以下、本発明をするための好適な実施形態を図面を参照しながら説明する。なお、回胴式遊技機の実施形態として、本発明を適用したスロットマシンについて説明する。
図1は、本実施形態に係るスロットマシン10の外観構造を表した正面図、図2は本スロットマシン10の内部構造を表した図である。図1及び図2において、本スロットマシン10は、箱形形状の基体12と、基体12の前面に開閉可能に枢支されたフロントマスクと呼ばれる前面扉11を備えて構成され、これら前面扉11と基体12とで画成される室内に、後述の遊技結果を提示するための小型のメインリール装置100と、大型のサブリール装置200と、ホッパ装置HPと、主電源装置PWUと、サブ制御基板300及び主制御基板700等が収容されている。
前面扉11は、外部からの不正操作等を防止すべく、全体的に、機械的に強固な硬質プラスチックでほぼ一体に成形された上部パネル部13と中部パネル部14及び下部パネル部15とを備えて構成され、更に中部パネル部14と下部パネル部15との間に、遊技者側に若干突出した操作部16が一体に設けられている。
そして、操作部16より上方に位置する上部パネル部13と中部パネル部14が、遊技者に対して面することとなる「前面パネル部」となっており、更に、中部パネル部14が、その「前面パネル部」に向かって遊技を行う遊技者の視界内に入り易くするために、上部パネル部13と操作部16の間に設けられている。
ここで、本スロットマシン10は、遊技結果を提示するためのメインリール装置100の占有領域に対し、演出に係る領域を相対的に拡大し得る構造を有していることから、演出に係る領域について定義することとする。
まず、一般にスロットマシンは、周知の如く、長年にわたって殆ど大きさが変わっておらず、スタートレバー等が設けられている操作部より上方に設けられている「前面パネル部」の大きさ(横幅と縦幅)も殆ど変化していない。このことは、スロットマシンが遊技機であることから、「前面パネル部」が遊技者にとって操作し易く且つ見易い大きさに決められ、その結果、長年にわたって殆ど変化しない周知の大きさが伝統的に踏襲されてきたものと考えられる。
つまり、一般的にスロットマシンの「前面パネル部」の大きさは、平均的な体格を有する成人の肩幅とほぼ同程度の横幅と、着座した際の成人の上半身(腰から頭部までの部分)の高さとほぼ同程度の縦幅を有しているということができ、また、長年にわたって市場に提供されてきた大量のスロットマシンに設けられている「前面パネル部」の平均的な大きさ(横幅と縦幅)とほぼ同じに決められているということができる。
本実施形態のスロットマシン10に設けられている「前面パネル部」も、こうした一般的で平均的な周知のスロットマシンに設けられている「前面パネル部」とほぼ同程度の大きさを有しており、この「前面パネル部」が「演出に係る領域」となっている。
以上の説明から明らかなように、本スロットマシン10における演出に係る領域とは、長年にわたり伝統的に踏襲されてきた一般的なスロットマシンの「前面パネル部」と同程度の大きさ(横幅と縦幅)を有し、前面扉11に操作部より上方に設けられている領域、つまり視覚に訴える演出表示を行うのに好適な領域をいう。
そして、本実施形態の説明では、本スロットマシン10の「前面パネル部」は、一般的で平均的な周知のスロットマシンに設けられている「前面パネル部」と同程度の大きさ(横幅と縦幅)を有しているものと定義して説明することとする。更に、演出に係る領域は、遊技を行う遊技者に面する「前面パネル部」のことであると定義して説明することとする。
なお、図1に示す本スロットマシン10の前面扉11の外形寸法が、長年にわたって伝統的に踏襲されている一般的スロットマシンの外形寸法に合わせられて、その横幅WAAが約475mm、高さTAが約810mmに決められ、更に、操作部16より上方に設けられている「前面パネル部」の横幅WAAが、約475mm、縦幅TAAが、約462mmに決められている。
ただし、本実施形態のスロットマシン10の「前面パネル部」並びに演出に係る領域は、上述した横幅WAA(約475mm)と縦幅TAA(約462mm)に決められているが、この寸法はあくまでも具体的一例であり、本発明の回胴式遊技機に設けられている演出に係る領域の大きさ(寸法)はこの具体的寸法に限定されるものではない。つまり、本発明の回胴式遊技機に設けられている演出に係る領域の大きさ(横幅と縦幅)は、上述した一般的で平均的な周知のスロットマシンに設けられている「前面パネル部(別言すれば、演出に係る領域)」と同程度の大きさ(横幅と縦幅)であればよい。
再び本スロットマシン10の構造を詳述すると、上部パネル部13には、意匠的に遊技者の視覚に訴える形状及び色彩、模様、絵柄等を施してデザイン設計された複数の演出用ランプ13a,13b,13c,13d,13e及び演出用パネル13fが設けられる他、演出用の効果音を発するスピーカが裏面側に取り付けられた放音部13g,13hが設けられており、更に、演出用パネル13fの中央部に一体成形されている略長方形の透明窓WD1を介して上部パネル部13の裏面側に、遊技結果を提示するための小型のリール装置(以下「メインリール装置」という)100が配設されている。
つまり、透明窓WD1が、メインリール装置100に備えられているメインリールMR1,MR2,MR3の各外周面に周方向に沿って描かれている図柄を透過して、遊技者に対し目視可能にする表示領域となっている。
なお、詳細については後述するが、メインリール装置100は、3個の小型の回転リール(以下「メインリール」という)MR1,MR2,MR3を備えて構成されており、後述のスタートレバーBLがオン操作されると、これらメインリールMR1,MR2,MR3がほぼ同時に回転動作を開始し、また、後述のストップボタンBP1,BP2,BP3がオン操作(ストップ操作)されると、そのストップ操作された順番に従って、回転中のメインリールMR1,MR2,MR3が順次に停止するように、所定の制御が行われるようになっている。
また、メインリールMR1,MR2,MR3の夫々の外周面には、周方向に沿って所定個数及び所定の大きさの図柄が描かれており、透明プラスチック板等で成形されている透明窓WD1は、各メインリールMR1,MR2,MR3に描かれている図柄を一つずつ視認可能とする大きさに設計されている。このため例えば、メインリールMR1,MR2,MR3が停止すると、遊技者は、同図中の1点鎖線にて示されている有効ラインL1に沿って横一列に並んだ合計3個の図柄を、透明窓WD1を介して目視できるようになっている。
中部パネル部14には、絵柄や模様等が印刷されているいわゆる化粧板に相当する略長方形の演出用パネル14aと、演出用パネル14aの両側に設けられた演出用ランプ14b,14cと、演出用パネル14aの中央部に形成された開口穴としての略長方形の表示窓WD2を塞ぐようにカラーの透過像を表示させることができる透過型の液晶表示パネルLQDが配設されている。なお、ここで使用される透過型の液晶表示パネルLQDとは、透過像を表示させないとき全面にわたって光を透過させる透明液晶ディスプレイから形成されている。
更に、(透明)液晶表示パネルLQDを介して中部パネル部14の裏面側に、大型のリール装置(以下「サブリール装置」という)200が配設されている。なお、液晶表示パネルLQDとサブリール装置200とから演出表示装置が構成されている。
また、サブリール装置200は、上述のメインリールMR1,MR2,MR3よりも大型の回転リール(以下「サブリール」という)SR1,SR2,SR3を備えて構成されており、ゲームの進行等に伴ってこれらのサブリールSR1,SR2,SR3が制御され、適宜の速度で正回転又は逆転したり停止等することによって、遊技者の視覚に訴える演出表示を行う。
また、サブリールSR1,SR2,SR3の夫々の外周面には、周方向に沿って所定個数及び所定の大きさの図柄が描かれている。サブリールSR1,SR2,SR3が表示するこれらの図柄は、表示窓WD2に設けられている液晶表示パネルLQDを介して視認される。なお、詳細な動作の説明は後述するが、サブリールSR1,SR2,SR3が表示する図柄に液晶表示パネルLQDの透過像を重ねて表示することができるようになっている。
また、サブリールSR1,SR2,SR3が停止した際に、遊技者は、同図中に示されている5本の2点鎖線(仮想線)L2に沿って横又は斜めに並んだ合計9個の図柄を液晶表示パネルLQDを介して目視できるようになっている。
操作部16には、スロットマシンゲームを行うのに必要な遊技メダルを投入するためのメダル投入部MDと、1ゲーム当たりのメダル数を提示するためのベットボタンBT1,BT2と、1ゲームの開始を指示するためのスタートレバーBLと、回転中のメインリールMR1,MR2,MR3を個別に停止させるためのストップボタンBP1,BP2,BP3と、前面扉11を基体12側に施錠又は解錠するための所定の鍵を挿入するための鍵穴KY等が設けられている。
なお、ベットボタンBT1は1ゲーム当たりの遊技メダルの賭け枚数を1枚、ベットボタンBT2は3枚提示するために設けられており、特にベットボタンBT2は「マックスベットボタン」と呼ばれている。
そして、遊技者がゲームを行うのに必要な枚数の遊技メダルをメダル投入部MDへ投入若しくはベットボタンBT1,BT2の何れか一方をオン操作してスタートレバーBLをオン操作すると、ゲーム開始となって後述の主制御基板700においていわゆる役抽選が行われ、更にメインリール装置100のメインリールMR1,MR2,MR3がほぼ同時に所定方向へ回転動作を開始する。
引き続き遊技者がストップボタンBP1,BP2,BP3を所望の順番でストップ操作すると、それらストップボタンBP1,BP2,BP3に対応付けられているメインリールMR1,MR2,MR3がそのストップ操作された順序に従って停止制御され、メインリールMR1,MR2,MR3に描かれている所定の図柄が上述の抽選された役に相当する組み合わせで上述の有効ラインL1上に一列に揃うと入賞となって、例えば所定枚数の遊技メダルが払い出される。
また、サブリール装置200は、少なくとも、上述のスタートレバーBLがオン操作された時点から全てのメインリールMR1,MR2,MR3が停止するまでの期間において、後述のサブ制御基板300の制御の下でサブリールSR1,SR2,SR3を様々に回転させることによって、遊技者の視覚に訴える演出表示を行う。
下部パネル部15には、本スロットマシン10のゲーム内容を紹介等するための画像(図示略)や模様、入賞した場合の図柄の組み合わせ等が描かれた略長方形の演出用パネル15aと、演出用パネル15aの側方に設けられた演出用ランプ15b,15cと、遊技者の獲得した遊技メダルを払い出すための排出口15d及び受皿15eと、効果音を発するスピーカが裏面側に取り付けられた放音部15f,15gとが設けられている。
次に、図2を参照して、前面扉11の裏面構造と、基体12の内部構造を概説する。なお、図2は前面扉11を解錠して基体12から開いた状態を表している。
同図において、前面扉11の裏面上部には、各演出用ランプ13a,13b,13c,13d,13eを構成する蛍光灯や高輝度発光ダイオード等の光源(符号略)が着脱自在に取り付けられると共に、上述の放音部13h,13gを構成するスピーカQ1,Q2が取り付けられている。また、図2には示されていないが、これらスピーカQ1,Q2の間に透明窓WD1が位置しており、透明窓WD1側にメインリールMR1,MR2,MR3を対向させて、メインリール装置100が取り付けられている。
更にメインリール装置100の裏面側には、電気回路基板で形成されたサブ制御基板300が取り付けられている。
また、詳細については後述するが、メインリール装置100には、各メインリールMR1,MR2,MR3を回転駆動するための電動モータ(ステッピングモータ)を、主制御基板700からの指令に従って制御するメインリール制御基板(以下「回胴装置基板」という)900が予め設けられている。
メインリール装置100及びサブ制御基板300の下方には、液晶表示パネルLQDが設けられた演出用パネル14aが取り付けられている。演出用パネル14aの下方には、「中央表示基板」と呼ばれる電気回路基板400が設けられている。そして、中央表示基板400には、操作部16に設けられているベットスイッチBT1,BT2と、スタートレバーBLと、ストップボタンBP1,BP2,BP3等が電気的に配線接続され、これらスイッチBT1,BT2,BL,BP1,BP2,BP3の出力信号を主制御基板700側へ転送する。
中央表示基板400の下方には、メダル投入部MDより投入される投入物を正規の遊技メダルか異物か判別して振り分けるセレクト機構G0と、セレクト機構G0で振り分けられた遊技メダルを基体12側に設けられているホッパ装置HPへ案内するガイド部材G1と、セレクト機構G0で振り分けられた異物を排出口15dへ案内するガイド部材G2と、ホッパ装置HPから出力される払い出し用の遊技メダルを排出口15dへ案内するガイド部材G3が設けられ、更に排出口15dの近傍に、放音部15f,15gを構成するスピーカQ3,Q4が取り付けられている。
次に、基体12内には、主電源装置PWUと、ホッパ装置HPから溢れた遊技メダルを収容するための補助貯留部SHPと、サブリール装置200が設けられている。
サブリール装置200は、前面扉11が基体12側に施錠されると演出用パネル14aに取り付けられている液晶表示パネルLQDにサブリールSR1,SR2,SR3が対向するように、基体12内の所定フレーム(符号略)に位置決めして取り付けられている。
主電源装置PWUの側面にはいわゆる配電盤に相当する電源装置基板500が設けられ、サブリール装置200の上端には、サブリールSR1,SR2,SR3を回転駆動するための電動モータ(ステッピングモータ)を制御するための駆動回路基板600が設けられ、駆動回路基板600の上方には、本スロットマシン10全体を集中制御する主制御基板700が設けられ、基体12の内壁の一端には、遊技場等に設置されている「ホールコンピュータ」と呼ばれる管理用コンピュータと接続可能な外部集中端子基板800が取り付けられている。
そして、上述のサブ制御基板300、中央表示基板400、電源装置基板500、駆動回路基板600、主制御基板700、外部集中端子基板800及び回胴装置基板900は、何れも導電性配線パターンの形成された絶縁性樹脂基板上に集積回路装置やトランジスタ、抵抗、コンデンサ等の電子部品が搭載されて配線接続されたいわゆる電気回路基板として形成されている。ただし、サブ制御基板300と主制御基板700は、夫々硬質プラスチックのケース等に個別に収納されたユニット構造となっている。
次に、メインリール装置100の構造を図3乃至図8を参照して説明する。なお、図3はメインリール装置100の外観構造を表した斜視図、図4及び図5はメインリール装置100の分解斜視図、図6(a)はメインリールユニットを分解して表した平面図、図6(b)はメインリールの側面図、図7はメインリールユニットの要部構造を破断して表した断面図、図8はメインリールの外周に捲装されているリールテープを表した展開図である。
図3に示すように、メインリール装置100は、3個のメインリールMR1,MR2,MR3と、これら円筒形状のメインリールMR1,MR2,MR3を収容するリールケース本体101及びリールケースカバー102と、回胴装置基板900を備えて構成されている。
また、リールケースカバー102の裏面側に、収納ケース301,302内に収容されたサブ制御基板300が取り付けられている。
図4に示すように、リールケース本体101は、プラスチック成形された矩形状の筒体であり、3個のメインリールMR1,MR2,MR3の外周面を、上述の透明窓WD1を介して視認可能とする略長方形の開口103が形成されている。
リールケースカバー102は、プラスチック成形された矩形状の籠体であり、リールケース本体101に嵌着されることにより、3個のメインリールMR1,MR2,MR3を収容している。
回胴装置基板900は、リールケースカバー102の一端に取り付けられており、各メインリールMR1,MR2,MR3を回転駆動するためのステッピングモータMM1,MM2,MM3に、主制御基板700から供給される制御信号に従ってパルス幅制御を施した電力を供給することにより、ステッピングモータMM1,MM2,MM3の回転と制動及び停止の制御を行い、ひいてはメインリールMR1,MR2,MR3の動作を制御する。
収納ケース301は、図5に示すように、リールケースカバー102に合わせた大きさに成形された板状のプラスチック部材から成り、収納ケース302は、プラスチック成形された矩形状の籠体であって、収納ケース301に嵌着されることにより、サブ制御基板300を収容している。そして、収納ケース301,302内にサブ制御基板300が収容され、リールケースカバー102の裏面側に収納ケース301が取り付けられることで、メインリール装置100の裏面側にサブ制御基板300が設けられている。
サブ制御基板300は、演出のための制御を行うマイクロプロセッサと、当該マイクロプロセッサが実行するコンピュータプログラム及び演出用データを記憶した読み出し専用メモリ(ROM)と、演出処理の実行中に生じる各種データを一時的に記憶するランダムアクセスメモリ(RAM)等を備えた電気回路が搭載されている。そして、サブ制御基板300は、主制御基板700からの制御信号に従って、演出用ランプ13a〜13e,14b,14c,15b,15cとスピーカQ1〜Q4を駆動することにより、遊技者の視覚及び聴覚に訴える演出を行うと共に、サブリール装置200を制御することによって、サブリール装置200に設けられているサブリールSR1,SR2,SR3の回転を制御し、視覚に訴える演出を行うようになっている。
再び図4において、メインリールMR1とステッピングモータMM1は、支持板MS1に組み付けられた単体の第1メインリールユニットとして構成され、メインリールMR2とステッピングモータMM2は、支持板MS2に組み付けられた単体の第2メインリールユニットとして構成され、メインリールMR3とステッピングモータMM3は、支持板MS3に組み付けられた単体の第3メインリールユニットとして構成されている。
そして、組み立て工程において、リールケースカバー101の内壁に等間隔で形成されているスロットSL1,SL2,SL3に、メインリールMR1とステッピングモータMM1が組み付けられた支持板MS1と、メインリールMR2とステッピングモータMM2が組み付けられた支持板MS2と、メインリールMR3とステッピングモータMM3が組み付けられた支持板MS3とが夫々装着され、更に、支持板MS1,MS2,MS3の夫々の一端がリールケースカバー101の一端にネジ止め固定されている。
更に、これら第1〜第3のメインリールユニットは、何れも基本的に同じ大きさ及び構造を有しており、メインリールMR1とステッピングモータMM1及び支持板MS1を有する第1メインリールユニットを代表して説明すると、次のように構成されている。
まず、図6(a)及び図7に示すように、金属又は硬質プラスチックで成形された支持板MS1の板面に、ステッピングモータMM1がネジ止め等によって固定されている。支持板MS1に対して直交するステッピングモータMM1の回転軸104に、硬質プラスチックで成形されフランジ部105aを有する円筒形状の中継軸105が嵌入されると共に、硬質プラスチックで成形され突起106aを有する中継部材106が中継軸105に嵌入されている。更に、中継軸105の先端部が中継部材106を貫通し、メインリールMR1側に突出している。
一方、メインリールMR1は、全体的に硬質プラスチックで形成されており、中継軸105の先端部に組み付けられるカップ形状の基部107と、図6(b)に示すように基部107から放射状に延在する複数本のアーム部108と、アーム部108の先端部に連設された第1の円環部109と、第1の円環部109と同径の第2の円環部110と、第1の円環部109と第2の円環部110とを橋渡しする複数本の橋梁部111とを備えて形成されている。
つまり、複数本のアーム部108は何れも、基部107の中心から等しい長さで成形されており、これらのアーム部108の先端部に円形の第1の円環部109が連設されることで、第1の円環部109は基部107の中心から同心円状に設けられている。第1の円環部109に設けられている複数本の橋梁部111は、アーム部108の延在方向に対して直角の方向に向けられて、何れも等しい長さ(リールテープMTP1の幅WTとほぼ同じ長さ)で形成されており、これらの橋梁部111の先端部に、第1の円環部109と同径の第2の円環部110が成形されている。
したがって、基部107から延在する複数本のアーム部108によって第1の円環部109が支持され、第1の円環部109に成形されている橋梁部111によって第2の円環部110が支持され、第1,第2の円環部109,110が互いに一定の間隔(リールテープMTP1の幅WTとほぼ同じ間隔)で対向している。そして、第1,第2の円環部109,110の外周に、図8に示す複数の図柄が印刷された長尺状のプラスチックシートで形成されたリールテープMTP1が捲装されることにより、メインリールMR1の外周面が形成されている。
更に、回転軸104の軸中心に雌ネジ部104aが形成され、中継軸105と基部107の夫々の中心部にも、雌ネジ部104aに位置合わせされた貫通孔105b,107aが形成されており、これら貫通孔107a,105bを介して雌ネジ部104aに、雄ネジ112を螺合して締め付けることにより、ステッピングモータMM1の回転軸104に対し、中継軸105と中継部材106及び基部107が固着され、これによって、ステッピングモータMM1の駆動力を受けてメインリールMR1が回転するようになっている。
また、図示していないが、ステッピングモータMM1内には、所定の基準角度に対する回転軸104の回転角度を検出する光学式のロータリエンコーダが内蔵されており、回胴装置基板900が、当該ロータリエンコーダから出力される角度検出信号と主制御基板700から供給される制御信号とを対比しつつステッピングモータMM1を制御することにより、主制御基板700から供給される制御信号に従って、ステッピングモータMM1の回転と制動及び停止の制御を行い、ひいてはメインリールMR1の回転と制動及び停止の制御を適切に行うようになっている。
このように、メインリールMR1は、軽量なプラスチックによって形成された骨格部分にリールテープMTP1を捲装することによって円筒形状で且つ軽量化が図られており、ステッピングモータMM1に対して大きな負荷を与えないようになっている。
更に、基部107を回転軸104に固着すると、メインリールMR1はステッピングモータMM1を内包するように配置されるため、回転軸104の軸方向において厚みの小さなユニット構造が実現されている。
なお、支持板MS2に組み付けられたメインリールMR2とステッピングモータMM2を有する第2メインリールユニットと、支持板MS3に組み付けられたメインリールMR3とステッピングモータMM3を有する第3メインリールユニットも、上述の第1メインリールユニットと同じ基本構造を有しており、メインリールMR2には図8に示すリールテープMTP2、メインリールMR3にはリールテープMTP3が夫々捲装されている。また、リールテープMTP2,MTP3の夫々の幅も、リールテープMTP1の幅WTと等しくなっている。
また、図8に示すように、リールテープMTP1,MTP2,MTP3には、「スイカ」と「ぶどう」と「レモン」と「桃」及び「ナス」の5種類の図柄を組み合わせて、夫々13個ずつ描かれている。
なお、メインリール装置100は、次に列記する仕様で形成されることが望ましい。
〔1〕メインリールMR1〜MR3の定速回転時の回転数を、N≦80rpm
〔2〕メインリールMR1〜MR3の各停止時間を、τ≦190msec
〔3〕メインリールMR1〜MR3の直径を、R=122mm
〔4〕メインリールMR1〜MR3の円周を、C=383mm
〔5〕メインリールMR1〜MR3の図柄の個数を、K=13個
〔6〕制御コマ数を、Nz≦3個
〔7〕図柄の種類を、制御コマ数Nzの関係から5種類
〔8〕1図柄の縦幅をH=26mm、横幅をW=35mm
〔9〕図柄のピッチ間隔を、PP=29.5mm
〔10〕リールテープMTP1〜MTP3の長さをL=383mm 、幅をWT=44mm
但し、ステッピングモータMM1〜MM3の1回転当たりの制御ステップ数を400ステップとし、各図柄当たりの回転角度を30ステップ又は31ステップで制御することとした。
上述の仕様は、従来の一般的で周知のスロットマシンに搭載されている大型のメインリールを使って図柄を揃えるスロットマシンのゲーム性(または入賞パターン等)をできるだけ損なわない条件に基づいてメインリールを小型化し、制御性、視認性等を考慮して計画された最も好適な設計仕様としている。
次に、液晶表示パネルLQDとサブリール装置200とから構成される演出表示装置について説明する。図9は、本演出表示装置の構造を模式的に表した斜視図である。本演出表示装置は、上述したように、スロットマシン10の前面扉11が基体12側に閉じられ、サブリールSR1,SR2,SR3の表示領域としての外周面側(表示面)が液晶表示パネルLQDの裏面側と対向することで、液晶表示パネルLQDを介してサブリールSR1,SR2,SR3が表示する図柄等が遊技者に視認されるようになっている。
ここで、液晶表示パネルLQDは、平板状の透過型(又は透明な)カラー液晶ディスプレイから形成されている。なお、液晶表示パネルLQDは、図示していないが、液晶ディスプレイに映像(透過像)を表示させるための制御を行う表示制御基板DCONTと、透明液晶ディスプレイに透過像を走査駆動する駆動用LSI等が搭載され当該透明液晶ディスプレイと前述の表示制御基板DCONTとを配線接続しているフレキシブル基板などがユニット化された構造となっている。
次に、サブリール装置200の構成を詳細に説明する。サブリール装置200は、後述する二重リール構造を有するサブリールSR1,SR2,SR3が回転軸方向に3個並べて設置された構造となっている。図10は、サブリール装置200の外観構造を表した斜視図である。なお、同図において、観察面に対する法線方向を符号z、回転リールの回転軸方向を符号x、これらの方向z,xに対し直交する方向を符号yで示している。
図10に示されるように、サブリール装置200は、3個のサブリールSR1,SR2,SR3と、これらサブリールSR1,SR2,SR3を収容する硬質プラスチックから成形された板状のユニット基板280、及び保持部材201、202を備えて構成されている。
サブリールSR1,SR2,SR3は、それぞれ円筒形状で直径が異なる外リールSR11,SR21,SR31、及び内リールSR12,SR22,SR32から構成され、外リールSR31の内側に内リールSR32が配置された、いわゆる二重リール構造となっている。そして、外リールSR31と内リールSR32がそれぞれ独立して共通の回転軸周りで回転できるようにユニット基板280に取り付けられている。
また、各サブリールSR1,SR2,SR3の内側には、外リールSR11,SR21,SR31を駆動するためのステッピングモータSM11,SM21,SM31と内リールSR12,SR22,SR32を駆動するためのステッピングモータSM12,SM22,SM32と、これらステッピングモータの回転力を各リールに伝達する伝達手段250がそれぞれ収容されている。
外リールSR11並びに内リールSR12と、ステッピングモータSM11,SM12と、伝達手段250とがユニット基板280に組み付けられて第1サブリールユニットとして構成され、外リールSR21並びに内リールSR22と、ステッピングモータSM21,SM22と、伝達手段250とがユニット基板280に組み付けられて第2サブリールユニットとして構成され、更に、外リールSR31並びに内リールSR32と、ステッピングモータSM31,SM32と、伝達手段250とがユニット基板280に組み付けられて第3サブリールユニットとして構成されている。
サブリールユニットの上端側には、駆動回路基板600と接続される配線ケーブル203が備えられている。配線ケーブル203を介して、駆動回路基板600からサブリール装置200内に設けられたステッピングモータに駆動パルス信号が供給され、またサブリールを照らす後述の発光ダイオードを発光させるための駆動電流が供給される。更に、サブリール内に設けられた後述の基準位置センサからの検出信号が配線ケーブル203を介して駆動回路基板600に出力される。
サブリール装置200の組み立て工程において、各ユニット基板280の上端側に保持部材201を、下端側に保持部材202をそれぞれ嵌着させ、各係着ピン204を押し込むことによって、各サブリールユニットがサブリール装置200に装着されるようになっている。
これら、第1〜3サブリールユニットは、何れも基本的に同じ大きさ及び構造を有しており、サブリールSR3を有するサブリールユニットを代表として説明すると次のように構成されている。
図11は、サブリールユニットの構成を表す分解斜視図、図12は、図11に示すxz面に沿って切断したサブリールユニットの部分断面図である。サブリールユニットは、上述したように、外リールSR31及び内リールSR32が半径方向で重なって配置された、いわゆる二重リール構造のサブリールSR3と、ステッピングモータSM31,SM32が出力する回転力を各リールに伝達する伝達手段250と、伝達手段250を支持するユニット基板等を備えて構成されている。
外リールSR31は、全体的にプラスチックによって一体的に形成されており、伝達手段250のシャフト251の先端が固着される基部211aと、基部211aを中心に放射状に延在する複数本のアーム部211bと、アーム部211bの先端部分に接続され基部211aの中心から同心円状の第1円環部211cと、第1円環部211cと同一径の第2円環部211dと、第1円環部211c、第2円環部211dを所定の間隔に保持しながら複数箇所で連結する棒状の橋梁部211eとから構成されている。また、第2円環部211d上の一箇所には、ユニット基板280に向けて延びる舌片状の遮光片211fが形成されている。
図13は、各サブリールSR1,SR2,SR3の外リールSR11,SR21,SR31の外周面に捲装されるリールテープ211l,211m,211nの図柄を例示する図である。第1、第2円環部211c,211d及び橋梁部211eから形成される外リールSR31の外周面には、長手方向に沿って、例えば図13に示される複数種類の図柄が印刷された長尺状のプラスチックシートのリールテープ211nが捲装されて貼り付けられる。
内リールSR32は、外リールSR31よりも小さな直径を有するが略同一の形状となっている。すなわち、伝達手段250の管状シャフト252が固着される基部212aと、基部212aの中心から放射状に延在する複数のアーム部212bと、第1及び第2円環部212c,212dと、橋梁部212eと、一つのアーム部212bのほぼ中央にユニット基板280に向けて延びる舌片状の遮光片212fとがプラスチックで一体的に形成されている。
図14は、各サブリールSR1,SR2,SR3の内リールSR12,SR22,SR32の外周面に捲装されるリールテープ212l,212m,212nの図柄を例示する図である。第1、第2円環部212c,212d及び橋梁部212eから形成される内リールSR32の外周面には、長手方向に沿って例えば図14に示される複数種類の色または模様が印刷された長尺状のプラスチックシートのリールテープ212nが捲装されて貼り付けられる。
なお、各サブリールSR1,SR2,SR3は、直径が約230mm、横幅が約80mmに設計され、外リールSR11,SR21,SR31の外周面で、メインリールMR1,MR2,MR3に描かれている図柄よりも大きな図柄を21個ずつ表示している。
再び図11及び12において、外リールSR31及び内リールSR32は、ステッピングモータSM31,SM32から出力される回転力が伝達手段250を介して伝達され回転するようになっている。つまり、伝達手段250には、ステッピングモータSM31,SM32が取り付けられており、伝達手段250内に組み込まれた減速機構を介してステッピングモータSM31の回転力が付与されるシャフト251の端部が外リールSR31の基部211aに設けられた軸孔に嵌挿され、止めネジ261等が締め込まれることで、このシャフト251と外リールSR31の基部211aとが固着されている。また、伝達手段250内の減速機構を介してステッピングモータSM32の回転力が付与される管状シャフト252の端部が内リールSR31の基部212aに設けられた軸孔に挿入され、管状シャフト252の先端部分に螺刻されたネジ部にナット262が締め込まれることで、この管状シャフト252と内リールSR32の基部212aとが固着されている。なお、管状シャフト252は、回転中心軸線に沿って貫通孔が形成されており、この貫通孔にシャフト251が挿入されて、それぞれのシャフトが接触することなく独立して回転可能となっている。
伝達手段250は、ギアケースの周縁に突出して形成された取付け部を介して、ステッピングモータSM31,SM32が取り付けられた側が、ユニット基板280の内側に突設されたブラケット281,282にネジ止め固定されている。そして、伝達手段250、ステッピングモータSM31,SM32がサブリールSR3に収容されて配置され、これにより、サブリールユニットは、回転軸方向において厚みの小さなユニット構造となっている。
また、光学式センサである基準位置センサ231は、外リールSM31の基準位置を検出するためのものであり、ユニット基板280の内側で所定の位置に取り付けられている。また、内リールSM32の基準位置を検出するための光学式センサである基準位置センサ232は、金属からなる取付け具230を介してユニット基板280に形成されたブラケット281に取り付けられている。
また、内リールSR32の内側から観察面に向けて光を照射する発光ダイオード292が上中下の3段に分けられて基板291に実装されている。そして、発光ダイオード292が実装された基板291は、金属からなる取付け具293を介してユニット基板280に形成されたブラケット282に取り付けられ、また発光ダイオード292が照射する光を透過させるための開口を有するプラスチック製のカバー294が基板291を挟んで取付け具293に取り付けられている。
このような構成のサブリール装置200は、ゲームの進行に応じて主制御基板700から供給される制御信号に従って駆動回路基板600が、各ステッピングモータにパルス幅制御を施した駆動パルス信号を供給することにより、各ステッピングモータの正回転と逆転及び停止を行わせることにより、各サブリールSR1,SR2,SR3の動きを様々に変化させ、それに伴って図柄を変化させることにより演出表示を行う。
例えば、第3サブリールユニットにおいて、ステッピングモータSM31に駆動パルス信号が供給されると、ステッピングモータSM31から出力される回転力は、伝達手段250に備えられたシャフト251を介して外リールSR31に伝達される。そして、駆動パルス信号の周波数に応じた回転数で外リールSR31が回転する。
外リールSR31には遮光片211fが設けられており、外リールSR31が1回転する毎に遮光片211fが基準位置センサ231のセンシング部を通過する。遮光片211fによって基準位置センサ231が遮光されると、基準位置センサ231はオン動作し、外リールSR31が特定の回転角度、すなわち基準位置にあることを示す検出信号を駆動回路基板600に出力する。駆動回路基板600は、この基準位置の検出信号と、ステッピングモータSM31へ出力した駆動パルス信号のパルス数とを対比させて、外リールSM31の回転角度を把握しながら回転と制動、及び停止の制御を適切に行うようになっている。
また、同様に駆動回路基板600からステッピングモータSM32に駆動パルス信号が供給されると、ステッピングモータSM32が出力する回転力は、伝達手段250の管状シャフト252を介して内リールSR32に伝達され、これにより、供給された駆動パルス信号の周波数に対応する回転数で内リールSR32が回転する。
基準位置センサ232は、内リールSR32に形成されている遮光片212fがセンシング部を遮光することで内リールSR32の基準位置を検出し、この検出信号を駆動回路基板600へ出力する。駆動回路基板600は、内リールSR32の基準位置の検出信号と駆動パルス信号とを対比させて、内リールSM32の回転と制動、及び停止の制御を適切に行う。
このように、二重リール構造のサブリールSR1,SR2,SR3の外周面に描かれた図柄や模様等を重ねて表示することで、サブリールSR1,SR2,SR3の図柄を様々な表示形態で装飾して表示することが可能になる。
なお、本演出表示装置には、図15に示すように液晶表示パネルLQDの端側に、超高輝度発光ダイオードまたは蛍光管等から形成される照明光源LMPが配置される。そして、照明光源LMPは、サブリールSR1,SR2,SR3の外周面(表示面側)を照射するようになっている。これにより、照明光源LMPが照射した照明光がサブリールSR1,SR2,SR3の外周面で一部が反射し液晶表示パネルLQDへ供給されるので、液晶表示パネルLQDが表示する透過像が明るく目視される。
また、内リールSR12,SR22,SR32の内側に配置された発光ダイオード292が、内リールSR12,SR22,SR32の内側から表示面側に向けて光を照射することにより、内リールSR12,SR22,SR32及び外リールSR11,SR12,SR12の外周面に描かれている図柄や色彩模様等を表示面側に明るく表示することができる。
なお、二重リール構造のサブリールSR1,SR2,SR3を有するサブリール装置200の構成について説明したが、本発明に係るサブリールは、半径方向に3個以上多重に配置された多重リール構造であってもよい。これによれば、更に多様な表示形態で図柄等を演出表示することが可能となる。
次に、図16のブロック図を参照して、本スロットマシン10に設けられている制御システムについて説明する。
まず、図2には説明の便宜上示されていないが、主制御基板700には、回胴装置基板900と、サブ制御基板300、中央表示基板400、電源装置基板500及び外部集中端子基板800が夫々配線ケーブルによって配線接続されている。また、サブ制御基板300には、駆動回路基板600と表示制御基板DCONTが配線接続されている。
主制御基板700は、半導体メモリROMと、マイクロプロセッサMPUが搭載されており、当該マイクロプロセッサMPUが、半導体メモリROMに予め記憶されているシステムプログラムとスロットマシンゲーム用のプログラムを実行し、各基板900,300,400,500,800に所定の指令を行って夫々に分散制御を行わせることにより、本スロットマシン10全体を集中制御する。
回胴装置基板900には、メインリールMR1,MR2,MR3を回転駆動するステッピングモータMM1,MM2,MM3が接続されている。そして、主制御基板700からメインリールMR1,MR2,MR3を回転又は停止させるべき旨の制御信号が供給されると、回胴装置基板900はステッピングモータMM1,MM2,MM3への電力供給を制御し、メインリールMR1,MR2,MR3の動作を制御する。
つまり、回胴装置基板900は、主制御基板700から回転開始を示唆する制御信号が供給されると、ステッピングモータMM1,MM2,MM3を起動させ、メインリールMR1,MR2,MR3を80rpm以下の定速度で回転させるべく制御する。
また、回胴装置基板900は、主制御基板700からメインリールMR1を停止させるべき制御信号が供給されると、ステッピングモータMM1を制動制御し、停止時間τ内すなわち190msec内にメインリールMR1を停止させる。また、有効ラインL1上に停止させるべき図柄が指定されて制御信号が供給されると、回胴装置基板900は、停止時間τ内にメインリールMR1を制御コマ数Nz分回転させ、指定された図柄が有効ラインL1上に揃うとメインリールMR1を停止させる。
また、主制御基板700からメインリールMR2を停止させるべき制御信号が供給されると、ステッピングモータMM2を制動制御し、停止時間τ内にメインリールMR1を停止させる。また、有効ラインL1上に停止させるべき図柄が指定されて制御信号が供給されると、停止時間τ内にメインリールMR2を制御コマ数Nz分回転させ、指定された図柄が有効ラインL1上に揃うとメインリールMR2を停止させる。
また、主制御基板700からメインリールMR3を停止させるべき制御信号が供給されると、ステッピングモータMM3を制動制御し、停止時間τ内にメインリールMR3を停止させる。また、有効ラインL1上に停止させるべき図柄が指定されて制御信号が供給されると、停止時間τ内にメインリールMR3を制御コマ数Nz分回転させ、指定された図柄が有効ラインL1上に揃うとメインリールMR3を停止させる。
サブ制御基板300は、演出用ランプ13a〜13e,14b,14c,15b,15cとスピーカQ1〜Q4が接続され、主制御基板700から演出開始を示唆する制御信号が供給されると、これら演出用ランプ13a〜13e,14b,14c,15b,15cとスピーカQ1〜Q4を駆動することによって、遊技者の視覚と聴覚に訴える演出を行う。また、主制御基板700からは抽選した役が指令され、サブ制御基板300は、その指令された役に相当する演出を演出用ランプ13a〜13e,14b,14c,15b,15cとスピーカQ1〜Q4によって行うことにより、遊技者に興味を与える効果的な演出を行うようになっている。
またサブ制御基板300は、主制御基板700から上述の演出開始を示唆する制御信号が供給されると、駆動回路基板600に指令して、サブリール装置200のステッピングモータSM11,SM12,SM21,SM22,SM31,SM32を起動させ、サブリールSR1(SR11,SR12),SR2(SR21,SR22),SR3(SR31,SR32)を回転させることによる演出表示を行わせる。また、主制御基板700から抽選した役が指令されると、サブ制御基板300は駆動回路基板600に指令して、ステッピングモータSM11,SM12,SM21,SM22,SM31,SM32を起動させ、その指令された役に相当する演出をサブリールSR1,SR2,SR3にて行わせる。
更にサブ制御基板300は、主制御基板700から演出開始を示唆する制御信号が供給されると、この制御信号に従って該当する動画像を表示させるための映像信号を生成し、液晶表示パネルLQDへ出力する。液晶表示パネルLQDは、供給された映像信号に基づいてサブリールSR1,SR2,SR3にオーバラップさせた動画像(透過像)を演出表示する。
中央表示基板400は、ベットボタンBT1,BT2と、スタートレバーBL及びストップボタンBP1,BP2,BP3が接続され、これらスイッチBT1,BT2,BL,BP1,BP2,BP3から出力される出力信号を主制御基板700へ転送する中継基板として機能する。また、中央表示基板400は、セレクト機構G0に設けられている遊技メダル検出センサから出力される出力信号を主制御基板700へ転送し、メダル投入部MDに投入されたメダル枚数を知らせると共に、異物の投入や目詰まりの発生等を知らせる。
そして、主制御基板700は、ベットボタンBT1,BT2がオン操作されると、1ゲーム当たりの賭け枚数を検知し、スタートレバーBLがオン操作されると、ゲーム開始の指示がなされたことを検知し、ストップボタンBP1,BP2,BP3が任意の順番でストップ操作されると、その順番でメインリールMR1,MR2,MR3を停止させるべき指示がなされたことを検知する。
ここで、主制御基板700が上述のスタートレバーBLがオン操作されたことを検知すると、役抽選を行った後、上述のメインリールMR1,MR2,MR3を回転させるべく回胴装置基板900に指令すると共に、サブ制御基板300に指令して、演出用ランプ13a〜13e,14b,14c,15b,15cとスピーカQ1〜Q4及びサブリール装置200による演出を行わせる。
また、ストップボタンBP1,BP2,BP3が任意の順番でストップ操作されると、主制御基板700は、メインリールMR1,MR2,MR3をストップ操作の順番で停止させ、且つ、上述したように抽選した役に相当する図柄を有効ラインL1上に揃えるべく回胴装置基板900に指令する。また、主制御基板700は、サブ制御基板300に指令して、各ストップボタンBP1,BP2,BP3がストップ操作される毎に、演出用ランプ13a〜13e,14b,14c,15b,15cとスピーカQ1〜Q4及びサブリール装置200による演出を様々に変化させることにより、ゲームの進行状況等を遊技者に告知する。
電源装置基板500は、電源装置PWUで発生される各種電源電圧をホッパ装置HPその他の各所に配電する配電回路が形成されており、かかる配電回路からスロットマシン100の動作に必要なシステム電源を供給する。
また、電源装置基板500は、主制御基板700から遊技メダルの払い出しをすべき旨の指令を受けると、ホッパ装置HPを制御して遊技メダルの払い出しを行わせる。
外部集中端子基板800は、主制御基板700から出力される本スロットマシン10におけるゲームの進行状況等を示す信号を、上述のホールコンピュータへ送出する。
次に、本スロットマシン10の動作を図17を参照して説明する。なお、図17(a)は、本スロットマシン10に備えられている役の種類と、各役に相当する図柄の組合せと、各役に入賞した際に払い出される遊技メダルの枚数等を関連付けて表した図、図17(b)は、役抽選の原理を表した模式図である。
図17(a)において、本スロットマシン10には、シングルボーナス(SB)と呼ばれる特別役と、リプレイと呼ばれる再遊技役と、2つの小役すなわち小役〈1〉と小役〈2〉とが備えられている。
シングルボーナス(SB)は、遊技者がベットボタンBT1(又はBT2)とスタートレバーBLとストップボタンBP1,BP2,BP3を操作して1ゲームを行った結果、図8に示したメインリールMR1,MR2,MR3の外周面に描かれている各図柄が、「スイカ」-「桃」-「桃」の組み合わせで透明窓WD1の有効ラインL1(図1参照)上に揃って停止すると、遊技者に対し13枚(つまり、賭け枚数の13倍)の遊技メダルを払い出し、更に遊技者にとって有利にゲームを進行させる得る特典を提供する役である。
リプレイは、遊技者がベットボタンBT1(又はBT2)とスタートレバーBLとストップボタンBP1,BP2,BP3を操作して1ゲームを行った結果、図8に示したメインリールMR1,MR2,MR3の外周面に描かれている各図柄が、「ぶどう」-「ぶどう」-「桃」の組み合わせで透明窓WD1の有効ラインL1上に揃って停止すると、遊技メダルの支払いを行わないが、遊技者にとって賭け枚数の提示を行うことなく、もう1度ゲームを行う特典を与える役である。
小役〈1〉は、遊技者がベットボタンBT1(又はBT2)とスタートレバーBLとストップボタンBP1,BP2,BP3を操作して1ゲームを行った結果、図8に示したメインリールMR1,MR2,MR3の外周面に描かれている各図柄が、「スイカ」-「ぶどう」-「レモン」の組み合わせで透明窓WD1の有効ラインL1上に揃って停止すると、13枚(つまり、賭け枚数の13倍)の遊技メダルの支払いを行う役である。
小役〈2〉は、遊技者がベットボタンBT1(又はBT2)とスタートレバーBLとストップボタンBP1,BP2,BP3を操作して1ゲームを行った結果、図8に示したメインリールMR1の外周面に描かれている「桃」の図柄が透明窓WD1の有効ラインL1上に揃って停止すると、3枚(つまり、賭け枚数の3倍)の遊技メダルの支払いを行う役である。つまり、小役〈2〉は、メインリールMR1の「桃」の図柄が透明窓WD1の有効ラインL1上に揃うだけで入賞となり、残余のメインリールMR2,MR3の図柄は何であっても、3枚(賭け枚数の3倍)の遊技メダルの支払いを行う役である。
遊技者がベットボタンBT1(又はBT2)をオン操作して1ゲーム当たりの賭け枚数を提示して、スタートレバーBLをオン操作すると、主制御基板700が1ゲームの制御を開始して役抽選を行う。
この役抽選の際には、まず主制御基板700中のマイクロプロセッサMPUが乱数演算を行うことによって、最小の乱数値0から最大の乱数値ηmax(本実施形態では、65535)の範囲内の1つの乱数値ηiを内部発生する。
そして、図17(b)に示すように、シングルボーナス(SB)とリプレイと小役〈1〉と小役〈2〉が最小の乱数値0から最大の乱数値ηmax内の所定の乱数値の範囲に対応付けて予め割り当てられており、マイクロプロセッサMPUは、上述の内部発生した乱数値ηiと予め割り当てられている夫々の乱数値の範囲とを対比して一致性を判定することにより、シングルボーナス(SB)とリプレイと小役〈1〉と小役〈2〉の何れか1つの役を抽選する。また、上述の内部発生した乱数値ηiが、シングルボーナス(SB)とリプレイと小役〈1〉と小役〈2〉の何れの乱数値にも該当しない場合には、マイクロプロセッサMPUは、ハズレを抽選する。
例えば、マイクロプロセッサMPUは、内部発生した乱数値ηiが図17(b)に示す0≦ηi<η1の関係を満足すると小役〈2〉を抽選し、η1≦ηi<η2の関係を満足すると小役〈1〉を抽選し、η2≦ηi<η3の関係を満足するとリプレイ(再遊技役)を抽選し、η3≦ηi<η4の関係を満足するとシングルボーナス(SB)を抽選し、η4≦ηi<ηmaxの関係を満足すると、その他の役又はハズレを抽選する。
そして、ハズレに該当する乱数値の範囲が最も大きく、次に小役〈2〉、小役〈1〉、リプレイ(再遊技役)、シングルボーナス(SB)の順で次第に乱数値の範囲が小さくなっていくように予め決められることにより、ハズレの抽選確率が最も高く、シングルボーナス(SB)の抽選確率が最も小さくなっている。
更に主制御基板700は、役抽選を行う他、回胴装置基板900に指令してメインリールMR1,MR2,MR3を80rpm以下の所定速度で回転させ、更にサブ制御基板300に指令して、サブリールSR1,SR2,SR3を回転させると共に、演出用ランプ13a〜13e,14b,14c,15b,15cとスピーカQ1〜Q4を駆動させることによって、視覚と聴覚に訴える演出を開始する。また同時に、サブ制御基板300に指令して、サブリールS1,S2,S3の表示面に液晶表示パネルLQDによる透過像をオーバラップさせる演出表示を行なわせる。
次に、遊技者がストップボタンBP1,BP2,BP3を任意の順番でストップ操作すると、主制御基板700は、回胴装置基板900に指令してメインリールMR1,MR2,MR3を上述のストップ操作された順番で停止させ、更にサブ制御基板300に指令して、サブリールSR1,SR2,SR3の回転を変化させると共に、演出用ランプ13a〜13e,14b,14c,15b,15cの点灯及び点滅動作とスピーカQ1〜Q4の効果音も変化させることによって、遊技者のストップ操作に対応した視覚と聴覚に訴える演出を行う。
ここで、主制御基板700が上述の役抽選においてシングルボーナス(SB)を抽選していた場合には、回胴装置基板900は、各メインリールMR1,MR2,MR3の外周面に描かれている図柄を「スイカ」-「桃」-「桃」の組み合わせで透明窓WD1の有効ラインL1上に揃えるべく、ストップ操作された順番でステッピングモータMM1,MM2,MM3を制動制御して、夫々を停止時間τ(すなわち、190msec)以内に停止させる。
つまり、回胴装置基板900は、停止時間τ以内に、制御コマ数Nzの条件を満足しつつ、各メインリールMR1,MR2,MR3の外周面に描かれている図柄を「スイカ」-「桃」-「桃」の組み合わせで有効ラインL1上に揃えて停止させるための制御を行う。
ここで、メインリールMR1が回転中であって、例えば図8に示したリールテープMTP1の一番下に描かれている「ぶどう」の図柄(符号t1で示す図柄)が透明窓WD1の有効ラインL1上に位置したときに、遊技者がストップボタンBP1をストップ操作したとすると、回胴装置基板900は、制御コマ数Nzが3個(Nz≦3)に設定されているので、メインリールMR1を最大で3コマ分回転させ、その回転中にメインリールMR1の「スイカ」の図柄が有効ラインL1上に位置すると、その時点でステッピングモータMM1及びメインリールMR1を停止させる。つまり、図8中の符号t2で示されている「スイカ」の図柄が有効ラインL1上に位置すると、その時点でステッピングモータMM1及びメインリールMR1を停止させることにより、抽選されている役に相当する「スイカ」の図柄を的確に有効ラインL1上に停止させる。
また、メインリールMR1が回転中であって、例えば図8中の符号t2で示す「スイカ」の図柄が透明窓WD1の有効ラインL1上に位置したときに、遊技者がストップボタンBP1をストップ操作したとすると、回胴装置基板900は、そのストップ操作された時点t2においてメインリールMR1を停止させる。また、符号t2で示す「スイカ」の図柄が透明窓WD1の有効ラインL1上から殆ど離脱しているような場合には、制御コマ数Nzが3個(Nz≦3)に設定されているので、メインリールMR1を最大で3コマ分回転させて、符号t3で示されている「スイカ」の図柄が有効ラインL1上に位置する時点でステッピングモータMM1及びメインリールMR1を停止させることにより、抽選されている役に相当する「スイカ」の図柄を的確に有効ラインL1上に停止させる。
以下同様に、回胴装置基板900は、制御コマ数Nzが3個(Nz≦3)に設定されているので、ストップ操作された時点からメインリールMR1を最大で3コマ分回転させ、その回転中にメインリールMR1の「スイカ」の図柄が有効ラインL1上に位置すると、その時点でステッピングモータMM1及びメインリールMR1を停止させることにより、ほぼ確実に、抽選されたシングルボーナス(SB)役に相当する「スイカ」の図柄を有効ラインL1上に位置させて、ステッピングモータMM1及びメインリールMR1を停止させる。
更に、他の小役〈1〉と小役〈2〉とリプレイ(再遊技)の何れかが抽選されていた場合でも、回胴装置基板900は、シングルボーナス(SB)役の場合と同様に、制御コマ数Nzと停止時間τの条件を満足しつつステッピングモータMM1を制動制御することにより、ほぼ確実に、それらの役に相当する図柄(抽選された役が小役〈1〉の場合には「スイカ」、小役〈2〉の場合には「桃」、リプレイの場合には「ぶどう」)を有効ラインL1上に位置させて、ステッピングモータMM1及びメインリールMR1を停止させる。
また、回胴装置基板900は、ストップボタンBP2,BP3がストップ操作された場合にも、上述のストップボタンBP1がストップ操作された場合と同様に、制御コマ数Nzと停止時間τの条件を満足しつつ、ステッピングモータMM2,MM3を制動制御することにより、ほぼ確実に、抽選された役に相当する図柄を有効ラインL1上に位置させて、ステッピングモータMM2,MM3及びメインリールMR2,MR3を停止させる。
そして、主制御基板700は、メインリールMR1,MR2,MR3の3個の図柄が、図17(a)に示したように、抽選した役に相当する組み合わせで有効ラインL1上に揃って止まると、入賞が確定したと判断して、電源装置基板500に指令して所定枚数の遊技メダルの払い出し等を行わせる。
また、主制御基板700は、サブ制御基板300に指令して、入賞の確定を報知するための演出を演出表示装置に行わせる。例えば、上述の役抽選においてシングルボーナス(SB)に当選し、ストップボタンBP1,BP2,BPが操作されてメインリールMR1,MR2,MR3の各図柄が「スイカ」-「桃」-「桃」の組み合わせで止まると、図18(a)に示すように、サブ制御基板300は、サブリールSR1,SR2,SR3に同じ図柄を表示させる。そして、液晶表示パネルLQDに「花火」の透過像を多重に表示させて、シングルボーナス(SB)への入賞が確定したことを報知する演出表示を行う。
なお、演出表示装置は、メインリールMR1,MR2,MR3が回転中にも演出表示を行ってもよい。例えば、メインリールMR1に「桃」の図柄が表示され小役〈2〉に入賞した場合、サブ制御基板300は、図18(b)に示すように、サブリールSR1に「桃」の図柄を表示させる。そして、回転中の残余のサブリールSR2,SR3の表示面に重ねて液晶表示パネルLQDによる透過像からなる「Go」の装飾された文字を表示させる。このように、残りのメインリールMR2,MR3を停止させる操作を促して入賞の期待感を惹起させる演出表示を行うことができる。
かかる構成のスロットマシン10によれば、図柄を変動表示してゲームの結果を提示する小型化されたメインリール装置100を上部パネル部13に設け、更に、二重リール構造のサブリール装置200とその前方に位置する液晶表示パネルLQDとから構成される演出表示装置を中部パネル部14に設けた。二重リール構造のサブリールSR1,SR2,SR3によって図柄を様々な形態で演出表示し、また、液晶表示パネルLQDによる透過像をサブリールSR1,SR2,SR3が表示する図柄にオーバラップさせることで、様々な遊技情報、または演出映像等を遊技者に確実に報知することができる。また、演出表示装置により従来よりも多様な形態の演出表示を効果的に行うことができ、視覚的な演出を優先させた娯楽性の高い遊技を提供することができる。
なお、本発明のスロットマシン10は、図19に示すように、液晶表示パネルLQDとサブリール装置200とからなる演出表示装置の下方にメインリール装置100が配置される構造でもよい。図19は、他のモデルタイプであるスロットマシン10の外観構造を表した正面図である。
図19に示されるように、前面パネル部がこのように配置構成されたスロットマシン10は、中部パネル部14の演出用パネル14a中央に取り付けられた液晶表示パネルLQDを介してサブリール装置200が設けられ、液晶表示パネルLQDの下方に形成された透明窓WD1を介してメインリール装置100が設けられている。これにより、サブリールSR1,SR2,SR3は、液晶表示パネルLQDを通して遊技者に視認され、同じく中部パネル部14に設けられている操作部16(ストップボタンBP1,BP2,BP3等)の上方で近接する位置に形成された透明窓WD1を通してメインリールMR1,MR2,MR3が視認されるように構成されている。
かかる構成のスロットマシン10によれば、上述した本実施の形態における有利な効果に加えて、ゲームの結果を提示するメインリールMR1,MR2,MR3をゲームの開始及び終了を操作指示する操作部16の上方で近接する位置に設置したので、遊技者によるゲームの操作性が向上する。