JP4290091B2 - 建築用板 - Google Patents

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本発明は、不燃性能を有する建築用板に係り、特に、建築用外装板の下地材として好適に使用できる不燃性能を有する建築用板に関する。
従来、不燃性能を有する建築用板としては、たとえば石膏ボード、珪酸カルシウム板、ALC板、セメント成型板などが知られている。これらの建築用板は、耐火性、防火性を向上させるために、板厚や比重を大きくすることが行われる。しかし、板厚や比重を大きくすることは、軽量化に逆行し、施工性や使用勝手などを悪くするので耐火性、防火性の観点から一層の改良が望まれている。
上記問題点を解決するものとして、ロックウール系繊維を主体とし、無機化合物繊維としてチタン酸カリウム繊維を含有させた建築用板が知られている(特許文献1)。
特許第2638123号公報
しかしながら、この建築用板は、無機系繊維が主体であるので耐火性、防火性は優れているものの、無機系繊維を主体とするので、使用に当って十分な検討と、慎重な施工、取扱いをしないと、割れや欠けなど欠点などが発生するおそれがあり、曲げ性といった機械的強度に対しては、さらに一層の向上が求められている。
本発明の課題は、不燃性能を確保できるとともに機械的強度を有することである。
上記課題を解決するため、本発明は、無機系繊維と、不燃化薬剤を付着させた有機系繊維と、前記無機系繊維と前記有機系繊維を結合する結合剤とを含む混合物を熱圧成形してなることを特徴とする。
このようにすることにより、無機系繊維は、これ自体不燃性能を有する。有機系繊維は不燃化薬剤を付着させることにより繊維質(またはセルロース)の脱水が行われ炭化される。このため有機系繊維は変質し燃えにくくなるので不燃性能が向上する。したがって、無機系繊維と不燃化薬剤を付着させた有機系繊維の混合物に結合剤を加えて熱圧成形した建築用板は不燃性能が確保される。
さらに、無機系繊維に有機系繊維を混合して成形された建築用板は、無機系繊維単独の板よりも、曲げ性などの機械的強度が大きくなり機械的性能が向上する。さらに、有機系繊維単独で形成された板よりも有機系繊維およびその不燃化薬剤の使用量が少なく低コストとなり経済的である。
また、本発明は、複数層から形成される建築用板であって、少なくとも表面層は無機系繊維と、不燃化薬剤を付着させた有機系繊維と、前記無機系繊維と前記有機系繊維を結合する結合剤とを含む混合物を熱圧成形してなることを特徴とする。
このようにすることにより、無機系繊維は、これ自体不燃性能を有する。有機系繊維は不燃化薬剤を付着させることにより繊維質(またはセルロース)の脱水が行われ炭化される。このため有機系繊維は変質し燃えにくくなるので不燃性能が向上する。したがって、これらの混合物に結合剤を加えて熱圧成形した建築用板は、少なくとも表面層の不燃性能が確保されるので、防火性、耐火性建築用板として使用できる。
さらに、無機系繊維に有機系繊維を混合して成形された建築用板は、無機系繊維単独の板よりも、曲げ性などの機械的強度が大きくなり、機械的性能が向上する。さらに、有機系繊維単独で形成された板よりも有機系繊維および不燃化薬剤の使用量を少なくでき、低コストとなり経済的である。
さらに、少なくとも表面層は、上記の通り不燃性能を有するので、その下に位置する第二層目以下の層に、建築用板としての断熱性、防湿性、防音性、軽量性などの機能を付与させることもできる。また、裏面層を表面層と同じく不燃性能を有する層とすることにより表裏両層の不燃性能を確保した建築用板とすることができる。
次に本発明を構成する各要件についてさらに詳しく説明する。本発明の建築用板は、建築建物の内外壁、間仕切壁あるいは建具のコア材などに使用できるが、特に、建築用外装板や屋根の下地材として好適に使用できる。
無機系繊維は、ガラス繊維、ロックウール、スラグ繊維、炭素繊維、窒化ホウ素繊維、シリカ繊維、シリカアルミナ繊維、シリカチタニア繊維、シリコンカーバイト繊維、アルミナ繊維、ジルコニア繊維、金属繊維などを使用できる。また、本発明の無機系繊維の代わりにパーライトも使用できる。
有機系繊維は、パルプ、木質繊維、木粉などの他にビニロン繊維、アクリル繊維、ポリアミド繊維などの合成樹脂繊維を使用できる。木質繊維は、松、杉、桧などの針葉樹またはラワン、カポール、栗、ポプラなどの広葉樹をチップにした後、常法に従い解繊したもので、その長さは0.5〜40mm、直径は0.05〜0.5mm(アスペクト比10〜400)程度である。
有機系繊維に付着させる不燃化薬剤は、粒径5〜100μmのもの90重量%の粒径分布でなるリン酸塩系化合物、リン酸エステル系化合物である。リン酸塩系化合物としては、リン酸一アンモニウム(示性式:NH・HPO、以下同じ)、リン酸水素二アンモニウム((NH・HPO)、ポリリン酸アンモン、ポリリン酸アミド、ポリリン酸カルバメート、リン酸三カルシウム(Ca(PO)、リン酸マグネシウム、前記以外のリン酸カルシウム、リン酸バリウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛などである。
これらに加えて、硫酸アンモニウム(NH・HSO)、硫酸バリウム(BaSO)、炭酸水素ナトリウム(NaHCO)、ステアリン酸マグネシウム(Mg(C1735CO)、炭酸マグネシウム(MgCO)などを併用しリン酸系薬剤の定着を促進すると良い。
リン酸エステル系化合物としては、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルフェニルホスフェート、トリス(ハロプロピル)ホスフェート、トリス(ハロエチル)ホスフェートなどである。
特にリン酸塩化合物は、木質繊維中のセルロースから脱水を行い炭化することにより木質繊維自体を変質させ、不燃性能を付与するものであり、本発明における木質繊維混入により不燃性能が低下することを抑制する性能に優れている。
有機系繊維に対する不燃化薬剤の付着させる量は、有機系繊維に対して15〜50重量%程度を付着させる。不燃化薬剤の付着量が15重量%未満の場合は有機系繊維の不燃化性能が不十分となり建築用板として防火性、耐火性が不十分となる。不燃化薬剤の付着量が50重量%を越える場合は、単位有機系繊維当りの不燃化薬剤の使用量が大きくなり不経済となる。
本発明の建築用板は、無機系繊維、有機系繊維および結合剤の他に増量剤を加えると良い。増量剤としては、ペーパースラッジ灰(以下、「PS灰」と記す。)、スラグ、フライアッシュ、炭化カルシウム、アルミナなどの無機粉体を加えると良い。増量剤を添加することにより、熱圧成形後の成形体の収縮を抑えて形状を保持するとともに、強度や耐熱性の向上を図ることができる。
さらに、熱圧成形する前に上記混合物に結合剤を添加する。結合剤としては、フェノール系樹脂、ユリア系樹脂、メラミン系樹脂などの熱硬化性結合剤、酢酸ビニル系樹脂などの熱可塑性結合剤またはゴム系結合剤、2液反応型結合剤、湿気硬化型結合剤などの有機質結合剤、あるいはセメント、水ガラス、シリカゾルなどの無機質結合剤を単体または複数を必要に応じて使用する。
本発明の建築用板は、無機系繊維、有機系繊維、増量剤、結合剤などを混合使用するが、無機系繊維の量を有機系繊維の量よりも多くする。熱圧成形後の建築用板に対する各成分の混合割合は、無機系繊維50〜60重量%、有機系繊維10〜20重量%、増量剤10〜20重量%、結合剤5〜15重量%を目安とする。
無機系繊維の量が60重量%を越える場合は、建築用板の硬さが増すが脆くなり曲げに対する抵抗力が減少し割れ易くなる。無機系繊維の量が50重量%未満の場合は、基材としての不燃性能が低下し耐火性、防火性が劣るようになる。
有機系繊維の量が20重量%を越える場合は、不燃化薬剤の使用量が多い割に不燃性能の向上が見られず、不燃化薬剤の過剰使用量の分だけ不経済になる。有機系繊維量の量が10重量%未満の場合は、無機系繊維に対する有機系繊維の割合が小さく、建築用板の曲げに対する抵抗力が減少し割れ易い。
増量剤の量が20重量%を越える場合は、熱圧成形後の収縮が小さく形状を保持しつつ耐火性、防火性は確保されるが、無機系繊維の増加と同様に、脆くなり曲げ性が劣るようになる。増量剤の量が10重量%未満の場合は、熱圧成形後の収縮が大きくなり形状、寸法の保持が困難になる。結合剤の量が15重量%を越える場合は、熱圧成形後の収縮量が大きくなり形状、寸法の保持が困難になる。結合剤の量が5重量%未満の場合は、無機質繊維と有機質繊維の結合が弱く、建築用板としての機械的強度が劣る。
複数層から形成される建築用板は、二層またはそれ以上の層から形成されるが、少なくとも表面層は、無機系繊維、不燃化薬剤を付着させた有機系繊維および結合剤を含む混合物を熱圧成形してなる。三層以上からなる建築用板の場合は、表面層および裏面層の両層が上記不燃性能と曲げ性能を向上させたものとしても良い。
建築用板の製造方法は、先に記載したように無機系繊維、不燃化薬剤を付着させた有機系繊維および増量剤に結合剤を加えた混合物を熱圧成形して形成される。有機系繊維に所定量の不燃化薬剤を付着させる方法は、有機系繊維を不燃化薬剤の水溶液または懸濁液に浸漬する方法や、有機系繊維中で第1液と第2液とを反応させることにより不燃性無機化合物を生成させる方法(後述)などにより行う。
こうして得られた不燃化薬剤を付着させた有機系繊維を、増量剤および結合剤とともに無機系繊維に加えて、無機系繊維、有機系繊維、増量剤および結合剤のマット状混合物を形成する。さらに、このマット状混合物を熱圧成形することにより所要の建築用板を得る。
熱圧成形時の圧力は、10〜30kgf/cm、温度は110〜220°C、時間は3〜20分の各範囲で行われる。熱圧成形時の加圧力、温度、時間などの選定は、無機系繊維、有機系繊維の種類、結合剤の種類、建築用板の厚みなど原材料、寸法、使用目的などにより最適の条件を決定する。熱圧されたままの繊維板の表面は、不要な凹凸や傷などがあるので、サンダーやプレーナーなどにより表層を削ると良い。
建築用板として複数層に形成される場合の製造方法は、ワンショット方法または練り合せ方法のどちらを採用しても良い。たとえば複数層の内の上側表面層に不燃性能層を設ける場合、ワンショット方法においては、上下熱圧盤の間に、各層を形成するマットないし板素材を順次重ね合わせる。これら複数層を同時に所定の熱圧条件により熱圧することにより形成される。この場合、各層のマットないし板素材は、予め個々に形成しておき、その後重ね合わせても良いし、最下層の成分から順次散布することにより形成しても良い。
練り合せ方法においては、各層ごとに板素材を形成し、これらの板素材を接着剤を介して重ね合わせ、熱圧または単に加圧することにより建築用板を形成する。各層の板素材は、マットを熱圧成形した板素材でも良いが、合板、木質繊維板(MDFなど)、木削片板、単板積層板などの木質系、スチロール樹脂、塩化ビニル樹脂、強化プラスチック、発泡スチロール樹脂、発泡ウレタン樹脂などの各種合成樹脂板、あるいは木質系や合成樹脂系の複合積層板など適宜の板素材を使用できる。
表面層または表裏層とコアから形成される複数層の建築用板の場合、表面層とコアまたは表裏層とコアの比重を調整することにより建築用板として最適な比重の板を形成できる。たとえば、表面層または表裏層の比重を1、コアの比重を0.55とし、建築用板としての比重を0.7〜0.85となるように形成しても良い。
本発明によれば、無機系繊維から形成される建築用板と同等以上の不燃性能を確保できるとともに、機械的強度、特に曲げ性が大きく建築用板として十分な機械的強度を有する。
以下、本発明に係る建築用板の実施例を図面とともに詳細に説明する。なお、図1〜4において、同一または同等部分には同一符号を付けて示す。
図1は、本発明に係る建築用板の実施例1を示す拡大断面図である。実施例1の建築用板1は、ロックウール(無機系繊維)3と、不燃化薬剤(リン酸水素二アンモニウム)7を付着させた木質繊維(有機系繊維)5とを含み、さらにロックウール3と木質繊維5を結合するフェノール樹脂結合剤9および増量剤であるPS灰11を含む混合物を熱圧成形して形成されたものである。
上記成分において、ロックウール3にパーライトを添加またはロックウール3の代わりにパーライトを用いても良い。さらに木質繊維5に木粉を添加または木質繊維5の代わりに木粉を用いても良い。木質繊維5は、松、杉、桧などの針葉樹またはラワン、カポール、栗、ポプラなどの広葉樹をチップにした後、常法に従い解繊したもので、その長さは0.5〜40mm、直径は0.05〜0.5mm(アスペクト比10〜400)程度である。
増量剤としては、無機粉体であれば特に限定されないが、PS灰11の他にスラグ、フライアッシュ、炭化カルシウムなどを使用することができる。さらに、結合剤としてはフェノール樹脂結合剤9などの熱硬化性結合剤、酢酸ビニル系樹脂などの熱可塑性結合剤、さらにゴム系結合剤、2液反応型結合剤、湿気硬化型結合剤などの有機質結合剤、あるいはセメント、水ガラス、シリカゾルなどの無機質結合剤を単体または複数を必要に応じて使用することができる。
建築用板の成分割合は、ロックウール3の量を木質繊維5の量よりも多くし、たとえば熱圧成形後の建築用板1に対し、ロックウール55重量%、木質繊維15重量%、PS灰11などの増量剤15重量%、フェノール樹脂結合剤12重量%とする。この他に木質繊維に20重量%程度を付着させた不燃化薬剤(リン酸水素二アンモニウム)7が3重量%を占める。
建築用板1の製造方法は、ロックウール3、不燃化薬剤7を付着させた木質繊維5およびPS灰11にフェノール樹脂結合剤9を加えた混合物を熱圧成形して形成される。木質繊維5に所定量の不燃化薬剤7を付着させる方法は、木質繊維5を不燃化薬剤7の水溶液または懸濁液に浸漬する方法と、木質繊維5中で第1液と第2液とを反応させることにより不燃性無機化合物を生成させる方法などにより行う。
木質繊維5を不燃化薬剤7の水溶液または懸濁液に浸漬する方法を採用する場合は、不燃化薬剤7としてリン酸水素二アンモニウム(示性式:(NHHPO)を使用し、この水溶液を調製する。リン酸水素二アンモニウム水溶液の濃度は、次のように調製する。すなわちリン酸水素二アンモニウムの水溶液に木質繊維5を浸漬した後、引き上げて乾燥する。
このとき、乾燥後の木質繊維重量に対して凡そ20重量%のリン酸水素二アンモニウムが付着するように調製する。このときの浸漬時間は、30〜90分を目安とする。乾燥条件は、50°C以上の雰囲気で0.5〜2日とする。こうして木質繊維5に不燃化性能を付与することができる。
また、木質繊維5の別の不燃化処理として、木質繊維5中で第1液と第2液とを反応させることにより不燃性無機化合物を生成させる方法を採用する場合は、次のようである。すなわち、木質繊維5に、水溶性無機塩の水溶液(以下、第1液と略す。)を加えることにより第1液を含浸させた後、木質繊維5を乾燥させ木質繊維5の表面を乾燥状態にするか、または絶乾状態とし、必要であれば、表面に析出した第1液の成分結晶を除去した後、第1液と反応して水不溶性の不燃性無機化合物を生成するような化合物液(以下、第2液と略す。)をブレンダー、スプレーなどを使って加える。
第2液を含浸させ、木質繊維5中で第1液と第2液とが反応することにより不燃性無機化合物が生成し、さらにこの化合物が水不溶性のため、細胞孔内および/または繊維外周部に付着(または固着)される。また、この反応は、第2液の添加混合時に加温し、40°C以上好ましくは50°C以上の雰囲気下で行うと反応効率が良い。
第1液としては、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化アルミニウム、塩化バリウム、塩化鉄(III)、塩化鉛(II)、塩化亜鉛、硫酸亜鉛などである。第2液としては炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、リン酸水素2ナトリウム、アンモニア水素、リン酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、硫化アンモニウムなどである。
これら第1液と第2液の反応により生成する水不溶性の不燃性無機化合物は、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸1水素カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、リン酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、リン酸バリウム、リン酸第1鉄、炭酸鉛、水酸化鉛、炭酸亜鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛などである。
こうして得られた不燃化薬剤7を付着させた木質繊維5を、PS灰11およびフェノール樹脂結合剤9とともにロックウール3に加えてマット状の混合物を形成する。さらに、このマット状の混合物を熱圧成形することにより所要の建築用板1を得る。熱圧条件は、たとえば圧力20kgf/cm、温度200°C、時間10分で行われる。熱圧されたままの建築用板の表面は、不要な凹凸や傷などがあるので、サンダーやプレーナーなどにより表層を削ると良い。
以上のようにして製造される実施例1の建築用板1は、次のように作用する。すなわち、図1において、ロックウール3は、これ自体不燃性能を有する。木質繊維5はリン酸水素二アンモニウムなどの不燃化薬剤7を付着させているのでセルロースの脱水が行われ炭化される。このため木質繊維は変質し燃えにくくなり不燃性能が向上する。したがって、ロックウール3と不燃化薬剤7を付着させた木質繊維5の混合物にフェノール樹脂結合剤9を加えて熱圧成形した建築用板1は不燃性能が確保される。
さらに、ロックウール3に木質繊維5を混合して成形された建築用板1は、ロックウール3単独の建築用板よりも曲げ性などの機械的強度が大きくなり機械的性能が向上する。さらに、木質繊維5単独で形成された建築用板よりも低コストとなり経済的である。
因みに、ロックウール3に木質繊維を加えない場合の建築用板の曲げ強さに対して、ロックウール3に木質繊維を10重量%加えた場合の曲げ強さは略1.6倍であった。ロックウール3に木質繊維を20重量%加えた場合の曲げ強さは略2.2倍であった。このようにロックウール3に木質繊維5を加えることにより建築用板1自体の曲げ強さを向上させることができる。
図2は、本発明に係る建築用板の実施例2を示す断面図である。実施例2の建築用板2は、三層から形成される。第1層(表面層)13と第3層(裏面層)15は、先に記載した実施例1の建築用板と同一成分を有する。すなわち、第1層13と第3層15は、ロックウール(無機系繊維)3と、リン酸水素二アンモニウムの不燃化薬剤7を付着させた木質繊維(有機系繊維)5と、ロックウール3と木質繊維5を結合するフェノール樹脂結合剤9とを含む混合物を熱圧成形して形成され、不燃化性能を有する層である。
第1層13と第3層15の成分割合、木質繊維に対する不燃化薬剤の付着方法、熱圧条件などは実施例1の建築用板の場合と同じであるので、その説明を省略する。一方、第2層14は、不燃化性能を有するものに限定されず、たとえば木質繊維板(MDFなど)あるいは合板、木削片板、単板などの木質系、アクリル板、塩化ビニル板などの合成樹脂系、ステンレス板、銅板、アルミニウム板などの金属系、石膏ボード、珪酸カルシウム板、ALC板などの無機系などの板素材を適宜選定する。
図3は、図2に示す実施例2の建築用板2の製造方法を示す説明図である。建築用板2の製造方法は、ワンショット方法または練り合せ方法のどちらかを採用する。図3は、ワンショット方法を示すもので、上下熱圧盤21、22の間で、第1層13を形成するマット17、第2層14を形成するマット18、第3層15を形成するマット19を順次重ね合わせ、下側熱圧盤22の上に載置したものである。上側熱圧盤21を下降することにより、これら3層を同時に所定の熱圧条件により熱圧する。
マット17、19を形成する木質繊維には不燃化薬剤が付着される。マット18を形成する木質繊維には不燃化薬剤が付着されていない。この場合、各マットは、予め個々に混合物を散布して形成されたものを重ね合わせても良いし、最初にマット19の混合物を散布して形成したマット19の上に、マット18を形成する混合物を散布してマット18を形成し、さらにマット17を形成する混合物を散布して図3に示すようなマットの積層体を形成しても良い。三つのマット17〜19を同時に熱圧する条件は、先に説明した実施例1の建築用板1の場合に準じて選定される。
図4は、図2に示す実施例2の建築用板2の別の製造方法を示す説明図である。図4は練り合せ方法を示すもので、各層ごとに板素材を成形し、これらの板を接着剤24、25を介して重ね合わせ、熱圧または単に加圧することにより建築用板2を得る。第1層13と第3層15の板素材は、マットを熱圧成形することにより形成した板素材である。第2層14は、合板、木質繊維板、木削片板、単板積層板などの木質系、各種合成樹脂板、あるいは異種材料の複合板など適宜の板素材を使用できる。使用する接着剤としては、たとえば合成ゴム系、ウレタン系、エチレン酢酸ビニル系などが好ましい。
実施例2の建築用板2において、第1層13および第3層15の比重と第2層(コア)の比重を調整することにより建築用板として最適な比重の板を形成できる。たとえば、第1層および第3層の比重を1、第2層(コア)の比重を0.55とし、建築用板2としての比重を0.7〜0.85となるように形成し、施工性、使い勝手を良くしても良い。
実施例2の建築用板2は、第1層13および第3層15が、実施例1の建築用板と同様の作用により不燃性能を有するので、表面側、裏側のどちらの側からの火炎に対しても防火性、耐火性を有する。さらに、表裏面層は、ロックウール3に木質繊維を混合して形成されるので、ロックウール単独の板よりも曲げ強さが大きく機械的性能が向上する。さらに、木質繊維単独で形成される板よりも低コストとなり経済的である。
さらに、第2層に建築用板としての断熱性、防湿性、防音性、軽量性などの機能を付与させることもできる。
以上この発明を図示の実施例について詳しく説明したが、それを以ってこの発明をそれらの実施例のみに限定するものではない。要するに、この発明の精神を逸脱せずして種々改変を加えて多種多様の変形をなし得ることは云うまでもない。
本発明の建築用板は、建築建物の内外壁、間仕切壁あるいは建具のコア材などに使用でき、特に建築用外装板や屋根の下地材として利用可能である。
本発明に係る建築用板の実施例1を示す拡大断面図である。 本発明に係る建築用板の実施例2を示し、三層から形成された建築用板の断面図である。 図2に示す実施例2の建築用板の製造方法を示す説明図である。 図2に示す実施例2の建築用板の別の製造方法を示す説明図である。
符号の説明
1、2 建築用板
3 ロックウール(無機系繊維)
5 木質繊維(有機系繊維)
7 不燃化薬剤
9 フェノール樹脂結合剤(結合剤)
11 PS灰(増量剤)

Claims (2)

  1. 無機系繊維と、不燃化薬剤を付着させた有機系繊維と、前記無機系繊維と前記有機系繊維を結合する結合剤とを含む混合物を熱圧成形してなる建築用板。
  2. 複数層から形成される建築用板であって、少なくとも表面層は無機系繊維と、不燃化薬剤を付着させた有機系繊維と、前記無機系繊維と前記有機系繊維を結合する結合剤とを含む混合物を熱圧成形してなる建築用板。
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