以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。なお、回胴式遊技機の好適な実施形態として、本発明を適用したスロットマシンについて説明する。
図1は、本実施形態に係るスロットマシン10の外観構造を表した正面図、図2は本スロットマシン10の内部構造を表した図である。図1及び図2において、本スロットマシン10は、箱形形状の基体12と、基体12の前面に開閉可能に枢支されたフロントマスクと呼ばれる前面扉11を備えて構成され、これら前面扉11と基体12とで画成される室内に、後述の遊技結果を提示するためのメインリール装置100、演出表示装置200、ホッパ装置HP、主電源装置PWU、サブ制御基板300及び主制御基板700等が収容されている。
前面扉11は、外部からの不正操作等を防止すべく、全体的に、機械的に強固な硬質プラスチックでほぼ一体に成形された上部パネル部13と中部パネル部14及び下部パネル部15とを備えて構成され、更に中部パネル部14と下部パネル部15との間に、遊技者側に若干突出した操作部16が一体に設けられている。そして、操作部16より上方に位置する上部パネル部13と中部パネル部14が、遊技者に対して面することとなる「前面パネル部」となっており、更に、中部パネル部14が、その「前面パネル部」に向かって遊技を行う遊技者の視界内に入り易くするために、上部パネル部13と操作部16の間に設けられている。
ここで、本スロットマシン10は、遊技結果を提示するためのメインリール装置100の占有領域に対し、演出に係る演出表示装置200の領域を相対的に拡大し得る構造を有していることから、演出に係る領域について定義することとする。
まず、一般にスロットマシンは、周知の如く、長年にわたって殆ど大きさが変わっておらず、スタートレバー等が設けられている操作部16より上方に設けられている「前面パネル部」の大きさ(横幅と縦幅)も殆ど変化していない。このことは、スロットマシンが遊技機であることから、「前面パネル部」が遊技者にとって操作し易く且つ見易い大きさに決められ、その結果、長年にわたって殆ど変化しない周知の大きさが伝統的に踏襲されてきたものと考えられる。
つまり、一般的にスロットマシンの「前面パネル部」の大きさは、平均的な体格を有する成人の肩幅とほぼ同程度の横幅と、着座した際の成人の上半身(腰から頭部までの部分)の高さとほぼ同程度の縦幅を有しているということができ、また、長年にわたって市場に提供されてきた大量のスロットマシンに設けられている「前面パネル部」の平均的な大きさ(横幅と縦幅)とほぼ同じに決められているということができる。
本実施形態のスロットマシン10に設けられている「前面パネル部」も、こうした一般的で平均的な周知のスロットマシンに設けられている「前面パネル部」とほぼ同程度の大きさを有しており、この「前面パネル部」が「演出に係る領域」となっている。
以上の説明から明らかなように、本スロットマシン10における演出に係る領域とは、長年にわたり伝統的に踏襲されてきた一般的なスロットマシンの「前面パネル部」と同程度の大きさ(横幅と縦幅)を有し、前面扉11に操作部16より上方に設けられている領域、つまり視覚に訴える演出表示を行うのに好適な領域をいう。そして、本実施形態の説明では、本スロットマシン10の「前面パネル部」は、一般的で平均的な周知のスロットマシンに設けられている「前面パネル部」と同程度の大きさ(横幅と縦幅)を有しているものと定義して説明することとする。更に、演出に係る領域は、遊技を行う遊技者に面する「前面パネル部」のことであると定義して説明することとする。
なお、図1に示す本スロットマシン10の前面扉11の外形寸法が、長年にわたって伝統的に踏襲されている一般的スロットマシンの外形寸法に合わせられて、その横幅WAAが約475mm、高さTAが約810mmに決められ、更に、操作部16より上方に設けられている「前面パネル部」の横幅WAAが、約475mm、縦幅TAAが、約462mmに決められている。ただし、本実施形態のスロットマシン10の「前面パネル部」並びに演出に係る領域は、上述した横幅WAA(約475mm)と縦幅TAA(約462mm)に決められているが、この寸法はあくまでも具体的一例であり、本発明の回胴式遊技機に設けられている演出に係る領域の大きさ(寸法)はこの具体的寸法に限定されるものではない。つまり、本発明の回胴式遊技機に設けられている演出に係る領域の大きさ(横幅と縦幅)は、上述した一般的で平均的な周知のスロットマシンに設けられている「前面パネル部(別言すれば、演出に係る領域)」と同程度の大きさ(横幅と縦幅)であればよい。
再び本スロットマシン10の構造を詳述すると、上部パネル部13には、意匠的に遊技者の視覚に訴える形状及び色彩、模様、絵柄等を施してデザイン設計された複数の演出用ランプ13a,13b,13c,13d,13e及び演出用パネル13fが設けられる他、演出用の効果音を発するスピーカが裏面側に取り付けられた放音部13g,13hが設けられており、更に、演出用パネル13fの中央部に一体成形されている略長方形の透明な窓(以下「第1透明窓」という)WD1を介して上部パネル部13の裏面側に、遊技結果を提示するための小型のメインリール装置100が配設されている。
つまり、第1透明窓WD1が、メインリール装置100に備えられているメインリールMR1,MR2,MR3の各外周面に周方向に沿って描かれている図柄を透過して、遊技者に対し目視可能にする表示領域となっている。
なお、詳細については後述するが、メインリール装置100は、3個の小型の回転リール(以下「メインリール」という)MR1,MR2,MR3を備えて構成されており、後述のスタートレバーBLがオン操作されると、これらメインリールMR1,MR2,MR3がほぼ同時に回転動作を開始し、また、後述のストップボタンBP1,BP2,BP3がオン操作(ストップ操作)されると、そのストップ操作された順番に従って、回転中のメインリールMR1,MR2,MR3が順次に停止するように、所定の制御が行われるようになっている。
また、メインリールMR1,MR2,MR3の夫々の外周面には、周方向に沿って所定個数及び所定の大きさの図柄が描かれており、透明プラスチック板等で成形されている第1透明窓WD1は、各メインリールMR1,MR2,MR3に描かれている図柄を一つずつ視認可能とする大きさに設計されている。このため例えば、メインリールMR1,MR2,MR3が停止すると、遊技者は、同図中の1点鎖線にて示されている有効ラインL1に沿って横一列に並んだ合計3個の図柄を、第1透明窓WD1を介して目視できるようになっている。
中部パネル部14には、絵柄や模様等が印刷されているいわゆる化粧板に相当する略長方形の演出用パネル14aと、演出用パネル14aの両側に設けられた演出用ランプ14b,14cと、演出用パネル14aの中央部に一体成形されている略長方形の透明な窓(以下「第2透明窓」という)WD2を介して中部パネル部14の裏面側に配置されて演出表示を行うための演出表示装置200が設けられている。詳細は後述するが、演出表示装置200は、この表示面1aに表示される映像を、第2透視窓WD2を通して視認することが可能である。
操作部16には、スロットマシンゲームを行うのに必要な遊技メダルを投入するためのメダル投入部MDと、1ゲーム当たりのメダル数を提示するためのベットボタンBT1,BT2と、1ゲームの開始を指示するためのスタートレバーBLと、回転中のメインリールMR1,MR2,MR3を個別に停止させるためのストップボタンBP1,BP2,BP3と、前面扉11を基体12側に施錠又は解錠するための所定の鍵を挿入するための鍵穴KY等が設けられている。なお、ベットボタンBT1は1ゲーム当たりの遊技メダルの賭け枚数を1枚、ベットボタンBT2は3枚提示するために設けられており、特にベットボタンBT2は「マックスベットボタン」と呼ばれている。
そして、遊技者がゲームを行うのに必要な枚数の遊技メダルをメダル投入部MDへ投入若しくはベットボタンBT1,BT2の何れか一方をオン操作してスタートレバーBLをオン操作すると、ゲーム開始となって後述の主制御基板700においていわゆる役抽選が行われ、更にメインリール装置100のメインリールMR1,MR2,MR3がほぼ同時に所定方向へ回転動作を開始する。
引き続き遊技者がストップボタンBP1,BP2,BP3を所望の順番でストップ操作すると、それらストップボタンBP1,BP2,BP3に対応付けられているメインリールMR1,MR2,MR3がそのストップ操作された順序に従って停止制御され、メインリールMR1,MR2,MR3に描かれている所定の図柄が上述の抽選された役に相当する組み合わせで上述の有効ラインL1上に一列に揃うと入賞となって、例えば所定枚数の遊技メダルが払い出される。
また、演出表示装置200は、少なくとも、上述のスタートレバーBLがオン操作された時点から全てのメインリールMR1,MR2,MR3が停止するまでの期間において、後述のサブ制御基板300の制御の下で遊技者の視覚に訴える演出表示を行う。
下部パネル部15には、本スロットマシン10のゲーム内容を紹介等するための画像(図示略)や模様、入賞した場合の図柄の組み合わせ等が描かれた略長方形の演出用パネル15aと、演出用パネル15aの側方に設けられた演出用ランプ15b,15cと、遊技者の獲得した遊技メダルを払い出すための排出口15d及び受皿15eと、効果音を発するスピーカが裏面側に取り付けられた放音部15f,15gとが設けられている。
次に、図2を参照して、前面扉11の裏面構造と、基体12の内部構造を概説する。なお、図2は前面扉11を解錠して基体12から開いた状態を表している。同図において、前面扉11の裏面上部には、各演出用ランプ13a,13b,13c,13d,13eを構成する蛍光灯や高輝度発光ダイオード等の光源(符号略)が着脱自在に取り付けられると共に、上述の放音部13h,13gを構成するスピーカQ1,Q2が取り付けられている。
また、図2には示されていないが、これらスピーカQ1,Q2の間に第1透明窓WD1が位置しており、第1透明窓WD1側にメインリールMR1,MR2,MR3を対向させて、メインリール装置100が取り付けられている。更にメインリール装置100の裏面側には、電気回路基板で形成されたサブ制御基板300が取り付けられている。
また、詳細については後述するが、メインリール装置100には、各メインリールMR1,MR2,MR3を回転駆動するための電動モータ(ステッピングモータ)を、主制御基板700からの指令に従って制御するメインリール制御基板(以下「回胴装置基板」という)900が予め設けられている。メインリール装置100及びサブ制御基板300の下方には、第2透明窓WD2が形成された演出用パネル14aが取り付けられている。
演出用パネル14aの下方には、「中央表示基板400」と呼ばれる電気回路基板が設けられている。そして、中央表示基板400には、操作部16に設けられているベットスイッチBT1,BT2と、スタートレバーBLと、ストップボタンBP1,BP2,BP3等が電気的に配線接続され、これらスイッチBT1,BT2,BL,BP1,BP2,BP3の出力信号を主制御基板700側へ転送する。
中央表示基板400の下方には、メダル投入部MDより投入される投入物を正規の遊技メダルか異物か判別して振り分けるセレクト機構G0と、セレクト機構G0で振り分けられた遊技メダルを基体12側に設けられているホッパ装置HPへ案内するガイド部材G1と、セレクト機構G0で振り分けられた異物を排出口15dへ案内するガイド部材G2と、ホッパ装置HPから出力される払い出し用の遊技メダルを排出口15dへ案内するガイド部材G3が設けられ、更に排出口15dの近傍に、放音部15f,15gを構成するスピーカQ3,Q4が取り付けられている。
基体12内には、主電源装置PWUと、ホッパ装置HPから溢れた遊技メダルを収容するための補助貯留部SHPと、演出表示装置200が設けられている。演出表示装置200は、前面扉11が基体12側に施錠されると演出用パネル14aに形成されている第2透明窓WD2に演出表示装置200の表示面が対向することとなるように、基体12内の所定フレーム(符号略)に位置決めして取り付けられている。
主電源装置PWUの側面にはいわゆる配電盤に相当する電源装置基板500が設けられ、基体12の内壁上部には、本スロットマシン10全体を集中制御する主制御基板700が設けられ、基体12の内壁の一端には、遊技場等に設置されている「ホールコンピュータ」と呼ばれる管理用コンピュータと接続可能な外部集中端子基板800が取り付けられている。
そして、上述のサブ制御基板300、中央表示基板400、電源装置基板500、主制御基板700、外部集中端子基板800及び回胴装置基板900は、何れも導電性配線パターンの形成された絶縁性樹脂基板上に集積回路装置やトランジスタ、抵抗、コンデンサ等の電子部品が搭載されて配線接続されたいわゆる電気回路基板として形成されている。ただし、サブ制御基板300と主制御基板700は、夫々硬質プラスチックのケース等に個別に収納されたユニット構造となっている。
次に、メインリール装置100の構造を図3乃至図8を参照して説明する。なお、図3はメインリール装置100の外観構造を表した斜視図、図4及び図5はメインリール装置100の分解斜視図、図6(a)はメインリールユニットを分解して表した平面図、図6(b)はメインリールの側面図、図7はメインリールユニットの要部構造を破断して表した断面図、図8はメインリールの外周に捲装されているリールテープを表した展開図である。
図3に示すように、メインリール装置100は、3個のメインリールMR1,MR2,MR3と、これら円筒形状のメインリールMR1,MR2,MR3を収容するリールケース本体101及びリールケースカバー102と、回胴装置基板900を備えて構成されている。また、リールケースカバー102の裏面側に、収納ケース301,302内に収容されたサブ制御基板300が取り付けられている。
図4に示すように、リールケース本体101は、プラスチック成形された矩形状の筒体であり、3個のメインリールMR1,MR2,MR3の外周面を、上述の第1透明窓WD1を介して視認可能とする略長方形の開口103が形成されている。リールケースカバー102は、プラスチック成形された矩形状の籠体であり、リールケース本体101に嵌着されることにより、3個のメインリールMR1,MR2,MR3を収容している。
回胴装置基板900は、リールケースカバー102の一端に取り付けられており、各メインリールMR1,MR2,MR3を回転駆動するためのステッピングモータMM1,MM2,MM3に、主制御基板700から供給される制御信号に従ってパルス幅制御を施した電力を供給することにより、ステッピングモータMM1,MM2,MM3の回転と制動及び停止の制御を行い、ひいてはメインリールMR1,MR2,MR3の動作を制御する。
収納ケース301は、図5に示すように、リールケースカバー102に合わせた大きさに成形された板状のプラスチック部材から成り、収納ケース302は、プラスチック成形された矩形状の籠体であって、収納ケース301に嵌着されることにより、サブ制御基板300を収容している。そして、収納ケース301,302内にサブ制御基板300が収容され、リールケースカバー102の裏面側に収納ケース301が取り付けられることで、メインリール装置100の裏面側にサブ制御基板300が設けられている。
サブ制御基板300は、演出のための制御を行うマイクロプロセッサと、当該マイクロプロセッサが実行するコンピュータプログラム及び演出用データを記憶した読み出し専用メモリ(ROM)と、演出処理の実行中に生じる各種データを一時的に記憶するランダムアクセスメモリ(RAM)等を備えた電気回路が搭載されている。そして、サブ制御基板300は、図2に示す主制御基板700からの制御信号に従って、図1に示す演出用ランプ13a〜13e,14b,14c,15b,15cとスピーカQ1〜Q4を駆動することにより、遊技者の視覚及び聴覚に訴える演出を行うと共に、図1に示す演出表示装置200の表示制御を行なうことによって、演出表示装置200の表示面に遊技者の視覚に訴える演出表示を行なわせるようになっている。
再び図4において、メインリールMR1とステッピングモータMM1は、支持板MS1に組み付けられた単体の第1メインリールユニットとして構成され、メインリールMR2とステッピングモータMM2は、支持板MS2に組み付けられた単体の第2メインリールユニットとして構成され、メインリールMR3とステッピングモータMM3は、支持板MS3に組み付けられた単体の第3メインリールユニットとして構成されている。
そして、組み立て工程において、リールケース本体101の内壁に等間隔で形成されているスロットSL1,SL2,SL3に、メインリールMR1とステッピングモータMM1が組み付けられた支持板MS1と、メインリールMR2とステッピングモータMM2が組み付けられた支持板MS2と、メインリールMR3とステッピングモータMM3が組み付けられた支持板MS3とが夫々装着され、更に、支持板MS1,MS2,MS3の夫々の一端がリールケースカバー102の一端にネジ止め固定されている。
更に、これら第1〜第3のメインリールユニットは、何れも基本的に同じ大きさ及び構造を有しており、メインリールMR1とステッピングモータMM1及び支持板MS1を有する第1メインリールユニットを代表して説明すると、次のように構成されている。
まず、図6(a)及び図7に示すように、金属又は硬質プラスチックで成形された支持板MS1の板面に、ステッピングモータMM1がネジ止め等によって固定されている。支持板MS1に対して直交するステッピングモータMM1の回転軸104に、硬質プラスチックで成形されフランジ部105aを有する円筒形状の中継軸105が嵌入されると共に、硬質プラスチックで成形され突起106aを有する中継部材106が中継軸105に嵌入されている。更に、中継軸105の先端部が中継部材106を貫通し、メインリールMR1側に突出している。
一方、メインリールMR1は、全体的に硬質プラスチックで形成されており、中継軸105の先端部に組み付けられるカップ形状の基部107と、図6(b)に示すように基部107から放射状に延在する複数本のアーム部108と、アーム部108の先端部に連設された第1の円環部109と、第1の円環部109と同径の第2の円環部110と、第1の円環部109と第2の円環部110とを橋渡しする複数本の橋梁部111とを備えて形成されている。
つまり、複数本のアーム部108は何れも、基部107の中心から等しい長さで成形されており、これらのアーム部108の先端部に円形の第1の円環部109が連設されることで、第1の円環部109は基部107の中心から同心円状に設けられている。第1の円環部109に設けられている複数本の橋梁部111は、アーム部108の延在方向に対して直角の方向に向けられて、何れも等しい長さ(リールテープMTP1の幅WTとほぼ同じ長さ)で形成されており、これらの橋梁部111の先端部に、第1の円環部109と同径の第2の円環部110が成形されている。したがって、基部107から延在する複数本のアーム部108によって第1の円環部109が支持され、第1の円環部109に成形されている橋梁部111によって第2の円環部110が支持され、第1,第2の円環部109,110が互いに一定の間隔(リールテープMTP1の幅WTとほぼ同じ間隔)で対向している。
そして、第1,第2の円環部109,110の外周に、図8に示す複数の図柄が印刷された長尺状のプラスチックシートで形成されたリールテープMTP1が捲装されることにより、メインリールMR1の外周面が形成されている。
更に、回転軸104の軸中心に雌ネジ部104aが形成され、中継軸105と基部107の夫々の中心部にも、雌ネジ部104aに位置合わせされた貫通孔105b,107aが形成されており、これら貫通孔107a,105bを介して雌ネジ部104aに、雄ネジ112を螺合して締め付けることにより、ステッピングモータMM1の回転軸104に対し、中継軸105と中継部材106及び基部107が固着され、これによって、ステッピングモータMM1の駆動力を受けてメインリールMR1が回転するようになっている。
また、図示していないが、ステッピングモータMM1内には、所定の基準角度に対する回転軸104の回転角度を検出する光学式のロータリエンコーダが内蔵されており、回胴装置基板900が、当該ロータリエンコーダから出力される角度検出信号と主制御基板700から供給される制御信号とを対比しつつステッピングモータMM1を制御することにより、主制御基板700から供給される制御信号に従って、ステッピングモータMM1の回転と制動及び停止の制御を行い、ひいてはメインリールMR1の回転と制動及び停止の制御を適切に行うようになっている。
このように、メインリールMR1は、軽量なプラスチックによって形成された骨格部分にリールテープMTP1を捲装することによって円筒形状で且つ軽量化が図られており、ステッピングモータMM1に対して大きな負荷を与えないようになっている。更に、基部107を回転軸104に固着すると、メインリールMR1はステッピングモータMM1を内包するように配置されるため、回転軸104の軸方向において厚みの小さなユニット構造が実現されている。
なお、支持板MS2に組み付けられたメインリールMR2とステッピングモータMM2を有する第2メインリールユニットと、支持板MS3に組み付けられたメインリールMR3とステッピングモータMM3を有する第3メインリールユニットも、上述の第1メインリールユニットと同じ基本構造を有しており、メインリールMR2には図8に示すリールテープMTP2、メインリールMR3にはリールテープMTP3が夫々捲装されている。また、リールテープMTP2,MTP3の夫々の幅も、リールテープMTP1の幅WTと等しくなっている。
また、図8に示すように、リールテープMTP1,MTP2,MTP3には、「スイカ」と「ぶどう」と「レモン」と「桃」及び「ナス」の5種類の図柄を組み合わせて、夫々13個ずつ描かれている。
次に、演出表示装置200について説明する。演出表示装置200は、図9(a)に示すように、透明なガラス板やプラスチック板等で形成された略長方形状の表示面1aを一体的に取り付けた矩形状のフロントパネル1bと、フロントパネル1bの裏側に固定される箱形形状の筐体1cとを有する。筐体1cの四隅の角部には外側へ突出したブラケットbkが形成され、ブラケットbkには演出表示装置200をフロントドアFDにネジ止め固定するための貫通孔1dが形成されている。
フロントパネル1bの後方位置には、図10に示すように、後側から前側に順に位置して透過型カラー液晶ディバイスを構成する第1表示部3及び第2表示部4が前後方向に所定の間隔を有して対向配置されている。第1表示部3の裏面にはいわゆるバックライトと呼ばれる照明部2が固定されている。第1表示部3の後方位置にはプラスチック成形された矩形状の支持体1fが配置される。支持体1fはフロントパネル1bの裏面にネジ等によって固定されて、支持体1f及びフロントパネル1b間に照明部2、第1表示部3及び第2表示部4が挟持されている。表示面1aと第2表示部4及び第1表示部3は略同じ大きさであり、表示面1aの表示領域は図1に示すメインリール装置100の表示領域となる第1透明窓WD1の面積よりも大きい。このため、第1透明窓WD1を介して表示面1aの視認が可能である。なお、第1表示部3及び第2表示部4は、透過型液晶ディバイスに限るものではなく、透過型の有機ELディスプレイでもよい。また、演出表示装置200は、表示部を2個有して構成されるものに限定されるものではなく、1個又は3個以上を有して構成されてもよい。
支持体1fの裏面には照明部2、第1表示部3及び第2表示部4の作動を制御する表示制御基板600が取り付けられている。なお、表示制御基板600は、前述した図2に示すサブ制御基板300の一部を構成する。表示制御基板600の端部には放熱用のファン1gが取り付けられ、フロントパネル1b及び筐体1cが組み付けられると、第1表示部3、第2表示部4、照明部2及び表示制御基板600を内蔵した図9(b)に示す演出表示装置200が完成する。
この演出表示装置200は、表示制御基板600により第1表示部3及び第2表示部4の液晶が制御されて、例えば、照明部2から出射される照明光が変調された映像を表示面1aに表示したり、第1表示部3及び第2表示部4に表示される映像のコントラストや明度等を変化させて様々な態様の映像を表示したりする。また演出表示装置200は、表示制御基板600により後方に位置する第1表示部3に光透過率を下げた映像を表示し、前方に位置する第2表示部4に第1表示部3の光透過率よりも高い透過率の映像を表示して、第1表示部3の映像が後方に位置し且つ第2表示部4の映像が前方に位置するような、遠近感を有する多重映像を表示する。さらに演出表示装置200は、表示制御基板600により第1表示部3及び第2表示部4に共に同じ絵柄等を有する映像を表示し、第1表示部3に表示される絵柄等の光透過率と、第2表示部4に表示される絵柄等の光透過率とを画素単位で調整して、その絵柄等を立体的に表示する。
さらに、演出表示装置200は、表示制御基板600によりキャラクタ等のオブジェクト映像の大きさを変えながら前後方向に移動するような表示をする。例えば、図11(a)に示すように、背景映像と「ダチョウ」が「ゾウ」に追いかけられている映像を図10に示す第1表示部3に表示させ、「ダチョウ」の映像が次第に大きくなるように表示させ、「ダチョウ」の映像の表示面積が所定の大きさになると、図11(b)に示すように、「ダチョウ」の映像を第1表示部3から削除してこの映像を第2表示部4に表示させて、「ダチョウ」を背景映像及び「ゾウ」に対して手前に表示させる。そして、図11(c)に示すように、第1表示部3に「ゾウ」が「ダチョウ」を突き飛ばす動作を表示させて、第2表示部4に表示されている「ダチョウ」を更に手前に迫ってくるように表示させる。
このようなキャラクタ等のオブジェクト映像の大きさが変化しながら前後方向に移動するように、第1表示部3及び第2表示部4に表示される映像を制御することで、奥行き感が強調された動作映像を表示することができる。
次に、図12のブロック図を参照して、本スロットマシン10に設けられている制御システムについて説明する。なお、図2には説明の便宜上示されていないが、主制御基板700には、回胴装置基板900と、サブ制御基板300、中央表示基板400、電源装置基板500及び外部集中端子基板800が夫々配線ケーブルによって配線接続されている。
主制御基板700は、図12に示すように、半導体メモリROMと、マイクロプロセッサMPUが搭載されており、当該マイクロプロセッサMPUが、半導体メモリROMに予め記憶されているシステムプログラムとスロットマシンゲーム用のプログラムを実行し、各基板900,300,400,500,800に所定の指令を行って夫々に分散制御を行わせることにより、本スロットマシン10全体を集中制御する。
回胴装置基板900には、メインリールMR1,MR2,MR3を回転駆動するステッピングモータMM1,MM2,MM3が接続されている。そして、主制御基板700からメインリールMR1,MR2,MR3を回転又は停止させるべき旨の制御信号が供給されると、回胴装置基板900はステッピングモータMM1,MM2,MM3への電力供給を制御し、メインリールMR1,MR2,MR3の動作を制御する。つまり、回胴装置基板900は、主制御基板700から回転開始を示唆する制御信号が供給されると、ステッピングモータMM1,MM2,MM3を起動させ、メインリールMR1,MR2,MR3を80rpm以下の定速度で回転させるとともに、ストップ操作された時点からメインリールMR1,MR2,MR3が停止するまでのメインリールMR1,MR2,MR3の動作が遊技者に対し違和感を与えないように、ストップ操作された時点の図柄を含めて夫々の停止時間τの間に、図柄を最大で3コマ分ずらしてから停止させるようにステッピングモータMM1,MM2,MM3の作動を制御する。
また、回胴装置基板900は、主制御基板700からメインリールMR1を停止させるべき制御信号が供給されると、ステッピングモータMM1を制動制御し、停止時間τ内すなわち190msec内にメインリールMR1を停止させる。また、有効ラインL1上に停止させるべき図柄が指定されて制御信号が供給されると、回胴装置基板900は、停止時間τ内にメインリールMR1を制御コマ数Nz分回転させ、指定された図柄が有効ラインL1上に揃うとメインリールMR1を停止させる。
また、主制御基板700からメインリールMR2を停止させるべき制御信号が供給されると、ステッピングモータMM2を制動制御し、停止時間τ内にメインリールMR1を停止させる。また、有効ラインL1上に停止させるべき図柄が指定されて制御信号が供給されると、停止時間τ内にメインリールMR2を制御コマ数Nz分回転させ、指定された図柄が有効ラインL1上に揃うとメインリールMR2を停止させる。
また、主制御基板700からメインリールMR3を停止させるべき制御信号が供給されると、ステッピングモータMM3を制動制御し、停止時間τ内にメインリールMR3を停止させる。また、有効ラインL1上に停止させるべき図柄が指定されて制御信号が供給されると、停止時間τ内にメインリールMR3を制御コマ数Nz分回転させ、指定された図柄が有効ラインL1上に揃うとメインリールMR3を停止させる。
サブ制御基板300は、演出用ランプ13a〜13e,14b,14c,15b,15cとスピーカQ1〜Q4が接続され、主制御基板700から演出開始を示唆する制御信号が供給されると、これら演出用ランプ13a〜13e,14b,14c,15b,15cとスピーカQ1〜Q4を駆動することによって、遊技者の視覚と聴覚に訴える演出を行う。また、主制御基板700からは抽選した役が指令され、サブ制御基板300は、その指令された役に相当する演出を演出用ランプ13a〜13e,14b,14c,15b,15cとスピーカQ1〜Q4によって行うことにより、遊技者に興味を与える効果的な演出を行うようになっている。
更にサブ制御基板300は、主制御基板700から上述の演出開始を示唆する制御信号が供給されると、表示制御基板600を介して、第1表示部3、第2表示部4及び照明部2の作動を制御して表示面1aに演出表示を行わせる。また、主制御基板700から抽選した役が指令されると、サブ制御基板300は表示制御基板600を介して、表示面1aにその指令された役に相当する演出表示を行わせる。
中央表示基板400は、ベットボタンBT1,BT2と、スタートレバーBL及びストップボタンBP1,BP2,BP3が接続され、これらスイッチBT1,BT2,BL,BP1,BP2,BP3から出力される出力信号を主制御基板700へ転送する中継基板として機能する。また、中央表示基板400は、セレクト機構G0に設けられている遊技メダル検出センサから出力される出力信号を主制御基板700へ転送し、メダル投入部MDに投入されたメダル枚数を知らせると共に、異物の投入や目詰まりの発生等を知らせる。
そして、主制御基板700は、ベットボタンBT1,BT2がオン操作されると、1ゲーム当たりの賭け枚数を検知し、スタートレバーBLがオン操作されると、ゲーム開始の指示がなされたことを検知し、ストップボタンBP1,BP2,BP3が任意の順番でストップ操作されると、その順番でメインリールMR1,MR2,MR3を停止させるべき指示がなされたことを検知する。ここで、主制御基板700が上述のスタートレバーBLがオン操作されたことを検知すると、役抽選を行った後、上述のメインリールMR1,MR2,MR3を回転させるべく回胴装置基板900に指令すると共に、サブ制御基板300に指令して、演出用ランプ13a〜13e,14b,14c,15b,15cとスピーカQ1〜Q4及び演出表示装置200による演出を行わせる。
また、ストップボタンBP1,BP2,BP3が任意の順番でストップ操作されると、主制御基板700は、メインリールMR1,MR2,MR3をストップ操作の順番で停止させ、且つ、上述したように抽選した役に相当する図柄を有効ラインL1上に揃えるべく回胴装置基板900に指令する。また、主制御基板700は、サブ制御基板300に指令して、各ストップボタンBP1,BP2,BP3がストップ操作される毎に、演出用ランプ13a〜13e,14b,14c,15b,15cとスピーカQ1〜Q4及び演出表示装置200による演出を様々に変化させることにより、ゲームの進行状況等を遊技者に告知する。
電源装置基板500は、電源装置PWUで発生される各種電源電圧をホッパ装置HPその他の各所に配電する配電回路が形成されており、かかる配電回路からスロットマシン100の動作に必要なシステム電源を供給する。また、電源装置基板500は、主制御基板700から遊技メダルの払い出しをすべき旨の指令を受けると、ホッパ装置HPを制御して遊技メダルの払い出しを行わせる。
外部集中端子基板800は、主制御基板700から出力される本スロットマシン10におけるゲームの進行状況等を示す信号を、上述のホールコンピュータへ送出する。
次に、本スロットマシン10の動作を、図13を参照して説明する。なお、図13(a)は、本スロットマシン10に備えられている役の種類と、各役に相当する図柄の組合せと、各役に入賞した際に払い出される遊技メダルの枚数等を関連付けて表した図、図13(b)は、役抽選の原理を表した模式図である。図13(a)において、本スロットマシン10には、シングルボーナス(SB)と呼ばれる特別役と、リプレイと呼ばれる再遊技役と、2つの小役すなわち小役〈1〉と小役〈2〉とが備えられている。
シングルボーナス(SB)は、遊技者がベットボタンBT1(又はBT2)とスタートレバーBLとストップボタンBP1,BP2,BP3を操作して1ゲームを行った結果、図8に示したメインリールMR1,MR2,MR3の外周面に描かれている各図柄が、「スイカ」-「桃」-「桃」の組み合わせで第1透明窓WD1の有効ラインL1(図1参照)上に揃って停止すると、遊技者に対し13枚(つまり、賭け枚数の13倍)の遊技メダルを払い出し、更に遊技者にとって有利にゲームを進行させる得る特典を提供する役である。
リプレイは、遊技者がベットボタンBT1(又はBT2)とスタートレバーBLとストップボタンBP1,BP2,BP3を操作して1ゲームを行った結果、図8に示したメインリールMR1,MR2,MR3の外周面に描かれている各図柄が、「ぶどう」-「ぶどう」-「桃」の組み合わせで第1透明窓WD1の有効ラインL1上に揃って停止すると、遊技メダルの支払いを行わないが、遊技者にとって賭け枚数の提示を行うことなく、もう1度ゲームを行う特典を与える役である。
小役〈1〉は、遊技者がベットボタンBT1(又はBT2)とスタートレバーBLとストップボタンBP1,BP2,BP3を操作して1ゲームを行った結果、図8に示したメインリールMR1,MR2,MR3の外周面に描かれている各図柄が、「スイカ」-「ぶどう」-「レモン」の組み合わせで第1透明窓WD1の有効ラインL1上に揃って停止すると、13枚(つまり、賭け枚数の13倍)の遊技メダルの支払いを行う役である。
小役〈2〉は、遊技者がベットボタンBT1(又はBT2)とスタートレバーBLとストップボタンBP1,BP2,BP3を操作して1ゲームを行った結果、図8に示したメインリールMR1の外周面に描かれている「桃」の図柄が第1透明窓WD1の有効ラインL1上に揃って停止すると、3枚(つまり、賭け枚数の3倍)の遊技メダルの支払いを行う役である。つまり、小役〈2〉は、メインリールMR1の「桃」の図柄が第1透明窓WD1の有効ラインL1上に揃うだけで入賞となり、残余のメインリールMR2,MR3の図柄は何であっても、3枚(賭け枚数の3倍)の遊技メダルの支払いを行う役である。
遊技者がベットボタンBT1(又はBT2)をオン操作して1ゲーム当たりの賭け枚数を提示して、スタートレバーBLをオン操作すると、主制御基板700が1ゲームの制御を開始して役抽選を行う。この役抽選の際には、まず主制御基板700中のマイクロプロセッサMPUが乱数演算を行うことによって、最小の乱数値0から最大の乱数値ηmax(本実施形態では、65535)の範囲内の1つの乱数値ηiを内部発生する。
そして、図13(b)に示すように、シングルボーナス(SB)とリプレイと小役〈1〉と小役〈2〉が最小の乱数値0から最大の乱数値ηmax内の所定の乱数値の範囲に対応付けて予め割り当てられており、マイクロプロセッサMPUは、上述の内部発生した乱数値ηiと予め割り当てられている夫々の乱数値の範囲とを対比して一致性を判定することにより、シングルボーナス(SB)とリプレイと小役〈1〉と小役〈2〉の何れか1つの役を抽選する。また、上述の内部発生した乱数値ηiが、シングルボーナス(SB)とリプレイと小役〈1〉と小役〈2〉の何れの乱数値にも該当しない場合には、マイクロプロセッサMPUは、ハズレを抽選する。
例えば、マイクロプロセッサMPUは、内部発生した乱数値ηiが図12(b)に示す0≦ηi<η1の関係を満足すると小役〈2〉を抽選し、η1≦ηi<η2の関係を満足すると小役〈1〉を抽選し、η2≦ηi<η3の関係を満足するとリプレイ(再遊技役)を抽選し、η3≦ηi<η4の関係を満足するとシングルボーナス(SB)を抽選し、η4≦ηi<ηmaxの関係を満足すると、その他の役又はハズレを抽選する。
そして、ハズレに該当する乱数値の範囲が最も大きく、次に小役〈2〉、小役〈1〉、リプレイ(再遊技役)、シングルボーナス(SB)の順で次第に乱数値の範囲が小さくなっていくように予め決められることにより、ハズレの抽選確率が最も高く、シングルボーナス(SB)の抽選確率が最も小さくなっている。
更に主制御基板700は、図12に示すように、役抽選を行う他、回胴装置基板900に指令してメインリールMR1,MR2,MR3を80rpm以下の所定速度で回転させ、更にサブ制御基板300に指令して、演出表示装置200により表示面1aに演出表示を行なわせると共に、演出用ランプ13a〜13e,14b,14c,15b,15cとスピーカQ1〜Q4を駆動させることによって、視覚と聴覚に訴える演出を開始する。
次に、遊技者がストップボタンBP1,BP2,BP3を任意の順番でストップ操作すると、主制御基板700は、回胴装置基板900に指令してメインリールMR1,MR2,MR3を上述のストップ操作された順番で停止させ、更にサブ制御基板300に指令して、演出表示装置200により表示面1aに演出表示を行なわせると共に、演出用ランプ13a〜13e,14b,14c,15b,15cの点灯及び点滅動作とスピーカQ1〜Q4の効果音も変化させることによって、遊技者のストップ操作に対応した視覚と聴覚に訴える演出を行う。
ここで、主制御基板700が上述の役抽選においてシングルボーナス(SB)を抽選していた場合には、回胴装置基板900は、各メインリールMR1,MR2,MR3の外周面に描かれている図柄を「スイカ」-「桃」-「桃」の組み合わせで第1透明窓WD1の有効ラインL1上に揃えるべく、ストップ操作された順番でステッピングモータMM1,MM2,MM3を制動制御して、夫々を停止時間τ(すなわち、190msec)以内に停止させる。つまり、回胴装置基板900は、停止時間τ以内に、制御コマ数Nzの条件を満足しつつ、各メインリールMR1,MR2,MR3の外周面に描かれている図柄を「スイカ」-「桃」-「桃」の組み合わせで有効ラインL1上に揃えて停止させるための制御を行う。
ここで、メインリールMR1が回転中であって、例えば図8に示したリールテープMTP1の一番下に描かれている「ぶどう」の図柄(符号t1で示す図柄)が第1透明窓WD1の有効ラインL1上に位置したときに、遊技者がストップボタンBP1をストップ操作したとすると、回胴装置基板900は、制御コマ数Nzが3個(Nz≦3)に設定されているので、メインリールMR1を最大で3コマ分回転させ、その回転中にメインリールMR1の「スイカ」の図柄が有効ラインL1上に位置すると、その時点でステッピングモータMM1及びメインリールMR1を停止させる。つまり、図8中の符号t2で示されている「スイカ」の図柄が有効ラインL1上に位置すると、その時点でステッピングモータMM1及びメインリールMR1を停止させることにより、抽選されている役に相当する「スイカ」の図柄を的確に有効ラインL1上に停止させる。
また、メインリールMR1が回転中であって、例えば図8中の符号t2で示す「スイカ」の図柄が第1透明窓WD1の有効ラインL1上に位置したときに、遊技者がストップボタンBP1をストップ操作したとすると、回胴装置基板900は、そのストップ操作された時点t2においてメインリールMR1を停止させる。また、符号t2で示す「スイカ」の図柄が第1透明窓WD1の有効ラインL1上から殆ど離脱しているような場合には、制御コマ数Nzが3個(Nz≦3)に設定されているので、メインリールMR1を最大で3コマ分回転させて、符号t3で示されている「スイカ」の図柄が有効ラインL1上に位置する時点でステッピングモータMM1及びメインリールMR1を停止させることにより、抽選されている役に相当する「スイカ」の図柄を的確に有効ラインL1上に停止させる。
以下同様に、回胴装置基板900は、制御コマ数Nzが3個(Nz≦3)に設定されているので、ストップ操作された時点からメインリールMR1を最大で3コマ分回転させ、その回転中にメインリールMR1の「スイカ」の図柄が有効ラインL1上に位置すると、その時点でステッピングモータMM1及びメインリールMR1を停止させることにより、ほぼ確実に、抽選されたシングルボーナス(SB)役に相当する「スイカ」の図柄を有効ラインL1上に位置させて、ステッピングモータMM1及びメインリールMR1を停止させる。
更に、他の小役〈1〉と小役〈2〉とリプレイ(再遊技)の何れかが抽選されていた場合でも、回胴装置基板900は、シングルボーナス(SB)役の場合と同様に、制御コマ数Nzと停止時間τの条件を満足しつつステッピングモータMM1を制動制御することにより、ほぼ確実に、それらの役に相当する図柄(抽選された役が小役〈1〉の場合には「スイカ」、小役〈2〉の場合には「桃」、リプレイの場合には「ぶどう」)を有効ラインL1上に位置させて、ステッピングモータMM1及びメインリールMR1を停止させる。
また、回胴装置基板900は、ストップボタンBP2,BP3がストップ操作された場合にも、上述のストップボタンBP1がストップ操作された場合と同様に、制御コマ数Nzと停止時間τの条件を満足しつつ、ステッピングモータMM2,MM3を制動制御することにより、ほぼ確実に、抽選された役に相当する図柄を有効ラインL1上に位置させて、ステッピングモータMM2,MM3及びメインリールMR2,MR3を停止させる。
そして、主制御基板700は、メインリールMR1,MR2,MR3の3個の図柄が、図13(a)に示す抽選した役に相当する組み合わせで有効ラインL1上に揃って止まると、入賞が確定したと判断して、電源装置基板500に指令して所定枚数の遊技メダルの払い出し等を行わせる。
また、主制御基板700は、サブ制御基板300に指令して、入賞の確定を告知するための演出を行わせた後、1ゲーム分の制御を完了して、遊技者が次のゲームを開始するまで待機する。そして、スタートレバーBL等がオン操作されると、次のゲームの進行を制御する。
このように本実施形態のスロットマシン10によれば、演出表示装置200はその表示領域がメインリール装置のそれよりも広いので、演出表示装置200の視認性が向上して、演出表示装置200は視覚効果の高い演出表示を行なうことができる。その結果、遊技者をより楽しませることができる。また、演出表示装置200は、透過型カラー液晶ディバイスを構成する第1表示部3及び第2表示部4を有して構成されているので、表示面1aに表示される演出表示の内容を多様にすることができ、遊技者に遊技をより楽しませることができる。また、第1表示部3及び第2表示部4は液晶ディバイスであるので、表示部3,4の厚さ方向の寸法を小さくすることができ、限られた大きさのスロットマシン10の内部に余ったスペースを形成して、スロットマシン10の設計の自由度を向上させることができる。
また、演出を行うために備えられている上部パネル部13と中部パネル部14のうち、上部パネル部13側に小型のメインリール装置100が設けられ、遊技者の視界に入りやすい中部パネル部14側に演出表示装置200が設けられているので、遊技者の視覚に訴える演出表示を効果的に行うことができる。
また、メインリール装置100は小型であるので、上部パネル部13と中部パネル部14とから成る前面パネル部におけるメインリール装置100の占有領域を小さくすることができる。このため、演出表示装置200の表示面1aを設けるための領域(演出に係る領域)を相対的に拡大することができ、遊技者により遊技を楽しんでもらうためのスロットマシン10を提供することが可能となっている。つまり、図1に示したように、一般的な周知のスロットマシンと同程度の横幅WAAと縦幅TAAに決められている上部パネル部13と中部パネル部14とから成る前面パネル部において、メインリール装置100の占有領域が極めて小さいので、演出に係る領域を相対的に大きくすることが可能である。
このため、図14に示すように、小型のメインリール装置100を中部パネル部14の下部に設け、メインリール装置100よりも上方の中部パネル部14の空いたスペースに、例えば大型のサブリール200等の演出表示装置を収容するし、上部パネル部13に前述した透過型カラー液晶ディバイスを構成する第1表示部3及び第2表示部4を有してなる演出表示装置200を設けてもよい。つまり、メインリール装置100の上方位置に演出表示装置200を設ける。このように、小型のメインリール装置100の上方位置に演出表示装置200と大型のサブリール250を設けることで、遊技者がメインリール装置100を見ている場合において、遊技者は視線を上方へずらすだけで演出表示装置200及び大型のサブリール250を見ることができる。従って、メインリール装置100により抽選される役の遊技結果を見た後に、映像表示装置200の遊技を楽しませる演出映像や大型のサブリール250の表示を見ることで、遊技をより効果的に楽しむことができる。
なお、大型のサブリール250は、演出用パネル14aの中央部に一体成形されている略長方形の透明な窓(以下「第2透明窓」という)WD2を介して中部パネル部14の裏面側に配設される。サブリール250は、図15に示すように、上述のメインリールMR1,MR2,MR3よりも大型の回転リール(以下「サブリール」という)SR1,SR2,SR3を備えて構成され、ゲームの進行等に伴ってこれらのサブリールSR1,SR2,SR3が制御され、適宜の速度で正回転又は逆転したり停止等したりすることによって、遊技者の視覚に訴える演出表示を行う。
また、サブリールSR1,SR2,SR3の夫々の外周面には、周方向に沿って図16に示す所定個数及び所定の大きさの図柄が描かれている。透明なプラスチック板等で成形されている第2透明窓WD2は、図14に示すように、各サブリールSR1,SR2,SR3に描かれている図柄を3列分ずつ視認可能とする大きさに設計されている。このため例えば、サブリールSR1,SR2,SR3が停止すると、遊技者は、同図中に示されている5本の2点鎖線(仮想線)L2に沿って横又は斜めに並んだ合計9個の図柄を、第2透明窓WD2を介して目視できるようになっている。
また、本実施形態では、図1に示したように、各メインリールMR1,MR2,MR3に描かれている図柄を1個ずつ(別言すれば、1列分)目視できるように、第1透明窓WD1の縦幅が1図柄の縦幅とほぼ同程度に設計されているが、各メインリールMR1,MR2,MR3に描かれている図柄を2個ずつ(別言すれば、2列分)目視できるように、第1透明窓WD1の縦幅を決めてもよい。そして、図1では有効ラインL1が1本であるが、横2列に並ぶ図柄の間隔(ピッチ間隔)PPに合わせて、2本の有効ラインを設けるようにしてもよい。
また、メインリール装置100は、メインリールMR1,MR2,MR3とステッピングモータMM1,MM2,MM3を含めて全体的に小型であるため、図1に示したように、前面扉11の裏面側に取り付けることができ、従来の大型のメインリールのように基体12内に収容する必要がない。このことは、限られた容積に決められているスロットマシン10内に、メインリール装置100を自在に設けることが可能となることを意味することから、設計の自由度を向上させると共に、組み立て工程の簡素化、スロットマシン100の内部構造の簡素化及び合理化等を実現することができる。