JP2006078253A - 濃淡電池式酸素センサおよびその温度制御方法 - Google Patents
濃淡電池式酸素センサおよびその温度制御方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2006078253A JP2006078253A JP2004260820A JP2004260820A JP2006078253A JP 2006078253 A JP2006078253 A JP 2006078253A JP 2004260820 A JP2004260820 A JP 2004260820A JP 2004260820 A JP2004260820 A JP 2004260820A JP 2006078253 A JP2006078253 A JP 2006078253A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- lead wire
- cell type
- oxygen sensor
- solid electrolyte
- concentration cell
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Landscapes
- Measuring Oxygen Concentration In Cells (AREA)
Abstract
【課題】 小型化が可能、かつ、測定精度に優れる濃淡電池式酸素センサおよびその温度制御方法を提供する。
【解決手段】 電極17の固体電解質板11と接する面とは反対の面には、第二のリード線19がその側面を電極17と電気的に接して配され、かつ、第二のリード線19の両端は自由端をなしており、第二のリード線19は酸素測定用のリード線と抵抗測定用のリード線を兼ねている濃淡電池式酸素センサ10において、自由端をなす第二のリード線19の両端を抵抗測定用電極にそれぞれ電気的に接続して、第二のリード線19の抵抗値を求め、この抵抗値に基づいてヒータ20に印加する電圧を調整することにより、濃淡電池式酸素センサ10の温度を所定の温度に保つ。
【選択図】 図1
【解決手段】 電極17の固体電解質板11と接する面とは反対の面には、第二のリード線19がその側面を電極17と電気的に接して配され、かつ、第二のリード線19の両端は自由端をなしており、第二のリード線19は酸素測定用のリード線と抵抗測定用のリード線を兼ねている濃淡電池式酸素センサ10において、自由端をなす第二のリード線19の両端を抵抗測定用電極にそれぞれ電気的に接続して、第二のリード線19の抵抗値を求め、この抵抗値に基づいてヒータ20に印加する電圧を調整することにより、濃淡電池式酸素センサ10の温度を所定の温度に保つ。
【選択図】 図1
Description
本発明は、例えば、高純度の窒素雰囲気中の残存酸素濃度の監視用などに用いられる濃淡電池式酸素センサおよびその温度制御方法に関するものである。
従来、工業用窒素発生器から発生する高純度の窒素中に含まれる残存酸素濃度から窒素発生器の性能低下を常時監視する用途や、半導体露光装置で純窒素をパージした時の残存酸素濃度から露光性能の低下を常時監視する用途などに酸素センサが利用されている。高純度の窒素中の残存酸素濃度の監視用としては、大気を参照ガスとしたジルコニア濃淡電池式センサやジルコニア限界電流式酸素センサが用いられている。
図3は、従来の濃淡電池式酸素センサを示す断面図である。
この濃淡電池式酸素センサ100では、円板状の固体電解質板101と、円板状の封止セラミックス板102とが、これらの周縁部に円環状のスペーサ103を介在させて対向配置されている。また、固体電解質板101とスペーサ103との間は、円環状の第一の封止材104によって気密に封止されている。さらに、封止セラミックス板102とスペーサ103との間は、円環状の第二の封止材105によって気密に封止されている。そして、固体電解質板101、封止セラミックス板102およびスペーサ103で形成される密閉空間内には、参照電極106をなす金属−金属酸化物(以下、「M−MO」と略記することもある。)が充填されている。
この濃淡電池式酸素センサ100では、円板状の固体電解質板101と、円板状の封止セラミックス板102とが、これらの周縁部に円環状のスペーサ103を介在させて対向配置されている。また、固体電解質板101とスペーサ103との間は、円環状の第一の封止材104によって気密に封止されている。さらに、封止セラミックス板102とスペーサ103との間は、円環状の第二の封止材105によって気密に封止されている。そして、固体電解質板101、封止セラミックス板102およびスペーサ103で形成される密閉空間内には、参照電極106をなす金属−金属酸化物(以下、「M−MO」と略記することもある。)が充填されている。
固体電解質板101の参照電極106と接する面とは反対の面には、電極107が設けられている。また、電極107には、リード線108が接続されている。一方、固体電解質板101の参照電極106と接する面にも、リード線109が接続されている。このリード線109は、第一の封止材104を気密に貫通して、濃淡電池式酸素センサ100の内部から外部に引き出されている。また、封止セラミックス板102の参照電極106と接する面とは反対の面には、ヒータ110がパターン形成されている。さらに、ヒータ110には、リード線111が接続されている(例えば、特許文献1参照。)。
このように、参照電極106を内蔵する濃淡電池式酸素センサ100では、酸素濃度の測定精度は温度依存性が高い。したがって、濃淡電池式酸素センサ100を用いた酸素濃度の測定では、測定精度を高めるために、濃淡電池式酸素センサ100の温度を正確に測定し、濃淡電池式酸素センサ100の温度を所定の温度に正確に制御することが非常に重要である。
従来、濃淡電池式酸素センサの温度を測定するには、図3に示すように、濃淡電池式酸素センサ100の近傍に配した熱電対120によって、濃淡電池式酸素センサ100の温度を測定する方法が用いられている。また、ヒータ110で消費される電力から濃淡電池式酸素センサ100の温度を予想する方法が用いられている。
しかしながら、熱電対を用いる方法は、濃淡電池式酸素センサの温度を制御するためには有効な方法であるものの、温度を測定するための計測器類が必要となるので、濃淡電池式酸素センサを小型化するには限界がある。また、熱電対が濃淡電池式酸素センサに接していないので、熱電対によって濃淡電池式酸素センサ本来の温度を正確に測定できないという欠点が起こりうる。
また、ヒータで消費される電力から濃淡電池式酸素センサの温度を予測する方法は、濃淡電池式酸素センサの周囲の温度や気流などの測定環境の変化によって、想定した温度と実際の温度との間に誤差が生じるので、濃淡電池式酸素センサ本来の温度を正確に測定できないという欠点がある。
さらに、これら2つの方法では、濃淡電池式酸素センサの温度の測定結果に基づいて、ヒータの温度を所定の温度となるように制御しても、濃淡電池式酸素センサの周囲の温度や気流などの測定環境の変化によって、濃淡電池式酸素センサの温度も変化するので、ヒータの温度を所定の温度に保持することができなくなるおそれがあった。
特開2004−177322号公報
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、小型化が可能、かつ、測定精度に優れる濃淡電池式酸素センサおよびその温度制御方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、固体電解質板と、該固体電解質板と対向するように配置された封止セラミックス板と、前記固体電解質板と前記封止セラミックス板の互いに対向する周縁部に介挿された環状のスペーサと、前記固体電解質板と前記スペーサとの間を封止する環状の第一の封止材と、前記封止セラミックス板と前記スペーサとの間を封止する環状の第二の封止材と、これら固体電解質板、封止セラミックス板、スペーサ、並びに、第一の封止材および第二の封止材により密封された空間に充填された金属−金属酸化物からなる参照電極と、該参照電極から前記密封された空間の外部に延びる第一のリード線と、前記固体電解質板の前記参照電極と接する面とは反対の面に設けられた電極と、前記封止セラミックス板の前記参照電極と接する面とは反対の面に設けられたヒータと、を備えた濃淡電池式酸素センサであって、前記電極の前記固体電解質板と接する面とは反対の面には、第二のリード線がその側面を前記電極と電気的に接して配され、かつ、前記第二のリード線の両端は自由端をなしており、前記第二のリード線は酸素濃度測定用のリード線と抵抗測定用のリード線を兼ねている濃淡電池式酸素センサを提供する。
本発明は、固体電解質板と、該固体電解質板と対向するように配置された封止セラミックス板と、前記固体電解質板と前記封止セラミックス板の互いに対向する周縁部に介挿された環状のスペーサと、前記固体電解質板と前記スペーサとの間を封止する環状の第一の封止材と、前記封止セラミックス板と前記スペーサとの間を封止する環状の第二の封止材と、これら固体電解質板、封止セラミックス板、スペーサ、並びに、第一の封止材および第二の封止材により密封された空間に充填された金属−金属酸化物からなる参照電極と、該参照電極から前記密封された空間の外部に延びる第一のリード線と、前記固体電解質板の前記参照電極と接する面とは反対の面に設けられた電極と、前記封止セラミックス板の前記参照電極と接する面とは反対の面に設けられたヒータと、を備え、前記電極の前記固体電解質板と接する面とは反対の面には、第二のリード線がその側面を前記電極と電気的に接して配され、かつ、前記第二のリード線の両端は自由端をなしており、前記第二のリード線は酸素濃度測定用のリード線と抵抗測定用のリード線を兼ねている濃淡電池式酸素センサの温度の制御方法であって、前記自由端をなす前記第二のリード線の両端を抵抗測定用電極にそれぞれ電気的に接続して、前記第二のリード線の抵抗値を求め、該抵抗値に基づいて前記ヒータに印加する電圧を調整し、濃淡電池式酸素センサの温度を所定の温度に保つ濃淡電池式酸素センサの温度制御方法を提供する。
本発明の濃淡電池式酸素センサによれば、自由端をなす第二のリード線が固体電解質板に設けられた電極に接し、かつ、その両端を、抵抗測定器に設けられた抵抗測定用電極に電気的に接続し、第二のリード線の抵抗値を測定して、この測定値に基づいてヒータに印加する電圧を調整し、濃淡電池式酸素センサの温度を所定の温度に保つことにより、濃淡電池式酸素センサによる酸素濃度の測定精度を向上させることができる。したがって、濃淡電池式酸素センサに備えられたヒータによって、濃淡電池式酸素センサの温度を所定の温度に保つことができるから、濃淡電池式酸素センサの温度を制御するための装置や設備などを別途設ける必要がないので、小型の濃淡電池式酸素センサを実現することができる。また、第二のリード線は酸素濃度測定用のリード線と抵抗測定用のリード線を兼ねるため、さらに小型化することができる。
本発明の濃淡電池式酸素センサの温度測定法によれば、第二のリード線の抵抗値を測定し、この測定値に基づいてヒータに印加する電圧を調整することにより、濃淡電池式酸素センサの温度を所定の温度に一定に保つことができる。これにより、濃淡電池式酸素センサによる酸素濃度の測定精度を向上させることができる。
以下、本発明を実施した濃淡電池式酸素センサおよびその温度制御方法について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る濃淡電池式酸素センサの一実施形態を示す断面図である。図2は、本発明に係る濃淡電池式酸素センサの一実施形態を示す底面図である。
図1および図2中、符号10は濃淡電池式酸素センサ、11は固体電解質板、12は封止セラミックス板、13はスペーサ、14は第一の封止材、15は第二の封止材、16は参照電極、17は電極、18は第一のリード線、19は第二のリード線、20はヒータ、21は第三のリード線をそれぞれ表している。
図1および図2中、符号10は濃淡電池式酸素センサ、11は固体電解質板、12は封止セラミックス板、13はスペーサ、14は第一の封止材、15は第二の封止材、16は参照電極、17は電極、18は第一のリード線、19は第二のリード線、20はヒータ、21は第三のリード線をそれぞれ表している。
この実施形態の濃淡電池式酸素センサ10は、固体電解質板11と、固体電解質板11と対向するように配置された封止セラミックス板12と、固体電解質板11と封止セラミックス板12の互いに対向する周縁部に介挿された環状のスペーサ13と、固体電解質板11とスペーサ13との間を封止する環状の第一の封止材14と、封止セラミックス板12とスペーサ13との間を封止する環状の第二の封止材15と、これら固体電解質板11、封止セラミックス板12、スペーサ13、並びに、第一の封止材14および第二の封止材15により密封された空間(以下、「密封空間」と略す。)23に充填された金属−金属酸化物からなる参照電極16と、参照電極16から密封空間23の外部に延びる第一のリード線18と、固体電解質板11の参照電極16と接する面とは反対の面11aに設けられた電極17と、封止セラミックス板12の参照電極16と接する面とは反対の面12aに所定の形状に設けられたヒータ20と、電極17の固体電解質板11と接する面とは反対の面17aに配された第二のリード線19と、ヒータ20に接続された第三のリード線21とから概略構成されている。
濃淡電池式酸素センサ10では、電極17の固体電解質板11と接する面とは反対の面17aには、第二のリード線19がその側面を電極17と電気的に接して配され、かつ、第二のリード線19の両端は自由端をなしている。第二のリード線19の側面が電極17に電気的に接することにより、周囲の温度変化の影響を受け難くなり、温度を正確に測ることができる。
固体電解質板11としては、円板状のジルコニア板が挙げられる。
固体電解質板11をなすジルコニアとしては、イオン伝導性に優れることから、イットリウム酸化物を8mol%含むジルコニア(ZrO2−8mol%Y2O3)からなるものが望ましい。なお、固体電解質板11としては、ジルコニアに酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)などの無機ドーパントを添加して、酸素イオン伝導のための空格子点を形成するようにしたものも用いることができる。
固体電解質板11をなすジルコニアとしては、イオン伝導性に優れることから、イットリウム酸化物を8mol%含むジルコニア(ZrO2−8mol%Y2O3)からなるものが望ましい。なお、固体電解質板11としては、ジルコニアに酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)などの無機ドーパントを添加して、酸素イオン伝導のための空格子点を形成するようにしたものも用いることができる。
封止セラミックス板12としては、円板状のジルコニア板が挙げられる。
封止セラミックス板12をなすジルコニアとしては、イットリウム酸化物を2mol%〜4mol%含むジルコニア(ZrO2−2〜4mol%Y2O3)からなるものが望ましい。
封止セラミックス板12をなすジルコニアとしては、イットリウム酸化物を2mol%〜4mol%含むジルコニア(ZrO2−2〜4mol%Y2O3)からなるものが望ましい。
スペーサ13をなす材質としては、セラミックスなどが挙げられる。
第一の封止材14および第二の封止材15をなす材質としては、密閉性と接着性を兼ね備えたガラスなどが挙げられる。
第一の封止材14および第二の封止材15をなす材質としては、密閉性と接着性を兼ね備えたガラスなどが挙げられる。
参照電極16をなす材質としては、パラジウム(Pd)、銅(Cu)、鉛(Pb)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)などの一部を酸化したPd−PdO、Cu−Cu2O、Pb−PbO、Ni−NiO、Co−CoOなどからなる金属−金属酸化物が挙げられる。
電極17をなす材質としては、白金などの金属が挙げられる。
この電極17は、例えば、スクリーン印刷などにより増粘剤と有機溶剤によってペースト化された白金を塗布した後、熱処理を経ることにより、ポーラス状(多孔性)に形成される。電極17をポーラス状とすることによって、測定酸素の出入りが可能となる。
この電極17は、例えば、スクリーン印刷などにより増粘剤と有機溶剤によってペースト化された白金を塗布した後、熱処理を経ることにより、ポーラス状(多孔性)に形成される。電極17をポーラス状とすることによって、測定酸素の出入りが可能となる。
第一のリード線18、第二のリード線19および第三のリード線21としては、白金からなるリード線が挙げられる。また、第二のリード線19は、酸素濃度測定用のリード線と、抵抗測定用リード線を兼ねている。
ヒータ20をなす材質としては、白金などの金属が挙げられる。
この実施形態の濃淡電池式酸素センサ10では、自由端をなす第二のリード線19が固体電解質板11に設けられた電極17に接し、かつ、その両端を、抵抗測定器(図示略)に設けられた抵抗測定用電極に電気的に接続することにより、第二のリード線19の抵抗値を測定して、この測定値に基づいてヒータ20に印加する電圧を調整し、濃淡電池式酸素センサ10の温度を所定の温度に保つことにより、濃淡電池式酸素センサ10による酸素濃度の測定精度を向上させることができる。したがって、濃淡電池式酸素センサ10に備えられたヒータ20によって、濃淡電池式酸素センサ10の温度を所定の温度に保つことができるから、濃淡電池式酸素センサ10の温度を制御するための装置や設備などを別途設ける必要がなく、濃淡電池式酸素センサ10の小型化を実現することができる。また、第二のリード線19は酸素濃度測定用のリード線と抵抗測定用のリード線を兼ねるため、さらに濃淡電池式酸素センサ10を小型化することができる。
次に、図1および図2を参照して、この実施形態の濃淡電池式酸素センサの製造方法について説明する。
まず、ジルコニアからなる固体電解質板11を作製する。
固体電解質板11は、例えば、ジルコニアからなる直径10mmの棒状体を、厚み約0.2mmに切断して円板状のジルコニア板とし、この円板状のジルコニア板を研磨によって厚みを調整することにより得られる。
まず、ジルコニアからなる固体電解質板11を作製する。
固体電解質板11は、例えば、ジルコニアからなる直径10mmの棒状体を、厚み約0.2mmに切断して円板状のジルコニア板とし、この円板状のジルコニア板を研磨によって厚みを調整することにより得られる。
次いで、作製された固体電解質板11上に、例えば、白金ペーストを塗布し、この白金ペーストを所定の温度で焼成して、白金からなる電極17を形成する。
次いで、固体電解質板11の電極17が形成された面とは反対の面の周縁部に、ガラスからなる円環状の第一の封止材14を、約1000℃の温度で融着することにより、固体電解質板11上に第一の封止材14を積層する。
なお、この時、第一の封止材14の側面に第一のリード線18を挿入することができる程度の穴を設けておき、第一のリード線18をこの穴に挿通するとともに、固体電解質板11に接触させた状態で、第一の封止材14を加熱することにより、第一のリード線18を第一の封止材14に接着する。
次いで、第一の封止部材14の上に、円環状のスペーサ13を、約1000℃の温度で融着することにより、第一の封止材14の上にスペーサ13を積層する。
次いで、スペーサ13の上に、ガラスからなる円環状の第二の封止材15を、約1000℃の温度で融着することにより、スペーサ13上に第二の封止材15を積層する。
次いで、固体電解質板11からなる底部と、第一の封止材14とスペーサ13と第二の封止材15からなる側部により形成される凹部24内に、参照電極16を形成するための金属粉末を充填する。金属粉末には、必要に応じて、安定化ジルコニアの粉末を配合してもよい。
また、上記一連の工程とは別に、円板状の封止セラミックス板12の一方の面に、予め白金からなるヒータ20をパターン形成する。
次いで、このヒータ20が設けられた封止セラミックス板12により、第二の封止材15の開口している側、すなわち、凹部24を封止して、金属粉末を密封することにより、固体電解質板11、封止セラミックス板12、スペーサ13、第一の封止材14、第二の封止材15および参照電極用の金属粉末からなる積層体が得られる。この金属粉末の封止処理では、第二の封止材15を約1000℃に加熱して、封止セラミックス板12を第二の封止材15に融着する。
次いで、白金などからなる第二のリード線19を、その側面が電極17の固体電解質板11と接する面とは反対の面17aに電気的に接するように、かつ、第二のリード線19の両端が自由端をなすように配して、電極17に接続する。また、白金などからなる第三のリード線21をヒータ20に接続する。
最後に、上記の積層体を、濃淡電池式酸素センサの作動温度まで加熱することにより、この積層体内に密封された金属粉末は、その一部が酸化してM−MOからなる参照電極16となり、一定の酸素分圧で安定し、濃淡電池式酸素センサ10が得られる。
最後に、上記の積層体を、濃淡電池式酸素センサの作動温度まで加熱することにより、この積層体内に密封された金属粉末は、その一部が酸化してM−MOからなる参照電極16となり、一定の酸素分圧で安定し、濃淡電池式酸素センサ10が得られる。
なお、参照電極用の金属粉末を濃淡電池式酸素センサの作動温度まで加熱することにより、パラジウム(Pd)、銅(Cu)、鉛(Pb)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)などの金属粉末の一部が酸化して、Pd−PdO、Cu−Cu2O、Pb−PbO、Ni−NiO、Co−CoOなどからなる参照電極16が形成される。
次に、図1および図2を参照して、本発明に係る濃淡電池式酸素センサの温度制御方法について説明する。
まず、図1および図2に示すような濃淡電池式酸素センサ10の第二のリード線19の両端を、抵抗測定器(図示略)に設けられた抵抗測定用電極(図示略)にそれぞれ接続する。
次いで、ヒータ20に通電(電圧を印加)するとともに、抵抗測定器によって第二のリード線19の抵抗値を測定し、この測定値に基づいてヒータ20に印加する電圧を調整することにより、濃淡電池式酸素センサ10の温度を所定の温度に一定に保つ。
まず、図1および図2に示すような濃淡電池式酸素センサ10の第二のリード線19の両端を、抵抗測定器(図示略)に設けられた抵抗測定用電極(図示略)にそれぞれ接続する。
次いで、ヒータ20に通電(電圧を印加)するとともに、抵抗測定器によって第二のリード線19の抵抗値を測定し、この測定値に基づいてヒータ20に印加する電圧を調整することにより、濃淡電池式酸素センサ10の温度を所定の温度に一定に保つ。
濃淡電池式酸素センサ10の温度制御方法について、より詳しく説明する。
予め第二のリード線19の抵抗値と温度との相関、および、ヒータ電圧とリード線の抵抗値との相関を求めておく。
次に、温度が所定の範囲になるように目標とする抵抗値を決定する。この時、抵抗値をモニタし、目標とする抵抗値となるようにヒータ20の電圧を調整する。すなわち、モニタしている抵抗値が、目標とする抵抗値を下回る際にはヒータ20の電圧が高くなるように、また逆に、目標とする抵抗値を上回る際にはヒータ20の電圧が低くなるように、調整される。
予め第二のリード線19の抵抗値と温度との相関、および、ヒータ電圧とリード線の抵抗値との相関を求めておく。
次に、温度が所定の範囲になるように目標とする抵抗値を決定する。この時、抵抗値をモニタし、目標とする抵抗値となるようにヒータ20の電圧を調整する。すなわち、モニタしている抵抗値が、目標とする抵抗値を下回る際にはヒータ20の電圧が高くなるように、また逆に、目標とする抵抗値を上回る際にはヒータ20の電圧が低くなるように、調整される。
このように、この実施形態の濃淡電池式酸素センサの温度制御方法によれば、第二のリード線19の抵抗値を測定し、この測定値に基づいてヒータ20に印加する電圧を調整することにより、濃淡電池式酸素センサ10の温度を所定の温度に一定に保つことができる。これにより、濃淡電池式酸素センサ10による酸素濃度の測定精度を向上させることができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例)
図1に示すような濃淡電池式酸素センサを作製した。
第二のリード線としては、外径0.10mm、長さ15mmの白金線を用い、この白金線の側面を白金ペーストにより、固体電解質板電極に設けられた電極に電気的に接合した。また、第二のリード線の両端をそれぞれ、抵抗測定器に設けられた抵抗測定用電極に接続した。
次に、濃淡電池式酸素センサの温度を450℃に一定に保つために、ヒータに電圧を印加した。濃淡電池式酸素センサの温度を450℃に保つためには、ヒータに1.9Wの電力を供給した。
濃淡電池式酸素センサの温度を450℃に維持したとき、第二のリード線の抵抗値は、濃淡電池式酸素センサを加熱する前の0.2056Ωから0.3885Ωに変化した。さらに、濃淡電池式酸素センサの温度が452℃に温度が上がると、第二のリード線の抵抗値は0.3893Ωへ変化した。
そこで、ヒータに印加する電圧をごく僅かに下げて、第二のリード線の抵抗値を0.3885Ωに戻した。
これにより、濃淡電池式酸素センサの温度を450℃に戻すことができた。
図1に示すような濃淡電池式酸素センサを作製した。
第二のリード線としては、外径0.10mm、長さ15mmの白金線を用い、この白金線の側面を白金ペーストにより、固体電解質板電極に設けられた電極に電気的に接合した。また、第二のリード線の両端をそれぞれ、抵抗測定器に設けられた抵抗測定用電極に接続した。
次に、濃淡電池式酸素センサの温度を450℃に一定に保つために、ヒータに電圧を印加した。濃淡電池式酸素センサの温度を450℃に保つためには、ヒータに1.9Wの電力を供給した。
濃淡電池式酸素センサの温度を450℃に維持したとき、第二のリード線の抵抗値は、濃淡電池式酸素センサを加熱する前の0.2056Ωから0.3885Ωに変化した。さらに、濃淡電池式酸素センサの温度が452℃に温度が上がると、第二のリード線の抵抗値は0.3893Ωへ変化した。
そこで、ヒータに印加する電圧をごく僅かに下げて、第二のリード線の抵抗値を0.3885Ωに戻した。
これにより、濃淡電池式酸素センサの温度を450℃に戻すことができた。
実施例の結果から、第二のリード線の抵抗値を測定し、この測定値に基づいてヒータに印加する電圧を調整することにより、濃淡電池式酸素センサの温度を所定の温度に制御することができることが分かった。
また、この実施例では、濃淡電池式酸素センサの温度が449〜451℃の範囲で一定に保たれ、濃淡電池式酸素センサにより酸素濃度測定を精度5%FSで行う場合、許容温度範囲は±1.0%となる。
また、この実施例では、濃淡電池式酸素センサの温度が449〜451℃の範囲で一定に保たれ、濃淡電池式酸素センサにより酸素濃度測定を精度5%FSで行う場合、許容温度範囲は±1.0%となる。
本発明の濃淡電池式酸素センサおよびその温度制御方法は、工業用窒素発生装置から発生する高純度窒素中の酸素濃度の測定や、半導体露光装置の純窒素パージ後の残存酸素濃度の測定だけでなく、自動車の排ガス中の酸素濃度の測定や、燃焼装置の排ガス中の酸素濃度の測定など、幅広い分野における酸素濃度の測定に供される濃淡電池式酸素センサおよびその温度制御方法としても適用可能である。
10・・・濃淡電池式酸素センサ、11・・・固体電解質板、12・・・封止セラミックス板、13・・・スペーサ、14・・・第一の封止材、15・・・第二の封止材、16・・・参照電極、17・・・電極、18・・・第一のリード線、19・・・第二のリード線、20・・・ヒータ、21・・・第三のリード線、23・・・密封空間。
Claims (2)
- 固体電解質板と、該固体電解質板と対向するように配置された封止セラミックス板と、前記固体電解質板と前記封止セラミックス板の互いに対向する周縁部に介挿された環状のスペーサと、前記固体電解質板と前記スペーサとの間を封止する環状の第一の封止材と、前記封止セラミックス板と前記スペーサとの間を封止する環状の第二の封止材と、これら固体電解質板、封止セラミックス板、スペーサ、並びに、第一の封止材および第二の封止材により密封された空間に充填された金属−金属酸化物からなる参照電極と、該参照電極から前記密封された空間の外部に延びる第一のリード線と、前記固体電解質板の前記参照電極と接する面とは反対の面に設けられた電極と、前記封止セラミックス板の前記参照電極と接する面とは反対の面に設けられたヒータと、を備えた濃淡電池式酸素センサであって、
前記電極の前記固体電解質板と接する面とは反対の面には、第二のリード線がその側面を前記電極と電気的に接して配され、かつ、前記第二のリード線の両端は自由端をなしており、前記第二のリード線は酸素濃度測定用のリード線と抵抗測定用のリード線を兼ねていることを特徴とする濃淡電池式酸素センサ。 - 固体電解質板と、該固体電解質板と対向するように配置された封止セラミックス板と、前記固体電解質板と前記封止セラミックス板の互いに対向する周縁部に介挿された環状のスペーサと、前記固体電解質板と前記スペーサとの間を封止する環状の第一の封止材と、前記封止セラミックス板と前記スペーサとの間を封止する環状の第二の封止材と、これら固体電解質板、封止セラミックス板、スペーサ、並びに、第一の封止材および第二の封止材により密封された空間に充填された金属−金属酸化物からなる参照電極と、該参照電極から前記密封された空間の外部に延びる第一のリード線と、前記固体電解質板の前記参照電極と接する面とは反対の面に設けられた電極と、前記封止セラミックス板の前記参照電極と接する面とは反対の面に設けられたヒータと、を備え、前記電極の前記固体電解質板と接する面とは反対の面には、第二のリード線がその側面を前記電極と電気的に接して配され、かつ、前記第二のリード線の両端は自由端をなしており、前記第二のリード線は酸素濃度測定用のリード線と抵抗測定用のリード線を兼ねている濃淡電池式酸素センサの温度制御方法であって、
前記自由端をなす前記第二のリード線の両端を抵抗測定用電極にそれぞれ電気的に接続して、前記第二のリード線の抵抗値を求め、該抵抗値に基づいて前記ヒータに印加する電圧を調整することにより、濃淡電池式酸素センサの温度を所定の温度に保つことを特徴とする濃淡電池式酸素センサの温度制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004260820A JP2006078253A (ja) | 2004-09-08 | 2004-09-08 | 濃淡電池式酸素センサおよびその温度制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004260820A JP2006078253A (ja) | 2004-09-08 | 2004-09-08 | 濃淡電池式酸素センサおよびその温度制御方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006078253A true JP2006078253A (ja) | 2006-03-23 |
Family
ID=36157846
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004260820A Withdrawn JP2006078253A (ja) | 2004-09-08 | 2004-09-08 | 濃淡電池式酸素センサおよびその温度制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006078253A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010066009A (ja) * | 2008-09-08 | 2010-03-25 | Fuji Electric Systems Co Ltd | 薄膜ガスセンサ |
JP7458944B2 (ja) | 2020-09-08 | 2024-04-01 | ローム株式会社 | 限界電流式ガスセンサ及びその製造方法 |
-
2004
- 2004-09-08 JP JP2004260820A patent/JP2006078253A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010066009A (ja) * | 2008-09-08 | 2010-03-25 | Fuji Electric Systems Co Ltd | 薄膜ガスセンサ |
JP7458944B2 (ja) | 2020-09-08 | 2024-04-01 | ローム株式会社 | 限界電流式ガスセンサ及びその製造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US8591712B2 (en) | Gas sensor element and gas sensor | |
EP2330411A2 (en) | Nitrogen-oxide gas sensor | |
JPH0617891B2 (ja) | 酸素濃度検出素子 | |
CN105358970B (zh) | Co传感器和co传感器的制造方法 | |
US10101294B2 (en) | Method of recovering process for gas sensor | |
JP2006078253A (ja) | 濃淡電池式酸素センサおよびその温度制御方法 | |
JP3831320B2 (ja) | 限界電流式酸素センサ | |
EP0273304B1 (en) | Oxygen sensor | |
JPH05180798A (ja) | 固体電解質ガスセンサ | |
JP2006170708A (ja) | 濃淡電池式酸素センサおよびその温度制御方法 | |
JP2006084335A (ja) | 濃淡電池式酸素センサ | |
JP4465677B2 (ja) | 水素ガス検知素子 | |
RU2360237C1 (ru) | Твердотельный газовый сенсор (варианты) | |
JP2805811B2 (ja) | 燃焼制御用センサ | |
JP2017044691A (ja) | ガスセンサの回復処理方法 | |
JPH1062380A (ja) | 2つの測定領域を有する酸素分圧測定用センサ | |
JPH03120456A (ja) | 酸素センサ | |
JP2009238506A (ja) | 電気化学セル | |
JP2006078254A (ja) | 濃淡電池式酸素センサ | |
JP2004177322A (ja) | 濃淡電池式酸素センサ及びその製造方法 | |
KR101436358B1 (ko) | 질소산화물 가스센서 | |
JP2005091254A (ja) | 濃淡電池式酸素センサ及びその製造方法 | |
JP4263116B2 (ja) | 二酸化炭素検出素子 | |
JPS6363936A (ja) | 工業用ガス濃度測定装置 | |
JP2006078252A (ja) | 濃淡電池式酸素センサの製造方法および濃淡電池式酸素センサ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20071204 |