JP2006073298A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料電池の耐久性を向上するための燃料電池システムを提案する。
【解決手段】電解質膜101の両側に燃料極102a及び酸化剤極102cを備え、燃料極102a及び酸化剤極102cに隣接してガス拡散層103a、103cをそれぞれ備えた単位電池20を有する燃料電池スタック1と、燃料電池スタック1の燃料極102a側がプラス及び酸化剤極102c側がプラスとなるように、選択的に接続される直流電源と、を備える。少なくともシステムの停止制御を行っている際に、燃料電池スタック1に電圧を印加することにより、酸化剤極102cに発生した金属イオンを還元する。
【選択図】 図1
【解決手段】電解質膜101の両側に燃料極102a及び酸化剤極102cを備え、燃料極102a及び酸化剤極102cに隣接してガス拡散層103a、103cをそれぞれ備えた単位電池20を有する燃料電池スタック1と、燃料電池スタック1の燃料極102a側がプラス及び酸化剤極102c側がプラスとなるように、選択的に接続される直流電源と、を備える。少なくともシステムの停止制御を行っている際に、燃料電池スタック1に電圧を印加することにより、酸化剤極102cに発生した金属イオンを還元する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、燃料電池システムに関する。特に、燃料電池システムの触媒電極の耐久性を向上するための停止保管制御に関する。
従来、固体高分子型燃料電池は、長期の連続運転中にセパレータなどの部材から溶出する金属イオンや汚染物質が電池内部に蓄積して、その結果、性能が低下し、耐久性が損なわれるという問題があった。これを解決する方法として、燃料極と空気極にそれぞれ酸化剤ガスと燃料ガスを供給し、電池本体から極性を逆にして電流を取り出すことで、電池の特性を回復させる方法が提案されている。燃料極と空気極とでガスの供給を入れ替えて、電流方向を逆転させると、不純物イオンを浸入してきた方向へ逆に移動させて排出することができる(例えば、特許文献1、参照。)。
特開2001−85037号公報
しかしながら上記背景技術に記載の燃料電池では、燃料極側で触媒の酸化腐食反応が生じる可能性がある。これにより触媒面積が低減されて、燃料電池が劣化してしまうという可能性があった。
そこで本発明は、上記問題を鑑みて、燃料電池の耐久性を向上するための燃料電池システムを提案することを目的とする。
本発明の燃料電池システムは、電解質膜の両側に、触媒金属を有する燃料極及び酸化剤極を備え、前記燃料極及び酸化剤極に隣接してガス拡散層をそれぞれ備えた単位電池を有する燃料電池と、前記燃料電池の燃料極側がプラス及び酸化剤極側がマイナスとなるように接続された直流電源と、前記燃料電池と前記直流電源の接続を選択的に切り替える切替手段と、を備える。システムの停止時に、前記燃料電池に電圧を印加して、前記酸化剤極に発生した金属イオンを還元する。
このように、システムの停止時に燃料電池に電圧を印加して、触媒金属が溶解して金属イオンとなってしまった場合にも、これを還元して触媒としての機能を果たすことができる状態に回復させることができる。その結果、触媒金属の反応面積の低減を抑制し、燃料電池の耐久性を向上することができる。
図1を参照して、第1の実施形態に用いる燃料電池システムの構成を説明する。
単位電池10を200セル積層した燃料電池スタック1を備える。燃料電池スタック1を構成する単位電池10は、電解質膜101とその両面に設けた燃料極102a、酸化剤極102c、さらにその外側に設けたガス拡散層103a、103cからなる膜電極接合体を備える。また、膜電極接合体に臨む面に、燃料極102aに供給する燃料ガスを流通する燃料ガス流路104aを設けたセパレータ105aと、酸化剤極102cに供給する酸化剤ガスを流通する酸化剤ガス流路104cを設けたセパレータ105cを備える。燃料極102a、酸化剤極102cには、それぞれ白金触媒を備え、この白金触媒に燃料ガス、酸化剤ガスが接触することにより発電反応を生じる。尚、ここでは白金を例に挙げたが、白金に限らず他の金属触媒全てに適用することができる。また、電解質としては、電解質膜101に限らず、液体の電解質成分を含浸した電解質層を用いても良い。
また、燃料電池システムには、最大電圧が40Vの二次電池2と、燃料電池スタック1と二次電池2との接続を選択的に切り替えるスイッチ3を備える。燃料電池スタック1の酸化剤極側端部1cは、二次電池2のマイナス端子2mに接続される。また、燃料電池スタック1の燃料極側端部1aと二次電池2のプラス端子2pとが、スイッチ3を介して選択的に接続される。
更に、スイッチ3のON(接続)−OFF(切断)を制御する制御ユニット4を備える。なお、燃料電池システムは、上述した他に、燃料電池スタック1を稼動させるためのコンプレッサやバルブ等の補機類、燃料電池スタック1から得られた電力を出力する電気制御システム等を備えるが、図1ではこれらを省略する。
また、二次電池2により印加される電圧が燃料電池スタック1の単位電池10当たりの平均電圧に換算して0.7V以下となっていれば、単位電池10の積層数と二次電池2の最大電圧の仕様は任意でよい。また、ここでは二次電池2を用いているが、直流電源機能を有するものであればよく、例えばコンデンサ(キャパシタ)や外部電源、他の燃料電池などを用いてもよい。
次に、図2を用いて、上述した燃料電池システムの停止時の制御方法について説明する。本フローは、システム運転中に、ステップS1で発電終了と判断されるまで所定時間ごとに繰り返し行われ、ステップS1で発電終了と判断されたら、ステップS2、S3に示したシステムの停止制御を実行する。
燃料電池スタック1における発電が終了したかどうかを判断し(S1)、終了したと判断されたら、その直後に、制御ユニット4によりスイッチ3をONとして接続状態とする(S2)。これにより、燃料電池スタック1には、各単位電池10の平均電圧に換算して0.7V以下の電圧が印加される。このとき、発電停止直後にスイッチ3をONとするため、電圧は、発電時の温度に近い状態の燃料電池スタック1に印加される。なお、電圧を印加する際に、燃料電池スタック1をヒータや熱媒で暖めることにより、発電時の温度に近い状態に調整してもよい。このスイッチ3の接続を完了したことを必要条件として、燃料電池システムの停止を完了する(S3)。なお、燃料電池システムの停止とは、システムを構成する全ての機器の作動が停止することと定義する。例えば、燃料電池自動車で言えば、キーを抜くことに相当する。
そのため、燃料電池システムが使用されない保管期間中は、燃料電池スタック1に二次電池2から電圧が印加された状態に維持される。
また、燃料電池システムの起動開始後、制御ユニット4によりスイッチ3をOFFとして接続を解除する。なお、燃料電池システムの起動とは、システムを構成する全ての機器のうち、少なくとも何れかが作動開始することと定義する。例えば、燃料電池自動車で言えば、キーをさして起動させることを意味する。
次に、図3を参照して、本実施形態の作用について説明する。図3は、本実施形態の作用を説明するためのイメージ図である。
燃料電池スタック1の運転に伴って、酸化剤極102cに使用されている金属触媒(例えば白金:Ptなど)の極一部が、イオン化した状態(Pt2+)で電解質中に溶解する現象が起る。ここで、停止制御時に、酸化剤極側端部1cにマイナス端子2mを、燃料極側端子1aにプラス端子2pを接続し、二次電池2からなる直流電源によって燃料電池スタック1に単位電池10当たり0.7V以下の電圧を印加すると、燃料電池スタック1はコンデンサとして機能して蓄電する。つまり、酸化剤極102cには多くの電子e-が存在する。ここで、この電子e-の存在により、酸化剤極102cにおいて次の反応が一部発生する。
Pt2+ + 2e- → Pt
この反応は、酸化剤極102cの金属触媒(この場合だとPt)上で生じるため、上記反応により還元された白金(Pt)は、酸化剤極102cの上記反応に寄与した白金上に再析出する。その結果、次回の燃料電池スタック1の運転時に、還元された白金が再び触媒として機能することができる。
この反応は、酸化剤極102cの金属触媒(この場合だとPt)上で生じるため、上記反応により還元された白金(Pt)は、酸化剤極102cの上記反応に寄与した白金上に再析出する。その結果、次回の燃料電池スタック1の運転時に、還元された白金が再び触媒として機能することができる。
ここで、二次電池2により燃料電池スタック1に印加される電圧を、単位電池10当たりの平均電圧で0.7V以下としたことの根拠となる実験結果を図4に示す。
図4は、代表的な単位電池10を使用して、外部直流電源(ポテンシオスタット)により単位電池10に所定の電圧を印加した際の、単位電池10に流れる電流値(電流密度)を示したものである。単位電池10の燃料極102a側には各温度において湿度が100%となるように加湿した水素を、酸化剤極102c側には湿度が100%となるように加湿した窒素を供給した。作用電極を酸化剤極102c、参照電極を燃料極102aとして、電極間に所定値の電圧を印加した。電流値は、印加直後に流れる電気二重層へのチャージ分(後述)は除き、所定時間経過後の安定した電流値をプロットした。このようなプロットを、25℃、50℃、70℃、90℃に設定された燃料電池スタック1それぞれについて実験した。
この結果より、燃料電池スタック1を70℃と90℃に設定した際に、印加電圧が0.7Vを超えると単位電池10内に流れる電流値が加速的に増大することが確認された。これは、単位電池10当たりの電圧が0.7Vを超えた場合、燃料極102aでカーボンや金属触媒の酸化反応が生じるためである。そこで、印加電圧を0.7V以下に設定することで、燃料極102aの酸化腐食を抑制し、燃料電池スタック1の耐久性を維持する。
なお、違う仕様の膜電極複合体を含む他の単位電池でも実験を繰り返し行ったが、図4に示す代表的な実験結果と同様の傾向を示した。
次に、本実施形態の効果について説明する。
電解質膜101の両側に燃料極102a及び酸化剤極102cを備え、燃料極102a及び酸化剤極102cに隣接してガス拡散層103a、103cをそれぞれ備えた単位電池20を有する燃料電池スタック1と、燃料電池スタック1の燃料極102a側がプラス及び酸化剤極102c側がプラスとなるように接続された直流電源と、燃料電池スタック1と直流電源の接続を選択的に切り替えるスイッチ3とを備える。システムの停止時に、燃料電池スタック1に電圧を印加して、酸化剤極102cに発生した金属イオンを還元する。これにより、酸化剤極102c近傍の電解質中に溶解した金属触媒(白金イオンなど)の還元を促進でき、溶解により発電に使用できなくなる金属触媒量を低減させることができる。その結果、燃料電池スタック1の耐久性を向上することができる。
燃料電池スタック1に二次電池2を接続した状態でシステムの停止制御を終了し、再度システムを起動する際に、二次電池2の接続を切り離す。これにより、システム保管中に、金属触媒の還元を行うことができる。
また、印加する電圧を、燃料極102aが酸化腐食しない範囲に設定する。これにより、触媒金属の担体であるカーボン等の酸化腐食反応により、触媒金属の反応面積が低減するのを抑制することができ、燃料電池スタック1の耐久性を維持することができる。
また、印加する電圧を、前記単位電池あたりの平均電圧に換算して0.7V以下とする。単位電池10当たりの平均電圧が0.7Vを超えた場合、電圧を印加された側の電極(この場合は燃料極102a)において、カーボン腐食など電極の酸化腐食が発生する。よって、印加電圧を0.7V以下とすることにより、電極の酸化腐食を抑制することができる。
燃料電池スタック1の温度が発電時の作動温度近傍である状態で、電圧を印加する。これにより、電解質中に溶解した金属触媒のイオンが移動し易くなり、また、還元反応も早くなる。
次に、第2の実施形態について説明する。燃料電池システムの構成を第1の実施形態と同様とする。以下、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
図5を参照して、燃料電池システムの停止時の制御方法を説明する。
第1の実施形態のステップS1、S2と同様に、発電が終了したと判断された直後にスイッチ3をONとして、燃料電池スタック1に電圧を印加する(S11、S12)。
スイッチ3をONとしたら、制御ユニット4でカウントを開始する。電圧の印加開始からの経過時間と予め設定した所定時間とを比較して、所定時間が経過したか否かを判断する(S13)。電圧の印加開始から所定時間が経過したら、スイッチ3をOFFとして接続を解除する(S14)。ここで、所定時間を、燃料電池スタック1に十分な電荷を蓄電するのに必要な時間とし、予め設定しておく。このスイッチ3の接続解除の完了を必要条件として、燃料電池システムの停止を完了する(S15)。
燃料電池システムが停止状態で保管されている間は、二次電池2から燃料電池スタック1へは電圧が印加されない。その後、燃料電池システムが起動される際には、スイッチ3をOFFとしたままの状態で起動が開始される。
燃料極102aと酸化剤極102cに直流電圧を印加した場合、印加電圧が0.7V以下であっても、燃料極102aと酸化剤極102cとの間に微小の電子短絡があると、単位電池10に流れる電流値は完全にゼロにならない。通常、微小の電子短絡が存在することが多く、システム保管中に電圧の印加を続けることにより、二次電池2の電力を消費してしまうという問題が生じる。これに対して、電圧の印加を所定時間に限って、その後は二次電池2の接続を切り離すことで、二次電池2で消費されるエネルギ量を低減することができる。
次に、第3の実施形態について説明する。燃料電池システムの構成を図6に示す。以下、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
燃料電池スタック11を、単位電池10を60セル積層することにより構成する。また、第1の実施形態と同様に、二次電池12の最大電圧は40Vとする。なお、単位電池10の積層数と、二次電池12の最大電圧の関係は、二次電池12より印加される電圧が燃料電池スタック11の単位電池10当たりの平均電圧に換算して0.7V以下であれば、積層数、最大電圧等の仕様は任意でよい。
また、電圧の印加を切り替えるスイッチ13と燃料電池スタック11の燃料極側端部11aの間に、シャント抵抗15を設ける。シャント抵抗15における両端部の電位差Vsを制御ユニット14に読み込み可能に構成する。なお、ここでは、制御ユニット14においてシャント抵抗15の電圧を検出しているが、シャント抵抗15の電圧差Vsを検出する電圧センサを備え、制御ユニット14がその出力を読み込むように構成してもよい。または、電流センサを備え、制御ユニット14がその出力を読み込むように構成してもよい。
次に、図7のフローチャートを参照して、燃料電池システムの停止時の制御方法を説明する。
第1の実施形態のステップS1、S2と同様に、発電が終了したと判断された直後にスイッチ13をONとして、燃料電池スタック1に電圧を印加する(S21、S22)。このような状態で、シャント抵抗15の電圧差Vsから燃料電池スタック1に流れる電流が所定値I0以下となったか否かを判断する(S23)。シャント抵抗15の電圧差Vsから求められる燃料電池スタック1に流れる電流が所定値I0以下となるまで電圧の印加を継続する。制御ユニット4で電流値が所定値I0以下と判断されたら、スイッチ13をOFFとして接続を解除し(S24)、燃料電池システムの停止を完了させる(S25)。
システム保管中には、二次電池12から燃料電池スタック11に電圧が印加されない状態が維持される。その後、システム起動時には、スイッチ13がOFFの状態で起動が開始される。
次に、ステップS23で電圧印加の終了を判断する際の判断値となる電流の所定値I0について説明する。
図8に単位電池10に1.5Vの電位を印加した時点からの、単位電池10に流れる電流値(電流密度)の時間変化を示す。実験により、印加直後、一時的には多くの電流が流れるが、その後急激に低下して安定することが示された。印加直後の電流の急上昇は、電気二重層へのチャージが支配的であり、後半の安定した電流値は燃料極102aの腐食反応および水の電気分解で発生する電流である。つまり、二次電池12から燃料電池スタック11に流れる電流は、接続した直後が最大となり、その後低下する。これは燃料電池スタック11がコンデンサとして機能し蓄電され、所定の電荷量が蓄電されたら流れる電流が低減するためである。
そこで、この後半の安定した電流値を予め実験等により求めておき、これを所定値I0として記憶しておく。なお、図8では1.5Vの電圧を印加した際に得られる値を用いているがこの限りではなく、0.7Vよりも大きい電圧を印加した際に得られる範囲で設定すればよい。また、所定値I0は、単位電池10内に短絡が生じるなどの劣化により変化するので、燃料電池スタック11の製造時に得られる値よりも僅かに大きく設定してもよい。さらに、所定値I0は、二次電池12から印加される電圧値に応じて変化させてもよい。
電圧印加開始後、検出または推定された電流値が所定値I0以下となるまで電圧の印加を継続し、電流値が所定値I0以下となったらスイッチ13をOFFとする。つまり、電圧を印加する時間を、二次電池12から燃料電池スタック11に流れる電流値が所定値I0以下となるまでの時間とする。これにより、燃料電池スタック11への蓄電量を略最大とし、効率的な電圧印加の切り離し判断が可能となる。
また、温度に応じて流れる電流値が変化するので、燃料電池スタック11の温度を検出するセンサを備え、温度に応じて電圧の印加終了を判断する電流の所定値I0を変化させてもよい。さらに、電圧を印加する最大時間を設定しておき、電圧印加開始後最大時間が経過したら電圧の印加を停止するように制御してもよい。このように、電圧の印加を行う時間を制限することで、燃料電池スタック11内に短絡が生じる等により電流が所定値I0まで低下しない場合にも、電圧の印加が継続されるのを防ぐことができる。
次に、第4の実施形態について説明する。燃料電池システムの構成を図9に示す。以下、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
制御ユニット24を、燃料電池スタック21のスタック電圧Vstackを検出可能に構成する。なお、燃料電池スタック21の電圧を検出可能な電圧センサを備え、その出力を制御ユニット24に読み込むように構成してもよい。
このような燃料電池システムの停止時の制御方法を、図10を用いて説明する。
運転時には、様々な電流値を燃料電池21から取り出すこととなり、それに応じて燃料電池スタック21の電圧Vstackも変化する。特に、自動車等の移動体の動力源として燃料電池システムを用いる場合には、燃料電池スタック21の電圧Vstackの変動は頻繁に繰り返される。そこで、本実施形態では、運転時の燃料電池スタック21の電圧Vstackから、酸化剤極102cの金属触媒の溶解状態を推定し、これに応じて電圧の印加時間を調整する。
燃料電池システムの発電が終了したか否かを判断し(S31)、所定の運用を終えて燃料電池システムの発電が終了したと判断されたら、運転履歴の調査シーケンスを実行する。まず、今回の運転中に燃料電池スタック21の電圧Vstackから算出した単位電池10当たりの平均電圧が0.7Vより高い状態で運転されていた運転履歴を調べる(S32)。ここで、運転履歴とは、電位と時間の履歴とする。つまり、どの程度の電圧で、それぞれどのくらいの時間運転していたかを算出する。例えば、単位電池10当たりの電圧が0.7〜0.75Vの間であった積算運転時間は30分、0.75〜0.8Vでは20分、0.8〜0.85Vが40分、0.85〜0.9Vが60分、0.9〜0.95Vが5分、0.95〜1.0Vが0分というように算出する。
続いて同様に、今回の運転中に、燃料電池スタック21の電圧Vstackから算出した単位電池10あたりの平均電圧が0.7V以下で運転されていた運転履歴を調べる(S33)。次に、金属触媒の溶解に関する解析により求めた関数により、電解質中にどの程度の金属イオンが溶解しているかを算出し、燃料電池スタック21への電圧印加時間を設定する(S34)。ここで、電圧印加時間は、溶解した白金イオン量と基準となる0.7V時の白金イオン量との差を補う分だけの電荷(電子、e-)を加えるのに要する時間とする。
ここで、電解質中に溶け出した金属イオン量を推定する上記関数の代表例を図11に示す。運転中の電圧値Vstackが大きい場合、つまり、運転中の各単位電池10の電圧が大きい場合には、多くの触媒金属が溶解しているため、電圧印加時間を長く設定する。一方、運転中の各単位電池10の電圧が小さい場合には、電圧印加時間を比較的短く設定する。
また、白金イオン濃度が、基準値である0.7V時の白金イオン濃度以上か否かを判断する(S35)。基準値より小さい場合には、金属触媒の溶解はほぼ無視できるとして電圧の印加を行はない。単位電池20に換算した電圧値が0.7Vより高い運転履歴の方が支配的であれば、基準となる電位における白金イオン濃度よりも高くなっており、電圧印加が必要であると判断する。とりわけ、自動車での運転は、大半が基準値以上となる。
基準値以上である場合、スイッチ23をONとして接続状態とする(S36)。次に、電圧の印加を開始してからの経過時間が、ステップS34で設定した電圧印加時間に達したか否かを判断する(S37)。電圧印加時間が経過するまでこの状態を維持し、電圧印加時間が経過したら、スイッチ23をOFFとして接続を解除する(S38)。この接続の解除を完了したことを必要条件として、燃料電池システムの停止を完了させる(S39)。一方、溶解した金属触媒が基準値以下の場合には、電圧は印加せず燃料電池システムの停止を完了させる。
システムを停止した後に保管されている間は、燃料電池スタック21には二次電池22から電圧が印加されない状態が維持される。また、燃料電池システムが起動された際にもスイッチ23がOFFの状態で、起動が開始される。
なお、図11では、白金に関して一定の温度条件下(70℃)における関数を示したが、関数は温度や金属触媒の種類、電解質膜や電解質層の電解質特性等によって代わるので、それぞれに応じて関数を決定すればよく、図11に示す関数に限定されるものではない。
このように、電圧印加時間を、燃料電池システム発電の際に、単位電池10あたりの平均電圧が所定値より高い状態で運転されていた運転履歴に基づく関数により決定する。所定値(例えば0.7V)より高いセル電圧で運転すると、金属触媒の電解質中への溶解反応が発生する。従って、上記高電位運転の運転履歴に基づき電圧印加時間を決めることにより、必要かつ十分な印加時間を判定することができる。その結果、実運転履歴から決定された必要最小限の電圧印加時間を効果的に判断することができる。
なお、本発明は、上記発明を実施するための最良の形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に記載の技術思想の範囲内で、様々な変更を為し得ることはいうまでもない。
本発明は、電極に金属触媒を有する燃料電池を備えた燃料電池システムに適用することができる。特に、自動車の動力源として車載する燃料電池システムに適用することで、適切な効果を得ることができる。
1、11、21 燃料電池スタック(燃料電池)
2、12、22 二次電源(直流電源)
3、13、23 スイッチ(切替手段)
10 単位電池
101 電解質膜
102a 燃料極
102c 酸化剤極
103 ガス拡散層
2、12、22 二次電源(直流電源)
3、13、23 スイッチ(切替手段)
10 単位電池
101 電解質膜
102a 燃料極
102c 酸化剤極
103 ガス拡散層
Claims (8)
- 電解質膜の両側に、触媒金属を有する燃料極及び酸化剤極を備え、
前記燃料極及び酸化剤極に隣接してガス拡散層をそれぞれ備えた単位電池を有する燃料電池と、
前記燃料電池の燃料極側がプラス及び酸化剤極側がマイナスとなるように接続された直流電源と、
前記燃料電池と前記直流電源の接続を選択的に切り替える切替手段と、を備え、
システムの停止時に、前記切替手段の切り替えにより前記燃料電池に電圧を印加して、前記酸化剤極に発生した金属イオンを還元することを特徴とする燃料電池システム。 - 前記印加する電圧を、前記燃料極が酸化腐食しない範囲に設定する請求項1に記載の燃料電池システム。
- 前記印加する電圧を、前記単位電池あたりの平均電圧に換算して0.7V以下とする請求項2に記載の燃料電池システム。
- 前記燃料電池の温度が発電時の作動温度近傍である状態で、前記電圧を印加する請求項1から3のいずれか一つに記載の燃料電池システム。
- 前記燃料電池に前記直流運電源を接続した状態でシステムの停止制御を終了し、再度システムを起動する際に、前記直流電源の接続を切り離す請求項1から4のいずれか一つに記載の燃料電池システム。
- システムの停止制御時に、前記電圧の印加を所定時間行い、その後、前記直流電源の接続を切り離す請求項1から4のいずれか一つに記載の燃料電池システム。
- 前記所定時間は、直流電源から前記燃料電池に流れる電流値が所定値以下となるまでの時間とする請求項6に記載の燃料電池システム。
- 前記所定時間は、燃料電池システム発電の際に、前記単位電池あたりの平均電圧が所定値より高い状態で運転されていた運転履歴に基づく関数により決定される請求項6に記載の燃料電池システム。
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WO2019035170A1 (ja) * | 2017-08-14 | 2019-02-21 | 日産自動車株式会社 | 燃料電池車両 |
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