JP2006076608A - キャッピング装置及びキャップのねじ成形方法 - Google Patents

キャッピング装置及びキャップのねじ成形方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 キャッピング工程におけるボトル缶のおねじ部の変形を最小限に抑制し、形成されたキャップ付ボトル缶の開栓トルクおよびリシールトルクの増大を抑制し、かつねじ部の座屈を防止する。
【解決手段】 おねじ部を有するボトル缶2の口金部に被せたキャップ材4に、おねじ部に対応するねじ部を成形する加工ローラ21を有するキャッピング装置1であって、加工ローラ21がキャップ材4に接触してからねじ部のねじ谷を成形するまでのキャップ材4を内径方向に押し込む押込速度が5≦V<50mm/sec.の範囲となるように制御する制御部を備えることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ボトル缶にキャップ材を被着するキャッピング装置及びキャップのねじ成形方法に係り、特に、キャップ材にねじ部を形成するのに好適な技術に関する。
近年、アルミニウム製スクリューキャップを有した、リシール可能なオールアルミニウム製飲料用ボトル缶が広く使われるようになったが、アルミニウム合金を絞りしごき加工して形成した、1ピースのボトル缶(キャップを含めると2ピースボトル缶とも言う)が主流になってきている。
このようなボトル缶100は、図7に示すように、口金部101におねじ部107が形成された後、内部に内容物が充填され、ボトル缶100の口金部101に、キャップ材102が被着され、ねじが形成されることでキャップ付きボトル缶とされる。ここでは、ボトル缶100に装着前のものを「キャップ材102」と呼び、装着後ねじが形成されたものを「キャップ」と呼ぶ。
このようなキャップ材6は、以下のようにしてキャッピング加工がなされることで被着される。
つまり、図8に示すように、筒状のプレッシャーブロック103と、このプレッシャーブロック103の中央に軸方向に移動可能に設けられたプレッシャーブロックインサート104と、ROローラ(加工ローラ)105とを備えたキャッピング装置106を用い、ボトル缶100の口金部101に被せられたキャップ材102の天面部102aをプレッシャーブロックインサート104が缶底方向に押圧して押さえる。次いで、プレッシャーブロック103が天面部102aの外周側を缶底方向に押圧しながら所望の深さ及び径方向に絞り加工することで、ROローラ105が口金部101のおねじ部107に沿って回転することで、キャップ材102の周囲にねじ部108が形成され、これによってキャップ材102が図8のように口金部101に被着される。
このようなキャッピング加工を用いるキャッピング装置としては、各種のものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。このようなキャッピング装置では、例えば、ROローラ105がキャップ材102に接触してからねじ部108のねじ谷を成形するまでのキャップ材102を内径方向に押し込む押込速度は約86mm/sec.となっている。
特開2001−301889号公報
ところで、ボトル缶100にキャップ材102が被せられ、プレッシャーブロック103でキャップ外周面に絞り加工を施すときに、プレッシャーブロック103が天面部102aの外周側を缶底方向に押圧しながら所望の深さ及び径方向に絞り加工するため、ボトル缶100の軸線方向への荷重が発生する。このとき、ROローラ105によりキャップ材102を径方向内方へ押し込む押込速度は50mm/sec.以上となっているため、ROローラ105がキャップ材102の外周面を押圧する際、ROローラ105がキャップ材102に短時間に変形を与えることになる。これにより、ROローラ105が形成する谷部109の両側に位置する山部110,膨出部111において、キャップ材102の内壁と山部110及び膨出部111が摩擦により、摺動できない状態となる。その結果、キャップ材102が変形する際に生じる軸方向の力によって、山部110と膨出部111との間が圧縮されることになる。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、キャッピング工程におけるボトル缶のおねじ部の変形を最小限に抑制し、形成されたキャップ付ボトル缶の開栓トルクおよびリシールトルクの増大を抑制し、かつねじ部の座屈を防止するキャッピング装置及びキャップのねじ成形方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明のキャッピング装置は、おねじ部を有するボトル缶の口金部に被せたキャップ材に、前記おねじ部に対応するねじ部を成形する加工ローラを有するキャッピング装置であって、前記加工ローラが前記キャップ材に接触してから前記ねじ部のねじ谷を成形するまでの前記キャップ材を内径方向に押し込む押込速度が5≦V<50mm/sec.の範囲となるように制御する制御部を備えることを特徴とする。
本発明におけるキャッピング装置は、制御部により押込速度が5≦V<50mm/sec.の範囲にとなるように制御されていることによって、加工ローラがキャップ材に接触するときの押込力を適正な範囲に設定することができる。これにより、ねじ谷を緩やかに成形し、ねじ谷の両側のねじ山に生じる摩擦を抑制することで、ねじ部のねじ谷を形成することができる。したがって、缶の軸方向に大きな力を発生させることがないため、ボトル缶に形成されたおねじ部の座屈を防止することが可能になる。
本発明のキャップのねじ成形方法は、おねじ部を有するボトル缶の口金部に被せたキャップ材に、前記おねじ部に対応するねじ部を加工ローラにより成形するキャップのねじ成形方法であって、前記加工ローラが前記キャップ材に接触してから前記ねじ部のねじ谷を成形するまで、前記キャップ材を内径方向に5≦V<50mm/sec.の押込速度で押し込むことを特徴とする。
本発明におけるキャップのねじ成形方法は、加工ローラにより押込速度が5≦V<50mm/sec.の範囲でねじ部のねじ谷を成形するため、缶の軸方向に大きな力を発生させることがないため、ボトル缶に形成されたおねじ部の座屈を防止することが可能になる。
本発明のキャッピング装置によれば、制御部により押込速度が5≦V<50mm/sec.の範囲にとなるように制御されていることによって、加工ローラがキャップ材に接触するときの押込力が緩和されるため、キャップ材がおねじ部に対応して塑性変形し易くなる。さらに、ねじ部のねじ谷を形成する際に、衝撃による変形が抑制され、緩やかに加工されるので、適切な量のキャップ材がねじ谷に引っ張られ、無理な変形がされないため、ボトル缶に形成されたおねじ部の座屈を防止することが可能になる。
次に、本発明の第1実施形態について、図1から図6を参照して説明する。
本実施形態に係るキャッピング装置1は、図1及び図2に示すように、キャッピングヘッド20と、プレッシャーブロック30と、溝カム40とを備えており、ボトル缶2の口金部3にキャップ材4が被されると、キャッピングヘッド20によってキャップ材4を口金部3に被着するようになっている。このキャッピングヘッド20は、図示しない駆動源によって、後述するカムフォロア26及びコーンカム27を介して溝カム40の軸線Aを中心として回転(公転)自在に取り付けられている。
ボトル缶2は、図2に示すように、アルミニウム又はアルミニウム合金から形成されるものであって、DI成形によって有底筒状に形成した後に、開口部を複数回ネックイン加工により縮径してテーパー部及び口金部3を形成し、この後に、口金部3を膨出成形することによりかぶら部3aを形成し、更に口金部3におねじ部5を形成し、更に口金部3の先端部にカール部6を形成することにより、ボトル状に形成されている。
キャッピングヘッド20は、図1に示すように、ボトル缶2の口金部3に被せたキャップ材4にねじ部7を成形するROローラ(加工ローラ)21と、このROローラ21を回転可能に支持するローラ支持機構22とを備えている。
ROローラ21には、L字状の支持アーム23が接続されており、この支持アーム23に設けられた支持軸24を中心に回動自在になっている。この支持軸24の周囲にはコイルばね25が装着され、このコイルばね25の下端部は支持アーム24側に固定され、上端部は支持ブロック(図示略)側に固定され、このコイルばね25の付勢力によって支持アーム23を介してROローラ21がキャップ材4の内径方向に常時付勢されるようになっている。すなわち、このコイルばね25の弾性力を制御することにより、ROローラ21がキャップ材4にねじ部7を形成するとともにキャップ材4の下端部8を口金部の膨出部下端部に被着する際に、ボトル缶2及びキャップ材4に対してボトル缶2の中心軸と直交する方向(横方向)に印加するサイド荷重が制御される。ここで、ボトル缶2は図示しない駆動源によって自転しているため、キャップ材4の外周面に、ねじ部7のねじ谷7aを成形可能となっている。
支持軸24の上端部には、支持軸24を介してカムフォロア26が回転自在に取り付けられている。カムフォロア26は、溝カム40の溝40aに沿って上下方向に移動可能に取り付けられているコーンカム27の周面に当接している。これにより、コーンカム27の下端部の拡径部27aに当接しているときには、支持アーム23はコイルばね25の付勢力に抗して図3(a)に示す位置に保持され、コーンカム27が下降してカムフォロア26がコーンカム27の傾斜部27aに移動したときには、支持アーム23はコイルばね25の付勢力によってキャップ材4の内径方向に回動するようになっている。
プレッシャーブロック30は、キャップ材4の上部に取り付けられるとともに、上端が閉塞された筒状となっている。さらに、このプレッシャーブロック30の内部にコイルばね31を介してプレッシャーブロックインサート32が装着されるようになっている。そして、このプレッシャーブロック30をキャップ材4の上部に被せることにより、キャップ材4の天面部4aがコイルばね19の付勢力によりプレッシャーブロックインサート32を介してボトル缶2の底部の方向に押圧され、キャップ4bがボトル缶2の口金部3に被せられた状態に保持されるものである。
溝カム40は、図1に示すように、円板形状を有するとともに、側面に溝40aが形成されている。
コーンカム27は、一端が溝カム40の溝40aに係合されており、溝40aに沿って溝カム40の側面を移動するようになっている。このコーンカム27は、溝40aを1周(360度)するのに、2秒の時間を要している。
コーンカム27及びカムフォロア26とキャップ材4及びROローラ21との関係は、図3に示すように、カムフォロア26が拡径部27aに当接しているとき、図3(a)に示すように、ROローラ21は鎖線で示すA点に位置し、カムフォロア26が傾斜部27bに進むにつれて、図3(b)に示すように、ROローラ26はキャップ材4のB点(キャップ材4の側面)からC点(ねじ部7のねじ谷7a)までキャップ材4を内径方向へ押し込みねじ部7を形成するようになっている。さらに、カムフォロア27が傾斜部26の上方に移動すると、コイルばね25の付勢力により、図3(c)に示すように、ROローラ21はC点に位置するようになっている。
ROローラ21がキャップ材4に接触してからねじ部7のねじ谷7aを成形するまでのキャップ材4を内径方向に押し込む押込速度Vは、以下のように導かれる。
押込速度Vは、カムフォロア26と支持アーム23とのレバー比がL2:L1に設定されているので、カムフォロア26の支持軸24を支点として速度V1で回転すると、
Figure 2006076608
で表される。
カムフォロア26の速度V1は、コーンカム27を備えたキャッピングヘッド20が溝カム40の溝40a回りに回転して生じる溝カム40の軸線Aに沿う方向の速度V2により、
Figure 2006076608
と表すことができる。ここで、θ1はROローラ21がキャップ材4にねじ部7のねじ谷7aを成形し始める瞬間の、コーンカム27の軸線Bに対する傾斜部27bの傾斜角度である。
また、速度V2は、キャッピングヘッド20の溝カム40の溝40aに対する周方向相対速度V3(溝カム40の半径R*角速度ω)と、ROローラ21がキャップ材4にねじ部7のねじ谷7aを成形し始める瞬間の溝カム40の溝40aの周方向となす角度θ2とから、
Figure 2006076608
で表される。
ここで、ω=2πnで表され、nは、キャッピングヘッド20の溝カム40に対する毎秒回転数である。これにより、相対速度V3は、
Figure 2006076608
で表される。ここで、(1)に、(2)、(3)、(4)を代入すると、押込速度Vは、
Figure 2006076608
となる。
コーンカム27の軸線Bに対する傾斜部27bの傾斜角度θ1は、図3(b)に示すように、19度となっている。また、図4(a)に示すように、例えば、ROローラ21がキャップ材4に接触する前の溝カム40の公転角度が138度の状態から、ROローラ21がキャップ材4に接触した公転角度が139度の状態になったとき、例えば、上記パラメータは、R:1m,n:0.5,L1/L2:0.5,θ1:19°,θ2:5°であるため、押込速度Vは、47.3mm/sec.となり5≦V<50mm/sec.を満たしている。
次に、以上の構成からなる本実施形態のキャッピング装置1を用いて、ボトル缶2にキャップ材4を被着し、ねじ谷7aを形成しキャップ4bとする成形方法について説明する。
まず、ボトル缶2の口金部3にキャップ材4を被せ、プレッシャーブロック30をキャップ材4の上部に被せ、コイルばね31の付勢力によってプレッシャーブロックインサート32を介してキャップ材4の天面部4aをボトル缶2の底部の方向に押し込む。
そして、キャッピングヘッド20を溝40aに沿って移動させると、コーンカム27が下降し、コーンカム27の拡径部27aに位置していたカムフォロア26が傾斜部27bに移動する。これにより、支持アーム23がコイルばね25の付勢力によってキャップ材4の内径方向に回動させられ、ROローラ21がキャップ材4の周面に、押込速度47.3mm/sec.で押し付けられる。
そして、ROローラ21の回転により、ROローラ21を口金部3のねじ部5に沿って回転さる。これにより、キャップ材4に口金部3のねじ部5に対応したねじ部7が成形され、口金部3にリシール可能なキャップ4が被着される。
本実施形態に係るキャッピング装置1及びキャップのねじ成形方法によれば、押込速度が5≦V<50mm/sec.の範囲にとなるように制御されているため、ROローラ21がキャップ材4に接触するときの押込力を適正な範囲に設定することができる。これにより、ねじ部7のねじ谷7aを形成する際に、ねじ谷7aを緩やかに成形し、ねじ谷7aの両側のねじ山に生じる摩擦を抑制することで、ボトル缶2に形成されたおねじ部5の座屈を防止することが可能になる。
以上説明した作用効果についての検証試験を実施した。この試験は、段部形成工程後、おねじ部形成工程に入る前に、キャップ天板部10aに作用させる缶軸方向下方に向けた押圧力を種々変えてキャップ付ボトル缶を形成し、このキャップ付ボトル缶を開栓後、リシールしたときに要したトルクを測定して評価した。段部形成工程時の前記押圧力は、800N,900N,1000N,1100N,1200N,1300Nのそれぞれの場合における、速度Vは、90mm/sec.,70mm/sec.,50mm/sec.,30mm/sec.,10mm/sec.,5mm/sec.のときのキャップのリシールトルクの試験結果を図5に示す。また、それぞれの速度において、上述したサイド荷重が3.6Nm及び3.8Nmのときで試験を行った。この試験結果から、押込速度を30mm/sec.とすることにより、押圧力が1300Nであるときでも、トルクの最大値が20Ncm以上とならないことが分かった。すなわち、比較的強い押圧力であってもリシールするときに要するトルクが小さくて済むため、良品のボトル缶が増加することになる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、傾斜部27bのコーンカム27の軸線Bに対する傾斜角度を19度としたが、これに限るものではなく、押込速度Vが5≦V<50mm/sec.の範囲であれば良く、押込速度Vを遅くするために、例えば、図6に示すように傾斜部27bのコーンカム27の軸線Bに対する傾斜角度を3度としても良い。また、制御部として傾斜部27bを設けたが、これに代えて、上記パラメータである溝カム40の半径(R),キャッピングヘッド20の溝カム40に対する毎秒回転数(n),レバー比(L1/L2),コーンカム27の軸線Bに対する傾斜部27bの傾斜角度(θ1),溝40aの周方向となす角度(θ2)を変えることにより押込速度Vを変えることも可能である。
また、ROローラ21により、キャップ材4にねじ部7のねじ谷7aを成形させる方法として、コーンカム27及び溝カム40を用いたが、これに代えて、他のアクチュエータを用いても良い。
本発明の一実施形態に係るキャッピングヘッドの全体を示す概略図である。 図1のボトル缶に被せられたキャップ材にプレッシャーブロックが降下した状態を示す要部拡大図である。 図1のコーンカムとカムフォロアとの接触状態を示す平面図である。 図1のキャップ材とROローラとの接触状態を示す平面図である。 本発明によりキャッピング装置を用いて成形したキャップのリシールの試験結果を示す説明図である。 図1のコーンカムとカムフォロアとの接触状態の他の例を示す平面図である。 ボトル缶の口金部にキャップが被着された状態を示す説明図である。 ボトル缶の口金部にキャッピング装置によってキャップを被着するときの説明図である。
符号の説明
1 キャッピング装置
2 ボトル缶
3 口金部
4 キャップ材
5 おねじ部
7 ねじ部
7a ねじ谷
21 ROローラ(加工ローラ)
27b 傾斜部(制御部)

Claims (2)

  1. おねじ部を有するボトル缶の口金部に被せたキャップ材に、前記おねじ部に対応するねじ部を成形する加工ローラを有するキャッピング装置であって、
    前記加工ローラが前記キャップ材に接触してから前記ねじ部のねじ谷を成形するまでの前記キャップ材を内径方向に押し込む押込速度が5≦V<50mm/sec.の範囲となるように制御する制御部を備えることを特徴とするキャッピング装置。
  2. おねじ部を有するボトル缶の口金部に被せたキャップ材に、前記おねじ部に対応するねじ部を加工ローラにより成形するキャップのねじ成形方法であって、
    前記加工ローラが前記キャップ材に接触してから前記ねじ部のねじ谷を成形するまで、前記キャップ材を内径方向に5≦V<50mm/sec.の押込速度で押し込むことを特徴とするキャップのねじ成形方法。

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