JP2006069427A - イオン制御車輌 - Google Patents
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Abstract
【課題】 座席ごとにイオンの発生を制御する。
【解決手段】 イオン制御車輌は、複数の椅子70と、複数の椅子70のいずれかの背面から、イオンを放出するイオン発生器40と、複数の椅子70のいずれかの向きを変更する回転軸52と、回転軸52が変更した椅子70の向きを検出する向きセンサ50と、椅子70の向きを比較することにより、複数の椅子70のいずれかである第1の椅子が、第1の椅子の正面にあってイオン発生器40がイオンを放出する第2の椅子の背面に面するか否かを判断し、自らが、第1の椅子が第2の椅子の背面に面すると判断した場合、第2の椅子の背面からイオンを放出するように、イオン発生器40を制御する制御部20と、走行する走行部80とを含む。
【選択図】 図1
【解決手段】 イオン制御車輌は、複数の椅子70と、複数の椅子70のいずれかの背面から、イオンを放出するイオン発生器40と、複数の椅子70のいずれかの向きを変更する回転軸52と、回転軸52が変更した椅子70の向きを検出する向きセンサ50と、椅子70の向きを比較することにより、複数の椅子70のいずれかである第1の椅子が、第1の椅子の正面にあってイオン発生器40がイオンを放出する第2の椅子の背面に面するか否かを判断し、自らが、第1の椅子が第2の椅子の背面に面すると判断した場合、第2の椅子の背面からイオンを放出するように、イオン発生器40を制御する制御部20と、走行する走行部80とを含む。
【選択図】 図1
Description
本発明は、イオン制御車輌に関し、特に、利用者用の車両内のイオンの発生を制御するためのイオン制御車輌に関する。
健康で快適な生活を送りたいという要望が強くなっている。近年、居住空間の高気密化や健康問題への関心が高まったからである。そのような要望の1つに、空気中を浮遊する浮遊微生物(細菌、カビなど)や浮遊汚染物質(花粉、タバコの煙、埃など)を取除きたいという要望がある。この要望に応えるため、浮遊微生物や浮遊汚染物質を各種のフィルタにより除去する空気清浄機が開発されている。これらの空気清浄機は、居住空間における空気から、浮遊微生物や浮遊汚染物質を吸着する方式を採用している。吸着にはフィルタが用いられる。
この方式において、次のような点が課題とされてきた。その第1点は、長期間使用すると、メンテナンス(フィルタの交換など)が必要であるという点である。第2点は、満足できる空気清浄性能が得難いという点である。浮遊微生物や浮遊汚染物質を除去するために、その浮遊微生物や浮遊汚染物質を含む空気をフィルタに通過させる必要があるからである。
特許文献1は、上記の課題を解決する殺菌方法を開示する。特許文献1に開示された殺菌方法は、正イオンと負イオンと(これらのイオンは、誘電体を挟んで対向する電極間に交流電圧を印加することによって発生させる)を居住空間に送出する。これらのイオンは、化学反応により空気中の有害微生物や有害物質を殺菌したり無害化したりする。
特許文献1の方法によれば、正イオンであるH3O+(H2O)m(mは0または任意の自然数)および負イオンであるO2-(H2O)n(nは0または任意の自然数)を空気中に放出すると、空気中の浮遊細菌や浮遊真菌を殺菌することができる。これらのイオンは、空気中の浮遊微生物の表面で化学反応することにより、H2O2(過酸化水素)または・OH(水酸基ラジカル)を生成する。これらが極めて強力な活性を示すためである。イオン発生装置の電極から0.1m離れた位置において正イオンおよび負イオンの濃度がそれぞれ1立方メートルあたり100億個以上あれば、殺菌効果が得られる。発生イオン濃度が高くなると、殺菌効果はより良好になる傾向がある。
また、負イオンが多い雰囲気は、人間に対して心地よい環境である。負イオンが多い雰囲気は、人をリフレッシュさせる効果があると言われている。
しかしながら、特許文献1に開示された発明では、不特定のユーザが混在する空間への適用が困難であるという問題点がある。イオン発生器には、除菌モードや、リラックスモードがある。「除菌モード」とは、正イオンと負イオンとをほぼ同量発生させることにより、除菌や殺菌の効果を得るモードのことである。「リラックスモード」とは、負イオンを多く発生させることにより、リラックス効果を得るモードのことである。特許文献1に開示された方法をそのまま使用する場合、室内がすべて同じモードになる。除菌モードとリラックスモードとを同時に実現することは困難である。正イオンおよび負イオンをほぼ同量含む空気と、負イオンを多く含む空気とが混ぜられた場合、混合された空気は負イオンを多く含むこととなるからである。不特定のユーザが混在する空間(たとえば航空機や列車の客室)の場合、イオンの発生の要否およびいずれのモードでイオンを発生させるかについて、ユーザの希望を統一することは困難である。仮にユーザの希望を統一することができるとしても、希望の統一のために多くの時間を費やす必要がある。これらが、特許文献1に開示された発明を不特定のユーザが混在する空間に適用し難い原因である。
特許文献2に開示されたサービスシステムは、回転いすの背面に設けた受像器と、回転いすの後側に配置された他の回転いすの肘掛部に設けた操作器と、操作器に接続した音声発生部と、受像器および操作器に映像信号および音声信号を出力する出力部と、出力部に接続したテレビサービス源およびオーディオサービス源とからなる。操作部側に選択スイッチと発信部とが設けられる。受像器側に無線信号を受信する受信部が設けられる。これにより、受像器側のチャンネル設定が可能となる。
特許文献3に開示されたオーディオサービス装置は、ヘッドホンを通じて個々の座席の乗客にオーディオサービスを提供するオーディオサービス装置において、座席における乗客の有無を判別する着座センサと、座席に着座した乗客の視野に属し、他の乗客の注意をあまり引かない位置に配置した文字表示が可能な表示装置と、着座センサが乗客を検知した場合に、オーディオサービスの存在を文字表示にて出力させる制御回路とを備える。
特許文献4に開示されたスイッチング・ユニットは、複数の情報信号を受信する入力装置と、複数の情報信号を分配する出力回路と、入力装置と出力回路の間に複数の経路を確立するクロスポイント回路と、クロスポイント回路を通じての入力装置と出力回路の間の経路を選択するルーティング回路であって、現存する経路を再割り当てする回路を含むルーティング回路とを備える。
特許文献2〜特許文献4によれば、電車や飛行機の各座席において、音楽やテレビを視聴できる。その多くは手元の肘掛部にあるコントロール装置で制御される。音声はコントロール部のヘッドホン端子に接続されたヘッドホンによって利用される。テレビは前席の背もたれ部に設けられている。
しかしながら、特許文献2〜特許文献4に開示された発明では、浮遊微生物や浮遊汚染物質を除去すること自体が不可能であるという問題点がある。
特開2002−224211号公報
実開平2−49235号公報
特開平7−131875号公報
特開平9−153904号公報
本発明は上述の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、座席ごとにイオンの発生を制御できるイオン制御車輌を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明のある局面にしたがうと、イオン制御車輌は、複数の椅子と、複数の椅子のいずれかの背面から、イオンを放出するための放出手段と、複数の椅子のいずれかの向きを変更するための変更手段と、変更手段が変更した椅子の向きを検出するための検出手段と、椅子の向きを比較することにより、複数の椅子のいずれかである第1の椅子が、第1の椅子の正面にあって放出手段がイオンを放出する第2の椅子の背面に面するか否かを判断するための判断手段と、判断手段が、第1の椅子が第2の椅子の背面に面すると判断した場合、第2の椅子の背面からイオンを放出するように、放出手段を制御するための制御手段と、走行するための走行手段とを含む。
すなわち、判断手段は、変更手段が変更した椅子の向きを比較することにより、複数の椅子のいずれかである第1の椅子が、第1の椅子の正面にあって放出手段がイオンを放出する第2の椅子の背面に面するか否かを判断する。制御手段は、判断手段が、第1の椅子が第2の椅子の背面に面すると判断した場合、第2の椅子の背面からイオンを放出するように、放出手段を制御する。これにより、第1の椅子の前からイオンが放出される。イオンが放出されるので、第1の椅子の前ではイオンの発生が制御される。その結果、座席ごとにイオンの発生を制御できるイオン制御車輌を提供することができる。
また、上述のイオン制御車輌は、利用者から指令を受付けるための受付手段と、放出手段がイオンを放出していること、および放出手段が放出するイオンの量に対応する情報のいずれかを表示するための表示手段とをさらに含むことが望ましい。あわせて、制御手段は、受付手段が受付けた指令に応じて第2の椅子の背面からイオンを放出するように、放出手段を制御するための手段を含むことが望ましい。
また、上述の表示手段は、受付手段が指令を受付け中か否かを表示するための手段をさらに含むことが望ましい。
また、上述の放出手段は、正イオンと負イオンとの放出量の差が、制御手段の制御の内容に応じて異なるようにイオンを放出するための手段を含むことが望ましい。
すなわち、放出手段は、正イオンと負イオンとの放出量の差が、制御手段の制御の内容に応じて異なるようにイオンを放出する。これにより、制御手段の制御の内容に応じて正イオンと負イオンとの放出量の差が異なるように、第1の椅子の前からイオンが放出される。正イオンと負イオンとの放出量の差が異なると、第1の椅子に座る利用者に対して異なる影響を与えることができる。その結果、利用者に対して異なる影響を与えることができ、かつ座席ごとにイオンの発生を制御できるイオン制御車輌を提供することができる。
また、上述の正イオンは、H3O+(H2O)m(mは「0」または任意の自然数)を含み、負イオンは、O2 −(H2O)n(nは「0」または任意の自然数)を含むことが望ましい。
すなわち、放出手段は、H3O+(H2O)mを含む正イオンとO2 −(H2O)nを含む負イオンとの放出量の差が、制御手段の制御に応じて異なるようにイオンを放出する。H3O+(H2O)mを含む正イオンおよびO2 −(H2O)nを含む負イオンは、化学反応して活性種であるH2O2または・OHを生成する。「・OH」はラジカルのOHを示す。H2O2または・OHは、極めて強力な活性を示す。極めて強力な活性が示されるので、細菌を取除く効果が得られる。これにより、第1の椅子に座る利用者に対して、細菌を取除くことによる影響を含む、異なる影響を与えることができる。その結果、利用者に対して、細菌を取除くことによる影響を含む、異なる影響を与えることができ、かつ座席ごとにイオンの発生を制御できるイオン制御車輌を提供することができる。
本発明の他の局面にしたがうと、イオン制御車輌は、複数の椅子と、複数の椅子のいずれかの背面から、イオンを放出するための放出手段と、複数の椅子のいずれかの向きを変更するための変更手段と、変更手段が変更した椅子の向きを検出するための検出手段と、椅子の向きを比較することにより、複数の椅子のいずれかであって放出手段がイオンを放出する第1の椅子の背面が、第1の椅子の背面側にある第2の椅子の背面に面するか否かを判断するための判断手段と、判断手段が、第1の椅子の背面が第2の椅子の背面に面すると判断した場合、第1の椅子の背面からのイオンの放出を停止するように、放出手段を制御するための第1の制御手段と、走行するための走行手段とを含む。
すなわち、判断手段は、変更手段が変更した椅子の向きを比較することにより、複数の椅子のいずれかであって放出手段がイオンを放出する第1の椅子の背面が、第1の椅子の背面側にある第2の椅子の背面に面するか否かを判断する。制御手段は、判断手段が、第1の椅子の背面が第2の椅子の背面に面すると判断した場合、第1の椅子の背面からのイオンの放出を停止するように、放出手段を制御する。これにより、第1の椅子の背面からのイオンの放出が停止される。イオンの放出が停止されるので、第1の椅子の前ではイオンの発生が制御される。その結果、座席ごとにイオンの発生を制御できるイオン制御車輌を提供することができる。
また、上述のイオン制御車輌は、複数の椅子それぞれの背面で映像を表示するモニタと、判断手段が、第1の椅子の背面が第2の椅子の背面に面すると判断した場合、映像の表示を禁止するように、第1の椅子の背面のモニタを制御するための第2の制御手段とをさらに含むことが望ましい。
本発明の他の局面にしたがうと、イオン制御車輌は、複数の椅子と、複数の椅子のいずれかの背面から、イオンを放出するための放出手段と、椅子の肘掛部分にあって、利用者から指令を受付けるための受付手段と、受付手段が受付けた指令に応じて、受付手段の前にある椅子の背面からイオンを放出するように、放出手段を制御するための制御手段と、走行するための走行手段とを含む。
すなわち、制御手段は、椅子の肘掛部分にある受付手段が受付けた指令に応じて、受付手段の前にある椅子の背面からイオンを放出するように、放出手段を制御する。これにより、受付手段が指令を受付けると、椅子の前からイオンが放出される。イオンが放出されるので、椅子の前ではイオンの発生が制御される。その結果、座席ごとにイオンの発生を制御できるイオン制御車輌を提供することができる。
本発明の他の局面にしたがうと、イオン制御車輌は、前後に並ぶ複数の椅子と、複数の椅子のうち前の椅子の背面から、イオンを放出するための放出手段と、走行するための走行手段とを含む。
本発明に係るイオン制御車輌は、座席ごとにイオンの発生を制御できることができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
図1を参照して、本実施の形態にかかるイオン制御車輌は、制御部20と、座席メモリ22と、コントロール部30と、イオン発生器40と、向きセンサ50と、回転軸52と、椅子70と、走行部80とを含む。本実施の形態において、イオン制御車輌は利用者を輸送するための列車のうちの1両である。
制御部20は、後述する椅子70の向きを管理する。制御部20は、コントロール部30が受付けた指令に応じて椅子70の背面からイオンを放出するように、イオン発生器40を制御する回路でもある。座席メモリ22は、制御部20がコントロール部30およびイオン発生器40を制御するために必要な情報、および制御部20が椅子70の向きを管理するために必要な情報を記憶する。コントロール部30は、利用者から指令を受付ける。イオン発生器40は、制御部20の制御に応じてイオンを発生させる。向きセンサ50は、回転軸52が変更した椅子70の向きを検出する。本実施の形態の場合、リミットスイッチが向きセンサ50の役割を果たす。向きセンサ50は、制御部20に、椅子70の向きに対応する信号を出力する。回転軸52は、椅子70の向きを変更する。椅子70は、利用者を座らせる。本実施の形態の場合、イオン制御車輌1両あたりの椅子70の数は、50席である。走行部80は、イオン制御車輌の一部として、電力を用いて走行する。
イオン発生器40による除菌などの原理についてより具体的に説明する。イオン発生器40は、電極(図示せず)を内蔵する。これらの電極間に交流電圧を印加すると、空気中の酸素ないしは水分がイオン化する。電離によりエネルギーを受けるからである。生成するイオンは正イオンであるH+(H2O)m(mは「0」または任意の自然数)と負イオンであるO2 −(H2O)n(nは「0」または任意の自然数)とを主体とする。これらがファン(ファンはイオン発生器40に内蔵されている)により空間に放出される。これらH+(H2O)mおよびO2 −(H2O)nは、浮遊菌の表面に付着する。付着したイオンは、化学反応によりH2O2または・OH(「・OH」はラジカルのOHを示す)を生成する。式(1)〜式(3)に化学反応を示す。式(1)〜式(3)において、m、n、p、qは任意の自然数である。
H+(H2O)m+O2 −(H2O)n→・OH+1/2O2+(m+n)H2O・・・(1)
H+(H2O)m+H+(H2O)p+O2 −(H2O)n+O2 −(H2O)q → 2・OH+O2+(m+p+n+q)H2O・・・(2)
H+(H2O)m+H+(H2O)p+O2 −(H2O)n+O2 −(H2O)q →H2O2+O2+(m+p+n+q)H2O・・・(3)
これらの活性種が生成されると、活性種の分解作用によって浮遊細菌が破壊される。これにより、効率的に空気中の浮遊細菌が不活化される。浮遊細菌が不活化されるので、浮遊細菌が除去されることとなる。
H+(H2O)m+H+(H2O)p+O2 −(H2O)n+O2 −(H2O)q → 2・OH+O2+(m+p+n+q)H2O・・・(2)
H+(H2O)m+H+(H2O)p+O2 −(H2O)n+O2 −(H2O)q →H2O2+O2+(m+p+n+q)H2O・・・(3)
これらの活性種が生成されると、活性種の分解作用によって浮遊細菌が破壊される。これにより、効率的に空気中の浮遊細菌が不活化される。浮遊細菌が不活化されるので、浮遊細菌が除去されることとなる。
また、上記の式(1)〜式(3)は、空気中の有害物質表面でも同様の作用を生じさせる。同様の作用が生じるので、活性種である過酸化水素(H2O2)または水酸基ラジカル(・OH)が、有害物質を酸化もしくは分解する。このことは、ホルムアルデヒドやアンモニアなどの化学物質が、二酸化炭素、水、窒素などの無害な物質に変換されることを意味する。無害な物質に変換されるので、実質的に無害化される。
イオン発生器40から正イオンと負イオンとが送り出されると、これらの正イオンと負イオンとの作用により空気中のカビや菌が不活化される。カビや菌が不活化されるので、その増殖が抑制される。
正イオンと負イオンとには、コクサッキーウィルスやポリオウィルスなどのウィルス類も不活化する働きがある。これらのウィルス類が不活性化されるので、これらウィルスの混入による汚染が防止される。
正イオンと負イオンとには、臭いの元となる分子を分解する働きもある。臭いの元となる分子が分解されるので、空間の脱臭にも利用される。
図2を参照して、コントロール部30、イオン発生器40、向きセンサ50、および回転軸52の配置を説明する。コントロール部30は、椅子70(椅子70は前後に回転できる)の肘掛部の前端に固定されている。イオン発生器40は、すべての椅子70の背もたれの背面に固定されている。これにより、本実施の形態にかかるイオン発生器40はすべての椅子70の背面からイオンを放出することとなる。向きセンサ50および回転軸52は、椅子70の足元に内蔵されている。
図3を参照して、コントロール部30について説明する。コントロール部30は、オンオフスイッチ32と、モードスイッチ34と、チャンネルボタン35と、音量ボタン36と、サービス切替ボタン37と、ヘッドホン端子38と、表示部39とを含む。本実施の形態において、コントロール部30は、AV(Audio-Visual)サービス(音楽や映像を利用者に提供するサービス)用のコントロール盤の一部である。オンオフスイッチ32は、イオン発生器40を起動させたり停止させたりする。モードスイッチ34は、イオン発生器40のモードを切替える。本実施の形態の場合、モードスイッチ34を押すたびに、制御部20の制御の内容が切替わる。制御の内容が切替わると、イオン発生器40のモードは、制御部20の制御の内容に応じて、「除菌モード」と「リラックスモード」との間で切替わる。モードが切替えられると、正イオンと負イオンとの放出量の差が、異なるようにイオンが放出される。「除菌モード」とは、プラスイオンとマイナスイオンとをほぼ同量発生させることにより、除菌効果をもたらすモードのことである。「リラックスモード」とは、マイナスイオンを多めに発生させることにより、リラックス効果を得るモードのことである。チャンネルボタン35は、液晶モニタ62に表示させるテレビ映像を変更させる。音量ボタン36は、テレビ映像の音声または音楽サービスの音量を調整する。サービス切替ボタン37は、テレビ映像のサービスと音楽サービスを切替える。ヘッドホン端子38は、音声または音楽をヘッドホンで聴く。表示部39は、チャンネル設定や音量その他メッセージを表示する。表示部39は、イオン発生器40がイオンを放出していること、イオン発生器40が放出するイオンの量に対応する情報、および利用者の指令を受付け中か否かを表示する装置でもある。
図4を参照して、パネル60は、液晶モニタ62と、第1LED64と、第2LED66とを含む。イオン発生器40は、パネル60に固定されている。液晶モニタ62は、すべての椅子70それぞれの背面で映像を表示する。第1LED(Light Emitting Diode)64は、点灯により、イオン発生器40が除菌モードであることを表示する。第2LED66は、点灯により、イオン発生器40がリラックスモードであることを表示する。
図5を参照して、本実施の形態にかかるイオン制御車輌で実行されるプログラムは、制御の対象の設定に関し、以下のような制御構造を有する。なお、以下の説明において「前」とは座席となる椅子の正面側を指す。以下の説明において「後」とは椅子の背面側を指す。
ステップ110(以下、ステップをSと略す。)にて、制御部20は、向きセンサ50から座席の向きに対応する信号を受付ける。制御部20は、座席メモリ22に、信号を出力した向きセンサ50に対応する座席(利用者の席)の向きを記憶させる。S112にて、制御部20は、利用者の席のコントロール部30の電源を「OFF」にする。
S114にて、制御部20は、利用者の席およびその1つ前の席の向きを参照する。これらの席の向きは、座席メモリ22に記憶されている。席の向きが参照されると、制御部20は、席である椅子70の向きを比較することにより、複数の椅子のいずれかである利用者の席が、利用者の席の正面にあってイオン発生器40がイオンを放出する1つ前の席の背面に面するか否かを判断する。利用者の席が車輌の最前列にある場合、利用者の席の向きと、1つ前にあると仮想する席の向き(席の向きは予め定められている)とが同じ向きか否かを判断する。1つ前の席のイオン発生器40に面していると判断した場合には(S114にてYES)、処理はS116へ移される。もしそうでないと(S114にてNO)、処理はS118へ移される。
S116にて、制御部20は、利用者が面するイオン発生器40を、利用者の席のコントロール部30の制御の対象にする。このために、制御部20は、座席メモリ22に、利用者が面するイオン発生器40に固有の番号と利用者の席のコントロール部30に固有の番号とを対応付けて記憶させる。番号が記憶されると、制御部20は、利用者の席のコントロール部30の電源を「ON」にする。電源が「ON」にされると、制御部20は、表示部39に、利用者の指令を受付け中であることを表示させる。制御部20は、コントロール部30からイオン発生器40の制御のための信号を受付けると、この情報を参照してイオン発生器40を制御する。
S118にて、制御部20は、利用者の席の1つ後および2つ後の席の向きを参照する。これらの席の向きは、利用者の席と同様に、座席メモリ22に記憶されている。席の向きが参照されると、制御部20は、2つ後の席の利用者が1つ後の席のイオン発生器40に面しているか否かを判断する。利用者の席が車輌の最後列にある場合、2つ後にあると仮想する席の向きと、1つ後にあると仮想する席の向きと(いずれも席の向きは予め任意に定められている)が同じ向きか否かを判断する。利用者の席が車輌の最後から2列目にある場合、2つ後にあると仮想する席の向き(席の向きは予め任意に定められている)と、1つ後の席の向きとが同じ向きか否かを判断する。本実施の形態の場合、制御部20は、2つ後の席の向きと、1つ後の席の向きとが同じ向きか否かを判断する。1つ後の席のイオン発生器40に面していると判断した場合には(S118にてYES)、処理はS120へ移される。もしそうでないと(S118にてNO)、処理はS126へ移される。
S120にて、制御部20は、利用者の席およびその1つ前の席の向きを参照する。これらの席の向きは、座席メモリ22に記憶されている。席の向きが参照されると、制御部20は、1つ後の席の利用者が利用者の席のイオン発生器40に面しているか否かを判断する。これにより、制御部20は、席である椅子70の向きを比較することにより、複数の椅子のいずれかであってイオン発生器40がイオンを放出する利用者の席の背面が、利用者の席の背面側にある1つ後の席の背面に面するか否かを判断することとなる。利用者の席のイオン発生器40に面していると判断した場合には(S120にてYES)、処理はS122へ移される。もしそうでないと(S120にてNO)、処理はS124へ移される。
S122にて、制御部20は、利用者の席のイオン発生器40を、利用者の1つ後の席のコントロール部30の制御の対象にする。このために、制御部20は、座席メモリ22に、利用者の席のイオン発生器40に固有の番号と利用者の1つ後の席のコントロール部30に固有の番号とを対応付けて記憶させる。
S124にて、制御部20は、利用者の席のイオン発生器40の電源を「OFF」にする。これにより、制御部20は、自らが、利用者の席の背面が1つ後の席の背面に面すると判断した場合、利用者の席の背面からのイオンの放出を停止するように、イオン発生器40を制御することとなる。あわせて、制御部20は、液晶モニタ62の電源を「OFF」にする。これにより、制御部20は、自らが、利用者の席の背面が1つ後の席の背面に面すると判断した場合、映像の表示を禁止するように、利用者の席の背面の液晶モニタ62を制御することとなる。S126にて、制御部20は、利用者の1つ後の席のイオン発生器40の電源を「OFF」にする。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、イオン制御車輌の動作について説明する。以下の説明において、図の左側を「A方向」と称する。図の右側を「B方向」と称する。図6〜図9は、一般的な車輌の座席の配置を示す図である。図6〜図9に示す車輌には、本実施の形態にかかるイオン制御車輌が搭載されている。座席メモリ22は、車輌が進む方向を予め記憶している。
[A方向の席、利用者の席、およびB方向の席がいずれも進行方向を向いている場合]
図6の場合、B方向からA方向に車輌は進んでいる。座席102の向きが車輌の進む方向に変えられると、向きセンサ50は信号を出力する。制御部20は、向きセンサ50から座席102の向きに対応する信号を受付ける(S110)。信号が受付けられると、制御部20は、座席102のコントロール部30の電源を「OFF」にする(S112)。電源が「OFF」にされると、制御部20は、複数の椅子のいずれかである利用者の席が、利用者の席の正面にあってイオン発生器40がイオンを放出する1つ前の席の背面に面するか否かを判断する(S114)。制御部20は、利用者の座席102からみてA方向にある座席100を1つ前の席とみなす。この場合、1つ前の席の背面に面すると判断されるので(S114にてYES)、制御部20は、座席100のイオン発生器40を、座席102のコントロール部30の、制御の対象にする(S116)。すなわち、制御部20は、自らが、利用者の席が1つ前の席の背面に面すると判断した場合、1つ前の席の背面からイオンを放出するように、イオン発生器40を制御する。
図6の場合、B方向からA方向に車輌は進んでいる。座席102の向きが車輌の進む方向に変えられると、向きセンサ50は信号を出力する。制御部20は、向きセンサ50から座席102の向きに対応する信号を受付ける(S110)。信号が受付けられると、制御部20は、座席102のコントロール部30の電源を「OFF」にする(S112)。電源が「OFF」にされると、制御部20は、複数の椅子のいずれかである利用者の席が、利用者の席の正面にあってイオン発生器40がイオンを放出する1つ前の席の背面に面するか否かを判断する(S114)。制御部20は、利用者の座席102からみてA方向にある座席100を1つ前の席とみなす。この場合、1つ前の席の背面に面すると判断されるので(S114にてYES)、制御部20は、座席100のイオン発生器40を、座席102のコントロール部30の、制御の対象にする(S116)。すなわち、制御部20は、自らが、利用者の席が1つ前の席の背面に面すると判断した場合、1つ前の席の背面からイオンを放出するように、イオン発生器40を制御する。
利用者が面するイオン発生器40が制御の対象にされると、制御部20は、1つ後の座席104の利用者が利用者の座席102のイオン発生器40に面しているか否かを判断する(S120)。この場合、利用者の座席102のイオン発生器40に面していると判断されるので(S120にてYES)、制御部20は、利用者の座席102のイオン発生器40を、座席104のコントロール部30の、制御の対象にする(S122)。座席102のイオン発生器40が制御の対象にされると、制御部20は、座席102および座席104のコントロール部30からの信号を受付ける。コントロール部30は、利用者から指令を受付ける。指令が受付けられると、コントロール部30は、受付けた指令を制御部20に出力する。信号が出力されると、制御部20は、コントロール部30が受付けた指令に応じて座席100および座席102である椅子70の背面からイオンを放出するように、イオン発生器40を制御する。これにより、座席102および座席104の利用者が自分の座った座席のコントロール部30を操作すれば、制御部20は、コントロール部30が受付けた指令に応じて、コントロール部30の前にある椅子70の背面からイオンを放出するように、イオン発生器40を制御することとなる。
[A方向の席、利用者の席、およびB方向の席がいずれも進行方向とは逆の方向を向いている場合]
図7の場合、A方向からB方向に車輌は進んでいる。座席122の向きが車輌の進む方向とは逆の方向に変えられると、S110〜S112の処理を経て、制御部20は、複数の椅子のいずれかである利用者の席が、利用者の席の正面にあってイオン発生器40がイオンを放出する1つ前の席の背面に面するか否かを判断する(S114)。制御部20は、利用者の座席122からみてB方向にある座席124を前の席とみなす。この場合、1つ前の席の背面に面すると判断されるので(S114にてYES)、制御部20は、座席124のイオン発生器40を、利用者の座席122のコントロール部30の制御の対象にする(S116)。すなわち、制御部20は、自らが、利用者の席が1つ前の席の背面に面すると判断した場合、1つ前の席の背面からイオンを放出するように、イオン発生器40を制御する。
図7の場合、A方向からB方向に車輌は進んでいる。座席122の向きが車輌の進む方向とは逆の方向に変えられると、S110〜S112の処理を経て、制御部20は、複数の椅子のいずれかである利用者の席が、利用者の席の正面にあってイオン発生器40がイオンを放出する1つ前の席の背面に面するか否かを判断する(S114)。制御部20は、利用者の座席122からみてB方向にある座席124を前の席とみなす。この場合、1つ前の席の背面に面すると判断されるので(S114にてYES)、制御部20は、座席124のイオン発生器40を、利用者の座席122のコントロール部30の制御の対象にする(S116)。すなわち、制御部20は、自らが、利用者の席が1つ前の席の背面に面すると判断した場合、1つ前の席の背面からイオンを放出するように、イオン発生器40を制御する。
利用者が面するイオン発生器40が制御の対象にされると、制御部20は、1つ後の座席120の利用者が利用者の座席122のイオン発生器40に面しているか否かを判断する(S120)。この場合、利用者の座席122のイオン発生器40に面していると判断されるので(S120にてYES)、制御部20は、利用者の座席122のイオン発生器40を、座席120のコントロール部30の、制御の対象にする(S122)。
[利用者の席のみが進行方向とは逆の方向を向いている場合]
図8の場合、B方向からA方向に車輌は進んでいる。座席122の向きが車輌の進む方向とは逆の方向に変えられると、S110〜S112の処理を経て(座席122の肘掛部にあるコントロール部30は制御できなくなる)、制御部20は、利用者の席が、イオン発生器40がイオンを放出する1つ前の席の背面に面するか否かを判断する(S114)。制御部20は、利用者の座席122からみてB方向にある座席124を前の席とみなす。この場合、座席122に座った利用者は、座席124の利用者と対面することになる。座席122の利用者の前方には制御すべき液晶モニタ62もイオン発生器40もない(制御部20は、利用者の席が、イオン発生器40がイオンを放出する1つ前の席の背面に面すると判断しない)ので(S114にてNO)、制御部20は、2つ後の座席118の利用者は1つ後の座席120のイオン発生器40に面しているか否かを判断する。この場合、1つ後の席のイオン発生器40に面していないと判断されるので(S118にてNO)、制御部20は、1つ後の座席120のイオン発生器40の電源を「OFF」にする(S126)。電源が「OFF」にされると、制御部20は、1つ後の座席120の利用者は利用者の座席122のイオン発生器40に面しているか否かを判断する(S120)。この場合、座席122の背もたれ部の背面に設けられた液晶モニタ62ならびにイオン発生器40を利用できる人がいなくなることから(S120にてNO)、利用者の座席122の液晶モニタ62ならびにイオン発生器40は自動的に「OFF」になる(S124)。
図8の場合、B方向からA方向に車輌は進んでいる。座席122の向きが車輌の進む方向とは逆の方向に変えられると、S110〜S112の処理を経て(座席122の肘掛部にあるコントロール部30は制御できなくなる)、制御部20は、利用者の席が、イオン発生器40がイオンを放出する1つ前の席の背面に面するか否かを判断する(S114)。制御部20は、利用者の座席122からみてB方向にある座席124を前の席とみなす。この場合、座席122に座った利用者は、座席124の利用者と対面することになる。座席122の利用者の前方には制御すべき液晶モニタ62もイオン発生器40もない(制御部20は、利用者の席が、イオン発生器40がイオンを放出する1つ前の席の背面に面すると判断しない)ので(S114にてNO)、制御部20は、2つ後の座席118の利用者は1つ後の座席120のイオン発生器40に面しているか否かを判断する。この場合、1つ後の席のイオン発生器40に面していないと判断されるので(S118にてNO)、制御部20は、1つ後の座席120のイオン発生器40の電源を「OFF」にする(S126)。電源が「OFF」にされると、制御部20は、1つ後の座席120の利用者は利用者の座席122のイオン発生器40に面しているか否かを判断する(S120)。この場合、座席122の背もたれ部の背面に設けられた液晶モニタ62ならびにイオン発生器40を利用できる人がいなくなることから(S120にてNO)、利用者の座席122の液晶モニタ62ならびにイオン発生器40は自動的に「OFF」になる(S124)。
[1つ前の席のみが進行方向とは逆の方向を向いている場合]
図9の場合、B方向からA方向に車輌は進んでいる。座席102の向きが車輌の進む方向に変えられると、S110〜S112の処理を経て、制御部20は、複数の椅子のいずれかである利用者の席が、利用者の席の正面にあってイオン発生器40がイオンを放出する1つ前の席の背面に面するか否かを判断する(S114)。この場合、座席102にあるコントロール部30は制御できなくなる。制御部20は、利用者の座席102からみてA方向にある座席100を前の席とみなす。この場合、座席102に座った利用者は、座席100の利用者と対面することになる。座席102の利用者の前方には、制御すべき液晶モニタ62もイオン発生器40もない(制御部20は、複数の椅子のいずれかである利用者の席が、利用者の席の正面にあってイオン発生器40がイオンを放出する1つ前の席の背面に面すると判断しない)ので(S114にてNO)、制御部20は、2つ後の座席106の利用者は1つ後の座席104のイオン発生器40に面しているか否かを判断する。この場合、1つ後の席のイオン発生器40に面していると判断されるので(S118にてYES)、制御部20は、1つ後の座席104の利用者は利用者の座席102のイオン発生器40に面しているか否かを判断する(S120)。この場合、座席104に座った利用者が、座席102の背もたれ部の背面に設けられた液晶モニタ62ならびにイオン発生器40を利用できる(1つ後の座席104の利用者は利用者の座席102のイオン発生器40に面している)ため、液晶モニタ62ならびにイオン発生器40は「OFF」にならない(S122)。
図9の場合、B方向からA方向に車輌は進んでいる。座席102の向きが車輌の進む方向に変えられると、S110〜S112の処理を経て、制御部20は、複数の椅子のいずれかである利用者の席が、利用者の席の正面にあってイオン発生器40がイオンを放出する1つ前の席の背面に面するか否かを判断する(S114)。この場合、座席102にあるコントロール部30は制御できなくなる。制御部20は、利用者の座席102からみてA方向にある座席100を前の席とみなす。この場合、座席102に座った利用者は、座席100の利用者と対面することになる。座席102の利用者の前方には、制御すべき液晶モニタ62もイオン発生器40もない(制御部20は、複数の椅子のいずれかである利用者の席が、利用者の席の正面にあってイオン発生器40がイオンを放出する1つ前の席の背面に面すると判断しない)ので(S114にてNO)、制御部20は、2つ後の座席106の利用者は1つ後の座席104のイオン発生器40に面しているか否かを判断する。この場合、1つ後の席のイオン発生器40に面していると判断されるので(S118にてYES)、制御部20は、1つ後の座席104の利用者は利用者の座席102のイオン発生器40に面しているか否かを判断する(S120)。この場合、座席104に座った利用者が、座席102の背もたれ部の背面に設けられた液晶モニタ62ならびにイオン発生器40を利用できる(1つ後の座席104の利用者は利用者の座席102のイオン発生器40に面している)ため、液晶モニタ62ならびにイオン発生器40は「OFF」にならない(S122)。
図10に、図6〜図9に示す場合における、基準席(図6および図9の場合、「基準席」とは座席102のこと。図7および図8の場合、「基準席」とは座席122のこと。)のコントロール部30で制御できるイオン発生器40がある座席の方向と、基準席の背面にあるイオン発生器40の稼動の可否とを示す。
以上のようにして、本実施の形態に係るイオン制御車輌は、座席毎にイオン発生器とコントロール部とを設ける。イオンは利用者の前のイオン発生器が発生させる。本実施の形態に係るイオン制御車輌は、利用者の席の向きに応じてコントロール部の制御の対象となるイオン発生器を選択する。各座席の利用者は、気分に合わせて、イオンの発生の有無およびイオン種を選択(除菌モードやリラックスモードを選択)できる。これにより、車輌内のどの座席に座っても最適なイオン空間を作り出すことができる。座席の向きを変えた場合でも、適切にイオンをコントロールできる。余剰イオンは客室内で中和される。その結果、座席ごとに利用者が好むモードでイオンを発生させるイオン制御車輌を提供できる。
なお、電車のように複数の車輌が1編成を構成する場合、1組の制御部20および座席メモリ22が、1編成の全座席におけるイオンの発生を制御してもよい。1組の制御部20および座席メモリ22が、1編成の座席の一部におけるイオンの発生を制御してもよい。
また、椅子70が向きを変更できない場合、椅子の肘掛部にあるコントロール部30を、イオン発生器40に直接接続してもよい。この場合、イオン発生システムは、複数のイオン発生器40、およびイオン発生器40と同数のコントロール部30とを含む。制御部20、座席メモリ22、および向きセンサ50は不要である。このイオン制御車輌を用いると、利用者は、各肘掛部のコントロール部30を用いて、利用者の正面にあるイオン発生器40を直接制御できる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
20 制御部、22 座席メモリ、30 コントロール部、32 オンオフスイッチ、34 モードスイッチ、35 チャンネルボタン、36 音量ボタン、37 サービス切替ボタン、38 ヘッドホン端子、39 表示部、40 イオン発生器、50 向きセンサ、52 回転軸、60 パネル、62 液晶モニタ、64 第1LED、66 第2LED、70 椅子、80 走行部、100,102,104,106,118,120,122,124 座席。
Claims (9)
- 複数の椅子と、
前記複数の椅子のいずれかの背面から、イオンを放出するための放出手段と、
前記複数の椅子のいずれかの向きを変更するための変更手段と、
前記変更手段が変更した椅子の向きを検出するための検出手段と、
椅子の向きを比較することにより、前記複数の椅子のいずれかである第1の椅子が、前記第1の椅子の正面にあって前記放出手段がイオンを放出する第2の椅子の背面に面するか否かを判断するための判断手段と、
前記判断手段が、前記第1の椅子が前記第2の椅子の背面に面すると判断した場合、前記第2の椅子の背面からイオンを放出するように、前記放出手段を制御するための制御手段と、
走行するための走行手段とを含む、イオン制御車輌。 - 前記イオン制御車輌は、
利用者から指令を受付けるための受付手段と、
前記放出手段がイオンを放出していること、および前記放出手段が放出するイオンの量に対応する情報のいずれかを表示するための表示手段とをさらに含み、
前記制御手段は、前記受付手段が受付けた指令に応じて前記第2の椅子の背面からイオンを放出するように、前記放出手段を制御するための手段を含む、請求項1に記載のイオン制御車輌。 - 前記表示手段は、前記受付手段が指令を受付け中か否かを表示するための手段をさらに含む、請求項2に記載のイオン制御車輌。
- 前記放出手段は、正イオンと負イオンとの放出量の差が、前記制御手段の制御の内容に応じて異なるように前記イオンを放出するための手段を含む、請求項1に記載のイオン制御車輌。
- 前記正イオンは、H3O+(H2O)m(mは「0」または任意の自然数)を含み、前記負イオンは、O2 −(H2O)n(nは「0」または任意の自然数)を含む、請求項4に記載のイオン制御車輌。
- 複数の椅子と、
前記複数の椅子のいずれかの背面から、イオンを放出するための放出手段と、
前記複数の椅子のいずれかの向きを変更するための変更手段と、
前記変更手段が変更した椅子の向きを検出するための検出手段と、
椅子の向きを比較することにより、前記複数の椅子のいずれかであって前記放出手段がイオンを放出する第1の椅子の背面が、前記第1の椅子の背面側にある第2の椅子の背面に面するか否かを判断するための判断手段と、
前記判断手段が、前記第1の椅子の背面が前記第2の椅子の背面に面すると判断した場合、前記第1の椅子の背面からのイオンの放出を停止するように、前記放出手段を制御するための第1の制御手段と、
走行するための走行手段とを含む、イオン制御車輌。 - 前記イオン制御車輌は、
前記複数の椅子それぞれの背面で映像を表示するモニタと、
前記判断手段が、前記第1の椅子の背面が前記第2の椅子の背面に面すると判断した場合、映像の表示を禁止するように、前記第1の椅子の背面のモニタを制御するための第2の制御手段とをさらに含む、請求項6に記載のイオン制御車輌。 - 複数の椅子と、
前記複数の椅子のいずれかの背面から、イオンを放出するための放出手段と、
前記椅子の肘掛部分にあって、利用者から指令を受付けるための受付手段と、
前記受付手段が受付けた指令に応じて、前記受付手段の前にある椅子の背面からイオンを放出するように、前記放出手段を制御するための制御手段と、
走行するための走行手段とを含む、イオン制御車輌。 - 前後に並ぶ複数の椅子と、
前記複数の椅子のうち前の椅子の背面から、イオンを放出するための放出手段と、
走行するための走行手段とを含む、イオン制御車輌。
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-
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