本発明の実施の形態に係る回胴式遊技機(以下、「スロットマシン1」という)の構成について、以下図面を参照しながら説明する。まず、図1〜図3を参照して、スロットマシン1の外観上の構造について説明する。図1は、スロットマシン1の外観を示す斜視図である。図2は、メインリール表示部5及びサブリール表示部10を拡大した図である。また、図3は、メインリール表示部5を拡大した図である。
スロットマシン1には、後述の主制御回路71などを収容するキャビネット1aとキャビネット1aに対して開閉可能に取り付けられるフロントドア1bとが設けられている。フロントドア1bの正面中央にはメインリール表示部5が設けられている。メインリール表示部5の後方であり、キャビネット1aの内部(図示せず)には、3つのリール3L,3C,3Rが横一列に設けられている。
3つのリール3L,3C,3Rは、円筒状の構造を有しており、後述のステッピングモータ49L,49C,49Rの駆動によって、上から下に向かう縦方向に回転及びその停止を行う。また、リール3L,3C,3Rの周面には、複数種類の図柄が所定の間隔をもって連続的に配されている。
メインリール表示部5は、リール3L,3C,3Rのそれぞれに対応する位置に縦長矩形の開口部4L,4C,4R(以下、メイン表示窓4L,4C,4R)を有する。これらメイン表示窓4L,4C,4Rには、ガラスやプラスチックといった無色透明の透過性を有する部材が保護部材として設けられている。そして、これら各メイン表示窓4L,4C,4Rを透して、その背後に設けられている各リール3L,3C,3Rの回転及びその停止の動作が遊技者側から視認可能となっている。
また、3つのメイン表示窓4L,4C,4Rのそれぞれは、対応するリールの回転が停止したときに、その窓枠内における上段、中段及び下段の各領域に1個の図柄が表示されることによって、対応するリールの表面に配された複数の図柄のうち3個の図柄が表示される大きさを有する。
そして、図3に示すように、メイン表示窓4L,4C,4Rには、それぞれが有する上段、中段及び下段からなる3つの領域のうち予め定められた何れかをそれぞれ結んでなる擬似的なラインが形成され、このライン(以下、入賞判定ライン)に沿って表示された図柄の組合せに基づいて入賞か否かが判定される。
本実施の形態における入賞判定ラインの種類としては、図3に示すように、第1ライン8a、第2ライン8b、第3ライン8c、第4ライン8d、第5ライン8e、第6ライン8f、第7ライン8g及び第8ライン8hからなる8種が設けられている。例えば、第1ライン8aは、各メイン表示窓4L,4C,4Rの上段を組み合わせてなり、第2ライン8bは、左メイン表示窓4Lの上段、中メイン表示窓4Cの下段及び右メイン表示窓4Rの上段を組み合わせてなる。
一方、フロントドア1bの正面にあってメインリール表示部5の上方には、サブリール表示部10が設けられている。図2に示すように、サブリール表示部10の後方であり、キャビネット1aの内部には、上記リール3L,3C,3Rよりも大きい3つのリール23L,23C,23R(以下、サブリール23L,23C,23R)が横一列に設けられている。
サブリール23L,23C,23Rは、円筒状の構造を有しており、後述のステッピングモータ149L,149C,149Rの駆動によって、基本的に上から下に向かう縦方向に回転及びその停止を行う。また、サブリール23L,23C,23Rの周面には、複数種類の図柄が所定の間隔をもって連続的に配されている。後述するが、サブリール23L,23C,23Rは、リール3L,3C,3Rと比べて、その周面に配されている図柄の数が多い。
サブリール表示部10は、3つのサブリール23L,23C,23Rのそれぞれに対応する位置に、縦長矩形の開口部24L,24C,24R(以下、サブ表示窓24L,24C,24R)を有している。また、3つのサブ表示窓24L,24C,24Rのそれぞれは、対応するサブリールの回転が停止したときに、その窓枠内における上段、中段及び下段の各領域に1個の図柄が表示されることによって、対応するサブリールの表面に配された複数の図柄のうち3個の図柄が表示される大きさを有する。
尚、メイン表示窓4L,4C,4R及びサブ表示窓24L,24C,24Rは、必ずしも対応する3つのリールのそれぞれに一対一で対応する構成である必要はなく、例えば表示窓を1つにして(つまり、仕切りをなくして)3つの各リール3L,3C,3Rの表面に配された図柄を表示する構成を採用しても良い。
詳しくは追って説明するが、本実施の形態において、リール3L,3C,3Rの回転及びその停止といった動作は、後述の内部的な抽籤の結果を適正に反映して行うものであって、メダルの払い出しなどの入賞の有無を決定するために行われるものである。これに対して、サブリール23L,23C,23Rの回転及びその停止といった動作は、入賞の有無を決定することとは無関係に行われ、上記リール3L,3C,3Rによって入賞が決定されたことを遊技者に分かりやすい態様で知らせるなど、主として演出を目的として行われるものである。また、基本的に、サブリール3L,3C,3Rの回転及びその停止といった動作は、リール3L,3C,3Rの回転及びその停止といった動作に連動して行われる。
上記サブ表示窓24L,24C,24Rには、ガラスやプラスチックといった無色透明の透過性を有する部材が保護部材として設けられている。そして、サブ表示窓24L,24C,24Rの裏側(キャビネット1aの内部側)には、上記保護部材として採用するガラス等よりも光透過率が低く設定されている合成樹脂性のカラーフィルム(以下、スモークフィルムという)が貼付されている(図示を省略)。
また、各サブリール23L,23C,23Rの内部には、各サブ表示窓24L,24C,24Rの上段、中段及び下段の各領域に対応する位置に、バックランプが設けられている(図示を省略)。バックランプとしては、LED(発光ダイオード)やハロゲンランプといった輝度が高い発光素子を光源として採用することが好ましい。バックランプは、各サブ表示窓24L,24C,24Rの上段、中段及び下段の各領域に位置する各サブリール23L,23C,23Rの周面の一部を内部から前方に向かって照明することが可能となっている。
上記のような構成によれば、バックランプが消灯されているとき、スモークフィルムの存在によって、各サブ表示窓24L,24C,24Rを透して、その背後に設けられている各サブリール23L,23C,23Rの回転及びその停止の動作が遊技者側から視認不能となる。これに対して、バックランプが点灯されたとき、スモークフィルムを透過する光量が増加することによって、各サブ表示窓24L,24C,24Rを通して、その背後に設けられている各サブリール23L,23C,23Rの回転及びその停止の動作が遊技者側から視認可能となる。また、本実施の形態では、サブリールの種別ごとに、また、各サブ表示窓が有する領域の種別ごとに、バックランプの点灯及び消灯を行うことによって、部分的に視認不能な状態及び視認可能な状態をつくりだすことが可能となっている。
尚、本実施の形態では、サブ表示窓24L,24C,24Rにガラスやプラスチックといった透過性を有する部材を保護部材として設け、その裏側に、スモークフィルムを貼付することとしているが、本発明はこれに限らず、上記保護部材そのものを、無色透明のガラス等よりも光透過率が低く設定されているガラス等(スモークガラス等)により構成するようにしても良い。また、例えば、液晶表示パネルを採用し、電圧の印加を調整することによって、視認可能な状態及び視認不能な状態を制御するようにしても良い。
図2に示すように、サブ表示窓24L,24C,24Rには、それぞれが有する上段、中段及び下段からなる3つの領域のうち予め定められた何れかをそれぞれ結んでなる擬似的なラインが形成され、このライン(以下、演出用ライン)に沿って表示された図柄の組合せによって、入賞が成立したことやその種別などを遊技者に知らせる演出が行われる。演出用ラインとしては、クロスアップライン28a、トップライン28b、センターライン28c、ボトムライン28d及びクロスダウンライン28eの5つが設けられている。例えば、トップライン28bは、各サブ表示窓24L,24C,24Rの上段を組み合わせてなる。
図1に示すように、サブリール表示部10の上方であって、キャビネット1aの内部には1つのリール110(以下、4thリール110)が設けられている。4thリール110は、円筒状の構造を有しており、後述のステッピングモータ249の駆動によって、基本的に左から右に向かう横方向に回転及びその停止を行う。尚、4thリール110の回転及びその停止といった動作は、前述のサブリール23L,23C,23Rの動作と同様に、主として演出を目的として行われる。
そして、このサブリール表示部10の上方であって、4thリール110に対応する位置には、1つの開口部112(以下、4th表示窓112)が形成されている。この4th表示窓112には、ガラス等の無色透明の透過性を有する部材が保護部材として設けられている。そして、この4th表示窓112を透して、その背後に設けられている4thリール110の回転及びその停止の動作が遊技者側から視認可能となっている。
メインリール表示部5の右側には、遊技者の手によって外部から投下されるメダルを受け入れるためのメダル投入口22が設けられている。基本的に、メダル投入口22に1枚のメダルが入れられると、今回の遊技において投入されるメダルの枚数(以下、投入枚数)として1枚がカウントされる。そして、投入枚数が最大枚数(本実施の形態では3枚又は2枚)に達した以降においてメダル投入口22に投下されたメダルは、予め定められた枚数(本実施の形態では50枚)を上限として、スロットマシン1内に預けることが可能となっている(いわゆるクレジット機能)。
リールユニット10の左側には、上記のようにスロットマシン1内に預けられたメダルの中から、投入する枚数を決定するための1ベットボタン11及び最大ベットボタン13が設けられている。各ベットボタンが押されると、ベットボタンの種類に応じた値が投入枚数としてカウントされる(即ち、1ベットボタン11であれば1枚であり、最大ベットボタン13であれば3枚)。
サブリール表示部10の左側には、7セグメントLEDから成る7セグ表示器18が設けられている。7セグ表示器18は、入賞に係る図柄の組合せが前述の入賞判定ライン8a〜8hに沿って表示されたときに遊技者に対して払い出されるメダルの枚数(以下、払出枚数)や、スロットマシン1内に預けられている遊技者所有のメダルの枚数(以下、「クレジット枚数」という)などをデジタル表示する。
1ベットボタン11の下方には、スロットマシン1内に預けられているメダルを、正面下部に設けられたメダル払出口15から排出させるための精算ボタン14が設けられている。メダル払出口15から排出されたメダルはメダル受け部16に集められる。
また、リール3L,3C,3Rの下方には、3つのリール3L,3C,3Rすべての回転を開始するためのスタートレバー6が設けられている。また、スタートレバー6の右側には、3つのリール3L,3C,3Rのそれぞれに対応して設けられ、該当するリールの回転を停止させるためのストップボタン7L,7C,7Rが設けられている。例えば、左ストップボタン7Lが押されると、左リール3Lの回転が停止される。
以下では、3つのリールのすべてが回転しているときにおいて各ストップボタンの何れか1つが遊技者により押されるときを「第1停止操作」或いは「第1停止」という。また、これに続き、3つのリールのうち残り2つが回転しているときにおいてこれらに対応する各ストップボタンの何れか1つが遊技者により押されるときを「第2停止操作」或いは「第2停止」という。さらにまた、続いて、3つのリールのうち残り1つが回転しているときにおいてこれに対応するストップボタンが遊技者により押されるときを「第3停止操作」或いは「第3停止」という。
フロントドア1bの上部には、LEDからなるランプ101L,101Rが設けられている。また、フロントドア1bの下部には、スピーカ21L,21Rが設けられている。本実施の形態のスロットマシン1では、前述のサブリール23L,23C,23Rにより行われる動作、4thリール110により行われる動作、ランプ101L,101Rにより行われる光の出力、スピーカ21L,21Rにより行われる音の出力、或いはこれらの組合せによって演出を行う。
次に、図4を参照して、スロットマシン1の各リール3L,3C,3Rの表面に配されている図柄の配列について説明する。
各リール3L,3C,3Rの表面には複数種類の図柄がその回転方向に連続して配されている。より具体的には、各リール3L,3C,3Rの表面には、回転方向において18分割された各位置(後述のRAM33に設けられる図柄カウンタにより特定される位置であり、図柄位置「0」〜「17」)に対して、赤7(図柄p1)、青7(図柄p2)、オレンジ(図柄p3)、スイカ(図柄p4)、プラム(図柄p5)、赤チェリー(図柄p6)、青チェリー(図柄p7)、ベル(図柄p8)、星(図柄p9)及び月(図柄p10)の何れかが配されることによって、計18個の図柄が配されている。
尚、各リール3L,3C,3Rは、図中の矢印方向に、定速で回転(例えば80回転/分)するように後述の主制御回路71により制御され、メイン表示窓4L,4C,4R内において、リール3L,3C,3Rの表面に配された複数の図柄がその回転に伴って変動する。
次に、図5を参照して、スロットマシン1の各サブリール23L,23C,23Rの表面に配されている図柄の配列について説明する。
各サブリール23L,23C,23Rの表面には複数種類の図柄がその回転方向に連続して配されている。より具体的には、各サブリール23L,23C,23Rの表面には、回転方向において21分割された各位置(後述のSDRAM83に設けられるサブリール用図柄カウンタにより特定される位置であり、図柄位置「0」〜「20」)に対して、赤7(図柄p11)、青7(図柄p12)、ベル(図柄p13)、リプレイ(図柄p14)、チャンスリプレイ(図柄p15)、小つちのこ(図柄p16)、ライト(図柄p17)、カゴ(図柄p18)、網(図柄p19)及び大つちのこ(図柄p20)の何れかが配されることによって、計21個の図柄が配されている。
尚、各サブリール23L,23C,23Rは、図中の矢印方向に、定速で回転(例えば80回転/分)するように後述の副制御回路72により制御され、サブ表示窓24L,24C,24R内において、サブリール23L,23C,23Rの表面に配された複数の図柄がその回転に伴って変動する。
次に、図6を参照して、主制御回路71、副制御回路72、主制御回路71及び副制御回路72と電気的に接続する周辺装置(アクチュエータ)を含むスロットマシン1の回路構成について説明する。
主制御回路71は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイクロコンピュータ30は、CPU31、記憶手段であるROM32及びRAM33により構成されている。ROM32には、CPU31により実行される制御プログラム(例えば、後述の図32〜図41参照)、後述の内部抽籤テーブル等の各種テーブル(例えば、後述の図8〜図26参照)、副制御回路72に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶されている。RAM33には、後述の内部当籤役格納領域等の各種格納領域(例えば、後述の図27〜図31参照)が設けられ、種々のデータが記憶される。
CPU31には、クロックパルス発生回路34、分周器35、乱数発生器36及びサンプリング回路37が接続されている。クロックパルス発生回路34及び分周器35は、基準クロックパルスを発生する。発生される基準クロックパルスに基づいて、後述の割込処理などが行われる。乱数発生器36は、一定の範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。サンプリング回路37は、乱数発生器36により発生された乱数から1つの値(以下、乱数値)を抽出(サンプリング)する。
図6の回路において、マイクロコンピュータ30からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、7セグ表示器18、ホッパー40、ステッピングモータ49L,49C,49Rなどがある。また、マイクロコンピュータ30の各出力ポートには、CPU31から出力される制御信号を受けて、前述の各アクチュエータの動作を制御するための各回路がそれぞれ接続されている。各回路としては、表示部駆動回路48、モータ駆動回路39及びホッパー駆動回路41がある。
表示部駆動回路48は、7セグ表示器18による各種情報(払出枚数等)の表示の制御を行う。ホッパー駆動回路41は、多量のメダルを収容可能で、それらを1枚ずつ排出可能なメダル払出装置として機能するホッパー40の駆動を制御し、メダルの排出を制御する。
モータ駆動回路39は、主制御回路71からのパルスをステッピングモータ49L,49C,49Rに対して出力することによって、ステッピングモータ49L,49C,49Rの駆動を制御し、リール3L,3C,3Rの回転及びその停止の制御を行う。本実施の形態では、ステッピングモータ49L,49C,49Rの回転を所定の減速比をもってリール3L,3C,3Rに伝達するギア(図示せず)が備えられており、ステッピングモータ49L,49C,49Rに対して所定回数(例えば16回)のパルスの出力が行われることによって、リール3L,3C,3Rの表面に配された図柄1個分の回転が行われる構成となっている。
また、マイクロコンピュータ30の各入力ポートには、スイッチ類等がそれぞれ接続されており、前述のアクチュエータ等の制御が行われる契機となる所定の信号を入力する。具体的には、スタートスイッチ6S、ストップスイッチ7S、1−ベットスイッチ11S、最大ベットスイッチ13S、精算スイッチ14S、設定変更スイッチ19S、リセットスイッチ20S、メダルセンサ22S、リール位置検出回路50及び払出完了信号回路51が接続されている。
スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6が遊技者により押し下げられたことを検出する。ストップスイッチ7Sは、各ストップボタン7L,7C,7Rが遊技者により押されたことを検出する。
1−ベットスイッチ11Sは1−ベットボタン11が遊技者により押されたことを検出する。最大ベットスイッチ13Sは最大ベットボタン13が遊技者により押されたことを検出する。メダルセンサ22Sは、遊技者によりメダル投入口22に入れられたメダルがセレクタ(図示せず)を通過することを検出する。セレクタは、材質や形状などが適正であるメダルか否かを選別する装置であり、メダル投入口22から入れられた適正なメダルを、大量のメダルを貯留可能な収容部を備えるホッパー40へ案内する通路を形成している。尚、本実施の形態では、メダル投入口22に遊技者によりメダルが入れられること及び各ベットボタンが遊技者により押されたことを含めて「投入操作」という。
精算スイッチ14Sは、精算ボタン14が遊技者により押されたことを検出する。払出完了信号回路51は、メダル検出部40Sの動作により、ホッパー40により排出されたメダルが払出枚数に達したか否かを検出する。
リール位置検出回路50は、例えば発光部と受光部とを有する光センサにより、リール3L,3C,3Rが1回転したことを示すリールインデックスを各リール3L,3C,3Rの種別毎に検出する。本実施の形態では、リール3L,3C,3Rが1回転したことを示すリールインデックスが検出されてから、前述のステッピングモータ49L,49C,49Rに対してパルスを出力した回数を計数することによって、リール3L,3C,3Rの回転方向における位置(リールインデックスが検出される位置を基準とするリールの回転角度とも言える)を検出することが可能となっている。
前述のステッピングモータ49L,49C,49Rに対して出力されたパルスの数は、RAM33に設けられるパルスカウンタによって計数され、前述した図柄1つ分の回転に必要な所定回数のパルスの出力が当該パルスカウンタによって計数される毎に、RAM33に設けられた図柄カウンタが1ずつ加算される。図柄カウンタは、リール3L,3C,3Rの種別に応じて設けられ、リールインデックスが後述のリール位置検出回路50によって検出される毎にその値がクリアされる。
また、図8に示すように、本実施の形態のROM32には、上記図柄カウンタにより管理されるリール3L,3C,3Rの回転方向における各位置と、当該各位置に配される図柄の種別を特定するデータ(以下、図柄コード)とが対応づけられたデータテーブル(以下、図柄配置テーブル)が記憶されている。
上記図柄配置テーブルは、リールインデックスが検出されるときに、センターライン8c(より厳密には、各表示窓4L,4C,4R内の縦方向における中段の領域の中心部)に位置する図柄を図柄位置「0」として、リール3L,3C,3Rの回転方向に移動する順に、各図柄に対して図柄位置「0」〜「17」を割り当てていることから、表示窓の中段に位置する図柄の種別を各リール3L,3C,3Rに応じて特定可能となっている。尚、CPU31により制御される図柄カウンタは、リールの回転方向における位置をリールの種別に応じて特定する位置特定手段を構成する。また、図柄カウンタ及び図柄配置テーブルは、所定の位置にある図柄を特定する図柄特定手段を構成する。
ここで、本実施の形態のスロットマシン1では、ストップボタンが押されると、基本的に、押されたときから規定時間(例えば190msec)以内に該当するリールの回転を停止する制御を行うようにしている。つまり、遊技者からすれば、ストップボタンを押した後、上記規定時間の経過内にリールの回転が停止された場合、目当ての図柄が下方に移動した後に停止することとなる。
本実施の形態では、これを、いわゆるリールの「滑り」と呼び、説明の便宜上、上記規定時間内でのリールの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と呼んでいる。より具体的にいえば、ストップスイッチ7Sにより停止操作が検出されてから該当するリールの回転が停止するまでの期間において、基準とする位置(例えばセンターライン8c)を通過する図柄の数が滑り駒数であるといえ、これはストップボタンが押されてから更新される前述の図柄カウンタの値によって管理される。
尚、本実施の形態では、滑り駒数の最大値は、例外(後述のCBの作動中であって左ストップボタンが押されたたとき)を除いて、基本的に「3」に定められている。したがって、ストップボタンが押されたときに、例えばセンターライン8c上にある図柄から3個先までの範囲内にある各図柄の何れかが、上記センターライン8c上に到達したときに、該当するリールの回転を停止することが可能となっている。
本実施の形態では、ストップスイッチ7Sにより停止操作が検出されたときの該当リールの図柄カウンタに対応する図柄位置(以下、「停止開始位置」という)に、滑り駒数として決定された数値を加算した図柄位置が、リールの回転が停止する図柄位置(これを「停止予定位置」という)となる。
次に、図7を参照して、副制御回路72の回路構成について説明する。
主制御回路71と副制御回路72とは電気的に接続されており、主制御回路71から副制御回路72への一方向通信が行われる構成となっている。そして、副制御回路72は、主制御回路71から送信された各種コマンド(後述するスタートコマンドなど)に基づいて演出の内容の決定や実行などの各種処理を行う。副制御回路72には、その動作が制御される主要なアクチュエータとして、サブリール23L,23C,23R、4thリール110、スピーカ21L,21R及びランプ101(バックランプも含む)が接続されている。副制御回路72は、複数種類の演出データの何れかを決定する演出データ決定手段、決定された演出データに基づいて演出を実行する演出実行手段を構成する。
副制御回路72は、基本的に、サブCPU81、制御ROM82及びSDRAM83を主たる構成要素としている。サブCPU81は、主制御回路71から送信された各種コマンドに基づいて、制御ROM82内に記憶された制御用プログラム等に従い、サブリール23L,23C,23Rの動作及び4thリール110の動作、音、光の出力を制御する。SDRAM83は、サブCPU81が制御用プログラムを実行する場合の、作業用の一時記憶手段として構成される。また、SDRAM83には、主制御回路71から送信される内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられている。
制御ROM82は、基本的に、プログラム記憶領域とデータ記憶領域によって構成される。プログラム記憶領域は、サブCPU制御用プログラムを記憶する。具体的には、オペレーティングシステム、デバイスドライバ、主制御回路71との通信を制御するための主基板通信タスクや、演出の内容(後述の演出データ等)の決定や、サブリール23L,23C,23Rの動作の制御を行うためのサブリールデータの登録、4thリール110の動作の制御を行うための4thリールデータの登録、スピーカ21L,21Rにより音の出力を行うためのサウンド演出リクエスト及びランプ101L,101Rにより光の出力を行うためのLEDデータの登録を行う演出登録タスクや、サブリール23L,23C,23Rの回転及び停止を行うためのサブリール制御タスクや、4thリール110の回転及び停止を行うための4thリール制御タスクなどが含まれている。
データ記憶領域は、各種テーブルを記憶するテーブル記憶領域、複数種類の演出データを記憶する演出データ記憶領域、サブリールデータや4thリールデータを記憶するリールデータ記憶領域、光の点灯パターン等を定めたLEDデータを記憶するLED制御データ記憶領域、BGMや効果音といったサウンドデータを記憶するサウンドデータ記憶領域などが含まれている。
また、副制御回路72には、スピーカ21L,21Rによる音の出力を制御するためのデジタルシグナルプロセッサ(以下、DSP)90、オーディオRAM91、A/D変換器88及びアンプ89が設けられている。
DSP90は、サブCPU81と接続されており、サブCPU81により出力される信号(コマンド)に応じて、指定されたサウンドデータの出力を行う。DSP90が行うタスクに必要なデータはオーディオRAM91に展開される。A/D変換器88は、サウンドデータのデジタルからアナログへの変換を行う。アナログに変換が行われると、増幅器であるアンプ89を介してスピーカ21L,21Rにより出力される。
また、サブCPU81には、ランプ101が接続されている。サブCPU81は、光の点灯パターン等を記憶するLED制御データ記憶領域に基づいて、ランプ101による光の出力を制御する。
また、サブCPU81には、サブリール用モータ駆動回路139及びサブリール位置検出回路150が接続されている。さらに、サブCPU81には、4thリール用モータ駆動回路239及び4thリール位置検出回路250が接続されている。
サブリール用モータ駆動回路139及び4thリール用モータ駆動回路239は、主制御回路71におけるモータ駆動回路39が有する機能と基本的に同様の機能を有する。サブリール用モータ駆動回路139は、ステッピングモータ149L,149C,149Rに対してパルスを出力することによって、その駆動を制御し、サブリール23L,23C,23Rの回転及びその停止の制御を行う。4thリール用モータ駆動回路239は、ステッピングモータ249に対してパルスを出力することによって、その駆動を制御し、4thリール110の回転及びその停止の制御を行う。
また、サブリール位置検出回路150及び4thリール位置検出回路250は、主制御回路71におけるリール位置検出回路50が有する機能と基本的に同様の機能を有する。サブリール位置検出回路150は、各サブリール23L,23C,23Rが1回転したことを検出する。4thリール位置検出回路250は、4thリール110が1回転したことを検出する。
また、副制御回路72においても、それぞれのリールに対して設けられた図柄カウンタによって管理される回転方向における各位置と、当該各位置に配される図柄の種別を特定する図柄コードとが対応づけられたデータテーブル(例えば後述の図44に示すサブリール用図柄配置テーブル)とに基づいて、表示窓の中段に位置する図柄の種別などを特定可能となっている。
以下では、図8〜図19を参照して、主制御回路71のROM32に記憶されている各種テーブルについて説明する。まず、図8を参照して、図柄配置テーブルについて説明する。
図柄配置テーブルは、各リール3L,3C,3Rの表面に配されている図柄の配列(図4参照)をデータにより表したものであって、図柄カウンタにより管理されるリールの回転方向における各位置「0」〜「17」に応じて、当該各位置に配される図柄の種別を示す図柄コードを規定している。図柄コードは、1バイトのデータであり、赤7(図柄p1)〜月(図柄p10)の10種の図柄に応じて、「1(00000001B)」〜「10(00001010B)」のそれぞれが割り当てられている。
次に、図9を参照して、図柄組合せテーブルについて説明する。
本実施の形態のスロットマシン1では、前述の8つの入賞判定ライン8a〜8hに沿って表示される図柄の組合せが、図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せと一致する場合に、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスゲームの作動、リプレイタイム(以下、「RT」)の作動等が行われる。図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せが表示されると、メダルの払い出し等といった所定の利益が遊技者に対して付与されることから、図柄組合せテーブルには、いわゆる入賞に係る図柄の組合せを規定されている。
図柄組合せテーブルは、図柄の組合せを示すデータと、入賞作動フラグ及び払出枚数とを規定する。入賞作動フラグは、入賞判定ラインに対して表示された図柄の組合せの種別を特定するデータである。入賞作動フラグは、基本的に、各ビットに対して固有の図柄の組合せが割り当てられた1バイトのデータであり、後述の表示役格納領域(より具体的には、それぞれ1バイトからなる表示役1格納領域、表示役2格納領域及び表示役3格納領域)に格納される。尚、入賞判定ラインに沿って表示される図柄の組合せが、図柄組合せテーブルに規定されている予め定められた図柄の組合せの何れにも一致しない場合には、入賞作動フラグとして「ハズレ」が決定される。
格納領域識別データは、対応する入賞作動フラグが格納される表示役格納領域の種別を特定するためのデータである(より具体的には、格納領域のアドレスを算出するためのオフセット)。本実施の形態では、表示役1格納領域、表示役2格納領域及び表示役3格納領域の3つが設けられており、これらの表示役格納領域に格納されるデータ(より具体的にいうならば、各入賞判定ラインに応じて特定された入賞作動フラグの論理和)を説明の便宜上「表示役」と称す。即ち、本実施の形態においては、図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せが8種類を超えていることから、格納される領域の相違をもって、別種の表示役として管理し、仮に同一のビットパターンからなるものだとしても、夫々が異なる図柄の組合せを特定できるようにしている。
入賞作動フラグが決定されると、これが対応する格納領域に格納され、表示役が決定されることとなるため、入賞作動フラグの決定と表示役の決定とは等価な関係にあるといえる。そして、以下において、入賞作動フラグ或いは表示役が決定されるといった場合、これは、該当する図柄の組合せが入賞判定ライン8a〜8hの何れかに沿って表示されたことと同義である。
払出枚数は、遊技者に対して払い出しを行うメダルの枚数を表すデータであり、その数値に基づいてホッパー40の駆動によるメダルの排出や、クレジットカウンタの加算が行われる。本実施の形態では、入賞作動フラグとして、チェリー1〜チェリー3が決定されたとき、払出枚数として0を超える数値が決定され、メダルの払い出しが行われる。
また、払出枚数は、投入枚数が2であるときと投入枚数が3であるときとに応じて規定されている。本実施の形態では、投入枚数が3であるとき払出枚数として5が決定される一方、投入枚数が2であるとき払出枚数として8が決定されることから、投入枚数がより少ない方がより多い払出枚数が決定される。
表示役として通常リプレイ1〜通常リプレイ4、転落リプレイ又は特殊リプレイが決定されたときは、再遊技の作動が行われる。再遊技の作動が行われると、そのときの投入枚数と同数のメダルが、次回において遊技者による投入操作に基づかずに自動的に投入されるようになり、遊技者は次回において所有するメダルを消費しなくて済むようになる。
また、本実施の形態では、表示役として特殊リプレイが決定されたとき後述の遊技者にとって相対的に有利なRT3の作動が行われ、表示役として転落リプレイが決定されたとき後述の遊技者にとって相対的に不利なRT4の作動が行われる。
尚、本実施の形態における特殊リプレイに係る図柄の組合せ「プラム−星−ベル」は、所定の図柄の組合に相当する。本実施の形態におけるRT3は、遊技者にとって有利な状態に相当する。また、本実施の形態における転落リプレイに係る図柄の組合せ「オレンジ−スイカ−ベル」は、所定の図柄の組合とは異なる予め定められた図柄の組合せに相当する。本実施の形態におけるRT4は、遊技者にとって不利な状態に相当する。
表示役としてJAC1又はJAC2が決定されたとき、後述のレギュラーボーナス(以下、RB)の作動が行われる。また、表示役としてJAC1が決定されたとき、後述のRT1の作動が行われる。尚、本実施の形態におけるJAC1に係る図柄の組合せ「スイカ−スイカ−オレンジ」は、特定の図柄の組合に相当する。また、JAC2に係る図柄の組合せ「スイカ−スイカ−ベル」との関係において、前者は、第1の特定の図柄の組合せに相当し、後者は、第2の特定の図柄の組合せに相当する。本実施の形態におけるRBは、特定状態に相当する。また、本実施の形態におけるRT1は、第2の状態に相当する。
また、表示役としてBB1又はBB2が決定されたとき、後述のビッグボーナス(以下、BB)の作動が行われるとともに、後述のRT2の作動が行われる。尚、本実施の形態におけるBB1に係る図柄の組合せ「赤7−赤7−赤7」は、特別の図柄の組合に相当する。また、BB2に係る図柄の組合せ「青7−青7−青7」との関係において、前者は、第1の特別の図柄の組合せに相当し、後者は、第2の特別の図柄の組合せに相当する。また、本実施の形態におけるBB1は、特別状態に相当する。また、BB2との関係において、前者は、第1の特別状態に相当し、後者は、第2の特別状態に相当する。また、本実施の形態におけるRT2は、第1の状態に相当する。
また、表示役としてMBが決定されたとき、後述のミドルボーナス(以下、MB)の作動が行われる。
次に、図10を参照して、ボーナス作動時テーブルについて説明する。
ボーナス作動時テーブルは、ボーナスゲーム(前述のRB、BB及びMB)の作動が決定されたとき、RAM33の格納領域に格納されるデータを規定する。ボーナス作動時テーブルは、RAM33に格納されるデータとして、作動中フラグ、ボーナス終了枚数カウンタ、遊技可能回数カウンタ及び入賞可能回数カウンタを規定する。
作動中フラグは、作動が行われるボーナスゲームの種別を特定するためのデータである。ボーナス終了枚数カウンタは、遊技者に対して払い出されるメダルの枚数を管理するためのデータである。遊技可能回数カウンタは、開始操作の検出が行われた回数(以下、ゲーム数)を管理するためのデータである。本実施の形態では、開始操作の検出に基づいて後述の乱数を用いた抽籤処理が実行されると、ゲーム数として1をカウントする。入賞可能回数カウンタは、メダルの払い出しに係る表示役が決定された回数を管理するためのデータである。
本実施の形態では、BB1の作動が行われるとき又はBB2の作動が行われるときボーナス終了枚数カウンタに345がセットされ、MBの作動が行われるときボーナス終了枚数カウンタに105がセットされる。ボーナス終了枚数カウンタの減算が行われる結果その値が0に更新されたことを条件に該当するボーナスゲームの作動が終了する。尚、本実施の形態においてボーナス終了枚数カウンタの減算が行われる結果その値が0に更新されることは、特別の条件に相当する。
また、RBの作動が行われるとき、遊技可能回数カウンタに12がセットされ、且つ入賞可能回数カウンタに8がセットされる。上記各カウンタの減算が行われる結果何れかの値が0に更新されるか、又は、上記ボーナス終了枚数カウンタの減算が行われる結果その値が0に更新されたことを条件にRBの作動が終了する。尚、本実施の形態において遊技可能回数カウンタ又は入賞可能回数カウンタの減算が行われる結果何れかの値が0に更新されること、或いは、ボーナス終了枚数カウンタの減算が行われる結果その値が0に更新されることは、特定の条件に相当する。
次に、図11及び図12を参照して、内部当籤役決定テーブルについて説明する。
内部当籤役決定テーブルは、データポインタに応じて当り要求フラグを規定する。データポインタは、後述の内部抽籤テーブルにより規定されており、当たり要求フラグの決定に用いられるデータである。後述の内部抽籤テーブルは、データポインタとして、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタを規定している。
当り要求フラグは、後述の内部当籤役格納領域(より具体的には、それぞれ1バイトからなる内部当籤役1格納領域、内部当籤役2格納領域及び内部当籤役3格納領域)に格納されるデータであり、基本的に各ビットに固有の図柄の組合せが割り当てられた1バイトの大きさからなるデータである。
本実施の形態では、この内部当籤役格納領域に格納されるデータ(より具体的にいうならば、当り要求フラグの論理和)を説明の便宜上「内部当籤役」と称す。つまり、本実施の形態においては、入賞に係る図柄の組合せが8種類を超えていることから、格納される領域の相違をもって、別種の内部当籤役として管理し、仮に同一のビットパターンからなるものだとしても、夫々が異なる図柄の組合せの表示を許容できるようにしている。尚、後述のデータポインタの決定と、当り要求フラグの決定と、内部当籤役の決定とは、等価な関係にあるといえる。
また、内部当籤役は、前述した入賞に係る図柄の組合せ(図9参照)のうち、入賞判定ライン8a〜8hに対してその表示を許容する図柄の組合せの種別を特定するデータであるといえ、例えば、その内容が「赤チェリー1〜赤チェリー3」である場合、赤チェリー1、赤チェリー2及び赤チェリー3のそれぞれに係る図柄の組合せの表示が許容されることとなる。尚、データポインタが「0」のときは、その内容は「ハズレ」となるが、これは前述の図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せの表示が何れも許容されないことを示す。
本実施の形態では、入賞に係る内部当籤役が決定されたときであれば、ストップボタンが押されたとき、前述したリールの「滑り」を利用して、その内部当籤役により許容される図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って極力表示されるように各リールの回転を停止する(いわゆる「引き込み」)。これに対して、例えば内部当籤役として「ハズレ」が決定されたときなど、その内部当籤役により許容されない図柄の組合せは、前述した「滑り」を利用して、入賞判定ラインに沿って表示されることがないように各リールの回転を停止する(いわゆる「蹴飛ばし」)。
図11は、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルを示す。小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルは、メダルの払い出し又は再遊技の作動に係る当たり要求フラグを規定する。
小役・リプレイ用データポインタが「1」のとき当たり要求フラグ「チェリー1〜チェリー3」が決定される。また、小役・リプレイ用データポインタ「2」のとき当たり要求フラグ「通常リプレイ1〜通常リプレイ4」が、小役・リプレイ用データポインタ「3」のとき当たり要求フラグ「転落リプレイ」が、小役・リプレイ用データポインタ「4」のとき当たり要求フラグ「特殊リプレイ」がそれぞれ決定される。また、小役・リプレイ用データポインタが「5」のとき当たり要求フラグ「JAC1」が、小役・リプレイ用データポインタが「6」のとき当たり要求フラグ「JAC2」がそれぞれ決定される。
図12は、ボーナス用内部当籤役決定テーブルを示す。ボーナス用内部当籤役決定テーブルは、ボーナスゲームの作動に係る当たり要求フラグを規定する。
ボーナス用データポインタが「1」のとき当たり要求フラグ「MB」が、ボーナス用データポインタが「2」のとき当たり要求フラグ「BB1」が、ボーナス用データポインタが「3」のとき、当たり要求フラグ「BB2」がそれぞれ決定される。
次に、図13を参照して、内部抽籤テーブル決定テーブルについて説明する。
内部抽籤テーブル決定テーブルは、遊技状態に応じて、内部抽籤テーブル及び抽籤回数を規定する。本実施の形態において遊技状態とは、後述の作動中フラグ格納領域に格納されているデータに基づいて定めており、内部抽籤テーブルを識別する際に、説明の便宜上用いられる概念である。
例えば、RT1の作動のみが行われているときを「RT1遊技状態」としている。また、BB1の作動及びRT1の作動が行われているときを「BB一般遊技状態(RT1)」としている。さらに、BB1の作動、RBの作動及びRT1の作動が行われているときを「RB遊技状態(RT1)」としている。尚、ボーナスゲームの作動及びRTの作動の何れも行われていないときを「一般遊技状態」としている。本実施の形態では、図示した遊技状態に応じて内部抽籤テーブルを使い分けることによって、決定される内部当籤役の種類や当籤確率を変動させ、この結果、遊技者が抱く期待に起伏が生じるようにしている。
図14は、後述の制御プログラムに従って主制御回路71のCPU31により管理される遊技状態の遷移図を示す。
詳しくは後述のフローチャートを参照して説明するが、本実施の形態では、表示役としてBB1又はBB2が決定されたとき、BB1の作動又はBB2の作動を行うとともにRT2の作動を行うようにしている。そして、その作動中において表示役としてJAC1が決定されたとき、RBの作動を行うとともに、RT2と比べて、遊技者にとって有利な結果が生じ易いRT1の作動を行うようにしている。つまり、BBの作動が終了した後、自らにとって有利な状態で遊技を進められるかどうかは、BBの作動が行われている間に実行される抽籤処理の結果や自らがストップボタンを押すタイミングなどに関わってくるため、遊技者はBBの作動が行われている間を一喜一憂しながら過ごすことができるようになる。
次に、図15〜図26を参照して、内部抽籤テーブルについて説明する。
内部抽籤テーブルは、当籤番号に応じて、抽籤値とデータポインタとを規定する。本実施の形態では、予め定められた数値の範囲「0〜65535」の中から抽出される乱数値を、内部抽籤テーブルに規定されている当籤番号1を先頭とする各当籤番号に応じた抽籤値で順次減算し、減算の結果が負となったか否か(いわゆる「桁借り」が生じたか否か)の判定を行うことによって内部的な抽籤が行われる。前述の内部抽籤テーブル決定テーブルにより規定されている抽籤回数は、各当籤番号について上記の桁借りが生じたか否かの判定を行う回数を示す。
つまり、抽籤値とは、これが割り当てられたデータ(即ち、内部抽籤テーブルにおいてはデータポインタであり、延いては当り要求フラグ)が決定されるときの乱数値の個数を規定するものであり、より具体的には、該当するデータが決定される確率を規定するものであるといえる。各当籤番号に応じたデータポインタが決定される確率(当籤確率)は、「各当籤番号に対応する抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(即ち65536)」によって表すことができる。抽籤値として規定されている数値が大きいほど、当籤確率が高く、該当するデータポインタが決定され易い。
また、本実施の形態では、上記抽籤の結果、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタの両方が取得される構成となっており、取得された各データポインタが0(後述するハズレ)ではないとき、後述のメダルの払い出しに係る当り要求フラグ又は再遊技の作動に係る当り要求フラグと、ボーナスゲームの作動に係る当り要求フラグとが共に決定されるようになる。
図15は、一般遊技状態用内部抽籤テーブルを示す。一般遊技状態用内部抽籤テーブルは、当籤番号1〜当籤番号17に応じた抽籤値とデータポインタとを規定する。
図16は、BB1一般遊技状態(RT1)用内部抽籤テーブルを示す。図17は、BB1一般遊技状態(RT2)用内部抽籤テーブルを示す。図18は、BB2一般遊技状態(RT1)用内部抽籤テーブルを示す。図19は、BB2一般遊技状態(RT2)用内部抽籤テーブルを示す。
ここで、前述の図14を参照して、上記4つの内部抽籤テーブルが選択される場合について説明する。本実施の形態では、表示役としてBB1が決定されると、BB1の作動及びRT2の作動が行われ、まず、BB1一般遊技状態(RT2)用内部抽籤テーブルが選択される。そして、このBB1一般遊技状態(RT2)用内部抽籤テーブルが選択されている場合において表示役としてJAC1が決定されることを条件として、RT2の作動に代えてRT1の作動が行われる。RT1の作動が行われると、以降においては、BB1一般遊技状態(RT2)用内部抽籤テーブルに代えて、BB1一般遊技状態(RT1)用内部抽籤テーブルが選択されるようになる。
また、表示役としてBB2が決定された場合も、上記と同様に、まず、BB2一般遊技状態(RT2)用内部抽籤テーブルが選択され、表示役としてJAC1が決定されることを条件として、以降において、BB2一般遊技状態(RT1)用内部抽籤テーブルが選択されるようになる。
ここで、BB1の作動が行われているときに選択される内部抽籤テーブル(図16及び図17)と、BB2の作動が行われているときに選択される内部抽籤テーブル(図18及び図19)とを比べると、後者は、前者よりも、当り要求フラグ「JAC1」が決定される確率が高い。したがって、BB2の作動が行われているとき、BB1の作動が行われているときよりも、RT1の作動が行われる確率が高いということができる。
図20は、RB遊技状態(RT1)用内部抽籤テーブルを示す。図21は、RB遊技状態(RT2)用内部抽籤テーブルを示す。
前述の図14を参照して、上記2つの内部抽籤テーブルが選択される場合について説明する。本実施の形態では、BB1一般遊技状態(RT1)又はBB2一般遊技状態(RT1)において表示役としてJAC1又はJAC2が決定されるか、又は、BB1一般遊技状態(RT2)又はBB2一般遊技状態(RT2)において表示役としてJAC1が決定されると、RBの作動が行われ、RB遊技状態(RT1)用内部抽籤テーブルが選択される。これに対して、BB1一般遊技状態(RT2)又はBB2一般遊技状態(RT2)において表示役としてJAC2が決定されると、RBの作動が行われ、RB遊技状態(RT2)用内部抽籤テーブルが選択される。
上記2つの内部抽籤テーブルは、それぞれ当籤番号1〜当籤番号4に応じた抽籤値とデータポインタとを規定している。これらの内部抽籤テーブルでは、当り要求フラグ「チェリー1〜チェリー3」が決定される確率が他の内部抽籤テーブルよりも著しく増加している。
図22は、RT1遊技状態用内部抽籤テーブルを示す。図23は、RT2遊技状態用内部抽籤テーブルを示す。図24は、RT3遊技状態用内部抽籤テーブルを示す。図25は、RT4遊技状態用内部抽籤テーブルを示す。図26は、RT5遊技状態用内部抽籤テーブルを示す。
前出した図14を参照して、上記5つの内部抽籤テーブルが選択される場合について説明する。BB1の作動が終了するか又はBB2の作動が終了すると、前述したようにその作動中において表示役としてJAC1が決定された結果、RT1の作動が行われていることを条件に、RT1遊技状態用内部抽籤テーブルが選択される。これに対して、その作動中において表示役としてJAC1が決定されなかった結果、RT2の作動が行われているとき、RT2遊技状態用内部抽籤テーブルが選択される。また、MBの作動が終了したときも、RT2遊技状態用内部抽籤テーブルが選択される。
また、上記RT1遊技状態用内部抽籤テーブルが選択されている場合又はRT2遊技状態用内部抽籤テーブルが選択されている場合において、表示役として「特殊リプレイ」が決定されると、RT3の作動が行われ、以降において、RT3遊技状態用内部抽籤テーブルが選択されるようになる。これに対して、上記RT1遊技状態用内部抽籤テーブルが選択されている場合又はRT2遊技状態用内部抽籤テーブルが選択されている場合において、表示役として「転落リプレイ」が決定されると、RT4の作動が行われ、以降において、RT4遊技状態用内部抽籤テーブルが選択されるようになる。
また、RT1遊技状態用内部抽籤テーブルが選択されている場合、RT2遊技状態用内部抽籤テーブルが選択されている場合、RT3遊技状態用内部抽籤テーブルが選択されている場合、RT4遊技状態用内部抽籤テーブルが選択されている場合又は一般遊技状態用内部抽籤テーブルが選択されている場合において、当り要求フラグとしてBB1、BB2又はMBが決定されると、以降において、RT5遊技状態用内部抽籤テーブルが選択されるようになる。
上記5つのRT遊技状態用内部抽籤テーブルは、基本的に、再遊技の作動に係る当り要求フラグ「通常リプレイ1〜通常リプレイ4」、「転落リプレイ」又は「特殊リプレイ」が決定される当籤番号の種類及びその抽籤値の大きさが異なることを除いて、一般遊技状態用内部抽籤テーブルと基本的に同様の構成となっている。
つまり、本実施の形態では、一般遊技状態用内部抽籤テーブル、RT1遊技状態用内部抽籤テーブル、RT2遊技状態用内部抽籤テーブル、RT3遊技状態用内部抽籤テーブル、RT4遊技状態用内部抽籤テーブル及びRT5遊技状態用内部抽籤テーブルのそれぞれを使い分けることによって、再遊技の作動に係る当り要求フラグが決定される確率を変動させるようにしている。
ここで、RT1遊技状態用内部抽籤テーブル及びRT2遊技状態用内部抽籤テーブルを除き、一般遊技状態用内部抽籤テーブル、RT3遊技状態用内部抽籤テーブル、RT4遊技状態用内部抽籤テーブル及びRT5遊技状態用内部抽籤テーブルにおいて、再遊技の作動に係る当り要求フラグが決定される確率(ここでは、通常リプレイ1〜通常リプレイ4、転落リプレイ及び特殊リプレイのそれぞれが決定される確率の合計)を比べると、RT3遊技状態用内部抽籤テーブルが最も高く、一般遊技状態用内部抽籤テーブルが次に高く、これに次いでRT5遊技状態用内部抽籤テーブルが高く、RT4遊技状態用内部抽籤テーブルが最も低い。
したがって、例えば、RT3遊技状態用内部抽籤テーブルが使用されているときは、前述のRT4遊技状態用内部抽籤テーブルが使用されているときと比べて、再遊技の作動が行われる機会が増加されるようになり、メダルの消費を抑えながら、前記内部当籤役の決定に係る抽籤の実行を享受することができるようになる。即ち、本実施の形態のRT3遊技状態は、ボーナスゲームの作動が行われている場合を除けば、遊技者にとって相対的に最も有利な状態として位置づけられている一方で、RT4遊技状態は、遊技者にとって相対的に最も不利な状態として位置づけられている。尚、RT4遊技状態は、その期待値が「1」を下回ることから、メダルの消費が増す傾向にある。
ここで、上記RT1遊技状態用内部抽籤テーブル及びRT2遊技状態用内部抽籤テーブルは、再遊技の作動に係る当り要求フラグが決定される確率が、RT4遊技状態用内部抽籤テーブルと概ね等しくなっているが、RT1遊技状態及びRT2遊技状態は、遊技者にとっての有利さの度合いが最も高いRT3遊技状態又はその度合いが最も低いRT4遊技状態の何れかに移行されるかを決定するための期間として位置づけられている。
ここで、RT1遊技状態用内部抽籤テーブルとRT2遊技状態用内部抽籤テーブルとを比べると、前者は、後者と比べて、当り要求フラグとして「転落リプレイ」が決定される確率が低い一方で、当り要求フラグとして「特殊リプレイ」が決定される確率が高い。これに対して、後者は、前者と比べて、当り要求フラグとして「転落リプレイ」が決定される確率が高い一方で、当り要求フラグとして「特殊リプレイ」が決定される確率が低い。尚、通常リプレイ1〜通常リプレイ4、転落リプレイ及び特殊リプレイのそれぞれが決定される確率の合計は、前者の方が後者よりも高い。
また、RT1遊技状態用内部抽籤テーブルは、仮に当り要求フラグとして「転落リプレイ」が決定されても、これと共にボーナスゲームの作動に係る当り要求フラグが決定されるようになっている。この結果、RT5の作動が行われることから、遊技者に不利なRT4の作動が行われることがない。
このような構成によると、本実施の形態のスロットマシン1では、BB1の作動が行われているとき及びBB2の作動が行われているときにおいて、JAC1に係る図柄の組合せを入賞判定ラインに沿って表示させて、その結果、RT1の作動を開始させることができるかどうかという点が、遊技者にとってより多くのメダルを獲得する上での鍵となる。このため、遊技者は、自らに有利なRT1の作動が行われることに対して期待を膨らませつつ、表示される図柄の組合せに一喜一憂しながら、BB1の作動中及びBB2の作動中を過ごすことができるようになる。
以下では、図27〜図31を参照して、主制御回路71のRAM33に設けられる各種格納領域について説明する。まず、図27を参照して、内部当籤役格納領域の構成について説明する。
内部当籤役格納領域は、それぞれ1バイトからなる内部当籤役1格納領域、内部当籤役2格納領域及び内部当籤役3格納領域から構成されている。内部当籤役1格納領域のビット0〜ビット2のそれぞれは、チェリー1、チェリー2及びチェリー3のそれぞれに対応している(尚、ビット3〜ビット7は未使用)。また、内部当籤役2格納領域のビット0〜ビット5のそれぞれは、通常リプレイ1、通常リプレイ2、通常リプレイ3、通常リプレイ4、転落リプレイ及び特殊リプレイのそれぞれに対応している(尚、ビット6及びビット7は未使用)。さらに、内部当籤役3格納領域のビット0、ビット1及びビット5〜ビット7のそれぞれは、JAC1、JAC2、MB、BB1及びBB2のそれぞれに対応している(尚、ビット2〜ビット4は未使用)。
例えば、内部当籤役2格納領域に格納されているデータが「00100000B」であり且つ内部当籤役1格納領域及び内部当籤役3格納領域に格納されているデータが「0」であるとき、その内容は「特殊リプレイ」となる。また、各格納領域に格納されているデータが「0」であるとき、その内容はハズレとなる。
尚、RAM33には、前述の入賞作動フラグが格納される表示役格納領域が設けられている。この表示役格納領域の構成は、上記内部当籤役格納領域の構成と同じである。
次に、図28を参照して、持越役格納領域の構成について説明する。
当り要求フラグとしてMB、BB1及びBB2の何れかが決定されたとき、これが持越役格納領域に格納される。持越役格納領域は、前述の内部当籤役3格納領域の構成と対応しており、ビット5〜ビット7のそれぞれが、MB、BB1及びBB2のそれぞれに対応している。
後述するが、持越役格納領域に格納されたMB、BB1又はBB2は、対応する図柄の組合せが入賞判定ラインに表示されるまで保持される構成である。これは、いわゆる「持ち越し」と称されるものであり、本実施の形態では、持越役格納領域に格納されたMB、BB1又はBB2を「持越役」と称す。
持越役格納領域にMB、BB1又はBB2が格納されている間は、抽出される乱数値にかかわらず、これが内部当籤役3格納領域に格納されるようになる。これは、遊技者による停止操作が行われ、リール3L,3C,3Rの回転のそれぞれが停止した後、内部当籤役格納領域を初期化する一方、持越役格納領域を初期化しないようにすることにより実現される。持越役格納領域は、持ち越し手段を構成する。
次に、図29を参照して、作動中フラグ格納領域の構成について説明する。
作動中フラグ格納領域は、それぞれ1バイトからなる作動中フラグ1格納領域及び作動中フラグ2格納領域を含んで構成され、各領域の各ビットに対して固有の種別が割り当てられている。
作動中フラグ1格納領域は、ボーナスゲームを識別する作動中フラグに対応しており、ビット0〜ビット3のそれぞれが、RB作動中フラグ、BB1作動中フラグ、BB2作動中フラグ、チャレンジボーナス(以下、CB)作動中フラグ及びMB作動中フラグのそれぞれに対応している(尚、ビット4〜ビット7は未使用)。
また、作動中フラグ2格納領域は、RTを識別する作動中フラグに対応しており、ビット0〜ビット4のそれぞれが、RT1作動中フラグ、RT2作動中フラグ、RT3作動中フラグ、RT4作動中フラグ及びRT5作動中フラグのそれぞれに対応している(尚、ビット5〜ビット7は未使用)。
本実施の形態では、例えばBB1等の「作動を行う」といった場合、その作動中フラグに相当するビットに1を立てることと同義である。また、「作動が終了する」といった場合、その作動中フラグに相当するビットを0にすることと同義である。そして、例えば、作動中フラグ1格納領域に格納されているデータが「00000010B」であり且つ作動中フラグ2格納領域に格納されているデータが「00000001B」であるとき、BB1の作動及びRT1の作動が行われていることとなり、前述のBB1一般遊技状態(RT1)用内部抽籤テーブルが選択されることとなる。尚、各作動中フラグ格納領域に格納されているデータが「0」であるとき、ボーナスゲーム及びRTの何れも作動しておらず、一般遊技状態となる。
次に、図30を参照して、有効ストップボタン格納領域の構成について説明する。
有効ストップボタン格納領域は、1バイトからなり、各ビットに対して固有のストップボタンの種別が割り当てられている。ビット0は左ストップボタンに、ビット1は中ストップボタンに、ビット2は右ストップボタンにそれぞれ対応している(尚、ビット3〜ビット7は未使用)。具体的にいえば、有効ストップボタン格納領域には、停止操作を検出することが可能なストップボタンを有効ストップボタンとして、その種別(言い換えれば、定速回転中のリールに対応するストップボタンの種別)を識別可能なデータが格納される。
尚、RAM33には、上記有効ストップボタン格納領域と同様の構成を有する作動ストップボタン格納領域が設けられている。作動ストップボタン格納領域は、有効ストップボタンに対応する停止操作が直前に検出されたストップボタンの種別を識別可能なデータが格納される。
次に、図31を参照して、図柄格納領域の構成について説明する。
図柄格納領域には、8つの入賞判定ライン8a〜8hに位置する各リールの図柄を特定するデータ(即ち、前述の図柄コード)が格納される。例えば、第1ライン8aであれば、左表示窓4Lの上段に位置する左リール3Lの図柄に係る図柄コードと、中表示窓4Cの上段に位置する中リール3Cの図柄に係る図柄コードと、右表示窓4Rの上段に位置する右リール3Rの図柄に係る図柄コードと、が格納される。
図示した格納例は、各リール3L,3C,3Rの図柄位置が「1」である場合のものである。後でフローチャートを参照して説明するが、この図柄格納領域に格納されているデータに基づいて前述の入賞に係る図柄の組合せが表示されているか否かが判定されることとなる。
次に、図32〜図41に示すフローチャートを参照して、主制御回路71のCPU31が実行するプログラムの内容について説明する。
先ず、図32を参照して、メインCPUの制御によるフローチャートについて説明する。スロットマシン1に電源が投入されると、初めに、CPU31は、初期化処理を行う(ステップ(以下、「S」と略記する)1)。次に、遊技終了時初期化用の格納領域を指定して初期化する(S2)。例えば、RAM33の内部当籤役格納領域や表示役格納領域に格納されたデータがクリアされる。
次に、CPU31は、後で図33を参照して説明するボーナス作動監視処理を行う(S3)。次に、CPU31は、後で図34を参照して説明するメダル受付・スタートチェック処理を行う(S4)。この処理は、遊技者により投入されたメダルを検出する投入操作検出手段、開始操作を検出する開始操作検出手段を構成する。
次に、CPU31は、乱数値を抽出し、乱数値格納領域に格納する(S5)。次に、CPU31は、後で図35を参照して説明する内部抽籤処理を行う(S6)。この処理は、内部当籤役決定手段を構成する。次に、CPU31は、スタートコマンドを副制御回路72に対して送信する(S7)。スタートコマンドには、内部当籤役等の情報が含まれる。
次に、CPU31は、遊技時間管理タイマは0であるか否か(前回遊技から4.1秒経過したか否か)を判別する(S8)。CPU31は、遊技時間管理タイマは0ではないと判別したときには、ウェイト時間の消化を行う(S9)。つまり、遊技時間管理タイマが0に更新されるまで待機する。CPU31は、S9の後又はS8において遊技時間管理タイマは0であると判別したときには、遊技時間管理タイマに4.1秒(より具体的には、4.1秒の計測に相当する値)をセットする(S10)。尚、遊技時間管理タイマは、後で図41を参照して説明する一定の周期(1.1173msec)で実行する割込処理によって1ずつ減算される。
次に、CPU31は、リール回転開始コマンドを送信する(S11)。次に、CPU31は、全リールの回転開始を要求する(S12)。また、有効ストップボタン格納領域に「00000111B(007H)」を格納し、作動ストップボタン格納領域に「000H」を格納する。
尚、全リールの回転開始が要求されると、一定の周期(1.1173msec)で実行する割込処理(後述の図41)によってステッピングモータの駆動を制御し、リールの回転を開始する。そして、その後、この割込処理によってステッピングモータの駆動を制御し、リールの回転が定速に達するまで加速を行う。
次に、CPU31は、リールの回転の定速待ちを行う(S13)。尚、リールの回転が定速に達すると、上記割込処理によってステッピングモータの駆動を制御し、リールの回転が定速で行われるよう維持する。上記割込処理により行われるリールの回転にかかる制御(開始、加速、定速等)は、リール回転手段を構成する。
次に、CPU31は、後で図36を参照して説明するリール停止制御処理を行う(S14)。この処理は、リール停止手段を構成する。次に、CPU31は、後で図37を参照して説明する表示役検索処理を行う(S15)。この処理は、全てのリールの回転が停止された結果、図柄表示手段により表示された図柄の組合せが入賞に係る図柄の組合せであるか否かの検索を行う検索手段を構成する。
次に、CPU31は、表示コマンドを副制御回路72に対して送信する(S16)。表示コマンドには、表示役等の情報が含まれる。次に、CPU31は、メダルの払い出しを行う(S17)。具体的には、払出枚数カウンタに基づいて、ホッパー40の駆動制御やクレジットカウンタの更新が行われる。この処理は、図柄表示手段により表示された図柄の組合せに基づいてメダルの払い出しを行う払出手段を構成する。
次に、CPU31は、払出枚数カウンタに基づいて、ボーナス終了枚数カウンタを更新する(S18)。具体的には、ボーナス終了枚数カウンタが0を越える数値であるとき、当該カウンタから払出枚数として決定された数値が減算される。次に、CPU31は、作動中フラグ格納領域を参照し、BB作動中フラグ又はMB作動中フラグがオンであるか否かを判別する(S19)。ここで、本実施の形態においてフラグがオンであるときとは、該当する種類のビット列に1が立つときをいい、フラグがオフであるときとは、該当するビット列が0となるときをいう。
CPU31は、S19においてBB作動中フラグ又はMB作動中フラグはオンであると判別したときには、後で図39を参照して説明するボーナス終了チェック処理を行う(S20)。CPU31は、S19においてBB作動中フラグ又はMB作動中フラグがオンではないと判別したときには、後で図40を参照して説明するRT制御処理を行う(S21)。CPU31は、S20の後又はS21の後に、後で図38を参照して説明するボーナス作動チェック処理を行う(S22)。この処理が終了すると、S2に移る。
次に、図33を参照して、ボーナス作動監視処理について説明する。
初めに、CPU31は、MB作動中フラグはオンであるか否かを判別する(S31)。CPU31は、MB作動中フラグはオンではないと判別したときには、ボーナス作動監視処理を終了する一方で、MB作動中フラグはオンであると判別したときには、CB作動中フラグをオンにする(S32)。この処理が終了すると、ボーナス作動監視処理を終了する。
次に、図34を参照して、メダル受付・スタートチェック処理について説明する。
初めに、CPU31は、自動投入カウンタは0であるか否かを判別する(S51)。自動投入カウンタは0であると判別したときには、メダル通過許可を行う(S52)。具体的には、セレクタ(図示せず)のソレノイドの駆動を行い、セレクタ内のメダルの通過を促す。CPU31は、自動投入カウンタは0ではないと判別したときには、自動投入カウンタを投入枚数カウンタに複写し、自動投入カウンタをクリアする(S53)。
CPU31は、S52の後又はS53の後に、メダルの通過が検出されたか否かを判別する(S54)。CPU31は、メダルの通過が検出されたと判別したときには、作動中フラグ格納領域を参照し、投入最大値をセットする(S55)。具体的に、CPU31は、CB作動中フラグがオンであるとき又はRB作動中フラグがオンであるとき、投入最大値として2をセットし、それ以外のときは投入最大値として3をセットする。
次に、CPU31は、投入枚数カウンタは投入最大値であるか否かを判別する(S56)。CPU31は、投入枚数カウンタは投入最大値ではないと判別したときには、投入枚数カウンタを1加算する(S57)。次に、CPU31は、有効ラインカウンタに8を格納する(S58)。次に、CPU31は、メダル投入コマンドを副制御回路72に対して送信する(S59)。メダル投入コマンドには、投入枚数のデータ等が含まれる。
CPU31は、S56において投入枚数カウンタは投入最大値であると判別したときには、クレジットカウンタを1加算する(S60)。CPU31は、S54においてメダルの通過が検出されていないと判別したとき、S59の後又はS60の後に、メダルの通過途中であるか否かを判別する(S61)。CPU31は、メダルの通過途中ではないと判別したときには、ベットスイッチのチェックを行う(S62)。ベットスイッチ11S,12S,13Sがオンである場合は、その種別が特定され、投入枚数カウンタが更新される。
CPU31は、S61においてメダルの通過途中であると判別したとき又はS62の後に、投入枚数カウンタは投入最大値であるか否かを判別する(S63)。投入枚数カウンタは投入最大値ではないと判別したときには、S54に移る一方で、投入枚数カウンタは投入最大値であると判別したときには、スタートスイッチ6Sはオンであるか否かを判別する(S64)。CPU31は、スタートスイッチ6Sはオンではないと判別したときには、S54に移る一方で、スタートスイッチ6Sはオンであると判別したときには、メダル通過禁止を行う(S65)。具体的には、セレクタ(図示せず)のソレノイドの駆動を行わず、メダルのメダル払出口15からの排出を促す。この処理が終了すると、メダル受付・スタートチェック処理を終了する。
次に、図35を参照して、内部抽籤処理について説明する。
初めに、CPU31は、内部抽籤テーブル決定テーブルを参照し、作動中フラグ格納領域に基づいて、内部抽籤テーブルの種別と抽籤回数を決定する(S81)。また、CPU31は、持越役格納領域を参照して抽籤回数を決定する。次に、CPU31は、抽出された乱数値を判定用乱数値としてセットし、当籤番号の初期値として1をセットする(S82)。
次に、CPU31は、内部抽籤テーブルを参照し、当籤番号に基づいた抽籤値を取得する(S83)。次に、CPU31は、判定用乱数値から抽籤値を減算する(S84)。次に、CPU31は、桁かりが行われたか否かを判別する(S85)。CPU31は、桁かりが行われていないと判別したときには、抽籤回数を1減算し、当籤番号を1加算する(S86)。次に、CPU31は、抽籤回数は0であるか否かを判別する(S87)。
CPU31は、S87において抽籤回数は0ではないと判別したときにはS83に移る一方、抽籤回数は0であると判別したときには小役・リプレイ用データポインタとして0をセットし、ボーナス用データポインタとして0をセットする(S88)。即ち、内部当籤役はハズレとなる。
CPU31は、S85において桁かりが行われたと判別したときには、現在の当籤番号に応じて、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタを取得する(S89)。CPU31は、S88の後又はS89の後に、取得した小役・リプレイ用データポインタに基づいて対応する内部当籤役格納領域のアドレスを指定する(S90)。具体的に、CPU31は、小役・リプレイ用データポインタが1のとき内部当籤役1格納領域のアドレスを、2〜4のとき内部当籤役2格納領域のアドレスを、上記以外のとき内部当籤役3格納領域のアドレスを指定する。
次に、CPU31は、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルを参照し、小役・リプレイ用データポインタに基づいて当り要求フラグを取得する(S91)。次に、CPU31は、取得した当り要求フラグを対応する内部当籤役格納領域に格納する(S92)。次に、CPU31は、持越役格納領域に格納されているデータは0であるか否かを判別する(S93)。
CPU31は、S93において持越役格納領域に格納されているデータは0であると判別したときには、ボーナス用データポインタは0であるか否かを判別する(S94)。CPU31は、ボーナス用データポインタは0であると判別したときには、ボーナス用内部当籤役決定テーブルを参照して、ボーナス用データポインタに基づいて当り要求フラグを取得し、持越役格納領域に格納する(S95)。次に、CPU31は、RTゲーム数カウンタをクリアし、RT5作動中フラグをオンにセットする(S96)。尚、CPU31は、作動中フラグ2格納領域を一旦クリアした上でRT5作動中フラグをオンにセットする。
CPU31は、S96の後、S93において持越役格納領域に格納されているデータは0であると判別したとき又はS94においてボーナス用データポインタは0ではないと判別したとき、持越役格納領域と内部当籤役3格納領域との論理和を内部当籤役3格納領域に格納する(S97)。
次に、CPU31は、CB作動中フラグはオンであるか否かを判別する(S98)。CPU31は、CB作動中フラグはオンではないと判別したときには、内部抽籤処理を終了する一方で、CB作動中フラグはオンであると判別したときには、内部当籤役1格納領域のビット0〜ビット2をオンにセットする(S99)。即ち、CBの作動中では、上記抽籤の結果にかかわらず、メダルの払い出しに係る図柄の組合せ「チェリー1」〜「チェリー3」の表示が許容されるようになる。この処理が終了すると、内部抽籤処理を終了する。
次に、図36を参照して、リール停止制御処理について説明する。
初めに、CPU31は、有効なストップボタンが押されたか否かを判別する(S111)。CPU31は、有効なストップボタンが押されていないと判別したときには、S111を繰り返す。CPU31は、有効なストップボタンが押されたと判別したときには、有効ストップボタン格納領域の対応ビットをリセットし、作動ストップボタンを決定する(S112)。次に、CPU31は、ストップボタン未作動カウンタを1減算する(S113)。次に、CPU31は、チェック回数として4をセットする(S114)。
次に、CPU31は、CB作動中フラグはオンであるか否かを判別する(S115)。CPU31は、CB作動中フラグはオンであると判別したときには、作動ストップボタンは左ストップボタンであるか否かを判別する(S116)。CPU31は、作動ストップボタンは左ストップボタンであると判別したときには、チェック回数を2に変更する(S117)。
CPU31は、S117の後、S115においてCB作動中フラグはオンではないと判別したとき又はS116において作動ストップボタンは左ストップボタンではないと判別したときには、内部当籤役に基づいて、図柄カウンタに対応する図柄位置(前述の停止開始位置)からのチェック回数の範囲内において、最も優先順位の高い図柄位置を検索する(S118)。この処理は、内部当籤役に基づいて、停止操作検出手段により停止操作の検出が行われたときに図柄特定手段により特定される図柄から予め定められた範囲(例えば、最大滑り駒数「3コマ」の範囲)の図柄までの各図柄に応じた優先順位の比較を行う優先順位比較手段を構成する。
S118において、CPU31は、基本的に、内部当籤役によって表示が許容されている図柄の組合せに含まれる図柄を入賞判定ライン沿ってに表示することが可能となる図柄位置を、最も優先順位の高い図柄位置として決定する。例えば、一般遊技状態において内部当籤役として「BB1」が決定されており、左リール3L及び中リール3Cの回転が停止した結果、第8ライン8hに沿って図柄「赤7」が表示されているとき、残りの回転中の右リール3Rの停止開始位置が「3」であったとすると(図4参照)、図柄位置「3」〜図柄位置「7」の範囲のうち、図柄「赤7」を第8ライン8hに沿って表示することが可能となる図柄位置「4」が最も優先順位の高い図柄位置として決定されることとなる。
また、本実施の形態では、再遊技の作動に係る図柄の組合せの表示とボーナスゲームの作動に係る図柄の組合せの表示とを共に許容する内部当籤役(例えば、特殊リプレイ+BB1)が決定される可能性があるが、このときは、再遊技の作動に係る図柄の組合せの表示が優先されるように図柄位置が決定される。また、メダルの払い出しに係る図柄の組合せの表示とボーナスゲームの作動に係る図柄の組合せの表示とを共に許容する内部当籤役(例えば、チェリー1〜チェリー3+BB1)が決定される可能性があるが、このときは、ボーナスゲームの作動に係る図柄の組合せの表示が優先されるように図柄位置が決定される。
次に、CPU31は、検索の結果に基づいて滑り駒数を決定し、停止予定位置をセットする(S119)。停止予定位置がセットされると、後述の一定周期毎の割込処理(図41)によって、ステッピングモータの駆動が制御され、図柄カウンタが停止予定位置の値に更新されるのを待ってリールの回転が停止される。
次に、CPU31は、リール停止コマンドを副制御回路72に対して送信する(S120)。リール停止コマンドによって、回転が停止されるリールの種別や停止開始位置や停止予定位置などの情報が副制御回路72に送信される。
次に、CPU31は、図柄配置テーブルを参照し、停止予定位置に基づいて図柄コードを取得し、図柄格納領域に格納する(S121)。例えば、各リール3L,3C,3Rの停止予定位置が「1」であるとき、図31に示すように図柄コードが格納される。次に、CPU31は、ストップボタン未作動カウンタは0であるか否かを判別する(S122)。CPU31は、ストップボタン未作動カウンタは0ではないと判別したときには、S111に移る一方で、ストップボタン未作動カウンタは0であると判別したときには、リール停止制御処理を終了する。
次に、図37を参照して、表示役検索処理について説明する。
初めに、CPU31は、表示役格納領域をクリアし、図柄格納領域の先頭アドレスをセットする(S141)。先頭アドレスとして、第1ライン8aに対応するアドレスがセットされる。次に、CPU31は、図柄組合せテーブルの先頭アドレスをセットする(S142)。先頭アドレスとして、チェリー1に対応するアドレスがセットされる。
次に、CPU31は、図柄組合せテーブルにより規定される図柄の組合せと、図柄格納領域に格納されている3つの図柄コードとを比較する(S143)。即ち、アドレスに従って、その入賞判定ラインに対応する、左リールの図柄、中リールの図柄及び右リールの図柄からなる図柄の組合せと、図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せとが比較される。
次に、CPU31は、両者は一致するか否かを判別する(S144)。CPU31は、一致すると判別したときには、入賞作動フラグと格納領域識別データを取得する(S145)。例えば、第8ライン8hに対応する図柄格納領域に格納されている図柄の組合せが「赤7−赤7−赤7」であるとき、図柄組合せテーブルにおけるBB1に係る図柄の組合せと一致することとなる。
次に、CPU31は、格納領域識別データに基づいて表示役格納領域のアドレスをセットする(S146)。例えば、格納領域識別データが1のとき表示役1格納領域のアドレスがセットされる。次に、CPU31は、入賞作動フラグと、指定された表示役予想格納領域との論理和を当該表示役予想格納領域に格納する(S147)。次に、CPU31は、払出枚数を取得し、払出枚数カウンタに加算する(S148)。
CPU31は、S148の後又はS144において一致しないと判別したとき、図柄組合せテーブルのアドレスを更新する(S149)。次に、CPU31は、エンドコードであるか否かを判別する(S150)。CPU31は、エンドコードではない、即ち、図柄組合せテーブルにより規定されている全ての図柄の組合せについて検索を行っていないと判別したときには、S143に移る一方、エンドコードであると判別したときには、有効ラインカウンタに応じた回数を実行したか否かを判別する(S151)。
CPU31は、S151において有効ラインカウンタに応じた回数を実行してないと判別したときには、図柄格納領域のアドレスを更新し(S152)、S142に移る。CPU31は、S151において有効ラインカウンタに応じた回数を実行したと判別したときには、投入枚数カウンタは3であるか否かを判別する(S153)。CPU31は、投入枚数カウンタは3であると判別したときには、払出枚数カウンタは15を越えるか否かを判別する(S154)。
CPU31は、S154において払出枚数カウンタは15を越えないと判別したときには、表示役検索処理を終了する一方で、払出枚数カウンタは15を越えると判別したときには、払出枚数カウンタの値を15にセットし(S155)、表示役検索処理を終了する。即ち、本実施の形態では、投入枚数カウンタの値が3であるとき、払出枚数カウンタの最大値を15に定めており、例えば、複数の入賞判定ラインについてメダルの払い出しに係る図柄の組合せが表示されて、払出枚数カウンタが15を超える場合があっても、その値が最大値である15に変更される。
CPU31は、S153において投入枚数カウンタは3ではないと判別したときには、払出枚数カウンタは10を越えるか否かを判別する(S156)。CPU31は、S156において払出枚数カウンタは10を越えないと判別したときには、表示役検索処理を終了する一方で、払出枚数カウンタは10を越えると判別したときには、払出枚数カウンタの値を10にセットし(S157)、表示役検索処理を終了する。
次に、図38を参照して、ボーナス作動チェック処理について説明する。
初めに、CPU31は、表示役はMBであるか否かを判別する(S171)。CPU31は、表示役はMBであると判別したときには、ボーナス作動時テーブルに基づいて、MB作動時処理を行う(S172)。
CPU31は、S171において表示役はMBではないと判別したときには、表示役はBB1であるか否かを判別する(S173)。CPU31は、表示役はBB1であると判別したときには、ボーナス作動時テーブルに基づいて、BB1作動時処理を行う(S174)。
CPU31は、S173において表示役はBB1ではないと判別したときには、表示役はBB2であるか否かを判別する(S175)。CPU31は、表示役はBB2であると判別したときには、ボーナス作動時テーブルに基づいて、BB2作動時処理を行う(S176)。尚、S174及びS175の処理は、特別状態作動手段を構成する。
CPU31は、S176の後又はS174の後に、RT2作動中フラグをセットする(S177)。このとき、CPU31は、作動中フラグ2格納領域を一旦クリアした上で、RT2作動中フラグをオンにする。尚、S177の処理は、第1状態作動手段を構成する。CPU31は、S177の後又はS172の後に持越役格納領域の値をクリアする(S178)。次に、CPU31は、ボーナス開始コマンドを送信する(S179)。この処理が終了すると、ボーナス作動チェック処理を終了する。
CPU31は、S175において表示役はBB2ではないと判別したときには、表示役はJAC1であるか否かを判別する(S180)。CPU31は、表示役はJAC1であると判別したときには、ボーナス作動時テーブルに基づいて、RB作動時処理を行う(S181)。次に、CPU31は、RT1作動中フラグをセットする(S182)。このとき、CPU31は、作動中フラグ2格納領域を一旦クリアした上で、RT1作動中フラグをオンにする。この処理が終了すると、ボーナス作動チェック処理を終了する。尚、S182の処理は、第2状態作動手段を構成する。また、第1の条件が成立すると、第1の状態の作動を終了する第1状態終了手段を構成する。
CPU31は、S180において表示役はJAC1ではないと判別したときには、表示役はJAC2であるか否かを判別する(S183)。CPU31は、表示役はJAC2であると判別したときには、ボーナス作動時テーブルに基づいて、RB作動時処理を行う(S184)。この処理が終了すると、ボーナス作動チェック処理を終了する。尚、S181及びS183の処理は、特定状態作動手段を構成する。
CPU31は、S183において表示役はJAC2ではないと判別したときには、表示役はリプレイであるか否かを判別する(S186)。CPU31は、表示役はリプレイではないと判別したときには、ボーナス作動チェック処理を終了する一方、表示役はリプレイであると判別したときには、投入枚数カウンタを自動投入カウンタに複写する(S187)。尚、この処理は、再遊技作動手段を構成する。この処理が終了すると、ボーナス作動チェック処理を終了する。
次に、図39を参照して、ボーナス終了チェック処理について説明する。
初めに、CPU31は、RB作動中フラグはオンであるか否かを判別する(S201)。CPU31は、RB作動中フラグはオンであると判別したときには、入賞が成立したか否かを判別する(S202)。CPU31は、S201においてRB作動中フラグはオンではないと判別したとき又はS202において入賞が成立したと判別したときには、ボーナス終了枚数カウンタは0であるか否かを判別する(S203)。
CPU31は、S203においてボーナス終了枚数カウンタは0であると判別したときには、BB・MB終了時処理を行う(S204)。この処理では、作動中フラグ1格納領域がクリアされ、ボーナス終了枚数カウンタ、入賞可能回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタがクリアされる。尚、S204の処理は、特別の条件が成立すると、特別状態の作動を終了する特別状態終了手段を構成する。また、S204の処理は、特定の条件が成立すると、特定状態の作動を終了する特定状態終了手段を構成する。
次に、CPU31は、MBの作動が終了したか否かを判別する(S205)。CPU31は、MBの作動が終了したと判別したときには、RT2作動中フラグをオンにセットする(S206)。CPU31は、S206の後又はS205においてMBの作動が終了していないと判別したときには、ボーナス終了コマンドを副制御回路72に対して送信する(S207)。この処理が終了すると、ボーナス終了チェック処理を終了する。
CPU31は、S203においてボーナス終了枚数カウンタは0ではないと判別したときには、入賞可能回数カウンタを1減算する(S208)。次に、CPU31は、入賞可能回数カウンタは0であるか否かを判別する(S209)。CPU31は、S209において入賞可能回数カウンタは0ではないと判別したとき又はS202において入賞が成立していないと判別したときには、遊技可能回数カウンタを1減算する(S210)。次に、CPU31は、遊技可能回数カウンタは0であるか否かを判別する(S211)。CPU31は、遊技可能回数カウンタは0ではないと判別したときには、ボーナス終了チェック処理を終了する。
CPU31は、S211において遊技可能回数カウンタは0であると判別したとき又はS209において入賞可能回数カウンタは0であると判別したときには、RB終了時処理を行う(S212)。この処理では、RB作動中フラグがオフにされ、入賞可能回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタがクリアされる。この処理が終了すると、ボーナス終了チェック処理を終了する。尚、S212の処理は、特定の条件が成立すると、特定状態の作動を終了する特定状態終了手段を構成する。
次に、図40を参照して、RT制御処理について説明する。
初めに、CPU31は、RT1作動中フラグ又はRT2作動中フラグはオンであるか否かを判別する(S231)。CPU31は、RT1作動中フラグ又はRT2作動中フラグはオンであると判別したときには、表示役は転落リプレイであるか否かを判別する(S232)。CPU31は、表示役は転落リプレイであると判別したときには、RT4作動中フラグをオンにし、RTゲーム数カウンタに1000をセットする(S233)。CPU31は、作動中フラグ2格納領域を一旦クリアした上でRT4作動中フラグをオンにする。この処理が終了すると、RT制御処理を終了する。尚、S233の処理は、遊技者にとって不利な状態の作動を行う不利状態作動手段を構成する。また、第1の条件が成立すると、第1の状態の作動を終了する第1状態終了手段を構成する。また、第2の条件が成立すると、第2の状態の作動を終了する第2状態終了手段を構成する。
CPU31は、S232において表示役は転落リプレイではないと判別したときには、表示役は特殊リプレイであるか否かを判別する(S234)。CPU31は、表示役は特殊リプレイであると判別したときには、RT3作動中フラグをオンにし、RTゲーム数カウンタに3000をセットする(S235)。CPU31は、作動中フラグ2格納領域を一旦クリアした上でRT3作動中フラグをオンにする。この処理が終了すると、RT制御処理を終了する。尚、S235の処理は、遊技者にとって有利な状態の作動を行う有利状態作動手段を構成する。また、第1の条件が成立すると、第1の状態の作動を終了する第1状態終了手段を構成する。また、第2の条件が成立すると、第2の状態の作動を終了する第2状態終了手段を構成する。
CPU31は、S231においてRT1作動中フラグ又はRT2作動中フラグはオンではないと判別したとき、又は、S234において表示役は特殊リプレイではないと判別したときには、RT3作動中フラグ又はRT4作動中フラグはオンであるか否かを判別する(S236)。CPU31は、RT3作動中フラグ又はRT4作動中フラグはオンではないと判別したときには、RT制御処理を終了する一方で、RT3作動中フラグ又はRT4作動中フラグはオンであると判別したときには、RTゲーム数カウンタの値を1減算する(S237)。
次に、CPU31は、RTゲーム数カウンタは0であるか否かを判別する(S238)。CPU31は、RTゲーム数カウンタの値は0ではないと判別したときには、RT制御処理を終了する一方、RTゲーム数カウンタは0であると判別したときには、RT3作動中フラグ又はRT4作動中フラグをオフにセットする(S239)。この処理が終了すると、RT制御処理を終了する。
次に、図41を参照して、メインCPUの制御により割込処理(1.1173msec)について説明する。
初めに、CPU31は、レジスタの退避を行う(ステップS251)。次に、CPU31は、入力ポートチェック処理を行う(ステップS252)。具体的には、CPU31は、各スイッチなどからの信号の入力などをチェックする。
次に、CPU31は、入力状態コマンドの設定処理を行う(S253)。例えば、CPU31は、ストップスイッチ7Sからの入力があったとき、該当するストップボタンの種別に対応するコマンドを設定する。次に、CPU31は、通信データ送信処理を行う(S254)。具体的に、CPU31は、S253において設定されたコマンドを副制御回路72に対して送信する。
尚、副制御回路72では、S254において送信されるコマンドに基づいて、ストップボタン7L,7C,7Rが押されたこと及びその種別を特定することが可能となり、これに基づいて該当するサブリール23L,23C,23Rの回転を停止する。つまり、本実施の形態では、主制御回路71において管理されるリール3L,3C,3Rとは別に、副制御回路72において管理されるサブリール23L,23C,23Rについても、遊技者によりストップボタン7L,7C,7Rが押されたタイミングに基づいてその回転を停止することも可能となる。
次に、CPU31は、リール制御処理を行う(ステップS255)。具体的には、リールの回転開始要求がされたときは、リール3L,3C,3Rの回転が開始され、その後一定速度での回転が行われる。また、停止予定位置が決定されたときは、該当リールの図柄カウンタが停止予定位置と同一の値に更新されるのを待って、その回転の減速及び停止が行われる。
次に、CPU31は、ランプ・7SEG駆動処理を行う(ステップS256)。次に、CPU31は、タイマ管理処理を行う(ステップS257)。各種タイマの更新が行われる。次に、CPU31は、レジスタの復帰を行う(ステップS258)。この処理が終了すると、1.1173ms周期の割込処理を終了する。
以上説明したように、本実施の形態のスロットマシン1は、3つのリール3L,3C,3Rの回転が停止した結果、入賞判定ライン8a〜8hの何れかに沿ってBB1に係る図柄の組合せ又はBB2に係る図柄の組合せが表示されると、BB1の作動又はBB2の作動を行うとともにRT2の作動を行う。そして、BB1の作動又はBB2の作動が行われている場合において、表示役としてJAC1が決定されると、RBの作動を行うとともに遊技者にとって相対的に有利なRT3の作動がRT2よりも行われやすいRT1の作動を行うようにした。
より詳細な内容を図42及び図43を参照して述べる。図42は、BB1の作動又はBB2の作動が行われている場合において表示役としてJAC1が決定される場合における各作動中フラグのオン又はオフの遷移を表すタイムチャートを示す。また、図43は、BB1の作動又はBB2の作動が行われている場合において表示役としてJAC1が決定されない場合における各作動中フラグのオン又はオフの推移を表すタイムチャートを示す。
図42に示すように、表示役としてBB1又はBB2が決定されると、BB1作動中フラグ又はBB2作動中フラグがオンになるとともに、RT2作動中フラグがオンになる。その後、BB1の作動又はBB2の作動が行われている場合において表示役としてJAC1が決定されると、RT2作動中フラグがオフになり、代わりにRT1作動中フラグがオンになる。RT1作動中フラグが一旦オンになると、以降において表示役としてJAC2が決定されても、RT1作動中フラグがオフになることはない。そして、BB1の作動又はBB2の作動が終了すると、RT1はその作動が終了する条件が異なることから、以降において、RT1作動中フラグがオンとなっている状態が継続される。
前述したとおり、RT1の作動中では遊技者に有利なRT3の作動に係る内部当籤役「特殊リプレイ」が決定される確率は、遊技者に不利なRT4の作動に係る内部当籤役「転落リプレイ」が決定される確率よりも高い。表示役として特殊リプレイが決定されると、RT3作動中フラグがオンになり、この結果、遊技者はメダルの消費を抑えながら、メダルの払い出しに係る内部当籤役やボーナスゲームの作動に係る内部当籤役が決定されるのを待つことができるようになり、所有するメダルを漸増させることが可能となる。
これに対して、BB1の作動又はBB2の作動が行われている場合において表示役としてJAC1が決定されないと、RT2作動中フラグがオンのままとなり、BB1の作動又はBB2の作動が終了すると、(RT2はその作動が終了する条件が異なるので)以降において、RT2作動中フラグがオンとなっている状態が継続される。
前述したとおり、RT2の作動中では遊技者に不利なRT4の作動に係る内部当籤役「転落リプレイ」が決定される確率は、遊技者に有利なRT3の作動に係る内部当籤役「特殊リプレイ」が決定される確率よりも高く、表示役として転落リプレイが決定されると、RT4作動中フラグがオンになり、この結果、遊技者はメダルの消費が抑えられるという恩恵を受けることができない。
このように、遊技者にとって有利な結果が生じるRT1の作動が行われるか或いは不利な結果が生じるRT2の作動が行われるかは、BB1の作動又はBB2の作動が行われている間に、表示役としてJAC1が決定されたか否かによって決定されるようになる。
したがって、BB1の作動又はBB2の作動が行われている間、内部当籤役としてJAC1が決定されることに対して遊技者が期待を抱くようになり、また、3つのメインリール3L,3C,3Rの回転が停止される結果、遊技者に対して表示される図柄の組合せに遊技者が一喜一憂するようになるので、BBの作動中において遊技者が抱く期待感に起伏を生じさせることができるようになる。また、BBの作動が行われている間、上記JAC1に係る図柄の組合せを表示させるべく、タイミングをはかってストップボタンを押すという動機付けを遊技者に与えることができるから、遊技者が退屈してしまうことがないようにすることができる。
また、本実施の形態のスロットマシン1では、前述したように、RBの作動に係る表示役として複数種類(即ち、JAC1及びJAC2)を設けるようにし、これらのうち特定のもの(即ち、JAC1)が決定された場合に、遊技者に有利な結果が生じるRT1の作動を行うようにした。したがって、BB1一般遊技状態又はBB2一般遊技状態においてこれらの何れかが内部当籤役として決定されるのかについて遊技者が想いをめぐらせることができるようにしたことから、遊技者を一喜一憂させ、また、単調さから遊技者が退屈してしまうことがないようにするのに好適となる。
また、前述したように、表示役としてJAC1が一旦決定されると、その後、JAC2が決定されても、遊技者に不利な結果が生じるRT2の作動が行われることがないので、遊技者の達成感や満足感を持続させることができる。
また、本実施の形態のスロットマシン1では、前述したように、BBの種類を複数(即ち、BB1及びBB2)設けるようにし、それぞれにおいて内部当籤役としてJAC1が決定される確率を異ならせるようにした。したがって、BB1の作動が行われるとき及びBB2の作動が行われるときのそれぞれにおいて遊技者が抱く期待が異なるようにすることができる。また、BB1の作動及びBB2の作動が行われる前において、これらの何れかが内部当籤役として決定されるのかについて遊技者が想いをめぐらせることができるようにし、そして、該当する図柄の組合せを表示させるときに遊技者が抱く期待を高めることができる。この結果、遊技者を一喜一憂させ、また、単調さから遊技者が退屈してしまうことがないようにするのに好適となる。
また、本実施の形態のスロットマシン1では、前述したように、BB1の作動又はBB2の作動が終了した後、直ちに遊技者に有利なRT3の作動或いは遊技者に不利なRT4の作動を行うこととはせず、これらの何れかに移行するかが決定される1つ前の段階として、RT1の作動及びRT2の作動を行うようにしているので、遊技者が抱く期待を長引かせることができる。
また、遊技者に不利な結果が生じるRT2の作動が行われている場合でも、RT1の作動が行われているときと比べればその確率は低いが、遊技者に有利なRT3の作動が行われる可能性を持たせるようにしているので、BB1の作動又はBB2の作動が終了した結果、RT2の作動が開始されても、遊技者が期待を全く抱けなくなってしまうのを防ぐことができ、遊技者が抱く興味を持続させることができるようになる。
これに対して、遊技者に有利な結果が生じるRT1の作動が行われている場合、遊技者に不利なRT4の作動に係る特殊リプレイが当り要求フラグとして決定されるときは、必ず、ボーナスゲームの作動に係る当り要求フラグがともに決定されるようにしているので、遊技者が抱く期待を長引かせつつ、遊技者にとって不利なRT4の作動が行われることに対する不安をなくすことが可能となっている。
以上、本実施の形態のスロットマシン1における主制御回路71において実行されるプログラムの内容等について説明した。続いて、以下では、図44〜図47を参照して、副制御回路72の制御ROM82に記憶されているテーブル及び副制御回路72のサブCPU81により実行されるプログラムの内容等について説明する。
副制御回路72では、前述の主制御回路71において制御されるプログラムの進行に応じて、サブリール23L,23C,23Rの動作、4thリール110の動作、音、光、或いはこれらの組合せによる演出の内容を決定し、これを実行する。
まず、図44及び図45を参照して制御ROM82に記憶されている各種テーブルについて説明する。
図44は、サブリール用図柄配置テーブルを示す。サブリール用図柄配置テーブルは、各サブリール23L,23C,23Rの表面に配されている図柄の配列(図5参照)をデータにより表したものであって、それぞれに対応して設けられた図柄カウンタにより管理されるサブリールの回転方向における各位置「0」〜「20」に応じて、当該各位置に配される図柄の種別を示す図柄コードを規定している。図柄コードは、1バイトのデータであり、赤7(図柄p11)〜大つちのこ(図柄p20)の10種の図柄に応じて、「1(00000001B)」〜「10(00001010B)」のそれぞれが割り当てられている。
図45は、サブリール用図柄組合せテーブルを示す。サブリール用図柄組合せテーブルは、主制御回路71において決定される表示役と、これに応じてサブリール23L,23C,23Rにより表示する図柄の組合せとを規定する。例えば、主制御回路71において表示役「通常リプレイ1」〜「通常リプレイ4」の何れかが決定されると、副制御回路72のサブCPU81は、図5に示すリプレイ(図柄p14)がサブ表示窓24L,24C,24Rにおける演出用ライン28a〜28eの何れかに沿って表示されるように、サブリール23L,23C,23Rの回転及びその停止の動作を制御する。
続いて、図46及び図47に示すフローチャートを参照して、副制御回路72のサブCPU81が実行するプログラムの内容について説明する。
まず、図46を参照して、サブCPUにより行われる主基板通信タスクについて説明する。
初めに、サブCPU81は、主制御回路71から送信されたコマンドの受信チェックを行う(S501)。次に、サブCPU81は、コマンドを受信した場合、そのコマンドの種別を抽出する(S502)。次に、サブCPU81は、前回とは異なるコマンドを受信したか否かを判別する(S503)。サブCPU81は、前回とは異なるコマンドを受信しなかったと判別したときには、S501に移る。サブCPU81は、前回とは異なるコマンドを受信したと判別したときには、メッセージキューに格納し(S504)、S501に移る。
次に、図47を参照して、サブCPUにより行われる演出登録タスクについて説明する。
初めに、サブCPU81は、メッセージキューからメッセージを取り出す(S511)。次に、サブCPU81は、メッセージは有るか否かを判別する(S512)。サブCPU81は、メッセージは有ると判別したときには、メッセージから遊技情報を複写する(S513)。例えば、内部当籤役、表示役、作動中フラグ、作動ストップボタン等といった主制御回路71において管理されている各種データをSDRAM83の所定の領域に複写する。
次に、サブCPU81は、演出内容決定処理を行う(S514)。この処理では、受信したコマンドの種別に応じて、演出内容の決定及び登録や、登録されている演出内容に基づいた演出データの選択及びその実行を行う。例えば、サブCPU81は、表示役コマンドを受信したとき、前述のサブリール用図柄組合せテーブルを参照し、表示役に対応する図柄の組合せが演出用ライン28a〜28eに沿って表示されるように、サブリール23L,23C,23Rの回転を停止する制御のパターンを決定する。
サブCPU81は、S514の後、又は、S512においてメッセージは無いと判別したときには、サブリールデータの登録・4thリールデータの登録を行う(S515)。サブリールデータの登録及び4thリールデータの登録は、上記演出内容決定処理において登録された演出内容に基づいて行われる。そして、この処理において、サブリールデータの登録が行われると、サブリール制御タスク(図示を省略)においてサブリール23L,23C,23Rの回転及びその停止の動作の制御を行う。また、4thリールデータの登録が行われると、4thリール制御タスク(図示を省略)において4thリール110の回転及びその停止の動作の制御を行う。
次に、サブCPU81は、サウンド演出リクエストを行う(S516)。サウンド演出リクエストは、上記演出内容決定処理において登録された演出内容に基づいてDSP90に対して行われる。次に、サブCPU81は、LEDデータの登録を行う(S517)。LEDデータの登録は、上記演出内容決定処理において登録された演出内容に基づいて行われる。この処理が終了すると、S511に移る。
以上、本実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。即ち、本発明の回胴式遊技機が備える、リール、内部当籤役決定手段、リール回転手段、停止操作検出手段、リール停止手段、特別状態作動手段、特定状態作動手段、第1状態作動手段、第2状態作動手段などの具体的構成については前述した本実施の形態の各要素に限らず任意に変更可能である。
本実施の形態のスロットマシン1では、前述したように、BB1の作動又はBB2の作動が終了した後、直ちに遊技者に有利なRT3の作動或いは遊技者に不利なRT4の作動を行うこととはせず、これらの何れかに移行するかが決定される1つ前の段階として、RT1の作動及びRT2の作動を行うようにしているが、本発明はこれに限らず、BB1の作動又はBB2の作動が終了した後、直ちに遊技者に有利なRT3の作動或いは遊技者に不利なRT4の作動を行うようにしても良い。この場合、表示役としてJAC1が決定されたときにRT3の作動を行う一方で、表示役としてJAC1が決定されなかったときにRT4の作動を行うようにしても良い。
即ち、スロットマシン1は、所定の図柄の組合せの表示を許容する内部当籤役(前述の特殊リプレイ)又は所定の図柄の組合せとは異なる予め定められた図柄の組合せの表示を許容する内部当籤役(前述の転落リプレイ)が決定される第1内部抽籤テーブル(前述のRT2遊技状態用内部抽籤テーブル)と、所定の図柄の組合せの表示を許容する内部当籤役が前記第1内部抽籤テーブルよりも高い確率で決定され、又は、前記予め定められた図柄の組合せの表示を許容する内部当籤役が前記第1内部抽籤テーブルよりも低い確率で決定される第2内部抽籤テーブル(前述のRT1遊技状態用内部抽籤テーブル)と、再遊技の作動に係る図柄の組合せの表示を許容する内部当籤役(前述の通常リプレイ)が相対的に高い確率で決定される第3内部抽籤テーブル(前述のRT3遊技状態用内部抽籤テーブル)と、再遊技の作動に係る図柄の組合せの表示を許容する内部当籤役が相対的に低い確率で決定される第4内部抽籤テーブル(前述のRT4遊技状態用内部抽籤テーブル)と、を備え、特別状態の作動が終了した場合に、第1の状態(前述のRT2)の作動が行われているとき、前記第1内部抽籤テーブルを決定する一方で、第2の状態(前述のRT1)の作動が行われているとき、前記第2内部抽籤テーブルを決定し、また、第1の状態の作動が行われている場合又は第2の状態の作動が行われている場合において、所定の図柄の組合せが表示されたとき、前記第3内部抽籤テーブルを決定する一方で、前記予め定められた図柄の組合せが表示されたとき、前記第4内部抽籤テーブルを決定するようにしている。しかしながら、本発明はこれに限らず、特別状態の作動が終了した場合に、第1の状態の作動が行われているとき、前記第4内部抽籤テーブルを決定する一方で、第2の状態の作動が行われているとき、前記第3内部抽籤テーブルを決定するようにしても良い。
また、本実施の形態のスロットマシン1では、特別状態としてBBを採用し、その種類としてBB1及びBB2の2種類を設けるようにしたが、本発明はこれに限らず、その種類は1つであっても良いし、また、2種類を超えて設けるようにしても良い。また、MBを採用することも可能である。
即ち、スロットマシン1は、特定の図柄の組合せの表示を許容する内部当籤役が決定される第1の特別内部抽籤テーブルと、特定の図柄の組合せの表示を許容する内部当籤役が前記第1の特別内部抽籤テーブルよりも高い確率で決定される第2の特別内部抽籤テーブルと、を備え、第1の特別の図柄の組合せが表示されると、前記第1の特別内部抽籤テーブルを決定する一方で、第2の特別の図柄の組合せが表示されると、前記第2の特別内部抽籤テーブルを決定するようにしている。しかしながら、本発明はこれに限らず、特別の図柄の組合せを1つとして、これが表示されると、特定の図柄の組合せの表示を許容する内部当籤役が決定される特別内部抽籤テーブルを決定するようにしても良い。また、特別状態の種類に応じて、内部抽籤テーブルを設け、それぞれに応じて異なる内部抽籤テーブルを決定することもできる。
また、本実施の形態のスロットマシン1では、特定状態としてRBを採用し、その作動に係る図柄の組合せとしてJAC1及びJAC2の2種類を設けるようにしたが、本発明はこれに限らず、その種類は1つであっても良いし、また、2種類を超えて設けるようにしても良い。2種類を超えて設けるようにする場合、それぞれが表示されたときに応じて、所定の図柄の組合せの表示を許容する内部当籤役等が決定される確率が異なるRTの作動を行うようにすることも可能である。
また、本実施の形態のスロットマシン1では、JAC2が内部当籤役として決定される確率を、BB1の作動が行われているときとBB2の作動が行われているときとで異ならせるようにしたが、本発明はこれに限らず、それぞれで等しくしても良い。
本実施の形態では、表示役としてJAC1が決定されたときに最終的に決定されることとなる遊技者にとって有利な状態として、再遊技の作動に係る内部当籤役が相対的に高い確率で決定されるリプレイタイムを採用したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、メダルの払い出しに係る内部当籤役が相対的に高い確率で決定される状態(いわゆる小役の集中)を採用することもできる。この場合、遊技者は所有するメダルを比較的短期間で増加させることができるようになる。
尚、本実施の形態では、サブリール表示部10において遊技者に対して表示するサブリール23L,23C,23Rを、ステッピングモータ149L,149C,149Rによってその動作が制御される機械式のリールとしたが、本発明はこれに限らず、サブリール表示部10を液晶表示装置の表示画面として構成し、この表示画面上において表示する映像によってサブリール23L,23C,23Rの回転及びその停止の動作を表現するようにしても良い。
また、本実施の形態において適用した、図1〜図5に示す装置構成、図6及び図7に示す回路構成及びその周辺装置、図8〜図26に示すテーブルの構成、図27〜図31に示すRAMの格納領域の構成、図32〜図41に示すフローチャートの構成などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変更又は修正が可能なものである。
また、本実施の形態のようなスロットマシンの他、リール及びその表面に配される図柄を映像により表示するビデオスロット等の遊技機にも本発明を適用できる。更に、前述のスロットマシンでの動作を家庭用ゲーム機用として擬似的に実行するようなゲームプログラムにおいても、本発明を適用してゲームを実行することができる。その場合、ゲームプログラムを記録する記録媒体は、CD−ROM、FD(フレキシブルディスク)、その他任意の記録媒体を利用できる。
尚、本実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。