JP2006072791A - モデル予測制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 どのような制御量に対しても、予測精度を確保しつつ処理時間を短縮できるモデル予測制御装置を提供する。
【解決手段】 制御対象のモデルを用いて予測し、これを評価して最適制御を行なうモデル予測制御装置において、異なるサンプリング周期をもつ制御対象モデルを備え、サンプリング周期の切替えに対応して制御対象モデルを切替えるようにして、演算処理時間の短縮と予測精度の確保を両立させる。また、制御対象モデルの切替えは、制御対象モデルの離散化式のみを切替えても、離散化のための入力時定数を切替えてもよい。評価値は、長サンプリング周期で得られた出力を短サンプリング周期の出力に変換して算出することができる。または異なるサンプリング周期に対応して評価式の重み付けを異ならせて算出することもできる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、制御対象の動的モデルを用いて未来を予測し、最適操作量を得るモデル予測制御装置に関する。
モデル予測制御装置は、実際の制御対象のモデルを用いて未来を予測して制御することから、特に変化のゆるやかな制御対象に対しては精度の高い制御が可能であって、また多数の操作量を有するシステムであっても有効に制御できることから、各種のプラント制御等に応用されている。
図9は、モデル予測制御装置1により制御対象2を制御する、従来のモデル予測制御の概略を示す図である。例えば制御対象の温度を制御する場合であれば、制御出力すなわち制御量は温度であり、制御入力すなわち操作量は冷却水のバルブ開度、モータ回転数等であり、モデル予測制御装置1は、制御対象2から現在の制御量を得て、未来を予測して最適制御入力を決定して制御対象2へ入力することになる。
モデル予測制御装置1の動作を具体的に説明すると、まず制御対象2からセンサ等により得られた現在の制御量が前回制御対象に与えられた操作量とともに未来予測部5に入力する。未来予測部5では、前回の操作量を最適操作量の候補として、未来の予測区間の終了までに目標温度に達するように制御対象モデル記憶部6に記憶された制御対象モデルを用いて演算予測し、演算結果をモデル出力データベース8に格納してゆく。予測が終了するとモデル出力データベースを参照して、所定の評価式により評価値を算出し、最適制御選択部53に送る。最適制御選択部53では、最適制御が可能か否かを判断する。最適操作量に達していないと、再度未来予測部5に戻り、次いで最適操作量に近づくように値をわずかに移動させて評価することを繰り返す。繰り返し演算の結果値が収束すると、これを最適制御入力として制御対象に入力する。なお、記憶部あるいは記憶データベースとして、制御対象モデル記憶部6とモデル出力データベース8とを示したが、その他過去の操作量や制御量等の予測演算に必要なデータは図示しない記憶データベースに記憶されているのはいうまでもない。
モデル予測制御では、以上のような予測演算を繰り返す必要があることから、演算処理の負荷が大きくなる。また、一般にモデル予測制御を精度よく最適化するには線形モデルに置換せずに、非線形のまま最適化するのが望ましく、短いサンプリング周期で離散化された制御対象モデルを用いることが必要になる。したがって、モデルに基づく繰り返し演算処理の回数は膨大なものとなってしまう。
このように、モデル予測制御の分野では、予測精度を確保しつつ、処理時間を短縮することが課題となっている。このような課題を解決するために従来提案されているものとしては、制御量を変化の速いものと緩慢なものに分け、後者については予測時刻の間引きを行なって評価関数に組み入れることにより、最適化計算の負荷を低減する技術がある(特許文献1参照)。
特開平10−3302号公報
従来の提案によると、複数の制御量の挙動の差を考慮して異なるサンプリング周期を設定するのみで、同一制御量に対しては一定間隔でサンプリングを行っている。しかしながら、変化の緩慢な制御量のみならず、変化の急速な制御量であっても、処理時間を短縮できるのが望ましい。さらに処理時間の短縮とともに予測精度を確保することも必要である。本発明の課題は、どのような制御量に対しても、予測精度を確保しつつ処理時間を短縮できるモデル予測制御装置を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明は、制御対象モデルを用い制御対象の未来の制御量を演算し、所定の評価式により評価値を算出して最適制御入力を得るモデル予測制御装置であって、異なるサンプリング周期に対応する制御対象モデルを備え、前記制御量を演算する区間のうち所定の区間でサンプリング周期を切替えるとともに、切替えられたサンプリング周期に対応する制御対象モデルを用いて演算を行なうことを特徴とするモデル予測制御装置を提供する。
前記異なるサンプリング周期に対応する制御対象モデルとして、異なるサンプリング周期を有する複数の制御対象モデルを使用することができ、前記サンプリング周期の切替えに伴い、切替えたサンプリング周期に対応する制御対象モデルを選択して用いることができる。
また、前記制御対象モデルとして、異なるサンプリング周期をもつ複数の離散化式を備える制御対象モデルを使用することができ、前記サンプリング周期の切替えに伴い、切替えたサンプリング周期に対応する離散化式を用いることができる。
さらに、前記制御対象モデルとして、時定数入力に応じて異なるサンプリング周期で離散化する離散化式を有する制御対象モデルを使用することができ、前記サンプリング周期の切替えに伴い、切替えたサンプリング周期に対応する時定数を前記時定数入力として用いることができる。この場合、さらに時定数推定部を備え、前記時定数入力を有する制御対象モデルを用いて前記時定数を最適化することもできる。
本発明のモデル予測制御装置は、さらに複数の内部状態データベースを有する内部状態推定部を備え、前記サンプリング周期の切替えに伴い、前記内部状態データベースを前記サンプリング周期に対応する内部状態データベースに切替えて、前記制御対象の内部状態を推定して前記制御対象モデルを補正するようにできる。
本発明のモデル予測制御装置による評価値は、異なるサンプリング周期のうち長サンプリング周期で演算された区間の出力を短サンプリング周期の出力に変換して算出するようにできる。
本発明のモデル予測制御装置による評価値は、異なるサンプリング周期を有する区間に応じて評価式の重み付けを変更して算出することもできる。
本発明のモデル予測制御装置においては、前記所定の区間を予測区間とし、予測区間のサンプリング周期を制御区間より長くすることもできる。また、前記所定の区間は制御量に関連する値、例えば制御量自体または制御量と目標量との偏差に対応して決定されることもできる。
本発明は、上記のように構成したから、モデル予測制御装置の予測演算のサンプリング周期を切替えて演算することができ、演算時間の短縮と予測精度の確保を両立させることができる。
異なるサンプリング周期に対応する複数の制御対象モデルを備えるものにあっては、複雑な制御対象に対しても、モデルを使用する演算を高精度で行なうことができる。
複数の離散化式を備える制御対象モデルを備えるものにあっては、サンプリング周期を切替えて行なう演算を簡単な構成で行なうことができる。
時定数入力に応じて異なるサンプリング周期で離散化する離散化式を有する制御対象モデルを備えるものにあっては、サンプリング周期を切替えて行なう演算を簡単な構成で行なうことができるとともに、時定数を最適化するためのモデルとしても使用可能である。
また、評価値の算出は、長サンプリング周期で演算された区間の出力を短サンプリング周期の出力に変換して算出可能であり、また、異なるサンプリング周期を有する区間に応じて評価式の重み付けを変更して算出可能であるので、サンプリング周期を切替えても評価値の算出が容易である。
さらに、前記所定の区間を予測区間とし、予測区間のサンプリング周期を制御区間より長くすると、演算速度の短縮と制御精度の確保の両立に好適となる。
本発明の実施の形態を説明する前に、本発明の着眼点を従来との比較で説明する。
図1の(a)は、実際の制御対象の制御量を説明するグラフで、図1の(b)は、(a)に対応するモデルの挙動を示す。
図1の(b)に示すように、最適制御入力すなわち最適操作量の候補を与える制御量の予測演算の区間は、制御区間と予測区間に分けられる。制御区間は、演算周期すなわちサンプリング周期ごとにモデルへの入力値(操作量)を変更しながら予測演算を行なう区間で、予測区間は、サンプリング周期ごとの入力値を変更することなく予測演算を行なう区間である。この予測区間が終了した時点で得られた最適操作量の候補に対して評価値を算出し、これを最適制御選択部で評価して最適操作量を決定することになる。
図1の(b)では、サンプリング点1〜4を含む区間は制御区間であり、サンプリング点5〜10を含む区間は予測区間である。この例では、制御対象またはモデルに操作量を与える点1〜4では制御量の変動が大きく、サンプリング点4で目標値に到達するといえ、点2では目標値を大きくオーバシュートしている。これに対して、点4以降の入力を変化させない予測区間では制御量はほとんど変化していない。
本発明者はこの点に着目し、制御量の変動が大きい制御区間では短周期でサンプリングする必要があるが、制御量の変動が少なくなる予測区間では、長周期でサンプリングすればよいことを見出した。
この例では、従来では点1〜点10までの各点で予測演算を実行していたが、本発明によると、予測区間の点5〜10は、例えば1つおきの点5、点7、点9の演算あるいは点7、点10での演算で済ませることができる。したがって、処理時間が短縮することはもちろん、精度の高い予測が必要な制御区間では、従来どおりのサンプリング周期で演算をしているので、予測精度は従来と同様の水準を維持できる。なお、サンプリング周期を変更しても予測演算を可能にする工夫は、以下の実施形態で詳細に説明する。
このようにサンプリング時間を異ならせる区間は、制御区間と予測区間に限られるわけではない。制御対象から出力される制御量に応じて、あるいは目標量と制御量の差に応じて、サンプリング時間を異ならせることもできる。また、あらかじめ制御量の出力予測パターンがわかっている場合は、そのパターンに対応してサンプリング周期を変更するようにもできる。例えば、変化の激しい区間では短周期とし、変化のおだやかな区間では長周期とするようにもできる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(実施形態1)
図2に、本発明の実施形態1の概略を示す。図2では、図9の従来のモデル予測制御装置と同等の構成要素には同一の番号を付した。実施形態1のモデル予測制御装置は、演算精度の向上のために、内部状態データベース4を伴う内部状態推定部3を備えている。内部状態推定部3は、入力された現在の制御量と、内部状態データベース4からの過去の情報とに基づいて、制御対象2の内部状態を推定するもので、未来予測部5は、内部状態推定部3からの情報に基づいて制御対象モデル記憶部6の制御対象モデルを補正し、補正された制御対象モデルを用いて予測を行なう。実施形態1の装置構成のさらなる特徴は、予測のための短周期サンプリングと長周期サンプリングを可能にするために、内部状態データベース4に短周期内部状態データベース41と長周期内部状態データベース43を備え、また制御対象モデル記憶部6に短サンプリング周期で離散化した短サンプリングモデルと長サンプリング周期で離散化した長サンプリングモデルとを備えるようにしたことである。さらに、各モデルによる予測結果であるモデル出力は、短周期モデル出力データベース81と長周期データベース83とに格納される。なお、特に記憶部あるいは記憶データベースとして図示しないが、その他の予測演算に必要なデータは装置内に記憶されているのはいうまでもない。
従来のモデル予測制御装置のサンプリング周期を単に変更可能にしただけでは、短サンプリング区間と長サンプリング区間に分ける適切な制御は実行できない。アナログ制御では、入力と出力の対応を決定する伝達関数は、周期を変更しても同一の式を使用できるが、デジタル制御では、周期を変えるとまったく別の式となり、したがって制御対象モデルも短周期と長周期とで別個のものを使用する必要がある。
図3に、本実施形態のモデル予測制御装置の動作のフローを示す。このフローは、制御区間と予測区間でサンプリング周期を切替えるものである。
実際の制御対象から得られた制御量(例えば温度)あるいは予測結果として得られた制御量を、モデル予測制御装置に入力することによりフローが開始する。ステップS1では、制御入力(操作量)を変化する制御区間が終了したか否か、すなわち予測区間に入ったか否かを判断する。まだ制御区間内であるとすれば、ステップS2に進み、短周期用内部状態DBを用いて内部状態の推定を行い、ステップS3に進む。
ステップS3では、推定された短周期用の内部状態に基づいて、短サンプリング周期で離散化された短周期モデルを用いて未来予測演算を行なって、ステップS4に進む。ステップS4では、演算結果を短周期モデル出力値データベースに格納して、スタートに戻り予測演算を再度実行する。このようにして、ステップS1〜S4を所定回数繰り返す。ステップS1で制御区間終了と判定されると、ステップS5に進み、今まで使用した短周期用内部状態データベースを変換して新たに長周期用データベースを生成する。この長周期用データベースの生成は初回のみで、一旦データベースが生成されるとそれを修正しながら使用することになる。
次いで、ステップS6では、生成された長周期用データベースを用いて制御対象の内部状態を推定し、ステップS7では、長サンプリング周期で離散化された制御対象モデルで未来予測演算を実行する。そして、ステップS8で、結果を長周期モデル用出力データベースに格納した後、ステップS9で、予測区間が終了したか否かを判定する。予測区間が終了していなければ、スタートに戻り再度予測演算が実行される。ステップS5〜S8の演算を繰り返した後、ステップS9で、予測区間が終了したと判断されると、ステップS10に進み、短周期および長周期モデル出力データベースの値を参照して、所定の評価式により評価値を算出する。
ステップS10までが、図2に示したモデル予測制御装置1の内部状態推定部3と未来予測部5の動作に対応する。ステップS11は、最適制御選択部7による判定ステップで、送られた評価値が、最適制御を与える操作量となるか否かを判定する。まだ最適制御に達していないと判断されると、またスタートから新たな操作量(前回得られた最適操作量候補を少し増減させた値)を入力して、制御区間と予測区間とを有する区間で演算処理を行なう。この処理を繰り返し実行した後、評価値が最小値、場合によっては最大値に収束すると、これを与える操作量を最適操作量として実際の制御対象に与えて制御を実行する。
このように、サンプリング周期を切替えるとともに、別個のモデルを用いて予測演算を行なうようにしたので、処理時間の短縮と高精度制御を両立させる最適制御が可能となった。
(実施形態2)
実施形態1では、制御区間と予測区間に対応するモデルを独立に備えて、演算区間に応じてサンプリング周期を切替えるともに、使用するモデルを切替えて予測演算を行なう実施形態を説明したが、実施形態2では、サンプリング周期の切替えに応じて、使用するモデルの離散化式のみを切替えるようにする。
図4に、実施形態2の離散化式を切替える例を示す。
本例では、予測演算は、どの区間においても単一の制御モデルを用いた演算式51により演算される。その後短周期でサンプリングされた制御区間の演算結果は、短周期用離散化式52を通り、長周期でサンプリングされた予測区間の演算結果は、長周期用離散化式53を通る。離散化式は、演算式の演算結果である急峻なステップ出力に一次なましを行なって実際の制御対象の挙動に近似させた後サンプリングを行なうものである。短周期用離散化式は、一次なまし後の信号に対して所定の短周期でサンプリングを行い、長周期用離散化式は、一次なまし後の信号に対して所定の長周期でサンプリングを行う。
各離散化式52または53から出力された演算結果は、サンプリング周期の切替えに対応した出力となる。これらは、それぞれ短周期用モデル出力データベースまたは長周期用モデル出力データベースに格納される。
(実施形態3)
実施形態3は、離散化式も共通にして、演算式の結果に一次なまし処理を行なう際の時定数を変化させることによって、短周期サンプリングと長周期サンプリングの結果を得るものである。一次なまし処理とは、ステップ状の急峻な出力変化を実際の制御対象の出力に合致させるように軟化させる処理であり、なまし時定数によってなましの程度が決まる。本例は、なまし時定数を入力とする単一の制御対象モデルを用いるものであるが、時定数入力を切替えることにより実質的に制御対象モデルを切替えるものである。
図5は、実施形態3の入力時定数を区間に応じて切替える例を示す。
なまし時定数を入力とする制御対象モデルを用いて演算式51による演算された結果は、離散化式53により離散化される。本例では、離散化式53による離散化に際して、制御区間と予測区間とでその時定数を切替えるものである。制御区間は短周期でサンプリングされているので、これに対応する小さな時定数を用いてなまし処理が行われる。予測区間では、長周期でサンプリングされているので、これに対応する大きな時定数を用いてなまし処理が行われる。デジタル信号に対して一次なまし処理の時定数を変更することは、実際には離散化式の係数を変更することに対応する。離散化式53は、制御区間と予測区間で、離散化式の係数を切替えて所望の周期に対応する結果を出力するこが可能となる。
実施形態2、3は、制御対象のモデルが複雑なもの例えば複数の離散化式を組み合わせて出力を得るようなものには向いていない。しかしながら、例えば1つの離散化式を通すことによって出力が得られるような簡単な制御対象に対しては、簡単な構成で実施形態1と同様の作用効果を得ることができる。
実施形態3の時定数入力を有する制御対象モデルを有する場合では、制御対象の入出力履歴より時定数を最適化することができる。また、このモデルは状態推定用モデルと兼用することができ、単一モデルであっても短周期区間と長周期区間とで実際の制御対象とモデルとの差を最適化できるモデルとすることができる。
実施形態3のモデル予測制御装置の一例を図6に示す。実施形態1と同様の部分には、同一の符号を付してある。このモデル予測制御装置の特徴は、なまし時定数推定部9とその出力を格納する時定数データベース91を備えていることである。
モデル予測制御装置が実際の制御対象からの出力(ここではセンサにより検出した温度)を受けて動作を始めると、なまし時定数推定部9により、内部状態データベースに格納されている入出力履歴を参照して、なまし時定数を推定してこの推定値を時定数データベース91に格納する。その後、内部状態推定部3に渡し、内部状態の推定を行い、次いで未来予測部5および最適制御選択部7による通常のモデル予測制御を実行することになる。ここで推定された時定数は、内部状態データベース4に格納されているモデルおよび制御対象モデル記憶部6のモデルを最適化するためにも使用される。このようにすると、時定数は先に説明したように周期の変化に対応しているので、短周期サンプリングと長周期サンプリングを制御区間と予測区間で切替えた場合にも適切な予測出力を得ることができる。
(実施形態4)
実施形態4は、評価値の算出手段に関するものである。この評価値の算出手段は、実施形態1〜3のいずれに対しても適用できるが、ここでは、図2および図3に示した実施形態1に適用した例を説明する。図7に、評価値算出フローを示す。図7の評価値算出フローは、図3の全体フローのステップS10に対応するものである。
まず、ステップS101で、長周期モデル用出力データベース81に格納されたデータが読み出され、補間処理され短周期の出力データに変換される。すなわち長周期サンプリング区間のデータから当該区間を短サンプリングして得られるデータが補間により生成され、短周期モデル出力が作成される。
ステップS102では、短周期に変換されたデータは短周期モデル用出力データベース83に入力され、実際に短周期でサンプリングされたデータと組合わされて、演算区間算全体の短周期モデル出力を得る。
次いで、ステップS103では、短周期用データベースから演算区間算全体の短周期モデル出力を得て、短サンプリング時間ごとの偏差(出力−目標値)の絶対値|出力−目標値|を積算して評価値を得る。
なお、ここでは、長周期出力を短周期出力に変換して短周期用モデル出力データベースに格納してから、その値を使用して評価値を算出したが、短周期用モデル出力データベースに格納すると同時に、評価式にその値を代入して評価値を算出するようにもできる。
(実施形態5)
実施形態5は、評価値の算出に際して、長周期モデル出力を短周期モデル出力に変換することなく、長周期モデル出力と短周期モデル出力との間で重みの差をつけて評価するものである。本例の評価値の算出手段は、実施形態4と同様、実施形態1〜3のいずれに対しても適用できる。図8に、本例の評価のフローを示す。これは、実施形態1に適用すると、図7のフローと同様、図3のステップS10に対応し、ステップS10に代えて用いることができる。
ステップS110では、短周期モデル出力の重み係数を1として、長周期モデル出力に対する重み係数を長周期/短周期とする。次いで、ステップS111で、短周期モデル出力データベース81(図2)の出力から、|出力−目標値|を短周期サンプリングを行なった制御区間で積算する。また、ステップS112では、長期モデル出力データベース83(図2)の出力について、長周期サンプリングを行なった予測区間で|出力−目標値|×長周期/短周期を計算し積算する。ステップS113で、これらを合算して評価値を得る。なお、説明のためにステップを分けて記載したが、評価式の計算は1ステップで実行できることはいうもでもない。
実施形態4および5によると、サンプリング周期を切替えるモデル予測制御装置においても、従来の短周期サンプリングのみの場合と同様の最適制御の評価を簡単な構成で実行することができる。
本発明による予測演算を説明する図である。 本発明による実施形態1のモデル予測制御装置を示す図である。 本発明による実施形態1のモデル予測制御装置の動作フローを示す図である。 本発明による実施形態2の動作を説明する図である。 本発明による実施形態3の動作を説明する図である。 本発明による実施形態3のモデル予測制御装置の一例を示す図である。 本発明による実施形態4の評価値算出フローを示す図である。 本発明による実施形態5の評価値算出フローを示す図である。 従来のモデル予測制御装置を示す図である。
符号の説明
1 モデル予測制御装置
2 制御対象
3 内部状態推定部
4 内部状態データベース
41 短周期内部状態データベース
43 長周期内部状態データベース
5 未来予測部
51 演算式
52 短周期用離散化式
53 長週器用離散化式
54 離散化式
6 制御対象モデル記憶装置
7 最適制御選択部
8 モデル出力データベース
81 短周期モデル出力データベース
83 長周期モデル出力データベース
9 なまし時定数推定部
91 時定数データベース

Claims (10)

  1. 制御対象モデルを用い制御対象の未来の制御量を演算し、所定の評価式により評価値を算出して最適制御入力を得るモデル予測制御装置であって、異なるサンプリング周期に対応する制御対象モデルを備え、前記制御量を演算する区間のうち所定の区間でサンプリング周期を切替えるとともに、切替えられたサンプリング周期に対応する制御対象モデルを用いて演算を行なうことを特徴とするモデル予測制御装置。
  2. 前記異なるサンプリング周期に対応する制御対象モデルは、異なるサンプリング周期を有する複数の制御対象モデルであり、前記サンプリング周期の切替えに伴い、切替えたサンプリング周期に対応する制御対象モデルを選択して用いることを特徴とする請求項1に記載のモデル予測制御装置。
  3. 前記異なるサンプリング周期に対応する制御対象モデルは、異なるサンプリング周期をもつ複数の離散化式を備える制御対象モデルであり、前記サンプリング周期の切替えに伴い、切替えたサンプリング周期に対応する離散化式を用いることを特徴とする請求項1に記載のモデル予測制御装置。
  4. 前記異なるサンプリング周期に対応可能な制御対象モデルは、時定数入力に応じて異なるサンプリング周期で離散化する離散化式を有する制御対象モデルであり、前記サンプリング周期の切替えに伴い、切替えたサンプリング周期に対応する時定数を前記時定数入力として用いることを特徴とする請求項1に記載のモデル予測制御装置。
  5. さらに時定数推定部を備え、前記時定数入力を有する制御対象モデルを用いて前記時定数を最適化することを特徴とする請求項4に記載のモデル予測制御装置。
  6. さらに複数の内部状態データベースを有する内部状態推定部を備え、前記サンプリング周期の切替えに伴い、前記内部状態データベースを前記サンプリング周期に対応する内部状態データベースに切替えて、前記制御対象の内部状態を推定して前記制御対象モデルを補正することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のモデル予測制御装置。
  7. 前記評価値は、前記異なるサンプリング周期のうち長サンプリング周期で演算された区間の出力を短サンプリング周期の出力に変換して算出することを特徴とする請求項1〜6に記載のモデル予測制御装置。
  8. 前記評価値は、前記異なるサンプリング周期を有する区間に応じて評価式の重み付けを変更して算出することを特徴とする請求項1〜6に記載のモデル予測制御装置。
  9. 前記所定の区間は予測区間であり、予測区間のサンプリング周期を制御区間より長くすることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のモデル予測制御装置。
  10. 前記所定の区間は制御量に関連する値に対応して決定されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のモデル予測制御装置。
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