JP5137353B2 - 無機質板及びその製造方法 - Google Patents
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Description
図1は本発明の実施形態1に係る無機質板Aを示し、この無機質板Aは、その表面側(図1上側)に位置する表面層1と、裏面側(図1下側)に位置する裏面層2とが一体化されて成形されてなるものである。
上記表面層1は、長さ1mm以下の微細な無機繊維10〜70重量%と、粒径10〜500μmの軽量骨材10〜50重量%と、無機質粉状体10〜70重量%と、結合剤3〜10重量%とを有する。
上記微細な無機繊維は、マットを形成し、粘りと強度とを持たせつつ、高い表面性を得るために添加されるものであり、例えば粉砕されたロックウール、スラグウール、ガラス繊維等が挙げられ、固形成分全体の10〜70重量%(10重量%以上でかつ70重量%以下)添加される。この無機繊維の添加量が10重量%未満であると、マットの形成が難しくなり、粘りがなくなる一方、70重量%を超えると、相対的に他の軽量骨材や無機質粉状体が少なくなり、所望の強度が得られないためである。また、繊維の長さとしては1mm以下の微細なものが望ましい。1mmを超えると、ダマになり易く、表面性に悪影響を及ぼすためである。この表面層1に加えられる「微細な無機繊維」とは、繊維としての性質や機能を残存しながらも大きさの小さいものをいう。
軽量骨材は、圧縮強度を確保しつつ、嵩を持たせるために添加されるものであり、例えばパーライト、シラス発泡体、シリカフラワー、ガラス発泡体が挙げられ、使用される大きさは10〜500μm(10μm以上でかつ500μm以下)である。この軽量骨材の大きさが10μmよりも小さいと、所定の嵩を得ることができない。一方、軽量骨材の大きさが500μmよりも大きくなると、表面性が悪くなるだけでなく、無機質板Aの加工性も低下する。
無機質粉状体は、防火性及び硬度を確保するために添加されるものであり、例えば炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、フライアッシュ、マイクロシリカ、スラグ等が挙げられ、固形成分全体の10〜70重量%(10重量%以上でかつ70重量%以下)が添加される。この無機質粉状体の添加量が10重量%未満であると、所望の表面硬度が得られない一方、70重量%を超えると、他の材料の添加率が相対的に少なくなり、所望の強度を得難くなるためである。
結合剤は、上記微細な無機繊維、軽量骨材、無機質粉状体を結合するために添加されるものであり、例えばメラミン樹脂、フェノール樹脂、MDI、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポバール、スターチ等が挙げられ、これらは単体又は組み合わせで使用することができる。無機質板Aの強度及び不燃性の両方を満足する結合剤の添加量として、固形成分全体の3〜10重量%(3重量%以上でかつ10重量%以下)が添加される。つまり、結合剤の添加量が3重量%未満であると、強度が不足する一方、10重量%を越えると、不燃性が損なわれるからである。
補助添加剤として、必要に応じてサイズ剤、カップリング剤等を添加してもよい。
上記裏面層2は、長さ3〜15mmの無機繊維1〜10重量%と、軽量骨材10〜70重量%と、無機質粉状体10〜70重量%と、結合剤5〜15重量%とを有する。
上記無機繊維は、マットを形成し、粘りと強度とを持たせるために添加されるものであり、例えばガラス繊維、ワラストナイト等が挙げられ、固形成分全体の1〜10重量%(1重量%以上でかつ10重量%以下)添加される。無機繊維の添加量が1重量%未満であると、マットの形成が難しくなり、粘りがなくなる一方、10重量%を超えると、混合時に分離が起こるためである。例えばガラス繊維では、チョップドストランドのような束状のものを使用すると、扱い易く、生産上好ましい。
軽量骨材は、圧縮強度を確保しつつ、嵩を持たせるために添加されるものであり、例えばパーライト、シラス発泡体、シリカフラワー、ガラス発泡体が挙げられ、使用される大きさは2000μm以下が望ましい。大きさが2000μmよりも大きくなると、無機質板Aの加工性が低下するためである。
無機質粉状体は、防火性及び硬度を確保するために添加されるものであり、例えば炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、フライアッシュ、マイクロシリカ、スラグ等が挙げられ、固形成分全体の10〜70重量%(10重量%以上でかつ70重量%以下)が添加される。この添加量が10重量%未満であると、所望の表面硬度が得られず、また70重量%を超えると、他の材料の添加率が相対的に少なくなり、所望の強度を得難くなるためである。
結合剤は、上記軽量骨材、無機繊維、無機質粉状体を結合するために添加されるものであり、例えばメラミン樹脂、フェノール樹脂、MDI、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポバール、スターチ等が挙げられ、これらは単体又は組み合わせで使用することができる。無機質板Aの強度及び不燃性の両方を満足する添加量として、固形成分全体の5〜15重量%(5重量%以上でかつ15重量%以下)が添加される。この添加量が5重量%未満であると、強度が不足する一方、15重量%を越えると、不燃性が損なわれるからである。
補助添加剤として、機能性のある材料、例えばシリカゲルや珪藻土等を混入させて吸放湿性を付与したり、消臭剤やVOC吸着剤等を添加したりすることもできる。
以上の構成を持つ無機質板Aの製造方法について説明する。この方法は裏面層マット形成工程と、表面層マット形成工程と、成形工程とからなる。
最初の裏面層マット形成工程では、上記裏面層2用の材料、すなわち、長さ3〜15mmの無機繊維1〜10重量%と、軽量骨材10〜70重量%と、無機質粉状体10〜70重量%と、結合剤5〜15重量%と、補助添加剤とをミキサーに投入し、水を噴霧しながら混合して含水率5〜15%に調整された混合物を得る。この混合物をフォーミングして裏面層マットを形成する。
次の表面層マット形成工程では、上記裏面層マット形成工程で形成された裏面層マットの上に、さらに上記表面層1用の材料、すなわち、長さ1mm以下の微細な無機繊維10〜70重量%と、粒径10〜500μmの軽量骨材10〜50重量%と、無機質粉状体10〜70重量%と、結合剤3〜10重量%とをミキサーに投入し、水を噴霧しながら混合して含水率5〜15%に調整された混合物を得る。この混合物をフォーミングして表面層マットを形成する。
成形工程では、上記裏面層2用及び表面層1用の2層のマットを所定の圧力及び温度(150〜250℃)で熱圧プレスして一体に成形する。この熱圧プレス装置は、連続プレス装置でも多段プレス装置でもよい。
図2は本発明の実施形態2に係る無機質板Aを示す(尚、図1と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する)。
尚、上記実施形態2では、シート状物4を裏面層及び表面層の各マットと共に成形一体しているが、上記実施形態1のように裏面層及び表面層の各マットを成形した後に、その裏面にシート状物を貼着一体化するようにしてもよい。
無機繊維として繊維長6mm、繊維径10μmのガラス繊維7重量%と、無機質粉状体として炭酸カルシウム63重量%と、補助剤としてポリエステル繊維2重量%とをミキサーに入れて1分間撹拌・解繊を行い、そこへ軽量骨材として大きさ(粒径)1mm以下のシラス発泡体20重量%と、結合剤として粉体フェノール8重量%と、水とを加えて30秒撹拌し、含水率7%の混合物を得た。これを均一にフォーミングして裏面層マットを成形した。
無機繊維として繊維長6mm、繊維径10μmのガラス繊維7重量%と、無機質粉状体として炭酸カルシウム63重量%と、補助剤としてポリエステル繊維2重量%とをミキサーに入れて1分間撹拌・解繊を行い、そこへ軽量骨材として大きさ1mm以下のシラス発泡体20重量%と、結合剤として粉体フェノール8重量%と、水とを加えて30秒攪拌し、含水率7%の混合物を得た。この混合物を、アクリル樹脂30g/m2(固形成分)を塗布した坪量50g/m2のガラス不織布(シート状物)の上に均一にフォーミングして裏面層マットを成形した。
無機繊維として繊維長6mm、繊維径10μmのガラス繊維7重量%と、軽量骨材として大きさ1mm以下のシラス発泡体70重量%と、無機質粉状体として炭酸カルシウム16重量%と、結合剤として粉体フェノール7重量%とを、水を噴霧しながらミキサーで2分間撹拌して、含水率10%の混合物を得た。これを均一にフォーミングして裏面層マットを成形した。
ガラス繊維7重量%と、シラス発泡体16重量%と、炭酸カルシウム70重量%と、粉体フェノール7重量%とを、水を噴霧しながらミキサーで2分間攪拌して、含水率7%の混合物を得た。これを均一にフォーミングして裏面層マットを成形した。
ガラス繊維7重量%と、シラス発泡体70重量%と、炭酸カルシウム16重量%と、粉体フェノール7重量%とを、水を噴霧しながらミキサーで2分間攪拌して、含水率10%の混合物を得た。これを均一にフォーミングして裏面層マットを成形した。
無機繊維として繊維長6mm、繊維径10μmのガラス繊維7重量%と、無機質粉状体として炭酸カルシウム63重量%と、補助剤としてポリエステル繊維2重量%とをミキサーに入れて1分間撹拌・解繊を行い、そこへ軽量骨材として大きさ1mm以下のシラス発泡体20重量%と、結合剤として粉体フェノール8重量%と、水とを加えて30秒攪拌し、含水率7%の混合物を得た。これを均一にフォーミングして裏面層マットを成形した。
繊維長6mm、繊維径10μmのガラス繊維7重量%と、大きさ1mm以下のシラス発泡体70重量%と、炭酸カルシウム16重量%と、粉体フェノール7重量%とに水を噴霧しながらミキサーで2分間撹拌し、含水率10%の混合物を得た。これを均一にフォーミングして裏面層マットを成形した。
無機繊維として繊維長6mm、繊維径10μmのガラス繊維7重量%と、軽量骨材として大きさ1mm以下のシラス発泡体70重量%と、無機質粉状体として炭酸カルシウム16重量%と、結合剤として粉体フェノール7重量%と、水とを噴霧しながらミキサーで2分間撹絆し、含水率10%の混合物を得た。これを均一にフォーミングして裏面層マットを成形した。
無機繊維として繊維長6mm、繊維径10μmのガラス繊維7重量%と、軽量骨材として大きさ1mm以下のシラス発泡体70重量%と、無機質粉状体として炭酸カルシウム16重量%と、結合剤として粉体フェノール7重量%と、水とを噴霧しながらミキサーで2分間撹拌し、含水率10%の混合物を得た。これを均一にフォーミングして裏面層マットを成形した。
無機繊維として繊維長6mm、繊維径10μmのガラス繊維7重量%と、軽量骨材として大きさ1mm以下のシラス発泡体70重量%と、無機質粉状体として炭酸カルシウム16重量%と、結合剤として粉体フェノール7重量%と、水とを噴霧しながらミキサーで2分間撹拝し、含水率30%の混合物を得た。これを均一にフォーミングして裏面層マットを成形した。
1 表面層
2 裏面層
4 シート状物
Claims (4)
- 長さ3〜15mmの無機繊維1〜10重量%と、軽量骨材10〜70重量%と、無機質粉状体10〜70重量%と、結合剤5〜15重量%とを有する裏面層と、
長さ1mm以下の無機繊維10〜70重量%と、粒径10〜500μmの軽量骨材10〜50重量%と、無機質粉状体10〜70重量%と、結合剤3〜10重量%とを有する表面層とが一体化されて成形されてなることを特徴とする無機質板。 - 裏面にシート状物が一体化されていることを特徴とする請求項1記載の無機質板。
- 長さ3〜15mmの無機繊維1〜10重量%と、軽量骨材10〜70重量%と、無機質粉状体10〜70重量%と、結合剤5〜15重量%とを有し、水が加えられて含水率5〜15%に調整された混合物をフォーミングして裏面層マットを形成する工程と、
上記裏面層マットの上に、さらに長さ1mm以下の無機繊維10〜70重量%と、粒径10〜500μmの軽量骨材10〜50重量%と、無機質粉状体10〜70重量%と、結合剤3〜10重量%とを有し、水が加えられて含水率5〜15%に調整された混合物をフォーミングして表面層マットを形成する工程と、
上記裏面層及び表面層の2層のマットを熱圧プレスして一体に成形する工程とを備えたことを特徴とする無機質板の製造方法。 - 長さ3〜15mmの無機繊維1〜10重量%と、軽量骨材10〜70重量%と、無機質粉状体10〜70重量%と、結合剤5〜15重量%とを有し、水が加えられて含水率5〜15%に調整された混合物をシート状物上でフォーミングして裏面層マットを形成する工程と、
上記裏面層マットの上に、さらに長さ1mm以下の無機繊維10〜70重量%と、粒径10〜500μmの軽量骨材10〜50重量%と、無機質粉状体10〜70重量%と、結合剤3〜10重量%とを有し、水が加えられて含水率5〜15%に調整された混合物をフォーミングして表面層マットを形成する工程と、
上記裏面層及び表面層の2層のマットとシート状物とを熱圧プレスして一体に成形する工程とを備えたことを特徴とする無機質板の製造方法。
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