JP4615384B2 - 入射状態検出方法及び光無線通信装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光無線通信装置における入射状態検出方法、及び当該光無線通信装置に関する。
従来から、空間光通信において、光無線通信装置に信号光を適切に入射させるために、信号光受信用の光学系の光軸を信号光の光軸に追尾させる等の入射条件の制御が行われている。この追尾は例えば、光学系に設けられた位置検出素子により検出される、光無線通信装置に入射する信号光の方向等の入射状態の情報が参照されることにより行われている(例えば、下記の特許文献1参照)。
特公平6−22350号公報
上記の方法において、信号光の入射状態の情報は、通常、4分割検出器のような位置検出素子に入射した信号光の強度が電圧等のアナログ信号として取得され、それがAD(Analog to Digital)変換されてCPU(CentralProcessing Unit)等の情報処理装置に入力されて演算されることにより検出される。しかしながら、光無線通信装置により受信される信号光の強度は、その装置が置かれる環境等により大きく変化する。通常、AD変換器は一定のダイナミックレンジを有しているので、受信される信号光の強度が大きく変動した場合にダイナミックレンジを外れることがある。その場合、信号光の入射状態を正確に検出することができず、入射条件の制御を適切に行うことができない。
本発明は、以上の問題点を解決するためになされたものであり、受信する信号光の強度が大きく変動する場合であっても、信号光の入射条件を正確に検出することができる入射状態検出方法及び光無線通信装置を提供することを目的とする。
本発明に係る入射状態検出方法は、無線通信信号として到達した信号光を受光する受信用光学系と、当該受信用光学系に入射した信号光を受光する受光面を有し当該受光面が複数に分割された光強度検出手段とを備える光無線通信装置における入射状態検出方法であって、光強度検出手段における分割された受光面の位置毎に信号光の強度をアナログ信号として検出して出力する光強度検出ステップと、光強度検出ステップにおいて出力されたアナログ信号を増幅する増幅ステップと、増幅ステップにおいて増幅されたアナログ信号をディジタル信号に変換するAD変換ステップと、AD変換ステップにおいてディジタル信号に変換された信号光の強度に基づき、前記増幅ステップにおけるゲインを制御するゲイン制御ステップと、AD変換ステップにおいてディジタル信号に変換された、位置毎の信号光の強度に基づき当該信号光の入射状態を検出する入射状態検出ステップと、を有することを特徴とする。
本発明に係る入射状態検出方法では、光強度検出ステップで検出され出力される信号光の強度に係るアナログ信号は、増幅ステップにおいて増幅されてから、AD変換ステップでディジタル信号に変換される。増幅ステップにおけるゲインは、その増幅以前にディジタル信号として得られた信号光の強度に基づいて、ゲイン制御ステップにおいて制御される。これにより、光無線通信装置に入射する信号光の強度が変動したとしても、ディジタル信号に変換されるアナログ信号の強度をAD変換におけるダイナミックレンジに収めることができる。よって入射状態検出ステップで参照されるディジタル信号としての信号光の強度は、常に正確なものとなる。従って、本発明に係る入射状態検出方法によれば、信号光の入射状態を正確に検出することができる。
また、入射状態検出ステップにおける入射状態の検出は、各位置の信号光の強度の合計に対する各位置の信号光の強度の比の値を用いて行われることが好ましい。この構成によれば、安定して入射状態を検出することができる。
また、入射状態検出ステップにおいて、各位置の信号光の強度の比の値は、予め定められた係数を乗算した値が用いられることが好ましい。この構成によれば、比の値を整数値にすること等により、入射状態検出ステップにおける信号光の入射状態を検出するための演算を容易にすることができる。
また、前記強度ステップにおけるゲインの制御は、前記信号光の強度がゲイン毎に予め定められたゲイン増加用閾値以下である場合にゲインを増加させ、信号光の強度がゲイン毎に予め定められたゲイン減少用閾値以上である場合にゲインを減少させることにより行われ、同じゲインにおいては、ゲインが増加されて増幅された信号光の強度よりも前記ゲイン減少用閾値が大きい、ことを特徴とする。この構成によれば、ゲインの切替が頻繁に行われることを防止することができる。
また、入射状態検出方法は、入射状態検出ステップにおいて検出された信号光の入射状態に基づいて、信号光の入射条件を制御する入射条件制御ステップを更に有することが好ましい。この構成では、上記のように、信号光の入射状態を正確に検出することができ、その入射状態に基づいて入射条件を制御する。従って、入射条件の制御を適切に行うことができる。
また、入射条件制御ステップにおける入射条件は、信号光に対する受信用光学系の光軸の位置及び方向の少なくとも一つであることが好ましい。この構成によれば、容易に入射条件を制御することができる。従って、本発明を容易に実施することができる。
また、入射条件制御ステップにおける入射条件の制御は、光強度検出ステップにおいて検出された信号光の強度に基づいて基準状態を設定して、光強度検出ステップにおいて検出される信号光の強度が基準状態となるように行うことが好ましい。この構成によれば、精密な調整を必要とせずに入射条件の制御を行うことができる。
ところで、本発明は、上記のように入射状態検出方法の発明として記述できる他に、以下のように光無線通信装置の発明としても記述することができる。これはカテゴリが異なるだけで、実質的に同一の発明であり、同様の作用及び効果を奏する。
本発明に係る光無線通信装置は、無線通信信号として到達した信号光を受光する受信用光学系と、当該受信用光学系に入射した信号光を受光する受光面を有し、当該受光面が複数に分割されており、当該分割された受光面の位置毎に前記信号光の強度をアナログ信号として検出して出力する光強度検出手段と、光強度検出手段により出力されたアナログ信号を増幅する増幅手段と、増幅手段により増幅されたアナログ信号をディジタル信号に変換するAD変換手段と、AD変換手段によりディジタル信号に変換された信号光の強度に基づき、増幅手段におけるゲインを制御するゲイン制御手段と、AD変換手段によりディジタル信号に変換された、位置毎の信号光の強度に基づき当該信号光の入射状態を検出する入射状態検出手段と、を備え、ゲイン制御手段によるゲインの制御は、信号光の強度がゲイン毎に予め定められたゲイン増加用閾値以下である場合にゲインを増加させ、信号光の強度がゲイン毎に予め定められたゲイン減少用閾値以上である場合にゲインを減少させることにより行われ、同じゲインにおいては、ゲインが増加されて増幅された信号光の強度よりもゲイン減少用閾値が大きい、ことを特徴とする。
本発明では、ゲインはディジタル信号として得られた信号光の強度に基づいて制御される。これにより、光無線通信装置に入射する信号光の強度が変動したとしても、ディジタル信号に変換されるアナログ信号の強度をAD変換におけるダイナミックレンジに収めることができる。よってディジタル信号としての信号光の強度は常に正確なものとなる。従って、本発明によれば、受信する信号光の強度が大きく変動する場合であっても、信号光の入射状態を正確に検出することができる。
以下、図面とともに本発明に係る入射状態検出方法及び光無線通信装置の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。まず、入射状態検出方法が実行される光無線通信装置を説明し、その後、入射状態検出方法を説明する。
図1は、本発明による光無線通信装置10の実施形態を概略的に示す構成図である。光無線通信装置10は、光ファイバネットワーク20から信号光を入力し、その信号光を通信相手の光無線通信装置(本発明による光無線通信装置10と同様の構成であっても、同様の構成でなくてもよい)に対して無線通信信号として投光する。また、通信相手の光無線通信装置により無線通信信号として投光された信号光を受光し、光ファイバネットワーク20に出力する。なお、通信相手の光無線通信装置及び光無線通信装置10は、通信可能なように互いに投受光可能な位置に設置されている。光ファイバネットワーク20は、光ファイバを含んで構成された通信網であり、信号が光によって伝達される。
光無線通信装置10により投受光される光としては、1.55μm帯の波長のレーザ光を用いることが好ましい。このレーザ光の波長は、これまで開発されている光無線通信装置で用いられる光の波長750nm〜850nmとは異なるが、光ファイバネットワークで標準的に使用されているものである。従って、通常の光ファイバネットワークでの信号光をそのまま光無線に利用することができ、光ファイバネットワークとの親和性が高い。また、この1.55μm帯の波長は目に安全な波長帯であるので、投受光する信号光の高出力化を可能とする。
以下、光無線通信装置10の構成を説明する。図1に示すように、光無線通信装置10は、サーキュレータ11と、信号光投受光部12と、光ファイバアンプ13と、光カプラ14と、信号光パワー検出部15と、制御部16と、光ファイバアンプ17とを備える。
サーキュレータ11は、第1の端子11aと、第2の端子11bと、第3の端子11cとを含んで構成されている。第1の端子11aは、光ファイバアンプ13に接続されており、光ファイバアンプ13から出力される信号光を入力する。第2の端子11bは、信号光投受光部12に接続されている。第3の端子11cは、光カプラ14に接続されており、出力する信号光を光カプラ14に入力する。サーキュレータ11は、第1の端子11aから入力された信号光を第2の端子11bに出力する。また、サーキュレータ11は、第2の端子11bから入力された信号光を第3の端子11cに出力する。
信号光投受光部12は、光ファイバ121とレンズ122とを含んで構成される。信号光投受光部12は、サーキュレータ11の第2の端子11bから出力された信号光を、光ファイバ121を伝搬させて、レンズ122により、通信相手の光無線通信装置に対して投光する。また、信号光投受光部12は、通信相手の光無線通信装置により投光され到達した信号光を、レンズ122により受光し、光ファイバ121を伝搬させてサーキュレータ11の第2の端子11bに入力する。光ファイバ121は、第1の端面121aと第2の端面121bとを含んでいる。第1の端面121aはサーキュレータ11の第2の端子11bに接続されており、サーキュレータ11の第2の端子11bから出力された信号光を第1の端面121aに入力し第2の端面121bから出射する。また、レンズ122により受光された信号光を第2の端面121bに入射し第1の端面121aから出力する。信号光投受光部12のより詳細な構成については後述する。即ち、光ファイバ121及びレンズ122は、無線通信信号として到達した信号光を受光する受信用光学系を構成する。
光ファイバアンプ13は、光ファイバネットワーク20に接続されており、通信相手の光無線通信装置に送信するために光ファイバネットワーク20から入力される信号光を増幅して出力する。この増幅は信号光が大気中を伝搬する際の減衰を考慮して、信号光を無線光通信に耐えうるパワーにするためのものである。なお、光ファイバアンプ13は、光ファイバを用いない光増幅器等により代替されてもよい。また、光ファイバネットワーク20から入力される信号光のパワーの値が充分大きく、無線光通信に耐えうるものである場合、光ファイバアンプ13は必ずしも光無線通信装置10に備えられている必要はない。
光カプラ14は、サーキュレータ11の第3の端子11cから出力された信号光を入力し、その信号光の一部を分岐して信号光パワー検出部15に出力し、残部を光ファイバアンプ17に出力する。
信号光パワー検出部15は、サーキュレータ11の第3の端子11cから出力され光カプラ14により分岐された信号光のパワーの値を検出する。光カプラ14と信号光パワー検出部15とは、サーキュレータ11の第3の端子11cから出力される信号光のパワーの値を検出する信号光パワー検出手段の役割を果たす。検出された信号光のパワーの情報は、制御部16に送信される。
制御部16は、信号光パワー検出部15により検出される値を参照して、光ファイバアンプ17から出力される信号光のパワーを制御する。この制御は、光ファイバネットワーク20に入力される信号光の安定化を図るために行われ、例えば信号光のパワーの値を一定にする制御が相当する。
光ファイバアンプ17は、制御部16の制御を受けて、光カプラ14から入力される信号光を増幅して、光ファイバネットワーク20に出力する。なお、光ファイバアンプ17は、光ファイバアンプ13と同様、光ファイバを用いない光増幅器等により代替されてもよい。制御部16と光ファイバアンプ17とは、サーキュレータ11の第3の端子11cから出力され光ファイバアンプ17から光ファイバネットワーク20に出力される信号光のパワーを制御する信号光パワー制御手段の役割を果たす。
引き続いて信号光投受光部12の構成を説明する。図2に信号光投受光部12の側面からの断面を示す。また、図3に信号光投受光部12の上面からの断面を示す。信号光投受光部12は、信号光を投光及び受光する面が開けられた箱型の筐体123を有している。信号光投受光部12は、筐体123内に、光ファイバ121と、レンズ122と、保持基体124と、保持基体支持部125と、ビームスプリッタ126と、光強度検出器127と、縦方向アクチュエータ128と、横方向アクチュエータ129とを備える。なお、サーキュレータ11、光ファイバアンプ13,17、光カプラ14、信号光パワー検出部15及び制御部16は、その何れか又は全てが筐体123に含まれていてもよい。また、信号光投受光部12は、光無線通信装置10に対する信号光の入射状態を検出して入射条件を制御する機構を有しており、それらについてはより詳細に後述する。
光ファイバ121は、第2の端面121bから出射される信号光がレンズ122により平行光にされ投光されると共に、レンズ122により受光される信号光が第2の端面121bに入射されるように、保持基体124に固定される。光信号の伝搬効率を考慮し、光ファイバ121として、シングルモード光ファイバが用いられることが好ましい。
レンズ122は、光ファイバ121の第2の端面121bから出射される信号光を平行光にして投光すると共に、受光した信号光を集光して第2の端面121bに入射するように、保持基体124の筒状部材124aの一方の先端部で固定される。レンズ122は、光ファイバ121のNA(Numerical Aperture)を考慮して、受光される信号光を第2の端面121bに入射できるものを用いる。また従来、レンズ122は例えば三枚玉が用いられるが、受光される信号光が第2の端面121bに入射できるように投受光面を非球面とした1枚の非球面レンズを用いるのが好ましい。この投受光面を適切に設計すれば、光ファイバ121とレンズ122との間での光路を1枚のレンズでも好適に制御することができる。
また本実施形態においては、レンズ122の他方の面は、図2に示すように平面とされており、この面が筒状部材124aに対する位置決めに用いられている。上記のように1枚の非球面レンズを用いることとすれば、信号光投受光部12を簡易な構成とすることができまた軽量化を図ることができる。また、このとき、後述のアクチュエータ128,129による調整が容易になる。また、レンズ122の径は、投光する信号光のパワーが500mW程度の高いパワーの信号光でも、クラス1Mのレーザ安全基準を確保できるようにするのが好ましい。クラス1Mのレーザ安全基準を達成させるようにすると、レンズ122の焦点距離が長くなるが、レンズ122と光ファイバ121の第2の端面121bとの間にビームスプリッタ126を配置することで余計なレンズ等を排除し、小型化を実現することができる。
筐体123の内面のうち、信号光が通過する開口が設けられた面に垂直な面の1つが、保持基体124を設置するための保持面123aとなっている。この保持面123aに対し保持基体支持部125及び縦方向アクチュエータ128が固定される。また、筐体123は内側に保持面123aと垂直な側面123bを有し、当該側面123bに対し横方向アクチュエータ129が固定される。
保持基体124は、光ファイバ121の第2の端面121bを含む端部及びレンズ122を、信号光を投受光可能なように光軸が合った状態で位置決めして、一体に保持する保持手段である。保持基体124は、レンズ122を保持する筒状部材124aと、光ファイバ121の第2の端面121bを含む端部の固定等を行う保持板124bとを含んで構成されている。保持基体124は、筒状部材124aの所定箇所で保持基体支持部125により、信号光の光軸(光ファイバ121の第2の端面からレンズ122への方向)を調整できるように作動可能な状態で支持されている。
筒状部材124aは、その中心軸が光軸と略一致するように設置されており、投光方向にある一方の端部が開口している。また、筒状部材124aの当該端部内側に設けられたレンズ固定部124dが、筒状部材124a内でレンズ122を位置決めして固定する。筒状部材124aは、当該レンズ122が固定される端部が筐体123の開口面と同一の方向になるよう設けられる。筒状部材124aと保持板124bとは互いに位置決めされた状態で一体となっており、保持板124bは、筒状部材124aと筐体123の保持面123aとの間に位置している。
また、保持板124bは、受光方向の筒状部材124aの端面より受光方向側にせり出した台状の後端部124eを有している。保持板124bは、当該後端部124eで光ファイバ121の第2の端面121bを含む端部を、筒状部材124aの受光方向の端部の後方に、位置決めして第2の端面121bが筒状部材の方向を向くよう固定する。また、筒状部材124aの受光方向の端部には、筒状部材124aの外側に配置された光ファイバ121の第2の端面121bから出射された光をレンズ122で受けられるよう、開口部が設けられている。以上の保持基体124の構成により、レンズ122と光ファイバ121の第2の端面121bとが、光軸が合った状態で位置決めされている。
保持基体支持部125は、筐体123の保持面123aに対して固定されており、保持基体124を作動可能な状態で保持する。具体的には、保持基体支持部125は、筐体123の保持面123aと垂直な軸線の周方向(図2に示すR1方向、この方向を横方向と呼ぶ)に回転可能な部分125a(横方向追尾軸)を有しており、保持基体124を当該方向に作動可能とする。また、保持基体支持部125は、保持基体124の筒状部材124aを、筐体123の保持面123aと平行かつ光軸と垂直な軸線方向(縦方向追尾軸、図2及び図3に示す支持点125b)の径の2点で、回転可能なように支えており、当該2つの支持点125bによる回転軸とした周方向(図2に示すR2方向、この方向を縦方向と呼ぶ)に作動可能とする。なお、上記の作動は、後述するアクチュエータ128,129を駆動させることにより行われる。
ビームスプリッタ126は、保持基体124の筒状部材124a内の、信号光の経路におけるレンズ122と光ファイバ121の第2の端面121bとの間に設けられる。レンズ122により受光された信号光の一部を反射させ、光強度検出器127に入射させる。なお、反射される光の光路と受光された信号光の光路とが垂直になるよう、ビームスプリッタ126は、反射面が信号光の光軸と45°となるように設置するのがよい。
光強度検出器127は、受信用光学系に入射しビームスプリッタ126により反射された信号光を受光する受光面を有する光強度検出手段である。この受光面は、例えば四等分等、複数に分割されており、光強度検出器127は、分割された受光面の位置毎に信号光の強度を検出して、その強度の値を示すアナログ信号である電流値をもつ電流として出力する。この信号光の強度の検出は、光無線通信装置10に対する信号光の入射状態を検出するために行われるものである。検出された入射状態は、信号光の入射条件の制御に用いられる。具体的にどのように入射状態の検出及び入射条件の制御が行われるかは後述する。検出される入射状態としては、具体的には光ファイバ121に入射する信号光の方向が相当する。光強度検出器127としては、具体的には例えば、四分割フォトダイオード等の四分割センサが用いられる。
光強度検出器127は、筒状部材124aの外壁に固定され設けられる検出器格納部124c内に位置決めして設置される。なお、筒状部材124aには、光強度検出器127で反射光を受光できるように、反射光の経路上に、開口部が設けられる。筒状部材124aと筐体123の保持面123aとの間には保持板124b等が設けられているので、光強度検出器127は、保持面123aとは逆側に設けられることが好ましい。即ち、ビームスプリッタ126による反射光は、保持面123aとは逆側に向かうものであることとするのがよい。
縦方向アクチュエータ128は筐体123の保持面123aに対して固定されており、その駆動部128aが、保持基体124の保持板124bの後端部124eを挟み込んで保持基体124に固定されている。縦方向アクチュエータ128を図2に示すR3方向に駆動させることにより、保持基体を縦方向(R2方向)に作動させることができる。また、横方向アクチュエータ129は筐体123の側面123bに対して固定されており、駆動部129aが、保持基体124の保持板124bの後端部124eを挟み込んで保持基体124に固定されている。横方向アクチュエータ129を図3に示すR4方向に駆動させることにより、保持基体を横方向(R1方向)に作動させることができる。
縦方向及び横方向アクチュエータ128,129は、後述する信号光の入射条件の制御機構から制御信号を受信し、その制御信号に基づいて、適切な方向(レンズ122の受光面と信号光の方向がほぼ垂直となり、レンズ122により集光された信号光が光ファイバ121の第2の端面121bに入射する方向)で信号光を受光できるように、保持基体124の方向を調整し、信号光の入射条件である、レンズ122と光ファイバ121の第2の端面121bとの間の信号光の光軸を調整する。即ち、アクチュエータ128,129は、信号光の入射条件を制御する入射条件制御手段の一構成要素である。
続いて、光無線通信装置10に対する信号光の入射状態を検出して入射条件を制御する機構について、図4の構成図を用いて説明する。図4に示すように、この機構には、光強度検出器127、縦方向アクチュエータ128及び横方向アクチュエータ129が含まれ、また、それ以外に、電流電圧変換器31と、増幅器32と、AD変換器33と、マイクロコントローラ34と、ゲイン切替器35と、アクチュエータ用ドライバ36と、外部制御・モニタ用機器37とが含まれる。これらの構成要素は、外部制御・モニタ用機器37を除いて、筐体123内に設置されることが好ましい。
光強度検出器127は、図4に示すように4つに分割された受光面127a,127b,127c,127dを有している。各分割された受光面127a,127b,127c,127dに信号光が入射すると、当該受光面の位置毎に入射した信号光の強度をアナログ値である電流値として検出し、当該電流を電流電圧変換器31に入力させる。
電流電圧変換器31は、光強度検出器127の分割された受光面127a,127b,127c,127d毎に設けられており、それぞれが対応する受光面127a,127b,127c,127dに信号線等で接続されている。各電流電圧変換器31は、それぞれ各分割された受光面127a,127b,127c,127dから出力された信号光の強度を示す電流値をもつ電流を入力し、当該電流を電圧に変換する。変換された電圧は増幅器32に入力される。当該変換された電圧の電圧値は、信号光の強度を示すものになっている。電流から電圧への変換は、AD変換器33により信号光の強度の値をディジタル値として取り出すために行われる。電流電圧変換器31は、具体的には例えば、電子回路により実現される。
増幅器32は、電流電圧変換器31毎に設けられており、それぞれが対応する電流電圧変換器31に接続されている。増幅器32は、電流電圧変換器31から入力した、信号光の強度を示すアナログ信号である電圧を増幅する増幅手段である。増幅器32は、それぞれ同じゲインで増幅を行う。このゲインは、ゲイン切替器35により制御される。この増幅は、当該アナログ信号をAD変換する際に、アナログ信号である電圧の強度をAD変換におけるダイナミックレンジに収めるために行われる。増幅されたアナログ信号は、AD変換器33に入力される。
AD変換器33は、増幅器32毎に設けられており、それぞれが対応する増幅器32に接続されている。AD変換器33は、増幅器32から入力したアナログ信号である電圧の電圧値をディジタル信号に変換するAD変換手段である。なお、AD変換器33は、AD変換における入力されるアナログ値に一定のダイナミックレンジを有しており、ダイナミックレンジの範囲外の入力がなされた場合、正確に入射状態の検出を行うことができない。変換後のディジタル信号はマイクロコントローラ34に送信される。このAD変換は、マイクロコントローラ34において信号光の強度の値を処理するために行われる。
マイクロコントローラ34は、AD変換器33によりディジタル信号に変換された信号光の強度に基づき、増幅器32におけるゲインを制御するゲイン制御手段である。ゲインの制御は、AD変換器33によるAD変換が適切に行われることを目的としている。具体的には例えば当該信号光の強度に対して演算を行い、予め設定されたルールに従って行われる。ゲインの制御は、実際にはマイクロコントローラ34からゲイン切替器35に制御信号が送信され、ゲイン切替器35により行われる。ゲインの制御に関しては、光無線通信装置10の動作の説明において、より詳細に後述する。
また、マイクロコントローラ34は、AD変換器33によりディジタル信号に変換された、位置毎の信号光の強度に基づき当該信号光の入射状態を検出する入射状態検出手段としても機能する。信号光の入射状態としては、具体的には、光無線通信装置10に対する信号光の入射方向及び入射位置等である。入射状態の検出は、具体的には例えば当該位置毎の信号光の強度に対して演算を行い、予め設定されたルールに従って行われる。検出された入射状態は、入射条件の制御に用いられる。入射条件の検出に関しては、光無線通信装置10の動作の説明において、より詳細に後述する。
また、マイクロコントローラ34は、検出された入射状態に基づいて、信号光の入射条件を制御する入射条件制御手段としても機能する。入射条件の制御は、具体的には例えば、適切に信号光を受光できるように、信号光に対する受信用光学系の光軸の位置及び方向の少なくとも一つを制御すること等により行われる。入射条件の制御は実際には、マイクロコントローラ34から制御信号がアクチュエータ用ドライバ36に送信され、アクチュエータ用ドライバ36がアクチュエータ128,129を駆動させることにより行われる。
マイクロコントローラ34は、具体的にはCPU及びメモリ等により構成される。また、マイクロコントローラ34にAD変換器33の機能が含まれていてもよい。
ゲイン切替器35は、マイクロコントローラ34からの制御信号を受けて、ゲインの切替を実際に行うものである。具体的には、例えば、電流電圧変換器31における並列抵抗値を切り替えることによりゲインの切替を行うことが可能になる。アクチュエータ用ドライバ36は、マイクロコントローラ34からの制御信号を受けて、入射条件の制御のためにアクチュエータ128,129を駆動させるものである。外部制御・モニタ用機器37は、ユーザが手動で上記の構成要素を制御、又はモニタするための外部装置である。手動で制御等をする必要のない場合は、外部制御・モニタ用機器37は、必ずしも光無線通信装置10に設ける必要はない。
引き続いて、光無線通信装置10の動作について、特に増幅器32におけるゲインの制御、及び入射条件の制御を中心に図5のフローチャートを用いて説明する。本動作は、通信相手の光無線通信装置により投光された信号光が光無線通信装置10により(ある程度継続的に)受光される場合のものである。
光無線通信装置10では、通信相手の光無線通信装置により投光された信号光がレンズ122により受光される。受光された信号光の一部は、ビームスプリッタ126により反射され光強度検出器127に入射される。光強度検出器127は反射光を受光して、分割された受光面の位置毎に信号光の強度を検出する。ここで、位置毎に検出された光信号の強度は、電流電圧変換器31、増幅器32及びAD変換器33を介してマイクロコントローラ34に入力される(この動作に関しての各構成要素の動作は、より詳細に後述するが、ここでは説明を省略する)。マイクロコントローラ34は、当該位置毎の光信号の強度を基準状態として設定し、メモリ等に格納しておく(S01)。この基準状態は、入射条件の制御(S07)に用いられる。
受光された信号光の残りは、光ファイバ121の第2の端面121bに集光され入射される。入射された光は、光ファイバ121内を伝搬し第1の端面121aから出力される。第1の端面121aから出力された信号光は、サーキュレータの第2の端面11bに入力され、第3の端面11cから出力される。
出力された信号光は、光カプラ14に入力され、その一部が信号光パワー検出部15に、残部が光ファイバアンプ17に入力される。信号光パワー検出部15では、信号光のパワーの値が検出され、検出された値の情報が制御部16に送信される。制御部16では、パワーの値が検出された信号光を一定のパワーの値で出力されるよう光増幅するように光ファイバアンプ17に対する制御が行われる。光ファイバアンプ17に入力された信号光は、上記のような制御を受けた光ファイバアンプ17により、一定のパワーになるよう光増幅されて出力され、光ファイバネットワーク20に入力される。以下の動作でも、受光された信号光は上記と同様に光ファイバネットワーク20に入力される。
基準状態設定後の動作を以下に説明する。上述した動作と同様に、通信相手の光無線通信装置により投光された信号光がレンズ122により受光される。受光された信号光の一部は、ビームスプリッタ126により反射され光強度検出器127に入射される。光強度検出器127は反射光を受光して、分割された受光面の位置毎に信号光の強度を検出する(S02、光強度検出ステップ)。この信号光の強度は電流値として取得され、アナログ信号である当該電流が各電流電圧変換器31に入力される。当該電流は、各電流電圧変換器31により、信号光の強度を示す電圧値をもつ、これもアナログ信号である電圧に変換される。各電圧は、増幅器32に入力される。
続いて、それぞれの増幅器32が、各電流電圧変換器31から入力された、位置毎の信号光の強度を示す電圧値をもつ電圧を増幅する(S03、増幅ステップ)。この増幅は、全ての増幅器32において同じゲインで行われる。この増幅は、AD変換器33におけるダイナミックレンジに、AD変換の対象であるアナログ信号の電圧を収めるためにするものである。即ち、ここで電圧は、AD変換器33の分解能に対して十分に大きなレベルに増幅される。また、電圧レベルの飽和を避けるために、一定以上の大きさの電圧にならないようにする。ゲインは、マイクロコントローラ34及びゲイン切替器35により制御されたものである(制御内容については後述する)。増幅された電圧は、AD変換器33に入力される。
光無線通信装置10においては、光強度検出器127に入射する光強度が大きく変動する。光強度の変動は大気中における光波減衰に依存し、1kmの通信で30dB程度の減衰(最大受光強度と比較して強度が1/1000となる)が生じることもある。また、太陽光等を原因とする外乱光が光強度検出器127に入射した場合には、受光レベル全体が増加することもある。さらに光源に光ファイバ増幅器を使用する構成とした場合には、設置条件や設置環境に応じて送信強度を10mW〜500mW程度の間で切り替えることがある。ここで、このような増幅を行うのは、このように光強度の変動がある場合でも、AD変換器33への入力レベルを、正確にAD変換をできるものとするためである。
続いて、それぞれのAD変換器33が、各増幅器32から増幅されて入力された、アナログ値である電圧値をもつ電圧をディジタル信号に変換する(S04、AD変換ステップ)。変換されたディジタル信号は、マイクロコントローラ34に入力される。
続いて、マイクロコントローラ34及びゲイン切替器35が、マイクロコントローラ34に入力されたディジタル信号に基づいて、各増幅器32に対するゲインの制御を行う(S05、ゲイン制御ステップ)。ゲインの制御は、具体的には以下のように行われる。まず、マイクロコントローラ34は、各AD変換器33から入力されたディジタル値の合計をとる。一方、マイクロコントローラ34では、ゲイン毎に、ゲインを増加させる信号光の強度のゲイン増加用閾値、及びゲインを減少させる信号光の強度のゲイン減少用閾値が定められている。マイクロコントローラ34では、上記のディジタル値の合計と、現在のゲインのゲイン増加用閾値及びゲイン減少用閾値とから、ゲインを増加させるか、減少させるか、及び現状維持の何れかであるかを判断する。信号光の強度の合計であるディジタル値の合計が、ゲイン増加用閾値以下である場合はゲインを増加させ、ゲイン減少用閾値以上である場合はゲインを減少させる。2つの場合の何れでもない場合は、現状維持とする。なお、各増幅器32におけるゲインは、各増幅器32間で全て同じ値になるようにする。マイクロコントローラ34は、上記の判断に基づいて、制御信号をゲイン切替器35に送信して、当該制御信号を受けたゲイン切替器35が各増幅器32に対して切替を行う。
ゲインの制御に関して、具体例を図6に示す状態遷移を用いて説明する。図6において、横軸は信号光の強度を示すディジタル値(AD変換器33による変換後。単位は省略)、縦軸は増幅器32におけるゲインである。なお、図6は簡易的にゲインの切替が1倍と10倍のみであるとした場合である。ゲインが1倍である場合、ゲインを10倍するゲイン増加用閾値は10であり、ゲインが10倍である場合、ゲインを1倍にするゲイン減少用閾値は950である。現在のゲインが1倍で、受光強度を示すディジタル値が10となった場合、ゲインは10倍にされる。また、現在のゲインが10倍でディジタル値が950になった場合、ゲインは1倍にされる。
このように、同じゲインにおいては、ゲインが増加されて増幅された信号光の強度(ゲインが10倍に増加される場合、最大でも100(図6における(ii)))よりもゲイン減少用閾値(ゲイン10倍の場合、950(図6における(iii)))が大きいことが好ましい。また、その場合、同じゲインにおいては、ゲインが減少されて増幅された信号光の強度(ゲインが1倍に減少される場合、最小でも95(図6における(iv)))よりもゲイン増加用閾値(ゲイン1倍の場合、10(図6における(i)))が小さくなる。
例えば、上記のゲインが増加されて増幅された信号光の強度(図6における(ii))とゲイン減少用閾値(図6における(iii))とが等しい値になるように設定してしまうと、ゲインの切替が頻繁に行われ動作が不安定になる。本実施形態のように、ゲイン増加用閾値及びゲイン減少用閾値をゲイン切替のヒステリシス特性を考慮したものにすることにより、ゲインの切替が頻繁に行われることを防止し安定的な動作をさせ、更に後述する入射条件の制御の時間的パフォーマンスの低下を防止することができる。
続いて、マイクロコントローラ34が、光強度検出器127における位置毎の光強度を示すディジタル信号に基づいて、信号光の光無線通信装置10に対する入射状態を検出する(S06、入射状態検出ステップ)。入射状態の検出は、以下に説明するように、各位置の信号光の強度の合計に対する各位置の信号光の強度の比の値を用いて行われるのが好ましい。光強度検出器127の受光面は、図4に示すように4つに分かれている。ここでAを図4において左上の部分に入射した信号光の強度の値、Bを右上の部分に入射した信号光の強度の値、Cを右下の部分に入射した信号光の強度の値、Dを左下の部分に入射した信号光の強度の値とそれぞれする。入射状態は、具体的には例えば、光強度検出器127の上下方向の強度の差の値Vとして検出され、以下の式により導出される。
V=k×(U−D)/(U+D)
ここで、Uは光強度検出器127の上側に入射した信号光の強度であり、GA+GBで表される(Gは増幅器32におけるゲインの値)。また、Dは光強度検出器127の下側に入射した信号光の強度であり、GC+GDで表される。また、ここでkは、CPUによる演算を用意にするために整数値に変換するための予め設定された値である。
また、入射状態は、光強度検出器127の左右方向の強度の差の値Hとしても検出され、以下の式により導出される。
H=k×(R−L)/(R+L)
ここで、Rは光強度検出器127の右側に入射した信号光の強度であり、GB+GCで表される。また、Lは光強度検出器127の左側に入射した信号光の強度であり、GA+GDで表される。このように検出された信号光の入射状態の情報は、入射条件の制御に用いられる。
例えば光無線通信装置10のおいては、Lが2000、Rが3000という場合がある。一方で、降雨に伴う強度の減衰やゲインの切替等で、Lが4、Rが6ということが起こりうる。前者の場合、左右方向の強度の差は1000であり、後者の場合、左右方向の強度の差は2である。上記の二例は左右方向に対しては、方向あるいは位置という意味において、信号光の入射条件は同一である。しかし、上記のような従来、CD(Compact Disk?)のピックアップ等に用いられる各チャネルの受光レベルの差信号を用いると、正確な入射条件を検出することが難しい。
上記二例において、全体の信号光の強度に対する比を取ると、両者の強度の差は0.2となり、同じ値が得られる。つまり、全体の強度が変動しても値が変わらない。そこで、本実施形態では、入射状態の情報として、各位置の信号光の強度の合計に対する各位置の信号光の強度の比の値を用いているのである。
続いて、マイクロコントローラ34、アクチュエータ用ドライバ36、及びアクチュエータ128,129が、検出された信号光の入射状態に基づいて、信号光の入射条件を制御する(S07、入射条件制御ステップ)。入射条件の制御は、具体的には以下のように行われる。マイクロコントローラ34は、S01での入射条件の基準状態の設定の際に、基準状態として取得した位置毎の光信号の強度から、上述したものと同様に上下方向の強度の差、及び左右方向の強度の差を導出しておく。マイクロコントローラ34は、基準状態の値と、S06において検出された入射状態の値とを比較して、それらの値の間に差がある場合はその差を縮めるように制御を行う、と判断する。入射条件の制御が頻繁に行われることを防止するため、許容誤差を設定しておき、当該判断において差が当該許容誤差以内であれば制御を行わないとすることとしてもよい。
当該判断の後、マイクロコントローラ34からアクチュエータ用ドライバ36に判断に基づいた制御信号が送られる。アクチュエータ用ドライバ36によりアクチュエータ128,129が制御され駆動されることにより、入射状態の調整が実際に行われる。
その後も信号光の強度の取得(S02)が繰り返し行われ、上記S03〜S07の処理もそれに伴って行われる。但し、ゲインの制御(S05)においてゲインの切替が行われた場合、回路の時定数にもよるが出力電圧が安定するまでに時間が必要となる。よって、ゲインを切り替えたときには時定数に従って一定時間、入射状態の検出処理を停止することとするのが好ましい。
上記の動作において、ゲインの制御(S05)と、入射状態の検出(S06)及び入射条件の制御(S07)とは直接的な関連がないので、何れが先に行われてもよいし、両方が平行に行われてもよい。また、入射状態の検出(S06)及び入射条件の制御(S07)は、ゲインの制御(S05)においてゲインの切替がなかった場合のみに行われてもよい。
上記のように本実施形態によれば、ゲインはディジタル信号として得られた信号光の強度に基づいて制御される。これにより、光無線通信装置10に入射する信号光の強度が変動(例えば、上記に示したように1万倍程度の変動)したとしても、ディジタル信号に変換されるアナログ信号の強度をAD変換におけるダイナミックレンジに収めることができる。よってディジタル信号としての信号光の強度は常に正確なものとなる。従って、本実施形態によれば、受信する信号光の強度が大きく変動する場合であっても、信号光の入射状態を正確に検出することができる。
また、本実施形態のように、信号光の入射状態の検出に各位置の信号光の強度の合計に対する各位置の信号光の強度の比の値を用いることとすれば、全体の強度の変動の影響を受けずに、また上述したようにゲインを制御した場合であっても、安定して入射状態を検出することができる。
また、本実施形態のように、上記比の値に予め定められた係数(k)を乗算することにより、比の値を整数値にすること等により、入射状態検出ステップにおける信号光の入射状態を検出するための演算を容易にすることができる。
また、本実施形態のように、検出された入射条件に基づいて、入射条件の制御を行うこととすれば、受信する信号光の強度が大きく変動する場合であっても、入射条件の制御を適切に行うことができる。また、入射条件を、信号光に対する受信用光学系の光軸の位置及び方向の少なくとも一つであることとすれば、用意に入射条件の制御を行うことができる。
また、本実施形態のように検出された信号光の強度を、入射条件制御の基準状態とすれば、光強度検出器127の各位置において検出される信号光の強度を等しい状態に調整する必要がないので、精密な調整を必要とせずに入射条件の制御を行うことができる。特に本実施形態のように、受信光をフォトダイオードのような光検出器でなく、光ファイバ121のコアへ直接導くような場合では、数μmレベルの位置調整が必要である。この方式では、精密な調整を必要とせず、光強度検出器127の各位置において検出される信号光の強度がそれぞれ多少ずれていても、その状態を基準状態として、入射条件の制御を行うことができる。またこの場合でも、上記のように信号光の強度の比の値をとることにより、全体の強度が変動しても値は変化しない。但し、予め全ての位置において信号光の強度が同一の基準状態を定めておき、その基準状態となるように制御することとしてもよい。
なお、本実施形態で示した光無線通信装置10は一例であり、他の形態であってもよい。例えば、信号光の送信と受信とを別々の光学系で行うものでもよい。また、光ファイバネットワークから直接信号光が入力されるものではなく、電気信号が入力されそれを信号光に変換するものであってもよい。
また、本実施形態によれば、増幅器32の現在のゲインとマイクロコントローラ34に入力されるディジタル信号を記録することにより、受光レベルの変動を常に監視することが可能である。よって、現在の大気の状況即ち大気による光波減衰量を常に監視できる。この受光レベルの変動を元に光源の送信パワーや受光側にある増幅器のゲインを制御することにより、安定した通信を行うことも可能である。
本発明の実施形態に係る光無線通信装置の構成を示す図である。 信号光投受光部の側面からの断面を示す図である。 信号光投受光部の上面からの断面を示す図である。 光無線通信装置における、入射状態検出及び入射条件制御を行う機構を示した図である。 本発明の実施形態に係る入射状態検出方法のフローチャートである。 ゲインの切替を説明するための図である。
符号の説明
10…光無線通信装置、11…サーキュレータ、11a…第1の端子、11b…第2の端子、11c…第3の端子、12…信号光投受光部、121…光ファイバ、121a…第1の端面、121b…第2の端面、121c…ARコート膜、122…レンズ、123…筐体、123a…保持面、123b…側面、124…保持基体、124a…筒状部材、124b…保持板、124c…検出器格納部、124d…レンズ固定部、124e…後端部、125…保持基体支持部、126…ビームスプリッタ、127…光強度検出器、128,129…アクチュエータ、13,17…光ファイバアンプ、14…光カプラ、15…信号光パワー検出部、16…制御部、20…光ファイバネットワーク、31…電流電圧変換器、32…増幅器、33…AD変換器、34…マイクロコントローラ、35…ゲイン切替器、36…アクチュエータ用ドライバ、37…外部制御・モニタ用機器。

Claims (7)

  1. 無線通信信号として到達した信号光を受光する受信用光学系と、当該受信用光学系に入射した信号光を受光する受光面を有し当該受光面が複数に分割された光強度検出手段とを備える光無線通信装置における入射状態検出方法であって、
    前記光強度検出手段における分割された受光面の位置毎に前記信号光の強度をアナログ信号として検出して出力する光強度検出ステップと、
    前記光強度検出ステップにおいて出力されたアナログ信号を増幅する増幅ステップと、
    前記増幅ステップにおいて増幅されたアナログ信号をディジタル信号に変換するAD変換ステップと、
    前記AD変換ステップにおいてディジタル信号に変換された信号光の強度に基づき、前記増幅ステップにおけるゲインを制御するゲイン制御ステップと、
    前記AD変換ステップにおいてディジタル信号に変換された、前記位置毎の信号光の強度に基づき当該信号光の入射状態を検出する入射状態検出ステップと、を有し、
    前記ゲイン制御ステップにおけるゲインの制御は、前記信号光の強度がゲイン毎に予め定められたゲイン増加用閾値以下である場合にゲインを増加させ、前記信号光の強度がゲイン毎に予め定められたゲイン減少用閾値以上である場合にゲインを減少させることにより行われ、
    同じゲインにおいては、ゲインが増加されて増幅された信号光の強度よりも前記ゲイン減少用閾値が大きい、
    ことを特徴とする入射状態検出方法。
  2. 前記入射状態検出ステップにおける入射状態の検出は、前記各位置の信号光の強度の合計に対する各位置の信号光の強度の比の値を用いて行われることを特徴とする請求項1に記載の入射状態検出方法。
  3. 前記入射状態検出ステップにおいて、前記各位置の信号光の強度の比の値は、予め定められた係数を乗算した値が用いられることを特徴とする請求項2に記載の入射条件検出方法。
  4. 前記入射状態検出ステップにおいて検出された信号光の入射状態に基づいて、前記信号光の入射条件を制御する入射条件制御ステップを更に有する請求項1〜3の何れか一項に記載の入射状態検出方法。
  5. 前記入射条件制御ステップにおける入射条件は、前記信号光に対する前記受信用光学系の光軸の位置及び方向の少なくとも一つであることを特徴とする請求項に記載の入射状態検出方法。
  6. 前記入射条件制御ステップにおける入射条件の制御は、前記光強度検出ステップにおいて検出された信号光の強度に基づいて基準状態を設定して、前記光強度検出ステップにおいて検出される信号光の強度が基準状態となるように行うことを特徴とする請求項4又は5に記載の入射状態検出方法。
  7. 無線通信信号として到達した信号光を受光する受信用光学系と、
    当該受信用光学系に入射した信号光を受光する受光面を有し、当該受光面が複数に分割されており、当該分割された受光面の位置毎に前記信号光の強度をアナログ信号として検出して出力する光強度検出手段と、
    前記光強度検出手段により出力されたアナログ信号を増幅する増幅手段と、
    前記増幅手段により増幅されたアナログ信号をディジタル信号に変換するAD変換手段と、
    前記AD変換手段によりディジタル信号に変換された信号光の強度に基づき、前記増幅手段におけるゲインを制御するゲイン制御手段と、
    前記AD変換手段によりディジタル信号に変換された、前記位置毎の信号光の強度に基づき当該信号光の入射状態を検出する入射状態検出手段と、を備え、
    前記ゲイン制御手段によるゲインの制御は、前記信号光の強度がゲイン毎に予め定められたゲイン増加用閾値以下である場合にゲインを増加させ、前記信号光の強度がゲイン毎に予め定められたゲイン減少用閾値以上である場合にゲインを減少させることにより行われ、
    同じゲインにおいては、ゲインが増加されて増幅された信号光の強度よりも前記ゲイン減少用閾値が大きい、
    ことを特徴とする光無線通信装置。
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