JP2024051781A - 車両用のドアハンドル装置 - Google Patents

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拓也 小谷
伸和 荒木
研二 金子
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】部品点数が削減され、フレームのパネル部材に対する固定強度の低下が防止され、さらにパネル部材への組付けの作業性が高められた車両用のドアハンドル装置を提供する。【解決手段】ドアハンドル装置10aは、樹脂材料により形成されるベースフレーム11と、貫通孔であるネジ孔22が設けられた筒状部20を備えベースフレーム11に保持されているナット12と、ナット12に螺合可能なネジ部311を備えるとともにネジ部311の先端面に回転させるための工具を挿入可能な工具係合孔が設けられたボルト13とを備え、ベースフレーム11の車外側からナット12に螺合されたボルト13の頭部30とナット12とによって車両ドアのパネル部材を挟持することによって、ベースフレーム11がパネル部材に固定される。【選択図】図9

Description

本発明は、車両用のドアハンドル装置に関する。
特許文献1に記載の車両用のドアハンドル装置は、樹脂製のフレーム(特許文献1においては「ハンドル支持部材」と称される)を有している。このフレームには車幅方向に貫通する貫通孔が設けられており、この貫通孔には車外側から金属製の筒状のカラー(特許文献1においては「スペーサ」と称される)が挿入されており、このカラーには軸部と頭部とを有するナットの軸部が車外側から挿入されている。この貫通孔にはさらに車内側からボルトが挿入されており、ボルトはナットに螺合されている。特許文献1に記載の車両用のドアハンドル装置は、車両ドアに組付けられる前の時点では、カラーとナットの間にブッシュ(特許文献1においては「ナット位置規制部材」と称される)を介在させることにより、ナットの頭部がカラーから離れている状態に維持されるとともに、ナットおよびボルトの回転が規制される。
特許文献1に記載のドアハンドル装置を車両ドアに組付けるには、まず、車両ドアのパネル部材(アウタパネル)の所定の部分がカラーとナットの頭部との間に位置するように、パネル部材に対してドアハンドル装置を配置する。そして、その状態でボルトを回転させることによって、カラーとナットの頭部とによってパネル部材の前記所定の部分を挟持する。これにより、フレームがパネル部材に締結固定される。
特許文献1に記載のドアハンドル装置によれば、金属部品であるカラーおよびナットによってパネル部材が挟持されるから、フレームのパネル部材に対する固定強度を確保できる。これに対し、金属カラーが用いられずにフレームによってボルトとナットの軸力(ボルトとナットによる軸線方向の圧縮力)を受ける構成では、気温の上昇によって樹脂が軟化した場合に、フレームをパネル部材に固定する力(ボルトとナットの軸力)が低下する。従って、フレームの固定強度の点において、特許文献1に記載のドアハンドル装置は有利である。しかしながら、特許文献1に記載の車両用のドアハンドル装置においては、カラーとナットによりパネル部材を挟持する前にナットの頭部が浮いた状態にナットを保持するために、金属性のカラーおよびブッシュが必要である。このため、部品点数が多い。
特許第6304209号公報
(発明が解決しようとする課題)
上記実情に鑑み、本発明の目的は、ドアハンドル装置の車両ドアへの固定強度を維持しつつ、ドアハンドル装置の部品点数の削減を図ることである。
(課題を解決するための手段)
本発明に係る車両用のドアハンドル装置は、
樹脂材料により形成されており、車両ドアの車外側の面を構成するパネル部材の車内側に配置されるフレームと、
金属材料により形成されており、貫通孔であるネジ孔が設けられた筒状部と、前記筒状部の軸線方向の一方の端部に設けられており、前記筒状部の外周面から外側に向かって突出する突起状のフレーム係合部と、を備えるナットと、
金属材料により形成されており、ネジ山が形成されたネジ部を備える軸部と、前記軸部の一方の端部に設けられる頭部とを備え、前記ネジ部の前記頭部とは反対側の端面には回転させるための工具を係脱可能な工具係合部が設けられるボルトと、
と備え、
前記フレームには、前記パネル部材に対向する面である第一の面と前記第一の面とは反対側の面である第二の面とを連通する貫通孔であって前記ナットの前記筒状部を収容可能に構成されるナット収容孔が設けられており、
前記ナットの前記筒状部が前記ナット収容孔に収容された状態で、前記筒状部の先端面は前記フレームの前記第一の面の側に露出するとともに、前記ナットの前記フレーム係合部は前記フレームの前記第二の面に係合し、
前記第一の面の側から前記ナットに螺合された前記ボルトの前記頭部と前記ナットの前記先端面とによって前記パネル部材を挟持するとともに、前記ナットの前記フレーム係合部が前記フレームの前記第二の面に係合することにより前記フレームを前記パネル部材に固定するように構成される。
本発明によれば、フレームのナット収容孔に収容されている金属製のナットとこのナットに螺合されている金属製のボルトが直接にパネル部材を挟む(金属製のボルトとナットが直接にパネル部材に接触する)ことにより、フレームがパネル部材に固定される。このため、このような構成によれば、例えばボルトとナットとによってフレームをパネル部材とともに挟む構成に比較して、パネル部材を挟持する強度(すなわち、車両用のドアハンドル装置の車両ドアに対する固定強度)を高めることができる。特に、樹脂材料は高温環境下では軟化することがあるため、フレームとともにパネル部材を挟む構成では、高温環境下ではボルトとナットの軸力(ボルトとナットによる軸線方向の圧縮力をいう)が低下することがある。これに対して、本実施形態によれば、ボルトとナットが直接にパネル部材を挟んでいるため、フレームが軟化してもボルトとナットの軸力は低下しない。したがって、高温環境下における固定強度の低下を防止できる。
そして、本発明によれば、従来のような金属製のカラーが不要である。このため、部品点数の削減を図ることができる。
前記ボルトの前記軸部のうちの前記頭部に近い側の端部には、ネジ山が形成されていない胴部が設けられている、
という構成が適用できる。
このような構成によれば、ボルトの頭部とナットとによってパネル部材を挟む際に、ネジ山の先端(すなわちエッジ状の部分)がパネル部材に接触しないようにできる。例えば、胴部を備えないボルトが適用される構成であると、フレームをパネル部材に取り付ける際に、ボルトのネジ山の先端がパネル部材に接触してパネル部材の表面の塗膜が損傷することがある(具体的には、塗膜が部分的に剥がれることがある)。そして、塗膜が損傷した箇所において錆が発生すると、錆が雨水などによって流れ出し、その結果、見栄えが悪化する。これに対して、前記のような構成によれば、ボルトのネジ山の先端がパネル部材に接触しないようにできる。このため、パネル部材の塗膜の損傷を防止または抑制できるから、パネルの錆びを防止または抑制できる。
前記ナットおよび前記フレームは、前記ナット収容孔に収容された前記ナットの前記フレームに対する回転を規制する回転規制部を備える、
という構成が適用できる。
前記ナットの前記筒状部は、一部に前記ネジ孔の軸線に略平行な平面を含み、前記ネジ孔の前記軸線を中心とする略円筒状の外形を備え、
前記フレームに設けられる前記ナット収容孔の内周面は、一部に前記ナット収容孔の軸線方向に略平行な平面を含み、前記ナット収容孔の前記軸線を中心とする略円形の断面形状を備え、
前記ナットの前記筒状部の外周面に設けられる前記平面が前記ナットの前記回転規制部であり、
前記ナット収容孔の内周面に設けられる前記平面が前記フレームの前記回転規制部である、
という構成が適用できる。
これらの構成によれば、フレームをパネル部材に固定する際には、ボルトを回転させるだけでよい。すなわち、「ナットがボルトと共回りしないように、ナットを工具などによって保持する」という作業は不要である。したがって作業が容易となる(作業性が向上する)。
また、ボルトを回転させることによりボルトの頭部とナットとでパネル部材を挟む構成であると、ナットを回転させることによりボルトの頭部とナットとでパネル部材を挟む構成に比較して、フレームのパネル部材の車外側へ突出する部分を少なく(または小さく)できる。
具体的には、ナットを回転させることによりパネルを挟持する構成であると、ナットを回転させる際にボルトがナットと共回りしないように、ボルトの回転を規制しなければならない。このため、例えば、フレームの車外側に、ボルトの頭部に係合することによりボルトの回転を規制するための構造物を設けなければならない。その結果、フレームのうちのパネル部材の車外側に突出する構造物が必要になるため、フレームの車幅方向寸法が大きくなる。また、このような構成では、前記構造物を避けるようにしてアウトサイドドアハンドルを配置しなければならない。このため、アウトサイドドアハンドルの形状の設計の自由度が低下する。
これに対して、前記のような構成によれば、ボルトの回転を規制するための構造物が不要であるから、フレームの車幅方向寸法の大型化を防止または抑制、もしくは小型化を図ることができる。さらに、アウトサイドドアハンドルとフレームとが干渉しないようにできるから、アウトサイドドアハンドルの設計の自由度が低下しない。
また、本発明に係る車両用のドアハンドル装置は、
前記ナットの前記ネジ孔の前記軸線方向に関して前記フレーム係合部が設けられる側の端部には、前記フレーム係合部が設けられる側の端面に向かうにしたがって内径が徐々に大きくなるガイド部が設けられる、
という構成が適用できる。
このような構成によれば、ナットのネジ孔にボルトを回転させるための工具を差し込む作業が容易になる。すなわち、ボルトを回転させるためには、ナットの車内側の端面からナットのネジ孔に工具を挿入しなければならない。このため、ガイド部が設けられていない構成では、ナットの貫通孔に工具を挿入するのに手間取ることがある。これに対して、ガイド部が設けられる構成であると、工具の先端が貫通孔に案内されやすくなる。したがって、作業性の向上を図ることができる。
また、本発明に係る車両用のドアハンドル装置は、
樹脂材料からなり、前記ボルトの前記軸部の前記頭部に近い側の端部の外周に装着される略円筒状のブッシュを備え、
前記ボルトが前記ナットに螺合された状態で、前記ボルトの前記軸部のうちの前記ナットの前記先端面から突出している部分は、前記ブッシュに覆われている、
という構成が適用できる。
このような構成によれば、フレームをパネル部材に組付ける際に、金属製の部材であるボルトの胴部がパネル部材に直接に接触することが防止される。このため、パネル部材の塗膜を損傷しないという効果を高めることができる。
また、本発明に係る車両用のドアハンドル装置は、
前記ボルトの前記軸部は前記ブッシュに圧入されており、
前記ブッシュは前記ナットの前記ネジ孔に圧入されている、
という構成が適用できる。
このような構成によれば、ブッシュによってボルトのナットに対する回転が規制される。このため、ボルトをナットに螺合してからフレームをパネル部材に組付けるまでの間に、ボルトが回転してボルトがナットから脱落したり、ボルトの頭部の位置が変化したりすることが防止される。
図1Aは、車両用のドアハンドル装置の要部の構成を示す分解斜視図である。 図1Bは、車両用のドアハンドル装置の要部の構成を示す分解斜視図である。 図2Aは、ナットの構成を示す斜視図である。 図2Bは、ナットの構成を示す斜視図である。 図3は、ボルトの構成を示す斜視図である。 図4は、ナットとボルトが螺合した状態を示す斜視図である。 図5は、ナット収容部の構成を示す斜視図である。 図6は、ナット収容部とナットの構成を示す断面図である。 図7Aは、ナットにボルトが螺合された状態を示す断面図である。 図7Bは、ナットにボルトが螺合された状態を示す斜視図である。 図8は、ベースフレームのドアパネルのへの組付け工程を示す斜視図である。 図9は、車両用のドアハンドル装置の構成を示す断面図である。 図10は、変形例に係る車両用のドアハンドル装置の要部の構成を示す分解斜視図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。以下の説明では、車両用のドアハンドル装置を、単に「ドアハンドル装置」と略して記すことがある。また、以下の説明では、ドアハンドル装置およびドアハンドル装置を構成する各部材の向きは、ドアハンドル装置が組付けられる車両の向きを基準とする。各図においては、ドアハンドル装置およびその構成部材の前側を矢印Frで示し、後側を矢印Rrで示し、上側を矢印Upで示し、下側を矢印Dwで示し、車外側を矢印Outで示し、車内側を矢印Inで示す。
図1Aおよび図1Bは、ドアハンドル装置10aの構成部材であるベースフレーム11、ナット12、およびボルト13の斜視図である。なお、図1Aはこれらの部材を車外側から見た図であり、図1Bはこれらの部材を車内側から見た図である。ドアハンドル装置10aは、複数の構成部材が一体に組付けられたアセンブリ(「アッシー」と称することもある)として構成される。ドアハンドル装置10aを構成する複数の部材には、ベースフレーム11と、ボルト13と、ナット12と、アウトサイドドアハンドル14(図1Aおよび図1Bにおいては省略。図9参照)とが含まれる。そして、ドアハンドル装置10aは、車両ドアのアウタパネル90に取り付けられる。
なお、アウタパネル90は、本発明のパネル部材の例である。アウタパネル90は、車両ドアの車外側の表面を構成する板状の部材であり、金属板により形成される。アウタパネル90におけるドアハンドル装置10aが取り付けられる箇所には開口部901(車幅方向に貫通する貫通孔)が設けられる。開口部901の後辺には、更に後方に延伸する凹部902が設けられている。凹部902は前側が開口し前後方向に延伸する溝である、ということもできる。
ベースフレーム11は、本発明のフレームの例である。ベースフレーム11は、車両ドアのアウタパネル90に固定される部材である。ベースフレーム11は、アウトサイドドアハンドル14を車両ドアのアウタパネル90に対して回転可能に取り付けるための部材である、ということもできる。ベースフレーム11は、樹脂材料により成形される部材であり、長尺の棒状の形状を備える。そして、ベースフレーム11は、その長尺方向が車両の前後方向に略平行な向きで、アウタパネル90の車内側(すなわち車両ドアの内部)に配置され、後述するナット12およびボルト13によりアウタパネル90に固定される。
ベースフレーム11は、ナット12を保持可能(収容可能)に構成されるとともに、保持されたナット12にボルト13を車外側から螺合可能に構成される。また、ベースフレーム11には、アウトサイドドアハンドル14が、回転可能に連結される。なお、アウトサイドドアハンドル14は、アウタパネル90の車外側に配置され、アウタパネル90に設けられる開口部901を介してベースフレーム11に連結される。
ベースフレーム11の前側寄りには、当接部40とナット収容部41とが設けられる。当接部40は、本発明の第一の面の例である。当接部40は、ベースフレーム11の車外側に設けられ、アウタパネル90の内面に略平行な平面状の部分である。当接部40は、ドアハンドル装置10aがアウタパネル90に取り付けられた状態で、アウタパネル90の内面に対向して当接する(接触する)。ナット収容部41は、ナット12を車内側から収容可能な(挿入可能)なナット収容孔42を備えており、ナット12を収容可能に構成される。なお、ナット収容部41の詳細については後述する。
ナット12およびボルト13は、車外側と車内側とからアウタパネル90を挟むことによって、ベースフレーム11をアウタパネル90に固定する(すなわち、ドアハンドル装置10aを車両ドアに固定する)ための部材である。ナット12およびボルト13は、いずれも金属製の部材である。
図2Aおよび図2Bは、ナット12の構成を示す斜視図である。図2Aおよび図2Bに示すように、ナット12は筒状部20と鍔部21とを備える。筒状部20は、ネジ孔22が設けられた略円筒状の部分である。ネジ孔22は、筒状部20の軸線方向に貫通する貫通孔である。なお、ネジ孔22には、軸線方向の全域にわたってネジ山が形成されるのではなく、ネジ山が形成される部分である雌ネジ部221と、ネジ山が形成されない部分である非雌ネジ部222とが含まれる。具体的には、軸線方向の中間から車内側の端部までの部分が雌ネジ部221であり、残りの部分(軸線方向の中間から車外側の端部までの間の部分)が非雌ネジ部222である。非雌ネジ部222の内径は、雌ネジ部221の内径よりも大きく、かつ、後述する雄ネジの胴部312を挿入可能な径である。なお、「ナット12は、互いに同軸でかつ互いに連通しているネジ孔(ネジ山が設けられた孔)と断面略円形の孔(非ネジ孔)とを備える」ということもできる。
筒状部20の外周面には、回転規制部23が設けられる。回転規制部23は、ナット12がベースフレーム11のナット収容孔42に収容された状態において、ナット12がベースフレーム11に対して軸回り回転することを規制(阻止)するための部分である。本実施形態では、ナット12の筒状部20の回転規制部23は、ネジ孔22の軸線に略平行な平面状の部分である。なお、本実施形態では、筒状部20に互いに平行な2つの回転規制部23が設けられる構成を示す。ただし、回転規制部23の数は特に限定されるものではない。
鍔部21は、本発明のフレーム係合部の例である。鍔部21は、筒状部20の外周面の車内側の端部に設けられる。鍔部21は、筒状部20の外周面から外側(より詳しくは、ネジ孔22の軸線を中心とする円の半径方向外側)に向かって突出する突起状の構成を備える。本実施形態では、鍔部21は、筒状部20の外周面の全周にわたって設けられる円環状の構成を備える。なお、鍔部21の車外側の面(座面)は、ネジ孔22の軸線に略直角な平面である。
ネジ孔22の雌ネジ部221の車内側の端部には、ガイド部24が設けられる。ガイド部24は、ボルト13を回すための工具をネジ孔22にガイドする(換言すると、工具をネジ孔22に挿入しやすくする)ための部分である。ガイド部24は、車外側から車内側に向かって内径が徐々に大きくなる部分である。図2Bにおいては、ガイド部24がテーパ状(漏斗状)である構成を示す。ただし、ガイド部24の構成は特に限定されるものではなく、例えばR面取り状の構成であってもよい。
なお、ナット12は、鍔部21が設けられる部分を除いては、ネジ孔22の軸線方向に直角な面で切断した断面の外形形状および外形寸法が全長にわたって略等しい略等断面形状を備える。ナット12の筒状部20の外径(回転規制部23以外の部分の外形寸法)は、アウタパネル90の開口部901の凹部902の上下方向寸法よりも大きい。ナット12の鍔部21の外径は、後述するベースフレーム11のナット収容部41に設けられたナット収容孔42の内径よりも大きい。
図3はボルト13の構成を示す斜視図である。図3に示すように、ボルト13は、頭部30と軸部31とを備える。頭部30は、略円板状の部分である。頭部30の外径は、アウタパネル90の開口部901の凹部902の上下方向寸法よりも大きい。なお、ボルト13の頭部30には、ボルト13を回転させるための工具孔などが設けられていなくてよい。
ボルト13の軸部31には、頭部30に近い側(車外側)に設けられた胴部312(円筒部と称されることもある)と、その反対側(車内側)に設けられたネジ部311とを備える。胴部312は、軸部31のうちネジ山が設けられていない部分である。胴部312は、ナット12のネジ孔22の非雌ネジ部222に挿入可能に構成されるとともに、アウタパネル90の開口部901の凹部902に挿入可能に構成される。具体的には、胴部312は、外径がナット12の非雌ネジ部222の内径およびアウタパネル90の開口部901の凹部902の上下方向寸法よりも小さい丸棒状の構成を備える。ネジ部311は、外周面にネジ山が設けられる部分(すなわち雄ネジ)であり、ナット12のネジ孔22の雌ネジ部221に螺合可能に構成される部分である。
ネジ部311の先端面(すなわち軸部31の先端面)には、ボルト13を回転させるための工具を挿入可能な工具孔32が設けられる。工具孔32は、本発明の工具係合部の例である。このように、ボルト13は、ネジ部311の先端面に設けられた工具孔32にネジを回転させるための工具(例えばネジ回しなど)を挿入することにより、回転させることができるように構成される。換言すると、ボルト13は、頭部30にアクセスすることができなくても、ネジ部311の先端面にアクセスすることにより回転させることができるように構成される。なお、工具孔32の構成(例えば断面形状)は、工具の構成に応じて適宜設定されるものであり、具体的に限定されるものではない。
図4は、ナット12にボルト13を螺合させた状態を示す斜視図である。なお、以下の説明では、ナット12の鍔部21が設けられる側(車内側)を基端側と記し、その反対側(車外側)を先端側と記すことがある。また、筒状部20の先端側の端面を先端面25と記すことがある。ナット12のネジ孔22は貫通孔であるため、ボルト13のネジ部311をナット12の雌ネジ部221に先端面25の側から螺合させた場合、ナット12の基端側からネジ孔22を通じてボルト13の先端面の工具孔32にアクセスできる。このため、ナット12の基端側から工具の先端部をボルト13の先端面の工具孔32に挿入することにより、ナット12の基端側からボルト13を回転させることができる。
次に、ベースフレーム11のナット収容部41の構成について説明する。図5は、ナット収容部41の構成を示す斜視図である。図6は、ナット収容部41にナット12が収容された状態を示す断面図である。ナット収容部41は、ナット12をベースフレーム11に対して回転不可能な状態で収容できるように構成される。具体的には、図5に示すように、ナット収容部41は、ベースフレーム11の当接部40の車内側の面から車内側に向かって突出する筒状の構成を備える。筒状の部分の内部空間がナット収容孔42である。ナット収容孔42は車幅方向に貫通する貫通孔であり、ナット12の筒状部20を車内側から収容可能に構成される。
具体的には、図6に示すように、ナット収容孔42の内周面の断面形状(車幅方向に直角な平面で切断した断面における形状)は、ナット12の筒状部20の断面形状と略同じである。より具体的には、ナット収容孔42の内周面は、ナット12の筒状部20の回転規制部23以外の部分の外径と略同じかまたはそれよりもわずかに大きい内径を備える円弧状の曲面の部分と、互いに対向する(互いに略平行な)2つの平面状の部分とを備える。2つの平面状の部分は、ナット収容孔42に収容されたナット12がベースフレーム11に対して回転することを規制するための回転規制部43である。
ナット収容孔42の車外側の開口部は、ベースフレーム11の当接部40に位置している。そして、ナット収容孔42の軸線はベースフレーム11の当接部40に略直角である。ナット収容部41である筒状の部分の車内側の端面は、ベースプレートの当接部40に略平行(換言すると、ナット収容孔42の軸線に対して略直角)な平面である。以下、ナット収容部41である筒状の部分の車内側の端面を係合面45と記すことがある。係合面45は、本発明の第二の面の例である。ベースフレーム11の当接部40とナット収容部41の係合面45との距離(すなわち、ナット収容孔42の軸線方向寸法)は、ナット12の筒状部20の先端面25からナット12の鍔部21の先端側の面(車外側の面)までの距離と略同じか、またはそれよりもわずかに大きい。
ナット収容部41の回転規制部43には、ナット保持部44が設けられる。ナット保持部44は、ナット収容孔42に収容されたナット12がナット収容孔42から抜け出ないようにナット12を保持する部分である。本実施形態では、ナット保持部44は、ナット収容孔42の中心側に向かって突出し、ナット収容孔42の軸線方向に延伸するリブ状の構成を備える。
次に、ベースフレーム11のアウタパネル90への組付け手順について説明する。まず、ベースフレーム11のナット収容部41のナット収容孔42に、車内側からナット12の筒状部20を挿入(圧入)する。図6に示すように、ナット12の筒状部20の断面形状とナット収容孔42の断面形状とは略相似形であり、かつ非円形である。このため、ナット12のベースフレーム11に対する回転が規制される(換言すると、ナット12はベースに対して回転できない)。より具体的には、ナット12の筒状部20の回転規制部23とナット収容部41の回転規制部43とが近接して対向する。そして、ナット12が回転しようとすると、ナット12の筒状部20の回転規制部23にナット収容部41の回転規制部43が干渉するため、ナット12のベースフレーム11に対する回転が規制される。
また、図6に示すように、ナット収容部41の2つのナット収容部41の回転規制部43どうしの間隔は、ナット12の筒状部20の2つの回転規制部23どうしの間隔よりもわずかに大きい。一方、ナット12が収容されていない状態でのナット収容部41のナット保持部44どうしの間隔Lは、ナット12の筒状部20の2つの回転規制部23どうしの間隔Mよりも小さい。図6においては、ナット12が収容されていない状態でのナット収容部41のナット保持部44を破線で示す。このような構成であると、ナット12の筒状部20がナット収容部41のナット収容孔42に収容される際に、ナット収容部41のナット保持部44がナット12の筒状部20の回転規制部23に押されて弾性圧縮変形する(なお、部分的に塑性変形してもよい)。このように、ナット収容部41のナット保持部44が弾性圧縮変形することにより、ナット12の筒状部20をナット収容孔42に挿入(圧入)できる。そして、ナット12の筒状部20がナット収容孔42に収容された状態では、ナット保持部44が弾性圧縮した状態でナット12の回転規制部23に接触している(圧接している)。このため、ナット12は、ナット保持部44によってナット収容孔42から抜け出ないように保持される。
なお、ベースフレーム11の当接部40とナット収容部41の車内側の端面との距離は、ナット12の筒状部20の先端面25からナット12の鍔部21の先端側の面までの距離と略同じか、またはわずかに大きい。このため、ナット12の筒状部20が車内側からナット収容孔42に収容(挿入)されると、ナット12の鍔部21の先端側の面がナット収容部41の車内側の端面に当接するとともに、ナット12の先端面25が、ベースフレーム11の当接部40に露出する。そして、ナット12の先端面25は、ベースフレーム11の当接部40と略ツライチとなるか(図7Aおよび図7B参照)、または、当接部40からわずかに車内側に入り込んだ位置に位置する。
そして、ベースフレーム11の車外側から、ボルト13をナット12に螺合する。図7Aおよび図7Bは、ボルト13がナット12に螺合された状態を示す図である。なお、図7Aは断面図、図7Bは斜視図である。図7Aおよび図7Bに示すように、ベースフレーム11がアウタパネル90に固定されるよりも前の時点では、ボルト13の頭部30はベースフレーム11の当接部40から車幅方向外側に所定の距離離間した状態に保持される。この際、ボルト13の頭部30の座面とナット12の端面およびベースフレーム11の当接部40との距離N(図7A参照)は、アウタパネル90の厚さよりも大きい。さらに、図7Aに示すように、ボルト13がナット12に螺合された状態では、ボルト13の軸部31のネジ部311はナット12の非雌ネジ部222の内部に収容された状態に保持される。換言すると、ボルト13の軸部31の胴部312がベースフレーム11の当接部40から車外側に突出しており、ネジ部311は当接部40よりも車内側に位置している(車外側に突出していない)。なお、このような状態を実現できるようにするため、胴部312の軸線方向寸法は、アウタパネル90の厚さよりも大きい。
なお、図7Aおよび図7Bに示す状態において、ボルト13がベースフレーム11およびナット12に対して回転すると距離Nが変化する。そこで、ベースフレーム11をアウタパネル90に固定するよりも前の時点でボルト13が回転して距離Nが変化しないように、ボルト13の軸部31の外周面とナット12の非雌ネジ部222の内周面との間に、接着剤や粘着剤が充填されてもよい。ただし、接着剤または粘着剤には、ベースフレーム11をアウタパネル90に固定する際にナット12を回転させるためのトルクによって破壊される程度の強度を備える接着剤または粘着剤が適用される。
図8は、ベースフレーム11の組付けを模式的に示す斜視図である。ボルト13をナット12に螺合した後、図8に示すように、ボルト13の頭部30がベースフレーム11の当接部40およびナット12の筒状部20から離間している状態で、ボルト13の頭部30をアウタパネル90に形成される開口部901に車内側から車外側に挿通し、その後、ベースフレーム11をアウタパネル90に対して後側に移動させることによって、ボルト13の軸部31の胴部312をアウタパネル90の開口部901の凹部902に挿入する。なお、図8中の一点鎖線の矢印は、ボルト13の頭部のアウタパネル90に対する移動方向を示す。
その後、車内側からボルト13を回転させてボルト13の頭部30をナット12の先端面25に接近させることにより、ボルト13の頭部30とナット12の先端面25とでアウタパネル90を挟む。なお、前記のとおり、ボルト13の軸部31の先端側の端面には工具孔32が設けられており、ナット12には軸線方向に貫通するネジ孔22が設けられている。このため、車内側からナット12のネジ孔22を介してボルト13の先端面の工具孔32に工具を挿入できるから、車内側からボルト13を回転させることができる。また、ナット12のネジ孔22にはガイド部24が設けられているから、ナット12のネジ孔22に工具を挿入することが容易である。さらに、ナット12は、ナット12の回転規制部23とナット12収容孔の回転規制部43とによってベースフレーム11に対する回転が規制されるから、ボルト13を回転させる際にナット12がボルト13と共回りしない。
図9は、ドアハンドル装置10aがアウタパネル90に固定された状態を示す断面図である。前記のとおり、ナット12の筒状部20の外径およびボルト13の頭部30の外径は、アウタパネル90の開口部901の凹部902の上下方向寸法よりも大きい。このため、図9に示すように、ボルト13が締結されると、ボルト13の頭部30とナット12の筒状部20とが、直接にアウタパネル90を挟む。また、ナット12の鍔部21がベースフレーム11のナット収容部41の係合面45に接触する。このため、ベースフレーム11がアウタパネル90とナット12の鍔部21とに挟まれる。したがって、ベースフレーム11がアウタパネル90に固定される。
なお、ナット12の先端面25から鍔部21の先端側の面までの距離が、ベースフレーム11の当接部40からナット収容部41の係合面45までの距離よりもわずかに小さい場合、ボルト13がナット12に螺合されると、ベースフレーム11のうちのアウタパネル90とナット12の鍔部21に挟まれる部分は車幅方向に弾性圧縮変形した状態になる。このため、ベースフレーム11は、ナット12の鍔部に21によって、アウタパネル90に押し付けられた状態になる。したがってこの場合には、ベースフレーム11がアウタパネル90に強固に(換言するとガタツキなどが無い状態で)固定される。
本発明の実施形態によれば、ベースフレーム11のナット収容部41に収容されている金属製のナット12とこのナット12に螺合されている金属製のボルト13が、樹脂製のベースフレーム11を介さずに直接にアウタパネル90を挟む(金属製のボルト13とナット12が直接にアウタパネル90に接触する)。このため、このような構成によれば、樹脂材料からなるベースフレーム11を介して締結される構成(例えば、ボルト13とナット12とによってベースフレーム11をアウタパネル90とともに挟む構成)に比較して、アウタパネル90を挟持する強度(すなわち、ドアハンドル装置10aの車両ドアに対する固定強度)を高めることができる。
特に、樹脂材料は高温環境下では軟化することがあるため、ベースフレーム11を介してアウタパネル90を挟む構成では、高温環境下ではボルト13とナット12の軸力(ボルト13とナット12による軸線方向の圧縮力をいう)が低下することがある。これに対して、本実施形態によれば、ボルト13とナット12が直接にアウタパネル90を挟んでいるため、ベースフレーム11が軟化してもボルト13とナット12の軸力は低下しない。したがって、高温環境下における固定強度の低下を防止できる。
また、本実施形態によれば、車内側からボルト13を回転させてベースフレーム11をアウタパネル90に固定できる。このため、ベースフレーム11をアウタパネル90の内側に配置する工程と、アウタパネル90の内側に配置したベースフレーム11をアウタパネル90に固定する工程とを、アウタパネル90の車内側から連続して行うことができる。したがって、ベースフレーム11のアウタパネル90への組付けが容易である。
更に、ナット12のベースフレーム11に対する回転が、ナット12の回転規制部23とナット収容部41の回転規制部43とにより規制されているから、ベースフレーム11をアウタパネル90に固定する際には、ボルト13を回転させるだけでよい。すなわち、「ナット12がボルト13と共回りしないように、ナット12を工具などによって保持する」という作業は不要である。このような構成によれば、ボルト13を回転させる際に、ナット12がボルト13と共回りしないから、作業が容易となる。
そして、本実施形態のように、ボルト13をベースフレーム11に対して回転させることによりボルト13とナット12とでアウタパネル90へを挟む構成であると、ナット12を回転させる構成に比較して、ベースフレーム11の車外側の構成を単純化できる。
具体的には、ナット12を回転させることによりアウタパネル90を挟持する構成であると、ナット12を回転させる際にボルト13がナット12と共回りしないように、ボルト13の回転を規制しなければならない。このため、例えば、ベースフレーム11の車外側に、ボルト13の頭部30に係合することによりボルト13の回転を規制するための構造物を設けなければならない。その結果、ベースフレーム11のうちのアウタパネル90の車外側に突出する構造物が必要になるため、ベースフレーム11の車幅方向寸法が大きくなる。また、このような構成では、前記構造物を避けるようにしてアウトサイドドアハンドルを配置しなければならない。このため、アウトサイドドアハンドル14の形状の設計の自由度が低下する。また、別部材(例えば図略の防水用のパッドなど)によりボルト13の回転を規制する構成では、ナット12を螺合する際のトルクがボルト13を介して当該別部材に伝達されるため、当該別部材が変形したり位置ずれしたりするおそれがある。
これに対して、本実施形態によれば、ボルト13の回転を規制するための構造物が不要であるから、ベースフレーム11の車幅方向寸法の大型化を防止または抑制、もしくは小型化を図ることができる。さらに、アウトサイドドアハンドル14とベースフレーム11とが干渉しないようにできるから、アウトサイドドアハンドル14の設計の自由度が低下しない。なお、ナット12はアウタパネル90の車内側に配置されるため、ナット収容部41はアウトサイドドアハンドル14の設計の自由度に影響を与えない。また、本実施形態によれば、防水用のパッドなどの別部材によりボルト13の回転を規制しなくてもよいから、当該別部材の変形や位置ずれが生じない。すなわち、ベースフレーム11以外の他の部材に影響を与えることなく、ベースフレーム11のアウタパネル90への取り付けのためにボルト13を回転させることができる。
さらに、ナット12のネジ孔22はガイド部24を備える。このため、ナット12のネジ孔22に工具を差し込む作業が容易になる。すなわち、ボルト13を回転させるためには、ナット12の車内側の端面からナット12のネジ孔22に工具を挿入しなければならない。このため、ガイド部24が設けられていない構成では、ナット12のネジ孔22に工具を挿入するのに手間取ることがある。これに対して、ガイド部24が設けられる構成であると、工具の先端がネジ孔22に案内されやすくなる。したがって、作業性の向上を図ることができる。
また、軸部31に胴部312が設けられたボルト13が適用されると、ベースフレーム11をアウタパネル90に取り付ける際に、ボルト13によるアウタパネル90の塗膜の損傷を防止または抑制できる。具体的には、胴部312を備えないボルトが適用される構成であると、ベースフレーム11をアウタパネル90に取り付ける際に、ボルトのネジ山の先端(すなわち、エッジ状の部分)がアウタパネル90の開口部901の凹部902の内周面に接触することにより、アウタパネル90の表面の塗膜を傷つけるおそれがある。そして、傷ついた箇所において錆が発生した場合に、雨水などによって錆が流れ出すと、車両ドアの見栄えが悪化する。
これに対して本実施形態によれば、ベースフレーム11をアウタパネル90に組付ける際に、ボルト13のネジ山が凹部902の内周面に接触しないようにできる。このため、塗膜の剥離を防止または抑制できるから、アウタパネル90の錆びを防止または抑制できる。
次いで、変形例に係るドアハンドル装置10bについて説明する。なお、以下の説明では、前記実施形態と同じ構成については前記実施形態と同じ符号を付し、説明を省略する。図10は、変形例に係るドアハンドル装置10bの要部の構成を示す斜視図である。図10に示すように、変形例に掛かるドアハンドル装置10bは、ベースフレーム11、ナット12、およびボルト13に加え、ブッシュ15を備える。なお、ベースフレーム11、ナット12、およびボルト13の構成は、前記実施形態と同じ構成でよい。
ブッシュ15は、略円筒状の形状を備える部材であり、樹脂材料(少なくともアウタパネル90よりも弾性変形しやすい材料)からなる。ブッシュ15は、ボルト13の軸部31の胴部312を圧入可能に構成されるとともに、ナット12のネジ孔22の非雌ネジ部222に圧入可能に構成される。さらに、ブッシュ15は、アウタパネル90の開口部901の凹部902に挿入可能に構成される。具体的には、ブッシュ15の外周面および内周面のそれぞれには、軸線方向に延伸するリブ状の突起部が、円周方向に所定の間隔を置いて複数設けられる。そして、ブッシュ15の内周面に設けられる突起部を弾性圧縮変形させることにより、ブッシュ15にボルト13の胴部312を圧入でき、ブッシュ15の外周面に設けられる突起部を弾性圧縮変形させることにより、ブッシュ15をナット12のネジ孔22の非雌ネジ部222に圧入できる。また、ブッシュ15の外径は、アウタパネル90の開口部901の凹部902の上下方向寸法よりも小さい。さらに、ブッシュ15の軸線方向寸法は、アウタパネル90の厚さよりも大きい。
前記実施形態と同様に、ベースフレーム11の車内側から、ナット12をナット収容孔42に収容(挿入)する。次いで、ベースフレーム11の車外側から、ボルト13をナット12に螺合する。この際、あらかじめ、ボルト13の胴部312をブッシュ15に圧入しておくか、または、ブッシュ15をナット12のネジ孔22の非雌ネジ部222に圧入しておく。ブッシュ15はナット12のネジ孔22の非雌ネジ部222に圧入され、かつ、ボルト13の胴部312はブッシュ15に圧入されるから、ブッシュ15によりボルト13のナット12に対する回転が規制される(ボルト13のナット12に対する回転の抵抗になる)。このため、ボルト13の頭部30がナット12の端面から離間した状態に保持される。
その後、前記実施形態と同様に、ボルト13の頭部30がベースフレーム11の当接部40およびナット12の筒状部20から離間している状態で、ボルト13の頭部30をアウタパネル90に形成される開口部901に車内側から挿通し、その後、ベースフレーム11をアウタパネル90に対して後側に移動させることによって、ボルト13の胴部312をアウタパネル90の開口部901の凹部902に挿入する(図8参照)。
この際、ボルト13の胴部312がブッシュ15に覆われているから、金属の部材であるボルト13の頭部30がアウタパネル90の開口部901の凹部902の内周面に直接に接触しない。このため、アウタパネル90の開口部901の凹部902の内周面の塗膜の損傷を防止または抑制できる。
変形例に係るドアハンドル装置10bによれば、前記実施形態に係るドアハンドル装置10aと同様の効果を奏することができる。また、変形例に係るドアハンドル装置10bによれば、ボルト13をナット12に螺合した後、接着剤等を用いることなく、ボルト13のナット12に対する回転が制限される。さらに、変形例に係るドアハンドル装置10bによれば、ベースフレーム11をアウタパネル90に取り付ける際に、アウタパネル90の開口部901の凹部902の内周面の塗膜が損傷することが防止または抑制される。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されない。本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲において改変が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に含まれる。
例えば、前記実施形態では、工具係合部として工具を挿入可能な工具孔32を示したが、工具係合部は工具孔32に限定されない。工具係合部は、ボルト13を回転させるための工具を係合させることができる構成であればよく、工具の構成に応じて適宜設定される。
また、ナット12の筒状部20の回転規制部23およびナット収容部41の回転規制部43は、平面状の部分に限定されない。要は、ナット12とナット収容部41とは、ナット収容孔42に収容されたナット12がベースフレーム11に対して回転しないように構成されていればよい。例えば、ナット12の筒状部20とナット収容孔42の内周面の一方に突起が設けられ、他方に前記突起が入り込む凹部が設けられる構成であってもよい。また、ナット12の筒状部20が多角柱状の形状を備え、ナット収容孔42の断面形状が多角形であってもよい。
10a,10b…ドアハンドル装置、11…ベースフレーム、12…ナット、13…ボルト、14…アウトサイドドアハンドル、15…ブッシュ、20…ナットの筒状部、21…ナットの鍔部、22…ナットのネジ孔、23…ナットの回転規制部、24…ナットのガイド部、25…ナットの先端面、30…ボルトの頭部、31…ボルトの軸部、32…ボルトの工具孔、40…ベースフレームの当接部、41…ベースフレームのナット収容部、42…ベースフレームのナット収容孔、43…ベースフレームの回転規制部、44…ベースフレームのナット保持部、45…ベースフレームのナット収容部の先端面

Claims (7)

  1. 樹脂材料により形成されており、車両ドアの車外側の面を構成するパネル部材の車内側に配置されるフレームと、
    金属材料により形成されており、貫通孔であるネジ孔が設けられた筒状部と、前記筒状部の軸線方向の一方の端部に設けられており、前記筒状部の外周面から外側に向かって突出する突起状のフレーム係合部と、を備えるナットと、
    金属材料により形成されており、ネジ山が形成されたネジ部を備える軸部と、前記軸部の一方の端部に設けられる頭部とを備え、前記ネジ部の前記頭部とは反対側の端面には回転させるための工具を係脱可能な工具係合部が設けられるボルトと、
    と備え、
    前記フレームには、前記パネル部材に対向する面である第一の面と前記第一の面とは反対側の面である第二の面とを連通する貫通孔であって前記ナットの前記筒状部を収容可能に構成されるナット収容孔が設けられており、
    前記ナットの前記筒状部が前記ナット収容孔に収容された状態で、前記筒状部の先端面は前記フレームの前記第一の面の側に露出するとともに、前記ナットの前記フレーム係合部は前記フレームの前記第二の面に係合し、
    前記第一の面の側から前記ナットに螺合された前記ボルトの前記頭部と前記ナットの前記先端面とによって前記パネル部材を挟持するとともに、前記ナットの前記フレーム係合部が前記フレームの前記第二の面に係合することにより前記フレームを前記パネル部材に固定するように構成される、
    車両用のドアハンドル装置。
  2. 請求項1に記載の車両用のドアハンドル装置であって、
    前記ボルトの前記軸部のうちの前記頭部に近い側の端部には、ネジ山が形成されていない胴部が設けられている、
    車両用のドアハンドル装置。
  3. 請求項1に記載の車両用のドアハンドル装置であって、
    前記ナットおよび前記フレームは、前記ナット収容孔に収容された前記ナットの前記フレームに対する回転を規制する回転規制部を備える、
    車両用のドアハンドル装置。
  4. 請求項3に記載の車両用のドアハンドル装置であって、
    前記ナットの前記筒状部は、一部に前記ネジ孔の軸線に略平行な平面を含み、前記ネジ孔の前記軸線を中心とする略円筒状の外形を備え、
    前記フレームに設けられる前記ナット収容孔の内周面は、一部に前記ナット収容孔の軸線方向に略平行な平面を含み、前記ナット収容孔の前記軸線を中心とする略円形の断面形状を備え、
    前記ナットの前記筒状部の外周面に設けられる前記平面が前記ナットの前記回転規制部であり、
    前記ナット収容孔の内周面に設けられる前記平面が前記フレームの前記回転規制部である、
    車両用のドアハンドル装置。
  5. 請求項1に記載の車両用のドアハンドル装置であって、
    前記ナットの前記ネジ孔の前記軸線方向に関して前記フレーム係合部が設けられる側の端部には、前記フレーム係合部が設けられる側の端面に向かうにしたがって内径が徐々に大きくなるガイド部が設けられる、
    車両用のドアハンドル装置。
  6. 請求項1に記載の車両用のドアハンドル装置であって、
    樹脂材料からなり、前記ボルトの前記軸部の前記頭部に近い側の端部の外周に装着される略円筒状のブッシュを備え、
    前記ボルトが前記ナットに螺合された状態で、前記ボルトの前記軸部のうちの前記ナットの前記先端面から突出している部分は、前記ブッシュに覆われている、
    車両用のドアハンドル装置。
  7. 請求項6に記載の車両用のドアハンドル装置であって、
    前記ボルトの前記軸部は前記ブッシュに圧入されており、
    前記ブッシュは前記ナットの前記ネジ孔に圧入されている、
    車両用のドアハンドル装置。
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