JP3332125B2 - 磁歪式アクチュエータ - Google Patents

磁歪式アクチュエータ

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JP3332125B2
JP3332125B2 JP03189095A JP3189095A JP3332125B2 JP 3332125 B2 JP3332125 B2 JP 3332125B2 JP 03189095 A JP03189095 A JP 03189095A JP 3189095 A JP3189095 A JP 3189095A JP 3332125 B2 JP3332125 B2 JP 3332125B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁歪を有する磁性体を
用いた磁歪式アクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】ある種の磁性体に外部磁場を印加した際
に磁性体が変形する磁歪は、変位制御アクチュエータ、
磁歪振動子、磁歪センサ、磁歪フィルタ、超音波遅延線
などの磁気−機械変換デバイスへの応用が以前より試み
られている。またここで用いられる磁歪材料としては、
これまでNi基合金、Fe−Co合金、フェライト系酸
化物などが広く知られている。
【0003】さらに、近年の計測工学の進歩および精密
機械分野の発展に伴い、ミクロンオーダーの微小変位制
御が可能な変位駆動部の開発が求められており、これに
対してやはり磁歪を利用した磁気−機械変換デバイスが
検討されている。しかしながら上述したような磁歪材料
は、ミクロンオーダーの微小変位制御用としては、変位
の絶対量の点でも精密制御性の点でもいまだ十分ではな
い。
【0004】一方、最近希土類−鉄系のラーベス型金属
間化合物で、飽和磁歪(λs)が1000×10-6を超えるも
のが報告されており、これを用いた各種の磁気−機械変
換デバイスへの期待が高まっている。ただし、希土類−
鉄系の磁歪材料を用いた例えば磁歪式アクチュエータに
おいても、アクチュエータ自体の大型化を招くことなく
十分な変位の絶対量を得るためには、磁歪材料で作成さ
れた磁性体に印加される外部磁場すなわち駆動磁界を、
磁性体の変形で生じる変位にいかに効率よく変換するか
が重要である。このような観点から特開平4−2290
85号には、あらかじめ弾性体などによる圧縮応力や永
久磁石などによるバイアス磁界を磁性体に印加し、駆動
磁界と変位の絶対量との間の変換効率を高める技術が開
示されている すなわち、希土類−鉄系などの磁歪材料で作成された磁
性体においては、一般に外部磁場を印加した際の磁性体
の変形量を、所定の圧縮応力およびバイアス磁界をあら
かじめ印加することで増大させることができる。従って
上述したような技術では、あらかじめ磁性体に印加され
る圧縮応力とバイアス磁界の値を適正化すれば、駆動磁
界と変位の絶対量との間の変換効率が向上し、結果的に
小型・大出力・高効率の磁歪式アクチュエータを得るこ
とが可能となる。
【0005】然るに、ここであらかじめ磁性体に印加す
べき圧縮応力とバイアス磁界の適正値には相関関係があ
り、例えば印加される圧縮応力が大きくなると最適なバ
イアス磁界の値も上昇する。このため、これを考慮にい
れつつ磁歪式アクチュエータが設計されたとしても、現
実には磁性体に圧縮応力を印加するための弾性体の加工
精度や弾性率、バイアス磁界印加用の永久磁石の磁気特
性などのバラツキに起因して、設計仕様通りの変位の絶
対量が得られない場合も多く、変位の精密制御は極めて
困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、圧縮
応力やバイアス磁界を磁性体に印加することで駆動磁界
と変位の絶対量との間の変換効率を高めた従来の磁歪式
アクチュエータにおいては、十分な変位の絶対量は得ら
れてもその精密制御性がこれまで問題となっていた。す
なわち変位の精密制御が極めて困難であるため、通常は
駆動磁界が印加されたときの変位の絶対量が所定の値に
なるまで、バイアス磁界印加用の永久磁石の着磁量を変
化させてはそのつど変位の絶対量を測定するなど、アク
チュエータの分解、組立てを繰り返す必要があり、製造
性の点で実用的でない。さらに、アクチュエータの外部
から圧縮応力が印加されるような場合で、外部環境によ
る圧縮応力の大きさの変化などに伴って最適なバイアス
磁界の値が変動してもこれに追随することができず、か
つごくわずかな設計仕様の変更に対応することも非常に
難しく、汎用性に欠けるという問題点がある。
【0007】従って、本発明の目的はこれらの問題点を
解決して、変位の絶対量、精密制御性ともに十分で、製
造性、汎用性に優れた小型・大出力・高効率の磁歪式ア
クチュエータを実現することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
になされた本発明の磁歪式アクチュエータは、磁歪を有
する磁性体からなる変位発生部材と、この変位発生部材
と接続され変位発生部材の変位発生方向に移動可能な可
動部材と、前記磁性体にバイアス磁界を印加する磁気バ
イアス印加手段と、前記変位発生部材に変位を発生させ
るための磁界を形成する駆動磁界発生手段と、前記磁性
体に印加されるバイアス磁界の値を調整するバイアス磁
界制御手段とから構成される。すなわち本発明の磁歪式
アクチュエータにおいては、磁気バイアス印加手段によ
って磁性体に印加されるバイアス磁界の値がバイアス磁
界制御手段によって調整されることを特徴としている。
【0009】ここで、このようなバイアス磁界の値を調
整するバイアス磁界制御手段としては、具体的には磁気
バイアス印加手段との間で磁気回路を形成する鉄芯など
が挙げられる。また、前記磁気バイアス印加手段として
は永久磁石などを用いることができ、この永久磁石およ
び磁性体からなる変位発生部材がヨークなどの磁性部材
とともに閉磁気回路を形成することが好ましいが、ヨー
クなどの磁性部材は特に設けられなくても構わない。さ
らに本発明の磁歪式アクチュエータでは、上述したよう
なバイアス磁界とともに適正な圧縮応力を前記磁性体に
印加するために、可動部材を介して前記磁性体に圧縮応
力を印加する弾性体などが適宜配置され得る。
【0010】
【作用】本発明の磁歪式アクチュエータにおいては、前
記磁気バイアス印加手段およびバイアス磁界制御手段を
具備しているので、変位発生部材としての磁歪を有する
磁性体に印加されるバイアス磁界の値を簡略に調整、最
適化することができる。換言すれば、変位の絶対量、精
密制御性ともに十分で、例えば永久磁石の着磁量を変化
させるためにアクチュエータの分解、組立てを繰り返す
ことなどなく、単に前記バイアス磁界制御手段によって
磁性体に印加されるバイアス磁界の値を調整すれば、所
望の値のバイアス磁界を前記磁性体に印加することが可
能となる。また、外部環境の変化などに伴うバイアス磁
界の最適値の変動にも追随でき、使用条件の変更などに
対する対応性も良好である。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。図
1は、本発明の磁歪式アクチュエータの構成例を示す縦
断面図である。同図において、1は磁歪を有する磁性体
からなる例えば外径6mm、長さ50mmの磁歪棒であり、こ
の磁歪棒1が変位発生部材に相当する。なお、変位発生
部材としての磁歪棒1は図1に示される円柱状のロッド
に限らず、円筒状、角柱状、積層状などの各種形状のロ
ッドを用いることが可能である。例えば、数kHz以上
の周波数で磁歪式アクチュエータを振動させるような場
合は、円筒状、積層状のロッドが表皮効果、渦電流損失
の観点から好ましい。
【0012】ここで磁歪棒1に用いられる磁歪材料とし
ては、従来から広く知られているNi基合金、Fe−A
l系合金、フェライト系酸化物などでもよいが、得られ
る磁歪式アクチュエータの小型化、大出力化のうえで
は、飽和磁歪(λs)の大きなものほどよい。従って、
希土類−鉄系のラーベス型金属間化合物からなる超磁歪
合金は好ましく、具体的にはRFex (Rは希土類元
素)で表したとき、1.5≦x≦2.5を満足する組成
が挙げられる。なおこのとき、好ましい希土類元素Rと
してはLa、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、G
d、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luなど単
独、あるいはTb−Dy、Tb−Ho、Tb−Pr、S
m−Yb、Tb−Dy−Ho、Tb−Dy−Pr、Tb
−Pr−Hoなど2種以上の組み合わせが例示される。
【0013】さらに、この希土類元素RとFeを主体と
する超磁歪合金においては、低温での磁歪特性の向上や
耐蝕性の改善を目的として、Feの一部をCoで置換す
ることも可能である。しかしながら、あまり置換量が多
いと逆に磁歪特性の低下を招く傾向があるため、Coに
よるFeの置換量は95at%以下が好ましい。また、Fe
の一部はMnで置換されてもよい。このようにMnでF
eを一部置換することにより、超磁歪合金中の希土類原
子の磁気異方性が変化し、高磁界下のみならず低磁界下
においても優れた磁歪特性を得ることが可能となる。た
だしMnによるFeの置換量が多すぎると、超磁歪合金
のキュリー温度が低下して磁歪特性が損なわれるおそれ
があるので、MnによるFeの好ましい置換量は50at%
以下である。
【0014】また、超磁歪合金の強度、耐蝕性、飽和磁
歪などの向上の観点から、Feの一部はさらに必要に応
じてNi、Mg、Al、Ga、Zn、V、Zr、Hf、
Ti、Nb、Cu、Ag、Sn、Mo、Cr、Ta、P
d、In、Sb、Ir、Pt、Au、Pb、Si、G
e、Bなどで置換されてもよい。この場合置換量は、M
nによる置換量と合計してFeの50at%以下に設定され
ることが好ましく、これを超えると磁歪量の低下などの
磁歪特性劣化の要因となる。
【0015】図1に示される磁歪式アクチュエータにお
いて、磁歪棒1の外周囲には駆動磁界発生手段として空
心コイル2が配設されている。ここで空心コイル2は、
磁歪棒1の長さをLm、空心コイル2の長さをLcとし
た場合に、 0.5Lm < Lc < 2Lm の関係を満足することが好ましい。何となれば、空心コ
イル2の長さLcが0.5Lm以下になると、空心コイ
ル2が形成する駆動磁界を磁歪棒1に対して均一に印加
することが困難となる一方、空心コイル2の長さLcが
2Lm以上となると駆動磁界の磁歪棒1への印加効率は
向上するものの、磁歪式アクチュエータ自体の大型化を
招いてしまうからである。
【0016】なお図1に示される磁歪式アクチュエータ
では、空心コイル2は多層一様巻き構造とされている
が、このような多層一様巻き構造の空心コイル2は、中
心部で大きく両端部で小さい空間分布を有する駆動磁界
を形成する傾向がある。また制御電流を空心コイル2に
供給する際、電流側の制約から直流抵抗、インダクタン
スなどの値を適正化する必要が生じる。これに対し、空
心コイル2を複数に分割するかあるいは多重化して電源
と並列接続すれば、形成される駆動磁界の空間分布が均
一化されるとともに直流抵抗、インダクタンスが低減さ
れて、その値を適正化することが可能となる。さらに本
発明においては、空心コイル2を磁歪棒1に直接巻き付
けて形成することで空心コイル2と磁歪棒1とを密着さ
せ、駆動磁界の磁歪棒1への印加効率を向上させること
も可能である。ただし信頼性の観点からは、空心コイル
2と磁歪棒1とを非接触とすることが好ましい。
【0017】また磁歪棒1の両端部近傍には、磁歪棒固
定ヨーク5a、5bを介して磁歪棒1にバイアス磁界を
印加する、磁気バイアス印加手段としての永久磁石3
a、3bを具備している。ここで永久磁石3a、3b
は、中央部に貫通孔が形成された形状を有し、厚み方向
に着磁されて磁歪棒1に対して所定の直流磁気バイアス
を印加しており、これにより磁歪棒1において、空心コ
イル2に供給される制御電流の正負に対応した変位を発
生させることが可能となる。なお永久磁石3a、3bの
材料としては、得られる磁歪式アクチュエータの小型化
の点から、Sm−Co系合金やNd−Fe−B系合金な
どを用いることが好ましい。
【0018】さらに、上述したような磁歪棒1、空心コ
イル2、磁歪棒固定ヨーク5a、5b、永久磁石3a、
3bは、変位発生部材である磁歪棒1と接続されその変
位発生方向に移動可能な可動部材6や、この可動部材6
を介して磁歪棒1に圧縮応力を印加する弾性体8ととも
に、円筒型容器7cおよびその両端部を封止する固定部
材7a、7b内に封入されている。ここで図1に示され
る磁歪式アクチュエータにおいては、可動部材6、固定
部材7a、7b、円筒型容器7cが磁性部材からなり、
可動部材6や固定部材7b、円筒型容器7cがヨークと
して機能することで、磁歪棒1、磁歪棒固定ヨーク5
a、5bおよび永久磁石3a、3bと協働して、図示さ
れるような閉磁気回路Xを形成している。従って、この
閉磁気回路X内を流れる磁束がそのまま磁歪棒1に対す
るバイアス磁界となり、結果的に磁束の漏洩が抑えられ
て永久磁石3a、3bから磁歪棒1にバイアス磁界が効
率よく印加される。ただし、可動部材6、固定部材7
a、7b、円筒型容器7cは特に磁性部材でなくても、
永久磁石3a、3bから磁歪棒1へのバイアス磁界の印
加は可能である。
【0019】図1に示される磁歪式アクチュエータにお
いて、弾性体8は可動部材6と固定部材7aの間に介在
して、上述した通り可動部材6を介して磁歪棒1に圧縮
応力を印加するとともに、可動部材6を磁歪棒1の変位
発生方向に移動可能とせしめるものである。すなわちこ
の磁歪式アクチュエータは、弾性体8の弾性力が付与さ
れた可動部材6を通じて磁歪棒1の一端が押圧され、か
つ磁歪棒1が固定部材7a、7bの間に弾性体8ととも
に介在、挟持される、いわゆるランジュバン型の構造を
有している。また可動部材6には、固定部材7aの中央
部に穿設した貫通孔を通して突出形成された出力端9が
固定されており、可動部材6の移動はこの出力端9から
外部に伝搬される。
【0020】なおここで、上述したような弾性体8には
バネ系や樹脂系などの部材を用いることができ、具体的
に樹脂系の部材としては、例えばバイトンなどのフッ素
系ゴムやシリコーンゴムなどが挙げられる。またこのと
き、磁歪棒1に印加される圧縮応力の値を最適化する観
点から、好ましくは適正な値の弾性率を有する弾性体8
を選択することはいうまでもない。
【0021】さらに図1に示される磁歪式アクチュエー
タでは、鉄芯4a、4bが永久磁石3a、3bの貫通孔
内で上下動自在となるように付設されている。具体的に
は、鉄芯4a、4bの外周部にネジ溝が形成されるとと
もに、可動ヨーク6および固定ヨーク7bの中央部にネ
ジ穴が設けられて、このネジ穴に鉄芯4a、4bが装着
されている。ここでこれら鉄芯4a、4bは、それぞれ
磁歪棒固定ヨーク5a、5b、永久磁石3a、3bおよ
び固定部材7a、7bと協働して図示されるような磁気
回路Yを形成し、磁歪棒1に印加されるバイアス磁界の
値を調整するバイアス磁界制御手段となる。
【0022】すなわち、このとき鉄芯4a、4bと永久
磁石3a、3bなどの間で形成された磁気回路Yは、上
述した通り永久磁石3a、3bと磁歪棒1や磁歪棒固定
ヨーク5a、5bなどの間で形成され、磁歪棒1へのバ
イアス磁界となる磁束が流れる閉磁気回路Xとは並列的
な関係にある。従って、永久磁石3a、3bからの磁束
Φは閉磁気回路Xと磁気回路Yに分散して流れ込むこと
になり、閉磁気回路Xを流れる磁束ΦX と磁気回路Yを
流れる磁束ΦY の合計量はほぼ一定に保たれる。一方磁
気回路Yにおいては、鉄芯4a、4bの可動ヨーク6ま
たは固定ヨーク7bへのネジ込み量を調節することで、
鉄芯4a、4bと磁歪棒固定ヨーク5a、5bとのギャ
ップ幅が変化するので、結果的にその磁気抵抗を可変と
した構造となっている。ここで永久磁石3a、3bから
の磁束Φは、閉磁気回路Xおよび磁気回路Yの磁気抵抗
に応じてそれぞれを流れる磁束ΦX 、ΦY に適宜配分さ
れるため、図1に示される磁歪式アクチュエータでは、
上述したように鉄芯4a、4bのネジ込み量を調節して
磁気回路Yの磁気抵抗を制御すれば、磁束Φの磁束Φ
X 、ΦY への配分度合が変わり、結果として磁歪棒1に
印加されるバイアス磁界となる閉磁気回路Xを流れる磁
束ΦX の値を調整することができる。
【0023】このような磁歪式アクチュエータについ
て、図1に示される鉄芯4bと磁歪棒固定ヨーク5bと
のギャップ幅lを変化させながら空心コイル2に所定の
制御電流を供給して磁歪棒1で変位を発生させ、発生し
た変位の絶対量のギャップ幅l依存性を具体的に測定し
た。なおここでは、磁歪棒1にTb0.3 Dy0.7 Fe
1.95なる組成でかつ結晶配向させた超磁歪合金のロッド
を用い、それぞれ磁歪棒1に印加された圧縮応力の大き
さが異なる4種類の磁歪式アクチュエータに対し、磁歪
棒1における変位の絶対量のギャップ幅l依存性の測定
を行なった。結果を図2に示す。
【0024】図示される通り、4種類の磁歪式アクチュ
エータ(a)〜(d)のいずれについても、上述したよ
うなギャップ幅lを適宜変化させることで磁歪棒1にお
いて発生する変位の絶対量が極大値を示すことが確認さ
れた。従って、たとえ磁歪棒1に印加される圧縮応力の
大きさが変化しても、バイアス磁界制御手段である鉄芯
4a、4bのネジ込み量を調節すれば、磁歪棒1に印加
されるバイアス磁界の値を調整、最適化できることが明
らかである。また、Tb0.4 Dy0.6 (Fe0.91Mn
0.091.93なる組成でかつ結晶配向させた超磁歪合金の
ロッドを磁歪棒1に用いた場合についても、同様にギャ
ップ幅lを適宜変化させることで発生する変位の絶対量
が極大値を示し、磁歪棒1に印加されるバイアス磁界の
値を調整、最適化できることが判った。
【0025】さらに、本発明の磁歪式アクチュエータの
他の構成例の縦断面図を図3に示す。ここでは、円筒型
容器7cの永久磁石3a、3b側方にそれぞれ設けられ
たネジ穴に鉄芯4a、4bが装着されている以外は、図
1に示した磁歪式アクチュエータと同様である。この場
合、鉄芯4a、4bはそれぞれ、永久磁石3a、3b、
可動部材6または固定部材7bおよび円筒型容器7cな
どと協働して磁気回路Yを形成し、磁歪棒1に印加され
るバイアス磁界の値を調整するバイアス磁界制御手段と
なる。すなわち図3に示される磁歪式アクチュエータに
おいては、上述したような磁気回路Yが、磁歪棒1、磁
歪棒固定ヨーク5a、5bおよび永久磁石3a、3bの
間で形成される閉磁気回路Xと並列的な関係にあり、か
つ磁気回路Y中の鉄芯4a、4bと磁歪棒固定ヨーク5
a、5bあるいは永久磁石3a、3bとのギャップ幅
が、鉄芯4a、4bのネジ込み量を調節することで変化
する。なお図3中には、鉄芯4bと磁歪棒固定ヨーク5
bとのギャップ幅をl´として図示した。従って図1に
示した磁歪式アクチュエータと同様に、鉄芯4a、4b
のネジ込み量を調節して磁気回路Yの磁気抵抗を制御す
れば、永久磁石3a、3bから閉磁気回路Xおよび磁気
回路Yに流れ込む磁束の配分度合が変わり、結果として
磁歪棒1に印加されるバイアス磁界となる閉磁気回路X
を流れる磁束ΦX の値を調整することができる。
【0026】また図4は、本発明の磁歪式アクチュエー
タの使用形態の一例を示す縦断面図である。なお図4に
おいて、図1と同様の部材は図1と同一の符号を付して
説明を省略する。ここで磁歪式アクチュエータ10は、
一端が円板状封止部11で封止され他端の開放側に環状
フランジ部12を有する円筒型固定治具13内に、磁歪
式アクチュエータ10の出力端9が円筒型固定治具13
の開放側端部に位置するように収納されている。またこ
のとき、磁歪式アクチュエータ10の出力端9とは反対
側の固定部材7bは、円板状封止部11と接しており、
磁歪式アクチュエータ10の出力端9の端面が変位伝達
対象物14と接するように、円筒型固定治具13の環状
フランジ部12が変位伝達対象物14にボルト15で固
定されている。従って、変位伝達対象物14に対する変
位駆動部となる磁歪式アクチュエータ10から、その磁
歪棒1で発生した変位を効率よく変位伝達対象物14に
伝達することができる。
【0027】なお、上述したような磁歪式アクチュエー
タ10は必ずしもランジュバン型の構造を有していなく
てもよく、例えば図4に示す使用形態において、変位伝
達対象物14の重量を利用して変位発生部材である磁歪
棒1に圧縮応力を印加できれば、磁歪棒1に圧縮応力を
印加する弾性体8は設けられなくても何ら差支えない。
しかもこのとき、重量のそれぞれ異なる変位伝達対象物
14に対する変位駆動部として磁歪式アクチュエータ1
0を適用する必要が生じても、バイアス磁界制御手段で
ある鉄芯4a、4bのネジ込み量を調節すれば、変位伝
達対象物14の重量の差異に基づく磁歪棒1に印加され
る圧縮応力の大きさの変化にも拘らず、磁歪棒1に印加
されるバイアス磁界の値を調整、最適化することが可能
である。さらに本発明の磁歪式アクチュエータは、上述
したような構成例に何ら限定されるものではなく、本発
明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施すること
ができ、図4にその使用形態を示した変位駆動部を始め
音源、ソナーなどの磁歪振動子や磁歪センサなどに幅広
く適用され得る。
【0028】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、変
位の絶対量、精密制御性ともに十分で、製造性、汎用性
に優れた小型・大出力・高効率の磁歪式アクチュエータ
を提供することができ、その工業的価値は大なるものが
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の磁歪式アクチュエータの構成例を示
す縦断面図。
【図2】 図1に示す磁歪式アクチュエータについて磁
歪棒における変位の絶対量のギャップ幅l依存性を示す
特性図。
【図3】 本発明の磁歪式アクチュエータの他の構成例
を示す縦断面図。
【図4】 磁歪式アクチュエータの使用形態の一例を示
す縦断面図。
【符号の説明】
1…磁歪棒、2…空心コイル、3a、3b…永久磁石、
4a、4b…鉄芯、5a、5b…磁歪棒固定ヨーク、6
…可動部材、7a、7b…固定部材、7c…円筒型容
器、8…弾性体、9…出力端、10…磁歪式アクチュエ
ータ、11…円板状封止部、12…環状フランジ部、1
3…円筒型固定治具、14…変位伝達対象物、15…ボ
ルト。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−169087(JP,A) 特開 平5−63252(JP,A) 特開 平5−283762(JP,A) 特開 平7−240547(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 41/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁歪を有する磁性体からなる変位発生部材
    と、この変位発生部材と接続され変位発生部材の変位発
    生方向に移動可能な可動部材と、前記磁性体にバイアス
    磁界を印加する磁気バイアス印加手段と、前記変位発生
    部材に変位を発生させるための磁界を形成する駆動磁界
    発生手段と、前記磁性体に印加されるバイアス磁界の値
    を調整するバイアス磁界制御手段とを具備したことを特
    徴とする磁歪式アクチュエータ。
  2. 【請求項2】バイアス磁界制御手段が磁気バイアス印加
    手段との間で磁気回路を形成する鉄芯からなることを特
    徴とする請求項1記載の磁歪式アクチュエータ。
JP03189095A 1995-02-21 1995-02-21 磁歪式アクチュエータ Expired - Fee Related JP3332125B2 (ja)

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