルキル基を表し、R4〜R9は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、置換または未置換のフェニル基、置換または未置換のアラルキル基、ハロゲンを表し、aは、0または1を意味する。Vは上記の基(8)〜(17)から選択されたものがあげられる。(8)においてbは1〜10の整数を意味し、(17)におけるcは、1〜3の整数を意味する。]
また、必要に応じてヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物、トリフェニルアミン化合物等の電荷輸送性の低分子化合物を混合することもできる。この際、電荷輸送性高分子100質量部に対して、電荷輸送性の低分子化合物0〜100質量部の範囲で用いられ、0〜80質量部であることが電気特性や強度の観点から好ましい。さらに必要に応じて、絶縁性のバインダー樹脂(例えばポリカーボネート、ポリアリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル等)を混合してもちいることもできる。この際、電荷輸送性高分子と電荷輸送性の低分子化合物を100質量部とすると、絶縁性のバインダー樹脂は0〜100質量部の範囲で用いられ、0〜80質量部であることが電気特性や強度の観点から好ましい。
また、必要に応じてヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物、トリフェニルアミン化合物等の電荷輸送性の低分子化合物を混合することもできる。この際、電荷輸送性高分子100質量部に対して、電荷輸送性の低分子化合物0〜100質量部の範囲で用いられ、0〜80質量部であることが電気特性や強度の観点から好ましい。さらに必要に応じて、絶縁性のバインダー樹脂(例えばポリカーボネート、ポリアリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル等)を混合してもちいることもできる。この際、電荷輸送性高分子と電荷輸送性の低分子化合物を100質量部とすると、絶縁性のバインダー樹脂は0〜100質量部の範囲で用いられ、0〜80質量部であることが電気特性や強度の観点から好ましい。
また、図7に示すベルト状感光体40のように、感光層5と導電層3の間に下引き層8、及び、感光層5の外面上には感光層5を保護するための保護層9を更に設けてもよい。
下引き層8は、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、アルコール可溶性ナイロン樹脂等の樹脂又はこれらの共重合体、あるいは、ジルコニウムアルコキシド化合物、チタンアルコキシド化合物、シランカップリング剤等の硬化性金属有機化合物を、単独又は2種以上混合して、塗布形成した層等が挙げられるが、これらに限られるものではなく、公知のものはいかなるものでも使用できる。下引き層8の厚さは、0.1μm〜5μmとすることが好ましい。
保護層9には導電粉分散膜、ゾル−ゲル架橋膜、熱架橋膜等の高強度材料を用いることができる。
<ベルト状感光体の製造方法>
次に、本発明のベルト状感光体の製造方法の実施形態について説明する。本実施形態では、図7に示すベルト状感光体40の製造方法を例にして説明する。以下の説明では、基体1及び摩擦層2を構成する樹脂として、ポリイミド樹脂を用いた場合について述べる。
次に、本発明のベルト状感光体の製造方法の実施形態について説明する。本実施形態では、図7に示すベルト状感光体40の製造方法を例にして説明する。以下の説明では、基体1及び摩擦層2を構成する樹脂として、ポリイミド樹脂を用いた場合について述べる。
ベルト状感光体40は、次のようにして製造することができる。
即ちまず帯状の外周面を有する芯体の外周面上に、ゴム粒子とポリイミド樹脂の前駆体とを含む摩擦層形成用塗布液を塗布し乾燥させ、第1塗膜を得る。この工程は、塗膜を第1塗膜としたこと以外は、上述した第1工程と同様である。
次に、第1塗膜上に、ポリイミド樹脂の前駆体を含む基体形成用塗布液を塗布し乾燥させ、第2塗膜を得る。
そして、第2塗膜の上に、導電性超微粒子を含む導電層形成用塗布液を塗布し、導電性超微粒子の融点以上の温度で、第1塗膜、第2塗膜及び導電層形成用塗布液を加熱する。こうして第1塗膜が摩擦層2となり、第2塗膜が基体1となり、導電層形成用塗布液が導電層3となり、芯体の外周面上に順次、摩擦層2、基体1及び導電層3が形成されるようになる。
次に、導電層3の上に下引き層8を形成し、続いて下引き層8の上に、電荷発生層6及び電荷輸送層7からなる感光層5を形成し、最後に感光層5の上に保護層9を形成する。こうしてベルト状感光体40が得られる。
上記ベルト状感光体40の製造方法によれば、芯体の外周面上に順次、摩擦層2、基体1、導電層3、下引き層8、感光層5及び保護層9が形成されるため、ベルト状の基体を製造し、このベルト状の基体の内面に摩擦層を後からコーティングして基体の外面に感光層が形成されるベルト状感光体の製造方法と比較すると、上記ベルト状感光体40を容易に得ることができ、また、摩擦層2の層厚を均一なものとすることができる。
また上記製造方法によれば、導電性超微粒子を取り込んだ状態でポリイミド樹脂の前駆体が反応を起こすため、導電層3と基体1との密着性を向上させることができる。また第1塗膜と第2塗膜とが同時に加熱されるため、第1塗膜を構成するポリイミド樹脂の前駆体と、第2塗膜を構成するポリイミド樹脂の前駆体とを反応させることができ、摩擦層2と基体1との密着性を向上させることもできる。即ち、摩擦層2、基体1及び導電層3同士の密着性を向上させることが可能となる。さらに、上記製造方法では、摩擦層形成用塗布液、基体形成用塗布液、導電層形成用塗布液をそれぞれ別個に加熱して摩擦層2、基体1及び導電層3を順次形成するのではなく、導電層形成用塗布液を加熱するときに、摩擦層2、基体1及び導電層3を一度の加熱処理で同時に形成しているため、製造時間を大幅に短縮することができる。
なお、摩擦層形成用塗布液、基体形成用塗布液の構成は、無端ベルト10の製造方法と同様であるため、重複する説明は省略する。
但し、導電層3と基体1との密着性を向上させるために、基体形成用塗布液として、ポリイミド樹脂の前駆体にアルコキシシラン化合物を結合させたポリイミド−シリカハイブリッド体を含む前駆体溶液を使用してもよい(特開2003−136632号公報参照)。
以下、導電層3、下引き層8、感光層5及び保護層9を形成する工程について説明する。
まず導電層3を形成する工程について説明する。上述したように、本実施形態では、導電層3は、導電性超微粒子を含む導電層形成用塗布液を用いて形成する。なお、本発明のベルト状感光体の製造方法では、無端ベルト10を製造後、無端ベルト10の外面上に、金属層あるいは金属酸化物層からなる導電層3を形成する方法として、蒸着法や、スパッタ法などを使用してもよい。
導電性超微粒子を構成する導電性物質としては、例えば金、銀、銅、ニッケル、パラジウム、インジウム、白金等の金属が挙げられる。即ち導電性超微粒子が金属超微粒子である場合について説明する。
導電層形成用塗布液を塗布する前に、第2塗膜、即ちポリイミド樹脂前駆体乾燥塗膜は、導電層3と基体1との密着性を向上させるために、導電層3の形成前に、予め、第2塗膜を溶解させる溶剤で第2塗膜を膨潤させるか、又は表面のみの溶解処理をしたり、ブラスト等で機械的に粗面化したりしてもよい。また、第2塗膜の表面を、酸/アルカリ、酸化剤/還元剤等の水溶液で化学処理してもよい。
ここで、金属超微粒子とは、平均粒径が1〜100nm、好ましくは3〜50nmの大きさの金属粒子を指す。金属をこのような微細の大きさにすると融点が低下する。これは、粒径が小さくなるに従って、表面エネルギーが飛躍的に増大し、相互に結合(焼結)しようとするためである。超微粒子の形状は、球状、又は球に類した楕円体状が好ましい。
金属の超微粒子を作成するには、霧状に金属を蒸発させるアトマイザー法、水溶液中で銀イオンを凝集させ加熱生成する方法、酸化銀薄膜を真空水素雰囲気で還元する方法、レーザー融解法、気相成長法、ゾルゲル法、等がある。
融点は粒径によって上下するが、分散媒への分散濃度、分散剤の種類や濃度、等によっても変化する。金属層の作製に好ましい融点は、100〜300℃である。なお、ここで言う融点とは、導電性粒子が超微粒子である場合における融点をいい、具体的には導電性超微粒子の塗膜が融解して金属膜を形成する温度の値を言う。
また、超微粒子以外に、平均粒径が100nmより大きく、10μm以下の微粒子を併用しても良い。該微粒子は、融点は低くはないものの、超微粒子が溶解して焼結する際、同時に該微粒子も焼結されるため、増量剤として用いることができ、材料コストを低減させるために有効である。超微粒子と微粒子の混合割合は任意であるが、超微粒子と微粒子の質量の和を100質量部とした場合、超微粒子の質量は5〜100質量部であることが好ましい。超微粒子の質量が5質量部に満たない場合は、5質量部以上の場合と比較すると、金属の融点が十分に下がらず、焼結による金属粒子の結合が不十分になる傾向にある。超微粒子と微粒子は、同一金属でも異種金属でも良いが、異種金属の場合は、相互に融着しやすいのが好ましい。
超微粒子の表面は、樹脂や添加剤で被覆されていてもよい。かかる樹脂としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、等が挙げられる。またかかる添加剤としては、アミン化合物、シリコーン化合物、カップリング剤、有機酸、等が挙げられる。
金属の超微粒子は、分散媒に分散されて塗布される。即ち導電層形成用塗布液は、金属超微粒子のほか、金属超微粒子を分散させる分散媒とを含有する。分散媒としては、水や、アルコール、ケトン、エステル、炭化水素化合物、等の有機溶剤が挙げられ、複数種を混合しても良い。導電層形成用塗布液は、分散や分散安定性のために、界面活性剤や増粘剤をさらに含んでもよい。
また、導電層形成用塗布液は、少量のバインダー樹脂を更に含んでも良い。バインダー樹脂は、金属の超微粒子が融解する際、分離するか分解して、金属層中に残存しにくいものが好ましく、例えばアクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、等が挙げられる。
金属の超微粒子分散液、即ち導電層形成用塗布液中の固形分濃度は、10〜60%であることが好ましく、12〜55%であることがより好ましい。金属の超微粒子分散液の粘度は、1〜1000mPa・sであることが好ましく、2〜900mPa・sであることがより好ましい。金属の超微粒子分散液を塗布し乾燥させた後に、金属の超微粒子を融解させて形成される金属層の厚さは、0.01〜10μm以下であることが好ましく、0.05〜6μmであることがより好ましい。
塗布方法は任意であるが、膜厚の均一性を重視する場合には、図2又は図4に示す環状体を用いた浸漬塗布方法が好ましい。但し、分散液の粘度が低い場合は、環状体25は不要である。また、導電層形成用塗布液を微細形状に塗布するには、インクジェット法が好ましい。
導電層形成用塗布液を塗布した後、これを融点以上の温度で加熱することにより、超微粒子が焼結して導電層3である金属層が形成される。焼結した金属層の融解温度は金属本来の融点になり、前記温度では溶解しなくなる。導電層形成用塗布液の加熱時においては、金属超微粒子の焼結とポリイミド樹脂前駆体層のイミド化を同時に行うことにより、両者の密着性が強固になる。従って、導電層形成用塗布液の加熱温度は、金属の超微粒子の融解温度、及びポリイミド樹脂前駆体のイミド化温度以上であることが好ましい。樹脂からなるベルト基体1と導電層3である金属層の密着性が向上する理由は、イミド化の際に、ポリイミド樹脂前駆体層表面に形成された金属層を構成する金属の一部がポリイミド樹脂の前駆体層である第2塗膜中に入り込み、金属を取りこんだ状態でポリイミド樹脂の前駆体が反応を起こすためと考えられる。
即ち、この導電層3を形成するための加熱により、一度の加熱で、イミド化と金属層の形成とが完結し、両者の密着性が高くなる。さらに、この方法によれば製造にかかるエネルギー及び時間を効率良く削減できる。
金属層の加熱時において、金属層を構成する金属が、例えば銅やニッケルのように、酸化又は変質しやすい場合には、窒素やアルゴン等の不活性気体中で加熱することが好ましい。
次に、上記のようにして形成された導電層3の外面上に下引き層8を形成する方法を説明するが、必ずしも下引き層8は形成しなければならないものではない。
下引き層8は、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、アルコール可溶性ナイロン樹脂等の樹脂又はこれらの共重合体、あるいは、ジルコニウムアルコキシド化合物、チタンアルコキシド化合物、シランカップリング剤等の硬化性金属有機化合物を、単独又は2種以上混合して、塗布形成した層等が挙げられるが、これらに限られるものではなく、公知のものはいかなるものでも使用できる。
下引き層8は、例えば次のようにして形成することができる。まず、下引き層用の塗布液を調製する。調製した塗布液に、金属超微粒子の加熱により得られた積層体に対して、図2又は図4に示す環状体25を用いた浸漬塗布方法によって下引き層8の液体塗膜を形成する。その後、50〜150℃で5〜20分間乾燥して下引き層8を形成する。下引き層8の厚さは、0.1〜5μmであることが好ましい。
電荷発生層6は、フタロシアニン、ペリレン、ビスアゾ顔料等の電荷発生剤をポリビニルブチラール等のバインダー樹脂に分散して塗布形成されるが、これらに限られるものではなく、公知のものはいかなるものでも使用できる。
電荷発生層6の形成は、例えば、電荷発生層用塗布液を調製し、該塗布液を上記下引き層8上に浸漬塗布し、20〜150℃で5〜20分間乾燥して形成する。電荷発生層8の厚さは、0.01〜1μmであることが好ましい。
電荷輸送層7の形成は、まず、トルエン、テトラヒドロフラン、シクロペンタノン、モノクロルベンゼン、エチレングリコールモノメチルアセテートなどの溶剤に、所望の比率で混合した電荷輸送層用の塗布液を調製し、該塗布液を上記電荷発生層6上に浸漬塗布し、50〜150℃で10〜60分間乾燥して形成することができる。電荷輸送層7の厚さは、10〜50μmであることが好ましい。
保護層9は、浸漬塗布法によって導電粉分散膜、ゾル−ゲル架橋膜、熱架橋膜等の塗膜を形成し、乾燥することによって形成することができる。ただし、保護層9は感光層5の表面を保護するために必要に応じて形成されるものであり、必ずしも保護層9は形成しなければならないものではない。
上記各層の形成は、浸漬塗布法に限らず、環状塗布法や他の公知の方法で行ってよい。各層形成の際、芯体上の無端ベルトを取り外さない状態で無端ベルト上に各層を塗布し、全てができた後に芯体から取り外すのがよい。このことにより、芯体の周方向及び長手方向にわたって層厚が均一な塗膜を形成することができる。
<画像形成装置>
次に、本発明の画像形成装置の実施形態について説明する。
次に、本発明の画像形成装置の実施形態について説明する。
図8は、本発明の画像形成装置の第1実施形態を示す概略図であり、小型のタンデム型カラープリンターの概略構成を示している。
図8に示すように、画像形成装置201は、4つの画像形成ユニット220a〜220dと、4つの画像形成ユニット220a〜220dにより形成される画像を用紙に定着する定着器215とを有している。ここで、画像形成ユニット220a〜220dは互いに異なる色の画像を形成するものであり、画像形成ユニット220i(iは、a,b,c,又はdを表す。以下、同じ)は、感光体210iと、感光体210iを帯電させる帯電器(帯電体)202iと、帯電した感光体210iを露光して静電潜像を形成させる露光器(露光手段)203iと、静電潜像を現像してトナー像を形成させる現像器204i、及びトナー像を感光体210iから被転写媒体としての転写ベルト206に転写する転写体211iを有する。帯電器202iとしては接触型または非接触型の帯電器が用いられる。接触型の帯電器には帯電ロールや帯電ブラシ、非接触型の帯電器にはコロトロン、スコロトロン、近接型帯電ロール等がある。露光器203iは、小型化のためにLEDアレイが好ましい。現像器204iには一成分型現像器と二成分型現像器があるが、いずれでもよい。なお、画像形成ユニット220b〜220dはそれぞれ、トナー画像の色が異なること以外は画像形成ユニット220aと同様の構成を有している。
転写ベルト206は、2つのロール207、208に張架され、このうちロール207には駆動機構(図示せず)が接続され、ロール207は転写ベルト206を回転するための駆動ロールとなっている。そして、転写ベルト206は、上述した無端ベルト10で構成されている。なお、ロール209は、用紙200を定着器215へガイドするためのガイドロールである。
この画像形成装置201によれば、感光ドラム210iが、帯電器202iで帯電されて静電潜像が形成され、静電潜像が露光器203iで画像露光され、静電潜像に対応して現像器204iでトナー像が形成され、トナー像が転写体211iにより転写ベルト206に転写される。そして、転写ベルト206に転写されたトナー像が、定着器215により用紙200に定着される。ここで、可動部材である転写ベルト206が無端ベルト10で構成されている。このため、無端ベルト10を構成する摩擦層2と駆動ロール207との間の滑りを十分に防止することができ、長期にわたり高品質な画像を形成することができる。また摩擦層2の耐磨耗性が高いため、転写ベルト206の長寿命化が実現される。従って、転写ベルト206の交換頻度を低減することができる。
なお、感光ドラム210i、帯電器202i、露光器203i、現像器204iは一体的にそれぞれ画像形成ユニット220iに収容されてよい。画像形成装置201がモノクロの場合には、画像形成ユニット220iは1個でよいが、カラープリンターである画像形成装置201は、色が異なるトナー毎に画像形成ユニットを1つずつ有する。
定着器215はいずれか、又は両方がロールかベルトである一対の回転体からなり、これら一対の回転体にも、無端ベルト10を用いてもよい。画像形成装置201は、感光ドラム210iに対して、残留トナーをクリーニングするブレードクリーナー205i、及び、残留電位を除電する手段(図示せず)を備えてもよい。
次に、図9を参照しながら本発明の画像形成装置の第2実施形態について説明する。
図9は、本発明の画像形成装置の第2実施形態を示す概略図であり、小型のタンデム型カラープリンターの概略構成を示している。
図9に示すように、画像形成装置301は、ベルト状感光体306を有している。ベルト状感光体306は、図7に示すベルト状感光体40であり、2つのロール307、308に張架されている。このうちロール307には駆動機構(図示せず)が接続され、ロール307はベルト状感光体306を回転するための駆動ロールとなっている。
また画像形成装置301は、ベルト状感光体306に対して画像を形成する4つの画像形成ユニット320a〜320dと、4つの画像形成ユニット320a〜320dによりベルト状感光体306に形成されるトナー像を被転写媒体である用紙200に画像として転写する転写体311と、用紙200に画像を定着する定着器315とを有している。ここで、画像形成ユニット320a〜320dは互いに異なる色の画像を形成するものであり、画像形成ユニット320i(iは、a,b,c,又はdを表す。以下、同じ)は、ベルト状感光体306の表面を帯電させる帯電器(帯電体)302iと、帯電したベルト状感光体306を露光して静電潜像を形成させる露光器(露光手段)303iと、静電潜像を現像してトナー像を形成させる現像器304iを有する。帯電器302iとしては接触型または非接触型の帯電器が用いられる。接触型の帯電器には帯電ロールや帯電ブラシ、非接触型の帯電器にはコロトロン、スコロトロン、近接型帯電ロール等がある。露光器303iは、小型化のためにLEDアレイが好ましい。現像器304iには一成分型現像器と二成分型現像器があるが、いずれでもよい。
更に画像形成装置301は、トナーが転写された後のベルト状感光体306に対して、残留電位を除電し残留トナーをクリーニングするため、繊維状部材310及びブレードクリーナー320を備えている。ただし、ブレードクリーナー320は、繊維状部材310で残留トナーを十分にクリーニングすることができる場合は、必ずしも必要ではない。
ここで、ベルト状感光体306をクリーニングする繊維状部材310について詳しく説明する。
残留トナーをクリーニングする手段には、通常、ゴム板状のブレードクリーナーが使用されるが、ベルト状の感光体40を用いた場合には、長期に渡ってブレードクリーナーのみを均一に接触させることが困難となり、クリーニング不良による画質欠陥を生じやすくなる。また、帯電プロセスでの感光体表面の汚染物質を安定して除去することも困難となりやすい。
そこで、これには繊維状の部材310と接触させること、特に、繊維状の部材310が導電性を有するものとし、トナーを静電的に吸着し易い電界を印加することによって一次的にトナーを繊維状部材に溜め込み、ある時間経過後に反対電界を印加することで溜め込んだトナーを放出する工程により、汚染されたトナーを除去するクリーニング方法が非常に有効である。
この場合、ブレードクリーニングよりもプリント速度やトナー粒子径等に対する依存性が少なく、長期間安定的にクリーニングが可能である。また、必要に応じて、繊維状部材310を複数使用しても良い。繊維状部材310は、板状の基材の表面に設けた形態でもよいし、図9に示すように、回転可能なロールの外周面に多数本を植設した形態であってもよい。
この画像形成装置301によれば、ベルト状感光体306に対し、画像形成ユニット320a〜320dにより異なる色のトナー像が形成される。各画像形成ユニット320iでは、ベルト状感光体306の表面が帯電器302iで帯電されて静電潜像が形成され、静電潜像が露光器303iで画像露光され、静電潜像に対応して現像器304iでトナー像が形成される。トナー像が転写ロール311により用紙200に転写される。そして、用紙200に転写されたトナー像が、定着器315により用紙200に画像として定着される。
トナー像が用紙200に転写された後は、ベルト状感光体306の表面に繊維状部材310が接触しているため、ベルト状感光体306の回転により繊維状部材310がロールの周りに回転し、これにより放電生成物等が除去される。
上記のようにして画像を形成すると、可動部材であるベルト状感光体306が無端ベルト10を有している。このため、無端ベルト10を構成する摩擦層2と駆動ロール307との間の滑りを十分に防止することができ、長期にわたり高品質な画像を形成することができる。また摩擦層2の耐磨耗性が高いため、ベルト状感光体306の長寿命化が実現される。従って、ベルト状感光体306の交換頻度を低減することができる。
なお、繊維状部材310が導電性である場合は、繊維状部材310とベルト状感光体306との間に電位差を付与することが好ましい。この場合、トナーが繊維状部材310に静電的に吸着され繊維状部材310に一時的に溜め込まれ、トナーが効果的に除去される。そして、ある時間経過後に反対電界を印加することが好ましい。このように繊維状部材310とベルト状感光体306との間に印加する電界を時間的に変化させると、繊維状部材310に溜め込まれたトナーが放出されるため、繊維状部材310へのトナーの吸着能力の低下を十分に防止できる。
なお、画像形成装置301がモノクロ画像を形成するものである場合は、画像形成ユニットは1個でよい。また定着器315は、いずれか一方又は両方がロールかベルトである一対の回転体からなり、定着器315がベルトを有する場合、ベルトとして、無端ベルト10を用いてもよい。
図8及び図9に示す画像形成装置201,301においては、転写ベルト206及びベルト状感光体306は、直径15mm以下のロールに張架して回転駆動させても滑りを生じにくい。このため、小径ロールの採用により、カラープリンターの小型化、特に高さを低く、例えば10cm以下にする場合に有用である。なお、図10に示すように、高さ10cm以下のカラープリンター401を、例えば事務机や会議机のような机400の内部に組み込んで使用することもできる。この場合、カバー402を開くと、それが用紙200の排紙トレイを兼ねる、等の応用も可能である。カラープリンターへの画像信号の入力は、配線コードを使っても良いが、無線や赤外線通信方式を利用して、配線コードをなくすと机上がすっきりして好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明の内容をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルから得られるポリイミド樹脂前駆体の溶液(商品名:UワニスA、宇部興産社製、固形分濃度18質量%、粘度約5Pa・s、溶剤はN−メチルピロリドン)を用意した。これに耐熱性シリコーンゴム(商品名DY35、トーレダウコーニングシリコーン(株)製)の粉体(粒径約30μm)をポリイミド前駆体溶液の固形分に対して3質量%添加して分散した。さらに溶剤を加えて、粘度を80mPa・sに調整した。
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルから得られるポリイミド樹脂前駆体の溶液(商品名:UワニスA、宇部興産社製、固形分濃度18質量%、粘度約5Pa・s、溶剤はN−メチルピロリドン)を用意した。これに耐熱性シリコーンゴム(商品名DY35、トーレダウコーニングシリコーン(株)製)の粉体(粒径約30μm)をポリイミド前駆体溶液の固形分に対して3質量%添加して分散した。さらに溶剤を加えて、粘度を80mPa・sに調整した。
芯体として、外径200mm、長さ400mm、表面粗さRaが約0.1μmのアルミニウム製円筒の表面にシリコーン系離型剤(商品名:セパコート、信越化学工業社製)を塗布したものを用意した。これに上記溶液を塗布し、150℃で30分間乾燥して、摩擦層の塗膜を形成した。
次に、図4に示すように、内径198mmの穴を設けたシール材28を底面に取り付けてある環状塗布槽27にポリイミド樹脂前駆体溶液22を入れ、環状体25を浮遊状態で設置した。環状体は、最小部の内径201.2mm、最大部の内径211mmの円孔26を設けた外径220mm、高さ30mmのステンレス製リングである。該円孔を通して、上記摩擦層の塗膜を形成した芯体を0.7m/minの速度で引き上げ、塗膜24を形成した。
その後、芯体をその長手方向を水平にして15rpmで回転しながら、100℃で40分間乾燥し、ポリイミド樹脂前駆体層を形成した。次いで、250℃で50分、320℃で30分間加熱した。基体が室温に冷えた後、芯体上の皮膜を抜き取ることにより、内面に厚さ5μmの摩擦層を有し厚さ70μmのポリイミド樹脂からなる無端ベルトを得ることができた。この無端ベルトを画像形成装置における用紙搬送ベルトとして使用し、直径15mmのロールを用いて回転駆動させたところ、ロールと無端ベルトとの間に滑りはほとんどなく、また一万回回転させても、ベルトの滑りによる画像ずれを生じることはなかった。このことから、本実施例の無端ベルトによれば、これを回転させるためのロールとの間に発生する滑りを十分に防止でき且つ長寿命化を実現できることが確認された。また、ベルト内面の摩擦層が剥離することもなかった。このことから、摩擦層とポリイミド樹脂層を同時に加熱して反応させたので、密着性が良好になっていることが分かった。
(実施例2)
実施例1において使用した摩擦層形成用及び無端ベルト基体形成用塗布液のそれぞれに、ポリイミド樹脂前駆体固形分に対して23質量%のカーボンブラック(商品名:スペシャルブラック4、デグザヒュルス社製)を添加して分散した。その溶液をそれぞれ用いて、実施例1と同様にして無端ベルトを作製した。
実施例1において使用した摩擦層形成用及び無端ベルト基体形成用塗布液のそれぞれに、ポリイミド樹脂前駆体固形分に対して23質量%のカーボンブラック(商品名:スペシャルブラック4、デグザヒュルス社製)を添加して分散した。その溶液をそれぞれ用いて、実施例1と同様にして無端ベルトを作製した。
得られた無端ベルトは、100Vにおける体積抵抗率は約1010Ωcm、表面抵抗率は約1011Ω/□の半導電性を有していた。
この無端ベルトを340mm幅に切断し、転写ベルトとして、図8に示す画像形成装置に使用した。張架ロール207、208の直径は12mmとした。転写ベルト206上に、画像形成ユニット220a〜220dにてイエローY,マゼンタM、シアンC、黒Bの各色のトナー像を順に形成し、用紙200に転写した。この画像形成装置201にて転写ベルト206を2万回回転させてもベルトの滑りによる画像ずれを生じることはなかった。また、ベルト内面の摩擦層が剥離することもなかった。このことから、摩擦層とポリイミド樹脂層との密着性が良好になっていることが分かった。
(比較例1)
摩擦層を形成しなかったこと以外は実施例1と同様にして無端ベルトを作製した。そして、この無端ベルトを画像形成装置における用紙搬送ベルトに使用して画像を形成した。その結果、張架ロールにて回転させると不定期に滑りが発生し、転写画像に色ずれを生じた。
摩擦層を形成しなかったこと以外は実施例1と同様にして無端ベルトを作製した。そして、この無端ベルトを画像形成装置における用紙搬送ベルトに使用して画像を形成した。その結果、張架ロールにて回転させると不定期に滑りが発生し、転写画像に色ずれを生じた。
(比較例2)
比較例1の摩擦層を有しない無端ベルトの内面に、後から実施例1の耐熱性シリコーンゴムの溶液を、無端ベルトの内面に約10μm厚になるよう塗布しようとした。しかし、無端ベルトは変形して塗布しにくいので、無端ベルトを適宜のロールに張架して張力を与え、スプレーにて塗布を行った。但し、張架ロールに溶液が付着しないよう、乾燥させながら塗布したので、15分の時間を要した。さらに、無端ベルトの変形に注意しながら、150℃に加熱した乾燥機に入れ、30分間乾燥した。
比較例1の摩擦層を有しない無端ベルトの内面に、後から実施例1の耐熱性シリコーンゴムの溶液を、無端ベルトの内面に約10μm厚になるよう塗布しようとした。しかし、無端ベルトは変形して塗布しにくいので、無端ベルトを適宜のロールに張架して張力を与え、スプレーにて塗布を行った。但し、張架ロールに溶液が付着しないよう、乾燥させながら塗布したので、15分の時間を要した。さらに、無端ベルトの変形に注意しながら、150℃に加熱した乾燥機に入れ、30分間乾燥した。
このように、実施例1及び2における摩擦層と無端ベルト基体を一体的に製造する方法と比較すると、比較例2のように後工程で無端ベルトの内面に摩擦層を形成する方法では、手間と時間が余計にかかり、均一な摩擦層を形成することが困難であった。
(実施例3)
実施例1と同様に摩擦層及びポリイミド樹脂前駆体層を芯体上に積層し、ポリイミド樹脂前駆体層を加熱する前に、ポリイミド樹脂前駆体層の表面に、銀の超微粒子(粒径5〜10nmの球状粒子、融点200℃)の分散液(大阪セメント(株)製、固形分濃度40質量%、粘度3mPa・s)を環状塗布方法で塗布した。但し、粘度が低いので、環状体は不要であった。
実施例1と同様に摩擦層及びポリイミド樹脂前駆体層を芯体上に積層し、ポリイミド樹脂前駆体層を加熱する前に、ポリイミド樹脂前駆体層の表面に、銀の超微粒子(粒径5〜10nmの球状粒子、融点200℃)の分散液(大阪セメント(株)製、固形分濃度40質量%、粘度3mPa・s)を環状塗布方法で塗布した。但し、粘度が低いので、環状体は不要であった。
次いで、250℃で50分、320℃で30分間加熱し、ポリイミド樹脂のイミド化と、銀の層の融解を同時加熱により行った。これにより、芯体外周面上に、厚さ5μmの摩擦層、70μm厚のポリイミド樹脂からなるベルト状の基体、及び、厚さ約0.1μmの銀からなる導電層がこの順番で積層された積層体を得た。銀の層の体積抵抗率は、約10μΩcmであり、導電性を有していた。
感光層形成のための浸漬塗布の際に隙間に塗布液が浸入しないように、同時加熱後、芯体を抜き取らない状態のまま、端部に粘着テープを巻き付けた。
次に、ポリビニルブチラール樹脂(BM1、積水化学社製)1部をシクロヘキサノン19部に溶解し、これにクロロガリウムフタロシアニン3部を加えてサンドミルで分散して分散液を作り、さらにアセトン20部を加えた。この分散液を塗布液とし、銀層の上に浸漬塗布し、膜厚0.12μmの電荷発生層を形成した。
続いて、電荷輸送剤であるN,N’−ジフェニル−N,N’−(m−トリル)ベンジジン40部と重量平均分子量が6万のポリカーボネートZ樹脂(ユーピロンZ600、三菱ガス化学社製)60部をテトラヒドロフラン200部に溶解した。この塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布し、135℃で40分間の乾燥をして、厚さ20μmの電荷輸送層を形成した。その後、皮膜端部から粘着テープを剥離し、芯体から皮膜を抜き取って、柔軟性ベルト状感光体を得た。
(実施例4)
ベルト状感光体を作製するために、実施例3と同様に各層を同時加熱で製作し、芯体外周面上に、摩擦層、ポリイミド樹脂からなるベルト状の基体、及び、銀からなる導電層がこの順番で積層された積層体を得た。
ベルト状感光体を作製するために、実施例3と同様に各層を同時加熱で製作し、芯体外周面上に、摩擦層、ポリイミド樹脂からなるベルト状の基体、及び、銀からなる導電層がこの順番で積層された積層体を得た。
下引き層及び感光層形成のための浸漬塗布の際に隙間に塗布液が浸入しないように、同時加熱後、芯体を抜き取らない状態のまま、端部に粘着テープを巻き付けた。
下引き層を形成するため、ジルコニウム化合物(商品名:オルガチックスZC540、マツモト製薬社製)100質量部およびシラン化合物(商品名:A1110、日本ユンカー社製)10質量部、ポリビニルブチラール樹脂(BM1、積水化学社製)100質量部とi−プロパノール400質量部およびブタノール200質量部からなる溶液を浸漬コーティング法で金属層の外面上に塗布し、150℃において10分間加熱乾燥した。これにより、膜厚0.5μmの下引層を形成した。
この下引層上に、ポリビニルブチラール樹脂(BM1、積水化学社製)1質量部をシクロヘキサノン19質量部に溶解し、これにクロロガリウムフタロシアニン3質量部を加えてサンドミルで分散して分散液を作り、下引層の上に浸漬塗布し、膜厚0.12μmの電荷発生層を形成した。
続いて、下記構造式(1)で示される繰り返し単位を有する分子量9万(GPC法:ポリスチレン換算)の電荷輸送性高分子100質量部をテトラヒドロフラン400質量部に溶解した塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布し、135℃で40分間の乾燥をして、厚さ20μmの電荷輸送層を形成した。その後、皮膜端部から粘着テープを剥離し、芯体から皮膜を抜き取って、柔軟性ベルト状感光体を得た。
(実施例5)
実施例4の構造式(1)で示される電荷輸送性高分子に代え、下記構造式(2)で示される繰り返し単位を有する分子量8万(GPC法:ポリスチレン換算)の電荷輸送性高分子100質量部を用いたこと以外は実施例4と同様にしてベルト状感光体を得た。
実施例4の構造式(1)で示される電荷輸送性高分子に代え、下記構造式(2)で示される繰り返し単位を有する分子量8万(GPC法:ポリスチレン換算)の電荷輸送性高分子100質量部を用いたこと以外は実施例4と同様にしてベルト状感光体を得た。
(実施例6)
実施例4の構造式(1)で示される繰り返し単位を有する電荷輸送性高分子に代え、下記構造式(3)で示される繰り返し単位を有する分子量10万(GPC法:ポリスチレン換算)の電荷輸送性高分子100質量部を用いたこと以外は実施例4と同様にしてベルト状感光体を得た。
実施例4の構造式(1)で示される繰り返し単位を有する電荷輸送性高分子に代え、下記構造式(3)で示される繰り返し単位を有する分子量10万(GPC法:ポリスチレン換算)の電荷輸送性高分子100質量部を用いたこと以外は実施例4と同様にしてベルト状感光体を得た。
実施例3〜6で作製したベルト状感光体について、セロハンテープによるゴバン目剥離試験により感光層の密着性を調査したところ、金属層の密着性が優れていたため、感光層全体としても密着性が優れていることがわかった。
実施例3で製作したベルト状感光体を340mm幅に切断し、図9に示す画像形成装置に使用した。張架ロール307、308の直径は12mmで、ベルト状感光体306上に、画像形成ユニット320a〜320dにてイエローY,マゼンタM、シアンC、黒Bの各色のトナー像を順に形成し、用紙200に転写した。この画像形成装置にてベルト状感光体306を2万回回転させても内面の滑りによる画像ずれを生じることはなかった。また、ベルト内面の摩擦層が剥離したり、外面の感光層の剥離やクラックも生じることはなかった。
実施例4〜6で作製したベルト状感光体を340mm幅に切断し、図9に示す画像形成装置に使用した。張架ロール307、308の直径は12mmで、感光体306上に、画像形成ユニット320a〜320dにてイエローY,マゼンタM、シアンC、黒Bの各色のトナー像を順に形成し、用紙200に転写した。画像形成装置本体の高さは6cmの薄型であり、机への組み込みも可能であった。
繊維状部材310のブラシ材質は導電性ナイロン、ブラシ繊維の太さは5デニール(約43ミクロン)、電気抵抗は1×105Ω、毛足長さは3mm、密度は15万本/inch2、感光体への食い込み量は約1.5mm、周速は60mm/s、回転方向は感光体の回転方向に対し逆回転、ブラシ印加バイアスは+200V〜−200Vで1Hzで変化させた。クリーニングブレードも併用し繊維状部材でのクリーニング工程の後段にクリーニングブレードによるクリーニング工程を行った。
この装置にて感光体を2万回回転させても内面の滑りによる画像ずれを生じることはなく、安定した画質が得られた。また、ベルト内面の摩擦層が剥離したり、外面の感光層の剥離やクラックも生じることはなかった。
(比較例3)
実施例4において、摩擦層を形成しなかったこと以外は実施例4と同様にしてベルト状感光体を作製した。そして、このベルト状感光体を使用し、実施例4のベルト状感光体と同様のテストを行ったところ、張架ロールにて回転させると不定期に滑りが発生し、転写画像に色ずれを生じた。
実施例4において、摩擦層を形成しなかったこと以外は実施例4と同様にしてベルト状感光体を作製した。そして、このベルト状感光体を使用し、実施例4のベルト状感光体と同様のテストを行ったところ、張架ロールにて回転させると不定期に滑りが発生し、転写画像に色ずれを生じた。
1…無端ベルト基体、2…摩擦層、3…導電層、5…感光層、6…電荷発生層、7…電荷輸送層、8…下引き層、9…保護層、10…無端ベルト、20、30、40…ベルト状感光体、21…芯体、22…塗布液、23、27…塗布槽、24…塗膜、25…環状体、26…孔、28…シール材、29…蓋部材、50、50A…浸漬塗布装置、71、81…開口部、201、301、401…画像形成装置、200…用紙、202a〜202d、302a〜302d…帯電器(帯電体)、203a〜203d、303a〜303d…露光器、204a〜204d、304a〜304d…現像器、205a〜205d、320…ブレードクリーナー、206…転写ベルト、207…駆動ロール、208、209…ロール、210a〜210d…感光体、211a〜211d、311…転写ロール、213…用紙トレイ、215、315…定着器、220a〜220d、320a〜320d…画像形成ユニット、400…机、402…カバー兼用紙トレイ。
Claims (8)
- ベルト状の基体と、
ポリイミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種の樹脂及び前記樹脂に分散されているゴム粒子を含有し、前記基体の内面上に設けられる摩擦層と、
を備えることを特徴とする無端ベルト。 - 帯状の外周面を有する芯体の前記外周面上に、ゴム粒子を含む摩擦層形成用塗布液を塗布し乾燥させ、塗膜を得る第1工程と、
前記塗膜上に前記基体を形成する第2工程と、
前記第1工程及び前記第2工程を経て前記芯体上に得られる前記無端ベルトを前記芯体から分離させる第3工程と、
を含むことを特徴とする無端ベルトの製造方法。 - 請求項1に記載の無端ベルトと、
前記無端ベルトの前記基体の外側に設けられる感光層と、
を備えることを特徴とするベルト状感光体。 - 帯状の外周面を有する芯体の前記外周面上に、ゴム粒子を含む摩擦層形成用塗布液を塗布し乾燥させ、塗膜を得る第1工程と、
前記塗膜上に基体を形成する第2工程と、
前記感光層を形成する第3工程と、
を含むことを特徴とするベルト状感光体の製造方法。 - 感光体、前記感光体を帯電させる帯電体を有する帯電手段、帯電した前記感光体を露光して静電潜像を形成させる露光手段、前記静電潜像を現像してトナー像を形成させる現像手段、及び前記トナー像を前記感光体から被転写媒体に転写する転写体を有する転写手段を有する少なくとも1つの画像形成ユニットと、
前記少なくとも1つの画像形成ユニットにより前記被転写媒体に形成された画像を定着させる定着体を有する定着手段と、
を備える画像形成装置において、
前記帯電体、前記被転写媒体、及び前記定着体の内、少なくとも1つが請求項1に記載の無端ベルトを有すること、
を特徴とする画像形成装置。 - 前記無端ベルトの内面に接触して設けられ、前記帯電体、前記転写体、及び前記定着体の内、少なくとも1つを回転させる複数のロールを更に備えており、
前記複数のロールの少なくとも1つが外径15mm以下のロールである
ことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。 - 感光体と、
前記感光体に対して帯電、露光及び現像を行う少なくとも1つの画像形成ユニットと、
前記少なくとも1つの画像形成ユニットにより形成された画像を定着させる定着体を有する定着手段と、
を備える画像形成装置において、
前記感光体が請求項3に記載のベルト状感光体である、
ことを特徴とする画像形成装置。 - 前記ベルト状感光体の内面に接触して設けられ、前記ベルト状感光体を回転させる複数のロールと、
前記複数のロールの少なくとも1つが、外径15mm以下のロールである
ことを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004268831A JP2006084721A (ja) | 2004-09-15 | 2004-09-15 | 無端ベルト及びその製造方法、ベルト状感光体及びその製造方法、並びに画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004268831A JP2006084721A (ja) | 2004-09-15 | 2004-09-15 | 無端ベルト及びその製造方法、ベルト状感光体及びその製造方法、並びに画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006084721A true JP2006084721A (ja) | 2006-03-30 |
Family
ID=36163298
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2004268831A Pending JP2006084721A (ja) | 2004-09-15 | 2004-09-15 | 無端ベルト及びその製造方法、ベルト状感光体及びその製造方法、並びに画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2006084721A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012132154A1 (ja) * | 2011-03-28 | 2012-10-04 | 日本電気株式会社 | 二次電池 |
JP2014123121A (ja) * | 2012-12-20 | 2014-07-03 | Xerox Corp | 定着器部材の製造方法 |
-
2004
- 2004-09-15 JP JP2004268831A patent/JP2006084721A/ja active Pending
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WO2012132154A1 (ja) * | 2011-03-28 | 2012-10-04 | 日本電気株式会社 | 二次電池 |
JP2014123121A (ja) * | 2012-12-20 | 2014-07-03 | Xerox Corp | 定着器部材の製造方法 |
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