JP2006070470A - 建築用板 - Google Patents

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Abstract

【目的】特に曲げ強度に優れ且つばらつきが少なく、釘・ビスの保持力にも優れた建築用板を提供する。
【構成】ロックウール1と木質繊維2と結合剤3とを必須成分とする表層7および裏層9と、パーライト5とアスペクト比(長さ÷直径)10未満の木粉6と結合剤3とを主成分とする芯層8とが積層一体化されてなることを特徴とする三層積層構造の建築用板10である。この建築用板において、表層および裏層の比重は0.8〜1.2、中層の比重は0.4〜0.65であることが好ましく、全体比重は0.6〜0.93であることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、主として外壁の下地材などに使用される建築用板に関する。
主として外壁の下地材などに使用される建築用板として、表層、芯層および裏層の三層からなるものが、たとえば、下記特許文献1,2に知られている。
特許文献1に記載の建築用板は、「鉱物質繊維と無機粉状体とを主成分とし、かつ、結合剤を添加して形成した比重0.8以上の外層部である下層部および上層部との間に、無機発泡体を主成分とし、かつ、結合剤を添加した比重0.4以下の中層部を層状に形成一体化し、全体比重を0.55以上としたことを特徴とする無機建築板」(請求項1)であり、その表裏層(上下層部)にパルプなどの有機繊維を混入することにより曲げ強度を向上させることができること(段落0009)、無機発泡体を主成分とする芯層(中層部)に無機発泡体同士を連結するために鉱物質繊維、合成樹脂繊維あるいはパルプなどの繊維状物を添加することができること(段落0012)の記載がある。
特許文献2に記載の建築用板は、「無機発泡体を主体とし、かつ、適量の結合剤を添加してなる中層部の表裏面に、鉱物質繊維および無機粉状体を主体とし、かつ、適量の結合剤を添加してなる表層部をそれぞれ積層一体化した無機質板状体において、前記中層部に10〜40重量%の繊維状物を添加するとともに、前記表層部と前記中層部との界面に接着性物質を介在させたことを特徴とする無機質板状体」(請求項1)であり、その芯層(中層部)には無機発泡体を連結するために10〜40重量%の繊維状物が添加されている(段落0007)。
特許第2680772号公報 特許第2670003号公報
これら特許文献1、2記載の建築用板においては、各層の成分同士の結合力を高めるために繊維状物を添加することが検討されているが、特に無機発泡体を主体とする芯層に有機繊維を添加する場合は、無機発泡体と有機繊維の形状が異なっているので、均一に混合する管理が困難であり、混合物において無機発泡体と有機繊維が分離した状態になりやすい。このため、有機繊維の添加によっても期待するように曲げ強度や釘、ビスの保持力を増大することが困難であり、そのばらつきも大きいものであった。
また、建築用板の木口に実を形成し、隣接する建築用板を実接合する場合、実は一般に芯層部分に形成されるが、上記のように有機繊維を添加しても均一に混合できない場合は曲げ強度が十分に得られないため、実部の割れや欠損が生じやすいものであった。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、機械的強度、特に曲げ強度が向上されるとともにそのばらつきが少ない建築用板を提供することにある。
上記の課題を達成するため、本発明による建築用板は、ロックウール(別名:スラグウール、岩綿)と木質繊維と結合剤とを必須成分とする表層および裏層と、パーライトとアスペクト比(長さ÷直径)10未満の木粉と結合剤とを主成分とする芯層とが積層一体化されてなることを特徴とする。
表層および裏層の比重は0.8〜1.2、中層の比重は0.4〜0.65であることが好ましい。全体比重は0.6〜0.93であることが好ましい。
表層および裏層の必須成分である木質繊維は、松、杉、桧などの針葉樹またはラワン、カポール、栗、ポプラなどの広葉樹をチップにした後、常法に従い解繊したもので、その長さは0.3〜40mm、直径は0.05〜0.5mm(アスペクト比10〜400)程度である。
芯層に配合する木粉はアスペクト比10未満のものを用いる。これによりパーライトと木粉の形状が近くなるため、パーライトの粒子と木粉の粒子とが均一に混合されやすくなり、パーライト同士が木粉を介して強固に結合し、パーライト単独の成形体に比べて機械的強度、特に曲げ強度が向上する。
各層に用いる結合剤は、フェノール系樹脂、ユリア系樹脂、メラミン系樹脂などの水溶性または懸濁性の熱硬化性結合剤、酢酸ビニル系樹脂などの水溶性の熱可塑性結合剤またはゴム系結合剤、2液反応型結合剤、湿気硬化型結合剤などの有機溶剤に溶かした有機質結合剤、あるいはセメント、水ガラス、シリカゾルなどの水に溶かした無機質結合剤を、単体または複数を必要に応じて使用することが好ましい。
各層には、増量剤としてペーパースラッジ焼却灰(PS灰)を添加することができる。PS灰の添加により、熱圧成形後の成形体の収縮を抑えて形状を保持するとともに耐熱性を向上することができる。
各層には、シランカップリング剤を0.1重量%程度添加することができる。シランカップリング剤は一般にX〜Si(OR)の化学式で表わされる化合物であり、このうちのXはアミノ基、ビニル基、エポキシ基など、ORはメトキシ基、エトキシ基などの反応基からなり、分子中に2個以上の異なった反応基をもった化合物である。具体的には、ビニルトリメトキシシラン、β−3,4(エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤が挙げられる。
シランカップリング剤の添加は、シランカップリング剤と前記結合剤を予め混合したものをロックウール、パーライト、木質繊維、木粉に付着させても良いし、先にシランカップリング剤を付着させた後に前記結合剤を付着させても良い。シランカップリング剤は水と反応して開環して水酸基を持つことにより無機物と反応しやすくなるものであるため、これを添加することによりロックウールと木質繊維(表層および裏層において)またはパーライトと木粉(中層において)との間の橋渡しをし、これらの結合力を高めることができる。特に、結合剤として熱硬化性結合剤を使用し、且つシランカップリング剤を併用することにより、混合物成分間の結合力を一層高めて高温時の曲げ強度を向上させることができる。
以上を勘案して、表層および裏層の組成は、ロックウール50〜60重量%、木質繊維10〜20重量%、PS灰10〜20重量%、結合剤5〜15重量%、カップリング剤0.1重量%程度を目安とする。また、芯層の組成は、パーライト60〜70重量%、木粉2〜5重量%、PS灰20〜30重量%、結合剤5〜10重量%、カップリング剤0.1重量%程度を目安とする。
表層および裏層におけるロックウールまたは芯層におけるパーライトの量が多いと、建築用板の硬さが増大するものの、脆くなって曲げに対する抵抗力が減少し割れ易くなる。一方、これらの量が少なすぎると、基材としての不燃性能が低下し耐火性・防火性が不十分となる。これらを勘案して上記の範囲で用いることが好ましい。
表層および裏層における木質繊維または芯層における木粉の量が多すぎると防火性・耐火性が劣り、少なすぎると建築用板の曲げに対する抵抗力が減少し割れ易くなる。これらを勘案して上記の範囲で用いることが好ましい。
増量剤としてのPS灰は、各層に対応するマットを熱圧成形した後の収縮を小さくし、形状を保持しつつ耐火性・防火性を確保することができるが、その添加量が多すぎると脆くなって曲げ性が劣るとともに釘やビスに対する保持力も減少し、反対に少なすぎると木質繊維や木粉の使用量を相対的に増加させなければならず経済性に劣ることになる。これらを勘案して上記の範囲で用いることが好ましい。
結合剤については、その添加量が多すぎると熱圧成形後の収縮量が大きくなって形状や寸法の保持が困難になり、少なすぎるとロックウールと木質繊維(表層および裏層において)またはパーライトと木粉(芯層において)の結合が弱くなり、建築用板としての機械的強度が劣る。これらを勘案して上記の範囲で用いることが好ましい。
本発明による建築用板は、ロックウールまたはパーライト、木質繊維または木粉、PS灰およびカップリング剤に液体状結合剤を加えた混合物を散布することによりマットを形成し、これらのマットを熱圧成形することにより製造することができる。
マットの熱圧成形時の圧力は、10〜30kgf/cm、温度は110〜220°C、時間は3〜20分の各範囲で行われる。熱圧成形時の加圧力、温度、時間などの選定は、ロックウールまたはパーライト、木質繊維または木粉の種類、液体結合剤の種類、建築用板または層の厚みなど原材料、大きさ、使用目的、用途などにより最適の条件を決定する。
製造法については、ワンショット法または練り合わせ法のどちらを採用しても良い。ワンショット法によるときは、上下熱圧盤の間に各層を形成するマットを順次重ね合わせて積層マットを得、これをホットプレスの上下熱盤間に載置して所定の熱圧条件により熱圧することにより建築用板を製造する。この場合、予め個々に形成した各層のマットを重ね合わせ積層マットとしても良いし、最下層の成分から順次混合物を散布することにより積層マットを形成しても良い。練り合わせ方法を採用する場合は、各層を形成するマットごとに熱圧成形して各々に対応する板素材を製造した後、各板素材を接着剤を介して重ね合わせ、熱圧または単に加圧することにより建築用板を製造する。練り合わせ法によるときは熱圧条件の設定により各層の比重を任意に調整することができるので、各層に所望の比重を与えることが容易である。
木質繊維は、これに不燃化薬剤を付着させて不燃化処理を行った上で表層および/または裏層に用いても良い。不燃化薬剤は、粒径5〜100μmのもの90重量%の粒径分布でなるリン酸塩系化合物、リン酸エステル系化合物である。リン酸塩系化合物としては、リン酸一アンモニウム(示性式:NH・HPO、以下同じ)、リン酸水素二アンモニウム((NH・HPO)、ポリリン酸アンモン、ポリリン酸アミド、ポリリン酸カルバメート、リン酸三カルシウム(Ca(PO)、リン酸マグネシウム、前記以外のリン酸カルシウム、リン酸バリウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛などである。
リン酸エステル系化合物としては、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルフェニルホスフェート、トリス(ハロプロピル)ホスフェート、トリス(ハロエチル)ホスフェートなどである。
特にリン酸塩化合物は、木質繊維中のセルロースから脱水を行い炭化することにより木質繊維自体を変質させ、不燃性能を付与するものであり、本発明における木質繊維混入により不燃性能が低下することを抑制する性能に優れている。
木質繊維に対する不燃化薬剤の付着量は、木質繊維に対して15〜50重量%程度とすることが好ましい。不燃化薬剤の付着量が15重量%未満であると、木質繊維の不燃化性能が不十分となり、建築用板としての防火性・耐火性が不十分となる。不燃化薬剤の付着量が50重量%を越えると、単位木質繊維当りの不燃化薬剤の使用量が大きくなって不経済となる。
同様に、芯層に用いる木粉に対しても不燃化薬剤を付着させて不燃化処理を行うことができる。
本発明の建築用板においては、表層および裏層が、ロックウールと木質繊維と結合剤とを含む混合物で形成されるので、ロックウール単独で形成される場合に比べて曲げ強度などの機械的強度を向上させることができる。また、表層および裏層の比重を0.8〜1.2とすることにより十分に硬度の大きい層とすることができ、曲げ強度などの機械的強度をより一層向上させることができる。
また、芯層において、パーライトに対して、パーライトの形状に近いアスペクト比(長さ÷直径)10未満の木粉を混合しているので、パーライトの粒子と木粉の粒子とが均一に混合することができる。したがって、パーライト同士が木粉を介して強固に結合し、パーライト単独の成形体に比べて機械的強度、特に曲げ強度が向上された芯層が得られる。さらに、芯層の比重を0.4〜0.65とすることにより、芯層についても比較的硬度の大きいものとなり、外装板などを固定する際の釘またはビスに対する保持力が増大する。このため、芯層部分に接合用の実を形成しても、実部の割れや欠損が生じにくい。
したがって、本発明の建築用板は、建築建物の内外壁、間仕切壁あるいは建具のコア材などに使用でき、特に建築用外装板や屋根の下地材として好適に使用できる。また、木質繊維および/または木粉を不燃化処理して用いることにより、防火性、耐火性を有する建築用板として使用できる。
図1は、本発明の一実施形態による建築用板10を示す。この建築用板10は表層7、芯層8および裏層9からなる三層積層構造を有する。表層7および裏層9は略同一の組成であり、ロックウール53重量%、木質繊維17.7重量%、PS灰17.7重量%、結合剤11.5重量%、カップリング剤0.1重量%であって、比重は1.0である。また、芯層8の組成は、パーライト63.5重量%、アスペクト比10未満の木粉2.7重量%、PS灰27.2重量%、結合剤6.5重量%、カップリング剤0.1重量%であって、比重は0.55である。建築用板10の全体比重は0.78である。また、建築用板10の全体厚は9mmまたは12mmであり、各層の厚さ比は表層/芯層/裏層=1/2/1である。この建築用板10の曲げ強度(JIS5907)は15〜20N/mmである。
なお、表層7および裏層9におけるロックウール1には、日東紡績株式会社から供給される「ロックファイバー」を使用した。このロックウール1の組成は、SiO:35〜45重量%、Al:10〜20重量%、Fe:0.3〜3重量%、CaO:30〜40重量%、MgO:4〜8重量%、MnO:0.1〜2重量%である。
図2および図3は、本発明による建築用板の製造方法の一例としてワンショット法による場合の工程を示す説明図である。
まず図2を参照して、コンベヤー11上に、裏層33(図3)に対応するマット12を形成するための混合物を散布する。この混合物は、ロックウール1および木質繊維2に、ロックウールと木質繊維を結合するフェノール樹脂結合剤3およびPS灰4ならびにカップリング剤(図示せず)を加えた前述の組成からなるものである。より詳しくは、これらのうちロックウール、木質繊維およびPS灰の混合物をダクト13に供給するとともに、これにフェノール樹脂結合剤をノズル14より添加してダクト内風送中に混合物として、吹出口15からコンベヤー11上に供給する。混合物はコンベヤー11上に均一に散布されてマット12を形成する。この際、マット12の厚みを均一にするために、ロール16にてマット12の凹凸部分を削り除去することにより平坦にする。
次に、マット12上に、芯層34(図3)に対応するマット17を形成するための混合物を散布する。この混合物は、パーライト5および木粉6に、パーライトと木粉を結合するフェノール樹脂結合剤3およびPS灰4ならびにカップリング剤(図示せず)を加えた前述の組成からなるものである。より詳しくは、これらのうちパーライト、木粉およびPS灰の混合物をダクト18に供給するとともに、これにフェノール樹脂結合剤をノズル19より添加してダクト内風送中に混合物として、吹出口20からマット12上に供給される。混合物はマット12上に均一に散布されてマット17を形成する。この際、マット17の厚みを均一にするためロール21にてマット17の凹凸部分を削り除去することにより平坦にする。
最後に、マット17上に、表層35(図3)に対応するマット22を形成するための混合物を散布する。この混合物は、マット12を形成するために用いた混合物と同じ成分および組成であり、ロックウール1および木質繊維2に、ロックウールと木質繊維を結合するフェノール樹脂結合剤3およびPS灰4ならびにカップリング剤(図示せず)を加えた前述の組成からなるものである。より詳しくは、これらのうちロックウール、木質繊維およびPS灰の混合物をダクト23に供給するとともに、これにフェノール樹脂結合剤をノズル24より添加してダクト内風送中に混合物として、吹出口25からマット17上に供給する。混合物はマット17上に均一に散布されてマット22を形成する。この際、マット22の厚みを均一にするために、ロール26にてマット22の凹凸部分を削り除去することにより平坦にする。
次に、コンベヤー11上に形成されたマット12,17,22の積層物を厚さ方向に任意の圧縮率(たとえば50%程度)で圧縮した後、図示のように鋸27により略所定の長さLに切断してマット積層体29とし、コンベヤー28にて次工程に送る。
図3を参照して、図2に示す工程により得たマット12,17,22の積層体29を、熱圧プレス30の下側熱圧盤32の上に載置した(a)後、上側熱圧盤31を下降して、これら上下熱圧盤31,32間で加熱圧締する。熱圧条件は、たとえば圧力20kgf/cm、温度200°C、時間10分とする。これにより、マット12による裏層33、マット17による芯層34およびマット22による表層35からなる三層構造の建築用板36が得られる。
この実施例において、少なくとも表層35となるマット22を形成するための混合物には、木質繊維に不燃化薬剤を付着させて防火性・耐火性を付与することができる。その方法としては、木質繊維を不燃化薬剤の水溶液または懸濁液に浸漬する方法を採用することができ、たとえばリン酸水素二アンモニウム(示性式:(NHHPO)の水溶液を不燃化薬剤として用いることができる。リン酸水素二アンモニウム水溶液の濃度については、リン酸水素二アンモニウムの水溶液に木質繊維を浸漬し、引き上げて乾燥した後の木質繊維重量に対して凡そ20重量%のリン酸水素二アンモニウムが付着するように調製する。このときの浸漬時間は、30〜90分を目安とする。
また、木質繊維の別の不燃化処理として、木質繊維中で第1液と第2液とを反応させることにより不燃性無機化合物を生成させる方法を採用しても良い。すなわち、木質繊維に、水溶性無機塩の水溶液(以下「第1液」)を加えることにより第1液を含浸させた後、木質繊維を乾燥させ木質繊維の表面を乾燥状態にするか、または絶乾状態とし、必要であれば、表面に析出した第1液の成分結晶を除去した後、第1液と反応して水不溶性の不燃性無機化合物を生成するような化合物液(以下「第2液」)をブレンダー、スプレーなどを使って加える。第2液を含浸させ、木質繊維中で第1液と第2液とが反応することにより不燃性無機化合物が生成し、さらにこの化合物が水不溶性のため、細胞孔内および/または繊維外周部に付着(または固着)される。また、この反応は、第2液の添加混合時に加温し、40°C以上好ましくは50°C以上の雰囲気下で行うと反応効率が向上する。
第1液としては塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化アルミニウム、塩化バリウム、塩化鉄(III)、塩化鉛(II)、塩化亜鉛、硫酸亜鉛などを用いることができ、第2液としては炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、リン酸水素2ナトリウム、アンモニア水素、リン酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、硫化アンモニウムなどを用いることができる。
このようにして不燃化処理された木質繊維を用いてマット22を形成し、これを熱圧して建築用板36の表層35とすることにより、建築用板36の防火性・耐火性を向上することができる。もちろん、裏層33となるマット12用の混合物および/または芯層34となるマット17用の混合物においても、同様に木質繊維および/または木粉を不燃化処理して用いることができる。
以上に説明した方法によれば、ロックウールと木質繊維を結合するため、およびパーライトと木粉を結合するための結合剤としてそれぞれ液体状のフェノール樹脂結合剤を使用しているため、液滴、噴霧、撹拌などの容易な操作によりロックウール1、木質繊維2、パーライト5、木粉6などに対して均一に分布させたマット12,17,22を得ることができる。したがって、これらのマット12,17,22による積層体29を熱圧成形して得られる建築用板36においても、板素材全体に亘ってロックウールと木質繊維またはパーライトと木粉の結合のばらつきが少なく、その結果として曲げ強度のばらつきの少ないものとなる。
また、ロックウールまたはパーライトに木質繊維または木粉を混合することにより、ロックウールまたはパーライト単独の板よりも曲げ強度を大きくすることができる。因みに、ロックウールに木質繊維を加えない場合の建築用板の曲げ強さに対して、ロックウールに木質繊維を10重量%加えた場合の曲げ強さは略1.6倍であり、ロックウールに木質繊維を20重量%加えた場合の曲げ強さは略2.2倍であった。このようにロックウールに木質繊維または木粉を加えることにより建築用板自体の曲げ強さを向上させることができる。
さらに、芯層34にはパーライトを使用しているので、建築用板36の軽量化を図ることができる。
図4は、本発明による建築用板の製造方法の一例として練り合わせ法による場合の製造工程を示す。
図4(a)に示すようにマット37,38,39を各別に熱圧プレス40,41,42の上下熱盤40a,40b;41a,41b;42a,42b間にて熱圧成形して板素材43,44,45を製造し、これらを接着剤を介して図4(b)に示すようにプレス46の上下熱圧盤46a,46b間に載置して熱圧または単に加圧することにより、図4(c)に示すように、板素材43からなる裏層47、板素材44からなる芯層48および板素材45からなる表層49からなる三層構造の建築用板50を製造する。接着剤としては、フェノール系、ユリア系、メラミン系などの熱硬化性接着剤が好適に使用され、これをたとえば板素材43,44の各上面に塗布して、板素材43,44,45を積層する。
裏層47に対応するマット37、芯層48に対応するマット38および表層48に対応するマット39は、ワンショット法による製造工程において図2に関して既述したマット12,17,22を形成するために用いた混合物と略同様の混合物を用いて成形することができる。したがって、既述したと同様の作用効果および利点を発揮することができる。
さらに、図4に示すような練り合わせによる製造方法によれば、各マット37,38,39をそれぞれ別々に熱圧成形して板素材43,44,45を得ているので、各板素材43,44,45の製造に際して、建築用板50における各層47,48,49に付与すべき機能に応じた成分の混合物を用い、且つ、それに応じた熱圧条件で製造することが可能である。
本発明の一実施形態による建築用板の断面図である。 図1の建築用板の製造方法としてワンショット法を採用した場合の初期工程を示す説明図である。 図2に続く製造工程を示し、(a)は熱圧プレスの上下熱圧盤の間に三層のマットを載置した状態の断面図、(b)は熱圧成形直後の断面図である。 図1の建築用板の製造方法として練り合わせ法を採用した場合の製造工程を示し、(a)は各層を形成するマットを別々に熱圧成形する状態の概略断面図、(b)は熱圧成形された板素材に接着剤を塗布し加圧する状態の概略断面図、(c)は形成された建築用板の断面図である。
符号の説明
1 ロックウール
2 木質繊維
3 フェノール樹脂結合剤
4 PS灰
5 パーライト
6 木粉
7 表層
8 芯層
9 裏層
10 建築用板
12 裏層33となるマット
17 芯層34となるマット
22 表層35となるマット
29 マット積層体
30 熱圧プレス
33 建築用板の裏層
34 建築用板の芯層
35 建築用板の表層
36 建築用板
37 裏層用板素材43となるマット
38 芯層用板素材44となるマット
39 表層用板素材45となるマット
43 裏層用板素材
44 芯層用板素材
45 表層用板素材
46 プレス
47 建築用板の裏層
48 建築用板の芯層
49 建築用板の表層
50 建築用板

Claims (2)

  1. ロックウールと木質繊維と結合剤とを必須成分とする表層および裏層と、パーライトとアスペクト比(長さ÷直径)10未満の木粉と結合剤とを主成分とする芯層とが積層一体化されてなることを特徴とする建築用板。
  2. 表層および裏層の比重は0.8〜1.2、中層の比重は0.4〜0.65であることを特徴とする、請求項1記載の建築用板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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