JP2023042174A - 車両用のドアハンドル装置 - Google Patents

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伸和 荒木
Nobukazu Araki
聖祥 石内
Masayoshi Ishiuchi
拓也 小谷
Takuya Kotani
研二 金子
Kenji Kaneko
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Abstract

【課題】部品点数が削減され、フレームのパネル部材に対する固定強度の低下が防止され、さらにパネル部材への組付けの作業性が高められた車両用のドアハンドル装置を提供する。【解決手段】車両用のドアハンドル装置10は、車両ドアのアウタパネル80の車内側に配置されるベースフレーム11と、金属製のボルト12と、軸線方向の一端側からボルト12の軸部121が螺合可能な金属製のナット13と、を有しており、ベースフレーム11は、さらに、ナット13の一端側の端面が車外側に露出する状態でナット13を保持する第一係合部および第二ナット保持部42と、車外側に向かって突出しておりナット13に車外側から螺合されているボルト12の頭部122に係合することによってボルト12のフレームに対する回転を規制する突起状の回転規制部と、を有している。【選択図】図10

Description

本発明は、車両用のドアハンドル装置に関する。
特許文献1に記載の車両用のドアハンドル装置は、樹脂製のベースフレーム(特許文献1においては「ハンドル支持部材」と称される)を有している。このベースフレームには車幅方向に貫通する貫通孔が設けられており、この貫通孔には車外側から金属製の筒状のカラー(特許文献1においては「スペーサ」と称される)が挿入されており、このカラーには軸部と頭部とを有するナットの軸部が車外側から挿入されている。この貫通孔にはさらに車内側からボルトが挿入されており、ボルトはナットに螺合されている。特許文献1に記載の車両用のドアハンドル装置は、車両ドアに組付けられる前の時点では、カラーとナットの間にブッシュ(特許文献1においては「ナット位置規制部材」と称される)を介在させることにより、ナットの頭部がカラーから離れている状態に維持されるとともに、ナットおよびボルトの回転が規制される。
特許文献1に記載のドアハンドル装置を車両ドアに組付けるには、まず、車両ドアのパネル部材(アウタパネル)の所定の部分がカラーとナットの頭部との間に位置するように、パネル部材に対してドアハンドル装置を配置する。そして、その状態でボルトを回転させることによって、カラーとナットの頭部とによってパネル部材の前記所定の部分を挟持する。これにより、ベースフレームがパネル部材に締結固定される。
特許文献1に記載のドアハンドル装置によれば、金属部品であるカラーおよびナットによってパネル部材が挟持されるから、ベースフレームのパネル部材に対する固定強度を確保できる。これに対し、金属カラーが用いられずにベースフレームによってボルトとナットの軸力(ボルトとナットによる軸線方向の圧縮力)を受ける構成では、気温の上昇によって樹脂が軟化した場合に、フレームをパネル部材に固定する力(ボルトとナットの軸力)が低下する。また、特許文献1に記載のドアハンドル装置によれば、ドアハンドル装置が車両ドアに組付けられる前の時点で、ナットが既にボルトに螺合されているから、組付け工程の作業内容の簡素化を図ることができる。しかしながら、特許文献1に記載の車両用のドアハンドル装置においては、ナットの頭部が浮いた状態にナットを保持するために、金属性のカラーおよびブッシュが必要である。このため、部品点数が多い。
特許文献2に開示される車両用のドアハンドル装置は、パネル部材(アウタパネル)の車内側に配置される樹脂製のフレームと、パネル部材の車外側に配置される樹脂製のパッドとを有している。フレームには車幅方向に貫通する貫通孔が設けられており、この貫通孔にはナットが挿入されている。一方、パッドにはボルトが取り付けられている。そして、ナットとボルトとを螺合させてナットとボルトとによりパネル部材を挟持することにより、パネル部材とフレームとを締結固定するように構成されている。特許文献2に記載のドアハンドル装置によれば、金属製の部品であるボルトとナットとにより直接的にパネル部材を挟持するため、特許文献1に記載の車両用のドアハンドル装置と同様に、ドアハンドル装置のパネル部材に対する固定強度を高めることができる。また、特許文献2に記載のドアハンドル装置には、金属製のカラーおよびブッシュが不要であるため、部品点数の削減を図ることができる。
しかしながら、特許文献2に記載のドアハンドル装置は、ドアハンドル装置が車両ドアに組付けられる前の時点おいては、フレームとボルトとが分離している。このため、特許文献2に記載のドアハンドル装置は、特許文献1に記載のドアハンドル装置に比較して、組付けに手間を要する。さらに、ボルトが樹脂製のパッドに取り付けられているため、ナットを回転させてボルトとナットとによりパネル部材とフレームとを締結固定する際に、締結トルクによってパッドが変形するおそれがある。
特許第6304209号公報 特開2020-200595号公報
(発明が解決しようとする課題)
上記実情に鑑み、本発明は、部品点数が削減され、フレームのパネル部材に対する固定強度の低下が防止され、さらにパネル部材への組付けの作業性が高められた車両用のドアハンドル装置を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段)
本発明に係る車両用ドアハンドル装置は、
樹脂材料により形成されており、車両ドアの車外側の面を構成するパネル部材の車内側に配置されるフレームと、
外周にネジが設けられている軸部と、前記軸部の軸線方向視における形状が長尺形状である頭部と、を有する金属製のボルトと、
軸線方向の一端側から前記ボルトの前記軸部が螺合可能なネジ孔が設けられている筒状部を有する金属製のナットと、
を備え、
前記フレームは、さらに、前記ナットの前記筒状部の前記一端側の端面が車外側に露出する状態で前記ナットを保持するナット保持部と、車外側に向かって突出しており前記ナットの前記筒状部に車外側から螺合されている前記ボルトの前記頭部に係合することによって前記ボルトの前記フレームに対する回転を規制する突起状の回転規制部と、
を有している。
本発明によれば、フレームのナット保持部に保持されている金属製のナットとこのナットに螺合されている金属製のボルトが、樹脂製のフレームを介さずに直接に車両ドアのパネル部材を挟むことによって、フレームをアウタパネルに固定できる。このため、本発明によれば、ボルトとナットが樹脂材料からなるフレームを介してパネル部材を挟む構成に比較して、フレームのパネル部材に対する固定強度(すなわち、ドアハンドル装置の車両ドアに対する固定強度)を高めることができる。
さらに、本発明によれば、フレームのナット保持部に保持されているナットに螺合されているボルトのフレームに対する回転が、回転規制部によって規制される。このような構成であれば、フレーム(車両用のドアハンドル装置)をパネル部材(車両ドア)に組付ける前の時点において、ボルトが回転してフレームから脱落することやボルトの頭部の位置が変化することが防止される。このため、本発明によれば、フレームのパネル部材への組付けの作業性の向上を図ることができる。
さらに、本発明によれば、ボルトの頭部がフレームに設けられている回転規制部に係合することによりボルトの回転が規制されるから、ボルトの回転を規制するための別部材が不要である。したがって、ドアハンドル装置の部品点数の削減を図ることができる。
前記ナットは、前記筒状部の外周面から前記筒状部の外側に向かって突出し、前記筒状部の外周面の周方向に延伸する鍔部を有しており、
前記フレームの前記ナット保持部は、前記鍔部の前記一端側の面に係合する第一ナット保持部と、前記鍔部の前記一端側とは反対側の面に係合する第二ナット保持部と、を有しており、
前記ナットの前記鍔部が前記第一ナット保持部と前記第二ナット保持部とにより挟まれることにより、前記ナットが前記フレームに保持される、
という構成であってもよい。
このような構成によれば、ナットをフレームに対してナットの軸線方向に移動しないように保持できる。このため、ナットに螺合されているボルトの頭部の軸線方向への移動が規制されるから、ボルトの頭部の位置決めの効果の確実性を高めることができる。
前記ナットの前記鍔部の前記一端側とは反対側の面には凹部が設けられており、
前記第二ナット保持部は、前記凹部に挿抜可能に嵌まり込んでいる、
という構成であってもよい。
第二ナット保持部がナットの鍔部に設けられている係合凹部に挿抜可能に嵌まり込んでいる構成であると、振動などによってナットが回転することが防止される。したがって、ナットの回転によるボルトの頭部の軸線方向の移動を防止できる。したがって、ボルトの頭部の位置決めの確実性を高めることができる。一方、フレームをパネル部材に取り付ける際には、工具などを用いることによってナットを回転させることができる。このため、作業性の低下を招かない。
前記フレームは、前記ナットの前記筒状部の前記一端側の端部を挿入可能な貫通孔であるナット挿入孔が設けられているとともに、車外側の面が前記パネル部材の車内側の面に接触するように構成されている当接部を有し、
前記第一ナット保持部は、前記当接部から車内側に向かって突出しており、内周側に前記ナットの前記筒状部を挿入可能に構成されており、
前記第二ナット保持部は、前記当接部から車内側に向かって突出している棒状の形状を有しており、前記第二ナット保持部の車内側の端部には、前記ナット挿入孔の中心線方向視において、前記ナット挿入孔の中心側に向かって突出する係合爪部を有しており、
前記第一ナット保持部の端面が前記ナットの前記鍔部の前記一端側の端面に係合し、前記第二ナット保持部の前記係合爪部が前記ナットの前記鍔部の前記一端側とは反対側の端面に係合することによって、前記ナットの中心線方向の移動が規制される、
という構成であってもよい。
このような構成によれば、ナットの中心線方向の移動が規制されるから、ボルトの頭部の位置決めの効果の確実性を高めることができる。
前記第一ナット保持部の内周面には、前記ナット挿入孔の中心線方向視において前記ナット挿入孔の中心側に向かって突出するリブ状の保持突起が設けられており、
前記保持突起は前記ナットの外周面に接触している、
という構成であってもよい。
このような構成によれば、ナットの軸線方向の移動および回転が規制されるから、ボルトの頭部の位置決めの効果の確実性を高めることができる。
前記フレームは所定の方向に長い長尺の形状を有しており、
前記回転規制部と、前記ナット保持部に保持されている前記ナットに螺合している前記ボルトの前記頭部とは、前記所定の方向に隣接しており、
前記回転規制部の前記所定の方向に直角な方向の寸法は前記ボルトの前記軸部の外径よりも大きい、
という構成であってもよい。
このような構成によれば、フレームをパネル部材に取り付ける際に、ボルトがパネル部材に接触することが防止または抑制される。このため、ボルトによってパネル部材またはパネル部材の塗装を傷つけることが防止または抑制される。
前記回転規制部は前記所定の方向に直角な方向に長い長尺形状を有しており、
前記回転規制部は、前記ボルトの前記頭部に係合することにより、前記ボルトを、前記ボルトの前記頭部の長尺方向が前記所定の方向に略直角な向きに保持する、
という構成であってもよい。
このような構成であると、フレームの前記所定の方向の寸法を小さくできる。したがって、車両用のドアハンドル装置の小型化を図ることができる。
図1は、ドアハンドル装置の分解斜視図である。 図2Aは、ナットの構成例を示す斜視図である。 図2Bは、ナットの構成例を示す斜視図である。 図3は、ベースフレームの当接部およびその近傍の構成を示す斜視図である。 図4は、ベースフレームの当接部およびその近傍の構成を示す斜視図である。 図5は、ベースフレームの当接部およびその近傍の構成を示す斜視図である。 図6は、保持突起の構成を示す図である。 図7は、ベースフレームにナットおよびボルトが組付けられた状態を示す断面図である。 図8は、ベースフレームにナットおよびボルトが組付けられた状態を示す断面図である。 図9は、ドアハンドル装置のアウタパネルへの組付け構造を示す斜視図である。 図10は、ボルトとナットによりアウタパネルが挟まれている状態を示す図である。 図11は、ボルトとナットによりアウタパネルが挟まれている状態を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。以下の説明では、車両用のドアハンドル装置10を、単に「ドアハンドル装置10」と略して記すことがある。また、以下の説明では、ドアハンドル装置10およびドアハンドル装置10を構成する各部材の向きは、ドアハンドル装置10が組付けられる車両の向きを基準とする。各図においては、ドアハンドル装置10およびドアハンドル装置10を構成する部材の前側を矢印Frで示し、後側を矢印Rrで示し、上側を矢印Upで示し、下側を矢印Dwで示し、車外側を矢印Outで示し、車内側を矢印Inで示す。
図1は、ドアハンドル装置10の分解斜視図であり、ドアハンドル装置10を車外側から見た図である。ドアハンドル装置10は、複数の構成部材が一体状に組付けられたアセンブリ(「アッシー」と称することもある)として構成されている。ドアハンドル装置10を構成する複数の部材には、ベースフレーム11と、ボルト12と、ナット13と、アウトサイドドアハンドル14と、前側パッド部材15と、後側パッド部材16と、キャップ部材17とが含まれる。そして、ドアハンドル装置10は、本発明のパネル部材の例であるアウタパネル80に取り付けられる。アウタパネル80は、車両ドアの車外側の表面を構成する板状の部材であり、金属板により形成されている。なお、アウタパネル80におけるドアハンドル装置10が組付けられる箇所には、前後方向に離れた位置に2か所の開口部である前側開口部801と後側開口部802とが設けられている。前側開口部801の内周面の後端(後辺)には、更に後側に延伸する溝状部803が設けられている。換言すると、溝状部803は、前後方向に延伸する長孔である。そして溝状部803の前端は前側開口部801に繋がっている。この溝状部803の上下方向寸法は、後述するベースフレーム11の回転規制部33を挿入可能な寸法に設定される。
ベースフレーム11は、本発明のフレームの例である。ベースフレーム11は、樹脂材料により成形されており、所定の方向に長い長尺の棒状の形状を有している。そして、ベースフレーム11は、その長尺方向が車両の前後方向に略平行な向きで、アウタパネル80の車内側(すなわち車両ドアの内部)に配置され、アウタパネル80に取り付けられる。ベースフレーム11は、車内側からナット13を取り付けることができるように構成されるとともに、取り付けられたナット13をその先端側の面(端面)が車外側に露出する状態で保持できるように構成される。
ベースフレーム11の長尺方向の一端寄り(アウタパネル80に取り付けられた状態で車両の前側寄り)の部分には、アウタパネル80の車内側の面(以下、「内面804」と記す)に接触する当接部30が設けられている。この当接部30は、アウタパネル80の内面804(図10および図11参照)に略平行な板状の部分である(または、当接部30は、アウタパネル80の内面804に略平行な板状の部分を含んでいる)。そして、ドアハンドル装置10がアウタパネル80に取り付けられた状態では、当接部30の車外側の面がアウタパネル80の内面804に対向して接触する。
当接部30には、後述するナット13の筒状部131を挿入可能なナット挿入孔31が設けられている。当接部30の車内側には、ナット13を保持可能に構成されているナット保持部32がベースフレーム11に一体に設けられている。当接部30の車外側(アウタパネル80の内面804に対向する側)には、ナット13に螺合されたボルト12のベースフレーム11に対する回転を規制する突起状の回転規制部33がベースフレーム11に一体に設けられる。なお、ナット挿入孔31、ナット保持部32および回転規制部33の構成の詳細については後述する。
ボルト12およびナット13は、アウタパネル80を車外側と車内側とから挟むことによってベースフレーム11をアウタパネル80(すなわち車両ドア)に固定(締結)するための部材である。ボルト12およびナット13は、いずれも金属製の部材である。ボルト12は、外周にネジ(雄ネジ)が設けられている軸部121(ネジ部)と、軸部121の軸線方向の一端側に設けられている頭部122とを有している。頭部122は、軸部121の軸線方向視において、所定の方向に長い長尺の板状の形状を有している。そして、頭部122のこの所定の方向の寸法は、アウタパネル80の前側開口部801の溝状部803の上下方向寸法よりも大きい。このため、溝状部803の内部にボルト12の軸部121が入り込んでおり、ボルト12の頭部122がアウタパネル80の車外側に位置している状態で、ボルト12の頭部122の長尺方向の両端部は、アウタパネル80の車外側の面(より具体的には溝状部803の上側に位置する部分と下側に位置する部分のそれぞれの部分)に重畳することができる。本実施形態では、ボルト12の頭部122の形状(軸部121の軸線方向視における形状)が略長方形である構成を示す。ナット13は、ボルト12の軸部121が螺合可能な雌ネジが設けられている筒状部131(ネジ部)を有している。なお、ナット13の構成の詳細については後述する。
このほか、ベースフレーム11は、ヒンジ部34と、アーム部収容部35と、脚部収容部36とを有するとともに、レバー部材37と付勢部材(図略)とが組付けられている。ヒンジ部34は、アウトサイドドアハンドル14のアーム部141を回転可能に支持する部分である。アーム部収容部35は、アウトサイドドアハンドル14のアーム部141を挿抜自在に収容できる開口部である。脚部収容部36は、アウトサイドドアハンドル14の脚部142を挿抜自在に収容できる開口部である。レバー部材37は、アウトサイドドアハンドル14の脚部142に係合可能な部材である。付勢部材は、レバー部材37を所定の方向に付勢することで、レバー部材37に係合しているアウトサイドドアハンドル14の脚部142を車内側に向けて付勢する。なお、ヒンジ部34、アーム部収容部35、脚部収容部36、レバー部材37および付勢部材の構成は特に限定されるものではなく、公知の各種構成が適用できる。
アウトサイドドアハンドル14は、長尺棒状の形状を有するグリップタイプのハンドルであり、その長尺方向が車両の前後方向に略平行な向きでベースフレーム11に組付けられる。アウトサイドドアハンドル14の前端部には、車内側に突出するアーム部141が設けられている。アーム部141は、ベースフレーム11のヒンジ部34に回転可能に連結される部分である。アウトサイドドアハンドル14の後側寄りの位置には、車内側に突出する脚部142が設けられている。脚部142は、レバー部材37に係合する部分である。また、脚部142は、図略の連結ロッドを介して図略のドアロック機構に連結されるように構成される。アウトサイドドアハンドル14がヒンジ部34を中心として車外側に回転すると、その動きが連結ロッドを介してドアロック装置のラッチ機構に伝達され、ラッチ機構がラッチ状態からアンラッチ状態に切り替わる。なお、アウトサイドドアハンドル14の構成は特に限定されるものではなく、従来公知の各種構成が適用できる。
前側パッド部材15は非金属材料製の部材であり、典型的には樹脂材料製の部材である。前側パッド部材15は、アウタパネル80の前側開口部801の周囲を囲み、アウトサイドドアハンドル14とアウタパネル80の間に介在するように配置される部材であり、アウタパネル80に傷がつくことを防止する機能、防音機能および防水機能を有する。
前側パッド部材15は、シール部151と、パネル係合部152と、回転規制部挿通孔153とを有している。シール部151は、アウトサイドドアハンドル14とアウタパネル80との間に介在することで、これらの間の隙間をシールする部分である。パネル係合部152は、アウタパネル80の前側開口部801の内周縁部に係合可能に構成される部分であり、例えば、車内側に突出し、上下方向視において略L字形状の鉤状の構成が適用できる。回転規制部挿通孔153は、ベースフレーム11の回転規制部33が挿通される開口部(貫通孔)である。ベースフレーム11および前側パッド部材15がアウタパネル80に取り付けられた状態で、回転規制部33が回転規制部挿通孔153に挿通されることにより、ベースフレーム11の回転規制部33と前側パッド部材15との干渉が防止される。
後側パッド部材16は、前側パッド部材15と同様に非金属材料製の部材であり、典型的には樹脂材料製の部材である。後側パッド部材16は、アウタパネル80に傷がつくことを防止する機能、防音機能および防水機能を有する。そして、後側パッド部材16は、アウタパネル80の後側開口部802の周囲を囲み、アウタパネル80とアウトサイドドアハンドル14との間に介在するように配置される。キャップ部材17は、アウタパネル80の後側開口部802の一部を塞ぐように、後側パッド部材16の車外側に重ねて配置される部材である。なお、後側パッド部材16とキャップ部材17の構成は特に限定されるものではなく、従来公知の各種構成が適用できる。
ここで、ナット13の構成について、図2Aおよび図2Bを参照して説明する。図2Aおよび図2Bは、ナット13の構成例を示す斜視図である。ナット13は、筒状部131と鍔部132とを有している。筒状部131は、その軸線方向の一端側(以下、「先端側」と記す)が開口し他端側(以下、「基端側」と記す)が閉鎖している有底の円筒状の形状を有している。筒状部131の内周部には、先端側からボルト12の軸部121を螺合可能な雌ネジが設けられている。筒状部131の基端側の端面には工具孔133が設けられている。工具孔133は、有底の孔(換言すると窪み)であり、ナット13を回転させるための工具を挿入可能に構成される。このように、ナット13は、その側面にアクセスできなくても、基端側の端面にアクセスすることにより回転させることができるように構成されている。
鍔部132は、筒状部131の外周面の基端側の端面近傍に設けられる。鍔部132は、筒状部131の半径方向外側に突出し円周方向に延伸するリング状の突起である。鍔部132の基端側の面には、後述する第二ナット保持部42の係合突起部422が係合可能(具体的には嵌まり込むことが可能)な複数の係合凹部134が設けられている。各係合凹部134は、筒状部131の先端側に向かって窪む凹部である。これら係合凹部134の数および位置は特に限定されるものではないが、例えば、4つの係合凹部134が、鍔部132の円周方向に等間隔に設けられる。
このようなナット13には、例えばトルクスナット(「トルクス」は、アキュメント インテレクチュアル プロパティーズ エルエルシーの登録商標)が適用できる。
次に、ベースフレーム11の当接部30、ナット挿入孔31、ナット保持部32および回転規制部33の構成について説明する。図3および図4は、ベースフレーム11の当接部30およびその近傍の構成を示す斜視図であり、車内側から見た図である。なお、図3は、ナット13がベースフレーム11に取り付けられる前の状態を示し、図4は、ナット13がベースフレーム11にとりつけられた状態を示す。図5は、ベースフレーム11の当接部30およびその近傍の構成を示す斜視図であり、車外側から見た図である。
当接部30には、ナット挿入孔31、ナット保持部32および回転規制部33が設けられている。ナット挿入孔31は、当接部30の厚さ方向(換言すると、アウタパネル80に取り付けられた状態において、アウタパネル80の内面804のうちの当接部30に接触する部分の板厚方向)に貫通する貫通孔である。そして、ナット挿入孔31は、ナット13の筒状部131を挿入可能であるがナット13の鍔部132は挿入不可能な形状および寸法を有する。具体的には、ナット挿入孔31は丸孔であり、その内径は、ナット13の筒状131の外径よりも大きく、ナット13の鍔部132の外径よりも小さい。
ナット保持部32には、第一ナット保持部41と第二ナット保持部42とが含まれる。第一ナット保持部41および第二ナット保持部42は、当接部30の車内側に設けられる。第一ナット保持部41は、当接部30から車内側に向かって突出する立壁状の部分であり、ナット挿入孔31の中心線C方向視(貫通方向視)において、ナット挿入孔31を囲むように設けられている。以下、ナット挿入孔31の中心線Cを単に「中心線C」と記す。また、「中心線C方向視」とは、「ナット挿入孔31の中心線C方向視」を意味する。本実施形態では、中心線C方向視において略半円形状(円弧形状)の2つの第一ナット保持部41が、それらの内周面どうしが対向するように設けられている。第一ナット保持部41の内径(2つの第一ナット保持部41の内周面を含む円筒の内径)はナット挿入孔31の内径と同じであり、第一のナット保持部41の内周面とナット挿入孔31の内周面とは段差なく繋がっている。
第一ナット保持部41の車内側への突出寸法は、第一ナット保持部41およびナット挿入孔31に車内側からナット13を挿入し、挿入したナット13の鍔部132の先端側の端面を第一ナット保持部41の車内側の端面に接触させた場合に、ナット13の先端側の端面の中心線C方向の位置が当接部30の車外側の面の中心線C方向の位置と略一致するような寸法に設定される。具体的には、当接部30の車外側の面から第一ナット保持部41の車内側の端面までの距離は、ナット13の先端側の端面からナット13の鍔部132の先端側の面までの距離と略同じである。
第一ナット保持部41の内周面には、保持突起411が設けられている。保持突起411は、中心線C方向視において、第一ナット保持部41の内周面からナット挿入孔31の中心に向かって突出し、第一ナット保持部41の突出方向に平行な方向(ナット挿入孔31の中心線Cに平行な方向)に延伸するリブ状の形状を有している。この保持突起411は、ナット挿入孔31の中心から半径方向外側に向かって押圧する荷重を受けた場合に、第一ナット保持部41が変形するよりも先に変形するような強度を有している。そして、この保持突起411は、ナット13の筒状部131が第一ナット保持部41の内周側に挿入された場合に、ナット13の筒状部131の外周面に押されて弾性変形または塑性変形することによって、ナット13の筒状部131の外周面に接触した状態を保持するように構成される。
図6は、保持突起411の構成を示す図であり、中心線C方向視の図である。図6に示すように、中心線C方向視において、2つの第一ナット保持部41のそれぞれの内周面に、保持突起411が設けられる。各第一ナット保持部41の内周面にそれぞれ設けられる保持突起411は、ナット挿入孔31の中心線Cを挟んで対向する。換言すると、各第一ナット保持部41の内周面にそれぞれ設けられる保持突起411は、ナット挿入孔31の中心線Cに関して点対称の位置に位置する。そして、保持突起411どうしの間隔は、ナット13の筒状部131の外径よりも小さい。換言すると、複数の保持突起411の先端(中心線C方向視において、ナット挿入孔31の中心線Cに近い側の端部)を通過する円A(または、複数の保持突起411の先端を通過するとともに第一ナット保持部41の内周面に内接する円A)の直径は、ナット13の筒状部131の外径よりも小さい。このような構成であると、ナット13が第一ナット保持部41の内周側に挿入されると、ナット13の筒状部131の外周面が保持突起411を半径方向外側に向かって押し、保持突起411を圧縮変形(弾性変形または塑性変形)させる。このため、保持突起411は、ナット13の筒状部131の外周面に接触した状態に保持される。
第二ナット保持部42は、中心線C方向視において、ナット挿入孔31の周縁よりも外側に設けられている。本実施形態では、2本の第二ナット保持部42が、中心線C方向視においてナット挿入孔31の中心線Cを挟んで対向して設けられる。また、2本の第二ナット保持部42は、中心線C方向視において、ナット挿入孔31の周方向に関して2つの第一ナット保持部41どうしの間に設けられる。
第二ナット保持部42は、当接部30から車内側に向かって突出する棒状の部分(以下、「棒状部421」と記す)と、この棒状部421の先端に設けられている係合突起部422とを有している(図3参照)。第二ナット保持部42の棒状部421は、その先端側(車内側)がナット挿入孔31の中心線Cから離れる方向に弾性変形可能である。第二ナット保持部42の係合突起部422は、中心線C方向視においてナット挿入孔31の中心側に向かって突出する突起状の部分であり、ナット13の鍔部132の基端側の面に係合可能な部分である。そして、第二ナット保持部42は、その係合突起部422がナット13の鍔部132の基端側の面に接触することによって、ナット13がベースフレーム11から分離しないようにナット13を保持する。係合突起部422の車外側の端部は、中心線Cに対して略直角である(図7参照)。これに対して、係合突起部422の内周側(中心線C方向視においてナット挿入孔31の中心を向く側)の面は、車内側から車外側に向かうにしたってナット挿入孔31の中心線Cからの距離が小さくなるように傾斜している。
さらに、第二ナット保持部42の係合突起部422は、ナット13の鍔部132に設けられている係合凹部134に挿抜可能に嵌まり込むことができるように構成されている。また、係合凹部134に嵌まり込んだ係合突起部422を係合凹部134から抜くことを容易にするために、係合凹部134の形状を、例えば、車外側に向かうにしたがって幅(特に、中心線C方向視において、中心線Cを中心とする円の周方向の寸法)が細くなる先細り形状にすることができる。
回転規制部33は、当接部30から車外側に向かって突出する突起状(換言すると棒状或いは立壁状)の部分であり、ベースフレーム11に一体に設けられている。回転規制部33は、ベースフレーム11に取り付けられた(ナット保持部32に保持された)ナット13に螺合されたボルト12のベースフレーム11に対する回転を規制する機能を有している。特に、回転規制部33は、ボルト12の頭部122の長尺方向が上下方向(ベースフレーム11の長尺方向に略直角な方向)に略平行な向きになるように、ボルト12の頭部122を保持する。
図1に示すように、回転規制部33は、ナット挿入孔31に近接して設けられる。具体的には、回転規制部33は、ナット挿入孔31の後ろ側(ベースフレーム11の長尺方向の一側)に位置するように設けられる。また、回転規制部33は、ベースフレーム11の長尺方向に直角な方向(アウタパネル80に取り付けられた状態での上下方向)に長い長尺形状を有している。例えば、回転規制部33は、中心線C方向視において長方形または略「D」字形状を有している。そして、回転規制部33は、その側面(具体的にはナット挿入孔31に近い側の側面)がボルト12の頭部122の側面に接触することによって、ボルト12のベースフレーム11に対する回転を規制する。
回転規制部33の上下方向寸法(ベースフレーム11の長尺方向に直角な方向の寸法)は、ボルト12の軸部121の外径よりも大きい。そして、回転規制部33の上端(上辺)はナット13に螺合されたボルト12の軸部121の上端よりも上側に位置しており、回転規制部33の下端(下辺)の上下方向位置は当該ボルト12の下端よりも下側に位置する。
回転規制部33は、ベースフレーム11がアウタパネル80に取り付けられた状態では、アウタパネル80の前側開口部801の後辺に設けられる溝状部803に嵌まり込むとともに、アウタパネル80の車外側の面から車外側に突出する。また、回転規制部33は、アウタパネル80の溝状部803に嵌まり込んだ状態では、溝状部803の内周面に接触している(隙間が無い)ことが好ましい。このような構成を実現するため、回転規制部33の上下方向寸法(ベースフレーム11の長尺方向に直角な方向の寸法)は、アウタパネル80に設けられる溝状部803の上下方向寸法と同じか、それよりもわずかに小さい。なお、前記のとおり、アウタパネル80の溝状部803の上下方向寸法はボルト12の頭部122の長尺寸法よりも小さいため、回転規制部33の上下方向寸法はボルト12の頭部122の長尺寸法よりも小さい。また、回転規制部33と溝状部803とが接触した状態にするため、回転規制部33の上面には上側に突出するリブが設けられ、回転規制部33の下面には下側に突出するリブが設けられてもよい。この場合、回転規制部33の上面に設けられるリブの上端と回転規制部33の下面に設けられるリブの下端との距離は、アウタパネル80の溝状部803の上下方向寸法と略同じか、またはそれよりもわずかに大きい。そして、嵌め込まれた状態でこれらのリブが上下方向に圧縮変形(弾性変形または塑性変形)することによって、回転規制部33と溝状部803の内周面とが隙間なく接触する状態に維持できる。
次に、ベースフレーム11へのボルト12およびナット13の組付けおよびベースフレーム11のアウタパネル80への組付けについて説明する。図7および図8は、ベースフレーム11にボルト12およびナット13が組付けられた状態を示す断面図である。なお、図7は、前後方向に直角な面で切断した断面図であり、図8は上下方向に直角な面で切断した断面図である。図7および図8に示すように、ナット13の先端側(開口側)の面が車外側を向く向きで、車内側から第一ナット保持部41および第二ナット保持部42の内周側にナット13の筒状部131を挿入する。第二ナット保持部42の係合突起部422のナット挿入孔31の中心線C側を向く面は前記のとおり傾斜しているから、ナット13の鍔部132が第二ナット保持部42の係合突起部422に接触すると、係合突起部422はナット13の鍔部132によってナット挿入孔31の中心線Cから離れる方向に押される。これにより、第二ナット保持部42の棒状部421が弾性変形する。このため、ナット13の鍔部132を、第二ナット保持部42の係合突起部422よりも車外側に押し込むことができる。
そして、ナット13の鍔部132が第二ナット保持部42の係合突起部422を車内側から車外側に越えると、図8に示すように、ナット13の鍔部132の先端側の端面は第一ナット保持部41の車内側の端面に接触できる状態になる。また、第二ナット保持部42は元の形状に戻るため、第二ナット保持部42の係合突起部422はナット13の鍔部132の基端側の面に係合できる状態になる。そして、ナット13の鍔部132の係合凹部134と第二ナット保持部42の係合突起部422との位置を一致させることにより、第二ナット保持部42の係合突起部422がナット13の鍔部132の係合凹部134に嵌まり込んだ状態にできる。
このようにナット13がナット保持部32に挿入されると、第一ナット保持部41と第二ナット保持部42とによりナット13の鍔部132が挟まれる。このため、ナット13の中心線C方向の移動が規制される。具体的には、ナット13の鍔部132の先端側の面が第一ナット保持部41の車内側の端面に接触することにより、ナット13が車外側に移動することが規制される。一方、ナット13の鍔部132の基端側の面に第二ナット保持部42の係合突起部422が係合するため、ナット13の車内側への移動が規制される。したがって、ナット13は第一ナット保持部41および第二ナット保持部42によって、ベースフレーム11に対する中心線C方向の移動が規制されている状態で、ベースフレーム11から離脱しないように保持される。
さらに、第二ナット保持部42の係合突起部422がナット13の鍔部132の係合凹部134に嵌まり込むことによって、ナット13のベースフレーム11に対する回転が規制される。さらに、第一ナット保持部41の内周面に設けられている保持突起411がナット13の筒状部131の外周面に接触しているため、ナット13の外周面と保持突起411との摩擦力が、ナット13のベースフレーム11に対する回転の抵抗になる。このため、ベースフレーム11に対して振動が加わった場合などには、係合突起部422によってナット13のベースフレーム11に対する回転が防止または抑制される。ただし、前記のとおり、第二ナット保持部42の係合突起部422は、ナット13の鍔部132の係合凹部134に挿抜可能に係合するため、工具などを使用してナット13に所定の回転トルク以上の回転トルクを加えた場合には、係合突起部422が係合凹部134から抜け出ることによって、ナット13をベースフレーム11に対して回転させることができる。
そして、ナット13がナット保持部32によってベースフレーム11から離脱できないように保持されている状態では、ナット13の筒状部131の先端側の端面は当接部30の車外側に露出する。このため、当接部30の車外側からボルト12をナット13に螺合できる。なお、この状態では、ナット13の筒状部131の先端側の端面と当接部30の車外側の面の中心線C方向の位置はほぼ一致する。また、ナット13の基端側の端面は、ベースフレーム11の車内側に露出しており、ベースフレーム11の車内側からアクセス可能である。このため、ナット13の工具孔133に工具を差し込むことによって、ナット13を回転させることができる。
そして、ベースフレーム11にナット13が保持された状態で、ボルト12を車外側からナット13に螺合させる。例えば、ベースフレーム11の車外側からボルト12の軸部121をナット13にあてがい、ナット13を回転させることによってボルト12とナット13を螺合させる。このときナット13の回転に伴いボルト12が車内側に引き込まれていき、ボルト12の頭部122と回転規制部33とは前後方向(ベースフレーム11の長尺方向)に互いに隣接する。そして、ボルト12の頭部122が当接部30の車外側の面から所定の距離だけ離間している状態にする。なお、この距離は、アウタパネル80の厚さよりも大きく、回転規制部33の突出寸法よりも小さい距離である。この距離の具体的な値は特に限定されないが、例えば約5mmが適用される。
図7および図8に示すように、当接部30の車外側の面からボルト12の頭部122までの距離が回転規制部33の突出寸法よりも小さい距離であると、ボルト12の頭部122の側面が回転規制部33に接触可能な状態になる。また、頭部122の断面形状は略長方形状であるので、ボルト12の頭部122の側面が回転規制部33に接触することによって、ボルト12のベースフレーム11に対する回転が規制される。
なお、回転規制部33は、ボルト12の頭部122の側面に接触することによって、ボルト12の頭部122をその長尺方向が上下方向に略平行な向きに保持するように構成される。具体的には、回転規制部33は、ナット保持部32に保持されているナット13に螺合したボルト12の頭部122の長辺が接触する位置に設けられている。より具体的には、中心線C方向視において、ナット挿入孔31の中心から回転規制部33の前側の面(ナット挿入孔31に近い側の面)までの距離は、ボルト12の頭部122の短辺の寸法の約1/2またはそれよりもわずかに大きい距離であり、ボルト12の頭部122の長辺の寸法の1/2未満の距離である。
また、ナット13の鍔部132がナット保持部32挟まれることによって、ナット13はベースフレーム11に対する中心線C方向の移動が規制されるから、ボルト12の頭部122は、ベースフレーム11の当接部30の車外側の面から所定の距離をおいて離間している状態に保持される。さらに、第二ナット保持部42の係合突起部422がナット13の鍔部132の係合凹部134に係合することによってナット13のベースフレーム11に対する回転が規制されるから、「ナット13の回転によるボルト12の頭部122の中心線C方向の移動」が防止される。したがって、ボルト12の頭部122の中心線C方向の移動(すなわち、当接部30の車外側の面からボルト12の頭部122までの距離の変動)およびボルト12の離脱が防止される。
そして、この状態で、ドアハンドル装置10はアウタパネル80に組付けられる。図9は、ドアハンドル装置10のアウタパネル80への組付け構造を示す斜視図である。図9に示すように、ボルト12の頭部122をアウタパネル80の車内側から前側開口部801を通じて車外側に突出させる。そして、ボルト12の頭部122がアウタパネル80の車外側に位置する状態を保持しつつ、ベースフレーム11を後ろ側に移動させることにより、ベースフレーム11の回転規制部33およびボルト12の軸部121をアウタパネル80の溝状部803に挿入する。
回転規制部33は、ボルト12の頭部122の後ろ側に位置している。そして、回転規制部33の上下方向寸法は、溝状部803の上下方向寸法と略同じであり、ボルト12の軸部121の外径よりも大きい。さらに、回転規制部33の上端(上辺)はナット13に螺合しているボルト12の軸部121の上端よりも上側に位置しており、回転規制部33の下端(下辺)はナット13に螺合しているボルト12の軸部121の下端よりも下側に位置している。このため、回転規制部33およびボルト12の軸部121を溝状部803に挿入する際に、樹脂製の回転規制部33の上面および下面が溝状部803の内周面に接触することで、金属製のボルト12の軸部121がアウタパネル80に接触することが防止または抑制される。したがって、ボルト12の軸部121の接触により、アウタパネル80に傷が付くことやアウタパネル80の塗装が剥離することが防止または抑制される。
そして、この状態で、ナット13を回転させることによってボルト12の頭部122をナット13の先端側の端面に接近させ、ボルト12とナット13とによってアウタパネル80を挟む。ボルト12は回転規制部33によってベースフレーム11に対する回転が規制されるから、ナット13を回転させることによって、ボルト12の頭部122をナット13の先端側の端面に接近させることができる。このようにして、ボルト12及びナット13により、ドアハンドル装置10がアウタパネル80に固定(締結)される。
図10および図11は、ボルト12とナット13によりアウタパネル80が挟まれている状態を示す図である。なお、図10は、前後方向に直角な面で切断した断面図であり、図11は上下方向に直角な面で切断した断面図である。図10および11に示すように、ナット13の先端側の端面がアウタパネル80の車内側の面に直接に接触し、ボルト12の頭部122の車内側の面がアウタパネル80の車外側の面に直接に接触する。これにより、ベースフレーム11がアウタパネル80に固定(締結)される。
そして、アウタパネル80の車外側に、アウタパネル80の前側開口部801を囲むように前側パッド部材15が取り付けられ、アウタパネル80の後側開口部802を囲むように後側パッド部材16が取り付けられる。この際、前側パッド部材15の回転規制部挿通孔153に回転規制部33が挿通されることによって、前側パッド部材15と回転規制部33との干渉が防止される。更に、車外側からキャップ部材17がアウタパネル80に取り付けられるとともに、アウトサイドドアハンドル14がベースフレーム11に対して回転可能に取り付けられる。
本発明の実施形態によれば、ベースフレーム11のナット保持部32(第一ナット保持部41および第二ナット保持部42)に保持されている金属製のナット13とこのナット13に螺合されている金属製のボルト12が、樹脂製のベースフレーム11を介さずに直接にアウタパネル80を挟む(金属製のボルト12とナット13が直接アウタパネル80に接触する)。そして、ボルト12とナット13がアウタパネル80を挟むことによって、ベースフレーム11がアウタパネル80(車両ドア)に固定される。
このため、本実施形態によれば、樹脂材料からなるベースフレーム11を介して締結される構成(具体的には、ボルト12とナット13とによってベースフレーム11をアウタパネル80とともに挟む構成)に比較して、アウタパネル80を挟持する強度(すなわち、ドアハンドル装置10の車両ドアに対する取付強度)を高めることができる。特に、樹脂材料は高温環境下では軟化することがあるため、ベースフレーム11を介してアウタパネル80を挟む構成では、高温環境下ではボルト12とナット13の軸力(ボルト12とナット13による軸線方向の圧縮力をいう)が低下することがある。これに対して、本実施形態によれば、ボルト12とナット13が直接にアウタパネル80を挟んでいるため、ベースフレーム11が軟化してもボルト12とナット13の軸力は低下しない。したがって、高温環境下における取付強度の低下を防止できる。
また、本実施形態によれば、ベースフレーム11がアウタパネル80に取り付けられる前の時点で、ボルト12がベースフレーム11に離脱しないように保持されているため、作業内容の簡素化を図ることができる。具体的には、ボルト12がベースフレーム11にあらかじめ保持されていないと、ベースフレーム11をアウタパネル80に取り付ける際に、ベースフレーム11をアウタパネル80の車内側に配置するとともに、ボルト12を車外側から取り付けなければならない。これに対して、本実施形態によれば、ベースフレーム11をアウタパネル80に取り付ける際に、ボルト12を取り付ける作業が不要である。さらに、本実施形態によれば、ボルト12の頭部122が当接部30の車外側の面から所定の距離だけ離間した状態に保持される(換言すると、ボルト12の頭部122の中心線C方向の位置が変化することが防止される)。このため、ベースフレーム11をアウタパネル80に取り付ける際に、ボルト12の頭部122を位置決めするという作業が不要である。このように、本実施形態によれば、ベースフレーム11の車両ドアへの組付けの作業性の向上を図ることができる。
なお、本実施形態では、第二ナット保持部42の係合突起部422がナット13の鍔部132に設けられている係合凹部134に挿抜可能に嵌まり込んでいる。このような構成であると、振動などによるナット13の回転を防止できる一方で、工具などを用いることによってナット13を回転させることができる。このため、ベースフレーム11をアウタパネル80に取り付ける際の作業性の低下を招くことなく、振動などに起因するボルト12の頭部122の軸線方向の移動を防止または抑制できる。
さらに、本実施形態によれば、第一ナット保持部41の内周面には保持突起411が設けられており、この保持突起411が圧縮変形している状態でナット13の筒状部131の外周面に接触する。このため、保持突起411からナット13の筒状部131に対して圧力がかかる。よって、ナット13がベースフレーム11に対して回転しようとする際には、この圧力に応じた摩擦力が、ナット13のベースフレーム11に対する回転を阻止する力として作用する。したがって、ナット13の回転が規制されるから、ボルト12の頭部122の位置決めの効果の確実性を高めることができる。一方で、この摩擦力に抗してナット13を回転させることができるから、ベースフレーム11をアウタパネル80に取り付ける際の作業性の低下を招かない。
また、ボルト12のベースフレーム11に対する回転が回転規制部33により規制されているから、ドアハンドル装置10をアウタパネル80に取り付ける際には、ナット13を回転させるだけでよい。すなわち、「ボルト12が連れ回りしないように工具などによってボルト12を保持する」という作業は不要である。さらに、回転規制部33はベースフレーム11に一体に設けられている。このため、例えばボルト12が前側パッド部材15に取り付けられる構成とは異なり、ベースフレーム11をアウタパネル80に取り付ける際に、前側パッド部材15にナット12の回転による締結トルクが掛からない。特に、前側パッド部材15は防水機能などを有するため、変形しやすい材料により形成されている。このため、前側パッド部材15にボルト12が固定される構成では、ナット13の回転による締結トルクによって前側パッド部材15が変形するおそれがある。これに対して本実施形態によれば、ナット13の回転による締結トルクは回転規制部33によって受けられ、前側パッド部材15には加わらない。このため、前側パッド部材15に変形が生じないようにできる。
さらに、本実施形態によれは、ベースフレーム11に一体に設けられているナット保持部32(第一ナット保持部41および第二ナット保持部42)によってナット13の中心線C方向の移動および回転が規制され、ベースフレーム11に一体に設けられている回転規制部33によってボルト12のベースフレーム11に対する回転が規制される。そして、ボルト12およびナット13の回転が規制されることによって、ボルト12の頭部122が当接部30の車外側の表面から所定の距離をおいて離間している状態(換言すると、ベースフレーム11に対する中心線C方向の位置が位置決めされた状態)に保持される。このように、本実施形態によれば、ベースフレーム11とは別体の部材を用いることなく、ボルト12の頭部122をベースフレーム11に対して位置決めされた状態に保持できる。したがって、カラーおよびブッシュなどといった、ベースフレーム11とは別体の部材を用いてボルト12の頭部122を位置決めする構成に比較して、ドアハンドル装置10の構成部材の数の削減を図ることができる。
また、本実施形態では、回転規制部33は上下方向に長い形状を有しており、ボルト12の頭部122は長尺方向が上下方向に略平行な向きに保持される。したがって、このような構成であると、ベースフレーム11の前後方向の寸法を小さくできる。したがって、ドアハンドル装置10の小型化を図ることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されない。本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲において改変が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に含まれる。
前記実施形態では、第一ナット保持部41が中心線C方向視において略円弧形状(略半円形状)である構成を示したが、第一ナット保持部41の形状は半円形状に限定されるものではなく、かつ、第一ナット保持部41の数は2つに限定されるものではない。例えば、第一ナット保持部41は、貫通孔が設けられた筒状の形状を有していてもよい。この場合、第一ナット保持部41の貫通孔とナット挿入孔31とは同軸であり、かつ、第一ナット保持部41の貫通孔の内径はナット挿入孔31の内径と同じである。また、3つ以上の略円弧形状の第一ナット保持部41が、中心線C方向視において、ナット挿入孔31の周方向に並ぶように設けられていてもよい。この場合、中心線C方向視において、各第一ナット保持部41の内周面の曲率の中心がナット挿入孔31の中心と同じ位置であり、かつ、各第一ナット保持部41の内周面の曲率半径がナット挿入孔31の内径(半径)と同じであればよい。また、第一ナット保持部41の外周面の形状は特に限定されない。また、第二ナット保持部42の数および位置は特に限定されるものではない。例えば、1本または3本以上の第二ナット保持部42が設けられる構成であってもよい。
また、回転規制部33の形状も長方形または略「D」字形状に限定されない。回転規制部33は、ボルト12の頭部122に係合する(接触する)ことによってボルト12の回転を規制できる形状であればよい。
10…ドアハンドル装置、11…ベースフレーム、12…ボルト、13…ナット、31…ベースフレームのナット挿入孔、32…ベースフレームのナット保持部、33…ベースフレームの回転規制部、41…第一ナット保持部、42…第二ナット保持部、80…アウタパネル、131…ナットの筒状部、132…ナットの鍔部、134…ナットの鍔部の係合凹部

Claims (7)

  1. 樹脂材料により形成されており、車両ドアの車外側の面を構成するパネル部材の車内側に配置されるフレームと、
    外周にネジが設けられている軸部と、前記軸部の軸線方向視における形状が長尺形状である頭部と、を有する金属製のボルトと、
    軸線方向の一端側から前記ボルトの前記軸部が螺合可能なネジ孔が設けられている筒状部を有する金属製のナットと、
    を備え、
    前記フレームは、さらに、前記ナットの前記筒状部の前記一端側の端面が車外側に露出する状態で前記ナットを保持するナット保持部と、車外側に向かって突出しており前記ナットの前記筒状部に車外側から螺合されている前記ボルトの前記頭部に係合することによって前記ボルトの前記フレームに対する回転を規制する突起状の回転規制部と、
    を有している、車両用のドアハンドル装置。
  2. 請求項1に記載の車両用のドアハンドル装置であって、
    前記ナットは、前記筒状部の外周面から前記筒状部の外側に向かって突出し、前記筒状部の外周面の周方向に延伸する鍔部を有しており、
    前記フレームの前記ナット保持部は、前記鍔部の前記一端側の面に係合する第一ナット保持部と、前記鍔部の前記一端側とは反対側の面に係合する第二ナット保持部と、を有しており、
    前記ナットの前記鍔部が前記第一ナット保持部と前記第二ナット保持部とにより挟まれることにより、前記ナットが前記フレームに保持される、
    車両用のドアハンドル装置。
  3. 請求項2に記載の車両用のドアハンドル装置であって、
    前記ナットの前記鍔部の前記一端側とは反対側の面には凹部が設けられており、
    前記第二ナット保持部は、前記凹部に挿抜可能に嵌まり込んでいる、
    車両用のドアハンドル装置。
  4. 請求項2または請求項3に記載の車両用のドアハンドル装置であって、
    前記フレームは、前記ナットの前記筒状部の前記一端側の端部を挿入可能な貫通孔であるナット挿入孔が設けられているとともに、車外側の面が前記パネル部材の車内側の面に接触するように構成されている当接部を有し、
    前記第一ナット保持部は、前記当接部から車内側に向かって突出しており、内周側に前記ナットの前記筒状部を挿入可能に構成されており、
    前記第二ナット保持部は、前記当接部から車内側に向かって突出している棒状の形状を有しており、前記第二ナット保持部の車内側の端部には、前記ナット挿入孔の中心線方向視において、前記ナット挿入孔の中心側に向かって突出する係合爪部を有しており、
    前記第一ナット保持部の端面が前記ナットの前記鍔部の前記一端側の端面に係合し、前記第二ナット保持部の前記係合爪部が前記ナットの前記鍔部の前記一端側とは反対側の端面に係合することによって、前記ナットの中心線方向の移動が規制される、
    車両用のドアハンドル装置。
  5. 請求項4に記載の車両用のドアハンドル装置であって、
    前記第一ナット保持部の内周面には、前記ナット挿入孔の中心線方向視において前記ナット挿入孔の中心側に向かって突出するリブ状の保持突起が設けられており、
    前記保持突起は前記ナットの外周面に接触している、
    車両用のドアハンドル装置。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の車両用のドアハンドル装置であって、
    前記フレームは所定の方向に長い長尺の形状を有しており、
    前記回転規制部と、前記ナット保持部に保持されている前記ナットに螺合している前記ボルトの前記頭部とは、前記所定の方向に隣接しており、
    前記回転規制部の前記所定の方向に直角な方向の寸法は前記ボルトの前記軸部の外径よりも大きい、
    車両用のドアハンドル装置。
  7. 請求項6に記載の車両用のドアハンドル装置であって、
    前記回転規制部は前記所定の方向に直角な方向に長い長尺形状を有しており、
    前記回転規制部は、前記ボルトの前記頭部に係合することにより、前記ボルトを、前記ボルトの前記頭部の長尺方向が前記所定の方向に略直角な向きに保持する、
    車両用のドアハンドル装置。
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