JP2006071813A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 簡単な構成を用いることで低コストにより省エネルギー化および通紙部および非通紙部を含めた定着領域全域での安定した温度管理による異常画像の発生を防止できる構成を備えた定着装置を提供する。
【解決手段】 加熱ローラ3および定着ローラ10に掛け回されて加圧ローラ5により加圧されることで熱・圧力を用いた定着を行う定着ベルト2を備え、定着ベルト2には記録媒体の非通過部100Bに対応する位置に接離可能な単一ロッド部材からなる冷却部材100が設けられ、冷却部材100は、記録媒体の通過部100Aからの熱を奪うことなく非通過部100Bでの接触により非通過部での昇温を抑制する構成であることを特徴とする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、定着装置およびこれを用いる画像形成装置に関し、さらに詳しくは、記録媒体上に担持された未定着画像をベルトを用いて定着するため装置に関する。
複写機、ファクシミリ、プリンタ、印刷機等の画像形成装置には、紙などの記録媒体上に転写されて担持されている未定着画像を定着して複写物や印刷出力とすることがある。
定着に用いられる装置には、一対のローラを対峙させて配置し、一方のローラを加熱ローラとして用い、他方のローラを記録媒体の加圧ローラとして用いる熱ローラ加熱定着方式がある。この構成では、加熱ローラと加圧ローラとの間のニップ部に記録媒体を挟持させて搬送しながら加熱ローラからの熱により未定着画像を融着させて定着する。このようなローラ対を用いる定着方式では、比較的熱容量が大きい金属ローラを用いることから温度の立ち上がり時間などに影響する熱効率の改善策を採る場合がある。この対策の一つとして、交番磁界により磁性金属製部材に発生した渦電流によるジュール熱を生起させ、金属ローラなどの加熱対を電磁誘導発熱させる電磁誘導加熱方式が知られている(例えば、特許文献1)。
一方、熱効率の改善策の他の方法として、上述した構成とは別に、ローラとベルトとを組み合わせた構成がある(例えば、特許文献2)。
この構成では、加熱ローラに代えて、一対のローラに掛け回されたベルトを用い、上記ローラの一つには加圧ローラを対峙させてある。
一対のローラのうちで、加圧ローラと対峙する側のローラと協働してベルトを駆動するローラにはベルトの裏面側から加熱するための熱源が設けられ、加圧ローラにもベルトの表面を加熱するための熱源が設けられている。ベルトは、ローラに比べて体積が小さく、熱容量が小さいので短時間での温度上昇が可能であり、上述した加熱ローラおよび加圧ローラのみを用いた構成に比べて始動時での温度立ち上がりが早いという利点がある。しかも、加圧ローラでの熱源を加えることによりベルトの表裏両面での温度立ち上がりが早められ、熱効率の改善が図れる。
加熱体であるローラあるいはベルトを用いた定着装置においては、定着装置内を移動する転写紙などの通紙サイズに合わせて、特に最大サイズに対応できるようにローラの軸方向長さあるいはベルト幅を設定されているが、転写紙サイズが常に一定ということはなく、通紙幅が最大サイズ以下の場合もある。このため、転写紙が通過する通紙部は転写紙に対する熱転移によって温度が下がる一方、転写紙が通過しない非通紙部は、熱を奪われることがないことが原因して昇温傾向となり、目標温度を超えることがある。通常、通紙部での温度はトナーの融解による粘度低下をもたらす必要性から例えば130℃〜180℃に設定されているが、非通紙部ではこの温度以上に達することがある。このため、再度、定着装置に導入された転写紙サイズが非通紙部を含むサイズである場合には非通紙部に接触した画像が乱れたり、あるいはローラやベルトの耐久性を損ねたりする虞がある。
従来、このような非通紙部での異常な昇温を防止する構成として、熱伝導性の良い部材を通紙部及び非通紙部全域に接触させて温度を均衡化させる構成(例えば、特許文献3)、あるいは、非通紙部に対して複数の冷却部材を接離可能に設けた構成(例えば、特許文献4)、さらには非通紙部に対して進退可能かつ接離可能な冷却部材を設けた構成(例えば、特許文献5)が提案されている。
特開平8−22206号公報(段落「0090」欄) 特開2001−175116号公報(段落「0037」欄) 特開2003−345167号公報(段落「0056」欄) 特開2002−6656号公報(段落「0042」欄9 特開平11−119587号公報(段落「0030」欄)
しかし、非通紙部での異常な昇温を防止する構成においては、熱伝導性の良い部材を通紙部及び非通紙部全域にわたって接触させた場合には、通紙部において転写材に奪われた熱量によっては非通紙部での熱の移動により非通紙部での温度低下が過剰となり、次回の定着作業時で定着温度に矯正しなければならない場合がある。このため、次回での定着作業の温度立ち上がりまでの待機時間が必要となり、画像形成処理の遅延化を招く虞がある。
また、非通紙部に複数の冷却部材を接離可能にあるいは進退可能に設けた場合には、冷却部材の接触による温度低下が非通紙部に発生すると、通紙部での熱も奪われることになり、上述した場合と同様に、再度設定温度への矯正が必要となる虞がある。しかも、複数の冷却部材やこの接離機構あるいは進退機構を付属させる場合には、定着装置自体の構成も複雑化や大型化を招く虞もある。
このように、従来の技術において、特に非通紙部での過剰昇温を防止する構成では、非通紙部での温度低下が通紙部での温度低下を招く虞があり、これにより、再度加熱制御が必要となることが原因して省エネルギー化の悪化を招く虞がある。
本発明の目的は、上記従来の技術における問題に鑑み、簡単な構成を用いることで低コストにより省エネルギー化および通紙部および非通紙部を含めた定着領域全域での安定した温度管理による異常画像の発生を防止できる構成を備えた定着装置および画像形成装置を提供することにある。
請求項1記載の発明は、記録媒体上に形成された未定着画像を少なくとも2つ以上の定着部材により加熱・加圧することにより定着する装置であって、前記定着部材の任意の部分を温度検知する手段と、前記記録媒体の搬送方向と直交する方向で前記定着部材の任意位置を冷却する冷却部材とを備え、前記定着部材の任意位置に対して接離可能である定着装置において、前記冷却部材は、前記定着部材における前記記録媒体の通過部及び非通過部を含む全域に亘って延長されて前記定着部材に接触した際に連動することができ、前記延長方向において前記定着部材における記録媒体の通過部が非通過部での記録媒体に対する接触状態を低減されていることを特徴としている。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の定着装置において、前記冷却部材は、ロッド部材で構成され、該ロッド部材は前記定着部材における記録媒体の通過部が非通過部よりも小径に設定されていることを特徴としている。
請求項3記載の発明は、記録媒体上に形成された未定着画像を少なくとも2つ以上の定着部材により加熱・加圧することにより定着する装置であって、前記定着部材の任意の部分を温度検知する手段と、前記記録媒体の搬送方向と直交する方向で前記定着部材の任意位置を冷却する冷却部材とを備え、前記定着部材の任意位置に対して接離可能である定着装置において、前記冷却部材は、前記定着部材における前記記録媒体の通過部及び非通過部を含む全域に亘って延長されて前記定着部材と独立して回転可能に設けられ、前記定着部材における記録媒体の通過部と非通過部とで接触面積を変更可能であることを特徴としている。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の定着装置において、前記冷却部材は、前記記録媒体における搬送方向と直交する方向での幅に応じて回転量が制御されることにより記録媒体の非通過部での接触状態を変更して非通過部での温度を設定温度に維持することを特徴としている。
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のうちの一つに記載の定着装置において、前記記録媒体を搬送するために該記録媒体の搬送方向に移動可能な無端状の定着ベルトと、前記定着ベルトが掛け回されている加熱ローラ及び定着ローラと、前記定着ベルトを介して前記定着ローラに対向して配置されている加圧ローラとを備え、前記記録媒体の搬送部材として前記定着ベルト及び/または前記加圧ローラが用いられることを特徴としている。
請求項6記載の発明は、請求項1乃至5のうちの一つに記載の定着装置を画像形成装置に用いることを特徴としている。
請求項1及び2記載の発明によれば、記録媒体の通過部及び非通過部の全域に亘って延長されている冷却部材において、通過部が非通過部との接触状態を低減されており、特に請求項2記載の発明においては通過部が非通過部よりも小径とされて接触状態を低減されているので、通過部及び非通過部の全域に亘って接触した場合のような、非通過部のみで急激な温度低下が発生する際に温度勾配により通過部の温度が低下するようなことが防止できる。これにより、通過部及び非通過部全域に亘ってロッド部材などのような簡単な構成を用いるだけで、通過部における温度変化を来すことなく非通過部での昇温状態を解消することが可能となる。
請求項3および4記載の発明によれば、通過部と非通過部とで冷却部材の接触状態を変化させることができ、特に請求項4記載の発明においては、回転量制御のみで記録媒体の幅に対応して接触状態を変化させることができるので、記録媒体のサイズ変化に拘わらず、通過部での温度変化を来すことなく非通過部での昇温状態を解消することが可能となる。
請求項5記載の発明によれば、ベルト及び以下熱そして定着ローラを備えた構成を用いることによりベルトの低熱容量化が得られることで定着に必要な設定温度までの立ち上がり時間の短縮及び省エネルギー化が可能となる。
請求項6記載の発明によれば、記録媒体の通過部及び非通過部の全域に亘って延長された冷却部材という簡単な構成を用いることにより通過部での温度を乱すことなく非通過部での昇温状態を解消できるので、複雑な機構や装置の大型化を招くことなく非通過部での昇温を抑制して省エネルギー化及び低コスト化が可能な装置を得ることが可能となる。
以下、図示実施例により本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本発明実施例による定着装置を適用した画像形成装置の一つを示す図であり、同図に示す画像形成装置は、フルカラー画像を形成可能な複写機あるいはプリンタが用いられる。画像形成装置には、この他に、受信した画像信号に基づき上述した複写機およびプリンタと同様な画像形成処理が可能なファクシミリ装置がある。なお、画像形成装置には、上述したカラー画像を対象とするだけでなく、単一色の画像を対象とする装置も勿論含まれる。
図1に示す画像形成装置20は、色分解毎の画像を同一の中間転写体に順次転写し、紙などのシート状の記録媒体、つまり記録シートに対して中間転写体上に重畳された画像を一括転写する方式が用いられている。
図1において、画像形成装置20は、次に挙げる各装置を備えている。
原稿画像に応じた各色毎の画像を形成する作像装置21C、21Y、21M、21BKと、各作像装置21C、21Y、21M、21BKに対向して配置された転写装置22と、各作像装置21C、21Y、21M、21BKと転写装置22とが対向する転写領域に各種シート状媒体が用いられる記録媒体を供給するシート状媒体供給手段としての手差しトレイ23、給紙カセット24、24と、手差しトレイ23、給紙カセット24、24から搬送されてきたシート状媒体を作像装置21C、21Y、21M、21BKによる作像のタイミングに合わせて供給するレジストローラ30と、転写領域において転写後のシート状記録媒体の定着を行う定着装置1である。
画像形成装置20は、一般にコピー等に用いられる普通紙と、OHPシートや、カード、ハガキといった90K紙、坪量約100g/m相当以上の厚紙や、封筒等の、用紙よりも熱容量が大きないわゆる特殊シートとの何れをも記録シートとして用いることが可能である。
各作像装置21C、21Y、21M、21BKは、それぞれシアン、イエロー、マゼンタ、ブラックの各色の現像を行うものであり、用いるトナーの色が異なるが、その構成が同様であるから、作像装置21Cの構成を各作像像装置21C、21Y、21M、21BKの代表として説明する。
作像装置21Cは、静電潜像担持体としての感光体ドラム25C、感光体ドラム25Cの回転方向Aに沿って順に配置されている帯電装置27C、現像装置26C、クリーニング装置28Cを有し、帯電装置27Cと現像装置26Cとの間で露光光29Cを受ける周知の構成が用いられる。静電潜像担持体としては、ドラム状の他に、ベルト状とする場合もある。
図1に示す画像形成装置20は、転写装置22が斜めに延在させてあるので、水平方向での転写装置22の占有スペースを小さくすることができる。
図2に示すように、定着装置1はトナーを定着されるシート状記録媒体を搬送するためのシート搬送部材としての無端の定着ベルト2と定着ベルト2が掛け回されて加熱ローラ3および定着ローラ4と、定着ベルト2を介して定着ローラ4に対向して配置された加圧ローラ5と、加熱ローラ3および加圧ローラ5の内部にそれぞれ備えられた第1熱源および第2熱源に相当するヒータ6、7と、加熱ローラ3に対向し当接するように配置され加熱ローラ3の温度を検知する温度検知手段としてのサーミスタ8と、定着ベルト2を介して定着ローラ4に対向して配置されたクリーニングローラ31、離型剤塗布部材としての塗布ローラ32と、塗布ローラ32に離型剤を供給する離型剤供給手段(図示されず)と、ケーシング33と、ケーシング33に固設された入り口ガイド12、出口ガイド36、取っ手37と、加熱ローラ3、定着ローラ4、定着ベルト2を一体的に支持する支持体38と、ケーシング33に対し支持体38、加圧ローラ5を支持する支持体39等を有している。上述した定着ベルト2,加熱ローラ3,定着ローラ10及び加圧ローラ5は、定着部材として用いられる。
本実施例では、シート状記録媒体の加熱定着に用いられる構成として、上述した定着ベルト2と加圧ローラ5とでシート状記録媒体を挟持搬送しながら加熱加圧が可能な定着位置にニップ部を形成できる構成だけでなく、定着ベルト2に代えて芯金の表層に離型層を備えた定着ローラを用い、この定着ローラと加圧ローラとを組み合わせた構成や、加圧ローラに代えて加圧ベルトを用い、この加圧ベルトと定着ローラとを組み合わせた構成、さらには、定着ベルトと加圧ベルトとを組み合わせた構成などをニップ部を形成する対象とすることも可能である。
定着ベルト2に適当な所定の張力を与えるため、加熱ローラ3と定着ローラ4とは、バネなどの図示しない弾性体により、互いに離間する向きに付勢されている。定着ローラ4は芯金9と、この芯金9を被覆し定着ローラ表面をなす耐熱性の弾性体層10とを有し、芯金9が、その軸11により、図示しない駆動手段により回転駆動されることで、定着ローラ4が矢印C方向に回転駆動され、加熱ローラ3の矢印D方向への従動回転により定着ベルト2が矢印E方向に駆動され、またこれに従動することで、加圧ローラ5が矢印F方向に、塗布ローラ32がG方向に回転駆動される。
加圧ローラ5と定着ローラ4とは、支持体38と支持体39とがバネなどの図示しない弾性体により、互いに近接する向きに付勢されることにより、互いに圧接する向きに、10Kgf以上の圧接力で付勢される。加圧ローラ5は、定着ローラ4の軸心を頂点とし定着ローラ4の軸心と加熱ローラ3の軸心、定着ローラ4の軸心と加圧ローラ5の軸心をそれぞれ結ぶ2本の直線によって挟まれる角が鋭角をなすように定着ローラ4に当接されており、これにより、シート状記録媒体にトナーを定着する定着領域としての、加圧ローラ5が定着ローラ4に対向しない部位で定着ベルト2のみに当接する第一の定着部15と、加圧ローラ5が定着ベルト2を介して定着ローラ4に当接する第二の定着部16とが形成される。本実施例では、第一の定着部15が予熱位置とされ、第二の定着部16が定着位置とされている。
ケーシング33は転写装置22に対向する位置に設けられ転写装置22によって搬送されてくるシート状記録媒体を受け入れるための開口34と、第一の定着部15および第二の定着部16を挟んで開口34の反対側に設けられた定着済みのシート状記録媒体を排出する開口35とを有している。
入り口ガイド12は、その基部が開口34の下方においてケーシング33の外面に固着され、先端が開口34からケーシング33の内部に入り込み第一の定着部15に向かって伸びている。
定着ベルト2は、ニッケル製あるいはSUS製の厚さ50〜100μmの金属製基体上に200μmのシリコンゴム製の離型層が形成されたものであり、熱容量が小さく、熱応答性を良好にされている。
定着ベルト2の長さは、同ベルト2が周回されるときに径が60mmとなる長さとされている。基体は金属製に代えてポリイミド製でも良く、可撓性を考慮すると厚さは30〜150μm程度であればよい。離型層はシリコンゴムを用いる場合は厚さ50〜300μm程度が望ましく、フッ素系樹脂を用いる場合は厚さ10〜50μm程度が望ましい。また離型層はシリコンゴムの上にフッ素系樹脂系を重ねた構成でも良い。
定着ベルト2は瞬時に加熱され、かつ、ホットオフセットを生じない程度に、第二の定着部16でベルト表面が自己冷却される特性が望まれるが、他方では、第二の定着部16において、トナーを十分に溶かして定着されるのに必要な熱容量を有していなければならない。定着ベルト2の上記材質およびその厚さはこの条件を満たすものである。自己冷却とは、定着領域の、シート状記録媒体の未定着画像側に加熱源がないことにより、定着行程に置いてベルトが冷える現象を意味する。
定着ベルト2は、加熱ローラ3と定着ローラ4が互いに離間する向きに付勢されていることにより、3Kgf/片側の張力を与えられている。この張力は図示しない上記弾性体の付勢力を調整することにより設定でき、1Kgf(9.8N)〜3Kgf(29.4N)の範囲で設定することが良好な定着を行う上で好ましい。
加熱ローラ3と加圧ローラ5はそれぞれ薄肉円筒状の芯金からなり低熱容量化が図られている。加熱ローラ3の芯金径は20mm以上30mm以下、かつ同芯金の肉厚は0.3mm以上2.0mm以下であり、加圧ローラ5の芯金径は30mm以上50mm以下、かつ同芯金の肉厚は0.3mm以上1.5mm以下である。これにより加熱ローラ3の熱容量は26cal/℃以下、加圧ローラ5の熱容量は36cal/℃以下とされている。
本実施例において、加熱ローラ3の芯金は鉄製であり、径を30mm、肉厚を0.7mmとしている。材質は比熱が小さく、熱伝導率が大きいものが好ましく、他にもアルミニウム、銅、ステンレス等の金属を使用することができる。他にもアルミニウム製でローラ径が30mmの時は肉厚を0.6〜1.4mmの範囲、鉄製でローラ径が20mmの時は肉厚を0.3〜0.9mmの範囲で設定することができる。径が大きいほど肉厚を薄くするのはローラの軸方向の曲がりを考慮したものである。
これらの肉厚の下限の値は、上述した定着ベルト2の張力による加熱ローラ3の変形を考慮したときの許容値、上限値は所望の立ち上がり時間を得るための許容値を示している。ローラ径を20mm以上としているのはベルトの張力を確保してローラの軸方向の曲がりが発生しない範囲とするためである。また、ローラ径を20〜30mmとするのはシート状記録媒体搬送速度を200mm/sec以下とした場合に、連続通紙中も定着ベルト2の温度が定着に必要な一定温度を保つための、26cal/℃程度の熱容量を得るためである。
加熱ローラ3を低熱容量とすることにより、定着ベルト2が回転してもその熱を奪うことが少なく、定着に悪影響を与えることや立ち上がり時間を長引かせることが防止されている。さらに連続定着等により温度が低下してもその回復までの時間が短縮される。ヒータ6は、加熱ローラ3および加熱ローラ3を介して定着ベルト2を加熱するために用いられる。
ヒータ6の温度はサーミスタ8による検知信号として図5に示す制御部に入力され、目標の定着温度と比較される。検知温度が定着温度より低い場合にはヒータ6に通電が行われ、検知温度が定着温度より高い場合にはヒータ6に通電が停止される。このようにサーミスタ8の検知信号がフィードバックされることで定着温度が制御され、定着ベルト2の表面温度は110℃以上に保たれる。なお、サーミスタ8は加熱ローラ3の回転による互いの摩耗を減じるように、加熱ローラ3の回転方向に対して鈍角をなすように加熱ローラ3に接している。
定着ローラ4には弾性体層10が設けられており、弾性体層10はゴムにより製作されている。
弾性体層10に用いられる材質は、シリコーンスポンジゴムである。シリコーンスポンジゴムは発泡体であり、気泡の径は500μmとされ、特に表面近傍すなわち定着ローラ4周面近傍における径は300μm以下である。
弾性体層10が発泡体であることにより、定着性に影響する温度低下が抑制される一方、発泡体であるが故に、定着圧が得られず光沢が得られないとか、表面が粗く光沢ムラが出るといった不具合が起こり得るが、発泡径を上述した値とすることにより、光沢不良や光沢ムラといった不具合は解消されるようになっている。また、弾性体層10の表面に無発泡の1mm程度の層(スキン層)を有しても良い。
弾性体層10の表面硬度はアスカCで20HS以上としているが、これはスキン層の有無に関わらず、弾性体層が発泡体であることによる表面粗さが画質に影響を与えず、光沢ムラを防止して良好な定着品質を得ることができるようにするためである。
本実施例において定着ローラ4の径は30mmとされ、弾性体層10の材質が小さい熱伝導率で断熱作用のある耐熱多孔質の弾性体であることから、定着ベルト2の熱を奪う現象の発生を低減し、立ち上がり後の温度落ち込みを小さくすると共に温度回復のためのプレ回転時間を短縮している。また、弾性体層10が比較的低硬度であるため、加圧ローラ5との圧接力が小さくても十分なニップ幅を得ることができ、比較的低温かつ低圧の条件下でも良好な定着性能を得ることができる。
加圧ローラ5の芯金は鉄製であり、径を40mm、肉厚を1.0mmとしている。材質は比熱が小さく、熱伝導率が大きいものが好ましく、他にもアルミニウム、銅、ステンレス等の金属を使用することができる。さらにこの他にも鉄製でローラ径が30mmの時は肉厚を0.4〜1.0mmの範囲、鉄製でローラ径が50mmの時は肉厚を0.3〜0.8mmの範囲、アルミニウム製でローラ径が30mmの時は肉厚を1.3〜1.5mmの範囲、アルミニウム製でローラ径が50mmの時は肉厚を0.6〜1.2mmの範囲で設定することができる。
径が大きいほど肉厚を薄くするのはローラの軸方向の曲がりを考慮したものである。
これらの肉厚の下限の値は、定着圧の下限値の相当する0.6Kg/c の面圧による加圧ローラ5の変形を考慮したときの許容値、上限値は所望の立ち上がり時間を得るための許容値を示している。ローラ径を30mm以上としているのは定着圧を確保してローラの軸方向の曲がりが発生しない範囲とするためである。またローラ径を30〜50mmとするのは、シート状記録媒体搬送速度を200mm/sec以下とした場合に、連続通紙中も定着ベルト2の温度が定着に必要な一定温度を保つために必要とされる36cal/℃程度の熱容量を得るためである。
加圧ローラ5を低熱容量とすることにより、定着ベルト2が回転してもその熱を奪うことが少なく、特に本実施例においては加圧ローラ5はヒータ7を有するので定着ベルト2の温度を低下させて定着に悪影響を与えることや立ち上がり時間を長引かせることが防止されている。さらに連続定着等により温度が低下してもその回復までの時間が短縮される。ヒータ7は、加圧ローラ5の温度を上げ、立ち上げ時間を短縮すると共に、定着の際にはシート状記録媒体の背面からも熱を供給して安定した定着性能を得るものである。また、加圧ローラ5には芯金上に10〜300μmの離型層が形成されることもある。
ヒータ7は加圧ローラ5を加熱するために用いられる。温度はサーミスタ81による検知信号として後述する制御部に入力され、目標の定着温度と比較される。検知温度が定着温度より低い場合にはヒータ7に通電が行われ、検知温度が定着温度より高い場合にはヒータ7に通電が停止される。このようにサーミスタ81の検知信号がフィードバックされることで定着温度が制御され、加圧ローラ5の表面温度は110℃以上に保たれる。なお、サーミスタ81は加圧ローラ5の回転による互いの摩耗を減じるように、加圧ローラ5の回転方向に対して鈍角をなすように加圧ローラ5に接している。
加熱ローラ3および加圧ローラ5を薄肉として低熱容量化できるのは、定着装置1が定着ベルト2を用いるいわゆるベルト定着装置の構成による。すなわち定着は、定着部15、16という距離的に比較的長い部位によって行われるため、定着圧を減じることができ、加圧ローラ5の強度を下げることができ、また加熱ローラ3は加圧ローラと圧接されないために薄肉化できる。定着を距離的に比較的長い部位によって行うことは、比較的低温での定着を可能とし、これは立ち上がり時間を短縮することにも寄与している。また定着ベルト2を用いると、ヒータにより加熱された定着ベルト2が搬送される過程で定着に適当な温度に冷却され、オフセットしにくいという利点もある。ヒータ6、7の出力は電源スイッチ投入時の突入電流、ヒータのオン、オフ時の蛍光灯のちらつき現象を考慮して700W以下とされている。
クリーニングローラ31と塗布ローラ32とは互いに隣り合う位置に配設されており、クリーニングローラ31は塗布ローラ32に対し、定着ベルト2の移動方向における上流側に位置している。クリーニングローラ31と塗布ローラ32はともに定着ベルト2に当接している。またクリーニングローラ31は矢印H方向、塗布ローラ32は矢印G方向に、図示しない駆動手段によりそれぞれ定着ベルト2との対向部で定着ベルト2と同じ移動方向に、かつ定着ベルト2と等速で移動するように駆動されている。
クリーニングローラ31は定着ベルト2と当接する事によりシート状記録媒体から定着ベルト2に転移したトナーを拭い取り、転写ベルト2表面をリフレッシュする。
塗布ローラ32は図示しない離型剤供給手段からシリコンオイルを主成分とした離型剤を定着ベルト2に適当な所定量を塗布する。離型剤供給手段は図示しない接離機構で接離制御することにより、定着ベルト2に所定量の離型剤を塗布するように制御を行っている。
離型剤供給手段に関しては、本出願人の先願に係る特開2000−38265号公報に詳細が開示されているように、離型剤を含浸させたパッド状の繊維材に一部を接触させて塗布ローラ32に接触可能な位置まで延長され、離型剤との接触角(ぬれ角)が90度以下に設定されて毛管作用による吸い上げが可能な材質を用いた離型剤供給部および塗布ローラ32と接触する位置で離型剤供給部と接触して消費されなかった離型剤をパッド状の繊維剤に帰還させる離型剤回収部とを備えた離型剤の循環が可能な塗布手段を備えた装置で構成されている。
前述したように加熱ローラ3にはベルトの裏面側から加熱するためのヒータ6とそれを制御するためのサーミスタ8が、さらに加圧ローラ5にもベルトの表面を加熱するためのヒータ7とそれを制御するためのサーミスタ81が設けられている。この加熱ローラ3および加圧ローラ5はそれぞれ薄肉円筒状の芯金からなり、低熱容量化が図られているため、ヒータ6、7のオン/オフによる応答性が速く、サーミスタ8、81が制御温度以上になっていることを検知してヒータ6、7をオフしても、所定の制御温度以上となってしまい、いわゆる温度のオーバーシュート、つまり、過昇温状態を発生することがある。加熱ローラ3にオーバーシュートが発生することに伴い、定着ベルト2表面も温度のオーバーシュートが発生する。紙などのシート状記録媒体が定着部を通過することにより定着ベルト2および加圧ローラ5から熱がシート状記録媒体に転移し、定着ベルト2および加圧ローラ5の表面温度が所定の制御温度よりも低くなっているときにはこの傾向がより顕著となる。
一方、定着装置1には、図3に示す構成の冷却部材100が設けられている。
図3は、冷却部材100に関する第1の例を示す模式図である。なお、図3は、シート状記録媒体の幅方向中央が定着ベルト2の幅方向中央に一致する状態でシート状記録媒体を搬送する中央基準を用いた搬送構造が前提となっているが、本発明では、これに限らず、幅方向片側を一致させて搬送する片側基準を用いた搬送構造を対象とすることも可能である。
図3において、冷却部材100は、熱伝導性のよい金属部材からなる外径20φのロッド部材が用いられ、定着部材の一つである定着ベルト2に対して任意位置にて接離可能に設けられている。
冷却部材100は、定着ベルト2により搬送されるシート状記録媒体の移動方向(搬送方向)と直交する方向に相当しているシート状記録媒体の幅方向に平行する軸方向を有するロッド部材であり、軸方向での長さが、使用可能なシート状記録媒体の最大サイズよりも10mm程度長くされている。
冷却部材100は、その軸方向においてシート状記録媒体の通過部(図3においては、便宜上、画像部と表示してある)および非通過部(図3においては、便宜上、非画像部と表示されている)とを含む全域に亘って延長されており、シート状記録媒体の通過部100Aが非通過部100Bに対して定着ベルト2に対する接触状態を低減されており、本実施例では、通過部100Aが非通過部100Bよりも小径に設定されている。通過部100Aでの小径度は、冷却部材100の剛性を考慮した上で設定され、特に、定着ベルト2におけるシート状記録媒体の通過部との間に僅かな隙間が得られる程度とされている。本実施例では、上述した隙間が5mm程度となるように通過部100Aの外径が設定されている。
通過部100Aの軸方向長さは、使用頻度の高いシート状記録媒体のサイズよりも広くされ、本実施例では10mm程度長くされ、通過部100Aに連続する非通過部100Bに対応する定着ベルト2側で端部温度の上昇が起こりやすい状況下でその端部のみの熱容量を増加させて定着ベルト2の端部からの熱受容量を高めて定着ベルト2における非通過部での温度を下げる機能を持たせている。
本構成では、冷却部材100が定着ベルト2に接触した際に定着ベルト2と連動することにより回転することができ、非通過部100Bの周面が常に新たな面を定着ベルト2に対向当接させる。これにより、非通過部100Bに接触した際の定着ベルト2からの熱の移動は、外気との接触により冷却されることにより温度勾配が大きくとれる新規な周面に対して行えるので、定着ベルト2における端部からの放熱作用を良好なものとすることができる。
一方、図4は、冷却部材(便宜上、符号100’で示す)の別例を示す図であり、同図における冷却部材100’は、図3に示した例と同様ロッド部材が用いられ、定着ベルト2に連動して回転するのでなく、独自に回転動作が行えるようになっている。なお、本例における冷却部材100’の通過部は、符号100A’で示す。
図4に示す冷却部材100’は、図3に示した構成と同様に、定着ベルト2に対して接離可能に設けられると共に、後述する駆動部101によって回転できる構成とされている。
冷却部材100’における非通過部100B’は、定着ベルト2と接触した際には連動せずに定着ベルト2を摺擦する関係となるので、その表面には定着ベルト2に対して接触および摺擦時に損傷を来すことがないゴムやフェルトなどの材質を有している。
冷却部材100’は、定着ベルト2におけるシート状記録媒体の非通過部での長さ方向の一方端、図4に示す構成では、中央基準であるので、冷却部材100’の軸方向中央を境にして互いに対向する側の端面が相反する向きの角度に設定された勾配面100B1’で構成されており、定着ベルト2に対する幅方向での長さを変化させるようになっている。
つまり、勾配面100B1’の頂部と底部とで定着ベルト2に対する軸方向での長さによって得られる接触面積が変化するようになっており、定着ベルト2に対する頂部と底部との対面位置の切り替えは、定着ベルト2により搬送されるシート状記録媒体の幅に応じて回転量が制御される駆動部101を介して行われる。
駆動部101は、詳細を図示しないが、ステッピングモータなどの回転量を規定できるモータを駆動源としており、後述する制御部からの信号により回転量によって定着ベルト2の非通過部に対する頂部および底部の対面状態を規定できるようになっている。
駆動部101では、冷却部材100’の非通過部100B’の回転量による得られる回転位置として、上述した頂部および底部の間で次の位置が規定されるようになっている。
図4において、符号Aは、冷却部材100’が定着ベルト2から離間した際の勾配面100B1’の向きを設定する位置であり、符号BはA4サイズのシート状記録媒体の長手方向を搬送方向と平行させた場合に非画像部の幅に対応する軸方向長さを以てシート状記録媒体の非通過部(図4では、A4通紙時の非画像部と表示してある)が定着ベルト2に接触できる勾配面100B1’の向きを設定する位置であり、符号Cは、B5サイズのシート状記録媒体の長手方向を搬送方向と平行させた場合に非画像部の幅に対応する軸方向長さを以てシート状記録媒体の非通過部(図4では、B5通紙時の非画像部と表示してある)が定着ベルト2に接触できる勾配面100B1’の向きを設定する位置である。
これら各位置A、B、Cのうちで、符号Aで示す位置、つまり冷却部材100’が定着ベルト2に接触する前の初期位置(図4では、ウォーミングアップ時と表示してある)は、定着ベルト2における非画像部の温度が所定温度以下に達した際に冷却部材100’を待機させた状態とする位置であって、符号B、Cで示す位置、つまり勾配面100B1’の周方向で頂部と底部との中間が定着ベルト2側に対面できる位置とされている。これにより、勾配面の頂部と底部のうちの一方を定着ベルト2に対面させて待機させるのに比べてシート状記録媒体のサイズに応じて回転する際の回転量が最も少ない状態とすることができる。
本構成では、定着ベルト2の端部でシート状記録媒体の非通過部の長さがシート状記録媒体の幅に応じて変化するのに対応して冷却部材100’における非通過部100Bの接触面積を切り替えることでシート状記録媒体の幅に対応した非通過部の長さの範囲に冷却部材100’を接触させることができる。
図3および図4に示した冷却部材100,100’の動作制御は、図5に示す制御部110によって実行される。
図5は、画像形成装置における画像形成のためのシーケンスプログラムを実行するための制御部110を示すブロック図であり、同図において、制御部110の入力側には、本実施例と関係する部材として、図示しない入出力装置を介して操作パネル111,画像形成カウンタ112,温度検知手段としてのサーミスタ113が接続され、出力側には駆動部101が接続されている。操作パネル111は、画像形成作業、いわゆる印刷ジョブにおける画像形成回数(印刷枚数)を設定するテンキー、そして印刷対象となるシート状記録媒体のサイズ指定を行う選択スイッチや画像形成作業を開始するスタートスイッチを備えた部分であり、サーミスタ113は、定着ベルト2における任意位置、この場合には、昇温傾向が顕著となる非通過部100B’に対応する定着ベルト2の表面温度を検知するようになっている。
制御部110では、サーミスタ113により1秒間隔に検知される定着ベルト2の表面温度において、所望の温度以下の場合には冷却部材100,100’を離間させた状態とし、所望の温度以上に達した場合には冷却部材100,100’を定着ベルト2に接触させる。
一方、図4に示した構成を対象とする場合には、操作パネル111において選択されたシート状記録媒体サイズに対応して駆動部101の回転位置を規定する信号が出力され、図4において符号B、Cで示した位置のいずれかに対応するように冷却部材100’が回転されて非通過部100B’の接触面積をシート状記録媒体のサイズに対応させる。このような動作は、操作パネル111において設定された画像形成処理回数、いわゆる、1ジョブに対応する回数が終了するまで継続される。
本実施例は以上のような構成であるから、せいぎょぶ110の動作を示すフローチャートを用いて作用を説明すると図6,7に示すとおりである。
図6は、図3に示した構成を対象とした制御を説明するフローチャートであり、同図において、制御部110では、操作パネル111からの指令により画像形成処理(図6では、印刷ジョブと表示してある)が開始されると(ST1)、冷却部材100におけるシート状記録媒体の非通過部100Bに対応した定着ベルト2の表面温度がサーミスタ113により検知されてその検知結果が判別され(ST2)、検知結果が所定値以上である場合には冷却部材100を定着ベルト2側に近接させる(ST3)。これにより、冷却部材100における非通過部100Bが定着ベルト2に接触する一方、通過部100Aは定着ベルト2から僅かな隙間を以て非接触な状態に維持される。
非通過部100Bが接触した定着ベルト2においては、シート状記録媒体による熱が奪われない領域で冷却部材100の非通過部100Bに対して放熱されることになり、非通過部100Bに対応する定着ベルト2の幅方向端部の温度が低下する。このとき、通過部100Aは定着ベルト2に対して非接触であるので、通過部100Aに対応する定着ベルト2の表面温度を不用意に低下させるようなことがないので、定着に必要な熱量を維持することができる。
サーミスタ113による温度検知の判別は、上述したように所定の計時間隔により実行されているので、その計時期間において定着ベルト2の表面温度が所定値以下に達した場合には(ST4)、冷却部材100を定着ベルト2側から離間させる(ST5)。このよう制御は画像形成カウンタからの計数結果の判別において所定枚数の画像形成作業、つまり印刷ジョブが終了するまでの間継続される(ST6)。
一方、図7は図4に示した構成を対象とする制御を示すフローチャートである。図7において図6に示した処理と同じものは同符号により示してある。
図7において、制御部110では、操作パネル111からの指令により画像形成処理(図6では、印刷ジョブと表示してある)が開始されると(ST1)、操作パネル111において選択されたシート状記録媒体のサイズを割り出し(図7においては、用紙サイズ検知と表示されている)する(ST7)。
シート状記録媒体のサイズ割り出し後、図6に示した場合と同様に、冷却部材100におけるシート状記録媒体の非通過部100Bに対応した定着ベルト2の表面温度がサーミスタ113により検知されてその検知結果が判別され(ST2)、所定値以上である場合には冷却部材100’が定着ベルト2に接触させられるが、このとき、ステップST7において割り出したサイズに対応させて冷却部材100’の非通過部100B’における勾配面の頂部或いは底部の位置を規定すべく駆動部が回転制御されて、図4において符号B、Cで示した回転位置のいずれかを設定される(ST8)。
冷却部材100’の非通過部100B’における勾配面100B1’の向きが変更されることにより軸方向での接触面積が変化し、搬送されるシート状記録媒体の非通過部からの熱が非通過部100B’によって奪われる。このときには、図3および図6に示した場合と同様に、冷却部材100’におけるシート状記録媒体の通過部は冷却部材100’と非接触であるので、放熱されることがなく、通過部100Aに対応する定着ベルト2の表面温度を不用意に低下させるようなことがないので、定着に必要な熱量を維持することができる。
サーミスタ113による温度検知の結果が所定値以下に達した場合には(ST4)、冷却部材100’が定着ベルト2から離間され、冷却部材100’が非通過部100B’の位置を初期位置、つまり図4において符号Aで示す状態となるように回転制御される(ST9)。この処理は、1回の印刷ジョブ終了まで継続される(ST6)。
本実施例においては、単一のロッド部材である冷却部材を定着ベルト2に接触した際に連動或いは摺擦抵抗が少ない状態で摺擦するだけで済むので、軸方向に複数は位置した場合のような各冷却部毎での接離動作や進退動作を行う必要がないので、簡単な駆動系とすることが可能となる。
本発明実施例による定着装置を適用した画像形成装置の一例を示す模式図である。 本発明実施例による定着装置の構成を説明するための模式図である。 図2に示す定着装置に用いられる冷却部材の一構成を説明するための模式図である。 図2に示した定着装置に用いられる冷却部材の他の構成を説明するための模式図である。 冷却部材の動作制御に用いられる制御部の構成を説明するためのブロック図である。 図5に示した制御部の動作を説明するためのフローチャートである。 図5に示した制御の他の動作を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
1 定着装置
20 画像形成装置
100.100’ 冷却部材
100A、100A’ 通過部
100B、100B’ 非通過部
100B1’ 勾配面
101 駆動部
110 制御部
111 操作パネル
112 画像形成カウンタ
113 サーミスタ

Claims (6)

  1. 記録媒体上に形成された未定着画像を少なくとも2つ以上の定着部材により加熱・加圧することにより定着する装置であって、前記定着部材の任意の部分を温度検知する手段と、前記記録媒体の搬送方向と直交する方向で前記定着部材の任意位置を冷却する冷却部材とを備え、前記定着部材の任意位置に対して接離可能である定着装置において、
    前記冷却部材は、前記定着部材における前記記録媒体の通過部及び非通過部を含む全域に亘って延長されて前記定着部材に接触した際に連動することができ、前記延長方向において前記定着部材における記録媒体の通過部が非通過部での記録媒体に対する接触状態を低減されていることを特徴とする定着装置。
  2. 請求項1記載の定着装置において、
    前記冷却部材は、ロッド部材で構成され、該ロッド部材は前記定着部材における記録媒体の通過部が非通過部よりも小径に設定されていることを特徴とする定着装置。
  3. 記録媒体上に形成された未定着画像を少なくとも2つ以上の定着部材により加熱・加圧することにより定着する装置であって、前記定着部材の任意の部分を温度検知する手段と、前記記録媒体の搬送方向と直交する方向で前記定着部材の任意位置を冷却する冷却部材とを備え、前記定着部材の任意位置に対して接離可能である定着装置において、
    前記冷却部材は、前記定着部材における前記記録媒体の通過部及び非通過部を含む全域に亘って延長されて前記定着部材と独立して回転可能に設けられ、前記定着部材における記録媒体の通過部と非通過部とで接触面積を変更可能であることを特徴とする定着装置。
  4. 請求項3記載の定着装置において、
    前記冷却部材は、前記記録媒体における搬送方向と直交する方向での幅に応じて回転量が制御されることにより記録媒体の非通過部での接触状態を変更して非通過部での温度を設定温度に維持することを特徴とする定着装置。
  5. 請求項1乃至4のうちの一つに記載の定着装置において、
    前記記録媒体を搬送するために該記録媒体の搬送方向に移動可能な無端状の定着ベルトと、
    前記定着ベルトが掛け回されている加熱ローラ及び定着ローラと、
    前記定着ベルトを介して前記定着ローラに対向して配置されている加圧ローラとを備え、
    前記記録媒体の搬送部材として前記定着ベルト及び/または前記加圧ローラが用いられることを特徴とする定着装置。
  6. 請求項1乃至5のうちの一つに記載の定着装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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