JP3787516B2 - Abwrのインターナルポンプシステム - Google Patents

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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に、原子炉内蔵型再循環ポンプ(インターナルポンプ、以下、RIPと略記する)のモータ冷却水の圧力を上昇させる改良発展沸騰水型原子炉(以下ABWRと略記する)のインターナルポンプシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のRIPのスラストディスクである補助インペラの構造を図9に示す。図10は、ABWR用RIPシステムの全体の概略図である。RIP(原子炉内蔵型再循環ポンプ)1は原子炉内の炉水を循環するため、原子炉の下部に複数台設置されるポンプである。補助インペラ2はRIPケーシング3内の下部に位置し、インペラ4及びシャフト5と同期して回転するように製作されている。RIPは、発熱したRIPのモータ6の熱を除熱するため、ケーシング3内部にモータ冷却水7を循環させている。モータ6の部分の発熱により加温されたモータ冷却水7は、配管8で接続されたRIPの熱交換器9により冷却され、再びモータ6の部分に流入する閉ループを構成し、ループ内を循環している。このモータ冷却水7は補助インペラ2による昇圧により循環し、モータ冷却水7の流路抵抗によりモータ冷却水7の流量は変化する。
【0003】
図9は従来の補助インペラ2の構造を示す横断面を図9の(A)に、縦断面概略図を図9の(B)に示す。図示のように、モータ冷却水7は補助インペラ2の流路入口10(10a,10b、…)から流入し、流路11(11a、11b、…)内を通過して、流路出口12(12a,12b、…)において流出する。補助インペラは、回転による流体角運動量の増加により、流路11内で流体を昇圧(ポンプ揚程の増加)するが、角運動量は補助インペラ外径の周速度が速いほど大きくなる。そして、補助インペラの全揚程によりモータ冷却水の流量は変化する。
【0004】
補助インペラ2は、スラストディスクを兼ねており、スラストベアリング13を設置することができる外径が必要である。その結果、外径が比較的大きくなっており、周速度は外径に比例するため、比較的高い揚程を供給するインペラである。また、従来の補助インペラの流路は単純な横穴であり、製作性の面からは適した構造である。
【0005】
また、先行技術として特開昭59−180393号公報がある。これはインターナルポンプのスラストディスクの改良に関し、駆動停止中に伝導熱を除去し、冷却のために十分な流量のポンプ冷却水が自然循環し得るようにしたものである。具体的にはスラストディスクに複数の貫通孔を円周方向に間隔を置いて穿設して、これらの貫通孔を介してポンプ冷却水が循環するようにした記載が見受けられる。この場合は、単純な横穴である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来構造において、揚程およびRIP電力を変化させることは容易でない。例えば、補助インペラ(2)は炉内循環用のRIPインペラと同期して回転しているため、回転速度を変更して揚程を変化することはできない。また、流路径の減少、流路数の減数及び流路抵抗体の増設により、揚程及び流量を低下させることができるが、これらの手法を採用すると、圧力損失を増加させて揚程を低下させてしまう。この方法では、補助インペラで生成した流体エネルギは、流路損失(熱損失)となり、RIP電力を低減できない。また、出口角を減少させて、RIP電力及び揚程を低下させる方法がある。しかし、この方法では回転速度に比較して軸方向流速が小さい場合、大きな揚程の低下を実現することは困難である。
【0007】
そのほかに、補助インペラの外径を減少させることにより、RIP電力及び揚程を低下させることができる。しかし、補助インペラはスラストディスクを兼ねており、スラストベアリングを設置できる外径が必要となっているため、単純に外径を減少することはできない。
【0008】
このように、従来の構造は製作性、信頼性、安全性、モータ冷却性能等に優れているが、RIPの電力を抑制するためには、従来構造の設計変更だけでは不十分である。
【0009】
そのため、本発明は補助インペラの全揚程及びRIP電力を適切に低減できる補助インペラの構成をもつポンプシステムを提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題は以下の手段によって解決することができる。
RIPのモータの発熱により加温された冷却水を導く配管と、交換器とで閉ループを構成し、前記補助インペラもしくはスラストディスクに放射状流路を有するポンプシステムであって、前記補助インペラもしくはスラストディスクに設けられた前記放射状流路は、周方向出口側に流路断面積を増加させた部分を有する流路であり、しかも前記放射状流路はその総断面積が
流路総断面積≦1100mmであることに特徴がある。
【0012】
また、前記補助インペラもしくはスラストディスクに設けられる放射状の流路の総断面積A(m)とRIPモータ回転数N(rpm)と補助インペラの外形D(m)との関係は、
(A/(N×D))≦1.6×10−3(mm/rpm)
であることに特徴がある。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施例について説明する。はじめに、本発明の要点について述べる。前記課題を解決するため、補助インペラもしくはスラストディスクの回転する部材に挟まれる流路において、放射状の流路の下流にリング状の流路を設置する。補助インペラでは、補助インペラの出口周方向速度の2乗に比例して全揚程は変化する。したがって、補助インペラの外径を小さくして、周方向速度を低下させることも考えられるが、補助インペラはスラストディスクを兼ねており、スラストベアリングを設置できる外径が必要となっているため、単純に外径を減少することはできない。そこで、放射状の流路の下流にリング状の流路を設置する。その結果、リング状の流路では、補助インペラから負荷される流体の角運動量増加はほとんど無いため、結果的に全揚程を低下させることができる。すなわち、全揚程の低下によりモータ冷却水流量も低下し、補助インペラに消費される電力の適切化が可能となる。また、補助インペラの流路断面積を減少させ、補助インペラより各運動量を負荷される流体の質量を減らすことにより、モータ冷却水流量を減少することができる。
【0015】
以下、本発明の具体的な実施例について述べる。図1、図2を用いて説明する。前記従来技術で説明したが、図10は、ABWR用RIPシステムの全体の概略図であり、RIPは原子炉の炉水を循環するため、原子炉の下部に複数台設置されたポンプである。本発明の補助インペラ2(スラストディスク)はRIPケーシング3内の下部に位置し、インペラ4及びシャフト5と同期して回転するように製作されている。RIP1では、発熱したモータ6を除熱するため、ケーシング3内部にモータ冷却水7を循環している。モータ6部の発熱により加温されたモータ冷却水7は配管8で接続されたRIPの熱交換器9により冷却され、再びモータ6部に流入する閉ループ内を循環している。
【0016】
このモータ冷却水7は補助インペラ2の昇圧により循環し、モータ冷却水7の流路抵抗によりモータ冷却水流量は変化する。図1は補助インペラ構造の縦断面概略図である。ケーシング下部から流入した流体は、補助インペラ2の流路の入口10から放射状流路11を経てリング状流路14へ流出する。このリング状流路14は各放射状の流路出口を結ぶ流路である。または、放射状流路の断面積が周方向に増加して、各流路が結合している。そして、スラストベアリング13を冷却して、RIPモータ部へ向かって上昇する。
【0017】
スラストベアリング13は数個配置され、各スラストベアリング13の間は流路となっている。また、補助インペラ2はスラストディスクを兼ねており、インペラ4及びシャフト5のスラスト力をスラストベアリング13により支持している。図2は本発明の補助インペラ構造の横断面概略図である。本発明では、モータ冷却水7は補助インペラ2の入口側10から放射状の流路11に流入して、補助インペラ2の回転により角運動量を増加させた後、本発明のリング状の流路14を通過する。この部分を設けたことが本発明の特徴の一つで、リング状流路14を設けることにより、補助インペラ2から流体への角運動量の伝達はない。
【0018】
理論上、補助インペラ2の全揚程は、補助インペラ2の外径部分の周速度により特徴づけられる。補助インペラは角運動量の増加により流体を昇圧するが、その角運動量の増加は外径の周速度が速いほど大きくなる。本発明においては、補助インペラによる揚程は図2の外径15ではなく、放射状流路の外径16で決定される。その結果、外径16の寸法を適切に変化させることにより、補助インペラの揚程を変え、適正化を図ることが可能となる。そして、補助インペラの全揚程によりモータ冷却水の流量は変化し、補助インペラで消費されるRIPの電力の適正化を図ることができる。
【0019】
図3に本発明の効果を示す。外径を現状の100%から60%まで減少した場合における流量、揚程及び電力の変化を示す。図中には、流路の圧力損失曲線、補助インペラのQ−H曲線および補助インペラの必要電力(Q−P曲線)を示す。図は現状の外径100%時における流量、揚程及び電力を100%とした。本発明対象のポンプシステムでは、流量及び揚程は流路圧力損失曲線と補助インペラQ−H曲線の交点に収束する。図示のように、例えば外径16を外径15の90%にすると流量は90%に減少し、その流量及び補助インペラ外径に対する水電力は75%まで低下する。また、外径16を外径15に対して80%にすると流量は80%になり、水電力は半減する。また、本発明の補助インペラの流路は単純な横穴及びリング形状であり、製作性に優れた構造である。
【0020】
本発明では、図2に示したように完全にリング状にする必要はない。補助インペラ流路(放射状流路)11の出口に断面積の大きい部分を設ければよい。例えば、図4および図5に示すように、補助インペラ流路(放射状流路)11の出口の断面積を大きくすること、あるいは、多角形や曲線形状でも同等の効果が得られる。ただし、十分な効果を期待するには、図5に示した広がり角21を、90°以下であることが望ましい。すなわち90°以上に設定すると補助インペラは流体に運動量を負荷しにくい。すなわち、90°以上では、流体を押し出す斜面が無いため、効果はほぼ同じである。また、リングの断面形状は四角形、多角形及び曲線形状等でも効果を期待できる。
【0021】
また、補助インペラ2の流路穴数を減らすこと、あるいは穴径を小さくすることにより、流路総断面積を減少し、揚程及び流量を低下することができる。図6の(A)に示すように流路面積が大きい場合、流路内に大きな循環渦が発生し、渦による圧力損失が生じる。一方、断面積を小さくしていくと渦が小さくなり、図6の(B)に示すような真っ直ぐな流れとなる。一般的に、圧力損失は断面積の2乗に反比例して大きくなり、揚程を低下させる。しかし、渦があると、渦の消滅効果により、複雑な現象となる。
【0022】
そこで、3次元流動解析により、流路総断面積と揚程低下量の関係を計算し、図7にその結果を示す。図7は、流路総断面積Aが1100mm2以下において、大きな循環渦の影響が消滅し、揚程を低下することがはじめて可能となることを、示している。ここでいう流路断面積は、流路11もしくは流路14の一方もしくは両方の流路断面積を意味する。また、部分的に流路断面積を変化(1100mm以下に)させても同様の効果が得られる。また、現状RIPの補助インペラ以外に適用する場合、定格回転数N及び直径Dにより変化し、関数となることが考えられる。すなわち、これらの変数を考慮すると、流路総断面積Aと定格回転数Nとディスク(補助インペラ)外径Dの積、A/(N×D)が
(A/(N×D))≦1.6×10−3(mm/rpm)
以下であることが必要となる。
【0023】
圧力損失を増加させて流量を減少させる方法も考えられるが、この場合、図8に示すように補助インペラの直前にあるインナーレース17の穴径18を、モータカバー19の穴径20よりも小さくして圧力損失を増加する方法が最適である。
【0024】
すなわち、前記放射状流路の上流側に設けられたインナーレースの穴径を更に上流側に設けられたモータカバーの穴径よりも小さくして設ける。
【0025】
RIP下部から流入したモータ冷却水7はモータカバー20の流路穴を通過して、インナーレース17の流路穴に流入して、補助インペラの入口に向かう。インナーレース17はRIPの下端にあり、下部のモータカバーを外すだけで、簡単に取り外しできるため、メンテナンス性及び製作性に優れているとともに、簡単に取り外せるため、現行のRIPにも直ぐに適用できる最適な場所である。
【0026】
また、部材が小さいため、加工が容易であり、コスト面にも優れている。その上、モータケーシング3内の内部構造物であるインナーレース17は耐圧境界を持たないため、構造強度に対する検討の必要はほとんど無い。また、流路径が小さいため、断面積を少し変更するだけで、モータ冷却水流量を著しく変化させることができ、モータ冷却水流量のインナーレース流路径による制御は容易である。モータ冷却水流路には、抵抗体を設置する場所は無数にあるが、上記の観点から、圧力損失を増加するにはインナーレース17の径を減少させることが最も優れており、インナーレース17の部分に比較して抵抗体設置に関して優る場所はないと考える。この場合、部分的にインナーレース17の流路径を絞っても同様の効果が得られる。
【0027】
また、現状以下に揚程を抑制すると、補助インペラ前後の圧力差を低く抑えることができ、補助インペラのアンバランスが増加することはない。その結果、モータ冷却水流量及び全揚程を低下することが可能となり、RIP電力を低減できる効果がある。
【0028】
また、補助インペラもしくはスラストディスクの回転する部材に挟まれた放射状の流路において、放射状流路の数を8個未満に減数することにより、個々の流路穴径を変更せずに、放射状流路出口12の流路総断面積を低減できる。
【0029】
【発明の効果】
本発明の適用により、全揚程及びモータ冷却水流量を適切に抑制することが可能となり、RIP電力を低減できる。その結果、インターナルポンプシステムの信頼性及び健全性の向上をはかることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の補助インペラ構造の縦断面概略図である。
【図2】 本発明の補助インペラ構造の横断面概略図である。
【図3】 本発明の効果の概略図である。
【図4】 本発明の補助インペラ構造の横断面概略図である。
【図5】 補助インペラ構造の他の実施例を示す横断面概略図である。
【図6】 本発明の流動現象の概略を示す図である。
【図7】 本発明の効果の概略図である。
【図8】 本発明のインナーレースまわりの縦断面概略図である。
【図9】 従来の補助インペラ構造の横断面概略図である。
【図10】 ABWR用RIPシステムの概略図である。
【符号の説明】
1;RIP 2;補助インペラ(スラストディスク) 3;ケーシング 4;インペラ 5;シャフト 6;モータ 7;モータ冷却水 8;モータ冷却水配管 9;熱交換器 10;補助インペラ流路入口 11;補助インペラ流路(放射状流路) 12;補助インペラ流路出口(放射状流路出口) 13;スラストベアリング 14;流路(リング状流路) 15;外径 16;外径(放射状流路外径) 17;インナーレース 18;穴径 19;モータカバー 20;穴径 21;広がり角。

Claims (2)

  1. 原子炉の再循環ポンプと、前記ポンプのケーシング内の下部に設けられインペラおよびシャフトと同期して回転する補助インペラおよびスラストディスクと、インターナルポンプのモータと、前記モータの発熱により加温された冷却水を導く配管と、熱交換器とで閉ループを構成し、前記補助インペラもしくはスラストディスクに放射状流路を有するポンプシステムにおいて、前記補助インペラもしくはスラストディスクに設けられた前記放射状流路は、周方向出口側に流路断面積を増加させた部分を有し、しかも前記放射状流路はその総断面積が
    流路総断面積≦1100mm
    であることを特徴とするABWRのインターナルポンプシステム。
  2. 原子炉の再循環ポンプと、前記ポンプのケーシング内の下部に設けられインペラおよびシャフトと同期して回転する補助インペラおよびスラストディスクと、インターナルポンプのモータと、前記モータの発熱により加温された冷却水を導く配管と、熱交換器とで閉ループを構成し、前記補助インペラもしくはスラストディスクに放射状流路を有するポンプシステムにおいて、前記補助インペラもしくはスラストディスクに設けられた前記放射状流路は周方向出口側に流路断面積を増加させた部分を有し、しかも前記放射状流路は、その総断面積A(m)とRIPモータ定格回転数N(rpm)と補助インペラの外形D(m)との関係が、
    (A/(N×D))≦1.6×10−3(mm/rpm)
    であることを特徴とするABWRのインターナルポンプシステム。
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