JP4131808B2 - ボトル缶体のねじ成形装置及びボトル缶体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ボトル缶体の口金部にキャップを被着するためにねじ部を形成するねじ成形装置と、そのねじ部を有するボトル缶体とに関する。
【0002】
【従来の技術】
金属製の缶体を絞り加工して得られる、いわゆるボトル缶体は、有底筒上に形成されたボトル缶体の開口部に口金部を形成すると、その口金部の外周にキャップを被着するためのねじ部が形成される。
【0003】
このようなねじ部を有するボトル缶体を制作するには、予め有底円筒状のボトル缶体が形成されると、そのボトル缶体の開口部を、図6(a)に示すように、一旦縮径して口金部2を形成し、次いで、その口金部2の開口端から所定距離分だけ拡径して同図(b)に示すように拡径部2′を形成した後、さらにねじ成形装置によって開口端から一定の距離に同図(c)のようにねじ部3を形成する。その場合、口金部2にねじ部3を形成したとき、ねじ部3の形成されていない拡径部分を残すことにより、膨出部4が形成される。
【0004】
従来のねじ成形装置は、図示していないが、口金部2の内周面に当接する中子と、口金部2の外周面に当接する外子とが互いに口金部2を挟み込みながらボトル缶体1の軸心周りに回転することで、口金部2の外周にねじ部3を形成するようになっている。この場合、口金部2に形成されるねじ部3の巻数としては、図7に示すようにおよそ1.7巻程度となっている。
【0005】
また、ねじ部3が形成されたボトル缶体1は、その後、口金部2の先端を外側から内側に折り返して図7に示すカール部8を形成するカールかしめ工程を行う等の種々の工程を経た後、内部に内容物が入れられると、キャップ5が被着されて閉栓される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来のねじ成形装置は、ボトル缶体1の口金部2の内周面に当接する中子と、口金部2の外周面に当接する外子が互いに挟み込みながらボトル缶体の軸心周りに回転することで、拡径された口金部2に1.7の巻数からなるねじ部3を形成している。
【0007】
ところが、ねじ部の巻数が1.7巻程度であると、図7に示すように、口金部2の周面においてねじ部3が二本ある部分と、ねじ部3が一本しかない部分とが生じ、その本数の差に伴う問題があった。即ち、上記巻数であると、ボトル缶体1にキャップ5を被着し、ボトル缶体1内が陽圧とした場合、キャップ5を押し上げる圧力が加わることから、キャップ5が上方にずれてしまう。そのため、キャップ5がボトル缶体1に対して偏ってしまうので、キャップ5の開口端側のスコア6と6との間に設けられたブリッジ7が引張られて破断してしまい、いわゆるブリッジ切れが起こる不具合があった。
【0008】
上記不具合を解消するため、図8に示すようにねじ部3の巻数を増やし、2.2巻にすることが試みられている。このようにボトル缶体1の口金部2に2.2巻のねじ部3を形成すると、ねじ部3のねじ始まり部3aからねじ終わり部3bとの間では、ねじ部3が三段となるねじ山領域が存在することとなる。
【0009】
しかしながら、ボトル缶体1に2.2巻のねじ部3を形成した場合、1.7巻の場合に比較すると、図9に示すように、ねじ始まり部3aが口金部2の先端であるカール部8の近傍に位置するので、口金部2においては、カール部8とねじ始まり部3aとの間の傾斜面2aが鎖線の状態から実線のように緩やかな形状に変更しなければならない必要があった。
【0010】
そのため、ボトル缶体1の形成に際しては、予め、ねじ始まり部3aを確実に形成できるよう傾斜面2aを上述のように形成しているものの、そのような傾斜面2aを有する口金部2にねじ成形装置によってねじ部3を形成した場合、図10のように口金部2を開口端から見ると、ねじ始まり部3aからねじ方向と反対側の構成材料が口金部2の内側に凹んでしまって極端な凹凸部2bが生じる問題があった。
【0011】
これは、従来のねじ成形装置の中子は、外子と共に口金部2にねじ部3を形成するためのねじ形成部が設けられているものの、該ねじ形成部以外には口金部2の内壁と接する部分が存在せず、そのため、口金部2にねじ部3を形成したとき、口金部2の構成材料を拘束することができないことに起因している。
従って、凹凸部2bが生じた状態の口金部2に図7に示すキャップ5を被着すると、キャップ5と口金部2の凹凸部2bとの間をキャップ5内のシール材で密封することができなくなり、ボトル缶体1の内容物が漏れるという不具合が生じた。
【0012】
この発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、ねじ部の巻数を増やしても、口金部とこれに被着されるキャップ間の密封性を確保することができるボトル缶体のねじ成形装置を提供することにあり、他の目的は、そのねじ成形装置によって形成されたねじ部を有するボトル缶体を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明は以下の手段を提案している。
請求項1に係る発明は、ボトル缶体の口金部の内周面に当接し、かつ外周に前記口金部に形成すべきねじ部を設けるためのねじ形成部を有する中子と、前記口金部の外周面に当接し、かつ外周に中子の前記ねじ形成部と対応する形状のねじ形成部を有する外側体とを備え、中子と外側体とにより前記口金部の外周に対し、開口端側から缶胴方向に向けてねじ部を形成するねじ成形装置であって、前記中子は、前記ねじ形成部のねじ始まり部から、そのねじ方向と反対方向の所定の範囲に、前記ねじ始まり部に連設すると共に、ボトル缶体の内方に緩やかに傾斜する膨出部を備えており、前記膨出部は、中子の前記ねじ始まり部に連設し、かつボトル缶体の内側を中心とする第一円弧と、該第一円弧と連設し、かつボトル缶体の外側を中心とする第二円弧と、該第二円弧及び口金部と連設し、かつボトル缶体の内側を中心とする第三円弧とを有する形状であるとともに、中子におけるねじ形成部の前記ねじ始まり部から、そのねじ方向と反対方向に90度の範囲に設けられていることを特徴とする。
【0014】
この発明に係るボトル缶体のねじ成形装置によれば、膨出部を設けているので、従来のようにねじ始まり部から急激に凹む箇所がなくなるばかりでなく、ねじ始まり部から反対方向にゆるやかに膨出することで、口金部の外周に凹凸が生じるのを防止でき、そのため、ねじ部を設けた口金部にキャップを被着したとき、キャップ内のシール材がキャップと口金部間を確実に密封させることができ、口金部の周囲に亘って良好な密封性を確保することができる。
さらに、膨出部が第一円弧と第二円弧と第三円弧とを有しているので、口金部の外周面が、ねじ始まり部からねじ部と反対方向に確実に緩やかな形状となり、ねじ始まり部による凹凸をいっそう緩和することができる。
また、前記膨出部は、中子におけるねじ形成部の前記ねじ始まり部から、そのねじ方向と反対方向に90度の範囲に設けられているので、ねじ始まり部から反対方向に極端な凹凸が生じるのを防ぐことができ、ねじ始まり部による凹凸をいっそう緩和することができる。
【0017】
請求項2に係る発明は、請求項1記載のボトル缶体のねじ成形装置において、前記膨出部は、中子の前記ねじ始まり部から、そのねじ方向と反対方向に45度の角度位置にて、前記ねじ形成部のねじ谷より0.2〜0.3mmの寸法でボトル缶体の内側に凹む輪郭を有していることを特徴とする。
【0018】
この発明に係るボトル缶体のねじ成形装置によれば、ねじ形成部のねじ谷より0.2〜0.3mmの寸法で内側に凹む輪郭を有しているので、膨出部がねじ部の谷を形成するおそれがないばかりでなく、ねじ始まり部による凹凸をいっそう緩和することができる。
【0019】
請求項3に係る発明は、ボトル缶体の製造方法であって、請求項1又は2記載のボトル缶体のねじ成形装置を用いて、口金部の外周に、該口金部の先端側から缶胴方向に向けてねじ部を成形することを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照し、この発明の実施の形態について説明する。図1から図5はこの発明の第一の実施の形態に係るねじ成形装置を示す図であって、図1はねじ成形装置と対向する位置にボトル缶体が位置決めされた状態を示す説明図、図2はねじ成形装置がボトル缶体の口金部にねじ部を形成している状態を示す説明図、図3はねじ成形装置の中子を示す正面図、図4は図3の要部拡大図、図5はボトル缶体の口金部を上から見た説明図である。
図1及び図2に示す実施形態のねじ成形装置10を説明する前に、このねじ成形装置10で取り扱うボトル缶体1は、内部に炭酸飲料、果汁飲料等の内容物を入れるためのものであって、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる薄板金属によって有底筒状に形成された後、そのボトル缶体1の開口部に缶胴部よりも小径の口金部2が形成され、その後、口金部2の周囲にねじ形成装置10によってねじ部3が形成される(図6参照)。
【0024】
ねじ成形装置10は、ボトル缶1の口金部2の内周面に当接される中子11と、外周面に当接される外子12(外側体)とを有し、中子11と外子12とで口金部2を挟み込みながらボトル缶体1の軸心O周りに回転することで、口金部2の周囲にねじ部3が形成されるようになっている。
これら中子11及び外子12は、図1及び図2に示すように、その外周面にねじ部3を形成するための凹凸状のねじ形成部21、22が螺旋状に、しかも互いに対応する形状でそれぞれに形成されており、第一ハウジング41に対する第二ハウジング42の位置に応じて径方向に移動するカムローラC1、C2によって径方向に移動されることにより、互いの凹凸形状間にボトル缶体1の口金部2を挟み込んでねじ部3を形成すべく変形させることができるようになっている。
【0025】
中子11及び外子12は、第二ハウジング42の内方に備えられている。第二ハウジング42は、第一ハウジング41に対して先端側に付勢保持されると共に、第三ハウジング44を固定している。第三ハウジングには、押さえ環47が軸Oを中心に回転自在に取り付けられている。押さえ環47には、ばね45を介して先端側に付勢された弾性部材46が取り付けられている。弾性部材46は、ボトル缶体1に形成されたテーパ状の肩部に沿う円錐面46aと缶胴部に沿う円筒面46bとを有し、ボトル缶体1に対してねじ成形装置10が前進した際にボトル缶体1に押し付けられるようになっている。
【0026】
なお、図1及び図2において、符号35はワーク保持部30側に固定されたストッパー部材であって、このストッパー部材35に押さえ環47が当接することにより、押さえ環47が固定された第三ハウジング44、第二ハウジング42及びその内側に備えられた中子11、外子12のワーク保持部30に対する軸方向最前進位置が決定される。
ワーク保持部30は、詳細に図示されていないが、ボトル缶体1の底部を嵌め込むことでボトル缶体1を保持するダイリング31と、エアにより膨張してボトル缶体1の缶胴部を締め付け保持するリング状中空弾性部材32とでチャック機能をなしている。
【0027】
このねじ形成装置10は、予め、ワーク保持部30のダイリング31に底部が保持されたボトル缶体1が、図1に示すように、対向する位置に位置決めされると、まず、ワーク保持部30の前進により円筒面46bがボトル缶体1の肩部から缶胴部に嵌め込まれ、次いで、ワーク保持部30がより前進して押さえ環47がストッパー部材35に当接すると、第二ハウジング42及び第三ハウジング44の前進が停止され、ワーク保持部30が更に前進して第一ハウジング41と第二ハウジング42との軸方向の間隔が狭められる。
【0028】
このとき、第一ハウジング41が図2に示すように所定位置まで前進することで、第一ハウジング41が第二ハウジング42に対して移動し、カムローラC1、C2が第一ハウジングの斜面41a、41bに沿ってそれぞれ移動すると、それに伴って中子11がボトル缶体1の口金部2の内周面に移動して当接すると共に、外子12が口金部2の外周面に移動して当接することにより、中子11と外子12とで口金部2を挟み込み、この状態でさらに装置10全体が軸心O周りに回転することで、口金部2にねじ部3が形成されるようになっている。
【0029】
その場合、ボトル缶1の口金部2に形成されるねじ部3は、本例では図8に示すように巻数が2.2巻として形成される。中子11の外周に設けられた凹凸状のねじ形成部21は、ねじ部3と対応する形状に形成されている
【0030】
そして、この実施形態では、図3に斜線にて示すように、中子11の外周において、ねじ形成部21のねじ始まり部21aからそのねじ方向と反対方向に膨出部23が設けられている。
【0031】
即ち、膨出部23は、中子11の外周において、ねじ形成部21のねじ始まり部21aからそのねじ方向と反対方向に90度の範囲αに設けられてあって、ねじ始まり部21aに連設すると共に、ボトル缶体の内方に向かって緩やかに傾斜する形状をなしている。詳しく述べると、膨出部23は、図4に示すように第一円弧24と、第二円弧25と、第三円弧26とを有して形成されている。
【0032】
第一円弧24は、ボトル缶体1の内側を中心とする円弧であって、その一端が中子11のねじ始まり部21aに連設されている。第二円弧25は、ボトル缶体1の外側を中心とする円弧であって、その一端が第一円弧24の他端に連設されている。第三円弧26は、ボトル缶体1の内側を中心とする円弧であって、その一端が第二円弧25の他端に連設されると共に、その他端が口金部2の外周面に連設されている。
本例では、直径38mmのキャップを被着する口金部2の場合、第一円弧24の半径r1が約9.6mm、第二円弧25の半径r2が10.0mm、第三円弧26の半径r3が約14.6mmの大きさからなっている。
【0033】
また、膨出部23の第三円弧26は、ねじ始まり部21aから反対方向に45度の角度α1を含む領域を画成しており、しかも45度の角度位置ではねじ形成部21のねじ谷27より0.2〜0.3mmの寸法Lだけ、ボトル缶体1の内側に凹む輪郭をなしている。
なお、図3及び図4において、Pは中子11の軸心である。
【0034】
この実施形態のねじ成形装置10は、上記の構成であるので、ボトル缶体1にねじ部3を設けるため、まず、図1に示すように、ダイリング31及びリング状中空弾性部材32からなるワーク保持部30に底部が保持されたボトル缶体1が、対向する位置に位置決めされ、ワーク保持部30の前進により円筒面46bがボトル缶体1の肩部から缶胴部に嵌め込まれ、次いで、ワーク保持部30がより前進して押さえ環47がストッパー部材35に当接し、第二ハウジング42及び第三ハウジング44の前進が停止され、ワーク保持部30が更に前進して第一ハウジング41と第二ハウジング42との軸方向の間隔が狭められる。
【0035】
このとき、第一ハウジング41が、図2に示すように所定位置まで前進することで、第一ハウジング41が第二ハウジング42に対して移動し、カムローラC1、C2が第一ハウジングの斜面41a、41bに沿ってそれぞれ移動し、それに伴って中子11がボトル缶体の口金部2内周部に移動して当接すると共に、外子12が口金部2外周部に移動して当接することにより、中子11と外子12とで口金部2を挟み込み、この状態でさらに装置全体が軸心O周りに回転することで、口金部2に図8に示すような2.2巻のねじ部3が形成されることとなる。
【0036】
その場合、2.2巻のねじ部3が口金部2に形成されると、ねじ部3のねじ始まり部3aが口金部2に設けられているカール部8の近傍に位置することから、ねじ始まり部3aによる極端な凹凸部が生じるおそれがある。
しかしながら、中子11の外周には、ねじ形成部21のねじ始まり部21aからそのねじ方向と反対方向にボトル缶体1の内方に向かって緩やかに傾斜する膨出部23が設けられているので、ねじ部3の形成時、膨出部23が口金部2においてねじ始まり部3a側の材料を拘束することなる。
【0037】
つまり、膨出部23は、中子11のねじ始まり部21aが外子12と共に口金部2に、図5に示すようにねじ始まり部3aを形成したとき、口金部2の内周面に当接してねじ始まり部3a側の構成材料が凹むのを防止するばかりでなく、その構成材料を膨出部23の形状に倣わせて押圧し、これにより、口金部2のねじ始まり部3aには図示のように、これに連設された凹凸緩和突部9が膨出部23の形状に対応して形成されることとなる。
【0038】
その結果、ボトル缶体1の口金部2にねじ部3を形成すると、そのねじ部3のねじ始まり部3aと連設して凹凸緩和突部9が形成されることで、ねじ始まり部3aによる凹凸を周囲に沿って緩和することができるので、その後、この形状のボトル缶体1に内容物が充填され、また図7に示すキャップ5が被着されると、キャップ5内のシール材がキャップ5と口金部2との間を周囲に亘り確実にシールすることができ、密封性を良好に確保することができる。
【0039】
また、膨出部23は、図3及び図4に示すように、中子11におけるねじ形成部21のねじ始まり部21aから、そのねじ方向と反対方向に90度の範囲αに設けられているので、図5に示すようにねじ部3を形成したとき、ねじ始まり部3aによる凹凸をより確実に緩和することができる。このように、90度の範囲αに亘って膨出部23が設けられると、口金部2の径が多少変わっても、それに拘わることなく確実に対処することができ、種々の口径のボトル缶体1にも適用できることが可能となる。
【0040】
しかも、膨出部23は、図4に示すようにねじ形成部21のねじ谷27より0.2〜0.3mmの寸法Lで内側に凹む輪郭をなしているので、口金部2においてねじ始まり部から反対方向にねじ谷を形成するおそれがない。
更に、膨出部23は、ねじ始まり部21aと連設する第一円弧24と、第一円弧24と連設する第二円弧25と、第二円弧25と連設する第三円弧26とを有して構成されるので、口金部2の外周面が、ねじ始まり部3aからねじ部3と反対方向に確実に緩やかな形状となり、ねじ始まり部3aによる凹凸をいっそう緩和することができる。
【0041】
なお、図示実施形態では、膨出部23を構成する第一〜第三円弧24〜26の半径r1〜r3の値は、ボトル缶体1の口金部2の径によって適宜選定されるものであり、図示例に限定されるものではない。
また、図示実施形態では、ねじ成形装置10が、口金部2の外周に当接しながら中子11と共に軸心O周りに回転する外子12を用いた例を示したが、外子12の代わりとして、中子11と共にねじ部3を形成できる他の外側体を用いてもよく、図示例に限定されるものではない。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、中子に、ねじ形成部のねじ始まり部からそのねじ方向と反対方向にボトル缶体の内方に向かって緩やかに傾斜する膨出部を備え、該膨出部により、ボトル缶体の口金部の外周においてねじ始まり部側に極端な凹凸が生じるのを防止できるように構成したので、口金部のねじ始まり部側の真円度を高めることができ、口金部に設けられるねじ部の巻数を増やしても、ボトル缶体の口金部とこれに被着されるキャップ間の密封性を的確に確保できる効果が得られる。
さらに、膨出部が第一円弧と第二円弧と第三円弧とを有しているので、口金部の外周面が、ねじ始まり部からねじ部と反対方向に確実に緩やかな形状となり、ねじ始まり部による凹凸をいっそう緩和することができるという効果が得られる。
また、ボトル缶体の口金部においてねじ始まり部から反対方向に極端な凹凸が生せず、ねじ始まり部による凹凸をいっそう緩和することができるという効果が得られる。
【0044】
請求項2に係る発明によれば、膨出部がねじ部の谷を形成するおそれがないばかりでなく、ねじ始まり部による凹凸をいっそう緩和することができるという効果が得られる。
【0045】
請求項3に係る発明によれば、請求項1又は2に係るボトル缶体のねじ成形装置によって口金部にねじ部を形成するので、口金部のねじ始まり部側の真円度を高めることができ、口金部に設けられるねじ部の巻数を増やしても、ボトル缶体の口金部とこれに被着されるキャップ間の密封性を的確に確保できる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の第一の実施の形態に係るねじ成形装置を示す図であって、ねじ成形装置と対向する位置にボトル缶体が位置決めされた状態を示す説明図である。
【図2】 ねじ成形装置がボトル缶体の口金部にねじ部を形成している状態を示す説明図である。
【図3】 ねじ成形装置の中子を示す正面図である。
【図4】 図3の要部拡大図である。
【図5】 ボトル缶体の口金部を上から見た説明図である。
【図6】 ボトル缶体にねじ部を形成するまでの工程を示す説明図である。
【図7】 ねじ部を有するボトル缶体にキャップを被着する説明図である。
【図8】 ボトル缶体に三段からなるねじ部を設けたときの説明図である。
【図9】 従来のねじ成形装置により、ボトル缶体の口金部に設けられたねじ部のねじ始まり部とカール部との関係を示す額略拡大図である。
【図10】 ボトル缶体の口金部を開口端から見た図である。
【符号の説明】
1 ボトル缶体
2 口金部
3 ねじ部
3a ねじ部のねじ始まり部
5 キャップ
8 カール部
9 凹凸緩和突部
10 ねじ成形装置
11 中子
12 外子(外側体)
21 中子のねじ形成部
21a ねじ形成部のねじ始まり部
23 膨出部
24 第一円弧
25 第二円弧
26 第三円弧
Claims (3)
- ボトル缶体の口金部の内周面に当接し、かつ外周に前記口金部に形成すべきねじ部を設けるためのねじ形成部を有する中子と、前記口金部の外周面に当接し、かつ外周に中子の前記ねじ形成部と対応する形状のねじ形成部を有する外側体とを備え、
中子と外側体とにより前記口金部の外周に対し、開口端側から缶胴方向に向けてねじ部を形成するねじ成形装置であって、
前記中子は、前記ねじ形成部のねじ始まり部から、そのねじ方向と反対方向の所定の範囲に、前記ねじ始まり部に連設すると共に、ボトル缶体の内方に緩やかに傾斜する膨出部を備えており、
前記膨出部は、中子の前記ねじ始まり部に連設し、かつボトル缶体の内側を中心とする第一円弧と、該第一円弧と連設し、かつボトル缶体の外側を中心とする第二円弧と、該第二円弧及び口金部と連設し、かつボトル缶体の内側を中心とする第三円弧とを有する形状であるとともに、中子におけるねじ形成部の前記ねじ始まり部から、そのねじ方向と反対方向に90度の範囲に設けられていることを特徴とするボトル缶体のねじ成形装置。 - 請求項1記載のボトル缶体のねじ成形装置において、
前記膨出部は、中子の前記ねじ始まり部から、そのねじ方向と反対方向に45度の角度位置にて、前記ねじ形成部のねじ谷より0.2〜0.3mmの寸法でボトル缶体の内側に凹む輪郭を有していることを特徴とするボトル缶体のねじ成形装置。 - 請求項1又は請求項2記載のボトル缶体のねじ成形装置を用いて、口金部の外周に、該口金部の先端側から缶胴方向に向けてねじ部を成形することを特徴とするボトル缶体の製造方法。
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