JP2006083740A6 - ノンシールポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】 低コストで、パーティクル等の混入なく流体を圧送できるノンシールポンプを提供する。
【解決手段】 回転軸22は、回転軸22自体とは接触せずに支持可能なジャーナル軸受25によって支持されており、この回転軸22の両方の軸端部における一端には主羽根車26、他端には副羽根車27が設けられている。そして、主羽根車26の回転により生じる力を利用して、揚液(揚流体)を吸込口15から吸い込むとともに吐出口16から吐出させる一方、副羽根車27の回転により生じる力を利用して、流体をジャーナル軸受25に送り込むことにより、ジャーナル軸受25が回転軸22を支持する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、メカニカルシール(シール材)を用いることなく、かつ、モーターの軸受を非接触方式としたノンシールポンプに関するものである。
例えば、ノンシールポンプは、モーターによって回転する羽根車を利用して流体等を送り出すようになっている。通常は、ポンプ部とモーター部とを分離するため、メカニカルシール等を用いている。
しかしながら、極低温・極高温の流体等や極低圧・極高圧の流体等をメカニカルシールによって、完全に漏洩防止することは難しい。そこで、メカニカルシールを用いないノンシールポンプが開発されている。
ノンシールポンプとしては、モーターとポンプとを一体化して、容器(缶等)で密封したものが挙げられる(例えばキャンドモーターポンプ)。このようなノンシールポンプでは、完全に密封化されているため、極低温・極高温の流体等や、強酸・強アルカリ等の化学薬品等が一切漏洩することがない。
しかし、回転軸の軸受までも、流体等に浸されることになる。また、軸受部材が摩耗したり、摩耗粉がゴミとなったりして、液体を汚染することがある。そこで、非接触式の軸受を採用したノンシールポンプが開発されている。
例えば、図11に示す特許文献1のノンシールポンプ189では、回転軸122の一端に非接触式の磁気軸受191を、回転軸122の他端に非接触式の静圧軸受192を設けたノンシールポンプとなっている。このノンシールポンプ189は、従来、回転軸の両端に設けられていた磁気軸受(磁気軸受装置)を一方のみとすることで、ノンシールポンプ全体のサイズダウンやコストダウンを図るようになっている。
特開平9−264292号公報(請求項1・図1参照)
ところで、このようなノンシールポンプにおいては、規定されているモーター耐熱絶縁温度(JIS C 4003-1998の一部抜粋;図12参照)により、圧送可能な揚液温度が制限されるようになっている。すると、特許文献1のノンシールポンプ189では、圧送する流体等の温度が高くなれば、モーター(ロータやステータ等)の耐熱絶縁温度も向上させなくてはならない。あるいは、図示されているような、冷却用の流体を流すための導入口193を設けなくてはならない。
すると、特許文献1のようなノンシールポンプ189で、極高温等の流体等を圧送するとすれば、モーターの耐熱絶縁温度を向上させるためのコストがかかることになる。つまり、ノンシールポンプ自体のコスト高につながるこという問題が生じる。
また、冷却用の導入口193を設け、冷却流体を流した場合、その冷却流体は、ポンプ側のマニホールケーシング117に設けた内部通路194を経て、ノンシールポンプ189の吸込口115へと混入される。すると、この混入時に、細かい泡やゴミ等(パーティクル等)が発生してしまう。その結果、ノンシールポンプ189の吐出口116から送り出される流体等にパーティクルが混入してしまうという問題も生じる。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、低コストで、パーティクル等の混入なく流体を圧送できるノンシールポンプを提供することにある。
本発明は、吸込口および吐出口を具備したマニホールドユニットと、回転軸を収容したモーターユニットとが連結して構成されたノンシールポンプであって、上記回転軸は、回転軸自体とは接触せずに支持する非接触式軸受によって支持されるとともに、その回転軸の両方の軸端部における一端には第1羽根車、他端には第2羽根車が設けられ、上記第1羽根車の回転により生じる力を利用して、揚流体を上記吸込口から吸い込むとともに、上記吐出口から吐出させる一方、上記第2羽根車の回転により生じる力を利用して、流体を上記非接触式軸受に送り込むことにより、上記非接触式軸受が上記回転軸を支持するようになっていることを特徴としている。
具体的には、上記非接触式軸受は、上記回転軸との間で、空隙を有するように配設されており、上記第2羽根車は、回転により生じる力で流体を、上記非接触式軸受に送り出すことで、この非接触式軸受と上記回転軸との上記空隙に、流体膜を形成させるようになっている。
さらに詳説するなら、上記非接触式軸受は、上記回転軸を囲む円筒状のジャーナル軸受であるとともに、このジャーナル軸受の内周面には、空隙と成る窪みが形成されており、上記第2羽根車は、上記窪み内に流体を送りだすことで、この窪み内部に上記流体膜を成させ、形成された上記流体膜は、流体の圧力(静圧)で、上記回転軸を支えるようになっている。
これによると、回転軸の両端に羽根車(第1羽根車・第2羽根車)が設けられている。そして、一方の羽根車(第1羽根車)の仕事が揚流体の吸込・吐出に使用される一方、他方の羽根車(第2羽根車)の仕事が回転軸を支えるために使用される。すると、回転軸を支えるために利用する圧力を発生させるために、従来、設けられていた加圧装置(加圧ポンプ等)が不要になる。そのため、本発明のノンシールポンプは、加圧装置等を設けないため、低コストかつ小型化(省スペース化)されたノンシールポンプとなる。
また、本発明のノンシールポンプでは、上記吸込口と上記吐出口とをつなげる第1流路を設けることで、上記の揚流体が吸込口と吐出口との間を循環する揚流体用循環流路を形成するとともに、上記第2羽根車により送り出される流体が上記非接触式軸受まで流れる第2流路と、この非接触式軸受に到達した上記流体が、さらに、第2羽根車まで流れる第3流路とを連通させることで、上記流体が第2羽根車と非接触式軸受との間を循環する軸受用循環流路を形成したことが好ましい。
これによると、本発明のノンシールポンプは、揚流体の流れる流路(揚流体用循環流路)と、流体(軸受用の流体;圧力流体)の流れる流路(軸受用循環流路)とを別々にすることにより、揚流体と流体とを混合させないようにできる。そのため、揚流体を洗浄等の用途〔例えば、揚液内に泡やゴミ等(パーティクル)が入ることによって、パーティクルが被洗浄物にダメージを与えるような場合〕に使用とすると、特に利点がある。
つまり、本発明では、ノンシールポンプを駆動させて、被洗浄物を洗浄すると同時に、回転軸を支持する静圧軸受等を機能させたときに、静圧軸受等に起因したパーティクル等が発生したとしても、このパーティクル等が、揚液に混入することはない。したがって、本発明のノンシールポンプは、揚液中のパーティクル等を嫌うようなシステム(半導体洗浄システム等)に好適となっている。
また、本発明のノンシールポンプでは、上記軸受用循環流路に、熱交換器が設けられていることが好ましい。さらには、上記の揚流体用循環流路と軸受用循環流路とに、各々別個の熱交換器が設けられていることが好ましい。
これによると、揚流体用循環流路と軸受用循環流路との温度を別々に調整することができる。
また、本発明のノンシールポンプでは、上記回転軸の軸端部には、上記第2羽根車を介在させるとともに、回転軸のスラスト方向の荷重を支えるスラスト軸受が設けられており、上記第2羽根車は、回転により生じる力で流体を上記スラスト軸受に送り出すことで、このスラスト軸受と第2羽根車との間に、流体膜を形成させることが好ましい。
具体的には、上記第2羽根車では、この第2羽根車の軸線に対して半径方向に第2翼部、およびこの第2翼部の回転面を挟持するように第2側板が設けられており、この第2側板は、上記スラスト軸受に設けられた間隙で挟持されるとともに、上記第2側板と上記間隙との間に隙間を有するように配設されており、さらに、この第2羽根車は、回転により生じる力で流体を上記隙間に送り出すことで、上記第2側板と上記スラスト軸受との間に、流体膜を形成させるようになっている。
さらに詳説するなら、上記スラスト軸受の間隙を構成する面には、上記第2側板と上記間隙との隙間と成る窪みが形成されており、上記第2羽根車は、上記窪み内に流体を送りだすことで、この窪み内部に上記流体膜を形成させ、形成された上記流体膜は、流体の静圧で、上記第2羽根車を支えるようになっている。
これによると、本発明のノンシールポンプでは、第2羽根車による回転力をさらに利用して、回転軸のスラスト方向の荷重(スラスト荷重)さえも受けられるようになっている。まずは、スラスト軸受内部の間隙にて、第2羽根車を介在させるとともに、この第2羽根車に第2側板を設けることで、この第2側板を介して、間隙がスラスト荷重を受けられるようになっている。
その上、間隙と第2側板との間に、流体膜を形成させることで(例えば流体膜の圧力で)、安定して第2羽根車、ひいては、スラスト方向に移動する回転軸を支えるようになっている。
また、本発明のノンシールポンプでは、上記第2羽根車の第2側板は、この第2羽根車の軸線に対して、垂直な平面となっていることが好ましい。これによると、上記窪み内に流れ込んできた流体を平面全体で受けることができるので、上記スラスト軸受が静圧軸受の場合、その機能(静圧軸受としての機能)を高めることができる。
また、本発明のノンシールポンプでは、上記第2羽根車の軸線に対して半径方向に設けられた第2翼部において、この軸線から第2翼部の最外端までの距離と、上記第2翼部の回転面を挟持するように設けられた第2側板において、上記軸線から第2側板の最外端までの距離とが、各々調整されるようになっていることが好ましい。
圧力流体を送り出す能力を左右する一要因として、第2羽根車の大きさや形状が挙げられる一方、第2羽根車を支える能力(具体的には、回転軸の回転により生じるスラスト荷重を支える能力)を左右する一要因として、第2羽根車の側板の大きさや形状が挙げられる。
したがって、本発明のノンシールポンプでは、圧力流体を送り出す能力を左右する第2羽根車の軸線から第2翼部の最外端までの距離と、スラスト荷重を支える能力を左右する第2羽根車の軸線から第2側板の最外端までの距離とを適宜、最適な大きさに設計することで、静圧軸受に使用する圧力流体を送り出す能力と、回転軸の回転により生じるスラスト荷重を受ける能力とを最適化できるようになっている。
また、本発明のノンシールポンプは、上記第1羽根車では、この第1羽根車の軸線に対して半径方向に第1翼部、および、上記吸込口側の第1翼部の回転面を覆うように第1側板が設けられており、この第1側板は、上記吸込口から上記第1翼部に至るまでの方向に対して対向する第1対向面(図10におけるα)および第2対向面(図10におけるβ)を有するとともに、上記第1対向面が上記吸込口近傍、上記第2対向面が上記吐出口近傍に位置するようになっており、上記の第1対向面と第2対向面との面積が調整されるようになっていることが好ましい。
具体的には、上記第1対向面に対峙するような端部を有するとともに、上記第1側板を囲い込むようにして、この第1側板と上記マニホールドユニットのマニホールドケーシングにおける内部の壁との間に近接し、上記吐出口から上記吸込口への揚液漏れを防止する筒状充填部材が設けられ、上記筒状充填部材の内径の調整により、上記端部の面積が調整されるとともに、上記の第1対向面と第2対向面との面積が調整されるようになっている。
なお、具体的には、上記の第1対向面と第2対向面との面積比を調整することで、上記回転軸に生じるスラスト荷重を調整するようになっている。
通常、第1羽根車によって流体の流れだす吐出口近傍は、吸込口近傍の圧力よりも高くなっている。すると、圧力の高い吐出口近傍で、第1羽根車を第2羽根車の方向に押さえつける圧力が小さくなると、逆方向である第2羽根車を第1羽根車の方向の圧力が大きくなる。
そこで、本発明のノンシールポンプでは、吐出口近傍の第1側板に第1対向面、吸込口近傍の第1側板に第2対向面を有するようにし、第1対向面の面積と、第2対向面の面積との面積比を変えることで、回転軸に生じるスラスト荷重を調整させている。この例では、第1羽根車から第2羽根車の方向への荷重が低下し、第2羽根車から第1羽根車に向かう方向の荷重が増加するようになる。したがって、第1羽根車が揚液を吐出口に送り出すときに生じるスラスト荷重(第1羽根車から第2羽根車の方向への荷重)を低減させることができる。
また、本発明のノンシールポンプでは、上記第2羽根車の回転により生じる力によって、上記回転軸に設けられた非接触式軸受に流れてきた流体を、上記の第2羽根車から第1羽根車に至る方向へ流れるようにすることが好ましい。
具体的には、上記回転軸を収容したモーターユニットのモーターケーシングの内部と外部とを連通するバイパス流路を、上記第1羽根車側のモーターケーシングに設けるようになっている。
上述したように、第1羽根車が揚液を吐出口に送り出すときに生じるスラスト荷重は、第1羽根車から第2羽根車の方向への荷重となっている。そこで、上記第1羽根車側のモーターケーシングにバイパス流路を設けることで、上記回転軸に設けられた非接触式軸受に流れてきた流体を逆方向である第2羽根車から第1羽根車に至る方向へ流すようにしている。
このように流体が流れると、この流体に起因する荷重(ハイドロスラスト荷重)は、第1羽根車が揚液を吐出口に送り出すときに生じるスラスト荷重と逆向きになるので、スラスト荷重を低減させることができる。
また、本発明のノンシールポンプは、低粘性である超臨界流体あるいは液体を上記の揚流体として、循環させるようになっている。
本発明のノンシールポンプは、回転軸の端部の一端に第1羽根車、他端に第2羽根車を設け、この第2羽根車を利用して、流体を非接触式軸受(例えば静圧軸受等)に供給することで、例えば加圧ポンプ等設けることなく、軸受機能を発揮させるようになっている。
その上、第1羽根車は揚流体を流すために設けられる一方、第2羽根車は、非接触式軸受のための流体を流すために設けられ、この揚流体と流体(軸受用の流体)とは混合しないようになっている(互いに独立した流路が確立されている)。そのため、本発明のノンシールポンプは、低コストで、例えば軸受用の流体に生じたパーティクル等を揚流体に混合させることなく圧送できるノンシールポンプとなっている。
本発明の実施の一形態について、図面(図1〜図10)に基づいて説明すれば、以下の通りである。まず、図1は、本発明のノンシールポンプ89の全体を示す縦断面図である。図2は、ノンシールポンプ89におけるモーター20近傍の部分断面図である。図3は、主羽根車26近傍の部分断面図である。図4は副羽根車27近傍の部分断面図である。そして、図1等において、スペース上、表記できない部材番号は、その他の部分断面図等を参照するものとする。
[実施の形態1]
〔ノンシールポンプの構成について〕
図1に示すように、本発明のノンシールポンプ(例えばキャンドノンシールポンプ等のノンシールポンプ)89は、マニホールドユニット11、モーターユニット(駆動ユニット)12、第1軸受ユニット13、および第2軸受ユニット14を含むように構成されている。そして、これらの部材(マニホールドユニット11・モーターユニット12・第1軸受ユニット13・第2軸受ユニット14)は、締結ボルト等(不図示)によって、互いに連結されるようになっている。
〔〔マニホールドユニットの構成について〕〕
マニホールドユニット11は、送り出すべき流体(揚液)を吸い込む吸込口15と、この吸込口15から吸い込まれた流体(揚流体)が、吐出(排出)される吐出口16と、これらの吸込口15・吐出口16を収容するマニホールドケーシング17とを含むように構成されている。
なお、マニホールドケーシング17には、吸込口15と吐出口16とのつながった流路〔循環用の円筒状のコレクタ(循環用円筒状コレクタ18)〕が設けられるようになっている。例えば、この循環用円筒状コレクタ18は、後述する主羽根車26の取り付けられた回転軸22の軸方向(軸端)を中心とするとともに、この回転軸22の軸方向(軸線)に沿って螺旋状となった流路となっている。
また、吸込口15につながるパイプ等(吸込パイプ;不図示)と、吐出口16につながるパイプ等(吐出パイプ;不図示)とが、不図示の揚液タンクにつながるようになっている。そして、本発明のノンシールポンプ89は、後述するモーター20等の回転力を利用して、この揚液(揚流体)を循環させるようになっている(詳細については後述)。
〔〔モーターユニットの構成について〕〕
モーターユニット12は、モーター20と、このモーター20を収容するケーシング19と、モーター20(駆動部)に対して電力を供給する電源ソケット39とを含むように構成されている。
〈モーターについて〉
モーター20は、回転する棒状の軸である回転軸22、回転子(ロータ)23、固定子(ステータ)24、ジャーナル軸受25、主羽根車(第1羽根車)26、副羽根車(第2羽根車)27、およびスラスト軸受28を含むように構成されている。
《ロータについて》
ロータ23は、回転軸22の周囲に(例えば、回転軸22の長手における中心付近等に)取り付けられた円筒状の誘電体である。なお、このロータ23には、ロータ23の外周を覆うようにして、薄肉円筒状の被着防止材であるロータキャン(不図示)が設けられている。
《ステータについて》
ステータ24は、図1・図2・図5(図2の矢視V−V’断面図)に示すように、回転軸22・ロータ23を覆うように形成された円筒状の電磁石である。具体的に、このステータ24は、ステータ24の本体を成す円筒状の金属体(例えば鉄等)24a、ステータスロット24b、金属線(例えばエナメル線)24c、モーターモールド材24d、およびステータキャン24eを含むように構成されている。
ステータスロット24bは、金属体24aの内周面から中心方向(円筒状の縦断面の中心方向;筒軸方向)に向かって突起(立設)させるとともに、筒軸方向(筒軸線)と同方向に沿って形成させた突起体24fを、隣り合うように配設させることで構成される溝である(すなわち、円筒状の縦断面の中心として、複数の突起体24fを放射状に設けることによって形成される溝である)。
金属線(巻線)24cは、筒軸方向に沿って設けられた突起体24fを巻き付ける線であり、電磁石を構成するものである。
モーターモールド材24dは、例えばエポキシ樹脂等から成る補強部材であり、ステータスロット24bである溝に充填されるものである。なお、突起体24fに巻き付けた金属線24cは、金属体24aの両端部から露出(突き出るように露出)するようになってしまう(露出部分24g;図2参照)。そこで、モーターモールド材24dは、この露出した金属線24cを覆うようにもなっている(被覆部分24h;図2参照)。
なお、これらの露出部分24g・被覆部分24hは、図2に示すように、円筒状の金属体24a(図5参照)の両端から突出するようになっている。そのため、金属体24aを含まないこれらの部分(露出部分24g・被覆部分24h)の強度は弱くなってしまう。そこで、これらの部分における強度向上のために、例えばクロムモリブデン鋼SCM435等から成る補強スリーブ24iを、金属体24a・モーターモールド材24dから成る内筒や、モーターモールド材24dから成るステータ24の端部を覆うように嵌めこまれている。
ステータキャン24e(図5参照)は、薄肉円筒状の被着防止材であり、ステータ24の内部を覆うように設けられている。
《ジャーナル軸受について》
ジャーナル軸受25は、回転軸22の両端を支えることで、この回転軸22を回転可能に支持(軸支)するものである。なお、図2に示すように、マニホールドユニット11側の回転軸22に設けられたジャーナル軸受25を第1ジャーナル軸受(第1J軸受)25a、他方(マニホールドユニット11側と反対側)の回転軸22に設けられたジャーナル軸受25を第2ジャーナル軸受(第2J軸受)25bとする。
図6は、第2J軸受25bの斜視図であり、図7は、図6の周方向展開図である。これらの図6・図7に示すように、ジャーナル軸受25は、円筒状の軸受である。そして、そのジャーナル軸受25の内周には、内周から外周に向かって窪んだ形状(凹状)となったリセス25cが、周方向に沿って複数隣り合うようにして設けられている。つまり、リセス25cが設けられることによって、ジャーナル軸受25と回転軸22との間に空隙(隙間)ができるようになっている(図2参照)。
また、このリセス25cの窪み内部には、ジャーナル軸受25の内周(内周面)と外周(外周面)とを貫くようにして、圧力流体注入開孔(P開孔)25dが設けられている(P開孔25dが連通するようにして設けられている)。なお、リセス25c以外のジャーナル軸受25の内周部分(すなわち、このジャーナル軸受25を縦断面でみたとき、凹状のリセス25cの底面から突起した部分)をランド25eとする。
以上のように説明したこのジャーナル軸受25は、このジャーナル軸受25外部で加圧された高圧の流体(圧力流体)を、P開孔25dを介して、リセス25c(すなわち、回転軸22とリセス25cとの隙間)に強制的に供給させることで、回転軸22の外周に流体潤滑膜(流体膜)を形成させる。すると、このジャーナル軸受25にて支持しうる負荷容量が発生するようになる(圧力流体の静圧が発生するようになる)。そして、この負荷容量を利用して、ジャーナル軸受25は、回転軸22を〔回転軸22の軸中心を通る方向(回転軸22の軸線)に対してラジアル方向の荷重(ラジアル荷重)を〕支持するようになっている。つまり、ジャーナル軸受25が、静圧軸受(非接触方式の軸受)として機能するようになっている。
なお、ジャーナル軸受25(第1J軸受25a・第2J軸受25b)は、少なくとも、上述したリセス25c・P開孔25dが設けられていれば、静圧軸受として機能する。しかし、図2・図3の第1J軸受25aに示すように、圧力流体を外部に導くための排出路25fが、ジャーナル軸受25に設けられていても構わない(排出路25fの詳細な機能については後述する)。
《主羽根車について》
主羽根車(第1羽根車)26は、マニホールドユニット11の吸込口15から揚流体を吸い込むとともに、循環用円筒状コレクタ18を通じて、この揚流体を吐出口16へと導くものである。具体的には、図3に示すように、主羽根車26は、羽根車の軸(主羽根車軸26a)の軸線を中心に、複数枚の翼部(第1翼部)26bを放射状(半径方向)に設けることによって構成されたものである。
そして、この主羽根車26は、回転軸22の一端と〔具体的には、マニホールドユニット11側の回転軸22の一端(軸端面)と〕、主羽根車軸26aとをボルトによって締結することで固定されている(連結されている)。したがって、この主羽根車26は、回転軸22の回転に連動して回転するようになっている。そして、主羽根車26の回転により生じる遠心力により、揚流体は循環用円筒状コレクタ18を流れるようになる(図1参照)。その結果、揚流体は、勢いよく、吐出口16へと流れるようになっている。
なお、回転軸22の軸端面側の第1翼部26bには、側板(中抜き状の側板;内側主シュラウド26c)が形成されている。また、回転軸22の軸端面側と反対側の第1翼部26bにも、側板(中抜き状の側板;外側主シュラウド26d)が形成されている。つまり、第1翼部26bを覆うように、内側主シュラウド26c・外側主シュラウド26d(第1側板)が設けられるようになっている。
《副羽根車(スラストカラ羽根車)について》
副羽根車27は、ジャーナル軸受25等に圧力流体を供給するものである(詳細については後述)。具体的には、図4に示すように、主羽根車26同様、羽根車の軸(副羽根車軸27a)の軸線を中心に、複数枚の翼部(第2翼部)27bを放射状(半径方向)に設けることによって構成されたものである。そして、この副羽根車27は、主羽根車26の設けられていない回転軸22の一端と〔具体的には、マニホールドユニット11側と反対側の回転軸22の一端と〕、副羽根車軸27aとをボルトによって締結することで固定されている。したがって、この副羽根車27は、回転軸22の回転に連動して回転するようになっている。そして、副羽根車27の回転により生じる遠心力により、圧力流体は軸受用円筒状コレクタ65(後述)を流れるようになる。その結果、圧力流体は、勢いよく、噴出口66(後述)へと流れるようになっている(図1参照)。
なお、回転軸22の軸端面側の第2翼部27bには、側板(中抜き状の側板;内側副シュラウド27c)が形成されている。また、回転軸22の軸端面側と反対側の第2翼部27bには、側板(中抜き状の側板;外側副シュラウド27d)が形成されている。そして、これらのシュラウド(内側副シュラウド27c・外側副シュラウド27d)は、副羽根車軸27aの軸線(軸方向)に対して垂直面となっており、かつその面上は平面(フラット面)になっている。
《スラスト軸受について》
スラスト軸受28は、図4に示すように、副羽根車27の取り付けられる回転軸22の軸端が嵌め込まれる円筒状の空洞を有するとともに、副羽根車27に設けられたシュラウド(内側副シュラウド27c・外側副シュラウド27d)のフラット面を挟み込むような間隙を有する軸受である。
具体的に、スラスト軸受28は、回転軸22の軸端の嵌め込まれる第1軸受部28aと、この第1軸受部28aとともに、シュラウド(内側副シュラウド27c・外側副シュラウド27d)を挟み込む第2軸受部28bとから構成されている。さらに、各々の軸受部28a・28bは、第1円筒体28g・28iと第2円筒体28h・28jとから構成されている。
各々の軸受部28a・28bにおける第1円筒体28g・28iは、回転軸22の軸端を嵌め込み可能な程度の空洞を有する円筒体である。第2円筒体28h・28jは、第1円筒体28g・28iの端部の周囲に連なって設けられた(一体成形された)円筒体であり、第1円筒体28g・28iの外径よりも大きな外径を有するようになっている。そして、この第2円筒体28h・28jの端面(底面)を対向させることで、間隙が設けられるようになっている(この間隙内に副羽根車27が介在するようになっている)。
そして、このスラスト軸受28は、間隙によって、副羽根車27のシュラウド(内側副シュラウド27c・外側副シュラウド27d)のフラット面を支え、回転軸22の軸方向(スラスト方向)の荷重を受けるようになっている。その上、より安定してスラスト方向の荷重(スラスト荷重)を受けるべく、内側副シュラウド27c・外側副シュラウド27dと対向する間隙の面上に(すなわち、第1軸受部28a・第2軸受部28bにおける第2円筒体28h・28jの端面上に)、凹状のリセス28cを散点させて(回転軸22の軸線に対して周方向に複数)設けるとともに、このリセス28cに連通する(すなわち間隙と連通する)P開孔28dを設けている。
そして、詳細については後述するが、圧力流体が、P開孔28dを通って、スラスト軸受28のリセス28c〔すなわち、リセス28cと副羽根車27のシュラウド(内側副シュラウド27c・外側副シュラウド27d)との隙間〕に流れ込むことで、静圧軸受機能を発揮して(圧力流体の静圧で)、副羽根車27を支えるようになっている。
〈ケーシングについて〉
ケーシング19は、上述したように、モーター20を収容するものである。具体的には、図1に示すように、回転軸22・ロータ23・ステータ24・ジャーナル軸受25・主羽根車26・副羽根車27・スラスト軸受28の一部(第1軸受部28a)・電源ソケット39を収容するモーターケーシング19aと、スラスト軸受28の残りの部分(第2軸受部28b)を収容するエンドベル19bとから構成されている。
そして、これらのケーシング19(モーターケーシング19a・エンドベル19b)には、ジャーナル軸受25・スラスト軸受28の静圧軸受機能を確保するために、種々の流路が設けられている。
《モーターケーシングについて》
モーターケーシング19aには、図2に示すように、ジャーナル軸受用周溝(J周溝)41・41、流入開孔42、排出開孔43、およびスラスト軸受用第1周溝(第1S周溝45)が設けられている。
J周溝41・41は、圧力流体の流路として、第1J軸受25a・第2J軸受25bのP開孔25d・28dとつながるようにして設けられたリング状の溝である。つまり、J周溝41・41は、モーターケーシング19aの内部にモーター20を(具体的にはジャーナル軸受25を)取り付けたとき、ジャーナル軸受25の外周を囲むようにして設けられた溝である。
流入開孔42(第1流入開孔42a・第2流入開孔42b)は、後述する第1軸受ユニット13・第2軸受ユニット14の流入口61(第1流入口61a・第2流入口61b)とつながる開孔である。そして、この流入開孔42は、J周溝41・41とつながるようになっている(連通するようになっている)。
排出開孔43(第1排出開孔43a・第2排出開孔43b)は、静圧軸受のために使用した圧力流体を排出させるための開孔であって、後述する第1軸受ユニット13・第2軸受ユニット14の排出口62(第1排出口62a・第2排出口62b)とつながるようになっている。
具体的に、第1排出開孔43aは、継手バイパス(第1継手バイパス44a)を介して、第1J軸受25aに設けられた排出路25fとつながるようになっている。
また、第2排出開孔43bは、2本の継手バイパス(第2継手バイパス44b・第3継手バイパス44c)を介して、回転軸22・ロータ23の収容されたケーシング19の内壁とつながるようになっている。なお、第2継手バイパス44b(バイパス流路)は、第1流入開孔42aから流れる圧力流体を回収しやすくするために、この圧力流体の流れ方向と同方向〔回転軸22の軸方向(軸線)と同方向〕となっているとともに、主羽根車26と第2排出開孔43bとの間に位置するように配設されている。
第1S周溝45は、図4に示すように、J周溝41・41同様、圧力流体の流路として、スラスト軸受28における第1軸受部28aのP開孔28dとつながるようにして設けられたリング状の溝である。
《エンドベルについて》
図4に示すように、エンドベル19bには、上記同様、周溝である第2S周溝46と、軸受用循環口51とが設けられている。
第2S周溝46は、スラスト軸受28における第2軸受部28bのP開孔28dとつながるリング状の溝であり、上記同様、圧力流体のための流路となっている。
軸受用循環口51は、副羽根車27に供給される圧力流体を流入させる入口である。そして、この軸受用循環口51は、後述する第1軸受ユニット13・第2軸受ユニット14の排出口62(第1排出口62a・第2排出口62b)と、不図示のパイプ等(循環パイプ)とによって連結されるようになっている。
なお、循環パイプには、圧力流体の源となる流体(例えば水等)の貯留できるタンク(圧力流体タンク;不図示)が設けられるようになっている。
なお、各流路や各開孔は、上記の説明した形状に限定されるものではない。要するに、各流路や各開孔は、ジャーナル軸受25・スラスト軸受28を軸受(例えば静圧軸受)として機能させるために、圧力流体を供給・排出等できる形状であればよい。
〔〔第1軸受ユニットの構成について〕〕
第1軸受ユニット13は、図1に示すように、モーターユニット12(具体的には、主羽根車26側のケーシング19)に取り付けられるようになっている。そして、この第1軸受ユニット13は、第1流入口61aと、第1排出口62aと、これらを(第1流入口61a・第1排出口62a)を収容する第1軸圧ケーシング63とを含むように構成されている。
〈第1流入口について〉
第1流入口61aは、上記の副羽根車27によって圧送されてくる圧力流体の流入してくる入口である。具体的に、この第1流入口61aは、モーターケーシング19aに設けられた第1流入開孔42aとつながるようになっている(連通するようになっている;図1・図2参照)。そのため、圧力流体が、第1流入開孔42aを通じて、J周溝41に流れ、さらに、第1J軸受25aのP開孔25dに流れるようになっている。
〈第1排出口について〉
第1排出口62aは、第1J軸受25aにて静圧軸受機能を発揮するために使用された圧力流体をケーシング19(モーターケーシング19a)の外部へと排出させるための出口である。具体的に、この第1排出口62aは、ケーシング19の第1排出孔43aとつながるように(連通するように)形成されている(図1・図2参照)。
〔〔第2軸受ユニットの構成について〕〕
第2軸受ユニット14は、図1・図4に示すように、第1軸受ユニット13同様、モーターユニット12(具体的には、副羽根車27側のケーシング19)に取り付けられるようになっている。そして、この第2軸受ユニット14は、図1に示すように、第2流入口61b、第2排出口62b、S周溝用流入開孔(S流入開孔64)、軸受用円筒状コレクタ65、噴出口66、およびこれらを(第2流入口61b・第2排出口62b・S流入開孔64・軸受用円筒状コレクタ65・噴出口66)を収容する第2軸圧ケーシング67を含むように構成されている。
〈第2流入口について〉
第2流入口61bは、上記同様、副羽根車27によって圧送されてくる圧力流体の流入してくる入口である。具体的には、図1・図2に示すように、この第2流入口61bは、モーターケーシング19aに設けられた第2流入開孔42bとつながるようになっている(連通するようになっている)。そのため、圧力流体が、第2流入開孔42bを通じて、J周溝41に流れ、さらに、第2J軸受25bのP開孔25dに流れるようになっている。
また、図1・図4に示すように、この第2流入口61bは、圧力流体をスラスト軸受28にも供給すべく、後述のS流入開孔64を通じて、第1S周溝45・第2S周溝46に圧力流体を流せるようにもなっている。
〈第2排出口について〉
第2排出口62bは、上記同様、第2J軸受25bにて静圧軸受機能を発揮するために使用された圧力流体をケーシング19の外部へと排出させるための出口である。具体的には、図1・図2に示すように、この第2排出口62bは、モーターケーシング19aの第2排出孔43bとつながるように(連通するように)形成されている。
〈S周溝用流入開孔(S流入開孔)について〉
図1・図4に示すように、S流入開孔64は、S周溝(第1S周溝45・第2S周溝46)に、圧力流体を供給するための開孔である。そのため、このS流入開孔64は、第2流入口61b・S周溝(第1S周溝45・第2S周溝46)とつながるように(連通するように)形成されている。
また、後述の軸受用円筒状コレクタ65を通じて噴射口66へと流れる圧力流体を、スラスト軸受28の静圧軸受機能のために使用することを可能にすべく、S流入開孔64は、噴射口66とつながるようにもなっている(図1参照)。
〈軸受用円筒状コレクタについて〉
軸受用円筒状コレクタ65は、図1に示すように、副羽根車27の取り付けられた回転軸22の軸端を中心とするとともに、軸方向に沿って例えば螺旋状となった流路である。そして、この軸受用円筒状コレクタ65は、スラスト軸受28の間隙とつながるようになっている。そのため、副羽根車27の回転に送り出される(圧送される)圧力流体が、この軸受用円筒状コレクタ65を通じて、噴出口66へと流れるようになっている。
〈噴出口について〉
噴出口66は、軸受用円筒状コレクタ65を通じて流れてくる圧力流体を第1流入口61a・第2流入口61bへと導くものである。具体的には、この噴出口66と、第1流入口61a・第2流入口61bとを連結する不図示のパイプ等(流入パイプ)を通じて、圧力流体を導くようになっている。
〔ノンシールポンプにおける揚流体・圧力流体の流れについて〕
上述したような構成を有した本発明のノンシールポンプ89における揚液(揚流体)・圧力流体の流れについて説明する。
〔〔揚流体の流れについて〕〕
まず、本発明のノンシールポンプ89を備えたシステムを駆動させる。すると、電源ソケット39を介して、ノンシールポンプ89に電力が供給される。そして、この電力を受けて、誘電方式であるモーター20では、ステータ24が電磁石となって、このステータ24内部に電界(回転電界)を生じさせる。すると、ステータ24内部に位置するロータ23での分極の時間遅れを利用して、回転軸22は回転するようになる。
このように回転軸22が回転すると、この回転軸22に連結された主羽根車26も連動して回転する。そして、この回転力によって、不図示の揚液タンクに貯留されていた流体(揚液)が、吸込口15を通じて、主羽根車26へ向かって流れ込んでくる(揚液が吸い込まれるようになる)。
主羽根車26に到達した揚液は、この主羽根車26の遠心力により、主羽根車軸26aを中心とした半径方向(放射方向)に勢いよく流出するようになる(吹き飛ばされるようになる)。すると、遠心力によって勢いをつけた揚液は、循環用円筒状コレクタ18へと流れ込み、その勢いを利用して、吐出口16へと流れていく。その結果、揚液は、吐出口16につながった揚液タンクへと舞い戻るようになる(つまり、揚液が循環するようになっている)。
したがって、本発明のノンシールポンプ89を用いると、揚液タンク(詳しくは揚液流入元;不図示)→吸込パイプ(不図示)→吸込口15→主羽根車26→循環用円筒状コレクタ18→吐出口16→吐出パイプ→揚液タンク(詳しくは揚液流出先;不図示)となった流路(揚液ループ)が確立できるようになる。
〔〔圧力流体の流れについて〕〕
一方、回転軸22が回転し始めると、主羽根車26同様、副羽根車27も回転し始める。すると、この副羽根車27の回転力によって、不図示の圧力流体タンクに貯留されていた流体(圧力流体)が、循環パイプ(不図示)・軸受用循環口51を通じて、副羽根車27へ向かって流れ込んでくる(圧力流体が吸い込まれるようになる)。
副羽根車27に到達した圧力流体は、この副羽根車27の遠心力により、副羽根車軸27aを中心とした半径方向(放射方向)に勢いよく流出するようになる(吹き飛ばされるようになる)。すると、遠心力によって勢いをつけた圧力流体は、軸受用円筒状コレクタ65へと流れ込み、その勢いを利用して、噴出口66へと流れていく。
噴出口66へと流れ出る圧力流体の大部分の流量は、流入パイプ(不図示)を通って、第1流入口61a・第2流入口61bへと送り出される。一方、第1流入口61a・第2流入口61bへと送り出されない残りの流量は、噴出口66につながったS流入開孔64を経て、S周溝(第1S周溝45・第2S周溝46)へと流れるようになっている。
すると、第1S周溝45・第2S周溝46に流れ込んできた(圧送されてきた)圧力流体が、P開孔28dを通って、スラスト軸受28(第1軸受部28a・第2軸受部28b)のリセス28c〔すなわち、リセス28cと副羽根車27のシュラウド(内側副シュラウド27c・外側副シュラウド27d)のフラット面との隙間〕に強制的に流入するようになる。そのため、副羽根車27のシュラウド27c・27dのフラット面上に、流体潤滑膜が形成される(負荷容量が発生する)。
したがって、スラスト軸受28は、間隙および流体潤滑膜によって、副羽根車27のシュラウド(内側副シュラウド27c・外側副シュラウド27d)のフラット面を支え、回転軸22のスラスト荷重を受けるようになっている。
一方、流入パイプを通じて、第1流入口61a・第2流入口61bへと流れた圧力流体は、第1流入開孔42a・第2流入開孔42bを経て、ジャーナル軸受用周溝(J周溝)41・41へと到達する。そして、さらに、圧力流体は、J周溝41・41からジャーナル軸受25(第1J軸受25a・第2J軸受25b)のP開孔25dを経て、リセス25c(すなわち、回転軸22とリセス25cとの隙間)に強制的に流入するようになる。そのため、回転軸22の外周に、流体潤滑膜が形成される。
すると、このジャーナル軸受25にて支持しうる負荷容量が発生する。そこで、ジャーナル軸受25は、この負荷容量(流体潤滑膜)を利用して、回転軸22を支持するようになっている(ジャーナル軸受25が、静圧軸受機能を発揮して、ラジアル荷重を受けるようになっている)。
このように静圧軸受として利用された圧力流体は、次に、第1排出開孔43a・第2排出開孔43bへと流れていく。そして、さらに、圧力流体は、第1排出開孔43a・第2排出開孔43bから第1排出口62a・第2排出口62bへと流れていく。そして、このように流れている圧力流体は、勢いが強いので、第1排出口62a・第2排出口62bから循環パイプ(不図示)を経て、軸受用循環口51へと舞い戻るようになっている。
したがって、本発明のノンシールポンプ89を用いると、圧力流体タンク→循環パイプ(不図示)→軸受用循環口51→副羽根車27→軸受用円筒状コレクタ65→噴出口66→流入パイプ(不図示)→第1流入口61a・第2流入口61b→第1流入開孔42a・第2流入開孔42b→回転軸22→第1排出開孔43a・第2排出開孔43b→第1排出口62a・第2排出口62b→循環パイプ→圧力流体タンクとなった流路(圧力流体ループ)が確立できるようになる。
〔〔圧力流体ループと揚液ループとが混合しない理由(排出路の機能について)〕〕
ここで、圧力流体ループ(軸受用循環流路)と揚液ループ(揚流体循環流路)とが近接している箇所、すなわち第1J軸受25a近傍で、これらのループが混合しない理由について説明する。
図3に示すように、第1J軸受25aが静圧軸受として機能するとき、第1流入開孔42aから流入してくる高圧の圧力流体が、J周溝41を経て、リセス25cへと流れ込む。その後、圧力流体は、低圧となっている排出路25fへと流れ込むようになる。つまり、第1流入開孔42a・J周溝の近傍での高圧エリアPHと、低圧となった排出路25fのエリア(低圧エリアPL)との圧力差によって、圧力流体は排出路25fに流れるようになっている。
このようにして、圧力流体が排出路25fに流れるとき、主羽根車26も回転しているので、主羽根車26の外径部近傍のエリア(外径エリアPX)の圧力が上昇するようになる。すると、この外径エリアPXの圧力と釣り合うように、低圧エリアPLの圧力も上昇していくようになる。そのため、低圧エリアPLと外径エリアPXとの間に圧力差が生じないようになる。その結果、圧力流体ループの圧力流体と揚液ループの揚液とが混合せずに、分離されるようになっている。
なお、圧力流体は、第1J軸受25aと第2J軸受25bとの間においても、流れるようになっており(すなわち、図2に示すように、第1流入口61aから圧送されてきた圧力流体が、第2継手パイプ44bを介して第2排出口62bへと流れるようになっており)、回転軸22・ロータ23・ステータ24等を冷却等させることもできるようになっている。
〔本発明のノンシールポンプの種々ある特徴点について〕
以上のように、本発明は、吸込口15および吐出口16を具備したマニホールドユニット11と、回転軸22を具備したモーターユニット12とが連結して構成されたノンシールポンプ89である。そして、回転軸22は、回転軸22自体とは接触せずに支持可能なジャーナル軸受25(例えば非接触式軸受である静圧軸受)によって支持されている。さらに、回転軸22の両方の軸端部における一端には主羽根車26、他端には副羽根車27が設けられている。
そして、本発明のノンシールポンプ89では、主羽根車26の回転により生じる力(遠心力)を利用して、揚液(揚流体)を吸込口15から吸い込むとともに吐出口16から吐出させる一方、副羽根車27の回転により生じる力(遠心力)を利用して、流体(圧力流体)を非接触式軸受に送り込むことにより、ジャーナル軸受25が回転軸22を支持するようになっている。
具体的には、静圧軸受等の非接触式軸受は、回転軸22との間で、空隙を有するように配設されている。さらに、副羽根車27は、回転により生じる力で圧力流体を、この静圧軸受等に送り出すことで、この静圧軸受等と回転軸22との空隙に、流体膜を形成させるようになっている。
つまり、非接触式軸受が上記のような静圧軸受である場合、本発明のノンシールポンプ89は、静圧軸受として、回転軸22を囲む円筒状のジャーナル軸受25を用いている。そして、このジャーナル軸受25の内周面には、空隙と成る窪み(すなわちリセス25c)が形成されている。そこで、副羽根車27が、このリセス25c内に圧力流体を送りだすことで、リセス25c内部に流体膜が形成されるようになる。すると、形成された流体膜は、流体の静圧で、回転軸22を支えることができる。
このように、回転軸22の両端に羽根車(主羽根車26・副羽根車27)が設けられると、一方の羽根車(主羽根車26)の回転力(動力)が揚液の吸込・吐出に使用される一方、他方の羽根車(副羽根車27)の回転力が回転軸22を支えるために使用される。すると、回転軸22を支えるために、従来、設けられていた加圧装置(加圧ポンプ等)が不要になる。そのため、本発明のノンシールポンプ89は、低コストかつ小型化(省スペース化)されたノンシールポンプとなる。
また、本発明のノンシールポンプ89は、例えば、揚液タンク(揚液流入元;不図示)→吸込パイプ(不図示)→吸込口15→主羽根車26→循環用円筒状コレクタ18→吐出口16→吐出パイプ→揚液タンク(揚液流入先;不図示)となった揚液の流路(揚流体用循環流路)を形成させている。つまり、吸込口15と吐出口16とを、「吸込パイプ・揚液タンク・吐出パイプ」(第1流路)でつなげることで、揚液の流路(揚液ループ)を確立させている。
また、本発明のノンシールポンプ89は、例えば、圧力流体タンク→循環パイプ(不図示)→軸受用循環口51→副羽根車27→軸受用円筒状コレクタ65→噴出口66→流入パイプ(不図示)→第1流入口61a・第2流入口61b→第1流入開孔42a・第2流入開孔42b→回転軸22→第1排出開孔43a・第2排出開孔43b→第1排出口62a・第2排出口62b→循環パイプ→圧力流体タンクとなった圧力流体の流路(圧力流体ループ)を形成させている。
つまり、副羽根車27から回転軸22までを、「噴出口66、流入パイプ、第1流入口61a・第2流入口61b、および第1流入開孔42a・第2流入開孔」(第2流路)でつなげるとともに、回転軸22から副羽根車27までを、「第1排出開孔43a・第2排出開孔43b、第1排出口62a・第2排出口62b、循環パイプ、圧力流体タンク、循環パイプ、および軸受用循環口51」(第3流路)でつなげることで、圧力流体の流路を確立させている。
このように、本発明のノンシールポンプ89は、揚液の流路と、圧力流体の流路とを別々にすることにより、揚液と圧力流体とを混合させないようにできる。すると、本発明のノンシールポンプ89は、種々の利点を享受することができる。
例えば、本発明のノンシールポンプ89を半導体の洗浄用に使用する場合である。近年の半導体における集積度の向上にともない、半導体ウェハの加工線幅は、極めて微細化されている(例えば、0.1μm以下程度)。すると、この極めて微細化された半導体ウェハを、従来の超純水等の液体を用いて洗浄すると、半導体ウェハ乾燥のとき、気体と液体との界面張力に起因する毛管力により、ウェハに形成されたレジストが倒壊するという問題(レジスト倒壊)が生じる場合がある。
このような問題を回避するために、超純水等の液体の代わりに、超臨界流体(超臨界CO2流体または液体CO2)を用いた半導体洗浄方式が開発されている。超臨界流体は、液体と比較して非常に高い浸透性を有しており、どのような微細な構造にも浸透するものである。したがって、気体と液体との界面が存在しなくなり、乾燥のときに毛管力が働かないという特徴を備えているためである。
ところで、このような超臨界流体を用いた半導体ウェハの洗浄においても、洗浄液(超臨界流体)中に細かい泡やゴミ等(パーティクル等)が発生してしまうと、パーティクルに起因して、半導体ウェハ上の配線が破壊されてしまうことがある。
しかしながら、本発明のノンシールポンプ89は、揚液として超臨界流体を使用し、例えば揚液タンク内にて、半導体ウェハを洗浄することができる。つまり、本発明のノンシールポンプ89を駆動させて、半導体ウェハを洗浄すると同時に、回転軸22を支持する静圧軸受を機能させたときに、静圧軸受に起因したパーティクル等が発生したとしても、このパーティクル等が、揚液タンク内に混入することはない。
なぜなら、揚液(揚流体)である超臨界流体は、揚液ループ内を循環する一方、静圧軸受に使用される流体(圧力流体)は、圧力流体ループ内を循環して、両ループが混合することがないためである。したがって、本発明のノンシールポンプ89は、揚液中のパーティクル等を嫌うようなシステム(半導体洗浄システム等)に好適となっている。
[実施の形態2]
本発明の実施の形態2について説明する。なお、実施の形態1で用いた部材と同様の機能を有する部材については、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
実施の形態1で説明したように、本発明のノンシールポンプ89は、揚液ループ・圧力流体ループの各々独立した2つの流路(ループ)を確立している。このように独立した2つの流路が確立されていると、上述したように、揚液中のパーティクル等を嫌うようなシステム(半導体洗浄システム等)に本発明のノンシールポンプ89を使用すれば、非常に有効といえる。
ところで、上述したような半導体ウェハを洗浄する超臨界CO2流体は、二酸化炭素(CO2)を臨界温度(31.1℃程度)・臨界圧力(7.38MPa程度)を越える状態に変化させることで生成されている。そして、この超臨界CO2流体を用いて半導体ウェハを洗浄するとき、さらに高温(例えば、200℃程度)で洗浄したい場合がある。
そのため、図8に示すように、本発明のノンシールポンプ89は、揚液ループにおいて、熱交換器71(加熱装置71a等)を設けるようになっている。一方、静圧軸受に使用する圧力流体は、揚液のように高温とする必要はない。むしろ、回転軸22・ロータ23・ステータ24等を冷却させるために、低温(例えば60℃程度)のほうが好ましい場合もある。
そのため、本発明のノンシールポンプ89は、圧力流体ループにおいて、揚液ループの熱交換器71aとは、別個の熱交換器71(冷却装置71b等)を設けるようになっている。つまり、本発明のノンシールポンプ89では、揚液ループと圧力流体ループに、各々別個の熱交換器71a・71bが設けられるようになっている。
したがって、本発明のノンシールポンプ89は、揚液ループと圧力流体ループとの温度をそれぞれ異ならせるようにできる。すると、例えば揚液の温度が高温に設定する必要があるからといって、モーター20(回転軸22・ロータ23・ステータ24等)の耐熱温度を向上させる必要はなくなる。その結果、本発明のノンシールポンプ89では、耐熱温度の低い材料を用いたモーター20を使用することができ、低コストなノンシールポンプとなる。
[実施の形態3]
本発明の実施の形態3について説明する。なお、実施の形態1・2で用いた部材と同様の機能を有する部材については、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
実施の形態1・2で説明したように、本発明のノンシールポンプ89における特徴の1つとして、主羽根車26以外に副羽根車27が回転軸22に取り付けられるようになっている。そこで、本実施の形態では、この副羽根車27について、さらに、詳細な説明をする。
上述したように、副羽根車27は、スラスト軸受28に設けられた間隙に位置するように設けられている。そして、この副羽根車27は、静圧軸受に使用する圧力流体を送り出す能力と、回転軸22の回転により生じるスラスト荷重を受ける能力とを有している。
圧力流体を送り出す能力を左右する一要因として、副羽根車27の大きさや形状が挙げられる。一方、スラスト荷重を受ける能力を左右する一要因として、シュラウド(内側副シュラウド27c・外側副シュラウド27d)の大きさや形状が挙げられる。
そこで、本発明のノンシールポンプ89の副羽根車27においては、第2翼部27bの大きさと、シュラウド27c・27dの大きさとが、別個に最適な大きさになるように設計している。つまり、本発明のノンシールポンプ89では、静圧軸受を設計するときに必要とされる圧力流体の最適な供給圧力を発生できる副羽根車27の大きさと、スラスト荷重を受けるために必要な負荷容量を生じさせるシュラウド27c・27dの大きさとが、異なるようになっていても対応できるようになっている。
具体的には、図9に示すように、副羽根車27における副羽根車軸27aの軸中心を通る方向(軸線)に対して、半径方向(例えば垂直)に設けられた第2翼部27bは、この軸線から第2翼部27bの最外端までの距離〔軸線からの半径距離(Rim)〕を適宜変更することによって、設計されるようになっている。
一方、第2翼部27bの回転面を挟持するように設けられたシュラウド27c・27dは、副羽根車軸27aの軸線からシュラウド27c・27dの最外端までの距離〔軸線からの半径距離(Rsh1)〕を適宜変更することによって、設計されるようになっている。
つまり、本発明のノンシールポンプ89では、副羽根車軸27aの軸線からの半径距離(Rim)で第2翼部27bを設計する一方、副羽根車軸27aの軸線からの半径距離(Rsh1)でシュラウド27c・27dを設計するようになっている。
したがって、本発明のノンシールポンプ89では、半径距離(Rim)・半径距離(Rsh1)を適宜、最適な大きさに設計することで、静圧軸受に使用する圧力流体を送り出す能力と、回転軸22の回転により生じるスラスト荷重を受ける能力とを最大限に発揮できるようになったノンシールポンプとなる。つまり、副羽根車26がスラストカラの機能も果たすようになっている。したがって、副羽根車26は、スラストカラ羽根車と表現することもできる。
なお、これらのシュラウド(内側副シュラウド27c・外側副シュラウド27d)は、副羽根車軸27aの軸方向(軸線)に対して垂直面となっており、かつその面上は平面(フラット面)になっている。そのため、このフラット面上で、スラスト軸受28のP開孔28dを通じて流れてくる圧力流体を全体で受け止めやすくなっている。したがって、このスラスト軸受28の静圧軸受としての機能を高めることになっている。
[実施の形態4]
本発明の実施の形態4について説明する。なお、実施の形態1〜3で用いた部材と同様の機能を有する部材については、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
実施の形態1〜3で説明したように、本発明のノンシールポンプ89では、主羽根車26・副羽根車27を取り付けた回転軸22が回転するようになっている。そのため、回転軸22の回転により、スラスト荷重等が発生する。そこで、本実施の形態では、本発明のノンシールポンプ89でのスラスト荷重(具体的は、主羽根車26から副羽根車27に向かう方向のハイドロスラスト荷重)に対する対策(対策1および対策2)について説明する。
〔対策1〕
実施の形態1にて説明したように、本発明のノンシールポンプ89では、シュラウド(内側主シュラウド26c・外側主シュラウド26d)付きの主羽根車(第1羽根車)26が使用されている(図3参照)。そして、この主羽根車26が、揚液を吸込口15から吐出口16まで送り出そうとするとき、吐出口16側に近い第1翼部26b・シュラウド(内側主シュラウド26c・外側主シュラウド26d)近傍付近は、揚液を送り出すために高圧(吐出圧エリアA)になる。すると、この高圧となっている吐出圧エリアAと、吸込口15側に近い外側主シュラウド26d近傍付近(吸込圧エリアB)との間で差圧が生じる。そのため、吐出口16から吸込口15への漏れ流れが生じることがある。
そこで、本発明のノンシールポンプ89では、主羽根車26のシュラウド(外側主シュラウド26d)と、主羽根車26の位置したマニホールドケーシング17の内壁との間に、ウェアリング(筒状充填部材)72が設けられるようになっている。
このウェアリング72は、円筒体であり、円筒対の端面(端部)が後述の第1対向面と対峙するとともに、外側主シュラウド26dを包みこむようにして配設されている(外側主シュラウド26dを囲い込むとともに、この外側主シュラウド26dとマニホールドケーシング17における内部の壁との間に、近接するようにして配設されている)。そのため、このウェアリング72が、吐出圧エリアAとの吸込圧エリアBとの間における障壁となり、上記の漏れ流れをせき止めることができる。
ここで、本発明のノンシールポンプ89では、このウェアリング72の内径(ウェアリング内径。別表現すると、外側主シュラウド26dの第1外径)を種々変更させることで、スラスト荷重を調整している。具体的には、ウェアリング内径は、ウェアリング72の筒軸の軸中心を通る方向(軸線)からの半径距離(Rw)を調整することで、変更するようになっている。なお、外側主シュラウド26dは、ウェアリング72の内径と密着するようになっている。そのため、シュラウドの第1外径は、ウェアリング72の内径とほぼ同径となっている。
図10(a)に示すように、本発明のノンシールポンプ89では、ウェアリング内径(半径距離Rw=X1)を大きくするようになっている。これを比較例である図10(b)を参照しながら説明する。図10(b)では、ウェアリング内径がX1よりも小さなX2となっている。すると、圧力の高い吐出圧エリアAにおいて、圧力流体が外側主シュラウド26dを押さえつける領域(第1対向面α)は大きい。そして、圧力の低い吸込圧エリアBにおいて、圧力流体が外側主シュラウド26dを押さえつける領域(第2対向面β)は小さい。
一方、図10(a)のように、ウェアリング内径(半径距離Rw=X1)を大きくすると、図10(b)の比較例に比べて、圧力の高い吐出圧エリアAにおいて、圧力流体が外側主シュラウド26dを押さえつける領域(面積;第1対向面α)は小さくなる一方、圧力の低い吸込圧エリアBにおいて、圧力流体が外側主シュラウド26dを押さえつける領域(面積;第2対向面β)は大きくなる。
そして、図10(a)・図10(b)のいずれでも、回転軸22の端面が、内側主シュラウド26cの面を押さえつける圧力は同じである(エリアC参照)。すると、図10(a)では、圧力の高い吐出圧エリアAにおいて、圧力流体が外側主シュラウド26dを押さえつける領域(第1対向面α)は小さくなっているため、主羽根車26から副羽根車27に向かう方向の圧力が低減されることになる。すると、回転軸22の端面が、内側主シュラウド26cを押さえつける圧力(すなわち、副羽根車27から主羽根車26に向かう方向の圧力)が大きくなる。その結果、スラスト荷重を低減させることができる。
つまり、本発明のノンシールポンプ89では、外側主シュラウド26d(第1側板)は、吸込口15から主羽根車26の第1翼部26bに至るまでの方向に対して、対向するような第1対向面αおよび第2対向面βを有するように設計されており、さらに、この第1対向面αが吸込口15近傍、第2対向面βが吐出口16近傍に位置するようになっている。そして、この第1対向面αと第2対向面βとの面積が調整されるようになっている。
そして、その調整は、図10(a)に示すように、第1対向面が第2対向面よりも小さくなるような調整である。
なお、ウェアリング内径RW(別表現すると、外側主シュラウド26dの第1外径;軸線からウェアリング72の内周と外側主シュラウド26dとの近接箇所までの距離)は、上述のように、調整可能になっているが、外側主シュラウド26dの内径(Rin)・外側主シュラウド26dの第2外径(Ro;軸線から外側主シュラウド26dの最外端までの距離)は、変更されるようにはなっていない(図3参照)。
〔対策2〕
次の対策としては、回転軸22・ロータ23等の周囲を流れる圧力流体の方向を変更させる対策がある。図2においては、第2継手バイパス44bが、回転軸22の軸方向(軸線)と同方向となって、第2排出開孔43bとつながっている。そのため、第1流入口61a・第1流入開孔42aから流れる圧力流体が、回転軸22・ロータ23を収容するケーシング19(モーターケーシング19a)の内壁と、その回転軸22・ロータ23との間を通過して、第2継手バイパス44bに流れやすくなっている。この場合、ロータ23と上記内壁との間(詳説すると、ロータ23とステータ24との間)は極めて狭い間隔となっている。そのため、圧力損失が生じることになる。
さらに、回転軸22が回転して遠心力が生じたとするなら、主羽根車26側のロータ23の端部とケーシング19の内壁との間隔(例えば間隔D)、および副羽根車27側のロータ23の端部とケーシング19の内壁との間隔(例えば間隔E)では、回転軸22の軸線に対する半径方向において、内側部が低圧・外側部が高圧になる圧力分布となる。
そして、間隔Dでは、圧力流体の流れ(上記半径方向における内側部から外側部に向かう流れ)にともなう摩擦抵抗から、上記半径方向において、内側部が高圧・外側部が低圧になる圧力分布となる。一方、間隔Eでは、圧力流体の流れ(上記半径方向における外側部から内側部に向かう流れ)にともなう摩擦抵抗から、上記半径方向において、内側部が低圧・外側部が高圧になる圧力分布となる。
すると、間隔Dでは、相反する圧力分布のため圧力流体の流量が多くなればなるほど静圧が小さくなる一方、間隔Eでは、同じような圧力分布のため静圧が大きくなる。そして、このように間隔D・間隔Eの静圧が変化しながらも、両者(間隔D・間隔E)との間には圧力差(静圧差)が生じる〔間隔Dの圧力>間隔Eの圧力〕。
すると、上記の圧力損失と静圧差とに起因してスラスト荷重(ハイドロスラスト荷重)は、主羽根車26から副羽根車27に向かって生じることになる。
そこで、本発明のノンシールポンプ89では、第2継手バイパス44bが、回転軸22・ロータ23の収容されたケーシング19の内壁と第1排出開孔43aとをつなげるようにしている。つまり、第2継手バイパス44bが、第2流入開孔42bから流れる圧力流体を回収しやすくするために、回転軸22の軸方向(軸線)と同方向となっているとともに、副羽根車27と第1排出開孔43aとの間に位置するように配設されるようにしている。
このように第2継手バイパス44bを配設すれば、間隔Dと間隔Eとの圧力関係は、「間隔Dの圧力<間隔Eの圧力」となる。また、ロータ23とステータ24との間でも圧力流体の流れ方向の上流と下流との間に、圧力損失が生じることになる。そのため、この圧力損失と静圧差(間隔Dの圧力<間隔Eの圧力)とに起因してハイドロスラスト荷重は、副羽根車27から主羽根車26に向かって生じることになる。
すると、このハイドロスラスト荷重は、主羽根車26・副羽根車27を取り付けた回転軸22の回転によって生じるスラスト荷重(主羽根車26から副羽根車27に向かう荷重)と、逆方向の荷重となる。したがって、本発明のノンシールポンプ89では、第2継手バイパス44bの位置を変更することで、スラスト荷重を調整できる。
つまり、本発明のノンシールポンプ89では、副羽根車27の回転により生じる力によって、回転軸22に設けられたスラスト軸受28に流れてきた圧力流体を、副羽根車27から主羽根車に至る方向へ流れるようにしている。具体的には、回転軸22を収容したケーシング19の内部と外部とを連通する第2継手バイパス44bを、主羽根車26側のケーシング19に設けるようになっている(すなわち、第2継手バイパス44b・第1排出開孔43a・第1排出口62aとを連通させるようになっている)。
[その他の実施の形態]
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
例えば、上述の説明は、ジャーナル軸受25が静圧軸受としての機能を発揮する場合について説明しているが、これに限定されるものではなく、他の非接触式軸受(例えば動圧軸受、磁気軸受等)であっても構わない。
また、揚液についても、上述では、超臨界CO2流体を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。つまり、他の流体(例えば、ガス、薬品、水等、または、低粘性・高粘性の流体、極高温・極低温の流体等)であっても構わない。
また、吸込口15につながった吸込パイプ、吐出口16につながった吐出パイプ、これらの吸込パイプ・吐出パイプとつながる揚液タンクは、一例であって、これらに限定されるものではない。要は、揚液ループを確立できるようなパイプ・タンクであれば、これら(パイプ・タンク)がどのような形状でも、どのような位置に取り付けられていても構わない。
また、上記同様、噴出口66と第1流入口61a・第2流入口61bをつなげる流入パイプ、軸受用循環口51と第1排出口62a・第2排出口62bとつなげる循環パイプ、および循環パイプ中に設けられる圧力流体タンクは、一例であって、これらに限定されるものではない。要は、圧力流体ループを確立できるようなパイプ・タンクであれば、これら(パイプ・タンク)がどのような形状でも、どのような位置に取り付けられていても構わない。
また、回転軸22に設けられたスラスト軸受28に流れてきた圧力流体を、副羽根車27から主羽根車に至る方向へ流れるようにするために、第1流入口61a側の圧力流体を高圧にする一方、この高圧よりも引く圧力(低圧)で第2流入口に圧力流体を流すようにしてもよい。
また、本発明のノンシールポンプは、下記のように表現することもできる。
例えば、本発明のモーターポンプは、吸込口および吐出口を具備したマニホールドユニットと、回転軸を収容した駆動ユニット(例えばモーターユニット)とが連結して構成されたノンシールポンプであって、上記回転軸は、回転軸自体とは接触せずに支持する非接触式軸受によって支持されるとともに、その回転軸の上記マニホールドユニット側の軸端部には羽根車が設けられ、上記マニホールドユニットでは、上記羽根車の回転により生じる力を利用して、揚流体は上記吸込口から吸い込まれるとともに、上記吐出口から吐出される一方、上記駆動ユニットでは、上記回転軸により生じる力を利用して、流体が上記非接触式軸受に送り込まれることにより、その非接触式軸受は送り込まれた流体を利用して、上記回転軸を支持するようになっていることを特徴としているともいえる。
なお、上記駆動ユニットでは、上記駆動部による回転軸を回転させる力を、上記非接触式軸受による回転軸の支持にも利用しているともいえる。
本発明は、ノンシールポンプ(例えばキャンドモーターポンプ)において、有効である。
本発明のノンシールポンプの全体を示す縦断面図である。 本発明のノンシールポンプにおけるモーター近傍の部分断面図ある。 本発明のノンシールポンプにおける主羽根車近傍の部分断面図ある。 本発明のノンシールポンプにおける副羽根車近傍の部分断面図ある。 ステータの縦断面であり、図2の矢視V−V’線断面図である。 第2ジャーナル軸受の斜視図である。 第2ジャーナル軸受の周方向の展開図である。 揚液ループ・圧力流体ループを示す概略構成図である。 副羽根車の縦断面である。 主羽根車における第1対向面・第2対向面に関する説明図であり、(a)は第1対向面が第2対向面よりも小さいときを示す説明図であり、(b)は第1対向面が第2対向面よりも大きいときを示す説明図である。 従来のノンシールポンプの縦断面図である。 JIS C 4003-1998を一部抜粋した表である。
符号の説明
11 マニホールドユニット
12 モーターユニット(駆動ユニット)
15 吸込口
16 吐出口
17 マニホールドケーシング
20 モーター(駆動部)
22 回転軸
25 ジャーナル軸受(非接触式軸受)
25c リセス(空隙となる窪み)
26 主羽根車(第1羽根車)
26a 主羽根車軸
26b 第1翼部
26c 内側主シュラウド
26d 外側主シュラウド(第1側板)
27 副羽根車(第2羽根車)
27a 副羽根車軸
27b 第2翼部
27c 内側副シュラウド(第2側板)
27d 外側副シュラウド(第2側板)
28 スラスト軸受
28c リセス(隙間となる窪み)
44b 第2継手バイパス(バイパス流路)
71 熱交換器
72 ウェアリング(筒状充填部材)
89 ノンシールポンプ
A 吐出圧エリア(吐出口近傍)
B 吸込圧エリア(吸込口近傍)
α 第1対向面
β 第2対向面
im 軸線からの第2翼部の最外端までの距離
SH1 軸線からの内側副シュラウド・外側副シュラウドの最外端までの距離
W ウェアリングの内径

Claims (18)

  1. 吸込口および吐出口を具備したマニホールドユニットと、回転軸を収容したモーターユニットとが連結して構成されたノンシールポンプにおいて、
    上記回転軸は、回転軸自体とは接触せずに支持する非接触式軸受によって支持されるとともに、その回転軸の両方の軸端部における一端には第1羽根車、他端には第2羽根車が設けられ、
    上記第1羽根車の回転により生じる力を利用して、揚流体を上記吸込口から吸い込むとともに、上記吐出口から吐出させる一方、
    上記第2羽根車の回転により生じる力を利用して、流体を上記非接触式軸受に送り込むことにより、上記非接触式軸受が上記回転軸を支持するようになっていることを特徴とするノンシールポンプ。
  2. 上記非接触式軸受は、上記回転軸との間で、空隙を有するように配設されており、
    上記第2羽根車は、回転により生じる力で流体を、上記非接触式軸受に送り出すことで、この非接触式軸受と上記回転軸との上記空隙に、流体膜を形成させることを特徴とする請求項1に記載のノンシールポンプ。
  3. 上記非接触式軸受は、上記回転軸を囲む円筒状のジャーナル軸受であるとともに、このジャーナル軸受の内周面には、空隙と成る窪みが形成されており、
    上記第2羽根車は、上記窪み内に流体を送りだすことで、この窪み内部に上記流体膜を形成させ、
    形成された上記流体膜は、流体の静圧で、上記回転軸を支えるようになっていることを特徴とする請求項1または2に記載のノンシールポンプ。
  4. 上記吸込口と上記吐出口とをつなげる第1流路を設けることで、上記の揚流体が吸込口と吐出口との間を循環する揚流体用循環流路を形成するとともに、
    上記第2羽根車により送り出される流体が上記非接触式軸受まで流れる第2流路と、この非接触式軸受に到達した上記流体が、さらに、第2羽根車まで流れる第3流路とを連通させることで、上記流体が第2羽根車と非接触式軸受との間を循環する軸受用循環流路を形成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のノンシールポンプ。
  5. 上記軸受用循環流路に、熱交換器が設けられていることを特徴とする請求項4に記載のノンシールポンプ。
  6. 上記回転軸の軸端部には、上記第2羽根車を介在させるとともに、回転軸のスラスト方向の荷重を支えるスラスト軸受が設けられており、
    上記第2羽根車は、回転により生じる力で流体を、上記スラスト軸受に送り出すことで、このスラスト軸受と第2羽根車との間に、流体膜を形成させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のノンシールポンプ。
  7. 上記第2羽根車では、この第2羽根車の軸線に対して半径方向に第2翼部、およびこの第2翼部の回転面を挟持するように第2側板が設けられており、
    この第2側板は、上記スラスト軸受に設けられた間隙で挟持されるとともに、上記第2側板と上記間隙との間に隙間を有するように配設されており、
    さらに、この第2羽根車は、回転により生じる力で流体を上記隙間に送り出すことで、上記第2側板と上記スラスト軸受との間に、流体膜を形成させることを特徴とする請求項6に記載のノンシールポンプ。
  8. 上記スラスト軸受の間隙を構成する面には、上記第2側板と上記間隙との隙間と成る窪みが形成されており、
    上記第2羽根車は、上記窪み内に流体を送りだすことで、この窪み内部に上記流体膜を形成させ、
    形成された上記流体膜は、流体の静圧で、上記第2羽根車を支えるようになっていることを特徴とする請求項6または7に記載のノンシールポンプ。
  9. 上記第2羽根車の第2側板は、この第2羽根車の軸線に対して、垂直な平面となっていることを特徴とする請求項7または8に記載のノンシールポンプ。
  10. 上記第2羽根車の軸線に対して半径方向に設けられた第2翼部における上記軸線から上記第2翼部の最外端までの距離と、
    上記第2翼部の回転面を挟持するように設けられた第2側板における上記軸線から上記第2側板の最外端までの距離とが、各々調整されるようになっていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のノンシールポンプ。
  11. 上記第1羽根車では、この第1羽根車の軸線に対して半径方向に第1翼部、および、上記吸込口側の第1翼部の回転面を覆うように第1側板が設けられており、
    この第1側板は、上記吸込口から上記第1翼部に至るまでの方向に対して対向する第1対向面および第2対向面を有するとともに、
    上記第1対向面が上記吸込口近傍、上記第2対向面が上記吐出口近傍に位置するようになっており、
    上記の第1対向面と第2対向面との面積が調整されるようになっていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のノンシールポンプ。
  12. 上記第1対向面に対峙するような端部を有するとともに、上記第1側板を囲い込むようにして、この第1側板と上記マニホールドユニットのマニホールドケーシングにおける内部の壁との間に近接し、上記吐出口から上記吸込口への揚液漏れを防止する筒状充填部材が設けられ、
    上記筒状充填部材の内径の調整により、上記端部の面積が調整されるとともに、上記の第1対向面と第2対向面との面積が調整されるようになっていることを特徴とする請求項11に記載のノンシールポンプ。
  13. 上記の第1対向面と第2対向面との面積比を調整することで、上記回転軸に生じるスラスト荷重を調整することを特徴とする請求項11または12に記載のノンシールポンプ。
  14. 上記第2羽根車の回転により生じる力によって、上記回転軸に設けられた非接触式軸受に流れてきた流体を、上記の第2羽根車から第1羽根車に至る方向へ流れるようにすることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載のノンシールポンプ。
  15. 上記回転軸を収容したモーターユニットのモーターケーシングの内部と外部とを連通するバイパス流路を、上記第1羽根車側のモーターケーシングに設けることを特徴とする請求項14に記載のノンシールポンプ。
  16. 超臨界流体あるいは液体を上記の揚流体として、循環させることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載のノンシールポンプ。
  17. 吸込口および吐出口を具備したマニホールドユニットと、回転軸を収容した駆動ユニットとが連結して構成されたノンシールポンプにおいて、
    上記回転軸は、回転軸自体とは接触せずに支持する非接触式軸受によって支持されるとともに、その回転軸の上記マニホールドユニット側の軸端部には羽根車が設けられ、
    上記マニホールドユニットでは、上記羽根車の回転により生じる力を利用して、揚流体が上記吸込口から吸い込まれるとともに、上記吐出口から吐出される一方、
    上記駆動ユニットでは、上記回転軸により生じる力を利用して、流体が上記非接触式軸受に送り込まれ、その非接触式軸受は、送り込まれた流体を利用して上記回転軸を支持するようになっていることを特徴とするノンシールポンプ。
  18. 吸込口および吐出口を具備したマニホールドユニットと、回転軸を収容するとともに、この回転軸を回転させる駆動部を具備した駆動ユニットとが連結して構成されたノンシールポンプにおいて、
    上記回転軸は、回転軸自体とは接触せずに支持する非接触式軸受によって支持されるとともに、上記回転軸の上記マニホールドユニット側の軸端部には羽根車が設けられ、
    上記マニホールドユニットでは、上記羽根車の回転により生じる力を利用して、揚流体が上記吸込口から吸い込まれるとともに、上記吐出口から吐出される一方、
    上記駆動ユニットでは、上記駆動部による回転軸を回転させる力を、上記非接触式軸受による回転軸の支持にも利用していることを特徴とするノンシールポンプ。
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