JP2006074231A - 光無線通信装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 より簡易な構成で信号光を無線光通信により送受信する。
【解決手段】 光無線通信装置1は、信号光を出射すると共に信号光を入射させる信号光送受信モジュール2と、当該出射される信号光を投光すると共に、信号光を受光して信号光送受信モジュール2に入射する投受光レンズ3と、信号光送受信モジュール2と投受光レンズ3との間の光軸上に設けられ受光された信号光を入射させる受信光入射面4aを有し、受信光入射面4aにおける所定位置に入射した信号光の少なくとも一部を反射させる反射部4dを有しているビームスプリッタ4と、当該反射された信号光を検出して当該検出状態から受光された信号光の方向を検出する信号光方向検出器5とを備える。ビームスプリッタ4は、受信光入射面4aにおける、光軸との交点を含む所定範囲に入射される信号光を通過させる通過部4cを有する。
【選択図】 図1
【解決手段】 光無線通信装置1は、信号光を出射すると共に信号光を入射させる信号光送受信モジュール2と、当該出射される信号光を投光すると共に、信号光を受光して信号光送受信モジュール2に入射する投受光レンズ3と、信号光送受信モジュール2と投受光レンズ3との間の光軸上に設けられ受光された信号光を入射させる受信光入射面4aを有し、受信光入射面4aにおける所定位置に入射した信号光の少なくとも一部を反射させる反射部4dを有しているビームスプリッタ4と、当該反射された信号光を検出して当該検出状態から受光された信号光の方向を検出する信号光方向検出器5とを備える。ビームスプリッタ4は、受信光入射面4aにおける、光軸との交点を含む所定範囲に入射される信号光を通過させる通過部4cを有する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、光無線通信装置に関する。
従来から、空間光通信を行う技術が提案されている(例えば、下記特許文献1参照)。
特開平3‐6937号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された装置では、信号光送信用の光学系と信号光受信用の光学系とが必要となっており、装置構成が複雑となり装置の大型化、重量化を招く。
本発明は、以上の問題点を解決するためになされたものであり、より簡易な構成で信号光を無線光通信により送受信することを可能とする光無線通信装置を提供することを目的とする。
このような目的を達成するために、本発明による光無線通信装置は、信号光を出射すると共に信号光を入射させる信号光送受信モジュールと、信号光送受信モジュールから出射される信号光を無線通信信号として投光すると共に、無線通信信号として到達した信号光を受光して信号光送受信モジュールに入射するレンズと、信号光送受信モジュールとレンズとの間の光軸上に設けられ、レンズにより受光された信号光を入射させる受信光入射面を有し、当該受信光入射面における所定位置に入射した信号光の少なくとも一部を反射させる反射部を有しているビームスプリッタと、ビームスプリッタにより反射された信号光を検出して当該検出状態からレンズにより受光された信号光の方向を検出する方向検出手段と、を備え、ビームスプリッタは、受信光入射面における信号光送受信モジュールとレンズとの間の光軸との交点を含む所定範囲に入射される信号光を通過させる通過部を有する、ことを特徴とする。
上記した光無線通信装置では、投光する信号光は、信号光送受信モジュールから出射されレンズにより投光される。一方、受光する信号光は、レンズにより受光され信号光送受信モジュールに入射される。このように、本光無線通信装置では、信号光の投光と受光とを共通の光軸で行うことができ、上記のような簡易な構成で信号光を無線光通信により送受信することを可能とする。
また、本光無線通信装置では、受光する信号光が光軸からずれた場合、ビームスプリッタの反射部が当該信号光の少なくとも一部を反射して方向検出手段に入射させるので、受光された信号光の方向を検出することができる。その一方、投光する信号光はビームスプリッタの通過部を通過するので、投光する信号光へのビームスプリッタの影響を減少させることができる。
また、光無線通信装置は、信号光を出射すると共に信号光を入射させる信号光送受信モジュールと、信号光送受信モジュールから出射される信号光を無線通信信号として投光すると共に、無線通信信号として到達した信号光を受光して信号光送受信モジュールに入射するレンズと、信号光送受信モジュールとレンズとの間の光軸上に設けられ、レンズにより受光された信号光を入射させる受信光入射面を有し、当該受信光入射面における所定位置に入射した信号光の少なくとも一部を反射させる反射部を有しているビームスプリッタと、ビームスプリッタにより反射された信号光を検出して当該検出状態からレンズにより受光された信号光の方向を検出する方向検出手段と、を備え、ビームスプリッタは、受信光入射面における、信号光送受信モジュールから出射されレンズにより投光される信号光の光路の少なくとも一部を含む所定範囲に入射された信号光を通過させる通過部を有する、ことを特徴とする。
上記した光無線通信装置では、投光する信号光は、信号光送受信モジュールから出射されレンズにより投光される。一方、受光する信号光は、レンズにより受光され信号光送受信モジュールに入射される。このように、本光無線通信装置では、信号光の投光と受光とを共通の光軸で行うことができ、上記のような簡易な構成で信号光を無線光通信により送受信することを可能とする。
また、本光無線通信装置では、受光する信号光が光軸からずれた場合、ビームスプリッタの反射部が当該信号光の少なくとも一部を反射して方向検出手段に入射させるので、受光された信号光の方向を検出することができる。その一方、投光する信号光はビームスプリッタの通過部を通過するので、投光する信号光へのビームスプリッタの影響を減少させることができる。
また、ビームスプリッタは、信号光を透過させる透過部材により形成され、信号光送受信モジュールにより出射された信号光を入射させる送信光入射面を有し、当該送信光入射面における光軸との交点を含む所定範囲、及び受信光反射面における光軸との交点を含む所定範囲に、入出射する信号光の反射を防止する反射防止処理がなされた反射防止部を有することが好ましい。この構成によれば、信号光送受信モジュールから出射される信号光がビームスプリッタで反射することが防止されるので、投光する信号光へのビームスプリッタの影響をより減少させることができる。
また、反射部は、信号光の少なくとも一部を反射させる反射処理がなされることによって構成されていることが好ましい。これにより、信号光を透過させる透過部材をビームスプリッタに用いた場合等であっても本発明の光無線通信装置を構成することができる。
また、方向検出手段により検出された信号光の方向に基づき信号光送受信モジュールとレンズとの間の信号光の光軸を調整する調整手段を更に備えることが好ましい。この構成によれば、光軸が調整されるため信号光を確実に投受光することができる。
また、信号光送受信モジュールは、第1、第2及び第3の端子を含み、当該第1の端子から入力された信号光を当該第2の端子に出力し、当該第2の端子から入力された信号光を当該第3の端子に出力するサーキュレータと、サーキュレータの第2の端子に接続された第1の端面と第2の端面とを有し、当該サーキュレータの第2の端子から出力され当該第1の端面に入力される信号光を当該第2の端面から出射すると共に、当該第2の端面から入射される信号光を当該第1の端面から出力する光ファイバと、を含んで構成され、レンズは、光ファイバの第2の端面から出射される信号光を無線通信信号として投光すると共に、無線通信信号として到達した信号光を受光して光ファイバの第2の端面に入射する、ことが好ましい。
この構成によれば、投光する信号光及び受光する信号光を共通の光ファイバにより伝送し投光と受光とを共通の機構を用いて行うことができ、上記のような簡易な構成で、光ファイバネットワーク等の信号光を電気信号に変換せず直接空間光通信により送受信することを可能とする。
本発明によれば、信号光の投光と受光とを共通の光軸で行うことができ、上記のような簡易な構成で信号光を無線光通信により送受信することを可能とする。また、投光する信号光はビームスプリッタの通過部を通過するので、投光する信号光へのビームスプリッタの影響を減少させることができる。
以下、図面とともに本発明による光無線通信装置の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
図1は、本発明による光無線通信装置1を概略的に示す構成図である。光無線通信装置1は、無線通信信号としての信号光を通信相手の光無線通信装置(本発明による光無線通信装置1と同様の構成であっても、同様の構成でなくてもよい)に対して無線通信信号として投光する。また、通信相手の光無線通信装置により無線通信信号として投光された信号光を受光する。なお、通信相手の光無線通信装置及び光無線通信装置1は、通信可能なように互いに投受光可能な位置に設置されている。
投受光される信号光は、LAN(Local Area Network)等のネットワークに入出力される。ネットワークが光ファイバネットワークである場合は、投受光される信号光をそのまま入出力させることが可能である。ネットワークが電気信号によりデータを送受信するものである場合、投受光される信号光と電気信号は、光無線通信装置1の内部あるいは外部でフォトダイオードやレーザダイオードにより互いに変換される。
図1に示すように、光無線通信装置1は、信号光送受信モジュール2と、投受光レンズ3と、ビームスプリッタ4と、信号光方向検出器5と、リレーレンズ6と、集光レンズ7とを備える。
信号光送受信モジュール2は、ネットワークから入力等される信号光を出射すると共に、投受光レンズ3により受光される信号光を入射する。入射した信号光はネットワークに入力等される。投受光レンズ3は、信号光送受信モジュール2により出射される信号光を平行光にして投光すると共に、受光した信号光を集光して信号光送受信モジュール2に入射させる凸レンズである。信号光送受信モジュール2と投受光レンズ3とは、信号光の投受光が可能なように光軸が合った状態で位置決めされて固定されており、信号光の投光と受光とが共通の光軸で行われる。信号光送受信モジュール2の信号光が入出射する部分は、具体的には光ファイバ等が用いられる。
ビームスプリッタ4は、信号光の光路における信号光送受信モジュール2と投受光レンズ3との間に所定の位置決めをされて設けられる。ビームスプリッタ4は、所定の場合に投受光レンズ3により受光された信号光の一部を反射させ、信号光方向検出器5に入射させる。なお、反射光が投受光の光学系に影響を及ぼさないよう、また光無線通信装置1の構造上、反射光の光路と信号光の光路とが垂直になるようにするのがよい。そのため、ビームスプリッタ4は、反射面が信号光の光軸と45°となるように設置するのがよい。なお、上記の所定の位置決め及び所定の場合について、並びにビームスプリッタ4の詳細な構成については後述する。
信号光方向検出器5は、ビームスプリッタ4により反射された信号光を受光し、受光した反射光から、信号光送受信モジュール2に入射する信号光の方向を検出する。信号光方向検出器5は、ビームスプリッタ4による反射光が入射するように位置決めされて設置される。具体的には、信号光方向検出器5としては、四分割フォトダイオード等のセンサを用いることが好ましい。検出された信号光の方向の情報は、信号光送受信モジュール2と投受光レンズ3との間の信号光の光軸の調整等に用いられる。
リレーレンズ6は、投受光される信号光を投受光レンズ3とビームスプリッタ4との間でリレーする凹レンズである。リレーレンズ6は、投受光レンズ3とビームスプリッタ4との間に、適切に信号光をリレーできるように位置決めをされて設けられる。なお、信号光をリレーする必要が無い場合は、リレーレンズ6は必ずしも設けられなくてもよい。
集光レンズ7は、ビームスプリッタ4による反射光を集光して信号光方向検出器5に入射させる凸レンズである。集光レンズ7は、ビームスプリッタ4と信号光方向検出器5との間に、適切に反射光を集光して入射させることができるように位置決めをされて設けられる。なお、反射光を集光させなくても反射光を検出できる場合は、集光レンズ7は必ずしも設けられなくてもよい。
以上が光無線通信装置1の構成である。ここで、本実施形態の光無線通信装置1のように信号光の投受光が共通の光軸で行われる構成の光無線通信装置におけるビームスプリッタに関する問題点について説明する。なお、説明を分かりやすくするため本実施形態の符号と同一の符号を用いる。ビームスプリッタ4として、例えば従来から用いられている、信号光を所定の反射率で反射させるものを用いるとする。上述したように光無線通信装置1では投受光される信号光の光軸が一致しているので、投受光レンズ3により受光された信号光だけでなく、信号光送受信モジュール2から出射される信号光もビームスプリッタ4に入射される。信号光送受信モジュール2から出射されビームスプリッタ4に入射した信号光の一部は、図1に示すようにビームスプリッタ4で反射し迷光8となる。迷光8は、信号光方向検出器5や受光した信号光等に対するノイズとして影響を与え、また投受光レンズ3により投受光される信号光のパワーを減衰させる原因にもなる。このように、上記のビームスプリッタ4を用いた場合は、信号光送受信モジュール2から出射される信号光に対して悪影響を与えるという問題点がある。
そこで本実施形態における光無線通信装置1では、図2及び図3に示すビームスプリッタ4を用いる。図2はビームスプリッタ4の斜視図であり、図3はビームスプリッタ4の断面図である。図2では、図の左側には投受光レンズ3が位置し(図示せず)、図の右側には信号光送受信モジュール2が位置する(信号光送受信モジュール2に備えられる、信号光が入出射する入出射端面2aを含む端部のみ示す)。図2に示すように、ビームスプリッタ4は信号光を透過させる平板状の透過部材により形成されている。ビームスプリッタ4は、投受光レンズ3により受光される信号光が入射する受信光入射面4aと、信号光送受信モジュール2から出射される信号光が入射する送信光入射面4bとを有し、それぞれの入射面4a,4bは互いにほぼ平行である。ビームスプリッタ4は、信号光送受信モジュール2と投受光レンズ3との間の光軸L上に、受信光入射面4aが光軸Lと所定の角度となるように位置決めして設けられる。
また、ビームスプリッタ4は位置決めされた状態で、受信光入射面4aにおける光軸Lとの交点を含む所定範囲に、入射される信号光を透過させる通過部4cを有する。また、ビームスプリッタ4は、受信光入射面4aにおける所定範囲以外には反射部4dを有する。反射部4dは、入射した信号光を反射する光反射膜を蒸着させる等の反射処理がなされることによって構成されている。この反射処理は、入射する信号光を全反射させるものでもよいし、信号光の一部を透過させ一部を反射させるものでもよい。通過部4cの所定範囲は、図2(a)に示すように、信号光送受信モジュール2の入出射端面2aから出射する信号光の投受光レンズ3への光路の少なくとも一部、特に好ましくは全てを含む。入出射端面2aから出射する信号光が反射部4dで反射しないようにするためである。なお、所定範囲を上記のような範囲とすることにより、図2に示すように所定範囲の形状はほぼ楕円形状となる。
更に、ビームスプリッタ4は図2及び図3に示すように、送信光入射面4bにおける光軸Lとの交点を含む所定範囲、及び受信光入射面4aにおける光軸Lとの交点を含む所定範囲に、入出射する信号光の反射を防止する反射防止処理がなされている反射防止部4eを有することが好ましい。送信光入射面4bにおける反射防止部4eの所定範囲は、図3に示すように、信号光送受信モジュール2の入出射端面2aから出射する信号光の投受光レンズ3への光路の少なくとも一部、特に好ましくは全てを含む。所定範囲を上記のような範囲とすることにより、図2に示すように送信光入射面4bにおける所定範囲の形状はほぼ楕円形状となる。また、受信光入射面4aにおける反射防止部4eの所定範囲は、通過部4cの範囲と一致させるのが好ましい。入出射端面2aから出射する信号光が送信光入射面4b及び受信光入射面4aで反射しないようにするためである。この反射防止処理は例えば、信号光の反射を防止する薄膜をコーティングするAR(Anti Reflection)コート処理であることが好ましい。なお、送信光入射面4bにおける反射防止処理は、送信光入射面4b全体に対して施されていてもよい。
引き続いて、光無線通信装置1の動作を説明する。まず光無線通信装置1から通信相手の光無線通信装置に信号光が送信される場合を説明する。光無線通信装置1では、信号光送受信モジュール2の入出射端面2aから送信される信号光が出射される。出射された信号光は、ビームスプリッタ4を通過し、リレーレンズ6によりリレーされ、投受光レンズ3により平行光にされ通信相手の光無線通信装置に投光される。
なお、信号光送受信モジュール2と投受光レンズ3とは光軸が合った状態になっているので、信号光がビームスプリッタ4の送信光入射面4bへ入射する際には反射防止部4eに入射し送信光入射面4bでの反射が防止される。また、図2(a)及び図3に示すように、受信光入射面4aを通過する際には通過部4cを通過するので反射部4dで反射されることがなく、また反射防止部4eを通過するので反射が防止される。
次に、通信相手の光無線通信装置により投光された信号光が光無線通信装置1により受信される場合を説明する。光無線通信装置1では、通信相手の光無線通信装置により投光された信号光が投受光レンズ3により受光される。図2(a)に示すように、受光される信号光の方向が光軸と一致する場合、投受光レンズ3により受光されリレーレンズ6によりリレーされる信号光は、ビームスプリッタ4の通過部4cを通過し信号光送受信モジュール2の入出射端面2aに入射する。また、信号光は、受信光入射面4a及び送信光入射面4bにおける反射防止部4eを通過するので反射が防止される。
一方図2(b)に示すように、受光される信号光の方向が光軸とずれる場合、投受光レンズ3により受光されリレーレンズ6によりリレーされる信号光は、ビームスプリッタ4の反射部4dに一部あるいは全部入射する。反射部4dに入射した信号光の一部あるいは全部は、反射部4dで反射する。反射光は信号光方向検出器5に入射し、信号光方向検出器5は反射光を受光して検出し、当該検出状態から投受光レンズ3により受光された信号光の方向を検出する。反射光のパワーは、受光された信号光の方向と光軸とのずれが大きくなるほど大きくなり、パワーの重心に変化が生じる。信号光方向検出器5は、そのパワーの重心の変化を検出して信号光の方向を検出することができる。検出された信号光の方向の情報は、信号光の光軸の調整等に用いられる。また、信号光の一部はビームスプリッタ4の通過部4cを通過し信号光送受信モジュール2の入出射端面2aに入射する。
即ち、投受光レンズ3により受光される信号光は、その方向が光軸と一致する場合は反射部4dにより反射することはないが、その方向が光軸からずれる場合は反射部4dで一部あるいは全部が反射され信号光方向検出器5に入射する。その一方、信号光送受信モジュール2の入出射端面2aから出射される信号光は、信号光送受信モジュール2と投受光レンズ3とが位置決めされて固定されているため、反射部4dにより反射することはない。
なお、上記の説明では通過部4c及び反射防止部4eは、ビームスプリッタ4の透過部材上に設けられるものとして説明したが、通過部4c及び反射防止部4eを含む部分を開口とし信号光を通過させる構成としてもよい。その場合当然、反射防止部4eの反射防止処理は行われない。またこの場合、ビームスプリッタは透過部材でなく、金属等の部材を用いて形成されていてもよい。
上述したように、本実施形態によれば、投光と受光とを共通の光軸で行うことができ、上記のような簡易な構成で信号光を無線光通信により送受信することを可能とする。
また、ビームスプリッタ4の構成から、信号光送受信モジュール2から出射され投受光レンズ3により投光される信号光がビームスプリッタにより反射することを防止する。これにより、投光する信号光のパワーが減衰することを防止することができる。また、反射光が迷光となり信号光方向検出器5や受光した信号光等に対するノイズとして影響を与えることを防止する。
更に、受光される信号光の方向と光軸とが一致している場合、受光される信号光も反射しないので、受信する信号光のパワーが減衰することも防止する。また、信号光方向検出器5に反射光が入射するのは受光される信号光の方向が光軸とずれている場合だけとなり、信号光方向検出器5の長寿命化に繋がる。また、信号光方向検出器5では、反射部4dで反射した信号光のみを検出するため、空気中の揺らぎ等に起因する信号光の強度プロファイルの変化の影響を受けにくい。
なお、ビームスプリッタ4における通過部4c及び反射部4dの範囲は必ずしも上述したものに限られない。例えば、反射部4dの範囲を小さくし反射光を更に少なくすることとしてもよい。その場合、少ない信号光でも、信号光方向検出器5における信号光の方向を検出するアルゴリズムで適切に方向を検出することとするのが望ましい。一方、通過部4eの範囲を小さくして、受光される信号光の方向と光軸とが一致している場合でも信号光を一部反射させるような構成であってもよい。
また、本実施形態のように送信光入射面4b及び受信光入射面4aに反射防止処理を施すこととすれば、投光する信号光へのビームスプリッタの影響をより減少させることができる。但し、送信光入射面4b及び受信光入射面4aで反射する反射光がほとんど無視できる程度のものであれば、必ずしも反射防止処理をする必要はない。
上記ではビームスプリッタ4以外は概略的な説明を行ったが、より具体的構成の光無線通信装置の例についての説明を行う。
図4は、本発明による光無線通信装置10の実施形態を概略的に示す構成図である。光無線通信装置10は、光ファイバネットワーク20から信号光を入力し、その信号光を通信相手の光無線通信装置(本発明による光無線通信装置10と同様の構成であっても、同様の構成でなくてもよい)に対して無線通信信号として投光する。また、通信相手の光無線通信装置により無線通信信号として投光された信号光を受光し、光ファイバネットワーク20に出力する。なお、通信相手の光無線通信装置及び光無線通信装置10は、通信可能なように互いに投受光可能な位置に設置されている。光ファイバネットワーク20は、光ファイバを含んで構成された通信網であり、信号が光によって伝達される。
光無線通信装置10により投受光される光としては、1.55μm帯の波長のレーザ光を用いることが好ましい。このレーザ光の波長は、これまで開発されている光無線通信装置で用いられる光の波長750nm〜850nmとは異なるが、光ファイバネットワークで標準的に使用されているものである。従って、通常の光ファイバネットワークでの信号光をそのまま光無線に利用することができ、光ファイバネットワークとの親和性が高い。また、この1.55μm帯の波長は目に安全な波長帯であるので、投受光する信号光の高出力化を可能とする。
以下、光無線通信装置10の構成を説明する。図4に示すように、光無線通信装置10は、サーキュレータ11と、信号光投受光部12と、光ファイバアンプ13と、光カプラ14と、信号光パワー検出部15と、制御部16と、光ファイバアンプ17とを備える。
サーキュレータ11は、第1の端子11aと、第2の端子11bと、第3の端子11cとを含んで構成されている。第1の端子11aは、光ファイバアンプ13に接続されており、光ファイバアンプ13から出力される信号光を入力する。第2の端子11bは、信号光投受光部12に接続されている。第3の端子11cは、光カプラ14に接続されており、出力する信号光を光カプラ14に入力する。サーキュレータ11は、第1の端子11aから入力された信号光を第2の端子11bに出力する。また、サーキュレータ11は、第2の端子11bから入力された信号光を第3の端子11cに出力する。
信号光投受光部12は、光ファイバ121とレンズ122とを含んで構成される。信号光投受光部12は、サーキュレータ11の第2の端子11bから出力された信号光を、光ファイバ121を伝搬させて、レンズ122により、通信相手の光無線通信装置に対して投光する。また、信号光投受光部12は、通信相手の光無線通信装置により投光され到達した信号光を、レンズ122により受光し、光ファイバ121を伝搬させてサーキュレータ11の第2の端子11bに入力する。光ファイバ121は、第1の端面121aと第2の端面121bとを含んでいる。第1の端面121aはサーキュレータ11の第2の端子11bに接続されており、サーキュレータ11の第2の端子11bから出力された信号光を第1の端面121aに入力し第2の端面121bから出射する。また、レンズ122により受光された信号光を第2の端面121bに入射し第1の端面121aから出力する。信号光投受光部12のより詳細な構成については後述する。なお、ビームスプリッタ126は、信号光投受光部12の構成に含まれる。また、レンズ122は前述した光無線通信装置1の投受光レンズ3に相当する。
光ファイバアンプ13は、光ファイバネットワーク20に接続されており、通信相手の光無線通信装置に送信するために光ファイバネットワーク20から入力される信号光を増幅して出力する。この増幅は信号光が大気中を伝搬する際の減衰を考慮して、信号光を無線光通信に耐えうるパワーにするためのものである。なお、光ファイバアンプ13は、光ファイバを用いない光増幅器等により代替されてもよい。また、光ファイバネットワーク20から入力される信号光のパワーの値が充分大きく、無線光通信に耐えうるものである場合、光ファイバアンプ13は必ずしも光無線通信装置10に備えられている必要はない。
光カプラ14は、サーキュレータ11の第3の端子11cから出力された信号光を入力し、その信号光の一部を分岐して信号光パワー検出部15に出力し、残部を光ファイバアンプ17に出力する。
信号光パワー検出部15は、サーキュレータ11の第3の端子11cから出力され光カプラ14により分岐された信号光のパワーの値を検出する。光カプラ14と信号光パワー検出部15とは、サーキュレータ11の第3の端子11cから出力される信号光のパワーの値を検出する信号光パワー検出手段の役割を果たす。検出された信号光のパワーの情報は、制御部16に送信される。
制御部16は、信号光パワー検出部15により検出される値を参照して、光ファイバアンプ17から出力される信号光のパワーを制御する。この制御は、光ファイバネットワーク20に入力される信号光の安定化を図るために行われ、例えば信号光のパワーの値を一定にする制御が相当する。
光ファイバアンプ17は、制御部16の制御を受けて、光カプラ14から入力される信号光を増幅して、光ファイバネットワーク20に出力する。なお、光ファイバアンプ17は、光ファイバアンプ13と同様、光ファイバを用いない光増幅器等により代替されてもよい。制御部16と光ファイバアンプ17とは、サーキュレータ11の第3の端子11cから出力され光ファイバアンプ17から光ファイバネットワーク20に出力される信号光のパワーを制御する信号光パワー制御手段の役割を果たす。
なお、本構成において上述した信号光送受信モジュール2は、光ファイバ121及びサーキュレータ11を含んだ構成に相当する。また、上述した信号光送受信モジュール2の入出射端面2aは、光ファイバ121の第2の端面121bに相当する。
引き続いて信号光投受光部12の構成を説明する。図5に信号光投受光部12の側面からの断面を示す。また、図6に信号光投受光部12の上面からの断面を示す。信号光投受光部12は、信号光を投光及び受光する面が開けられた箱型の筐体123を有している。信号光投受光部12は、筐体123内に、光ファイバ121と、レンズ122と、保持基体124と、保持基体支持部125と、ビームスプリッタ126と、信号光方向検出器127と、縦方向アクチュエータ128と、横方向アクチュエータ129とを備える。なお、サーキュレータ11、光ファイバアンプ13,17、光カプラ14、信号光パワー検出部15及び制御部16は、その何れか又は全てが筐体123に含まれていてもよい。
光ファイバ121は、第2の端面121bから出射される信号光がレンズ122により平行光にされ投光されると共に、レンズ122により受光される信号光が第2の端面121bに入射されるように、保持基体124に固定される。光信号の伝搬効率を考慮し、光ファイバ121として、シングルモード光ファイバが用いられることが好ましい。
光ファイバ121の第2の端面121bは、図7(a)に示すように、戻り光防止処理をされていることが好ましい。戻り光防止処理とは、第1の端面121aから入力された信号光が、第2の端面121bから光無線通信装置10内の大気中に出射されずに、図7(b)に示すように第2の端面121bで反射し第1の端面121aに戻ることを防止する端面処理のことである。
戻り光防止処理がなされていないと、図7(b)に示すように、出力される信号光の一部が光ファイバ121のコアと大気との屈折率の差により第2の端面121bで反射してしまうことがある。この反射光はレンズ122により受光された信号光と同様の経路を伝ってサーキュレータ11の第2の端子11bに入力され、第3の端子11cに出力される。反射光のパワーが受光された信号光よりも十分小さい場合は問題ないが、多くの場合、この反射光はエラー耐性に対しての影響を無視できないものとなる。戻り光防止処理は、この反射光をできるだけ少なくし、反射光と受光された信号光とが混信することを防止するためのものである。戻り光防止処理は、具体的には、図7(a)に示すように信号光の反射を防止する薄膜121cをコーティングするARコート処理であることが好ましい。また、図7(a)に示すように、光軸方向に対して斜め研磨することであることが好ましい。
レンズ122は、光ファイバ121の第2の端面121bから出射される信号光を平行光にして投光すると共に、受光した信号光を集光して第2の端面121bに入射するように、保持基体124の筒状部材124aの一方の先端部で固定される。レンズ122は、光ファイバ121のNA(Numerical Aperture)を考慮して、受光される信号光を第2の端面121bに入射できるものを用いる。また従来、レンズ122は例えば三枚玉が用いられるが、受光される信号光が第2の端面121bに入射できるように投受光面を非球面とした1枚の非球面レンズを用いるのが好ましい。この投受光面を適切に設計すれば、光ファイバ121とレンズ122との間での光路を1枚のレンズでも好適に制御することができる。
また本実施形態においては、レンズ122の他方の面は、図5に示すように平面とされており、この面が筒状部材124aに対する位置決めに用いられている。上記のように1枚の非球面レンズを用いることとすれば、信号光投受光部12を簡易な構成とすることができまた軽量化を図ることができる。また、このとき、後述のアクチュエータ128,129による調整が容易になる。また、レンズ122の径は、投光する信号光のパワーが500mW程度の高いパワーの信号光でも、クラス1Mのレーザ安全基準を確保できるようにするのが好ましい。クラス1Mのレーザ安全基準を達成させるようにすると、レンズ122の焦点距離が長くなるが、レンズ122と光ファイバ121の第2の端面121bとの間にビームスプリッタ126を配置することで余計なレンズ等を排除し、小型化を実現することができる。
筐体123の内面のうち、信号光が通過する開口が設けられた面に垂直な面の1つが、保持基体124を設置するための保持面123aとなっている。この保持面123aに対し保持基体支持部125及び縦方向アクチュエータ128が固定される。また、筐体123は内側に保持面123aと垂直な側面123bを有し、当該側面123bに対し横方向アクチュエータ129が固定される。
保持基体124は、光ファイバ121の第2の端面121bを含む端部及びレンズ122を、信号光を投受光可能なように光軸が合った状態で位置決めして、一体に保持する保持手段である。保持基体124は、レンズ122を保持する筒状部材124aと、光ファイバ121の第2の端面121bを含む端部の固定等を行う保持板124bとを含んで構成されている。保持基体124は、筒状部材124aの所定箇所で保持基体支持部125により、信号光の光軸(光ファイバ121の第2の端面からレンズ122への方向)を調整できるように作動可能な状態で支持されている。
筒状部材124aは、その中心軸が光軸と略一致するように設置されており、投光方向にある一方の端部が開口している。また、筒状部材124aの当該端部内側に設けられたレンズ固定部124dが、筒状部材124a内でレンズ122を位置決めして固定する。筒状部材124aは、当該レンズ122が固定される端部が筐体123の開口面と同一の方向になるよう設けられる。筒状部材124aと保持板124bとは互いに位置決めされた状態で一体となっており、保持板124bは、筒状部材124aと筐体123の保持面123aとの間に位置している。
また、保持板124bは、受光方向の筒状部材124aの端面より受光方向側にせり出した台状の後端部124eを有している。保持板124bは、当該後端部124eで光ファイバ121の第2の端面121bを含む端部を、筒状部材124aの受光方向の端部の後方に、位置決めして第2の端面121bが筒状部材の方向を向くよう固定する。また、筒状部材124aの受光方向の端部には、筒状部材124aの外側に配置された光ファイバ121の第2の端面121bから出射された光をレンズ122で受けられるよう、開口部が設けられている。以上の保持基体124の構成により、レンズ122と光ファイバ121の第2の端面121bとが、光軸が合った状態で位置決めされている。
保持基体支持部125は、筐体123の保持面123aに対して固定されており、保持基体124を作動可能な状態で保持する。具体的には、保持基体支持部125は、筐体123の保持面123aと垂直な軸線の周方向(図5に示すR1方向、この方向を横方向と呼ぶ)に回転可能な部分125a(横方向追尾軸)を有しており、保持基体124を当該方向に作動可能とする。また、保持基体支持部125は、保持基体124の筒状部材124aを、筐体123の保持面123aと平行かつ光軸と垂直な軸線方向(縦方向追尾軸、図2及び図3に示す支持点125b)の径の2点で、回転可能なように支えており、当該2つの支持点125bによる回転軸とした周方向(図5に示すR2方向、この方向を縦方向と呼ぶ)に作動可能とする。なお、上記の作動は、後述するアクチュエータ128,129を駆動させることにより行われる。
ビームスプリッタ126は、保持基体124の筒状部材124a内の、信号光の経路におけるレンズ122と光ファイバ121の第2の端面121bとの間に所定の位置決めをされて設けられる。ビームスプリッタ126は、受信光入射面126aと送信光入射面126bと通過部126cと反射部126dと反射防止部126eを有する。ビームスプリッタ126は前述した光無線通信装置1のビームスプリッタ4に相当し、上記のビームスプリッタ126の各部分は、図2及び図3に示すビームスプリッタ4におけるそれらに相当するものである。ビームスプリッタ126は、上述したように所定の場合にレンズ122により受光された信号光の一部を反射させ、信号光方向検出器127に入射させる。なお、反射される光の光路と受光された信号光の光路とが垂直になるよう、ビームスプリッタ126は、反射面が信号光の光軸と45°となるように設置するのがよい。
信号光方向検出器127は、ビームスプリッタ126により反射された信号光を受光し、受光した反射光から、光ファイバ121に入射する信号光の方向を検出する。信号光方向検出器127は前述した光無線通信装置1の信号光方向検出器5に相当する。信号光方向検出器127は、筒状部材124aの外壁に固定され設けられる検出器格納部124c内に位置決めして設置される。なお、筒状部材124aには、信号光方向検出器127で反射光を受光できるように、反射光の経路上に、開口部が設けられる。筒状部材124aと筐体123の保持面123aとの間には保持板124b等が設けられているので、信号光方向検出器127は、保持面123aとは逆側に設けられることが好ましい。即ち、ビームスプリッタ126による反射光は、保持面123aとは逆側に向かうものであることとするのがよい。検出された信号光の方向の情報は、アクチュエータ128,129に送信される。具体的には、信号光方向検出器127としては、四分割フォトダイオード等のセンサを用いることが好ましい。
縦方向アクチュエータ128は筐体123の保持面123aに対して固定されており、その駆動部128aが、保持基体124の保持板124bの後端部124eを挟み込んで保持基体124に固定されている。縦方向アクチュエータ128を図5に示すR3方向に駆動させることにより、保持基体を縦方向(R2方向)に作動させることができる。また、横方向アクチュエータ129は筐体123の側面123bに対して固定されており、駆動部129aが、保持基体124の保持板124bの後端部124eを挟み込んで保持基体124に固定されている。横方向アクチュエータ129を図6に示すR4方向に駆動させることにより、保持基体を横方向(R1方向)に作動させることができる。
縦方向及び横方向アクチュエータ128,129は、信号光方向検出器127から受光した信号光の方向の情報を受信し、その情報に基づいて、適切な方向(レンズ122の受光面と信号光の方向がほぼ垂直となり、レンズ122により集光された信号光が光ファイバ121の第2の端面121bに入射する方向)で信号光を受光できるように、保持基体124の方向を調整し信号光の光軸を調整する。即ち、アクチュエータ128,129は、信号光の方向に基づきレンズ122と光ファイバ121の第2の端面121bとの間の信号光の光軸を調整する調整手段である。
光無線通信装置10は、以下のように動作する。まず、光ファイバネットワーク20に接続された端末等から、光無線通信先のネットワークの端末等に情報を送信するために光無線通信装置10から信号光が投光される場合を説明する。
光無線通信装置10では、光ファイバネットワーク20から光無線通信装置10に入力される信号光が、光ファイバアンプ13に入力される。信号光は、空間光通信に耐えうるよう、光ファイバアンプ13により増幅される。なお信号光は、具体的には最大500mW程度まで増幅されることが好ましい。
光ファイバアンプ13から出力された信号光は、サーキュレータ11の第1の端子11aに入力され第2の端子11bから出力される。第2の端子11bから出力された信号光は、光ファイバ121の第1の端面121aに入力され光ファイバ121内を伝搬し第2の端面121bから出射される。なお、第2の端面121bには、上述したように戻り光防止処理がなされているので、第2の端面121bで信号光が反射して、レンズ122により受光され第2の端面121bに集光され入射される信号光と混信することを防止する。第2の端面121bから出射された信号光は、ビームスプリッタ126を通過しレンズ122により平行光にされ通信相手の光無線通信装置に投光される。
なお、光ファイバ121とレンズ122とは光軸が合った状態になっているので、信号光がビームスプリッタ126の送信光入射面126bへ入射する際には反射防止部126eに入射し送信光入射面126bでの反射が防止される。また、図2(a)及び図3に示すように、受信光入射面126aを通過する際には通過部126cを通過するので反射部126dで反射されることがなく、また反射防止部126eを通過するので反射が防止される。
次に、通信相手の光無線通信装置により投光された信号光が光無線通信装置10により受光される場合を説明する。光無線通信装置10では、通信相手の光無線通信装置により投光された信号光がレンズ122により受光される。図2(a)に示すように、受光される信号光の方向が光軸と一致する場合、レンズ122により受光される信号光は、ビームスプリッタ126の通過部126cを通過し光ファイバ121の第2の端面121bに入射する。また、信号光は、受信光入射面126a及び送信光入射面126bにおける反射防止部126eを通過するので、更に反射が防止される。
一方図2(b)に示すように、受光される信号光の方向が光軸とずれる場合、レンズ122により受光される信号光は、ビームスプリッタ126の反射部126dに一部あるいは全部入射する。反射部126dに入射した信号光の一部あるいは全部は、反射部126dで反射する。反射光は信号光方向検出器127に入射し、信号光方向検出器127は反射光を受光して検出し、当該検出状態からレンズ122により受光された信号光の方向を検出する。反射光のパワーは、受光された信号光の方向と光軸とのずれが大きくなるほど大きくなり、パワーの重心に変化が生じる。信号光方向検出器127は、そのパワーの重心の変化を検出して信号光の方向を検出することができる。
検出された信号光の方向の情報は縦方向及び横方向アクチュエータ128,129に送信され、縦方向及び横方向アクチュエータ128,129により、保持基体124の方向を調整することにより、適切にレンズ122により信号光が受光されるようにする。即ち、レンズ122と第2の端面121bとの間の信号光の光軸が、受光された信号光が第2の端面121bに適切に集光され入射されるように調整される。また、信号光の一部はビームスプリッタ126の通過部126cを通過し光ファイバ121の第2の端面121bに入射する。
即ち、レンズ122により受光される信号光は、その方向が光軸と一致する場合は反射部126dにより反射することはないが、その方向が光軸からずれる場合は反射部126dで一部あるいは全部が反射され信号光方向検出器127に入射する。その一方、光ファイバ121の第2の端面121bから出射される信号光は反射部126dにより反射することはない。なお、受光される信号光の方向が光軸と一致するときは反射光が発生しないので、信号光の方向を検出することができないが、この場合光軸を調整する必要がないので信号光の方向を検出する必要がない。
光ファイバ121の第2の端面121bに入射された信号光は、光ファイバ121内を伝搬し第1の端面121aから出力される。第1の端面121aから出力された信号光は、サーキュレータの第2の端面11bに入力され、第3の端面11cから出力される。
出力された信号光は、光カプラ14に入力され、その一部が信号光パワー検出部15に、残部が光ファイバアンプ17に入力される。信号光パワー検出部15では、信号光のパワーの値が検出され、検出された値の情報が制御部16に送信される。制御部16では、パワーの値が検出された信号光を一定のパワーの値で出力されるよう光増幅するように光ファイバアンプ17に対する制御が行われる。光ファイバアンプ17に入力された信号光は、上記のような制御を受けた光ファイバアンプ17により、一定のパワーになるよう光増幅されて出力され、光ファイバネットワーク20に入力される。
上述したように、本実施形態によれば、投光と受光とを共通の光軸で行うことができ、上記のような簡易な構成で信号光を無線光通信により送受信することを可能とする。
また、ビームスプリッタ126の構成から、光ファイバ121から出射されレンズ122により投光される信号光がビームスプリッタにより反射することを防止する。これにより信号光のパワーの減衰や反射光がノイズとなることを防ぐことを防止する。更に、受光される信号光の方向と光軸とが一致している場合、受光される信号光も反射しないので、受信する信号光のパワーが減衰することも防止する。
また、信号光方向検出器127に反射光が入射しアクチュエータ128,129による光軸の調整が行われるのは、受光される信号光の方向が光軸とずれている場合だけとなり受光するたびに行う必要がなくなる。従って、信号光方向検出器127及びアクチュエータ128,129の長寿命化に繋がる。また、信号光方向検出器127では、反射部126dで反射した信号光のみを検出するため、空気中の揺らぎ等に起因する信号光の強度プロファイルの変化の影響を受けにくい。
また、本実施形態のようにアクチュエータ128,129等の調整手段を備えることとすれば、光軸が調整されるため信号光を確実に投受光することができる。また、信号光の方向の検出は、実施容易性、装置構成の簡素化等の観点から、本実施形態のようなビームスプリッタ126及び信号光方向検出器127を用いて行うことが好ましい。同様に光軸の調整は、本実施形態のようなアクチュエータ128,129を用いて光学系の位置及び方向を調整することにより行うことが好ましい。
また、本実施形態のように信号光送受信モジュールがサーキュレータ11及び光ファイバ121を含む構成とすれば、投光する信号光及び受光する信号光を共通の光ファイバ121により伝送し投光と受光とを共通の機構を用いて行うことができ、上記のような簡易な構成で、信号光を空間光通信により送受信することを可能とする。また、本実施形態によれば、光ファイバネットワーク20内での信号光を直接投光することができ、空間を伝播した光信号を光ファイバネットワーク20に直接入力することができる。即ち光ファイバネットワークとのシームレスな接続を可能とし世の中に普及している数々の光ファイバ通信技術を使用できる。例えば10Gbps以上の光通信が可能となる。なお、上述したように送信光送受信モジュールをフォトダイオードやレーザダイオードを用いた構成でも本発明の実施は可能である。
また、本実施形態のようにレンズ122を1枚の非球面レンズとすれば、軽量化を図ることができ、アクチュエータ128,129による調整を容易にすることができる。また、1枚の非球面レンズでなくても、アクチュエータにより光軸線の制御が可能であれば、従来の3枚の球面レンズを用いた構成等、様々な構成を用いてよい。また、10μm程度のコア径のシングルモードファイバのコアに、100m以上の距離の光無線通信装置間の空間を伝搬した信号光を効率よく集光させるのは通常困難である。しかし、非球面レンズの設計パラメータを、上述したように光ファイバ121のNAやレーザ安全性を考慮して適切に決定すれば、効率のよい集光を可能とする。また、前述した構成のように必要に応じてリレーレンズや集光レンズを用いることとしてもよい。
また、本実施形態のように光ファイバ121の第2の端面121bに戻り光防止処理を施すこととすれば、第1の端面121aから光ファイバ121に入力され投光されるべき信号光が第2の端面で反射し、受光された信号光と混信することを防止することができる。但し、戻り光が受光された信号光と比べて無視できるパワーである場合等は、必ずしも戻り光防止処理を施す必要はない。
また、本実施形態のように、光ファイバアンプ13により投光する信号光を光増幅させることとすれば、投光した信号光が通信相手の光無線通信装置によって受光される場合に、より充分なパワーで受光させることができる。
また、本実施形態のように、光カプラ14、信号光パワー検出部15、制御部16及び光ファイバアンプ17等の構成を用いて、光ファイバネットワーク20に出力される信号光のパワーを制御することとすれば、受光した信号光のパワーの値が小さい場合にも、信号光を安定的なパワーで出力することができる。なお、通信相手の光無線通信装置から送信される信号光のパワーの値が充分大きく、安定的なパワーで信号光を受光できる場合等は、上記の構成は必ずしも必要ない。
1…光無線通信装置、2…信号光送受信モジュール、3…投受光レンズ、4…ビームスプリッタ、4a…受信光入射面、4b…送信光入射面、4c…通過部、4d…反射部、4e…反射防止部、5…信号光方向検出器、6…リレーレンズ、7…集光レンズ、10…光無線通信装置、11…サーキュレータ、11a…第1の端子、11b…第2の端子、11c…第3の端子、12…信号光投受光部、121…光ファイバ、121a…第1の端面、121b…第2の端面、121c…ARコート膜、122…レンズ、123…筐体、123a…保持面、123b…側面、124…保持基体、124a…筒状部材、124b…保持板、124c…検出器格納部、124d…レンズ固定部、124e…後端部、125…保持基体支持部、126…ビームスプリッタ、127…信号光方向検出器、128,129…アクチュエータ、13,17…光ファイバアンプ、14…光カプラ、15…信号光パワー検出部、16…制御部、20…光ファイバネットワーク。
Claims (6)
- 信号光を出射すると共に信号光を入射させる信号光送受信モジュールと、
前記信号光送受信モジュールから出射される信号光を無線通信信号として投光すると共に、無線通信信号として到達した信号光を受光して前記信号光送受信モジュールに入射するレンズと、
前記信号光送受信モジュールと前記レンズとの間の光軸上に設けられ、前記レンズにより受光された信号光を入射させる受信光入射面を有し、当該受信光入射面における所定位置に入射した信号光の少なくとも一部を反射させる反射部を有しているビームスプリッタと、
前記ビームスプリッタにより反射された信号光を検出して当該検出状態から前記レンズにより受光された信号光の方向を検出する方向検出手段と、を備え、
前記ビームスプリッタは、前記受信光入射面における前記信号光送受信モジュールと前記レンズとの間の光軸との交点を含む所定範囲に前記入射される信号光を通過させる通過部を有する、
ことを特徴とする光無線通信装置。 - 信号光を出射すると共に信号光を入射させる信号光送受信モジュールと、
前記信号光送受信モジュールから出射される信号光を無線通信信号として投光すると共に、無線通信信号として到達した信号光を受光して前記信号光送受信モジュールに入射するレンズと、
前記信号光送受信モジュールと前記レンズとの間の光軸上に設けられ、前記レンズにより受光された信号光を入射させる受信光入射面を有し、当該受信光入射面における所定位置に入射した信号光の少なくとも一部を反射させる反射部を有しているビームスプリッタと、
前記ビームスプリッタにより反射された信号光を検出して当該検出状態から前記レンズにより受光された信号光の方向を検出する方向検出手段と、を備え、
前記ビームスプリッタは、前記受信光入射面における、前記信号光送受信モジュールから出射され前記レンズにより投光される信号光の光路の少なくとも一部を含む所定範囲に前記入射された信号光を通過させる通過部を有する、
ことを特徴とする光無線通信装置。 - 前記ビームスプリッタは、信号光を透過させる透過部材により形成され、前記信号光送受信モジュールにより出射された信号光を入射させる送信光入射面を有し、当該送信光入射面における前記光軸との交点を含む所定範囲、及び前記受信光反射面における前記光軸との交点を含む所定範囲に、入出射する信号光の反射を防止する反射防止処理がなされた反射防止部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の光無線通信装置。
- 前記反射部は、信号光の少なくとも一部を反射させる反射処理がなされることによって構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光無線通信装置。
- 前記方向検出手段により検出された前記信号光の方向に基づき前記信号光送受信モジュールと前記レンズとの間の信号光の光軸を調整する調整手段を更に備える請求項1〜4のいずれか一項に記載の光無線通信装置。
- 前記信号光送受信モジュールは、
第1、第2及び第3の端子を含み、当該第1の端子から入力された信号光を当該第2の端子に出力し、当該第2の端子から入力された信号光を当該第3の端子に出力するサーキュレータと、
前記サーキュレータの第2の端子に接続された第1の端面と第2の端面とを有し、当該サーキュレータの第2の端子から出力され当該第1の端面に入力される信号光を当該第2の端面から出射すると共に、当該第2の端面から入射される信号光を当該第1の端面から出力する光ファイバと、を含んで構成され、
前記レンズは、前記光ファイバの第2の端面から出射される信号光を無線通信信号として投光すると共に、無線通信信号として到達した信号光を受光して前記光ファイバの第2の端面に入射する、
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の光無線通信装置。
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