JP2006070975A - 取付具 - Google Patents

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Nobuyasu Kogori
伸康 古郡
Naoki Ito
直樹 伊藤
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Abstract

【課題】 被取付部品の位置決めを容易にすると共に、組付精度や部品精度等によるばらつきを吸収して、且つ被取付部品の振動を取付面に伝達させない取付具を提供する。
【解決手段】 取付具は、一端側に設けられ取付孔2と当接する弾性部10と、この弾性部10から他端側に向けて設けられスタッドボルト3のねじ部3’に係止される係止部11とを有するクリップ4と、このクリップ4にスタッドボルト3を案内する案内部材5とから構成されている。これにより、被取付部品1のスタッドボルト3に対する位置決めが容易となり、位置決め後被取付部品1を押し込めば、スタッドボルト3は、案内部材5に沿ってスライドすると同時に弾性部10が伸縮して、係止部11との軸心が一致した状態で係止部11内に挿入されて、ねじ部3’に係止部11が係止される。さらに、被取付部品1の振動は、弾性部10に吸収されるため取付面6には伝達されない。
【選択図】 図5

Description

本発明は、取付面から突設され被取付部品の取付孔を挿通するスタッドに嵌合する取付具に関するものである。
従来から空調ユニットを車両に搭載する際には、車両搭載前にまず、空調ユニットをインストルメントパネルリインフォースメント(以下インパネR/Fと称す)に仮組み付けし、そして、インパネR/Fに仮組み付けされた空調ユニット(被取付部品)をボデー(取付面)に一体搭載している。
そこで、インパネR/Fに空調ユニットを組み付けた際の組付誤差、空調ユニットの部品精度やボデーから突設されたスタッドボルトの位置精度等のばらつきを吸収するために、図7に示すように、空調ユニット1に設けたボデー6との取付孔2を、ボデー6から突設されたスタッドボルト3の外径よりも相当大きく形成していた。そして、この取付孔2にスタッドボルト3を挿通して、座面51の大きい特殊ナット50で締め付けて、インパネR/Fが仮組み付けされた空調ユニット1を、ボデー6に一体搭載していた。
しかしながら、従来の取付方法では、組付誤差等を吸収するために取付孔がスタッドボルトの外径よりも相当大きく設定されているために、被取付部品の取り付けの際、スタッドボルトの位置が取付孔内で安定せず、被取付部品の取付位置が定まらないため、被取付部品をスタッドボルトに対して位置決めする作業が非常に煩雑となる。さらに、取付後には、取付孔の内周面とスタッドボルトの外周面との間に空間が形成されるため、被取付部品がガタ付き、被取付部品の保持力が不足する虞がある。
また、スタッドボルトを空調ユニットの取付孔の中心に確保することができず、スタッドボルトが、取付孔内で片寄って配置され、取付孔の内周面と当接または近接して固定された場合には、空調ユニットのブロアモータからの振動がスタッドボルトを経由してインパネR/Fからステアリングに伝達され、ハンドリングに悪影響を及ぼす虞があった。
しかも、上述した取付方法では、インパネR/Fに仮組み付けされた空調ユニットを一体でボデーに当接させた後に、取付孔から延びるスタッドボルトに座面の大きい特殊ナットを締め付ける必要があるので、空調ユニットをインパネR/Fと一体でボデーに当接させると同時に取り付けを完了することができず、取付作業が煩雑であった。
そこで、組付誤差等を吸収するための従来技術として、特許文献1には、クランプ筐体が、前後方向に貫通している収納部を有する主筐体と、主筐体の収納部に摺動自在に収納される補助筐体とから構成され、主筐体の上壁には長孔形状のスタッドボルトの挿入孔が形成され、また、補助筐体には、その上壁にスタッド挿入孔と、この孔上縁部にスタッドボルトの挿入方向をガイドするための断面椀状のテーパと、その前後壁に、スタッドボルトを係止する弾性爪片とを設け、スタッドボルトの挿入位置が主筐体の挿入孔の中心からずれて補助筐体に挿入される場合には、スタッドボルトの挿入に伴う応力を補助筐体の挿入孔の上縁部に設けたテーパで受け、この応力により、補助筐体をスタッドボルトの軸心と一致する方向に収納部内を摺動させて、スタッドボルトを補助筐体内の弾性爪片同士の間の中心に常に位置させることが開示されている。
特開平10−37934号公報
しかしながら、特許文献1の発明では、主筐体の収納部に補助筐体が摺動自在に収納され、スタッドボルトの軸心が補助筐体の挿通孔の中心とずれた場合でも、補助筐体が、スタッドボルトの軸心に補助筐体の挿通孔の中心が一致するように摺動されて、スタッドボルトを補助筐体に嵌合させているが、主筐体の挿通孔は、スタッドボルトの外径よりも大きい長孔に形成されているので、上述した問題と同様に、主筐体をスタッドボルトに対して位置決めする作業が煩雑となる虞がある。さらに、特許文献1の発明は、構造が複雑でありコストアップの要因となる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、被取付部品の位置決めを容易にすると共に、組付精度や部品精度等のばらつきを吸収して、且つ被取付部品の振動を取付面に伝達させない取付具を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するための手段として、請求項1に記載した取付具の発明は、取付面から突設され被取付部品の取付孔を挿通するスタッドの外周面に設けられた突条部に係止される取付具であって、一端側に設けられ、前記取付孔の内周面と当接される弾性部と、該弾性部から他端側に向けて設けられ、前記突条部に係止される係止部と、からなるクリップと、該クリップ内に前記スタッドを案内する案内部材とを有することを特徴とするものである。
請求項2に記載した取付具の発明は、請求項1に記載した発明において、前記弾性部は、略円筒状に形成されることを特徴とするものである。
請求項3に記載した取付具の発明は、請求項1または2に記載した発明において、前記弾性部と前記係止部とは異なる樹脂材にて一体成型されることを特徴とするものである。
従って、請求項1に記載した取付具の発明では、クリップを取付孔に組み付けた際、クリップは常に取付孔の中心に位置される共に、被取付部品が取付面に取り付けられる際、組付誤差や部品精度等によって、スタッドの軸心と取付孔の中心とが一致しない場合でも、スタッドは案内部材によってクリップ内に導かれるので、被取付部品をスタッドに対して位置決めする作業が容易となり、しかも、スタッドは常に安定して取付孔の中心付近に挿入されるようになる。また、被取付部品が取付面に取り付けられた後、被取付部品の振動は弾性部により吸収されるので、被取付部品の振動が取付面へ伝達されることはない。
請求項2に記載した取付具の発明では、弾性部を取付孔に組み付ける際の位置決めが容易となる。
請求項3に記載した取付具の発明では、弾性部及び係止部のそれぞれに、所望の弾性力が得られる。また、クリップの部品点数が最小限に抑えられ、クリップの取付孔への組付工数も低減される。
本発明によれば、被取付部品の位置決めを容易にすると共に、組付精度や部品精度等のばらつきを吸収して、且つ被取付部品の振動を取付面に伝達させない取付具を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図1〜図6に基いて詳細に説明する。従来例と同一部材及び相当する部品は、同一の符号を使用して説明する。
本発明の実施の形態に係る取付具は、図1及び図5に示すように、被取付部品1の取付孔2を挿通するスタッドボルト(スタッド)3のねじ部(突条部)3’に係止されるクリップ4と、このクリップ内4にスタッドボルト3を案内する案内部材5とから構成されている。ここで、取付孔2は、略円形で、取付面6から突設されるスタッドボルト3の外径よりも相当大きな内径で形成されている。
クリップ4は、図1に示すように、一端側に設けられ、取付孔2の内周面と当接する伸縮自在の弾性部10と、該弾性部10から他端側に向って設けられ、ねじ部3’に係止される係止部11とから概略構成されている。
弾性部10は、図1に示すように、ゴム性樹脂であるエラストマー樹脂製で形成されている。また、この弾性部10は、略円筒状に形成され、被取付部品1の厚さと略同一の厚さを有している。この弾性部10の周壁には、図1及び図2に示すように、間に環状の空間15を有する外周壁12及び内周壁13が形成され、これら外周壁12と内周壁13とは、それぞれの端部が周方向に所定の間隔を置いて複数配置された連結板14により連結されている。このように構成される弾性部10は、径方向に伸縮自在となる。さらに、この弾性部10の外周壁12の外周径は、取付孔2に挿入され当接されるべく、取付孔2の内周径と略同一に設定され、内周壁13の内周径は、後述する挿入部18が挿入され当接されるべく、挿入部18の外周径と略同一に設定されている。
係止部11は、図1に示すように、所定長さを有しスタッドボルト3が挿通される略円筒状に形成されている。また、この係止部11には、その内周面から全周または部分的に突設された係止爪部16が複数列(図では2列)形成されている。これら対向する係止爪部16、16間にスタッドボルト3が挿入されて、係止爪部16がねじ部3’に係止されるようになる。さらに、係止部11の他端部には、係止爪部16、16が形成される部位の外周径より小径の小径部19が形成されている。
また、係止部11の弾性部10側には、順にフランジ部17、挿入部18が設けられ、これら係止部11、フランジ部17及び挿入部18は、硬質樹脂(ポリアセタール樹脂(POM)等)で一体成型されている。
フランジ部17は、図1に示すように、係止部11の一端から連続して設けられ、スタッドボルト3が挿通される挿通孔17aを有し、その外形は弾性部10を覆い被取付部品1と所定範囲で当接される略円形状に形成されている。また、フランジ部17の外周縁には外方に向って漸次薄厚となる傾斜面17bが形成されている。
挿入部18は、図1に示すように、略円筒状に形成され、フランジ部17の挿通孔17aから連続する挿通孔18aを有すると共に、その外周径は弾性部10の内周壁13に当接されるべく、内周壁13の内周径と略同一に設定されている。また、挿通孔18aの内周径は、後述する案内部材5の案内部21が挿入されて当接されるべく、案内部21の外周径とほぼ同一に設定されている。
そして、クリップ4は、弾性部10の内周壁13に挿入部18を当接させた状態で、エラストマー樹脂製からなる弾性部10と、ポリアセタール樹脂製からなる係止部11、フランジ部17及び挿入部18とが一体に構成される。
案内部材5は、図1に示すように、被取付部品1に当接されるフランジ部20と、該フランジ部20と連設され挿入部18の挿通孔18aに挿入され当接される略円筒状の案内部21とから構成されている。これらフランジ部20と案内部21とは硬質樹脂(ポリアセタール樹脂等)で一体成型されている。
案内部21は、スタッドボルト3が挿通される挿通孔21aを有すると共に、その外周径は、挿入部18の挿通孔18aの内周径と略同一に設定されている。また、挿通孔21aの内周径は、スタッドボルト3が支障なく挿通できる程度の径に設定されている。
フランジ部20は、その外形が被取付部品1と所定範囲で当接される略円形状に形成されている。また、このフランジ部20には、案内部21の挿通孔21aに連通する案内孔20aが形成されている。この案内孔20aは、その断面がテーパ状に形成され、その開口径が案内部21の挿通孔21aから端面22に向ってしだいに大きくなるように設定されている。
以上説明した取付具によって、被取付部品1を取付面6に取り付ける手順を図3〜図5に基いて説明する。
まず、被取付部品1の取付孔2にクリップ4及び案内部材5を組み付ける。具体的には、図3に示すように、クリップ4を、係止部11がスタッドボルト3と同方向に延設されるように取付孔2内に配置して、フランジ部17を被取付部品1に当接させると共に、弾性部10の外周壁12の外周面を取付孔2の内周面に当接させる。次に、図3に示すように、被取付部品1に対してクリップ4側とは反対側に案内部材5を配置して、案内部材5の案内部21の外周面が挿入部18の挿通孔18aの内周面に当接するように挿入する。そして、クリップ4及び案内部材5は、案内部21の挿通孔21aと取付孔2との中心が一致すると共に、案内部21の挿通孔21aの中心と係止部11の軸心とが一致するように、取付孔2に組み付けられる。
次に、被取付部品1の取付孔2にクリップ4及び案内部材5が組み付けられた状態で、被取付部品1を、スタッドボルト3の先端が案内部材5の挿通孔21aに挿入されるように位置決めして、位置決め後、被取付部品1を案内部材5の端面22が取付面6に当接するまで押し込む。すると、図5に示すように、スタッドボルト3は、挿通孔21aから係止部11内に挿入されると共に、ねじ部3’に係止爪部16が係止されて、被取付部品1が取付面6に取り付けられる。
ここで、図4及び図5に示すように、スタッドボルト3の軸心が被取付部品1の取付孔2の中心とずれて配置されている場合には、被取付部品1を、スタッドボルト3の先端に案内部材5の案内孔20aのテーパ面を押し当てて位置決めして、位置決め後、被取付部品1を案内部材5の端面22が取付面6に当接するまで押し込む。すると、スタッドボルト3は、案内孔20aのテーパ面に沿ってスライドすると同時に弾性部10がスタッドボルト3側に圧縮して、係止部11との軸心が一致された状態で係止部11内に挿入され、ねじ部3’に係止爪部16が係止されて、被取付部品1が取付面6に取り付けられる。
以上のように組み付けられた後、図6に示すように、被取付部品1が矢印に示す方向に振動した場合でも、被取付部品1は、スタッドボルト3及び取付面6とは接触しておらず、且つその振動は弾性部10が伸縮することにより吸収されるため、被取付部品1の振動が取付面6に伝達されることはない。
以上説明した本実施の形態に係る取付具によれば、被取付部品1の取付孔2にクリップ4が挿入されると、クリップ4は常に取付孔2の略中央に位置され、また、案内部材5が被取付部品1に対してクリップ4とは反対側に配置され取付孔2に組み付けられているので、スタッドボルト3の軸心が取付孔2の中心とずれた位置に配置された場合でも、スタッドボルト3の先端に案内部材5の案内孔20aのテーパ面を押し当てて、被取付部品1を押し込めば、スタッドボルト3は、案内孔20aに沿ってスライドすると同時に弾性部10が伸縮して、係止部11との軸心が一致された状態で係止部11内に挿入される。これにより、被取付部品1をスタッドボルト3に対して位置決めする作業が簡単になると共に、スタッドボルト3が係止爪部16、16の間の略中央に配置され、確実にねじ部3’に係止爪部16が係止される。
さらに、本発明の実施の形態に係る取付具によれば、被取付部品1が取付面6に取り付けられた後、被取付部品1の振動は弾性部10によって吸収されるため、その振動が取付面6に伝達されることはない。
しかも、本発明の実施の形態に係る取付具によれば、スタッドボルト3の先端に案内部材5の案内孔20aのテーパ面を押し当てて、被取付部品1を押し込めば、スタッドボルト3のねじ部3’に係止部11が係止されて、被取付部品1の取付面6への取り付けが完了するので、取り付け作業のワンタッチ化が可能となり、取付時間が短縮できると共に、良好な作業環境が得られない場所ではかなり有効である。
なお、本発明の実施の形態に係る取付具が使用される部位については、特に限定されないが、組付誤差等を吸収するために、被取付部品1に設けた取付孔2が、スタッドボルト3の外径よりも大きく設定されている部位に使用されるようになる。さらに、被取付部品1が振動を生じる部品であると特に有効に機能する。例えば、インパネR/Fに仮組み付けされた空調ユニット(ブロワモータによる振動が生じる)を一体で、ボデーに取り付ける際の取付具として採用すると特に有効である。この形態の場合、インパネR/Fに仮組み付けされた空調ユニットが被取付部品1に相当して、ボデーが取付面6に相当することになる。
図1は、本発明の実施の形態に係る取付具を示す断面図である。 図2は、図1のA−A線に沿った断面図である。 図3は、取付孔にクリップ及び案内部材が取り付けられた状態を示す断面図である。 図4は、スタッドボルトの先端が案内孔をスライドする状態を示す断面図である。 図5は、スタッドボルトがクリップに係止された状態を示す断面図である。 図6は、被取付部品の振動により弾性部が伸縮した状態を示す断面図である。 図7は、従来の取付具を示す断面図である。
符号の説明
1 被取付部品、2 取付孔、3 スタッドボルト(スタッド)、3’ ねじ部(突条部)、4 クリップ、5 案内部材、6 取付面、10 弾性部、11 係止部

Claims (3)

  1. 取付面から突設され被取付部品の取付孔を挿通するスタッドの外周面に設けられた突条部に係止される取付具であって、
    一端側に設けられ、前記取付孔の内周面と当接される弾性部と、該弾性部から他端側に向けて設けられ、前記突条部に係止される係止部と、からなるクリップと、該クリップ内に前記スタッドを案内する案内部材とを有することを特徴とする取付具。
  2. 前記弾性部は、略円筒状に形成されることを特徴とする請求項1に記載の取付具。
  3. 前記弾性部と前記係止部とは異なる樹脂材にて一体成型されることを特徴とする請求項1または2に記載の取付具。
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EP3599386A1 (en) 2018-07-23 2020-01-29 Newfrey LLC Stud locking tool

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