JP2006078076A - 断熱パネル - Google Patents

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Abstract

【課題】充填断熱材からなる断熱パネルに真空断熱材を使用し、連結部を含む断熱パネル全体からの侵入熱量を低減し、断熱性のきわめて高い断熱パネルを提供する。
【解決手段】間隔を開けて互いに対向する面材102と、面材を固定する枠材105と、面材102間の内部空間に配設されている真空断熱材103と、面材102間の内部空間に充填発泡される充填断熱材104とで構成される断熱パネル101において、真空断熱材103が枠材105により固定され断熱パネル101に対する真空断熱材103の被覆面積を最大限大きくすることができると共に、面材102端部が断熱性のある枠材105内に挿入されているため、連結部を含む断熱パネル101全体の侵入熱量を大幅に削減することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、低温や高温に温度を一定に保つ断熱箱体などに用いられる断熱パネルに関するものである。
近年、地球温暖化防止の観点から様々な分野で省エネルギー化が大きな課題となっている。中でも食品の冷凍冷蔵や室内空間の温度制御に必要となる電気エネルギーの省力化も必須課題であり、様々な省エネルギー化の取組みがなされている。
本課題を解決する一つの策として、食品の冷凍や冷蔵に用いる大型倉庫や小型プレハブを構成する断熱パネルの断熱性能を高めて省エネルギー化を図るべく、断熱パネルに真空断熱材を用いることが考案された。具体的には、真空断熱材だけで断熱パネルを構成することは、生産性や信頼性の観点から極めて困難なため、断熱パネル内部に真空断熱材を配設した後、断熱パネル内にウレタンフォームを充填し断熱パネルを構成する方法がとられてきた。
但し、断熱パネルを構成する対向した面材と、断熱パネル内部に配設した真空断熱材との隙間にウレタンフォームを充填するため、ウレタンフォームが円滑に充填できずに空隙が残り適正な断熱性能を得ることが出来ないことがある。
そこでウレタンフォームの充填性を確保し適正な断熱性能を得るために、断熱パネルを構成する枠材や断熱パネルを連結して断熱箱体を構成するための連結装置と真空断熱材との距離をある程度確保し、真空断熱材を枠材や連結装置に対して紐やワイヤーを用いて支持する方法がとられていた(例えば、特許文献1参照)。
以下、図面を参照しながら上述した従来の断熱パネルを説明する。
図7は、従来の断熱パネル1の断面図である。図7に示すように、従来の断熱パネル1は、間隔を開けて互いに対向している一対の面材2と、この面材2間の内部空間に配置されている板状の真空断熱材3と、面材2間の真空断熱材3以外の内部空間に充填発泡される充填断熱材4と、対向する面材2を連結して断熱パネルを略密閉空間として構成するための枠材5と、複数の断熱パネル1を連結して断熱箱体を構成するための連結装置6と、真空断熱材3を連結装置6に対して支持する線状材7を備えている。
以上のように構成された断熱パネルについて、以下その作用を説明する。
対向する面材2の内部に配設される真空断熱材3は断熱パネル1の面積よりもある程度小さく、枠材5に接合された連結部材6に対して線状材7で位置決めされている。そのため、充填断熱材4を充填する際に、真空断熱材3が充填圧力に押されて移動してしまうといった問題が生じないとともに、線状材7で位置決めしているため充填断熱材4の充填性を損なうような邪魔な障害物がないため充填断熱材4が充填しきれず空隙ができてしまうといった問題が生じない。その結果、真空断熱材3を用いない場合と比較して高い断熱性能を得ることができると期待できる。
ここで、充填断熱材4として一般的に用いられているウレタンフォームの熱伝導率は0.02W/mK程度である。一方、真空断熱材3の熱伝導率は0.002〜0.004W/mK程度であり、ウレタンフォームの5倍から10倍の高い断熱性能を有する。そのため、断熱パネル1の真空断熱材3を複層した部分での熱伝導率は理論上の合成熱伝導率相当の高い断熱性能を得ることができる。
特開平11−142049号公報
しかしながら、上記従来の構成では、充填断熱材4を円滑に充填するために枠材5に連結支持された連結装置6と真空断熱材3との距離をある程度大きく開けるため、真空断熱材3が存在せず充填断熱材4のみで断熱性を確保する部分が大きく残ることとなる。その結果、断熱パネル1の大部分の断熱性能を真空断熱材3により高めることは可能ではあるが、断熱パネル1を連結して構成する断熱箱体として考える場合には、真空断熱材3が存在する部分の断熱性能と、充填断熱材4のみで断熱される部分の断熱性能と、断熱パネル1の連結部分の断熱性能に起因して侵入熱量が決まるため、真空断熱材3と充填断熱材4との断熱性能差と比較して、箱体としての断熱性能は期待したほど向上しないという課題を有していた。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、充填断熱材の円滑な充填性を確保した上で、箱体としての高い断熱性能を得るための真空断熱材を用いた断熱パネルを提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために、本発明の断熱パネルは、断熱パネルを構成する枠材で真空断熱材を直接支持することにより、充填断熱材の充填性が危惧される隙間を無くすと同時に、断熱パネルに対する真空断熱材の被覆面積を最大限大きくしたものである。これによって、充填断熱材のみで断熱される部分を最小限に留めることができ、断熱パネルからの侵入熱量を大幅に低減するという作用を有する。
また、本発明の断熱パネルは、対向してなる面材の端部の折り返し部分を枠材に差し込むようにしたものである。これによって、面材の端部を介して断熱パネルの連結部分に侵入する侵入熱量を低減することにより、断熱箱体としてのトータルの侵入熱量を大幅に低減するといった作用を有する。
本発明の断熱パネルは、断熱パネルを連結してなる箱体に対するトータルの侵入熱量を大幅に低減することで、箱体としての断熱性能を大幅に高める断熱パネルを提供することができる。
請求項1に記載の発明は、間隔を開けて互いに対向する面材と、面材を固定する枠材と、前記面材間の内部空間に配設される真空断熱材と、前記面材間の前記真空断熱材以外の内部空間に充填発泡される充填断熱材とで構成される断熱パネルにおいて、前記真空断熱材が前記枠材により固定されていることにより、真空断熱材と枠材とは略接合した状態となるため、断熱パネルの断熱性能が低下する程の空隙が生じることはなく、断熱パネルに対する真空断熱材の被覆面積を最大限大きくすることができるため、断熱パネルの断熱性能は、充填断熱材と真空断熱材の合成熱伝導率が支配的な因子となり、断熱パネルを連結してなる断熱箱としての断熱性能を高めることができる。
また真空断熱材を支持するための固定部材を別途設ける必要がないため、製作工程の削減および直材の低コスト化にも寄与できる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記真空断熱材が、前記面材と前記枠材との隙間に挟持されていることにより、面材と真空断熱材が略一体となり構成できることから、充填断熱材を充填する空間容積を広く確保することができるため、充填断熱材をより確実に充填できることなり、適正な断熱性能をより容易に得ることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明における前記断熱パネルは断熱箱体を構成するものであって、前記断熱箱体の内面を構成する前記面材により前記真空断熱材が挟持されることにより、厚みのある断熱パネルを連結してなる断熱箱体において、所定の断熱性能を得る際に真空断熱材の使用量を最小限に抑えることとなり、真空断熱材の費用を最小限に抑えて高い断熱性能を得ることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記枠材の断面形状の略中央部分に前記真空断熱材を挟持することにより、断熱パネルの連結部分における真空断熱材の間隔をより狭くすることが可能になると共に、断熱パネルに対する真空断熱材の被覆面積を大きくすることとなり、断熱パネルからの侵入熱量を抑えると同時に、断熱パネルの連結部分からの侵入熱量を削減することができ断熱箱体としての断熱性能を高めることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の発明において、前記枠材には凸型枠材と凹型枠材があり、各々の断面形状が異なることにより、断熱パネルの連結部分における熱の侵入経路となる枠材の断面を最小面積にすることが可能となり、連結部分からの侵入熱量を抑えることができ、断熱箱体としての断熱性能をトータルに高めることができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の発明において、対向する前記面材の端部が、面材の接線方向において異なった位置にあることにより、断熱パネルの連結部分における熱の侵入経路となる枠材の経路長を長くすることが可能となり、連結部分からの侵入熱量を抑えることができ、断熱箱体としての断熱性能をトータルに高めることができる。
請求項7に記載の発明は、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の発明において、前記面材の端部が折り返され、前記枠材に設けた切り欠き内に挿入されていることにより、面材が受けた熱が断熱パネル内に侵入する面材端部の経路が断熱性のある枠材によって遮断されることとなり、連結部分からの侵入熱量を抑えることができ、断熱箱体としての断熱性能をトータルに高めることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における断熱パネルを連結してなる断熱箱体の外観斜視図である。図2(a)は断熱パネルの正面図、図2(b)は図2(a)におけるC−C断面図である。図3は断熱パネル連結部の断面図である。
図1において、断熱箱体110は断熱パネル101を複数連結して構成されている。断熱パネル1には、断熱箱体110の天井を構成するパネルと、側壁を構成するパネルと、床を構成するパネルと、開閉部材やガスケットを設けることにより開閉自在に取り付けられた扉パネルがある。断熱パネル101は、幅900mmが基本寸法であり、高さはニーズ応じて1800mm程度以上の様々なサイズが用意されているが、本実施の形態では1800mmとした。
断熱パネル101は、互いに間隔を開けて対向する一対の略矩形の面材102と、面材102の端部に配設されている枠材105を備えており、枠材105が断熱パネル101の周縁部を塞いでいる。面材102の端部は折り返され、枠材105の切り欠き部に5mm程度挿入されている。本実施の形態では、断熱パネル101の厚みは冷蔵用保冷庫を想定して40mmとした。
ここで、面材102には厚み0.4mm程度の鉄板が一般的であり、枠材105は断熱性を有する材料を押出し成形などにより成形しており、ここでは発泡ポリスチレンを用い、その熱伝導率は0.030W/mK程度である。強度面から考えその基本厚みは10mmとした。
また、枠材105には互いに断面形状が異なる凸型枠材105aと凹型枠材105bとがあり、枠材105同士を突き合わした後、シリコンなどの目地シール材108で固定され断熱パネル101は連結される。ここで、シリコンの熱伝導率は0.2W/mK程度である。
真空断熱材103は、両面テープなどで断熱箱体110の内側面材102aに密着固定した後、枠材105の支持位置105cにて確実に内側面材102aと枠材105の間に挟持され端部まで確実に固定される。ここで、真空断熱材103は、断熱パネル101内に縦880mm程度、横880mm程度のものを2枚固定している。なお、真空断熱材103は、無機繊維系のコア材をガスバリア性のある外皮材で覆い、内部を脱気して密封することにより形成されている。
そして、真空断熱材103が固定された後、充填断熱材104を断熱パネル101内部に充填発泡し、断熱パネル101内の空間を充填断熱材104で埋めることにより断熱パネル101が完成する。ここで、充填断熱材104としてはウレタンフォームを用いることが一般的でありその熱伝導率は0.02W/mK程度である。
なお、真空断熱材103の熱伝導率は0.002〜0.004W/mKであることからウレタンフォームの5倍から10倍という高い断熱性能を有している。
以上のように構成された断熱パネルについて、以下にその動作、作用を説明する。
断熱パネル101の面積に対する真空断熱材103の被覆面積の比率である被覆率は本実施の形態では約96%である。また、真空断熱材103を複層した部分の合成熱伝導率はおよそ0.06W/mK程度であり、断熱パネル101端部に近い位置に残るウレタンフォーム104のみの部分と比較して3倍強の断熱性能を有している。なお、厳密に言えば真空断熱材103の外皮材や、真空断熱材103を複層したことによる熱の回り込み現象があるが、ここでは影響が小さいものとして考慮していない。
これに対して、従来例の場合には、面材2の端部から真空断熱材103までの距離が大きいため、被覆率は85%以下程度まで低下する。また、面材端部の折り返し部分が枠材105の外側に位置しているため断熱パネル101の連結部からの侵入熱量が大きい。
図4には、侵入熱量の低減効果の特性図を示す。まず、比較のためウレタンフォーム104のみで断熱した場合には断熱パネル101の一枚当たりの侵入熱量は約26Wあり、断熱パネル101からの侵入熱量Uが75%、連結部からの侵入熱量Sが15%程度と考えられる。なお、侵入熱量の値は実験や机上計算ならびにコンピュータシミュレーションからの推算値である。
これに対して、従来例では真空断熱材103を複層したことにより、断熱パネル103からの侵入熱量(UとVの合計)は約50%程度低減できると考えられるが、連結部からの侵入熱量Sが低減できないため、侵入熱量の合計量は半減できない。
つまり、真空断熱材103を複層した部分の断熱性能は、ウレタンフォーム104のみの場合と比較して3倍以上向上しているが、連結部を含む断熱パネル101全体の侵入熱量の合計は約40%程度しか低減できないと推察される。
一方、本実施の形態の場合には、枠材105の厚みを10mmに抑えて結合部の熱の侵入経路面積を小さくすると共に、枠材105で真空断熱材103を支持することにより、被覆面積を95%以上まで高めることができるため、ウレタンフォーム104のみで断熱する部分は殆ど残らない。
更に面材102端部の折り返しを枠材105の切り欠きに挿入することにより、熱伝導性の高い面材102からの侵入熱はかなり低減し、連結部からの侵入熱量Sが半減する。その結果、連結部まで含めた断熱パネル103全体からの侵入熱量を50%以上削減することができる。
なお、本実施の形態では真空断熱材103の厚みを約10mmとしたが、真空断熱材103の厚みを調節することにより、更に断熱性能を高めることが出来る。
この結果、本実施の形態の断熱パネル101を連結してなる断熱箱体110の断熱性能を、2倍程度まで高めることが可能となり、冷蔵に必要な冷却量が半減するため、冷却システムまでランクダウンすることが可能と考えられる。これらの効果を総合的に合わせると、従来の冷蔵に必要となる電気エネルギーを20%から30%程度まで低減することが可能となり、大幅な省エネルギー化が図れる。
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2における断熱パネル連結部の断面図である。
実施の形態2の断熱パネル201の基本構成は、実施の形態1の断熱パネル101と同様であるので、同じ構成については説明を省略する。
枠材205の凸型枠材205aと凹型枠材205bは基本厚みを10mmにし、略中央部分に真空断熱材203の支持位置205cを設けている。
また、真空断熱材203は、枠材205の支持位置205cに挟持されており、断熱パネル201端部の連結部を塞ぐように配設されている。
以上のように構成された断熱パネルについて、以下にその動作、作用を説明する。
本実施の形態では、真空断熱材203が断熱パネル201の連結部を塞ぐように配設されていると共に、断熱パネル201の接合時における面材202同士の当たりを防止するための接合代の分だけ真空断熱材203同士の間隔を狭くすることが可能となるため真空断熱材の被覆率も若干向上する。
その結果、断熱性能の悪いシリコンゴムによりシールされていた連結部からの侵入熱量を激減させることが可能となり、連結部を含む断熱パネル201全体からの侵入熱量はウレタンフォーム204だけで構成される場合と比較して約70%近く低減できると考えられる。
その結果、本実施の形態の断熱パネル201を連結してなる断熱箱体では実施の形態1以上に冷蔵に必要な冷却量を削減することができるため、更に大幅な省エネルギー化が可能となる。
また、本実施の形態では、真空断熱材203を断熱パネル201の厚み方向の略中央部分に複層したため、真空断熱材203を面材202に固定する両面テープなどの固定部材の削減が可能であると共に、断熱パネル203の表面の平滑性も高めることができる。
(実施の形態3)
図6は、本発明の実施の形態3における断熱パネル連結部の断面図である。
実施の形態3の断熱パネル301の基本構成は、実施の形態1および実施の形態2と同様であるので同じ構成については説明を省略する。
枠材305の凸型枠材305aと凹型枠材305bは、基本厚みを10mmにし、対向する面材302の端部の位置がずれるように構成している。
また、真空断熱材303は、内側面材302aと枠材305の支持位置305cに挟持されている。
以上のように構成された断熱パネルについて、以下にその動作、作用を説明する。
本実施の形態では、枠材305とウレタンフォーム304が断熱パネル301の連結部を塞ぐように配設されていると共に、連結部の熱の侵入経路となる枠材305の経路長を長くしている。
そのため、実施の形態2と同様に断熱性能の悪いシリコンゴムによりシールされていた連結部からの侵入熱量を激減させることが可能となり、連結部を含む断熱パネル301全体からの侵入熱量を大幅に低減することが可能である。
その結果、本実施の形態の断熱パネル301を連結してなる断熱箱体では実施の形態2と同程度まで冷蔵に必要な冷却量を削減することが可能となり、大幅な省エネルギー化が可能となる。
なお、本実施の形態は断熱性能の効果としては同程度と考えられるが断熱パネル301の壁厚が薄くウレタンフォーム304の充填性を高める必要がある場合について特に有効な連結部の構成手段であると言える。
以上のように、本発明にかかる断熱パネルは、真空断熱材を用いた断熱パネル全体の断熱性能を高めると共に、断熱パネルの接合部の断熱性能も高めることが出来るため、低温や高温に温度を一定に保つ冷凍冷蔵庫や倉庫ならびに屋外のATMプレハブなど空調空間を構成する断熱箱体や断熱壁等の温度コントロールに必要となる電気エネルギーの省力化にも適用できる。
本発明の実施の形態1における断熱箱体の外観斜視図 (a)は同実施の形態における断熱パネルの正面図、(b)は同実施の形態におけるC−C断面図 同実施の形態における断熱パネル連結部の断面図 同実施の形態における侵入熱量の低減効果を示す特性図 本発明の実施の形態2における断熱パネル連結部の断面図 本発明の実施の形態3における断熱パネル連結部の断面図 従来の断熱パネル連結部の断面図
符号の説明
101,201,301 断熱パネル
102,202,302 面材
102a,302a 内側面材
103,203,303 真空断熱材
104,204,304 充填断熱材
105,205,305 枠材
105a 凸型枠材
105b 凹型枠材
110 断熱箱体
上記従来の課題を解決するために、本発明の断熱パネルは、断熱パネルを構成する面材と枠材で真空断熱材を挟持することにより、充填断熱材の充填性が危惧される隙間を無くすと同時に、断熱パネルに対する真空断熱材の被覆面積を最大限大きくしたものである。これによって、充填断熱材のみで断熱される部分を最小限に留めることができ、断熱パネルからの侵入熱量を大幅に低減するという作用を有する。
請求項1に記載の発明は、間隔を開けて互いに対向する面材と、面材を固定する枠材と、前記面材間の内部空間に配設される真空断熱材と、前記面材間の前記真空断熱材以外の内部空間に充填発泡される充填断熱材とで構成される断熱パネルにおいて、前記真空断熱材が、前記面材と前記枠材との隙間挟持されていることにより、真空断熱材と枠材とは略接合した状態となるため、断熱パネルの断熱性能が低下する程の空隙が生じることはなく、断熱パネルに対する真空断熱材の被覆面積を最大限大きくすることができるため、断熱パネルの断熱性能は、充填断熱材と真空断熱材の合成熱伝導率が支配的な因子となり、断熱パネルを連結してなる断熱箱としての断熱性能を高めることができる。
また、面材と真空断熱材が略一体となり構成できることから、充填断熱材を充填する空間容積を広く確保することができるため、充填断熱材をより確実に充填できることなり、適正な断熱性能をより容易に得ることができる。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明における前記断熱パネルは断熱箱体を構成するものであって、前記断熱箱体の内面を構成する前記面材により前記真空断熱材が挟持されることにより、厚みのある断熱パネルを連結してなる断熱箱体において、所定の断熱性能を得る際に真空断熱材の使用量を最小限に抑えることとなり、真空断熱材の費用を最小限に抑えて高い断熱性能を得ることができる。
請求項に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記枠材には凸型枠材と凹型枠材があり、各々の断面形状が異なることにより、断熱パネルの連結部分における熱の侵入経路となる枠材の断面を最小面積にすることが可能となり、連結部分からの侵入熱量を抑えることができ、断熱箱体としての断熱性能をトータルに高めることができる。
請求項に記載の発明は、請求項1から請求項のいずれか一項に記載の発明において、対向する前記面材の端部が、面材の接線方向において異なった位置にあることにより、断熱パネルの連結部分における熱の侵入経路となる枠材の経路長を長くすることが可能となり、連結部分からの侵入熱量を抑えることができ、断熱箱体としての断熱性能をトータルに高めることができる。
請求項に記載の発明は、請求項1から請求項のいずれか一項に記載の発明において、前記面材の端部が折り返され、前記枠材に設けた切り欠き内に挿入されていることにより、面材が受けた熱が断熱パネル内に侵入する面材端部の経路が断熱性のある枠材によって遮断されることとなり、連結部分からの侵入熱量を抑えることができ、断熱箱体としての断熱性能をトータルに高めることができる。
上記従来の課題を解決するために、本発明の断熱パネルは、対向する面材の端部と枠材の突き合わせる端部とが、それぞれ面材の平面方向にずれるように構成され、真空断熱材が、断熱パネルを連結している時に一方の側の面材の端部の連結部を覆うように他方の側の面材と枠材との隙間に挟持されているのである。また、別の本発明の断熱パネルは、隣接する一方の断熱パネルの凸型枠材と他方の断熱パネルの凹型枠材とを突き合わせて断熱パネルを連結するものであり、真空断熱材が、断熱パネルを連結している時に面材の端部の連結部を覆うように枠材の断面形状の略中央部分に挟持されているのである。これにより、充填断熱材の充填性が危惧される隙間を無くすと同時に、断熱パネルに対する真空断熱材の被覆面積を最大限大きくしたものである。これによって、充填断熱材のみで断熱される部分を最小限に留めることができ、断熱パネルからの侵入熱量を抑えることができる。また、断熱パネルの連結部分からの侵入熱量を削減することができるので、断熱箱体としての断熱性能を高めることができるという作用を有する。
請求項1に記載の発明は、間隔を開けて互いに対向する面材と、前記面材の端部を固定する枠材と、前記面材間の内部空間に配設される真空断熱材と、前記面材間の前記真空断熱材以外の内部空間に充填発泡される充填断熱材とで構成される断熱パネルであって、前記断熱パネルを連結する場合は、前記枠材同士を突き合わせて連結するものであり、対向する前記面材の端部と前記枠材の突き合わせる端部とが、それぞれ前記面材の平面方向にずれるように構成され、前記真空断熱材は、前記断熱パネルを連結している時に一方の側の面材の端部の連結部を覆うように他方の側の前記面材と前記枠材との隙間に挟持されていることにより、真空断熱材と枠材とは略接合した状態となるため、断熱パネルの断熱性能が低下する程の空隙が生じることはなく、断熱パネルに対する真空断熱材の被覆面積を最大限大きくすることができるため、断熱パネルの断熱性能は、充填断熱材と真空断熱材の合成熱伝導率が支配的な因子となり、また、断熱パネルの連結部分からの侵入熱量を削減することができるので、断熱パネルを連結してなる断熱箱としての断熱性能を高めることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記枠材には凸型枠材と凹型枠材があり、前記断熱パネルを連結する場合は、隣接する一方の前記断熱パネルの凸型枠材と他方の前記断熱パネルの凹型枠材とを突き合わせて連結することにより、断熱パネルの連結部分における熱の侵入経路となる枠材の断面を最小面積にすることが可能となり、連結部分からの侵入熱量を抑えることができ、断熱箱体としての断熱性能をトータルに高めることができる。
請求項4に記載の発明は、間隔を開けて互いに対向する面材と、前記面材の端部を固定する枠材と、前記面材間の内部空間に配設される真空断熱材と、前記面材間の前記真空断熱材以外の内部空間に充填発泡される充填断熱材とで構成される断熱パネルであって、前記枠材には凸型枠材と凹型枠材があり、前記断熱パネルを連結する場合は、隣接する一方の前記断熱パネルの凸型枠材と他方の前記断熱パネルの凹型枠材とを突き合わせて連結するものであり、前記真空断熱材は、前記断熱パネルを連結している時に前記面材の端部の連結部を覆うように前記枠材の断面形状の略中央部分に挟持されていることにより、断熱パネルの連結部分における真空断熱材の間隔をより狭くすることが可能になり、真空断熱材と枠材とは略接合した状態となるため、断熱パネルの断熱性能が低下する程の空隙が生じることはなく、断熱パネルに対する真空断熱材の被覆面積を最大限大きくすることができるため、断熱パネルの断熱性能は、充填断熱材と真空断熱材の合成熱伝導率が支配的な因子となり、また、断熱パネルの連結部分からの侵入熱量を削減することができるので、断熱パネルを連結してなる断熱箱体としての断熱性能を高めることができる。

Claims (7)

  1. 間隔を開けて互いに対向する面材と、前記面材を固定する枠材と、前記面材間の内部空間に配設される真空断熱材と、前記面材間の前記真空断熱材以外の内部空間に充填発泡される充填断熱材とで構成される断熱パネルにおいて、前記真空断熱材が前記枠材により固定されていることを特徴とする断熱パネル。
  2. 前記真空断熱材が、前記面材と前記枠材との隙間に挟持されていることを特徴とする請求項1に記載の断熱パネル。
  3. 前記断熱パネルは断熱箱体を構成するものであって、前記断熱箱体の内面を構成する前記面材により前記真空断熱材が挟持されることを特徴とする請求項1または2に記載の断熱パネル。
  4. 前記枠材の断面形状の略中央部分に前記真空断熱材を挟持することを特徴とする請求項1に記載の断熱パネル。
  5. 前記枠材には凸型枠材と凹型枠材があり、各々の断面形状が異なることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の断熱パネル。
  6. 対向する前記面材の端部が、面材の接線方向において異なった位置にあることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の断熱パネル。
  7. 前記面材の端部が折り返され、前記枠材に設けた切り欠き内に挿入されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の断熱パネル。
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