以下、本発明の好適な実施形態を図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る回胴式遊技機としてのスロットマシン1の外観構造を表す正面図である。スロットマシン1は、いわゆるフロントパネルを形成する前扉2が略矩形状の箱体である筐体に対し開閉可能に取り付けられている。前扉2は、上部パネル部3と下部パネル部4に概ね区分けされ、これらは視覚効果を高めてデザインされ、硬質プラスチックにより一体的に形成されている。また、前扉2の下部には、メダルを貯留するための受皿部5aが形成された受皿ユニット5が設けられている。
上部パネル部3の周縁部分には、高輝度発光ダイオード等のランプ類を内蔵する演出用照明部31a、31b、31cが配置されている。また、スピーカを内蔵し遊技に係る効果音を発生させる演出用放音部32a、32bが上部パネル部3の左右にそれぞれ配置されている。更に、演出用放音部32a、32bの間には、液晶表示ユニット33が配置されている。なお、液晶表示ユニット33は、遊技の演出に係る映像を主に表示する。
上部パネル部3の中央は略長方形に大きく開口し、これを塞ぐようにパネルユニット34が前扉2の裏面側から取り付けられている。パネルユニット34のほぼ中央には、略長方形の透明な表示窓35が形成され、表示窓35を通して筐体内に設けられている円筒形状のリール101a、101b、101cが目視される。
ここで、上述のリール101a、101b、101cは、それぞれの回転軸に沿って横方向に配置されて組み立てられ、これによりリールユニット100が形成されている。また、各リール101a、101b、101cの外周面には、後に例示する複数種類の図柄が21個、ほぼ等間隔で配置されている。そして、前方に位置したリールの外周面に表示する縦3個、横3列の図柄が表示窓35を通して目視される。なお、リール101a、101b、101cは、各中心軸に連結されたステッピングモータで回転駆動され、リールが回転することでその周面の図柄が上から下へ変動表示される。
上部パネル部3と下部パネル部4との間には、遊技操作を行うためのスイッチ類が配置された操作卓6が一体的に形成されている。操作卓6の上面右側には、メダルを投入するための投入口を有するメダル投入部61が設けられている。操作卓6の上面左側には、押しボタンスイッチである2個のベットボタン62、63が設けられている。ベットボタン62、63は、スロットマシンの1ゲームに賭けるメダルの枚数を提示するためのボタンスイッチである。ゲームを開始する際にベットボタン62が押圧操作されることで、内部貯留されているメダル(クレジット)から2枚のメダルが当該ゲームに対して賭けられ、ベットボタン63が押圧操作されることで3枚のメダルが賭けられる。なお、ベットボタン63は、当該ゲームに対し最大枚数のメダルを賭けることから特に「マックスベットボタン」と呼ばれている。
操作卓6の前面左側には、リール101a、101b、101cの回転開始を指示するためのスタートレバー64が設けられている。スタートレバー64は、先端に球形の操作ノブを有し上下左右に揺動可能な操作旱を備え、操作旱が傾倒操作されるとオン、操作旱から手が離されるとスプリングの付勢力によって自動的に元の位置に戻ってオフ状態となるスイッチユニットで形成されている。
また、操作卓6の中央には、各リール101a、101b、101cの回転停止を指示するためのストップボタン65a、65b、65cが各リールの配列に対応して並設されている。
スロットマシン1は、何れかのベットボタン62、63が押圧操作されることにより当該ゲームにメダルが賭けられ、スタートレバー64が傾倒操作されるとリール101a、101b、101cを一斉に回転させる。このときスロットマシン1は、後述するように、入賞の抽選を内部的な処理(以下、「内部抽選」という)で行う。そして、各ストップボタン65a、65b、65cが押圧操作されることで、対応するリール101a、101b、101cをそれぞれ停止させる。全てのリールが停止し表示窓35に設定される有効ライン上に表示される図柄の組合せが、上述の内部抽選に当選した入賞に係る組合せと一致した場合、当該入賞が確定する。
ここで有効ラインとは、図1に示されるように、表示窓35に設定される上中下段の水平のラインL1、L2、L3と、斜めのラインL4、L5のうち入賞判定に係るラインのことをいう。すなわち、当該ゲームの開始の際にベットボタン62により2枚のメダルが賭けられた場合、水平の3本のラインL1、L2、L3が入賞判定に係るラインとして有効化され、ベットボタン63により3枚のメダルが賭けられた場合には、上述のラインL1、L2、L3に斜めのラインL4、L5を加えた5本のラインが有効化される。ストップボタン65a、65b、65cが押圧操作されると、これに対応するリールが停止制御され、ラインL1、L2、L3上に3個の図柄の中心が位置して当該図柄が表示される。
下部パネル部4には、スロットマシン1のモデルタイプを遊技者へ認識させる等のため、登場キャラクターの絵などを表示するパネル41が設けられている。下部パネル部4の下側に配置される受皿ユニット5には、入賞時等においてメダルを受皿部5aに排出するメダル払出口51と、スピーカを内蔵し演出効果音を発生させる演出用放音部52a、52bがそれぞれ配置されている。
次に、リールユニット100の構造を図2を参照して説明する。なお、図2(a)は、リールユニット100に備えられた一のリール101aを分解して表した平面図、図2(b)は、そのリールの側面図である。リールユニット100は、3個のリール101a、101b、101cを有して形成されるが、ここでは、一のリール101aの構造を代表して説明する。
リール101aは、ステッピングモータ110aの駆動軸が挿入される軸穴を有するボス部102と、ボス部102を中心に放射状に延在する複数本のアーム部103と、アーム部103の先端部分に接続されボス部102の中心から同心円状に形成された第1リング部104と、第1リング部104と同一径を有し、これと所定の間隔をおいて平行に位置する第2リング部105と、第1リング部104と第2リング部105を複数カ所で連結する棒状の連結部106から構成され、これらを骨組み体として比較的軽質のプラスチックによって一体的に形成されている。また、一つのアーム部103には、内側に向けて延びる舌片状の遮光片107が形成されている。なお、円筒状のリール101aの外周面には、後述する複数種類の図柄が印刷されて描かれた長尺状のプラスチックシートであるリールテープ108が捲装されている。
ステッピングモータ110aの駆動軸にリール101aのボス部102が連結されることで、ステッピングモータ110aによるリール101aの回転駆動が可能となっている。なお、ステッピングモータ110aは、略板状の基枠体111にボルト112で固定される。基枠体111に取り付けられるバックランプユニット113には、上下方向に3個のバックランプ114、115、116が設けられている。バックランプユニット113はリール101aの内部に収容され、ランプ114、115、116がリールテープ108の裏面を照射することにより、リールテープ108に描かれた3個の図柄を明るく表示するようになっている。また、バックランプユニット113を介して基準位置センサ120aが基枠体111に取り付けられており、リール101aが一回転する毎に遮光片107が基準位置センサ120aを遮光してオン動作させる。
各リール101a、101b、101cに捲装されるリールテープ108に描かれる、図柄の配列の例を図3に示す。図3において、各リールテープには、7種類21個の図柄が適宜の配列順序でほぼ等間隔に描かれ、それぞれの図柄には、0〜20の図柄番号が順次割り当てられている。なお、本実施形態によるスロットマシン1においては、各リールは、表示窓35を通して表示される図柄が上から下へ移動する方向に回転するものとしている。このため、リールが回転すると図3に示される図柄番号順に各図柄が変動表示される。
また、本実施形態では、リールの回転駆動原として1回転400ステップのステッピングモータを使用するとしている。リールの外周を上述の1ステップに相当する最少可動単位で刻むとすれば、各図柄に所定のステップ数が割り当てられる。ここでは、図3に示すように、図柄番号0の図柄には20ステップを割り当て、他の図柄番号1から20の図柄には19ステップを割り当てている。
次に、スロットマシン1に設けられている制御システムを図4に基づいて説明する。同図によれば、主制御基板200は、CPU210の他にROM220、RAM230である半導体メモリ等からなる記憶部が備えられ、ROM220に予め記憶されているスロットマシンゲーム用のシステムプログラム221に従ってCPU210が演算処理を実行することで、スロットマシン1全体の動作を統括制御している。主制御基板200には、ベットボタン62、63、スタートレバー64、ストップボタン65a、65b、65c等の操作スイッチ類、メダル投入部61に投入された正規のメダルを検出するメダルセンサ70等の検出スイッチ類が配線ケーブルで接続され、これらのスイッチ類からの信号を入力することによりゲームに係る操作を検出している。
また、主制御基板200は、各リール101a、101b、101cに設けられる基準位置センサ120a、120b、120cの検出信号を入力し、各リールの基準となる回転位置を把握しながら、回胴装置基板130に所定の回胴駆動パルスデータを送出する。回胴装置基板130は、主制御基板200からの回胴駆動パルスデータに従って各ステッピングモータ110a、110b、110cを回転駆動することで、各リール101a、101b、101cの回転及び停止の動作制御を行っている。なお、主制御基板200による各リール101a、101b、101cの回転及び停止制御の詳細については後述する。
また、主制御基板200には、ホッパ装置400等のメダル払出装置、及びサブ制御基板300がそれぞれ配線ケーブルによって接続されている。入賞が確定した際、主制御基板200はホッパ装置400を制御することで、所定数のメダルを前面側の受皿部5aに払い出す。サブ制御基板300は、主制御基板200からの制御信号に基づいて液晶表示ユニット33、演出用照明部31a、31b、31c、演出用放音部32a、32b、52a、52b等の演出装置301を制御駆動することで、遊技者の視覚や聴覚に訴える演出をゲームの進行に応じて行っている。
主制御基板200のROM220には、システムプログラム221の制御下において所定の分岐処理または割込処理により起動される各種制御手段が備えられている。
ここで、内部抽選手段224は、図5(a)に示すようにROM220に予め記憶した抽選テーブル2241と、RAM230に記憶領域が確保される抽選フラグ2242を使用する。内部抽選手段224は、スタートレバー64が操作された時点において乱数抽選部240から乱数値を取得し、ROM220に予め記憶された抽選テーブル2241と照合することで、得られた乱数値に割り当てられた役またはハズレを抽選する。
図6は、上記の抽選テーブル2241のモデル図である。なお同図は、スロットマシン1が通常遊技の状態にある場合の例を示すものである。詳細は後述するが、スロットマシン1は役として、小役と呼ばれる入賞役と、リプレイと呼ばれる再遊技役と、BB(ビッグボーナス)、RB(レギュラーボーナス)、MB(ミドルボーナス)、及びCB(チャレンジボーナス)と呼ばれる特別遊技(ボーナスゲーム)に係る役物とが備えられている。抽選テーブル2241において、各役に既定される抽選確率に応じて参照値の領域の範囲が割り当てられている。例えば、ハズレに該当する参照値の範囲が最も大きく、次いで小役、リプレイ、更に、ボーナスゲームに係る役物の順で、該当する参照値の範囲が次第に小さくなるように設定されている。
内部抽選手段224は、取得した乱数値Riが図6に示される参照値の範囲であるR1≦Ri<R2の関係を満足すると小役を抽選し、R2≦Ri<R3の関係を満足するとリプレイを抽選し、R3≦Ri<R4の関係を満足するとCB遊技役を抽選し、R4≦Ri<R5の関係を満足するとMB遊技役を抽選し、R5≦Ri<R6の関係を満足するとRB遊技役を抽選し、R6≦Ri≦Rmaxの関係を満足するとBB遊技役を抽選する。また、取得した乱数値が0≦Ri<R1のときにはハズレとなる。内部抽選手段224は、上記役の何れかを抽選すると、その役に対応する抽選フラグ2242にフラグをセットする。なお、抽選テーブル2241は、通常遊技と他の遊技状態に対応してそれぞれ設けられ、これら遊技状態により役の種類及び抽選確率が変更されるようになっている。
リール回転制御手段223は、図5(b)に示すように、リール定速回転手段2231とリール停止制御手段2233とを有しており、次にこれらリールの回転制御に係る手段について説明する。
ここで、リールの回転制御に使用されるリール制御フラグ2232は、例えば図7に示すフラグ構成の記憶領域がRAM230に確保されて形成される。なお、リール制御フラグ2232は、各リール101a、101b、101cについて、それぞれ個別に備えられる。
図7によれば、リール制御フラグ2232は、リール状態フラグRF1、センサ通過フラグRF2、図柄ステップフラグRF3、通過図柄番号フラグRF4、停止図柄番号フラグRF5、ステップカウンタフラグRF6から構成され、それぞれに所定のバイト数が割り当てられている。
リール状態フラグRF1には、当該リールの状態が記憶され、リールが停止中の時は[0]、回転加速中では[1]、定速動作中は[2]等の値が設定される。センサ通過フラグRF2には、リールが定速動作中に基準位置を通過して基準位置センサが検出信号を送出した時、[FFh](h符号付きの数字は16進数表示であることを示す)が設定される。
図柄ステップフラグRF3には、表示窓35の中央のラインL1を通過中の図柄の位置を、各図柄に割り当てられた上述のステップ数で表して設定される。例えば、図3に示した図柄番号[1]の図柄がラインL1にさしかかると、その図柄に割り当てられたステップ数[19]が設定される。そしてリールが回転するに従いステッピングモータのステップ毎に図柄ステップフラグRF3も減少し、図柄の中心がラインL1上に来たときには、図柄ステップフラグRF3は、ほぼ[10]のステップ数を示すこととなる。
通過図柄番号フラグRF4には、現在ラインL1上を通過している図柄の図柄番号が設定される。停止図柄番号フラグRF5には、当該リールにおいて停止させるべき図柄の図柄番号が設定される。なお、停止図柄番号フラグRF5は、図柄の引き込み制御が行われる際に、リール停止位置決定手段2234により設定される。かかる引き込み制御等が行われない場合には、[FFh]がデフォルトとして設定される。
ステップカウンタフラグRF6は、リールが回転動作中において、主制御基板200がステッピングモータを1ステップ動作させる毎にインクリメントされる。なお、リール回転制御手段223は、クロック発生器250からのクロック割込(例えば1.87msec)毎にリール制御フラグ2232を更新するとともに、リールを駆動するステッピングモータに対しては、当該割込信号すなわちリール制御フラグ2232の更新に同期して1ステップだけ回転動作を進めるパルス信号(励磁データ)を回胴装置基板130に送出する。
ここで、リールを一定回転速度に制御するリール定速回転手段2231の動作を説明する。図8は、リールの定速動作中におけるリール制御フラグ2232の推移例を表すタイムチャートである。同図によれば、リール定速回転制御手段2231がリールを1ステップだけ回転させるパルス信号に同期して、図柄ステップフラグRF3が減算(デクリメント)され、この値が[1]以下になると、次の図柄番号が通過図柄番号フラグRF4に設定される。また、定速動作中に基準位置センサがオン動作し出力信号の立ち上がりが検出された時、センサ通過フラグRF2に[FFh]が設定され、通過図柄番号フラグRF4が図柄番号[0]に設定され、図柄ステップフラグRF3が図柄番号[0]の図柄に割り当てられたステップ数である[20]に設定される。かかるリール制御フラグ2232を主制御基板20のリール定速回転制御手段2231が逐一更新することで、中央のラインL1上に表示する図柄の種類(図柄番号)及びリールの回転位置を正確に把握し、当該リールを定速で回転制御することを可能としている。
次に、ストップボタンの操作を契機に、回転しているリールを停止させるリール停止制御手段2233の動作を説明する。なお、リール停止制御手段2233は、引き込み制御を伴うリールの停止制御を行う。
ここで、「引き込み制御」とは、ストップボタンによるリールの停止操作から所定時間内に有効ライン上に停止させることが可能な図柄のうち、内部抽選結果に応じてリール停止位置決定手段2234が選択した図柄を停止させる制御をいう。例えば、定速動作中のリールの回転速度を80rpm、通常の遊技においてストップボタンによる停止操作からリールを完全に停止させるまでの許容時間を190msecとすれば、停止操作の時点から最大5コマの図柄を滑らせることで、特定の図柄を有効ライン上に停止させる。この引き込み制御可能な図柄数(通常遊技では最大5コマ)を「滑りコマ数」ともいう。
図9は、リールの停止制御におけるリール制御フラグ2232の推移例を表すタイムチャートである。例えば、リール制御フラグ2232の通過図柄番号フラグRF4が示す図柄番号[9]が中央のラインL1を通過中にストップボタンが操作されると、リール停止位置決定手段2234は、抽選フラグ2242が示す当選した役に係る図柄が有効ライン上に揃うまでのコマ数を調べ、そのコマ数が最大滑りコマ数である5コマ以内であれば、そのコマ数分だけ滑らせた場合にラインL1に位置する図柄番号、例えば[13]を停止図柄番号フラグRF5に設定する。
リール停止制御手段2233は、図柄番号[13]の図柄がラインL1に到達するまでリールの制動を行わず、その間の図柄を滑らせる。そして、図柄番号[13]の図柄がラインL1に到達し、ステップフラグRF3が[16]になった時点で、ステッピングモータへの4相の駆動パルス信号を全てオンさせる励磁データを回胴装置基板130に送出してリールを停止させる。これにより、当該図柄の中心とラインL1とがほぼ一致する位置にリールが停止する。
なお、内部当選した役に係る図柄が、リールの停止操作から停止可能な最大滑りコマ数の範囲にないとリール停止位置決定手段2233が判定すると、引き込み制御は行わずに直近の図柄(入賞を形成しないハズレの図柄)を有効ライン上に停止させ表示する。
当該ゲームにおいて、抽選フラグ2242が何れの役にも当選していないハズレであることを示す場合には、リール停止位置決定手段2234は、何れの役に係る図柄も有効ライン上に揃わないように、同じく最大滑りコマ数である5コマの範囲内で停止図柄を選択し、停止図柄番号フラグRF5に設定する。リール停止制御手段2233は、リール制御フラグ2232を参照しながら同様の処理を遂行することで、入賞を形成しない図柄をラインL1上に停止させる。役に係る図柄が有効ライン上に表示されないように外して停止させる、かかる滑り制御は「蹴飛ばし制御」とも呼ばれている。
なお、後述するCB(チャレンジボーナス)遊技においては、上述の停止操作からリールを完全に停止させるまでの許容時間が、例えば75msecに設定される。このCB遊技の場合、引き込み制御可能な最大滑りコマ数は2コマと停止可能な範囲が狭くなり、目押しタイミングの巧拙が入賞の勝敗を左右する遊技が提供される。
次に、本発明に係るスロットマシンの遊技動作について説明する。本実施形態によるスロットマシン1は、その遊技に際し、例えば図10に示す何れかの遊技状態にある。そして、所定の条件の成立に応じてそれぞれの遊技状態に遷移する。
すなわち、スロットマシン1には、「通常遊技」と、「ビッグボーナス(以下「BB遊技」と表記)」、「レギュラーボーナス(以下「RB遊技」と表記)」、「ミドルボーナス(以下「MB遊技」と表記)」、及び「チャレンジボーナス(以下「CB遊技」と表記)」等の複数の遊技状態を備えている。詳細は後述するが、RB遊技では、通常遊技よりも有利な条件のゲームが所定の回数、または所定の入賞回数まで連続して行われ、BB遊技では、メダルの払い出しが一定枚数に達する等、所定の終了条件が成立するまでRB遊技が高頻度で行われる。また、CB遊技は、遊技者が目押しのタイミングを巧くとることで通常よりも小役を勝ち得る遊技であり、MB遊技では、所定の終了条件が成立するまでCB遊技が連続する。
また、「リプレイタイム(以下「RT遊技」と表記)」は、高確率再遊技とも呼ばれ、通常遊技と入賞態様は同一であるが再遊技への抽選確率が通常遊技よりも高く(例えば5倍)に設定される。このRT遊技においては、通常よりも少ないメダル数でゲームの回数を消化することができる。
図11は、通常遊技の状態から移行可能な特別遊技の例を示している。通常遊技における内部抽選で、BB遊技、RB遊技、MB遊技、CB遊技等の何れかの役に当選し、かつ当選した役に係る所定の組合せの図柄が有効ラインに表示されることで、当該役が成立する。
また、本明細書においては、入賞、再遊技、及び特別遊技に係る役へ内部当選した場合に「条件装置」が作動するものとして扱っている。すなわち、「条件装置」とは、その作動により入賞等に係る役を成立させる所定の条件(特定図柄の表示はその一例である)をゲームの進行に際して設定する装置のことをいう。図11の例では、特別遊技の作動に係る条件装置は、通常遊技における内部抽選に当選することで作動する。この条件装置が作動することで、BB遊技等の特別遊技に係る図柄の表示が当該役の成立条件として設定される。この条件装置が作動するとは、具体的には、RAM230等の所定の記憶領域に割り当てられた条件フラグ(例えば抽選フラグ2242)にフラグがセットされることを意味している。条件フラグ(抽選フラグ2242)を参照することで当該遊技において役が抽選されたか否かが判定される。
図12は、BB遊技の態様とBB遊技が終了後に移行する遊技の例を示している。BB遊技においては、上述したようにRB遊技がほぼ連続して起動される。なお、詳細は後述するが、BB遊技中においては、RB遊技に係る所定の図柄が表示されなくても当該役に内部当選することでRB遊技が成立し起動される。
BB遊技が終了すると、少なくとも同図に示す3パターンの何れかの移行モードが選択されて遊技状態が遷移する。ここで、図12に示される移行モードAは、BB遊技が終了すると通常遊技に移行するように定められているモードである。移行モードBは、BB遊技終了後にRT遊技に移行するが、当該RT遊技が所定回数消化されると通常遊技に移行するように定められているモードである。
移行モードCは、BB遊技終了後にRT潜伏遊技と呼ばれる遊技に移行し、遊技を所定回数消化した後にRT遊技に移行するよう定められているモードである。すなわち移行モードCが選択されると、擬似的な通常遊技が予め定められた条件に達するまで(例えば所定の遊技回数を消化するまで)行われた後、突然RT遊技に移行する。このとき、遊技者は初めて当該遊技がRT遊技を潜伏させた疑似的な通常遊技であったことを知るため、遊技に意外性を持たせることができる。また、RT潜伏遊技後のRT遊技は、BB遊技、RB遊技、またはMB遊技の何れかの特別遊技に係る役が成立するまで継続する。つまり、かかるRT遊技を行うことにより、確率的に通常よりも少ないメダル消費で特別遊技へ移行することができる。
上述の3パターンの移行モードは、BB遊技において所定の終了条件が成立した時点で行われていたRB遊技の種類に応じて選択される。図13は、BB遊技において使用する抽選テーブル2241のモデル図の一部であり、RB遊技に係る参照領域を詳細に表した図である。すなわち、BB遊技で使用する抽選テーブル2241には、各RB遊技を成立させる取得乱数値の参照領域が入賞に係る図柄の種類ごとに区分けされ、それぞれに上述の移行モードA、B、Cが対応付けられて記憶されている。BB遊技中に抽選により成立した何れかのRB遊技が行われている途中で、当該BB遊技が終了すると、動作中だったRB遊技に割り当てられている移行モード、換言すると当該RB遊技の参照領域に対応付けて記憶された移行モードが選択される。
このように、BB遊技中においては入賞に係る特定の図柄の表示がされないまま抽選のみでRB遊技が成立するので、遊技者は、BB遊技終了時に行われていたRB遊技の種類に応じて決定される移行モードは何なのかを知ることができず、また告知もされない。更に、遊技者は、BB遊技終了後に移行した通常遊技が本来の通常遊技なのか、RT遊技に移行する擬似的な通常遊技(RT潜伏遊技)なのか知ることができず、このため、BB遊技終了後においても遊技に対する興趣を失わず期待感を持続させることができる。
また更に遊技への興趣または期待感を遊技者に惹起させるため、液晶表示ユニット33及び演出用放音部32a、32b、52a、52b等の演出装置によるゲーム演出を各移行モードにおけるゲームにおいて抽選した演出パターンに従って行うようにしてもよい。例えば、BB遊技終了後に移行モードCが選択され、疑似通常遊技中にRT遊技への移行が近づくとRT遊技への突入を匂わせる演出を行い、また仮に移行モードAが選択され本来の通常遊技が行われていたとしても、複数回のゲームを行った後にRT遊技への移行を匂わせる偽の演出を実行させる。このような次へ移行する遊技状態を暗示する演出パターンは複数種類サブ制御基板の記憶手段に備えられ、何れの演出パターンを実行するか、また次の遊技状態へ移行する何ゲーム前に演出を行うか若しくは演出をしないか等の決定はゲーム中の抽選(ハードウエア乱数抽選)により行うようにする。このように、RT遊技への突入を匂わせる演出を実際に当該遊技へ移行するか否かに関わらず行うことで、ゲームをより面白くさせることができる。
次に、図14は、MB遊技の態様とMB遊技が終了後に移行する遊技の例を示している。MB遊技では、小役とCB遊技役が1ゲームにつき同時に、かつ高確率で成立する。当該ゲームでCB遊技役が成立する限り次回のゲームにおいてはCB遊技が与えられるので、MB遊技中は、ほぼ連続してCB遊技が行われるようになっている。なお、MB遊技は、メダルの払い出しが一定枚数に達する等の所定の終了条件が満足することで通常遊技に戻るが、MB遊技中に例えばRB遊技等の特別遊技に係る役が成立すればその時点で終了し、当該特別遊技に移行する。
次に、スロットマシン1の各遊技状態における遊技動作について更に詳しく説明する。図15は通常遊技、RT遊技、及びRT潜伏遊技を含む一般遊技状態での動作を表すフローチャートである。図16(a)は、通常遊技における入賞態様(各役に係る図柄の組合せ、及び内部当選確率)を示す表であり、図16(b)は、RT遊技、及びRT潜伏遊技における入賞態様を示す表である。上述したように、RT遊技が作動すると、再遊技の内部当選確率が通常遊技の場合よりも高めに設定される。RT潜伏遊技が作動すると、各入賞に係る役への内部当選確率はRT遊技の場合と同じであるが、実際に再遊技が成立する確率は通常遊技の場合と同じとなる。
スロットマシン1は、先のゲームにおいて入賞しメダルの配当が完了した時、又は先のゲームにおいてハズレが確定すると待機状態となる。遊技者がメダル投入部61にメダルを投入し、または何れかのベットボタン62、63を押圧操作することで内部に貯留したメダル(クレジット)から当該ゲームに所定枚数のメダルが賭けられると(ステップS101:YES)、スタートレバー操作待ちの状態となる。
この状態でスタートレバー64が傾倒操作されゲームが開始されると(ステップS102:YES)、主制御基板200は、当該ゲームにおける内部抽選を行う(ステップS103)。このとき、何れかの入賞に係る役に当選すると、当該役に対応する抽選フラグ2242にフラグをセットする。すなわち、当該役の作動に係る条件装置が起動された状態となる。
また、スタートレバー64の操作を契機に、3個のリール101a、101b、101cを一斉に回転させ始める(ステップS104)。そして、何れかのストップボタン65a、65b、65cが押圧操作(ストップ操作)され、主制御基板200がこれを検出すると(ステップS105:YES)、押圧操作されたストップボタンに対応するリールに対し引き込み制御を施して停止させる(ステップS106)。
主制御基板200は、全てのリール101a、101b、101cが停止したことを検知すると(ステップS107:YES)、各リールが表示する図柄と上述の抽選フラグ2242に対応する役に係る図柄の組合せとが一致しているかどうか判定する。この入賞の判定においては、例えば、ベットボタン63が押圧操作されることで当該ゲームに3枚のメダルが賭けられた場合、表示窓35を通して目視される9個の図柄のうち、上中下段のラインL1、L2、L3に沿って横3列に並んだ3組の図柄と、斜めのラインL4、L5に沿って対角線上に3列並んだ2組の図柄を調べ、何れか1つの組の図柄が抽選フラグ2242に対応する役に係る図柄の組合せとが一致しているかどうか判定する。また、ベットボタン62が押圧操作され2枚のメダルが賭けられた場合には、役に係る図柄の組合せが判定される有効ラインは上中下段のラインL1、L2、L3のみとなる。
BB遊技、RB遊技、MB遊技、CB遊技等の何れかの特別遊技に係る図柄の組合せが有効ライン上に揃って表示されると(S108:YES)、当該特別遊技に係る役への入賞となり、当該特別遊技を作動する(ステップS109)。これにより、次回のゲームからは入賞した特別遊技の状態へ移行する。
また、「ベル」、「スイカ」、または「チェリー」図柄が有効ライン上に揃い何れかの小役に入賞すると(ステップS110:YES)、図16に示す所定枚数のメダルをクレジットに加算するか、または受皿部5aへ払い出すことで、遊技者に入賞メダルを配当する(ステップS111)。
また、「リプレイ」図柄が有効ライン上に揃うと(ステップS112:YES)、再遊技を作動し(ステップS113)、次回のゲームにおいて当該遊技に賭けられたメダルが持ち越され再遊技が可能となる。
次に、RB(レギュラーボーナス)遊技における遊技動作を図17に示すフローチャートに基づいて詳しく説明する。なお、図18は、RB遊技における入賞態様を示す表である。また、図18に示すように、RB遊技中は、通常遊技の場合よりも小役への内部当選確率が高く設定される。
スロットマシン1は、RB遊技の待機状態においてメダルが投入され、または何れかのベットボタン62、63が押圧操作されると(ステップS201:YES)、スタートレバー操作待ちの状態となる。そして、スタートレバー64が傾倒操作されると(ステップS202:YES)、主制御基板200は内部抽選を行う(ステップS203)。また、リール101a、101b、101cを回転させ(ステップS204)、何れかのストップボタン65a、65b、65cが押圧操作(ストップ操作)されると(ステップS205:YES)、対応するリールに引き込み制御を施して停止させる(ステップS206)。
主制御基板200は、全てのリール101a、101b、101cが停止したことを検知すると(ステップS207:YES)、入賞判定を行う。内部当選した何れかの小役に係る図柄が有効ライン上に揃って表示されれば(ステップS208:YES)、図18に示す所定枚数のメダルを遊技者に配当する(ステップS209)。
入賞判定後、当該RB遊技において12ゲームが消化されるか(ステップS210:YES)、または8回の入賞が得られた場合(ステップS211:YES)、当該RB遊技は終了し通常遊技へと移行する。12ゲームが消化されず、また8回の入賞も得られていなければ(ステップS211:NO)、RB遊技における次のゲームが開始される。
次に、BB(ビッグボーナス)遊技における遊技動作を図19〜図22に示すフローチャートに基づいて詳しく説明する。図23は、BB遊技における入賞態様を示す表である。BB遊技中のRB遊技は、ゲーム開始時に行われる内部抽選に当選するだけで成立し、図23に示される所定の図柄の表示を要していない。なお、BB遊技中は、殆どのゲームにおいて何れかのRB遊技役への当選するように確率が高く設定されている。
図19〜図22のフローチャートを参照し、BB遊技の待機状態においてメダルが投入されるか、または何れかのベットボタン62、63が押圧操作されると(ステップS301:YES)、スタートレバー操作待ちの状態となる。そして、スタートレバー64が傾倒操作されると(ステップS302:YES)、主制御基板200は内部抽選を行う(ステップS303)。また、主制御基板200は、リール101a、101b、101cを回転させ(ステップS304)、何れかのストップボタン65a、65b、65cの押圧操作に応じて、対応するリールを引き込み制御して停止させる(ステップS306)。
主制御基板200は、全てのリール101a、101b、101cが停止したことを検知すると(ステップS307:YES)、入賞判定を行う。内部当選した何れかの小役に係る図柄が有効ライン上に揃って表示されれば(ステップS308:YES)、図23に示す所定枚数のメダルを遊技者に配当する(ステップS309)。
ここで、主制御基板200は、当該BB遊技の終了条件が満たされたか否か判定する(ステップS310)。本実施形態では、BB遊技の終了条件を当該BB遊技の開始からのメダルの払い出し数が360枚に達したときとしている。終了条件が満たされたと判定すると(ステップS310:YES)、後述するステップS328からのBB終了後の遊技振り分けの処理へ進む。BB遊技における終了条件が未だ満たされない場合(ステップS310:NO)、主制御基板200は、ステップS303においてした内部抽選の結果、RB遊技に当選したか否か抽選フラグ2242を参照して調べる。
RB遊技に内部当選していなければ(ステップS311:NO)、BB遊技における次のゲームに戻る。また、何れかのRB遊技に内部当選していれば(ステップS311:YES)、主制御基板200は、その種類を抽選フラグ2242を参照して調べる。
ここで、例えば「赤セブン」−「赤セブン」−「BAR」の図柄に係るRB遊技は、BB遊技が終了時に通常遊技に戻る役として既定され(移行モードA)、「BAR」−「赤セブン」−「赤セブン」の図柄に係るRB遊技は、BB遊技が終了時にRT遊技を起動させるRT遊技に係る役として既定され(移行モードB)、「BAR」−「BAR」−「BAR」の図柄に係るRB遊技は、BB遊技が終了時にRT潜伏遊技を起動させるRT潜伏遊技に係る役として既定されている(移行モードC)。
すなわち、ステップS312において、当該ゲームの開始時に内部当選したRB遊技がRT遊技に係る役であると判定すると(ステップS312:YES)、RT遊技の作動に係る条件装置を作動し(ステップS313)、内部当選したRB遊技がRT潜伏遊技に係る役であると判定すると(ステップS314:YES)、RT潜伏遊技の作動に係る条件装置を作動する(ステップS315)。
ここで、RT遊技の作動に係る条件装置、及びRT潜伏遊技の作動に係る条件装置が作動するとは、具体的な内部処理としては、それぞれの遊技状態の条件装置について所定の記憶領域に割り当てられた条件フラグにフラグをセットして状態を記憶することをいう。CPU210は、後に当該条件フラグを参照することで、何れのRT遊技が選択されているのか(どの条件装置が作動中なのか)を知ることができる。
BB遊技において、何れかのRB遊技に係る役に当選すれば、ステップS316からのRB遊技が開始される。このBB遊技中のRB遊技においては、主制御基板200は、全てのリールが停止して入賞判定をした後、当該BB遊技について上述の終了条件が満たされたか否か判定する(ステップS325)。RB遊技中に当該BB遊技についての終了条件が満足すると(ステップS325:YES)、BB終了後の移行モードを決定するステップS328からの遊技振り分けの処理へ進む。
当該BB遊技についての終了条件がまだ満足しなければ、当該RB遊技において12ゲームが消化されたか(ステップS326)、または8回の入賞が得られたか(ステップS327)判定し、このいずれかの終了条件を満足すれば、ステップS301からのBB遊技(BB遊技中の通常遊技)に戻る。また、RB遊技の終了条件を未だ満足しなければ、ステップS316からの次のRBゲームが開始される。
RB遊技中に当該BB遊技についての終了条件が満足すると(ステップS325:YES)、ステップS328において、RT遊技の作動に係る条件装置が作動中か判定する。すなわち、BB遊技終了時点において行われていたRB遊技の種類が、BB遊技終了後にRT遊技を作動させるRB遊技か否か、上述の条件フラグを参照し判定する。主制御基板200は、RT条件装置が作動中、つまり、RB遊技の種類がRT遊技を作動させる役であると判定すると(ステップS328:YES)、RT遊技を作動する(ステップS329)。すなわち、移行モードBが選択され、次回のゲームからRT遊技が開始される。
また、主制御基板200は、RT潜伏条件装置が作動中、つまり、当該BB遊技終了時点において行われていたRB遊技の種類がRT潜伏遊技を作動させる役であると判定すると(ステップS330:YES)、RT潜伏遊技を作動する(ステップS331)。すなわち、移行モードCが選択され、次回のゲームからRT潜伏遊技が開始される。
また、RB遊技中ではないときにBB遊技が終了した場合、または通常遊技を作動させるRB遊技中にBB遊技が終了した場合には、上記何れの条件装置も作動していないので(ステップS330:NO)、移行モードAが選択され、通常遊技へと遷移する。
次に、CB(チャレンジボーナス)遊技における遊技動作を図24に示すフローチャートに基づいて詳しく説明する。また、図25は、CB遊技における入賞態様を示す表である。
CB遊技において、スロットマシン1は、待機状態にメダルが投入され、または何れかのベットボタン62、63が押圧操作されると(ステップS401:YES)、スタートレバー操作待ちの状態となる。そして、スタートレバー64が傾倒操作されると(ステップS402:YES)、主制御基板200は内部抽選を行う(ステップS403)。なお、図25に示すように、CB遊技においては、殆どのゲームで全ての小役が当選するように確率が設定される。
主制御基板200は、リール101a、101b、101cを回転させ(ステップS404)、何れかのストップボタン65a、65b、65cが押圧操作されると(ステップS405:YES)、対応するリールをストップ操作から75msec以内に停止させる引き込み制御を行う。この場合において、引き込み制御可能な滑りコマ数は、停止時間の制約により2コマ(図柄)となり、目押しができる遊技者にとっては小役を狙って相当数のメダルを獲得することができる機会となる。
主制御基板200は、全てのリール101a、101b、101cが停止したことを検知すると(ステップS407:YES)、入賞判定を行う。
BB遊技、RB遊技、MB遊技またはCB遊技等の何れかの特別遊技に係る図柄の組合せが有効ライン上に揃って表示されると(408:YES)、当該特別遊技に係る役への入賞となり、当該特別遊技を作動する(ステップS409)。これにより、次回のゲームからは入賞した特別遊技の状態へ移行する。また、何れかの小役に係る図柄が有効ライン上に揃うと(ステップS410:YES)、所定枚数のメダルを遊技者に配当する(ステップS411)。また、「リプレイ」図柄が有効ライン上に揃えば(ステップS412:YES)、再遊技を作動し(ステップS413)、次回のゲームに当該ゲームに賭けたメダルが持ち越され再遊技が与えられる。
次に、MB(ミドルボーナス)遊技における遊技動作を図26〜図27に示すフローチャートに基づいて詳しく説明する。また、図28は、MB遊技における入賞態様を示す表である。図28に示されるように、MB遊技中に起動されるCB遊技においては、殆どのゲームで小役とともにCB遊技の役が当選するように確率が設定される。MB遊技中のCB遊技では、内部当選した小役については当該小役に係る図柄の表示を入賞の要件としているが、CB遊技については図柄の表示を要せず、内部抽選に当選するだけで成立するとしている。これにより、MB遊技が起動されるとCB遊技がほぼ連続して行われる。
図26〜図27のフローチャートを参照し、スロットマシン1は、MB遊技の待機状態においてメダルが投入されるか、または何れかのベットボタン62、63が押圧操作されると(ステップS501:YES)、スタートレバー操作待ちの状態となる。そして、スタートレバー64が傾倒操作されると(ステップS502:YES)、主制御基板200は内部抽選を行う(ステップS503)。また、主制御基板200は、リール101a、101b、101cを回転させ(ステップS304)、何れかのストップボタン65a、65b、65cの押圧操作に応じて、対応するリールを引き込み制御して停止させる(ステップS506)。
主制御基板200は、全てのリール101a、101b、101cが停止したことを検知すると(ステップS507:YES)、内部当選したRB遊技に係る図柄が有効ライン上に表示されたか判定する(ステップS508)。RB遊技に係る図柄が表示されると(ステップS508:YES)、当該RB遊技を作動する(ステップS509)。これにより、MB遊技は終了し、次回のゲームからRB遊技が開始される。つまり、MB遊技中におけるRB遊技の成立は、当該MB遊技の終了条件でもある。
ステップS508においてRB遊技に係る図柄が表示されなければ、内部当選した何れかの小役に係る図柄が有効ライン上に揃って表示されているか判定し、表示されていれば(ステップS510:YES)、当該小役への入賞が確定し所定枚数のメダルを遊技者に配当する(ステップS511)。
ここで、主制御基板200は、当該MB遊技の終了条件が満たされたか否か判定する(ステップS512)。本実施形態では、MB遊技についての終了条件を当該MB遊技の開始からのメダルの払い出し数が268枚に達したときとしている。MB遊技の終了条件が満たされたと判定すると(ステップS512:YES)、当該MB遊技は終了し通常遊技へ戻る。
小役に入賞し、かつ、MB遊技の終了条件が未だ満足されない場合には(ステップS512:NO)、ステップS501からの次のMBゲーム(MB遊技中の通常遊技)へ戻る。
当該MBゲームにおいて小役に係る図柄が有効ライン上に表示されずハズレた場合であっても(ステップS510:NO)、ステップS503の内部抽選においてCB遊技役に当選していると判定した場合(ステップS513:YES)、CB遊技を作動することで(ステップS514)、次回のゲームにおいてCB遊技が行われる。当該MBゲームにおいてCB遊技役に当選していない場合には(ステップS513:NO)、ステップS501からの次のMBゲームが開始される。なお、ステップS514においてCB遊技が作動される条件としては、CB遊技に係る特定図柄の表示を要件とせず、当該CB遊技役への内部当選することで次回のゲームにおいてCB遊技が作動するとしている。
ステップS514から開始される、MB遊技中のCB遊技においては、ストップ操作から75msec以内にリールを停止させる引き込み制御が行われる(ステップS520)。主制御基板200は、全てのリールの停止を検出すると(ステップS521)、MB遊技の終了条件でもあるRB遊技に係る図柄が有効ライン上に表示されたか判定する(ステップS522)。RB遊技に係る図柄が表示されると(ステップS522:YES)、当該RB遊技を作動することで(ステップS523)、係るRB遊技に移行する。
また、何れかの小役に係る図柄が有効ライン上に揃って表示されれば(ステップS524:YES)、所定枚数のメダルを遊技者に配当する(ステップS525)。そして、主制御基板200は小役の入賞判定をした後、当該MB遊技についての上述の終了条件(メダルの払い出し数が268枚)が満たされたか否か判定する(ステップS526)。
MB遊技についての終了条件が満たされたと判定すると(ステップS526:YES)、通常遊技へ移行する。当該MB遊技の終了条件がまだ満足していなければ(ステップS526:NO)、当該CB遊技における内部抽選(ステップS517)の結果からCB遊技役に当選しているか否か判定し(ステップS527)、CB遊技役に当選していれば(ステップS527:YES)、CB遊技を作動して(ステップS514)、次回のゲームにおいてもCB遊技を行うようにする。当該CB遊技においてCB遊技役に内部当選していなければ(ステップS527:NO)、ステップS501からの次のMBゲームが開始される。
なお、MB遊技中のCB遊技では、当該ゲームでCB遊技役に当選する限り次回のゲームにおいてもCB遊技が与えられ、またCB遊技役への当選とともに小役への入賞も期待することができる。このように、MB遊技中のCB遊技においては、1ゲームにつき同時に小役とCB遊技に係る役の成立確率を高く設定することで、目押しによって小役を勝ち得るCB遊技をほぼ連続して行えるようになっている。