JP2006075319A - 繊維成形体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ボリューム感があり、しかも多量の汗が蒸散移行し、金属製のベッドの温度変化によってベッドに結露が発生したり、カビが発生するのを抑制できる。また、車輌等の内装材として使用するシートクッション材や緩衝材で多量の汗によるべたつき感を軽減するクッション材を提供すること。
【解決手段】ポリエステル短繊維よりなる繊維構造体が少なくとも一ヵ所に吸水及び/又は吸湿性能を有するシート層を有することを特徴とする繊維成形体。
【選択図】なし

Description

本発明は、複合繊維を使用した繊維成形体であって、特にベッド用のマットレスに使用される。或いは車輌等の内装材として使用できるクッション材や緩衝材または、シートクッションカバーに関するものである。
ポリエステル繊維製のクッション材は種々開発されており、特開平2−154050号では、蒸熱処理による低融点繊維の溶融によって、交絡部を融着した製品が開示されている。これは、混綿した芯鞘型繊維の鞘部の低融点繊維の溶融によって、交絡部の固定ができるため、クッション性が良好で比較的安定した製品を得ることができるものである。
また、特開平10−215984号には、巻縮ステープルによって構成したランダムウェブにニードル加工を施して平板状に加工すると共に、波形板形状に形成して形状保持し、伸縮性を有する布部材によって被うと共に長手方向に縫製する構成としたことを特徴とする伸縮マットレスが記載されている。
しかし、これらのマットレスは、病院や在宅介護用に金属製のベッドに使用された場合、患者から発生する多量の汗が蒸散移行し、金属製のベッドの温度変化によってベッドに結露が発生したり、カビが発生することもあった。
特開平2−154050号公報 特開平10−215984号公報
本発明は、このような従来技術の欠点を解消すべく、ポリエステル繊維からなるクッション材であって、ベッド用マットレスとしても使用でき、ボリューム感があり、しかも多量の汗が蒸散移行し、金属製のベッドの温度変化によってベッドに結露が発生したり、カビが発生するのを抑制できる。また、車輌等の内装材として使用するシートクッション材や緩衝材で多量の汗によるべたつき感を軽減するクッション材やそのカバーを提供することを課題とする。
上記目的を達成するため、本発明の請求項1にかかる発明は、ポリエステル短繊維よりなる繊維構造体が少なくとも一ヵ所に吸水及び/又は吸湿性能を有するシート層を有することを特徴とする繊維成形体である。
本発明の請求項2にかかる発明は、(A)ポリエステル繊維と(B)鞘に芯より融点が低い低融点成分を使用した芯鞘型複合繊維とを混綿したカードウェブを積層した後に熱処理して形成された不織布構造体であって、立体的に連続した繊維の交絡部が上記芯鞘型複合繊維の鞘部の溶融によって融着されてなる繊維成形体である。
本発明の請求項3にかかる発明は、吸水及び/又は吸湿性能を有するシート層が、2種類以上の短繊維集合体からなり、該短繊維集合体が少なくとも吸湿性繊維及び/又は吸水性繊維を含んでおり、目付けが30〜1000g/mであることを特徴とする繊維成形
体である。
本発明の請求項4にかかる発明は、吸水及び/又は吸湿性能を有するシート層が、少なくとも熱接着性繊維と吸湿性繊維及び/又は吸水性繊維を含んでいることを特徴とする繊維成形体である。
本発明の請求項5にかかる発明は、吸水及び/又は吸湿性能を有するシート層が、キルティング加工されたシートであることを特徴とする繊維成形体である。
本発明の請求項6にかかる発明は、厚さ30〜300mm、密度0.02〜0.10g/cmである上記記載のクッション材である。
本発明の請求項7にかかる発明は、厚さ5〜20mm、密度0.05〜0.20g/cmである上記記載の車両用シートクッションカバー材である。
本発明の請求項8にかかる発明は、吸水及び/又は吸湿性能を有するシート層を有することを特徴とする繊維成形体を製造する際に、少なくとも一ヵ所に吸水及び/又は吸湿性能を有するシートを積層し、これを加熱処理することにより該シートの両側の繊維構造体と一体化させる事を特徴とする繊維成形体の製法である。
本発明の請求項9にかかる発明は、吸水及び/又は吸湿性能を有するシート層を有することを特徴とする繊維成形体を製造する際に、少なくとも一ヵ所に吸水及び/又は吸湿性能を有するシートを積層し、これをニードルパンチすることにより該シートの両側の繊維構造体と一体化させる事を特徴とする繊維成形体の製法である。
本発明によれば、体から出る汗等の水分がマットを通過してベッド本体の床板面に達し、室内の気温の変化によって温度の下がったベッド本体の床板面上に結露が発生することを防止することができるベッドマットを得ることができる。また、車両用内装材のクッション材や緩衝材では、汗によるべとつき感なく、快適に使用できる。
本発明である、ポリエステル短繊維よりなる繊維構造体が少なくとも一ヵ所に吸水及び/又は吸湿性能を有するシート層を有することを特徴とする繊維成形体、いわゆるクッション材であって、ベッド用マットレスとしても使用でき、ボリューム感があり、しかも多量の汗が蒸散移行し、金属製のベッドの温度変化によってベッドに結露が発生したり、カビが発生するのを抑制できるクッション材や多量の汗によるべたつき感を軽減する車輌等の内装材として使用するシートクッション材、や緩衝材を以下に説明する。まず、かかるクッション材や緩衝材を構成する繊維について説明する。
クッション材や緩衝材を構成する(A)のポリエステル繊維としては、通常のポリエチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリ1,4−ジメチルシクロヘキサンテレフタレート、ポリヒドロラクトンまたはこれらの共重合エステルやコンジュゲートスピニングによる複合繊維などがいずれも使用できる。熱収縮率の異なる2種のポリマーからなるサイドバイサイド型複合繊維は、スパイラル状捲縮を発現し、立体構造をとるので好ましく、特に、中空率5〜30%の中空糸が好ましい。また、繊度は3〜100dtexで、カット長は25〜150mmのものを使用するのが好ましい。
次に、(B)の芯鞘型複合繊維としては、芯に通常のポリエステル繊維成分を使用し、
鞘に低融点ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミドなどを、芯成分と鞘成分の融点の差が30℃以上となるように組み合わせて製造した複合繊維がいずれも使用できる。繊度2〜20dtex、カット長25〜76mmのものを使用するのが好ましい。
また、(B)の芯鞘型複合繊維の鞘成分としては、特に、低融点ポリエステルの使用が好ましいが、この種のポリエステルは、アジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸類、フタル酸、イソフタル酸、ナフタリンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸類および/またはヘキサヒドロテレフタル酸、へキサヒドロイソフタル酸などの脂環式ジカルボン酸類と、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、パラキシリレングリコールなどの脂肪族や脂環式ジオール類とを所定数含有し、所望に応じてパラヒドロキシ安息香酸などのオキシ酸類を添加した共重合エステルであり、例えばテレフタル酸とエチレングリコールに、イソフタル酸および1,6−ヘキサンジオールを添加共重合させたポリエステルなどが例示される。
また、本発明のクッション材において、(A)繊維と(B)繊維とを重量比で95:5〜40:60という割合で混綿することが好ましい。更に好ましくは、90:10〜70:30という割合で混綿することが好ましい。これは、(B)繊維が10〜30%で使用するのがクッション性、ソフト性(硬さ)等の物性上好適であるからである。
本発明では、構成する繊維主体として、中空糸を使用するのが好ましいが、これは、ウェブの繊維方向が不規則に絡み合い、芯鞘型複合繊維の低融点成分と交絡部で融着接合されて立体的な構造となり、繰り返し圧縮荷重による歪みが非常に小さい製品となるためである。
本発明で使用する吸水及び/又は吸湿性能を有するシートにおいて、本発明に用いる吸水性繊維とは生理食塩水に対する吸水倍率が自重の10倍以上の吸水性能を有するものであり、例えばセルロース系繊維、パルプ繊維等の天然繊維、架橋アクリル酸ナトリウム塩系繊維、アクリル繊維の表面を架橋処理後加水分解した架橋アクリル系繊維等の合成繊維あるいは吸水性物質を含有させた繊維等が挙げられる。これらの繊維は単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。
吸水性繊維の混率は任意であり、使用する繊維の吸水性能や強度に合わせて使用することができるが、短繊維集合体としての形態保持性や強度の観点から5〜50重量%の範囲が好ましい。さらに好ましくは10〜40重量%である。
本発明に用いる吸湿性繊維とは20℃、相対湿度80%の条件下で10重量%以上の吸湿性能を有するものであり、例えばとしてはシルク、ウール等の天然繊維、架橋アクリル酸ナトリウム塩系繊維、アクリル繊維の表面を架橋処理後加水分解した架橋アクリル系繊維等の合成繊維等が挙げられる。これらの繊維は単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。
吸湿性繊維の混率は任意であり、使用する繊維の吸湿性能や強度に合わせて使用することができるが、短繊維集合体としての形態保持性や強度の観点から5〜50重量%の範囲が好ましい。さらに好ましくは10〜40重量%である。
本発明の短繊維集合体には吸湿性繊維と吸水性繊維以外の繊維も混用することができる。これらの繊維の種類は特に限定しない。合成繊維、天然繊維、再生繊維等、全ての繊維を使用することができる。また、中空繊維、難燃繊維、消臭繊維、防カビ繊維等の機能性繊維を使用することにより、それぞれの機能を付与することもできる。
本発明で使用する吸水及び/又は吸湿性能を有するシートにおいて、少なくとも熱接着性繊維と吸水性繊維及び/又は吸湿性繊維を含んでいることが望ましい。熱接着性繊維を有することにより、シートを挿入し熱による加工を行なう場合にマット本体との接着が良好となるからである。
本発明で使用する吸水及び/又は吸湿性能を有するシート層は、キルティング加工されたシートであっても良い。吸水繊維や吸湿繊維は強度的に弱い場合があり、そのような強度の弱い繊維で構成したシートを挿入したクッション材を折り曲げたり、洗浄したりした場合に繊維の脱落が発生する。キルティング加工したシートであれば、キルティング内で繊維の脱落を止める事ができる。
本発明の繊維成形体は、ポリエステル繊維を開繊しカードをしたウエブの間に吸水及び/又は吸湿性能を有するシートを積層して、ニードルパンチで交絡して一体化することにより製造される。
また、本発明の繊維成形体は、(A)ポリエステル繊維と(B)鞘に芯より融点が低い低融点成分を使用した芯鞘型複合繊維とを混綿したウエブを、遠赤外線や熱風ヒータ等で仮融着し、所定の密度および厚さに応じて積層して繊維構造体とする。この繊維構造体の間に吸水及び/又は吸湿性能を有するシートを積層して、熱処理して繊維間を芯鞘繊維の鞘部の溶融により主体繊維と相互に融着するという方法によって製造される。熱処理による製造方法は、ベッドマット等厚みの大きい製品のように、上記ニードルパンチで交絡できない場合に特に有効である。熱処理方法は、遠赤外線や熱風ヒータや蒸気釜によることが出来、特に限定はしない。
また、本発明の繊維成形体は、(A)ポリエステル繊維と(B)鞘に芯より融点が低い低融点成分を使用した芯鞘型複合繊維とを混綿して得られた低目付のカードウェブの表面を、遠赤外線または熱風ヒータで仮融着し、所定の密度および厚さに応じて構成し、吸水及び/又は吸湿性能を有するシートを少なくとも一ヵ所に挿入した後に蒸気釜に入れ、この蒸気釜内部を50Torr以下に減圧した後に一定時間湿熱処理し、その後冷却乾燥するという、2段階熱処理法によって製造される。
このような構成および2段階熱処理法では、繊維構造体の内層部まで均一に融着されて密度分布が均一になり、全体に風合いよく、外観も優れた製品を効率よく製造することができる。
例えば、厚さ20mm以上、特に40mm以上というようなベッド用マットレスに適した厚い繊維構造体であっても、所望の密度で、しかも密度のばらつきの少ない製品を容易に得ることができる。また、高分子計器製硬度計アスカーF型で硬さ10度以上であるクッション材も安定して製造することができる。
上記熱処理は、上記積層されたカードウェブを上下2枚のプレート間に圧縮保持させ、加熱する。また、上下2枚のプレートにはその不織布が当設する面に20〜50mm間隔に深さ10〜20mm程度の刃を設けておくと好ましい。この刃により不織布表面に切り込みが設けられ、この切り込みにより屈曲性に優れたクッション材を製造することができる。
以下、本発明を実施例により詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
生理食塩水に対する吸水倍率が自重の50倍である東洋紡績(株)製吸水性繊維「ランシール」(5.6dtex、51mm)30重量%と20℃、相対湿度80%の条件下での吸湿率が55重量%である東洋紡績(株)製吸湿性繊維「モイスケアー」(4.4dtex、50mm)30重量%およびレギュラーポリエステル繊維(4.4dtex、51mm)40重量%を混綿し、カーディング、クロスレイ、ニードルパンチによる通常の処理を施し、目付け800g/m、厚さ5mmの不織布シート(C)(縦60cm、横60cm)を作製した。
次いで、カネボウ合繊(株)製ポリエチレンテレフタレート(PET)中空サイドバイサイド型コンジュゲート短繊維H588(6.6dtex、51mm)を80%、熱融着繊維としてユニチカファイバー(株)製共重合PET短繊維4080(3.3dtex、51mm)20%を開繊、混綿し、カード機、クロスレイヤー処理を行った。引続き試料の両面側から140〜200℃加熱処理を施し、さらに加熱処理ゾーン出口にてローラで不織布を圧縮して厚さを調節して目付け600g/m、厚さ15mmの不織布構造体(D)を得た。
この不織布構造体(D)6枚の中間層に、上記不織布シート(C)を挿入して積層された不織布構造体を上下2枚のプレート間100mmの間に圧縮保持させ、加熱成形した。また、上下2枚のプレートにはその不織布が当設する面に50mm間隔に深さ15mmの刃を設けておく。この刃により不織布表面に切り込みが設けられ、この切り込みにより屈曲性に優れたマットレス(縦190cm、横90cm)を製造することができた。
(実施例2)
生理食塩水に対する吸水倍率が自重の45倍、20℃、相対湿度80%の条件下での吸湿率が85重量%であるカネボウ合繊(株)製吸水・吸湿性繊維「ベルオアシス」(10dtex、51mm)40重量%とレギュラーポリエステル繊維(4.4dtex、51mm)60重量%を混綿し、カーディング、クロスレイ、ニードルパンチによる通常の処理を施し、目付け500g/m、厚さ4mmの吸水及び/又は吸湿性不織布を作製した。次に、目付け100g/mの表皮用ポリエステル織布を上記吸水及び/又は吸湿性不織布の両面に置いてキルティング加工により一体化し、吸水吸湿性シート(C)(縦90cm、横60cm)を得た。
次いで、カネボウ合繊(株)製ポリエチレンテレフタレート(PET)中空サイドバイサイド型コンジュゲート短繊維H588(15dtex、51mm)を80%、熱融着繊維としてユニチカファイバー(株)製共重合PET短繊維4080(3.3dtex、51mm)20%を開繊、混綿し、カード機、クロスレイヤー処理を行った。引続き試料の両面側から140〜200℃加熱処理を施し、さらに加熱処理ゾーン出口にてローラで不織布を圧縮して厚さを調節して目付け500g/m、厚さ20mmの不織布構造体(D)を得た。
この不織布構造体(D)6枚の中間層に、上記吸水及び/又は吸湿性シート(C)を挿入して積層された不織布構造体を上下2枚のプレート間100mmの間に圧縮保持させ、加熱成形した。また、上下2枚のプレートにはその不織布が当設する面に100mm間隔に深さ15mmの刃を設けておく。この刃により不織布表面に切り込みが設けられ、この切り込みにより屈曲性に優れたマットレス(縦196cm、横90cm)を製造することができた。
(実施例3)
生理食塩水に対する吸水倍率が自重の45倍、20℃、相対湿度80%の条件下での吸
湿率が85重量%であるカネボウ合繊(株)製吸水・吸湿性繊維「ベルオアシス」(10dtex、51mm)40重量%とレギュラーポリエステル繊維(4.4dtex、51mm)60重量%を混綿し、カーディング、クロスレイ、ニードルパンチによる通常の処理を施し、目付け500g/m、厚さ4mmの不織布を作製した。また、レギュラーポリエステル繊維(4.4dtex、51mm)100重量%をカーディング、クロスレイ、ニードルパンチによる通常の処理を施し、目付け100g/m、厚さ2mmの表皮層用不織布を作製した。これらの表皮層用不織布を吸水及び/又は吸湿性不織布の両面に置いてニードルパンチにより積層一体化し、三層構造の吸水及び/又は吸湿性不織布シート(C)(縦90cm、横60cm)を得た。
次いで、カネボウ合繊(株)製ポリエチレンテレフタレート(PET)中空サイドバイサイド型コンジュゲート短繊維H588(6.6dtex、51mm)を80%、熱融着繊維としてユニチカファイバー(株)製共重合PET短繊維4080(3.3dtex、51mm)20%を開繊、混綿し、カード機、クロスレイヤー処理を行った。引続き試料の両面側から140〜200℃加熱処理を施し、さらに加熱処理ゾーン出口にてローラで不織布を圧縮して厚さを調節して目付け500g/m、厚さ15mmの不織布構造体(D)を得た。
この不織布構造体(D)6枚の中間層に、上記吸水及び/又は吸湿性不織布シート(C)を挿入して積層された不織布構造体を上下2枚のプレート間80mmの間に圧縮保持させ、加熱成形した。また、上下2枚のプレートにはその不織布が当設する面に100mm間隔に深さ15mmの刃を設けておく。この刃により不織布表面に切り込みが設けられ、この切り込みにより屈曲性に優れたマットレス(縦190cm、横90cm)を製造することができた。
(実施例4)
生理食塩水に対する吸水倍率が自重の50倍である東洋紡績(株)製吸水性繊維「ランシール」(5.6dtex、51mm)20重量%と20℃、相対湿度80%の条件下での吸湿率が55重量%である東洋紡績(株)製吸湿性繊維「モイスケアー」(4.4dtex、50mm)40重量%およびレギュラーポリエステル繊維(4.4dtex、51mm)40重量%を混綿し、カーディング、クロスレイ、ニードルパンチによる通常の処理を施し、目付け400g/m、厚さ2mmの吸水及び/又は吸湿性不織布シート(C)(縦180cm、横40cm)を作製した。
次いで、カネボウ合繊(株)製ポリエチレンテレフタレート(PET)中空サイドバイサイド型コンジュゲート短繊維H588(6.6dtex、51mm)を30%、レギュラーポリエステル繊維(4.4dtex、51mm)40重量%、熱融着繊維としてユニチカファイバー(株)製共重合PET短繊維4080(3.3dtex、51mm)30%を開繊、混綿し、カード機、クロスレイヤー処理を行った。引続き試料の両面側からニードルパンチを施し、目付け800g/m、厚さ5mmの不織布構造体(D)を得た。
この不織布構造体(D)2枚の中間層に、上記吸水及び/又は吸湿性不織布シート(C)を挿入して積層させた試料の両面側からニードルパンチを施し、車両用シートクッションカバー(縦190cm、横50cm)を製造することができた。
(比較例1)
カネボウ合繊(株)製ポリエチレンテレフタレート(PET)中空サイドバイサイド型コンジュゲート短繊維H588(6.6dtex、51mm)を80%、レギュラーポリエステル繊維(4.4dtex、51mm)40重量%、熱融着繊維としてユニチカファイバー(株)製共重合PET短繊維4080(3.3dtex、51mm)20%を開繊
、混綿し、カード機、クロスレイヤー処理を行って目付け300g/m、厚さ15mmの不織布構造体を得た。
この不織布構造体10枚を積層して上下2枚のプレート間100mmの間に圧縮保持させ、加熱成形した。また、上下2枚のプレートにはその不織布が当設する面に50mm間隔に深さ15mmの刃を設けておく。この刃により不織布表面に切り込みが設けられ、この切り込みにより屈曲性に優れたマットレス(縦190cm、横90cm)を製造することができた。
次に、本発明にかかる繊維構造体の性能評価の結果を示す。性能評価は、この繊維成形体をベッドマットとして使用する場合の結露発生状況の確認である。
ベッドを2台準備し、1台には本発明の吸水及び/又は吸湿性能を有するシート層を有するマットレスを設置し、もう1台には従来の吸水及び/又は吸湿性能を有するシート層を含まない繊維製マットレス(比較例1)を設置する。空調なしの成り行きの室内で各々のベッドに熱のある患者に使用してもらい、気温の下がった明け方にベッドの床板部分を観察した。結果は、従来の繊維製マットレスを使用したベッドには結露が確認されたが、本発明の吸水及び/又は吸湿性能を有するシート層を有するマットレスを使用したベッドには結露が見られなかった。
上記のベッドを1月から7月の約半年間一般家庭に貸与して連続使用した後に、ベッドの床板部分を観察した。結果は、従来の繊維製マットレスを使用したベッドには部分的にカビが確認されたが、本発明の吸水及び/又は吸湿性能を有するシート層を有するマットレスを使用したベッドにはカビが見られなかった。
また、本発明の吸水及び/又は吸湿性能を有するシート層を有する車両用の背もたれシートカバーを使用した場合と、従来の吸水及び/又は吸湿性能を有するシート層を含まない車両用の背もたれシートカバーを着用比較したところ、本発明品が汗によるべとつき感がなく快適であった。
本発明によれば、体から出る汗等の水分がマットを通過してベッド本体の床板面に達し、室内の気温の変化によって温度の下がったベッド本体の床板面上に結露が発生することを防止することができるベッドマットを得ることができる。また、車両用内装材のクッション材や緩衝材では、汗によるべとつき感なく、快適に使用できる。
本発明の繊維成形体の側面図である。(吸水及び/又は吸湿性能を有するシート層が部分的に含んでいる場合) 本発明の繊維成形体の正面図である。(吸水及び/又は吸湿性能を有するシート層が部分的に含んでいる場合) 本発明の繊維成形体の側面図である。(吸水及び/又は吸湿性能を有するシート層が平面の全面に含んでいる場合) 本発明の吸水及び/又は吸湿性能を有するシート層の側面図である。(吸水及び/又は吸湿性不織布単層の場合) 本発明の吸水及び/又は吸湿性能を有するシート層の側面図である。(三層の場合) 本発明の吸水及び/又は吸湿性能を有するシート層の側面図である。(キルティング加工の場合)
符号の説明
(1) 繊維構造体
(2) 吸水及び/又は吸湿性能を有するシート層
(3) 吸水及び/又は吸湿性不織布
(4) 表皮層用不織布
(5) キルティング部

Claims (9)

  1. ポリエステル短繊維よりなる繊維構造体が少なくとも一ヵ所に吸水及び/又は吸湿性能を有するシート層を有することを特徴とする繊維成形体。
  2. 該繊維構造体が、(A)ポリエステル繊維と(B)鞘に芯より融点が低い低融点成分を使用した芯鞘型複合繊維とを混綿したカードウェブを積層した後に熱処理して形成された不織布構造体であって、立体的に連続した繊維の交絡部が上記芯鞘型複合繊維の鞘部の溶融によって融着されてなる請求項1記載の繊維成形体。
  3. 吸水及び/又は吸湿性能を有するシート層が、2種類以上の短繊維集合体からなり、該短繊維集合体が少なくとも吸水性繊維及び/又は吸湿性繊維を含んでおり、目付けが30〜1000g/mであることを特徴とする請求項1〜2記載の繊維成形体。
  4. 吸水及び/又は吸湿性能を有するシート層が、少なくとも熱接着性繊維と吸水性繊維及び/又は吸湿性繊維を含んでいることを特徴とする請求項1〜3記載の繊維成形体。
  5. 吸水及び/又は吸湿性能を有するシート層が、キルティング加工されたシートであることを特徴とする請求項1〜4記載の繊維成形体。
  6. 該繊維成形体が、厚さ30〜300mm、密度0.02〜0.10g/cmである請求項1〜5記載のクッション材。
  7. 該繊維成形体が、厚さ5〜20mm、密度0.05〜0.20g/cmである請求項1〜5記載の車両用シートクッションカバー材。
  8. 吸水及び/又は吸湿性能を有するシート層を有することを特徴とする繊維成形体を製造する際に、少なくとも一ヵ所に吸水及び/又は吸湿性能を有するシートを積層し、これを加熱処理することにより該シートの両側の繊維構造体と一体化させる事を特徴とする繊維成形体の製法。
  9. 吸水及び/又は吸湿性能を有するシート層を有することを特徴とする繊維成形体を製造する際に、少なくとも一ヵ所に吸水及び/又は吸湿性能を有するシートを積層し、これをニードルパンチすることにより該シートの両側の繊維構造体と一体化させる事を特徴とする繊維成形体の製法。
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