JP2006080869A - 扁平型振動モータを備えた電磁音響変換器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 スピーカ用の磁路を形成するヨークと兼用となる振動モータのケース(7)を磁性材料からなる筒状部(7b)と非磁性あるいは弱磁性材料からなる蓋(7a)で構成する。ケース(7)内に設けられた振動モータは蓋(7a)が非磁性あるいは弱磁性であることからブラシレスモータで構成でき、スピーカと振動モータを一体化させた電磁音響変換器を小型で長寿命化できる。
【選択図】 図1
Description
例えば特開平10−117472号公報に示される構成では、1対の板状弾性体を相対向するようにして枠体に支持させ、一方の板状弾性体にヨーク及び磁石からなる磁界発生体を取り付け、他方の板状弾性体にコイルを取り付けて、前記コイルを前記磁界発生体の磁界内に配し、一方の板状弾性体で振動発生装置を構成し、他方の板状発生体で音響を発生させる。(特許文献1参照)
また、振動発生装置として振動モータを用いた構成が特開2003−125474号公報に開示されている。
これは、スピーカ用振動板を駆動させる環状ボイスコイルの外周側に振動板駆動用の環状マグネットとを設け、励磁コイルの内周側にキャップ状ヨークを配置して振動板駆動用の磁路を形成すると共に、そのキャップ状ヨークの内側に、ブラシによる給電で回転させる偏心ロータを有する振動モータを構成したものである。(特許文献2参照)
モータを小型化するためには高さおよび直径を小さくすることが必要であるが、小型化に伴い種々の構成部品が小さく、薄くなるためその強度が問題となる。また、モータの小型化にともないスピーカ用の磁路を形成するヨークも小さくなりスピーカの効率が悪くなるという問題がある。
すなわち、スピーカの磁石やその磁路を構成するヨークからロータを大きく離すことが必要となり、スピーカとブラシレスモータを利用した扁平型振動モータを組み合わせたときにその機器を小型化することが困難であった。
そこでこの発明の目的は、振動発生装置として振動モータを用いた場合に小型化しても強度を保ち、スピーカの出力を効率化できるようにし、さらに扁平型ブラシレス振動モータを利用して薄型化と長寿命化を図留ことを目的とする。
このように構成することで、小型化しても強度を保った電磁音響変換器とすることができる。ここで、天井部を形成する一部とは非磁性あるいは弱磁性の部分を示し、他部とは磁性体でスピーカヨークとなる部分を示す。
また、請求項2に示すように、前記他部は頂部で内側に折り曲げられ、前記一部と溶接で接合されている請求項1に記載の扁平型振動モータを備えた電磁音響変換器とすれば、振動モータを薄型化してもスピーカ出力の効率化を図ると共に強度を保つことが可能となる。
この構成は、扁平型振動モータとしてブラシレス振動モータとしたので、振動発生装置としての扁平型振動モータの長寿命化が図れる。
請求項4乃至9は扁平型振動モータの具体的な構成をさらに明らかにしたもので、請求項4に示す構成によれば、扁平型振動モータとして用いるモータ構成がブラシレスあるいはブラシ付きに関わらず、偏心ロータを回転支持する軸の一端をステータ側のブラケットに取り付け、軸の他端を蓋に取り付け、いわゆる軸固定型の振動モータとして構成できる。
請求項6に示すような構成では、振扁平型振動モータを備えた電磁音響変換器の扁平型振動モータとしてブラシレスモータを利用でき、扁平型振動モータの寿命をさらに長いものとできる。
すなわち、このような筒状のスピーカヨークに対して、ロータの半径方向に対してウエイトの寸法だけロータケースとリング状マグネットを離せるため、振動モータとして必要なウエイトの旋回外周を利用してロータの回転への影響を無くすことができ、電磁音響変換器の小型化が可能となる。
請求項9に示すような構成とすると、モータの高さを変えることなくスピーカヨークの範囲を広げられるので、ロータにスピーカヨークの磁性体としての影響を及ぼすことなくスピーカ出力の効率を上げることが可能となる。
また、この構成によれば、ロータの軸方向にはロータの回転に影響を及ぼす磁性体がないので、天井部とロータを近づけて配置できる。そのため、機器を小型化してもロータの回転に影響が無く、かつ軸が蓋とブラケットを支えるので扁平型振動モータの強度を確保できる。また、蓋を筒状部の開孔全体を覆って密閉すれば、振動発生部の防塵となる。
また、振動発生装置としてブラシレスモータの構成をスピーカと一体にできるため、長寿命な扁平型振動モータを備えた電磁音響変換器を構成できる。また、ブラシレスモータの構成でロータを固定軸で回転支持することができ、長寿命かつ小型の扁平型振動モータを備えた電磁音響変換器が構成できる。
スピーカSは浅い円筒形状の樹脂製スピーカハウジング1と、キャップ5、キャップ5に覆われて外周端部がスピーカハウジング1に固定されたスピーカの振動板3、振動板3に固定されたリング状のボイスコイル2、スピーカハウジング1の内周面に固定されたスピーカ用の励磁マグネット4で構成されている。
キャップ5は音孔5aが設けられたステンレスや樹脂製の薄板でキャップ状に形成され、その外周端がスピーカハウジング1の上端部に固定されている。
振動板3は樹脂でフィルム状円形に形成され、ダンパ部3aがハウジング1の上端部側に固定されているスピーカの振動薄板である。
振動板3の励磁コイルとしてのボイスコイル2は円筒状に形成され、その一端2aが振動板3に取り付けられている。
スピーカ駆動用でボイスコイル2を励磁するマグネット4は、やや厚みのある円筒状で上下にNS2極に着磁され、スピーカハウジング1の内周面に取り付けられている。マグネット4の上面には薄板でリング状のヨーク板4aがマグネット全周にわたって取り付けられ、マグネット4と共にボイスコイル2に対向している。ここで、マグネット4、ヨーク板4aおよびボイスコイル2は同心に位置している。
ボイスコイル2はスピーカハウジング1に設けられた切りかき部1から導線2bが出され、図示しない駆動回路により駆動電流が入力される。
ブラケット6は非磁性あるいは弱磁性板材の円盤型で、その外周側はスピーカハウジング1の下端側に固定され、モータMをスピーカSに対し支持している。ブラケット6にはディテントトルク発生部材8とステータSTが取り付けられる。ディテントトルク発生部材については種々構成が考えられ、また、本発明に直接関係がないのでその説明は省略する。ブラケット6の中央には軸12の下端部を固定するための凹所6eが形成されている。凹所6eは例えばバーリング状の孔で軸12は圧入等で固定され、さらに溶接等を用いて固定されても良い。
このブラケット6は例えばステータSTを構成する部材とケース7を一体に樹脂成形するなどして樹脂で形成されても良い。
ステータSTには印刷配線基板からなるステータベース11にロータ駆動用の空心コイル14と空心コイル14に電流を供給する駆動回路部材Dが設けられている。ステータベース11の一端部は給電端子Bとして切りかき部1aからスピーカハウジング1の外へ導出される。空心コイル14はいわゆる軸方向空隙型モータを形成するようロータに対向して取り付けられている。
外径垂下部10aの外周側には舌片10cに保持されるようウエイトWが接着、溶接等で取り付けられている。また、内径垂下部10bはやはり磁性体の円筒形状であり、その内側には円筒状焼結含油軸受13が圧入等で固定されている。
偏心ウエイトWは厚みがロータRとほぼ同じ厚みで、内周側が外径垂下部10aに沿う円弧形状であり、振動量に合わせ半径方向の寸法、比重等を適宜設定する。
ケース7はマグネット4およびヨーク板4aとともにボイスコイル2に作用するスピーカ用の磁路を形成するとともに、モータMのケースともなっている。フランジ7dは円筒部7bに対し磁気的に連続していれば別体を組み合わせても良い。
ケース7の上側端部は中心に向かって延長され、張り出し部としての鍔7cが形成されている。この鍔7cは環状になるよう筒状部7b上側端部から延長されている。この鍔7cはマグネット4から発生する上方からの磁束を引き込む作用を有するため、マグネット4のヨークとなる部分が拡大したこととなる。そのため例えばモータMが薄型のものを用いた場合で筒状部7bの高さが十分でない場合でも、ボイスコイル2にかかる磁束量を増大させることができる。
この蓋7aにはその中央に軸12の一端を固定するための凹部7eが設けられ、軸12はその凹部に溶接、圧入等で固定される。この蓋7aを設けることで、モータMを密閉して塵埃の侵入を防ぐことができる。また、実施の形態のように軸12を固定すれば軸固定型のモータとすることが可能となる。軸12の他端はブラケット6の凹所6eに取付固定されている。
本実施例では鍔7cの内周端部7ccは、径方向でウエイトWの旋回範囲に位置しているが、この内周端部7ccの径方向の位置は外径側垂下部10aより外周側とする。そのようにすれば、ロータRからの漏れ磁束が非常に少ないため、その磁界がケース7に影響せずロータの回転が妨げられることがない。
また、この鍔7cによりボイスコイル2へ効率よく磁界が作用するが、ヨークとして円筒部7bで十分な場合、この鍔7cを設けることなく蓋7aを円筒部7bの上端部へ取り付けても良い。その場合、鍔を形成する工程等が省かれることになる。
また、円筒部7bは外径側垂下部10aからウエイトWの分だけ離れて位置している。ウエイトWを利用してロータRの外周側を磁性体である円筒部7bから離すことで円筒部7bがロータに及ぼす影響を無くすことができる。
このように、この発明の技術的範囲は特許請求の範囲に示すもので、実施の形態に限定されるものではない。
2 ボイスコイル
3 振動薄板
7 ケース
7c フランジ部
10 ロータヨーク
10a 外周側垂下部
M モータ
R ロータ
Claims (9)
- スピーカハウジングの中央に配され、偏心ロータを内蔵された扁平型振動モータと、そのモータの径方向外周に空隙を介して臨ませたリング状のボイスコイルと、ボイスコイルの一端が配着され外周がスピーカハウジングに固定された振動薄板と、ボイスコイルの外周に空隙を介して配置されたリング状の励磁マグネットが備えられ、扁平型振動モータのケースは、天井部の少なくとも一部が非磁性もしくは弱磁性体で形成され、その一部と接合されてボイスコイルに臨ませた磁性体からなる他部とで形成されたことを特徴とする扁平型振動モータを備えた電磁音響変換器。
- 前記他部は頂部で内側に折り曲げられ、前記一部と溶接で接合されている請求項1に記載の扁平型振動モータを備えた電磁音響変換器。
- 前記扁平型振動モータは、ステータとして空心電機子コイルとそのコイルに駆動電流を供給する駆動回路部材が内蔵され、ロータはロータケースに配置されたリング状マグネットと、そのマグネットの外周で前記ロータケースに配された偏心ウエイトが備えられたブラシレス振動モータであって、前記他部は下方で径方向外側にフランジが形成され、そのフランジに前記励磁マグネットが載置されると共に、そのフランジがスピーカハウジングに取り付けられたことを特徴とする請求項1乃至2に記載の扁平型振動モータを備えた電磁音響変換器。
- スピーカ用振動薄板およびその振動薄板に取り付けられたボイスコイルと、ボイスコイルの外周側に配置され、そのボイスコイルを駆動する磁界を発生するスピーカ用の励磁マグネットと、ボイスコイルの内周側に配置された筒状部とその筒状部の一端側から半径方向外方へ延びる磁気的に連続したフランジを有して磁路を形成するスピーカヨークと、そのスピーカヨークと一体に設けられたステータと、そのステータに回転駆動され、前記筒状部内で軸により回転支持される偏心ロータとで構成される扁平型振動モータを備えた電磁音響変換器であって、前記筒状部の他端に前記偏心ロータを覆う非磁性あるいは弱磁性材の蓋を設けて天井部を構成し、前記偏心ロータを回転支持する軸の一端が前記ステータ側に、他端が天井部に取付けられていることを特徴とする扁平型振動モータを備えた電磁音響変換器。
- 前記筒状部の振動板側端部を筒状部と磁気的に連続して所定距離ロータの回転軸心方向に延長して張り出し部とし、前記蓋をその張り出し部に固定しその張り出し部と蓋で天井部を形成したことを特徴とする請求項4記載の扁平型振動モータを備えた電磁音響変換器。
- スピーカ用振動薄板およびその振動薄板に取り付けられたボイスコイルと、ボイスコイルの外周側に配置され、そのボイスコイルを駆動する磁界を発生するスピーカ用の励磁マグネットと、ボイスコイルの内周側に配置された筒状部とその筒状部の一端側から半径方向外方へ延びる磁気的に連続したフランジを有して磁路を形成するスピーカヨークと、そのスピーカヨークと一体に設けられたステータと、そのステータに回転駆動され、前記筒状部内で軸により回転支持される偏心ロータとで構成される扁平型振動モータを備えた電磁音響変換器であって、偏心ロータは回転軸心と同心のリングマ状グネットとそのリング状マグネットとステータの間に磁路を形成するロータケース、およびロータケースに固定された偏心ウエイトで構成され、ステータに設けられたコイルがリング状マグネットに対向することを特徴とする扁平型振動モータを備えた電磁音響変換器。
- 前記偏心ロータは、前記ロータケースがリング状マグネットの外周を覆うと共に、偏心ウエイトはロータケースの外側で偏心ロータの最外周に位置するように構成されたことを特徴とする請求項6記載の扁平型振動モータを備えた電磁音響変換器。
- 前記ステータは、前記スピーカヨーク筒状部のフランジ側に設けられたブラケットに固定されると共に、筒状部の振動薄板側には非磁性板あるいは弱磁性板からなる蓋が設けられ、その蓋とブラケットにより軸が固定され、ロータがその軸に回転支持されたことを特徴とする請求項6乃至7記載の扁平型振動モータを備えた電磁音響変換器。
- 前記筒状部の振動薄板側端部を筒状部と磁気的に連続して所定距離ロータの回転軸心方向に延長して張り出し部とし、その張り出し部の端辺がリング状マグネットの外周側を覆うロータケースの旋回外周より外側に位置するよう構成し、前記蓋をその張り出し部に取付けたことを特徴とする請求項8に記載の扁平型振動モータを備えた電磁音響変換器。
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