JP4046714B2 - 扁平型ブラシレス振動モータと同モータを備えた電磁音響変換器 - Google Patents
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Description
例えば特開平10−117472号公報に示される構成では、1対の板状弾性体を相対向するようにして枠体に支持させ、一方の板状弾性体にヨーク及び磁石からなる磁界発生体を取り付け、他方の板状弾性体にコイルを取り付けて、前記コイルを前記磁界発生体の磁界内に配し、一方の板状弾性体で振動発生装置を構成し、他方の板状発生体で音響を発生させる。(特許文献1参照)
また、振動発生装置として振動モータを用いた構成が特開2003−125474号公報に開示されている。
これは、スピーカ用振動板を駆動させる環状ボイスコイルの外周側に振動板駆動用の環状マグネットとを設け、励磁コイルの内周側にキャップ状ヨークを配置して振動板駆動用の磁路を形成すると共に、そのキャップ状ヨークの内側に、ブラシによる給電で回転させる偏心ロータを有する振動モータを構成したものである。(特許文献2参照)
しかしながら、このようなコアード型偏心ロータを用いるものでは、薄型にできない。
しかも、スピーカハウジングの内方にコアード型振動モータを配するようになっているので、さらに厚いものとなる。
モータを小型化するためには高さおよび直径を小さくすることが必要であるが、小型化に伴い種々の構成部品が小さく、薄くなるためその強度が問題となる。また、モータの小型化にともないスピーカ用の磁路を形成するヨークも小さくなりスピーカの効率が悪くなるという問題がある。
すなわち、スピーカの磁石やその磁路を構成するヨークからロータを大きく離すことが必要となり、スピーカとブラシレスモータを利用した扁平型振動モータを組み合わせたときにその機器を小型化することが困難であった。
そこでこの発明の目的は、振動発生装置として振動モータを用いた場合に小型化しても強度を保ち、スピーカの出力を効率化できるようにし、さらに扁平型ブラシレス振動モータを利用して薄型化と長寿命化を図るものである。
このように構成することにより、ケースの蓋が非磁性もしくは弱磁性となっているので、偏心ロータのマグネットの漏洩磁界により、吸着することなくその影響が排除でき、電磁音響変換器に搭載された場合でも、外部の励磁マグネットの影響は磁性体からなる筒状部で受け止められ、モータ側のマグネットに影響が出なくなる。また、フランジとブラケット外周が重なるように固定されているので強固に固定され、このフランジがスピーカハウジング下端などに取り付ける手段になり、薄型にできる。
具体的には、請求項2に示すように、前記筒状部の上側は中心に向かって張り出し部(7c)が形成され、該張り出し部に前記蓋が取り付けられ密閉されているものがよい。
このように構成すると、このようにすれば、張り出し部で蓋は強固に固定でき、外部磁界の影響はさらになくなり、異物の進入が防げる。
このようにすると、スピーカとして薄型にできる。
そして、請求項4に示すように前記スピーカハウジングに外周で取り付けられた振動薄板(3)と該振動薄板に取り付けられたボイスコイル(2)と、該ボイスコイルの外周側に配置され、該ボイスコイルを駆動する磁界を発生する励磁マグネット(4)と、前記振動薄板を覆うキャップ(5)で構成され、前記扁平型ブラシレス振動モータが前記ボイスコイルの内周側に前記励磁マグネットの磁界を受ける中央磁極となるように前記フランジを介して前記スピーカハウジングの下端に取り付けられ、前記フランジの上方に前記励磁マグネットが配置されて磁気回路を構成したことを特徴とするもので達成できる。
このようにすると、フランジ部分が重なっているのでスピーカハウジングに強固に取り付けられ、薄型でスピーカの磁気回路が効率よく構成でき、ブラシレスモータを中央磁極にしているので、長寿命の物が得られる。
スピーカSは浅い円筒形状の樹脂製スピーカハウジング(スピーカケース)1と、キャップ5、キャップ5に覆われて外周端部がスピーカハウジング1に固定されたスピーカの振動板3、振動板3に固定されたリング状のボイスコイル2、スピーカハウジング1の内周面に固定されたスピーカ用の励磁マグネット4で構成されている。
キャップ5は音孔5aが設けられたステンレスや樹脂製の薄板でキャップ状に形成され、その外周端がスピーカハウジング1の上端部に固定されている。
振動板3は樹脂でフィルム状円形に形成され、ダンパ部3aがハウジング1の上端部側に固定されているスピーカの振動薄板である。
振動板3の励磁コイルとしてのボイスコイル2は円筒状に形成され、その一端2aが振動板3に取り付けられている。
スピーカ駆動用でボイスコイル2を励磁するマグネット4は、やや厚みのある円筒状で上下にNS2極に着磁され、スピーカハウジング1の内周面に取り付けられている。マグネット4の上面には薄板でリング状のヨーク板4aがマグネット全周にわたって取り付けられ、マグネット4と共にボイスコイル2に対向している。ここで、マグネット4、ヨーク板4aおよびボイスコイル2は同心に位置している。
ボイスコイル2はスピーカハウジング1に設けられた切りかき部1aから導線2bが出され、図示しない駆動回路により駆動電流が入力される。
ブラケット6は非磁性あるいは弱磁性板材の円盤型で、その外周側はスピーカハウジング1の下端側に固定され、モータMをスピーカSに対し支持している。ブラケット6にはディテントトルク発生部材8とステータSTが取り付けられる。ディテントトルク発生部材については種々構成が考えられ、また、本発明に直接関係がないのでその説明は省略する。ブラケット6の中央には軸12の下端部を固定するための凹所6eが形成されている。凹所6eは例えばバーリング状の孔で軸12は圧入等で固定され、さらに溶接等を用いて固定されても良い。
このブラケット6は例えばステータSTを構成する部材とケース7を一体に樹脂成形するなどして樹脂で形成されても良い。
ステータSTには印刷配線基板からなるステータベース11にロータ駆動用の空心コイル14と空心コイル14に電流を供給する駆動回路部材Dが設けられている。ステータベース11の一端部は給電端子Bとして切りかき部1aからスピーカハウジング1の外へ導出される。空心コイル14はいわゆる軸方向空隙型モータを形成するようロータに対向して取り付けられている。
外径側垂下部10aの外周側には舌片10cに保持されるようウエイトWが接着、溶接等で取り付けられている。また、内径側垂下部10bはやはり磁性体の円筒形状であり、その内側には円筒状焼結含油軸受13が圧入等で固定されている。
偏心ウエイトWは厚みがロータRとほぼ同じ厚みで、内周側が外径側垂下部10aに沿う円弧形状であり、振動量に合わせ半径方向の寸法、比重等を適宜設定する。
ケース7はマグネット4およびヨーク板4aとともにボイスコイル2に作用するスピーカ用の磁路を形成するとともに、モータMのケースともなっている。フランジ7dは筒状部7bに対し磁気的に連続していれば別体を組み合わせても良い。
ケース7の上側端部は中心に向かって延長され、張り出し部としての鍔7cが形成されている。この鍔7cは環状になるよう筒状部7b上側端部から延長されている。この鍔7cはマグネット4から発生する上方からの磁束を引き込む作用を有するため、マグネット4のヨークとなる部分が拡大したこととなる。そのため例えばモータMが薄型のものを用いた場合で筒状部7bの高さが十分でない場合でも、ボイスコイル2にかかる磁束量を増大させることができる。
この蓋7aにはその中央に軸12の一端を固定するための凹部7eが設けられ、軸12はその凹部に溶接、圧入等で固定される。この蓋7aを設けることで、モータMを密閉して塵埃の侵入を防ぐことができる。また、実施の形態のように軸12を固定すれば軸固定型のモータとすることが可能となる。軸12の他端はブラケット6の凹所6eに取付固定されている。
本実施例では鍔7cの内周端部7ccは、径方向でウエイトWの旋回範囲に位置しているが、この内周端部7ccの径方向の位置は外径側垂下部10aより外周側とする。そのようにすれば、ロータRからの漏れ磁束が非常に少ないため、その磁界がケース7に影響せずロータの回転が妨げられることがない。
また、この鍔7cによりボイスコイル2へ効率よく磁界が作用するが、ヨークとして筒状部7bで十分な場合、この鍔7cを設けることなく蓋7aを筒状部7bの上端部へ取り付けても良い。その場合、鍔を形成する工程等が省かれることになる。
また、筒状部7bは外径側垂下部10aからウエイトWの分だけ離れて位置している。ウエイトWを利用してロータRの外周側を磁性体である筒状部7bから離すことで筒状部7bがロータに及ぼす影響を無くすことができる。
このように、この発明の技術的範囲は特許請求の範囲に示すもので、実施の形態に限定されるものではない。
2 ボイスコイル
3 振動薄板
7 ケース
7c フランジ部
10 ロータヨーク
10a 外径側垂下部
M モータ
R ロータ
Claims (4)
- 非磁性体もしくは弱磁性体で形成された蓋(7a)と、磁性板材で形成され前記蓋に一体化することによって内部を塞いだ筒状部(7b)と、該筒状部の下端から磁気的に連続して半径方向外方に配されたフランジ(7d)とで構成されたケース(7)と、該ケースに組み付けられる非磁性もしくは弱磁性板で形成されたブラケット(6)とが備えられ、該ブラケットに一端が固定されると共に前記ケースの蓋に他端が固定された軸(12)と、前記ブラケットにはディテントトルク発生部材(8)とステータベース(11)が配され、該ステータベースに空心電機子コイルと該コイルに駆動電流を供給する駆動回路部材とが配され、前記軸に回転自在に支持される偏心ロータ(R)は、ロータケースに配置されたマグネット(9)と、偏心ウエイト(W)とが備えられ、前記ケースは前記フランジで前記ブラケット外周に固定されている扁平型ブラシレス振動モータ。
- 前記筒状部の上側は中心に向かって張り出し部(7c)が形成され、該張り出し部に前記蓋が取り付けられ密閉されている請求項1に記載の扁平型ブラシレス振動モータ。
- 請求項1または2に記載の扁平型ブラシレス振動モータが、前記フランジを介して前記ブラケットでスピーカハウジング(1)の下端中央に配されていることを特徴とする扁平型ブラシレス振動モータを備えた電磁音響変換器。
- 前記スピーカハウジングに外周で取り付けられた振動薄板(3)と該振動薄板に取り付けられたボイスコイル(2)と、該ボイスコイルの外周側に配置され、該ボイスコイルを駆動する磁界を発生する励磁マグネット(4)と、前記振動薄板を覆うキャップ(5)で構成され、前記扁平型ブラシレス振動モータが前記ボイスコイルの内周側に前記励磁マグネットの磁界を受ける中央磁極となるように前記フランジを介して前記スピーカハウジングの下端に取り付けられ、前記フランジの上方に前記励磁マグネットが配置されて磁気回路を構成したことを特徴とする請求項3に記載の扁平型ブラシレス振動モータを備えた電磁音響変換器。
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