JP3777956B2 - 横入れヨークのシャフト仮保持クリップ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のステアリング装置等に用いられるものであって、一端に自在継手を連結した横入れヨークとシャフトとを結合させる際に、ボルトでの締め付け作業を容易にするためにシャフトを横入れヨーク内に仮保持する、横入れヨークのシャフト仮保持クリップに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車の前輪に操舵角を付与するためのステアリング装置においては、ステアリングホイールの操作に伴って回転するステアリングシャフトの動きを十字軸式の自在継手(ユニバーサルジョイント)を介して、ステアリングギヤの入力軸に伝達する構成である。
【0003】
この自在継手は、一対のU字形のヨークを十字軸を介して互いに軸支したものである。このような自在継手を使用してステアリング装置を組み付ける場合は、例えば一方のヨークをステアリングシャフト等の一方のシャフトの端部に溶接、あるいはねじ止めにより予め結合・固定し、他方のヨークを他方のシャフトの端部に結合する。通常、このような組み付け作業を行うのに、前記一方のシャフトを車体側に支持した後、このシャフトと他方のシャフトとを自在継手により結合する。したがって、自在継手の2つのヨークの内、少なくとも一方のヨークはシャフトを軸方向に動かすことなく固定作業を行うことができる、いわゆる横入れ式のものが好ましい。
【0004】
この横入れ式のヨークは、自在継手の片方を構成する部分と、この部分と一体的に設けられ、軸方向と直交する平面内での断面がU字形の結合部とから成っており、このU字形の凹部分に、断面形状が小判型のシャフトの端部を開口部から横入れで挿入して、U字形の平行に延びた両端部を、ボルトで貫通及び螺合して締め付けることにより、シャフトを当該横入れヨークに結合させる。この際、ボルトと一体的に、又は所定の摩擦抵抗力を付与して設けたカム(カム部材)により、シャフトの前記結合部内における位置決め(センタリング)を行うのが、一般的である。
【0005】
このように、ボルトに設けたカムでシャフトのセンタリングを行う、従来の横入れヨークとシャフトの結合構造における組み付け方式には、大きく分けて2つのタイプがある。その一つは、例えば、特開平10−318272号(特願平09‐133571号公報に開示されているように、カムボルトを使用し、ナットの方を締め上げるタイプである。もう一つは、特開平10−169664号(特願平08‐328819号公報、特開平10−148215号(特願平08‐309601号公報等に開示されているように、ボルトの方を締め上げるというものである。
【0006】
これらの組み付け方式の内、前者は、ナットを締め上げる都合上、ボルトを後ろ側から差し込んでボルトの先端を手前に出すか、手前側からボルトを差し込んでから、自在継手を180°回転させ、ナットを手前側にする必要があるが、ボルトの方を締め上げる後者の方式は、手前側からボルトを挿入して、そのまま締め上げ作業をするので、前者の方式に比較すれば作業性は良い。
【0007】
しかし、このボルトの方を手前で締め上げる組み付け方式は、ナットが、外れたり回転したりしないようにヨークに取り付けられている必要があり、又、ボルトを挿入してナットに始めに螺合させるまでの間、図12に示すように、ヨーク1に挿入したシャフト3がヨーク1から外れ易いため、組み付け時には、シャフト3を手で支持しながらの作業が必要になる等の不具合があった。
【0008】
そこで、シャフトを手で支持しなくてもボルトの締め付け作業を行える組み付け方式が、いくつか提案されている。特許番号第2735260号公報においては、回り止め部を有し、ボルトの挿入側の部分が長めに形成されている特殊ナットを、板バネ部材でヨークのナット孔にスライド可能に押さえ、シャフトをヨークに挿入後、ナットのボルト挿入側の部分でシャフトを押さえる構成のものが開示されている。
また、U.S.P.5,358,350号公報においては、一端が外側に反った形状の突出片である係止部を有するコの字形状の仮保持クリップを、この係止部を内側にしてヨークの一方の端部に嵌め込み、シャフト挿入時は係止部が押されてシャフトの通過を許容し、シャフト通過後、この係止部の反りが弾性的に戻ってシャフトに引っ掛かり仮保持をする構成のものが開示されている。
【0009】
特開平11−280777号公報においては、図13に示すように、結合用仮止め具8を用い、この結合用仮止め具8の孔部14にシャフト3を通し、ヨーク1の凹部にセットする時、結合用仮止め具8の爪部15がヨーク1の背面側に引っ掛かることにより、シャフト3が仮保持される構成のものが開示されている。
特開平11−030241号(特願平09‐196413号公報においては、図15に示すように、弾性的に矢印方向に変位可能な突出部20aを有するクリップ20を、図14に示すように、ヨーク1のボルト孔11eに内嵌固定し、シャフト3を矢印方向から挿入する時は、突出部20aがボルト孔11e内へ押し込まれてシャフト3が通過するのを許容するが、シャフト3がヨーク1の凹部に嵌合すると、突出部20aが弾性的に元の形に戻ってその先端でシャフト3を掛止する構成のものが開示されている。
【0010】
特開平11−280781号公報においては、図16に示すように、シャフト3を挿入する時は、クリップ30のボルト貫通孔30bに設けた突出部30aが、ヨークのボルト孔内へ押し込まれてシャフト3が通過するのを許容するが、シャフト3がヨークの凹部に嵌合すると、突出部30aが弾性的に戻ってシャフト3がヨーク1から分離するのを防止する構成のものが開示されている。
さらに、実開平6−78630号公報においては、ヨーク内の対向する2つの内側面に係止穴を設け、シャフトの先端部に外嵌される係止筒に前記係止穴に嵌合する大きさの係止突片を設け、係止筒を外嵌したシャフトをヨーク内に挿入した時に、前記係止穴に係止突片を嵌合させることによりシャフトをヨークに仮保持する構成のものが開示されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の上記横入れヨークのシャフト仮保持構造の内、特許番号第2735260号公報においては、回り止めを形成した特殊ナットはコスト高であり、しかも、ボルトを当てて螺合させる際に、当該ナットが抜け落ちる可能性があるという問題点があった。
また、U.S.P.5,358,350号公報においては、図17に示すように、ヨーク1の一方の端部に仮保持クリップ21を取り付け、シャフト3を通過させるには、クリップ21との間に隙間dが必要であるが、クリップ21の大きさからすると、この隙間dが大きくなり、シャフト3のセット位置では、ヨーク1の両端部が開いてしまうので、ボルトでこの両端部を締め付けて行く分だけ余計に時間がかかってしまうという問題点があった。
【0012】
また、特開平11−280777号公報においては、結合用仮止め具8の孔部14にシャフト3を通してから組み付ける必要があり、結合用仮止め具8をヨーク1に取り付けたままシャフト3を挿入することができないという不具合があった。
また、特開平11−030241号(特願平09‐196413号公報においては、ボルトを挿入する時に、ボルトの先端がクリップ20の突出部20aを引っ掛けるので、クリップ20がヨーク1の内側へ抜け出てしまう可能性がある。又、クリップ20をヨーク1に取り付ける時に、突出部20aの方向を決めるための、クリップ20のボルト回転方向の位置決めがないため、任意に位置決めを行わなければならないという不具合があった。
【0013】
また、特開平11−280781号(特願平09‐190727号公報においては、図18に示すように、クリップ30の取付け部30cをヨーク1のナット孔11dに挿入して取り付けるため、ナット孔11dをボルト6の径より大きめに作る必要がある。このため、ボルト6のガタが大きく、組み付け時にシャフトのセンタリングにずれが出易くなる。又、ボルト6の締め付け時に、取付け部30cがボルト6とヨーク1間に挟み込まれるため、ボルトゆるみの原因となる。さらに、実開平06−78630号公報においては、ヨーク1の内側面に係止穴を形成する必要があり、加工が容易でなく、コスト高になるという問題点があった。
【0014】
そこで、本発明においては、上述した問題点を解消して、ヨークにシャフトを挿入してからボルトをナットに螺合させるまで、シャフトが外れないように仮保持することができて、ボルトの締め付け動作に干渉することがない、低コストで簡単な構成の横入れヨークのシャフト仮保持クリップを提供することを課題としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明では、先端部外周面に互いに平行な一対の平坦面を形成したシャフトが結合された際に該平坦面を挟持し、その軸方向に直交する平面内の断面形状がU字形に形成されている対をなす挟持部と、一方の前記挟持部の端部近傍に設けられ、ナットが内嵌固定されるナット孔と、他方の前記挟持部の端部近傍に設けられ、前記ナット孔と同心でナット孔より大きい径のボルト孔と、を有していて、一端部が前記シャフトに結合され、他端部が自在継手に連結される横入れヨークに前記シャフトを結合するために、前記シャフトを前記挟持部に挿入した後、ボルトを前記ボルト孔から挿入して前記ナットに螺合させるまで、前記シャフトを仮保持するために、前記挟持部の所定位置に取り付けられる、横入れヨークのシャフト仮保持クリップにおいて、
該横入れヨークのシャフト仮保持クリップは、
前記ヨークの前記一方の挟持部の端部に、該端部の形状に沿って外側から内側へ外嵌する取付け部と、
この取付け部の内側端部から、前記ボルト軸方向に直交する方向よりも所定角度内側に傾斜した方向に突出するように形成されており、前記内側端部を支点とする外側方向への曲げが弾性限度内にある支持部と、
この支持部の先端部に一体的に形成され、前記ナット孔又はボルト孔のいずれか一方に前記ボルト軸方向に移動自在に内嵌する円筒形状で、内径がボルト外径よりやや大きく、外径が前記ナット又はボルト孔の前記一方の内径よりやや小さい係止部と、から成っており、
この係止部は、力が加わっていない状態で部分的に前記ナット孔またはボルト孔の前記一方に嵌合しており、前記シャフトを前記挟持部に挿入する時に、シャフトの一部が前記支持部を押しながら摺動することにより、前記ナット孔又はボルト孔内へ退避してシャフトが通過するのを許容し、シャフトが前記挟持部の凹部に押し込まれると、弾性的に元の位置に戻りシャフトを係止する構成であることを特徴とする。
【0016】
このように構成したことにより、前記シャフトを前記挟持部に挿入し、挟持部の凹部へ押し込んだ段階で、シャフトの支持部への加圧が解除されるため、係止部が弾性的に元の位置に復帰してシャフトを係止する(仮保持)する。したがって、シャフトを手で支持することなく、片手でボルトをナットに螺合させてから、そのまま締め上げ作業を行うことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の第1の実施形態を示す横入れヨークのシャフト仮保持クリップの正面図(A)と同図のA−A断面図(B)、図2は仮保持クリップを横入れヨークに取り付けた状態を示す側断面図、図3は仮保持クリップを示す部分展開図、図4および図5はそれぞれ第1および第2参考例を示す図1と同様な図、図6は第2参考例の部分展開図、図7〜図10はそれぞれにおいて仮保持クリップの動作を示す側断面図(A)と正面から見た部分断面図(B)、図11は本発明の第2の実施形態を示す横入れヨークとシャフト仮保持クリップの側断面図である。
【0018】
図1において、本発明のシャフト仮保持クリップ10(以後、クリップ10と言う)は、円筒形状の係止部10aと、この係止部10aを一端部で支持する長方形の支持部10bと、この支持部10bの他端部に連続する部分であって、ナット嵌合孔10eを有し、L字形状に曲げられた取付け部10c(同図(B)参照)とから成っている。これらは一枚の弾性を有する金属板から打ち抜き加工により、一体的に形成されている。
【0019】
このクリップ10を横入れヨークに取り付けた状態を図2に示している。ヨーク1のシャフト3を結合する部分は、シャフト3の軸方向に直交する平面内での断面形状がU字形(同図では逆U字の配置で示す)に形成されており、U字形の平行に延びている部分である挟持部11a,11bとU字形の凹部分である曲面部11cとから成っている。挟持部11a,11bは、シャフト3の側面側(図中、下面側)に開口部11fを形成している。挟持部11aの先端近傍にはナット孔11dが、挟持部11bの先端近傍にはボルト孔11eがそれぞれ設けられている。一方のナット孔11dには、ねじ孔を有するナット7が内嵌固定されており、他方のボルト孔11eはナット7と同心であってナット孔11dの内径よりやや大き目の内径を有している。
シャフト3は、その先端部の外周面に互いに平行な一対の平坦面3aが形成されており、同図に示すような断面形状を有している。
【0020】
クリップ10の取付け部10cは、ナット7にナット嵌合孔10eが外嵌するように、且つ挟持部11aの端部にその形状に沿って外側から内側へ隙間なく外嵌するように取り付けられている。
支持部10bは、図1(B)にも示すように、取付け部10cの内側端部10dから、ボルト軸方向に対して直交する方向よりも所定角度αだけ内側に傾斜した方向に突出するように形成されている。支持部10bは、図2に示すように、内側端部10dを支点として外側方向(矢印B方向)へ挟持部11aの内側面と接触するまで曲げることが可能であるが、この曲がる範囲は弾性限度内にあり、加られた力が除去されれば、元の位置へ弾性的に復帰するようにされている。
【0021】
円筒形の係止部10aは、図3に示すような形状に切断した金属板を円筒形状に曲げて形成したもので、支持部10bの先端部に一体的に形成されており、ナット孔11dに、ボルト軸方向に移動自在に内嵌するように配置されている。係止部10aは、支持部10bに力が加わっていない時は、少なくとも円筒部の半分はナット孔11dに嵌合した状態になっている。そして、係止部10aは、ヨーク1の曲面部11cに嵌め込まれたシャフト3を、図中その上端部で係止することにより、シャフト3がヨーク1から外れないように支持(仮保持)する。
この係止部10aの外径は、ナット孔11dに内嵌してボルト軸方向に移動自在な程度に、ナット孔11dの内径よりやや小さい大きさに設定されている必要がある。したがって、支持部10bの長手方向の長さは、係止部10aがナット孔11d内をスムーズに揺動可能な寸法に設定されている必要がある。又、係止部10aの内径は、図示しないボルトの締め付けに干渉しない程度に、ボルトの外径よりもやや大きく設定されている必要がある。
【0022】
尚、クリップ10の取付け部10cと支持部10bにより形成される凹部は、ヨーク1の挟持部11aの先端部に隙間無く外嵌する寸法および形状に設定されている必要がある。
また、クリップ10の取付け部10cは、図2に示すように、係止部10aがナット孔11d内に引っ掛かるため、ナット嵌合孔10eを有する部分を切除してナット7の図中下端部に接触する程度の長さにしても良く、このようにより簡単な構成にすることができる。しかし、ナット嵌合孔10eを有する構成の方が装着性は確実で良好である。
以上、第1実施形態において係止部10aは円筒形状を有しているが、係止部の形状は円筒形状に限定されない。図4および図5はそれぞれ第1および第2参考例を示している。
図4に示す第1参考例においてクリップ10の係止部10a’は円筒形状に代えて四角筒形状に形成されている。クリップ10の他の部分の形状は図1のものと同様である。なお、本第1参考例の場合、ヨーク1のナット孔11dも四角形孔とすると良い。
図5に示す第2参考例において、クリップ10の保持部10a’’は、上側に開くほぼU字形状に形成されている。この第2参考例の保持部10a’’は、図6に示すような展開形状に切断した金属板を略U字形状に折り曲げて形成すれば良く、展開形状が簡単でかつ加工も容易で、安価に製造できる。第2参考例の場合も、ヨーク1のナット孔11dは四角形孔とすると良い。
これら第1および第2参考例の両方とも、上記以外の構成は図1に示すものと同じである。
【0023】
次に、上記構成のクリップ10を取り付けたヨーク1に、シャフト3を挿入する際の動作について、図7〜図10を参照して説明する。但し、「上下左右」の方向表現は参照図においてのみ有効とする。
図7に示すように、シャフト3をまだヨーク1に挿入していない時は、係止部10aは、図2に示した状態と同様に、ナット孔11dに内嵌しながら、略その半分が挟持部11aの内側面よりもさらに内側に突出した状態になっている。次に図8に示すように、シャフト3を挟持部11aの開口部11fから挿入し始めると、挟持部11aの内側面に対して傾斜した支持部10bに、シャフト3の左側の平坦面3aの先端部が当たるが、そのままシャフト3をさらに押しながら摺動させて行くと、支持部10bが矢印B方向に弾性的に押し曲げられ、係止部10aがナット孔11d内に退避することにより支持部10bは挟持部11aの内側面に接触してこれと平行な状態になるので、シャフト3の通過を許容することになる。そこで、図9に示すように、そのままシャフト3をヨーク1の曲面部11c側へ押し込んで行く。
【0024】
そして、図10に示すように、シャフト3を曲面部11cまで押し込んで行くと、シャフト3の下側面3bが係止部10aの上端よりも上側に位置するようになるので、係止部10aに加えられるシャフト3の押圧力は無くなり、支持部10bの弾性力で矢印C方向に戻って元の位置に復帰する。したがって、その係止部10aの上端部がシャフト3の下側面3bの下側に位置して、これに当接するようになり、これによってシャフト3が下側へ落ちないように係止(仮保持)される。
その後、図示しないボルトをボルト孔11eから挿入して、係止部10aを貫通し、ナット7のねじ孔に螺合させるが、係止部10aの内径はボルトの外径よりもやや大きく設定されているので、ボルトの締め付け時に、ボルトが係止部10aに干渉することがなく、締め付け作業を容易に行うことができる。
【0025】
上記構成のクリップ10が取り付けられたヨーク1において、ナット7はナット孔11dに固定されているため、ボルトに押されて抜け落ちることがなく、回り止めを作る必要もない。クリップ10は簡単な構成で、一枚の板金から打ち抜き加工で切り出せるので、加工が容易で低コストで製作することができる。又、ヨーク1にシャフト3を挿入する時に、係止部10aがナット孔11dに入り込んでしまうため、図17に示したような、シャフト3とクリップ10との間に設ける隙間は小さなもので済む。
そして、従来のように、シャフト3にクリップ10を取り付けてからヨーク1に挿入するというステップは必要なく、クリップ10が取り付けられたヨーク1に、直接シャフト3を挿入することができる。又、従来のように、ボルト挿入時に、ボルトがクリップ10に干渉することなく、係止部10aが円筒形なので、位置決めをする必要もない。又、図18に示したように、ナット孔11dを大きくする必要はなく、ボルト締め付け時にクリップ10がボルトとヨーク1の間に挟み込まれないので、ボルト緩みの原因を作ることもない。
【0026】
次に、第2の実施形態について図11を参照して説明する。
図11に示す第2の実施形態は、上記第1の実施形態と略同様であり、同一部材には同一番号を付している。異なっているのは、クリップ10がボルト孔11eを有する挟持部11bの方に取り付けられている点である。この場合は、第1の実施形態のナット孔11dと同様に、ボルト孔11eは、その位置が、シャフト3を曲面部11cに押しつけた時に、少なくともボルト孔11eの曲面部11c側端部(図中、上端部)が、シャフト3の開口部11f側の側面3bよりも開口部11f側(図中、下側)になるように、即ち、係止部10aがシャフト3の側面3bに当接して係止可能なように設定されている必要がある。
この構成において、シャフト3をヨーク1に挿入する時のクリップ10の動作は第1の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のシャフト仮保持クリップは、挟持部の一方の端部にその形状に沿って外嵌する取付け部と、この取付け部の内側端部から、ボルト軸方向に直交する方向よりも所定角度内側に傾斜した方向に突出するように形成されており、前記内側端部を支点とする外側方向への曲げが弾性限度内にある支持部と、この支持部の先端部に一体的に形成され、ナット孔又はボルト孔に、ボルト軸方向に移動自在に内嵌する円筒形の係止部とから成っているので、係止部は、シャフトを挟持部に挿入する際に、シャフトの一部が支持部を押しながら摺動することにより、ナット孔又はボルト孔内へ退避してシャフトが通過するのを許容し、シャフトが挟持部の凹部に押し込まれると、弾性的に元の位置に復帰してシャフトを係止し、これを仮保持するため、ボルトをボルト孔から挿入して、始めにナットに螺合させる作業を片手で行うことができ、ボルトの締め付け作業の間も、ヨークの挟持部とシャフトのずれを防止することができる。しかも、簡単な構成であるので、低コストで製造することができる。
また、ボルトは係止部の円筒内を無理なく貫通するので、締め付け作業時にボルトが当該クリップに干渉するのを回避することができ、
したがって、シャフトとヨークの結合作業が容易になり、作業の確実性、信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態を示す横入れヨークのシャフト仮保持クリップの正面図(A)と同図のA−A断面図(B)
【図2】 図1の仮保持クリップを横入れヨークに取り付けた状態を示す側断面構成図
【図3】 仮保持クリップの支持部と係止部を示す展開図
【図4】 本発明の第1参考例である仮保持クリップの正面図(A)、同図のA−A断面図(B)、およびナットを横入れヨークに取付けた状態の部分断面図(C)
【図5】 本発明の第2参考例である仮保持クリップの正面図(A)、同図のA−A断面図(B)、およびナットを横入れヨークに取付けた状態の部分断面図(C)
【図6】 第2参考例の支持部と係止部を示す展開図
【図7】 ヨークにシャフトを挿入する前の状態を示す側断面構成図(A)と正面部分断面図(B)
【図8】 ヨークにシャフトを挿入し始めた状態を示す側断面構成図(A)と正面部分断面図(B)
【図9】 ヨークにシャフトを挿入して仮保持クリップを通過する状態を示す側断面構成図(A)と正面部分断面図(B)
【図10】 ヨークにシャフトを押し込んで仮保持クリップで掛止された状態を示す側断面構成図(A)と正面部分断面図(B)
【図11】 本発明の第2の実施形態を示す横入れヨークとシャフト仮保持クリップの側断面構成図
【図12】 従来のヨークに対するシャフトのずれを示す説明図
【図13】 従来の横入れヨークと仮保持クリップを示す斜視分解図
【図14】 従来の仮保持クリップを取り付けたヨークを示す側断面構成図
【図15】 従来の仮保持クリップを示す斜視図
【図16】 従来の仮保持クリップを示す斜視図
【図17】 従来の仮保持クリップをヨークに取り付けた状態を示す説明図
【図18】 従来の仮保持クリップの一部をヨークのナット孔に挿入した状態を示す説明図

Claims (1)

  1. 先端部外周面に互いに平行な一対の平坦面を形成したシャフトが結合された際に該平坦面を挟持し、その軸方向に直交する平面内の断面形状がU字形に形成されている対をなす挟持部と、一方の前記挟持部の端部近傍に設けられ、ナットが内嵌固定されるナット孔と、他方の前記挟持部の端部近傍に設けられ、前記ナット孔と同心でナット孔より大きい径のボルト孔と、を有していて、一端部が前記シャフトに結合され、他端部が自在継手に連結される横入れヨークに前記シャフトを結合するために、前記シャフトを前記挟持部に挿入した後、ボルトを前記ボルト孔から挿入して前記ナットに螺合させるまで、前記シャフトを仮保持するために、前記挟持部の所定位置に取り付けられる、横入れヨークのシャフト仮保持クリップにおいて、
    該横入れヨークのシャフト仮保持クリップは、
    前記ヨークの前記一方の挟持部の端部に、該端部の形状に沿って外側から内側へ外嵌する取付け部と、
    この取付け部の内側端部から、前記ボルト軸方向に直交する方向よりも所定角度内側に傾斜した方向に突出するように形成されており、前記内側端部を支点とする外側方向への曲げが弾性限度内にある支持部と、
    この支持部の先端部に一体的に形成され、前記ナット孔又はボルト孔のいずれか一方に前記ボルト軸方向に移動自在に内嵌する円筒形状で、内径がボルト外径よりやや大きく、外径が前記ナット又はボルト孔の前記一方の内径よりやや小さい係止部と、から成っており、
    この係止部は、力が加わっていない状態で部分的に前記ナット孔またはボルト孔の前記一方に嵌合しており、前記シャフトを前記挟持部に挿入する時に、シャフトの一部が前記支持部を押しながら摺動することにより、前記ナット孔又はボルト孔内へ退避してシャフトが通過するのを許容し、シャフトが前記挟持部の凹部に押し込まれると、弾性的に元の位置に戻りシャフトを係止する構成であることを特徴とする横入れヨークのシャフト仮保持クリップ。
JP2000225459A 2000-02-03 2000-07-26 横入れヨークのシャフト仮保持クリップ Expired - Fee Related JP3777956B2 (ja)

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