JP2006066882A - アクチュエータ及び磁歪アクチュエータの駆動方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 磁歪素子を用いたアクチュエータの変位のヒステリシス特性を低減するとともに、変位軌跡の直線性を向上する。
【解決手段】 駆動磁界の印加により軸方向に伸縮する筒状の磁歪素子1と、磁歪素子1の外周側に配置され駆動磁界を印加する電磁コイル2と、磁歪素子1の内周側に配置され磁歪素子1に磁界を印加する極異方性円筒磁石3とを備えるアクチュエータ10。極異方性円筒磁石3は、磁歪素子1の周方向に磁界を印加する。この磁界は、電磁コイル2が磁歪素子1に対して印加する駆動磁界と直交する。
【選択図】図1
【解決手段】 駆動磁界の印加により軸方向に伸縮する筒状の磁歪素子1と、磁歪素子1の外周側に配置され駆動磁界を印加する電磁コイル2と、磁歪素子1の内周側に配置され磁歪素子1に磁界を印加する極異方性円筒磁石3とを備えるアクチュエータ10。極異方性円筒磁石3は、磁歪素子1の周方向に磁界を印加する。この磁界は、電磁コイル2が磁歪素子1に対して印加する駆動磁界と直交する。
【選択図】図1
Description
本発明は、磁歪素子を用いたアクチュエータ、振動子に関し、特に変位のヒステリシスが低減されたアクチュエータに関するものである。
強磁性体を磁化したときに、強磁性体の寸法が変化する現象を磁歪といい、このような現象を生ずる材料を磁歪材料という。磁歪による飽和変化量である飽和磁歪定数は、一般には10−5〜10−6の値を有し、大きな飽和磁歪定数を有する磁歪材料は超磁歪材料とも呼ばれ、振動子、フィルター、センサ等に広く利用されている。例えば、特開平10−84596号公報(特許文献1)には、コイルの数を低減し、構造を簡略化した磁歪装置が開示されている。この磁歪装置は、少なくとも一つの磁歪部材と、永久磁石と、コイルとを含む磁歪装置であって、磁歪部材は、相反する方向にある両端が拘束され、両端の少なくとも一端側に、外力が与えられ、または、磁歪変位を出力する端部を有しており、永久磁石は、磁歪部材に対して、両端の方向のバイアス磁界、または、両端の方向にとられた主軸を周る方向のバイアス磁界を印加し、コイルは、巻軸の方向が、バイアス磁界の方向と交差する関係で、磁歪部材に結合されていることを特徴としている。この磁歪装置におけるアクチュエータは、捻り変位を出力する。
磁歪素子をリニアアクチュエータに使用する場合、駆動方向に平行な方向に磁界を印加するとジュール効果により変位が発生することを利用している。ところが、磁歪素子を用いたアクチュエータは、その動作原理からその変位にヒステリシス特性が存在する。ここで、ヒステリシス特性とは、ある物の状態が現在置かれている条件だけで定まらず、過去にその物が経てきた状態の履歴によって左右される現象のことをいう。
ヒステリシス特性があるとアクチュエータにおける位置決め精度が低下する。つまり、ヒステリシス特性がない場合には、変位指令値と変位(位置)の関係は1対1で定まるために高い位置決め精度を得ることができる。これに対してヒステリシス特性が存在すると変位軌跡が非線形となり、変位指令値と変位(位置)の関係は一義的に定まらずに位置決め精度が劣る。
これまでヒステリシス特性を補償するために、ヒステリシス特性による位置ずれを考慮した指令値を磁歪アクチュエータに入力する方法が採用されている。この場合、位置ずれを考慮した指令値を付与するための制御プログラムを含む回路が必要である。この制御回路は磁歪アクチュエータのコスト上昇を招く。したがって、アクチュエータ自体のヒステリシス特性を低減することが望まれる。
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、ヒステリシス特性が低減されたアクチュエータを提供することを目的とする。また本発明は、ヒステリシス特性を低減することのできる磁歪アクチュエータの駆動方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、磁歪素子を伸縮させるための駆動磁界を印加しつつ、この駆動磁界と交差、典型的には直交する磁界を磁歪素子に印加することにより、ヒステリシス特性を低減し、変位軌跡の直線性を向上できることを確認した。すなわた本発明は、軸方向に平行な方向の第1の磁界の印加により軸方向に伸縮する磁歪素子と、磁歪素子に第1の磁界を印加する第1の磁界印加手段と、第1の磁界と交差する方向の第2の磁界を磁歪素子に印加する第2の磁界印加手段と、を備えることを特徴とするアクチュエータにより、前記課題を解決するに至った。
本発明のアクチュエータの具体的な形態として、磁歪素子は、中空部分を有する筒状体から構成され、第1の磁界印加手段は、筒状体と同軸上に配置される電磁コイルとし、第2の磁界印加手段は、筒状体と同軸上に配置される筒状永久磁石とすることができる。この形態において、電磁コイルを筒状体の周囲に配置し、筒状永久磁石を筒状体の中空部に配置することが望ましい。この筒状永久磁石とし、極異方性永久磁石を用いることができ、この場合、第1の磁界と第2の磁界とは略直交することになる。
本発明のアクチュエータにおいて、磁歪素子としては、RTy(ここで、Rは1種類以上の希土類金属、Tは1種類以上の遷移金属であり、yは1<y<4を表す。)で示す組成を有する焼結体を用いることが望ましい。
また、本発明のアクチュエータにおいて、筒状永久磁石は、Nd−Fe−B系焼結磁石から構成することが望ましい。
また、本発明のアクチュエータにおいて、筒状永久磁石は、Nd−Fe−B系焼結磁石から構成することが望ましい。
本発明はまた、駆動磁界の印加により軸方向に伸縮する筒状の磁歪素子と、磁歪素子の外周側に配置され駆動磁界を印加する電磁コイルと、磁歪素子の内周側に配置され磁歪素子に磁界を印加する極異方性筒状永久磁石と、を備えることを特徴とするアクチュエータを提供する。
本発明のアクチュエータにおいて、極異方性筒状永久磁石は、磁歪素子に対して、その周方向にバイアス磁界を印加することになり、このようなバイアス磁界を印加することにより、磁歪素子の伸縮の過程における磁歪値のヒステリシス特性を低減することができる。
本発明はまた、これまでにない新規な磁歪アクチュエータの駆動方法を提供することになる。この磁歪アクチュエータの駆動方法は、磁歪素子に対してその軸方向に駆動磁界を印加することにより磁歪素子を軸方向に伸縮させるステップ(a)と、ステップ(a)において、磁歪素子に対して駆動磁界と略直交するバイアス磁界を印加するステップ(b)と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、磁歪素子を用いたアクチュエータの変位のヒステリシス特性を低減するとともに、変位軌跡の直線性を向上できるアクチュエータ及び磁歪アクチュエータの駆動方法を提供できる。
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいて本発明を説明する。
図1は本実施の形態におけるアクチュエータ10の縦断面図、図2は図1のA−A矢視断面図である。
アクチュエータ10は、磁歪素子1と、電磁コイル2と、極異方性円筒磁石3とを備えている。
磁歪素子1は、円筒状をなしており、その軸方向に平行な磁界(第1の磁界又は駆動磁界)が印加されると、磁界強度に対応する量だけ軸方向に直線的に伸縮する。また、当該磁界の印加が解除されると、当該磁界の印加前の状態に復帰する。
図1は本実施の形態におけるアクチュエータ10の縦断面図、図2は図1のA−A矢視断面図である。
アクチュエータ10は、磁歪素子1と、電磁コイル2と、極異方性円筒磁石3とを備えている。
磁歪素子1は、円筒状をなしており、その軸方向に平行な磁界(第1の磁界又は駆動磁界)が印加されると、磁界強度に対応する量だけ軸方向に直線的に伸縮する。また、当該磁界の印加が解除されると、当該磁界の印加前の状態に復帰する。
円筒状の磁歪素子1の周囲に配置される電磁コイル2は、図3に点線で示すように、磁歪素子1に対してその軸方向に平行な磁界(第1の磁界又は駆動磁界)を印加する。磁歪素子1と電磁コイル2とは同軸上に配置されている。電磁コイル2は、図示しない電源から所定の電流が供給され、その電流に応じた強度の第1の磁界又は駆動磁界が磁歪素子1に印加される。
円筒状の磁歪素子1の中空部に磁歪素子1と同軸上に配置される極異方性円筒磁石3は、第2の磁界又はバイアス磁界を発生させる。第2の磁界又はバイアス磁界は、図4に点線で示すように、磁歪素子1の周方向の向きを有している。第2の磁界又はバイアス磁界は、電磁コイル2から発生される第1の磁界又は駆動磁界と交差、より具体的には直交することが、図3及び図4よりわかる。第2の磁界又はバイアス磁界を磁歪素子1に印加することにより、後述するように、磁歪素子1の伸縮の過程における磁歪値のヒステリシス特性を低減することができる。
アクチュエータ10は、上ヨーク5及び下ヨーク6を備えている。磁歪素子1の上端には上ヨーク5が、また下端には下ヨーク6が固定されている。下ヨーク6上には、電磁コイル2及び極異方性円筒磁石3が固定されており、また電磁コイル2の周囲に位置する強磁性体からなるケーシング4が固定されている。アクチュエータ10において、磁歪素子1の伸縮は、上ヨーク5の変位として出力される。
本実施の形態における磁歪素子1としては、RTy(ここで、Rは1種類以上の希土類金属、Tは1種類以上の遷移金属であり、yは1<y<4を表す。)で示す組成の焼結体を用いることが望ましい。
ここで、Rは、Yを含むランタノイド系列、アクチノイド系列の希土類金属から選択される1種以上を表している。これらの中で、Rとしては、特に、Nd、Pr、Sm、Tb、Dy、Hoの希土類金属が望ましく、Tb、Dyがより一層望ましく、これらを複合して用いることができる。Tは、1種以上の遷移金属を表している。これらの中で、Tとしては、特に、Fe、Co、Ni、Mn、Cr、Mo等の遷移金属が望ましく、Fe、Co、Niが一層望ましく、これらを複合して用いることができる。
ここで、Rは、Yを含むランタノイド系列、アクチノイド系列の希土類金属から選択される1種以上を表している。これらの中で、Rとしては、特に、Nd、Pr、Sm、Tb、Dy、Hoの希土類金属が望ましく、Tb、Dyがより一層望ましく、これらを複合して用いることができる。Tは、1種以上の遷移金属を表している。これらの中で、Tとしては、特に、Fe、Co、Ni、Mn、Cr、Mo等の遷移金属が望ましく、Fe、Co、Niが一層望ましく、これらを複合して用いることができる。
組成式RTyにおいて、y=2のときにRとTとが形成するRT2ラーベス型金属間化合物は、キュリー温度が高く、かつ磁歪値が大きいため、磁歪素子1として最も適する。ここで、yが1以下では、焼結後の熱処理でRT相が析出して磁歪値が低下する。また、yが4以上では、RT3相又はRT5相が多くなり、磁歪値が低下する。このため、RT2相を多くするために、1<y<4の範囲が望ましい。Rとして複数種の希土類金属を用いてもよく、特に、TbとDyを用いることが望ましい。RとしてTbとDyを用いる場合、(TbaDy(1−a))Tyで表される組成とすることにより、飽和磁歪定数が大きく、大きな磁歪値を得ることができる。ここで、aが0.27以下では室温以下では十分な磁歪値を示さず、0.50を超えると室温付近では十分な磁歪値を示さない。Tは、特に、Feが望ましく、FeはTb、Dyと(Tb、Dy)Fe2型金属間化合物を形成することによって、大きな磁歪値を有し磁歪特性の高い焼結体が得られる。このときに、Feの一部をCo、Niで置換するものであってもよいが、Coは磁気異方性を大きくするが透磁率を低くし、また、Niはキュリー温度を下げ、結果として常温・高磁場での磁歪値を低下させるために、Feは70wt%以上、一層望ましくは80wt%以上が良い。
本実施の形態における極異方性円筒磁石3としては、磁気特性の高いNd−Fe−B系焼結磁石を用いることが望ましい。この焼結磁石は、Nd:20〜40wt%、B:0.5〜4.5wt%、Fe:残部の組成とすることが望ましい。Ndの量が20wt%未満であると、Nd−Fe−B系焼結磁石の主相となるR2Fe14B相の生成が十分でなく軟磁性を持つα−Feなどが析出し、保磁力が著しく低下する。一方、Ndが40wt%を超えると主相であるR2Fe14B相の体積比率が低下し、残留磁束密度が低下する。またNdが酸素と反応し、含有する酸素量が増え、これに伴い保磁力発生に有効なNd−リッチ相が減少し、保磁力の低下を招くため、Ndの量は20〜40wt%とするのが望ましい。ここで、Ndの一部を、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Yb、Lu及びYの1種又は2種以上で置換することができる。
また、ホウ素Bが0.5wt%未満の場合には高い保磁力を得ることができない。ただし、ホウ素Bが4.5wt%を超えると残留磁束密度が低下する傾向がある。したがって、上限を4.5wt%とする。望ましいホウ素Bの量は0.5〜1.5wt%である。
さらに、Mを加えてNd−Fe−B−M系焼結磁石とすることもできる。ここで、Mとしては、Co、Al、Cr、Mn、Mg、Si、Cu、C、Nb、Sn、W、V、Zr、Ti、Mo、Bi、Ag及びGaなどの元素を1種又は2種以上添加することができる。
また、ホウ素Bが0.5wt%未満の場合には高い保磁力を得ることができない。ただし、ホウ素Bが4.5wt%を超えると残留磁束密度が低下する傾向がある。したがって、上限を4.5wt%とする。望ましいホウ素Bの量は0.5〜1.5wt%である。
さらに、Mを加えてNd−Fe−B−M系焼結磁石とすることもできる。ここで、Mとしては、Co、Al、Cr、Mn、Mg、Si、Cu、C、Nb、Sn、W、V、Zr、Ti、Mo、Bi、Ag及びGaなどの元素を1種又は2種以上添加することができる。
以上説明したアクチュエータ10は、磁歪素子1の周囲に電磁コイル2を配置し、また磁歪素子1の中空部に極異方性円筒磁石3を配置する構成としたが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、図5に示すように、磁歪素子1の外周側に電磁コイル2を配置し、さらに電磁コイル2の外周側に極異方性円筒磁石3を配置する構成としたアクチュエータ20とすることもできる。なお、図5において、アクチュエータ10と同一の構成要素については同一の符号を付している。
また、アクチュエータ10は、極異方性円筒磁石3として、極数が2の磁石を用いたが、2極を超える極数の極異方性円筒磁石を用いることもできる。
さらに、アクチュエータ10は、第2の磁界又はバイアス磁界を磁歪素子1に印加する手段として極異方性円筒磁石3を用いたが、ラジアル異方性円筒磁石を用いることもできる。
アクチュエータ10,20は、本発明の望ましい形態を示しているが、本発明の趣旨に反しない範囲で構成を適宜変更することができることは言うまでもない。
また、アクチュエータ10は、極異方性円筒磁石3として、極数が2の磁石を用いたが、2極を超える極数の極異方性円筒磁石を用いることもできる。
さらに、アクチュエータ10は、第2の磁界又はバイアス磁界を磁歪素子1に印加する手段として極異方性円筒磁石3を用いたが、ラジアル異方性円筒磁石を用いることもできる。
アクチュエータ10,20は、本発明の望ましい形態を示しているが、本発明の趣旨に反しない範囲で構成を適宜変更することができることは言うまでもない。
磁歪素子1の素材としてTDK(株)製のPMT−1(商品名)を用い、また極異方性円筒磁石3の素材としてTDK(株)製のNEOREC 42H(商品名)を用いて、アクチュエータ10と同様の構成のアクチュエータ(本発明アクチュエータ)を作製した。なお、PMT−1はTb0.34Dy0.66Fe1.8の組成を有する焼結体からなる超磁歪材料である。また、NEOREC 42Hは、保磁力(HcJ)1500kA/m、残留磁束密度(Br)1350mTの特性を有するNd−Fe−B系焼結磁石である。
また、磁歪素子1は、外径6mm、内径4mm、長さ20mmの寸法を有し、極異方性円筒磁石3は、外径3.8mm、内径2mm、長さ18mmの寸法を有している。
また、比較として、極異方性円筒磁石3を設けない以外は、上記アクチュエータ10と同様の構成のアクチュエータを作製した(比較アクチュエータ)。
また、磁歪素子1は、外径6mm、内径4mm、長さ20mmの寸法を有し、極異方性円筒磁石3は、外径3.8mm、内径2mm、長さ18mmの寸法を有している。
また、比較として、極異方性円筒磁石3を設けない以外は、上記アクチュエータ10と同様の構成のアクチュエータを作製した(比較アクチュエータ)。
本発明アクチュエータ及び比較アクチュエータを用いて、印加磁界と磁歪値の関係を測定した。その結果を図6(本発明アクチュエータ)及び図7(比較アクチュエータ)に示す。
次に、図6及び図7に示す測定結果から、磁歪値の直線性及びヒステリシス値を求めた。
磁歪値の変化は、図6及び図7に点線で示すように直線(線形)であることが理想的である。そこで、この直線に対して実際の磁歪値がどの程度ずれているかを直線性として求めた。具体的には、図7に示すように、磁歪値の全変化量(a)に対する所定印加磁界における磁歪値のずれ値(b)の比率(b/a×100)を直線性とした。その結果を図8に示す。
また、所定の印加磁界における磁界増加時の磁歪値と磁界減少時の磁歪値の差(図7、(c))をヒステリシス値として求めた。その結果を図9に示す。
次に、図6及び図7に示す測定結果から、磁歪値の直線性及びヒステリシス値を求めた。
磁歪値の変化は、図6及び図7に点線で示すように直線(線形)であることが理想的である。そこで、この直線に対して実際の磁歪値がどの程度ずれているかを直線性として求めた。具体的には、図7に示すように、磁歪値の全変化量(a)に対する所定印加磁界における磁歪値のずれ値(b)の比率(b/a×100)を直線性とした。その結果を図8に示す。
また、所定の印加磁界における磁界増加時の磁歪値と磁界減少時の磁歪値の差(図7、(c))をヒステリシス値として求めた。その結果を図9に示す。
図8及び図9に示すように、本発明アクチュエータ及び比較アクチュエータのいずれであっても、印加磁界変化による磁歪値にはヒステリシス特性が存在する。しかし、図8及び図9に示すように、本発明アクチュエータは、比較アクチュエータに比べて、磁歪値変化の直線性が向上し、かつヒステリシス特性も軽減されることがわかる。
1…磁歪素子、2…電磁コイル、3…極異方性円筒磁石、4…ケーシング、5…上ヨーク、6…下ヨーク、10,20…アクチュエータ
Claims (10)
- 軸方向に平行な方向の第1の磁界の印加により前記軸方向に伸縮する磁歪素子と、
前記磁歪素子に前記第1の磁界を印加する第1の磁界印加手段と、
前記第1の磁界と交差する方向の第2の磁界を前記磁歪素子に印加する第2の磁界印加手段と、
を備えることを特徴とするアクチュエータ。 - 前記磁歪素子は、中空部を有する筒状体から構成され、
前記第1の磁界印加手段は、前記筒状体と同軸上に配置される電磁コイルから構成され、
前記第2の磁界印加手段は、前記筒状体と同軸上に配置される筒状永久磁石から構成されることを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ。 - 前記電磁コイルは前記筒状体の周囲に配置され、前記筒状永久磁石は前記筒状体の中空部に配置されることを特徴とする請求項2に記載のアクチュエータ。
- 前記筒状永久磁石は、極異方性永久磁石であることを特徴とする請求項3に記載のアクチュエータ。
- 前記第1の磁界と前記第2の磁界が略直交することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のアクチュエータ。
- 前記磁歪素子は、RTy(ここで、Rは1種類以上の希土類金属、Tは1種類以上の遷移金属であり、yは1<y<4を表す。)で示す組成を有する焼結体から構成され、前記筒状永久磁石は、Nd−Fe−B系焼結磁石から構成されることを特徴とする請求項2又は3に記載のアクチュエータ。
- 駆動磁界の印加により軸方向に伸縮する筒状の磁歪素子と、
前記磁歪素子の外周側に配置され前記駆動磁界を印加する電磁コイルと、
前記磁歪素子の内周側に配置され前記磁歪素子に磁界を印加する極異方性筒状永久磁石と、
を備えることを特徴とするアクチュエータ。 - 前記極異方性筒状永久磁石は、前記磁歪素子に対して、その周方向にバイアス磁界を印加することを特徴とする請求項7に記載のアクチュエータ。
- 前記バイアス磁界の印加により、前記伸縮の過程における磁歪値のヒステリシスが低減されることを特徴とする請求項8に記載のアクチュエータ。
- 磁歪素子に対してその軸方向に駆動磁界を印加することにより前記磁歪素子を軸方向に伸縮させるステップ(a)と、
前記ステップ(a)において、前記磁歪素子に対して前記駆動磁界と略直交するバイアス磁界を印加するステップ(b)と、
を備えることを特徴とする磁歪アクチュエータの駆動方法。
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