JP2022182878A - 締付保持部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構造によって、保持対象を損傷させることなく且つ摩擦接合と同様にして極めて強固に保持対象を狭持して保持する手段を提供する。【解決手段】進退可能に軸支する軸支部及び該軸支部に対向配置される受部を定位置に保持する保持体と、上記軸支部に挿設され、上記受部と対向する押圧部によって保持対象を押圧し得る押圧体と、上記押圧体に設けられる軸部に装着され、上記押圧体を無回転で進退操作可能とする操作部とを有し、上記軸部は、上記軸支部によって、無回転状態のまま軸方向に進退自在に軸支され、上記押圧部は、上記軸部の進出時に上記保持対象を押圧し得る。【選択図】図1

Description

本発明は、保持対象を狭持して接合、保持する締付保持部材に関するものである。
従来、重ね合わせた二つ以上の保持対象を保持する部材として、開口を挟んで一対の対向する腕部を有するネジ式クランプが知られている(例えば、特許文献1参照)。このようなネジ式クランプは、クランプ本体の一方の腕部に受け金を装着し、他方の腕部に締結ボルトを螺合させて装着する。締結ボルトの一端部には、ハンドルが設けられ、ハンドルの操作によって締結ボルトが回転しながら、受け金の方向に移動する。そして、締結ボルトの先端部が保持対象を押圧すると共に、押圧されている保持対象を受け金が支持し、結果保持対象を狭持圧接する。
また、一般的に重ね合わせた二つ以上の保持対象を保持する方法として、保持対象を貫通するボルト孔にボルトを挿通し、該ボルトをナットにより締結することでボルト、ナットで保持対象を狭持する、摩擦接合が広く行われている。このような摩擦接合ではボルトに生じている引張力を利用して保持対象を押圧している。
特開2016-217456号公報
上述した特許文献1に記載されたネジ式クランプは、締結ボルトが回転しながら保持対象である保持対象に圧接するため、保持対象を十分なクランプ力で狭持するまでに締結ボルトの先端部が保持対象に対して摺接しながら押圧する。このような場合、締結ボルトの摺接によって保持対象表面が削れてしまい、また摺接しながら押圧することで容易に多条の同心円状の溝状の傷を生じさせてしまう等、保持対象に損傷を与えてしまうという問題がある。
また、腕部に対して締結ボルトが螺合しているため、締結ボルトには、保持対象を介して振動や軸直交方向の力が伝達してしまい、軸方向のガタ付きの原因となってしまう。従って、強くねじ締めを行っていても一度ガタ付きが発生してしまうと、ねじ締め状態が容易に解けて、結果保持対象が狭持できなくなるという問題がある。
また、保持対象のボルト孔にボルトを挿通し、ボルトとナットで保持対象を狭持する摩擦接合の場合、保持対象にボルト孔を設けるための加工等が必要となる。
本発明は、上記問題点に鑑みて本発明者の鋭意研究により成されたものであり、保持対象を損傷させることなく且つ保持対象を極めて強固に狭持して保持するための手段を提供することを目的とする。
本発明の締付保持部材は、進退可能に軸支する軸支部及び該軸支部に対向配置される受部を定位置に保持する保持体と、上記軸支部に挿設され、上記受部と対向する押圧部によって保持対象を押圧し得る押圧体と、上記押圧体に設けられる軸部に装着され、上記押圧体を無回転で進退操作可能とする操作部とを有し、上記軸部は、上記軸支部によって、無回転状態のまま軸方向に進退自在に軸支され、上記押圧部は、上記軸部の進出時に上記保持対象を押圧し得ることを特徴とする。
本発明の締付保持部材は、前記軸部が前記軸支部に軸支される第一領域と、前記操作部を装着する第二領域とを有し、前記押圧部は、上記第一領域の先端部に位置し、上記第一領域は、前記軸支部に対して周方向に係合し得る柱形状を有し、上記第二領域は、雄ねじ螺旋溝を有し、前記軸支部は、挿通される上記第一領域に対して周方向に係合する孔を有することを特徴とする。
本発明の締付保持部材は、前記軸部の前記第一領域が断面形状が多角形状、長円形状或いは楕円形状であり、前記孔は、上記断面形状に相当する形状であることを特徴とする。
本発明の締付保持部材は、前記第一領域が周面の一部を切欠いた形状を有し、前記孔は、その内周面が前記第一領域の切欠かれた部分に周方向に係合することを特徴とする。
本発明の締付保持部材は、前記軸部が断面円形状で前記軸支部に軸支される第一領域と、前記操作部を装着する第二領域とを有し、前記押圧部は、上記第一領域の先端部に位置し、上記第二領域は、外周面に形成される雄ねじ螺旋溝と、該雄ねじ螺旋溝を軸方向に沿って切欠いた切欠面とを有し、前記孔は、開口部に配されて上記第一領域よりも拡径した挿嵌部を有し、上記挿嵌部は、内周面に軸心からの長さが徐々に減少して成る係合面を有し、上記開口部に挿嵌され、且つ上記第二領域を囲繞する介在部材を具え、上記介在部材は、外周面が上記開口部に周方向に係止され、内周面が上記係合面を周方向に係止することを特徴とする。
本発明の締付保持部材は、前記押圧部が前記保持対象に当接する凹凸面を有することを特徴とする。
本発明の締付保持部材は、前記受部が前記保持対象に面接触し、且つ前記保持対象に対して傾動可能な支持部材を有することを特徴とする。
本発明の締付保持部材は、前記受部が底面が球面状乃至曲面状の凹部を有し、前記支持部材は、上記底面の形状に沿った突出面の凸部を有し、前記支持部材は、上記凸部が上記凹部に摺接し得るように、上記受部に配設されることを特徴とする。
本発明の締付保持部材は、前記支持部材が前記保持対象に当接する凹凸状の当接面を有することを特徴とする。
本発明の締付保持部材は、前記軸部の軸心に沿った方向において、前記支持部材の中心と前記押圧部の中心とがズレていることを特徴とする。
本発明によれば、簡易な構造によって、保持対象を損傷させることなく且つ摩擦接合と同様にして極めて強固に保持対象を狭持して保持することを可能とする。
本実施形態の締付保持部材を示す図である。 本実施形態の締付保持部材を示す断面図である。 本実施形態の軸部を示す斜視図である。 本実施形態の支持部を示す断面図である。 傾動する支持部を示す図である。 操作部の回転操作による保持対象の狭持を示す図である。 支持部による保持対象の押圧を示す図である。 押圧体の他の構成例を示す図である。 締結保持部材の他の例を示す図である。 支持部の他の例を示す図である。 締付保持部材を示す断面図である。 軸部と押圧部との接続例を示す図である。 軸部の例を示す図である。 締付保持部材1を示す断面図である。 操作部の回転操作による軸部の変位を示す図である。
以下に本発明の締付保持部材の実施形態を、図面を参照して説明する。図1は本実施形態の締付保持部材の外観を示す図、図2は本実施形態の締付保持部材を示す断面図である。締付保持部材1は、略C字形又はG字形或いはU字形又はV字形を成すように、軸支部2と、該軸支部2に対向配置される受部3を定位置に保持する保持体4を具える。
また、締結保持部材1は、圧縮摩擦接合構造を有する。即ち、締結保持部材1は、軸支部2と受部3との間に一対の保持対象を配し、押圧体10(後述する)の先端部が保持対象を押圧し、支持部材20(後述する)が保持対象を支持する。これにより、押圧体10に働く圧縮軸力によって一対の保持対象を接合し、また軸支部2に対する押圧体10の軸直交方向のガタ付きが生じない構造により、押圧体10から保持対象を押圧すると共に支持部材20が保持対象を支持して成る摩擦接合の状態を強固に維持する。
軸支部2は、押圧体10を進退可能に軸支する。具体的に、押圧体10を進退可能に軸支し得るように、押圧体10を挿設するための孔部6を有する。押圧体10は、軸部12と、保持対象を押圧し得る押圧部14と、押圧体10(軸部12)を無回転で進退操作可能とするための操作部16を有する。
図3は、本実施形態の軸部12を示す斜視図である。軸部12には、一端側から中途部まで孔部6に挿通し得る第一領域12aが形成され、他端側から中途部まで操作部16が装着し得る第二領域12bが形成される。
第一領域12aは、孔部6の孔形状と略同一の形状となるように、断面形状が設定される。ここでは孔部6の内周面によって周方向に係止される断面六角形状に設定される。なお、第一領域12aの断面形状は、孔部6に対して周方向に係合し得る形状であればよく、例えば多角形状や楕円形状、長円形状等の他、一対以上の二面幅を有する形状、周面の一部を切欠いた断面D形状等としてもよい。勿論、孔部6の形状は、第一領域12aの断面形状に相当するように設定されるので、第一領域12aを断面六角形状に設定した場合、孔部6の形状は六角形状に設定するのが好ましい。
なお、第一領域12aの断面形状と、孔部6の断面形状は必ずしも一致している必要はなく、互いの挿設時において相対回転しないように各々の形状を設定していてもよい。但し、第一領域12aと孔部6との間に遊間、不要な程の隙間が無く、第一領域12aの外周面が孔部6の内周面に略密着し、軸部12が軸直交方向にガタ付かない状態を作出し得るように形状及び寸法を定めることが望ましい。
第二領域12bは、外周面に後述する操作部16を配するための左ねじの雄ねじ螺旋溝を有する。また、第二領域12bは、最大半径(雄ねじの山径)が第一領域12aにおける最小半径(例えば、断面六角形状における軸心から一辺までの長さ)よりも小さくなるように設定される。
押圧部14は、第一領域12aの先端部を成し、保持対象に接触する表面が凹凸形状に構成される。
操作部16は、内周面に左ねじの雌ねじ部を有する略筒部材であって、第二領域12bを囲繞するように軸部12に装着される。即ち、操作部16は、第二領域12bの雄ねじ螺旋溝に螺合することで軸部12に装着され、更に操作部16と第二領域12bとが螺合している範囲で、軸部12を軸方向に往復移動可能に支持する。これにより、操作部16を回転させることによる軸部12の進退操作が可能となる。
また、操作部16は、外周面がレンチ等の締結工具に係合し得るように六角形状に設定される。勿論、外形は、六角形以外の多角形状、軸心を挟んで互いに平行な二つの面からなる二面幅を少なくとも一組以上形成した形状、複数の凹凸を含んだ形状等、レンチ等の締結工具と係合させ得る構造とするとよい。
また、操作部16は、軸支部2に対して軸方向の変位が規制される。例えば、軸支部2に操作部16を固定するための位置規制カバー18を装着する。位置規制カバー18は、操作部16及び軸部12を囲繞し、操作部16に対して軸方向に係合して操作部16の軸方向の変位を規制する。即ち、位置規制カバー18は、略筒形状を有し、内周面の一端に径方向内側に突出して操作部16に軸方向に係合する係合部18aを具える。
また、位置規制カバー18は、軸支部2に固定される。具体的には、位置規制カバー18は、軸支部2を囲繞する内周面に右ねじの雌ねじ部18bを具え、軸支部2は、該雌ねじ部18bと螺合する雄ねじ部を具える。互いのねじ部を螺合させて位置規制カバー18を軸支部2に固定する。
受部3は、押圧体10に押圧される保持対象を支持する支持部材20を傾動可能に設置する。具体的に受部3は、孔部6の軸心の延長線上に、支持部材20を保持対象に対して傾動可能に設置するための凹部8を形成している。凹部8は、支持部材20が摺接し得るように底面が略半球形状を有する。凹部8への支持部材20の設置は、ボルト等の締結部材によって行うことができる。そのため凹部8の底面中央部には、雌ねじ孔8aを形成してもよい。雌ねじ孔8aは、孔部6の軸心に延長線上に形成されるものとする。
図4は本実施形態の支持部材20を示す断面図である。支持部材20は、凹部8内に嵌る凸形状の凸面部22と、非球面状で保持対象に当接する当接面24とを有し、更に凸面部22及び当接面24の中央部を貫通する挿通孔26を有する。
当接面24は、剪断強度が上記の第二領域における剪断強度よりも強くなるように、断面積の大きさを設定する。例えば、当接面24の断面積をSとし、第二領域の有効径における断面積をAとした場合、
Figure 2022182878000002
を満たすように、断面積Sを設定する。
当接面24は、例えば表面を凹凸状としたもの等があり得る。このような凹凸は、微小凹凸等であって保持対象に対する摩擦面間の滑りを抑止し、保持対象に係着するように機能する。凹凸状の当接面24は、ブラスト加工、滑り止め材の配設等により形成し得る。また微小凹凸を設ける代わりに、滑り止め塗料の塗布、滑り止めスプレーの吹付け等の処理を施してもよい。
また当接面24の凹凸形状は、山型、波型等があり得、所定方向に連続的に延在、或いは断続的に延在していてもよい。また、所謂ローレットのような周方向及び径方向に形成される微小凹凸であってもよい。勿論、凹凸の形状、大きさは、特に限定するものではなく、保持対象に係着可能であれば適宜の形状及び大きさで設定し得る。
なお、当接面24の凹凸形状の高さは、保持対象との当接面を変形させてくい込むことができるように設定することが可能である。特にこの変形が弾性変形域で留まる範囲に設定すれば保持対象を損傷させずに強固に狭持できてよいが、勿論、塑性変形域に達するように設定することも可能である。
挿通孔26は、当接面24側にボルト19の頭部が嵌るように拡径された凹状部28を有する。凹状部28は、底部が球面部20と略同心の球面状に設定される。また挿通孔26は、その内径がボルト19の外径よりも大きく且つ凹状部28側から凸面部22側に向かって徐々に拡径する逆テーパ形状を有する。
従って、支持部材20は、凹部8内で雌ねじ孔8aに挿通孔26が連通するように設置され、結果押圧部14に対向配置される。そして、ボルト19を挿通孔26に挿通させて雌ねじ孔8aに螺合されて、支持部材20が受部3に固定される。
凹部8内に配される支持部材20は、図5(a)に示すように挿通孔26とボルト19との間に間隙50を存しているため、図5(b)に示すように間隙50分だけ傾動可能となっている。なお、間隙50は、略円錐状(円錐台形状)に構成すれば、支持部材20の傾動角度を拡げることができて効果的である。ここで、支持部29は、球面状の凸面部22が凹部8に嵌っているため、平面視における略全方位で傾動する。即ち、図5に示す状態では左右方向、手前向き、奥向きに傾動し得る。
次に、操作部16の回転操作に伴う軸部12(押圧体10)の軸方向の変位について説明する。上述したように、軸部12は、操作部16に螺合して孔部6に対して周方向に係止、即ち軸支部2に対する相対回転が規制されている。また、操作部16は位置規制カバー18によって軸支部2に対して軸方向の変位が規制されている。
そのため、操作部16にトルクを印加したとき、軸部12は軸支部2に対して無回転状態のまま軸方向に変位する。即ち、操作部16を回転させたとき、軸部12は軸支部2によって回転が規制されているので、結果操作部16が軸部12に対して相対回転する。
また、互いに螺合している操作部16及び軸部12は、操作部16の軸部12に対する相対回転によって軸方向に螺進し得るが、操作部16の軸方向変位が規制されているため、軸部12のみが軸支部に対して無回転状態のまま軸方向に変位する。
これにより、軸部12は、操作部16を右回転(時計回りに回転)させたとき、受部3に接近する向きに変位する。一方、軸部12は、操作部16を左回転(反時計回りに回転)させたとき、受部3から退避する向きに変位する。
締付保持部材1は、押圧部14と支持部材20との間で保持対象を狭持する場合、先ず図6(a)に示すように操作部16を左回転させて軸部12を支持部材20に対して退避させ、押圧部14と支持部材20との間に保持対象を配置し得る程度の空間を設ける。
次に押圧部14と支持部材20との間の空間に保持対象を配する。ここでは二つの保持対象を重ねた状態で配する。従って、図6(b)に示すように保持対象を押圧部14と支持部材20との間の空間に配した後、図6(c)に示すように操作部16を右回転させて軸部12を支持部材20側に進出させる。更に操作部16を右回転させていくことにより、押圧部14が保持対象に当接して押圧する。即ち、押圧体10は、軸部12の進出によって保持対象を押圧する。
押圧体10と支持部材20とによって保持対象を狭持しているとき、支持部材20は、保持対象の軸直交方向の変位を抑止することが出来る。例えば、保持対象が図7の矢印Aで示すような右向きの外力を受けている場合、該保持対象を支持している支持部材20が傾動して保持対象をより強固に支持する。即ち、保持対象と支持部材20との間の摩擦面及び/又は当接面24の凹凸が保持対象に係合する(くい込む)ことにより、矢印Aに沿った右向きの外力が支持部材20に作用し、支持部材20を図5(b)に示すような右側の端部を突出させる姿勢に傾動させる様に偶力が作用する。その為、支持部材20の一部が、保持対象側に突出するように保持対象を押圧体10側に押圧する。
以上、説明したように本実施形態の締付保持部材1によれば、操作部16を回転させて軸部12を軸方向に沿って変位させるが、軸部12は無回転状態のまま軸方向に変位する。従って、押圧部14は、保持対象の表面で摺動することなく押圧する。よって押圧部14と支持部材20との間で保持対象を損傷させずに狭持することが出来る。
また、軸部12が孔部6内で軸方向にガタ付くことがない為、保持対象から伝達される振動や軸直交方向の外力によって軸部12と操作部16とが互いに相対回転し得ない。よって押圧体10が軸方向に変位することがなく、従来のボルトとナットで保持対象を狭持して接合する引張摩擦接合と同様に極めて強固に保持対象を狭持、保持することができ圧縮摩擦接合を実現し得る。
従って、締付保持部材1は、押圧体10の先端部(押圧部14)を保持対象に押し付け、保持対象を極めて強固に狭持した状態で、摩擦接合することができる。また、押圧体10が軸支部2に対して軸直交方向にガタ付くことを防止するので、保持対象を介して押圧体10に軸直交方向の外力等が作用しても摩擦接合の状態を維持することができる。
また、支持部材20が傾動可能に設置されていることから、保持対象が押圧体10と支持部材20とに狭持された状態から抜け出し得る方向に外力を受けた場合、支持部材20が傾動して保持対象を押圧体10側に押圧して保持対象をより強固に狭持するため、保持対象の抜脱を抑止することができる。
テーパ状を成す保持対象を狭持する場合には、支持部材20がテーパに沿って傾動して、密着した状態で狭持することが可能となる。
なお、上述した実施形態において、軸部12の第一領域12aの断面形状と、孔部6の形状を略六角形状とし、孔部6内で軸部12の回転を係止して押圧体10が軸支部2に対して相対回転しない構造としたが、押圧体10が軸支部2に対して相対回転しない構造はこれに限定するものではない。例えば軸部12と孔部6との間に介在部材を配することで、押圧体10が軸支部2に対して相対回転しないようにしてもよい。
図8は押圧体の他の構成例を示す図である。押圧体30は、軸部32、介在部材34、押圧部14、操作部16、位置規制カバー18等によって構成することができる。この場合、孔部6は、その開口端に介在部材34を配設可能な嵌合穴40を有する。
軸部32は、一端側から中途部まで孔部6に挿通し得る断面円形状の第一領域32a、他端側から中途部まで操作部16が装着し得る第二領域32bを有する。第一領域32aは、第二領域32bよりも大径に設定される。なお、孔部6の形状は、軸部32を挿通させ得る円形状等で、例えば第一領域32aの外形形状及び外径に略相当する大きさの円形状に設定される。従って第一領域32aは、孔部6にガタ付き無く進退可能に挿設可能となる。
第二領域32bには、外周面に左ねじの雄ねじ部が形成される。また、第二領域32bは、軸方向に沿って雄ねじ部を切欠いた切欠面38を有する。第二領域32bは、最大外径が第一領域32aの外径よりも小さく設定される。
介在部材34は、環状を成し、内周面が第二領域32bを挿嵌させ得る形状で、外周面が嵌合穴40に挿嵌する形状に設定される。また介在部材34は、その外形に中心からの長さが順次減少させて成る係合面36を有する。
嵌合穴40は、介在部材34を挿嵌させる穴形状を有する。即ち、嵌合穴40は、介在部材34の外形に相当する穴形状であって、内周面の一部が係合面36に周方向に係合する。
押圧体30の組み立ては、介在部材34に第二領域が32bを挿通させた軸部32を、孔部6に挿通させる。このとき、介在部材34を嵌合穴40に挿嵌させる位置まで軸部32を孔部6内に挿し込む。そして操作部16を第二領域32bの雄ねじ部に螺合させ、位置規制カバー18を軸支部2に固定することによって行うことができる。
このような押圧体30によっても、押圧体30が保持対象に対して無回転状態のまま軸方向に変位可能となる。従って、押圧部14は、保持対象の表面で摺動することなく押圧する。よって押圧部14と支持部材20との間で保持対象を損傷させずに狭持することが出来る。
また、軸部32が孔部6内で軸方向にガタ付くことがないので、押圧体30が軸方向に変位することがなく、極めて強固に保持対象を狭持、保持する摩擦接合状態を維持することができる。
また、支持部材20は押圧体10に対向配置させたが、支持部材20と押圧体10の位置は適宜設定し得る。即ち、支持部材20に挿通するボルト19の軸心が、孔部6の軸心の延長線上に位置していてもよく、また孔部6の軸心に対して反保持体4側に偏倚させるようにしてもよい。即ち、図9の一点鎖線で示すボルト19の軸心c2が、破線で示す孔部6の軸心c1に対して反保持体4側に偏倚する等、支持部材20を押圧体10に対して真正面から軸直交方向にずらして配してもよい。
図9に示す状態においては、保持対象に矢印Aで示す反保持体4向きの力が作用した場合、支持部材20には、保持体4側の端部が保持対象を押圧体10側に押圧するように傾動する。即ち、支持部材20による押圧位置が、押圧体10の軸心に対向する位置の近傍であって保持対象を狭持することによる保持をより安定して行うことができる。
また、支持部材20の凸面部22は、球面状としたが、勿論これに限定されるものではなく、図10に示すように円柱面状の凸面部22であってもよい。円柱面状とした場合は、相対する二つの向きに傾動する方向が定まる。なお、凸面部22が円柱面状の場合、凹部8の底面形状は、凸面部22を摺動可能に嵌合し得るように凹状の円柱面状とすることが好ましい。
また、支持部材20の当接面24は、平面視の形状は適宜設定し得、図1に示すような円形状や、図10に示すような矩形状の他、三角形状や五角形状等の矩形以外の多角形状、楕円形状、長円形状等であってもよい。
また、上述した押圧体は、軸部が軸支部に対して無回転状態のまま進退可能であるものとして説明したが、少なくとも押圧部が保持対象に摺動しなければ、軸部が回転するように構成してもよい。
例えば、押圧部を軸部と別体に形成し、押圧部を軸部に遊嵌させる等、押圧部に対して軸部が相対回転可能となるように押圧体を構成してもよい。
図11は、締付保持部材を示す断面図であり、押圧体60は、軸部62と押圧部64で構成することができる。軸部62は、外周面の略全域に螺旋条を形成した雄ねじ様の部材である。押圧部64は軸部62の先端部に取り付け可能に形成され、支持部材20に対向する凹凸面、即ち保持対象に当接する凹凸面を有する。また軸支部2は、孔部6を成す内周面に軸部62の螺旋条と螺合する雌ねじ螺旋溝を有する。
ここで、図12は軸部62と押圧部64との接続例を示す図である。図12(a)に示すように、押圧部64は、軸部62の先端を覆い且つ外周面を囲繞可能な断面凹形状を有して内周面に径方向内側に突出する凸部62aを設ける。一方、軸部62の先端側の外周面に周回状の周回溝64aを形成する。ここで、凸部62aは、軸部62の外周面に干渉し、周回溝64aに遊嵌するようにその突出長さを設定する。
軸部62への押圧部64の装着は、軸部62に先端側で押圧部64を配し、凸部62aが周回溝64aに嵌るように、押圧部64を軸方向に押圧して嵌め込む。これによって軸部60に対し、押圧部64が回転可能に支持される。
勿論、軸部62と押圧部64との接続は、上記に限定されるものではなく、適宜方法で行うことができる。例えば、図12(b)に示すように軸部60に球状の先端部62bを設け、押圧部64が先端部62bを囲繞し、且つ軸方向に係止するようにしてもよい。即ち、押圧部64は、開口がすぼまった凹部64bを有し、先端部62b及び/又は凹部64bが弾性変形しながら、先端部62bが凹部64b内に嵌入させるようにしてもよい。このようにしても軸部62に対して押圧部64が相対回転可能に接続することができる。
押圧部64は、軸部62よりも剪断強度が強くなるように断面積等を設定してもよい。例えば、上記数式1と同様にして軸部62のねじの有効径における断面積Aに対する押圧部64の断面積Sを、
Figure 2022182878000003
を満たすように設定する。
上記構成によれば、押圧部64は、凹凸面が保持対象に当接するため、軸部62との間の摩擦に比して保持対象との間の摩擦を大きく設定することができる。従って、押圧部64は、保持対象に接触しているとき、軸部62に対して遊転して保持対象に摺接してしまうことを防ぐことが出来る。
図13は軸部70の例を示す図であり、軸部70は、一端側と他端側とで異なる雄ねじ構造を有してもよい。即ち、軸部70は、一端側(上述した第一領域に相当する領域)に右ねじの螺旋条により成り、軸支部2の内周面に設けられている雌ねじ螺旋溝に螺合される被支持ねじ部72を配する。また、軸部70は、他端側(上述した第二領域に相当する領域)に右ねじの螺旋溝と左ねじの螺旋溝とが同一領域に重複形成された両ねじの雄ねじ螺旋溝の両ネジ部74を配する。
両ネジ部74は、右ねじである第一雄ねじ螺旋溝及び左ねじである第二雄ねじ螺旋溝の二種類の雄ねじ螺旋溝が同一領域上に重複形成したものである。両ネジ部74には、軸心(ねじ軸)に垂直となる面方向に連続する略三日月状のねじ山76が、軸部70の一方側(図13の右側)及び他方側(図13の左側)に交互に設けられており、ねじ山76をこのように構成することで、右回りに旋回する螺旋溝及び左回りに旋回する螺旋溝の二種類の螺旋溝を、ねじ山76同士の間に形成することが出来る。従って、両ネジ部74には、右ねじ及び左ねじの何れの雌ねじ体とも螺合することが可能となる。
押圧体10が軸部70を用いて構成される場合、図14に示すように軸部70は、被支持ねじ部72が孔部6内で軸支部2に螺合して支持され、両ネジ部74の第二雄ねじ螺旋溝に操作部16が螺合される。なお、両ネジ部74の第一雄ねじ螺旋溝は、孔部6と螺合し得る。また、操作部16は、位置規制カバー18によって軸支部2に対する軸方向位置が規制される。
上記押圧体10は、操作部16を軸部70に対して相対回転させ、操作部16に印加されているトルクの反作用によって軸部70を逆向きに回転させる。即ち、図15(a)に示すように、操作部16を右回転させたとき、軸部70は、操作部16に印加されているトルクの反作用で、軸支部2に対して左回転し、支持部材20から退避する向きに変位する。また、図15(b)に示すように、操作部16を左回転させたとき、軸部70は、操作部16に印加されているトルクの反作用で、軸支部2に対して右回転し、支持部材20に向かって変位する。
このように、軸部70の両ネジ部74に操作部16を螺合させることでも、操作部16にトルクを印加したときに、軸部70に逆向きのトルクが作用して軸部70が回転し、軸方向に変位する。これによって保持対象を押圧することができ、保持対象の狭持、保持を行うことができる。
また、軸部に対して押圧部64が別体の構成としたが、押圧部64は、軸部よりも剪断強度が強くなるように断面積を設定しているため、保持対象に直接接触していても軸部よりも先に剪断破壊してしまうことを防止することができる。
また、保持対象からの振動及び軸直交方向の力によって、押圧体10による押圧が解かれることを防止できる。これは、孔部6及び操作部16に対して同時に軸部70が相対回転し得ない構成となっている為である。
具体的には、軸部70は、孔部6に螺合している被支持ねじ部72と、操作部16に螺合している両ネジ部74とで、相対回転による軸方向の変位向きが異なる。軸部70だけを右回転させる場合、孔部6に螺合している領域(被支持ねじ部72)は、支持部材20側に向かうように軸方向に変位する。これに対し、軸部70の操作部16に螺合している領域(両ネジ部74)は、支持部材20から退避するように軸方向に変位する。
従って、軸部70は、二つの領域(被支持ねじ部72と両ネジ部74)で相反する向きに変位しようとするので、結果、軸部70は、孔部6及び操作部16に対し同時に相対回転できない。よって押圧体10は、軸方向に変位せず保持対象を極めて強固に狭持した状態で、摩擦接合することができる。更に、押圧体10は、保持対象を介して振動や軸直交方向の外力を受けても摩擦接合の状態を維持することができる。
1…締付保持部材、2…軸支部、3…受部、4…保持体、10,30,60…押圧体、12,32,62,70…軸部、14,64…押圧部、16…操作部、18…位置規制カバー、20…支持部材、22…凸面部、24…当接面、26…挿通孔、34…介在部材、40…嵌合穴、62a…凸部、64a…周回溝、72…被支持ねじ部、74…両ネジ部。

Claims (10)

  1. 進退可能に軸支する軸支部及び該軸支部に対向配置される受部を定位置に保持する保持体と、上記軸支部に挿設され、上記受部と対向する押圧部によって保持対象を押圧し得る押圧体と、上記押圧体に設けられる軸部に装着され、上記押圧体を無回転で進退操作可能とする操作部とを有し、
    上記軸部は、上記軸支部によって、無回転状態のまま軸方向に進退自在に軸支され、
    上記押圧部は、上記軸部の進出時に上記保持対象を押圧し得ることを特徴とする締付保持部材。
  2. 前記軸部は、前記軸支部に軸支される第一領域と、前記操作部を装着する第二領域とを有し、
    前記押圧部は、上記第一領域の先端部に位置し、
    上記第一領域は、前記軸支部に対して周方向に係合し得る柱形状を有し、
    上記第二領域は、雄ねじ螺旋溝を有し、
    前記軸支部は、挿通される上記第一領域に対して周方向に係合する孔を有することを特徴とする請求項1記載の締付保持部材。
  3. 前記軸部の前記第一領域は、断面形状が多角形状、長円形状或いは楕円形状であり、
    前記孔は、上記断面形状に相当する形状であることを特徴とする請求項2記載の締付保持部材。
  4. 前記第一領域は、周面の一部を切欠いた形状を有し、
    前記孔は、その内周面が前記第一領域の切欠かれた部分に周方向に係合することを特徴とする請求項2記載の締付保持部材。
  5. 前記軸部は、断面円形状で前記軸支部に軸支される第一領域と、前記操作部を装着する第二領域とを有し、
    前記押圧部は、上記第一領域の先端部に位置し、
    上記第二領域は、外周面に形成される雄ねじ螺旋溝と、該雄ねじ螺旋溝を軸方向に沿って切欠いた切欠面とを有し、
    前記孔は、開口部に配されて上記第一領域よりも拡径した挿嵌部を有し、
    上記挿嵌部は、内周面に軸心からの長さが徐々に減少して成る係合面を有し、
    上記開口部に挿嵌され、且つ上記第二領域を囲繞する介在部材を具え、
    上記介在部材は、外周面が上記開口部に周方向に係止され、内周面が上記係合面を周方向に係止することを特徴とする請求項1記載の締付保持部材。
  6. 前記押圧部は、前記保持対象に当接する凹凸面を有することを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の締付保持部材。
  7. 前記受部は、前記保持対象に面接触し、且つ前記保持対象に対して傾動可能な支持部材を有することを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の締付保持部材。
  8. 前記受部は、底面が球面状乃至曲面状の凹部を有し、
    前記支持部材は、上記底面の形状に沿った突出面の凸部を有し、
    前記支持部材は、上記凸部が上記凹部に摺接し得るように、上記受部に配設されることを特徴とする請求項7記載の締付保持部材。
  9. 前記支持部材は、前記保持対象に当接する凹凸状の当接面を有することを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の締付保持部材。
  10. 前記軸部の軸心に沿った方向において、前記支持部材の中心と前記押圧部の中心とがズレていることを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載の締付保持部材。
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