JP2006065757A - 座標指示器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 上部ケース101と、基板ホルダ102と、セラミックパイプ103と、先端ケース104とからなる筐体に、芯114と、操作時に芯114とともに移動するフェライトコア121と、フェライトコア121に対向するように固定されたフェライトコア122とを収容した座標指示器11であって、フェライトコア121の一部及びフェライトコア122の全部をチューブ115に収容し、チューブ115に被覆導線を巻回してコイル116を形成する。
【選択図】 図1
Description
ところが、フェライトコアを小さく細くするほど、耐衝撃性の面では不利になってしまうという問題が生じる。その他の部材についても、一般に、細く加工するほど強度が低下することが明らかである。その一方で、携帯型の電子機器を操作する際、ペン型座標指示器を落としてしまうことは容易に予想される事態であるから、ユーザが安心して利用できるように、高い耐衝撃性を確保することが重要である。
このため、フェライトコアをはじめとする各種部材を小さく細くした場合にも、これら部材の脆性を克服できるようなペン型座標指示器が求められていた。
そして、本発明の座標指示器によれば、2つのコア体の少なくとも一部がチューブに収容され、コア体がチューブにより保護される。コア体は、一般的に脆いとされるフェライト等の磁性体からなるものであるから、例えばコア体を非常に小さなものとした場合、衝撃等の外力による破損が懸念されるが、本発明の座標指示器においては、コア体がチューブにより保護されるので、座標指示器に対して強い外力が加わった場合にも、コア体への外力の影響を軽減でき、コア体の破損を防止できる。このため、高い耐衝撃性を確保できるので、コア体を従来は不可能であった程度まで小型化することができ、特に脆性が問題とされる細長い形状とすることもできる。これにより、非常に小型で、耐衝撃性が高く、操作者(ユーザ)が破損の心配をすることなく安心して使用できる座標指示器を実現できる。
図1は、本発明を適用した第1の実施の形態に係る座標指示器11の構成を示す断面図である。同図において、101は上部ケース、102は基板ホルダ、103はセラミックパイプ、104は先端ケース、106はストッパー、111は基板、112はコンデンサ、114は芯、115はチューブ、116はコイル、121,122はフェライトコア、123はO(オー)リングである。なお、図1には、非操作状態における座標指示器11を示す。
基板ホルダ102は、上部ケース101とセラミックパイプ103との間に固定される。基板ホルダ102の一端側は上部ケース101に固定され、基板111を固定する。基板ホルダ102の他端側は段階的に先細に形成されており、セラミックパイプ103に嵌め込まれる。
セラミックパイプ103の先端側には、先端ケース104が連結される。先端ケース104は略ドーム形状を有し、先端に孔が穿設されている。
なお、上部ケース101、セラミックパイプ103及び先端ケース104内に、芯114、フェライトコア121、122及びOリング123を組み付けた後で、ストッパー106を、フェライトコア122に当接するように基板ホルダ102に固定すれば、ストッパー106によりフェライトコア121,122の公差を吸収することができる。
切欠105aは、チューブ115の長手方向に延びる溝であるから、コイル116を構成する導線の一端又は両端から延びるリード線116aを、切欠105aの中に配設することができる。リード線116aは切欠105a内を通って基板111に達し、座標指示器11上に実装された回路素子(図示略)や端子(図示略)に接続され、これら回路素子(図示略)や端子(図示略)を介してコンデンサ112(図1)に接続される。
芯114は、合成樹脂製とすることが可能であり、摺動時の摩擦に対する耐性を考慮して、ポリアセタール樹脂(ジュラコン)等の合成樹脂製であることが好ましい。
チューブ115は、例えば、ポリイミド等の合成樹脂製であるが、磁気的な影響に関与せず、所定の硬度、弾性及び可撓性を有するものであれば、他の材料を用いることも可能である。
そして、フェライトコア121とフェライトコア122との間隔が変化する(狭まる)ことにより、コイル116のインダクタンスが変化する。
従って、座標指示器11の操作時にはコイル116のインダクタンスが変化するので、このインダクタンスの変化をタブレット20(図3)によって検出することにより、座標指示器11の操作を検出できる。
図3は、座標入力装置1の構成を示す回路図である。図中、20はタブレット、201は制御回路、202は信号発生回路、203,204はX方向及びY方向の選択回路、205,206は送受切替回路、207はXY切替回路、208は受信タイミング切替回路、209は帯域フィルタ(BPF:Band Pass Filter)、210は検波器、211は低域フィルタ(LPF:Low Pass Filter)、212,213は位相検波器(PSD:Phase Shift Detector)、214,215は低域フィルタ(LPF)、216,217は駆動回路、218,219は増幅器、23は電子機器、24は表示装置、25は出力装置である。
さらに制御回路201は、低域フィルタ211,214,215からの出力値をアナログ・ディジタル(A/D)変換し、後述する演算処理を実行して座標指示器11による指示位置の座標値を求めるとともに、受信信号の位相を検出して、これらを電子機器23に送出する。
送受切替回路205は、選択回路203により選択されたX方向の一のループコイルを駆動回路216並びに増幅器218に交互に接続する。また、送受切替回路206は、選択回路204により選択されたY方向の一のループコイルを駆動回路217並びに増幅器219に交互に接続する。送受切替回路205,206は、信号発生回路202から入力される送受切替信号に従って動作する。
その後、送受切替回路205の動作によって座標入力装置1が受信期間に入り、選択回路203により選択されたループコイルが増幅器218側に切り替えられると、該ループコイルからの電波は直ちに消滅するが、座標指示器11の同調回路113に生じた誘導電圧は、同調回路113内の損失に応じて徐々に減衰する。
そして、帯域フィルタ209から入力される信号の位相が、信号発生回路202から入力される矩形波信号の位相とほぼ一致している場合、位相検波器212は、帯域フィルタ209から入力される信号を正側に反転した信号を出力し、また、位相検波器213は正側及び負側に対称な波形を有する信号を出力する。
また、位相検波器213から出力される信号は、同様に低域フィルタ215によって直流信号に変換され、制御回路201に送出される。
・チューブ115は、ポリイミド製、外径1.72mm(ミリメートル)、内径1.6mm、長さ25mmとした。
・フェライトコア121は、L6材(TDK株式会社製)を用い、外径φ1.6mm、長さ20mmの円柱形の構成とした。
・フェライトコア122は、L6材(TDK株式会社製)を用い、外径φ1.6mm、長さ2mmの円柱形の構成とした。
・Oリング123は、線径0.4mmのシリコンゴム(硬度30度)で構成される外径1.6mm、内径0.8mmのものとした。
・コイル116は、線径0.07mmの線材からなる5芯のリッツ線を、50ターン巻回した構成とした。
上記例(1)の構成において、フェライトコア122を、L6材(TDK株式会社製)を用い、外径φ1.6mm、長さ3mmの円柱形の構成とした。
タブレット20により検知される筆圧レベルの変化は、前述のように、コイル116のインダクタンスの変化に基づくものである。従って、グラフの縦軸方向の変化は、間接的にコイル116のインダクタンスの変化を示すものであるといえる。
図4に示す例においては、座標指示器11に加わる荷重が0〜300g(グラム)の範囲において変化する場合に、10乃至30g程度の小さな荷重の変化であっても、座標入力装置1によって荷重(筆圧レベル)の変化が確実に検出されている。従って、座標入力装置1においては、座標指示器11の微妙な操作をも確実に検知できるといえる。
このため、座標指示器11は、従来に比べて著しい小型化が可能であり、例えば、薄型の電子機器の筐体に座標指示器11を収容するためのポケットを設けることが可能になり、ペンタブレットの適用範囲を大きく拡大することができる。
図5は、本発明を適用した第2の実施の形態に係る座標指示器12の構成を示す断面図である。なお、本第2の実施の形態では、図1に示す座標指示器11と同一の部材には図5中に同符号を付して、説明を省略する。
フェライトコア125,126は、それぞれ、フェライトコア121(図1)とほぼ等しい外径を有する棒状のフェライト材であって、長さはフェライトコア121のほぼ半分の長さである。すなわち、座標指示器12は、座標指示器11におけるフェライトコア121を長さ方向に2分割したものと考えて良い。
なお、フェライトコア125とフェライトコア126との間には特に何も挟まれず、各々の端面が接する構成となっている。
従って、フェライトコア125,126は、フェライトコア121に比べて長さが短いことから、衝撃が加わった場合に破損する可能性がより低い。そして、フェライトコア125,126は、フェライトコア121(図1)と同様に、チューブ115に収容され、緩衝材105に包まれるので、外部から加わる衝撃等によりフェライトコア125,126が破損する可能性は、さらに低いといえる。
図6は、本発明を適用した第3の実施の形態に係る座標指示器13の構成を示す断面図である。なお、本第3の実施の形態では、図1に示す座標指示器11と同一の部材には図6中に同符号を付して、説明を省略する。
第2コイル117は、コイル116の上に、直接もしくは絶縁体のフィルム等を介して、コイル116につながる被覆導線を巻き回したものである。つまり、チューブ115に導線を巻いてコイル116を形成した後、その導線をさらに巻いて第2コイル117を形成したような構成となっており、コイル116と第2コイル117とは、一つの長いコイルを折り返したような構成であるということができる。
図7は、本発明を適用した第4の実施の形態に係る座標指示器14の構成を示す断面図である。なお、本第4の実施の形態では、図1に示す座標指示器11と同一の部材には図7中に同符号を付して、説明を省略する。
第2コイル118は、コイル116の上に、直接もしくは絶縁体のフィルム等を介して、コイル116につながる被覆導線を巻き回したものである。つまり、チューブ115に導線を巻いてコイル116を形成した後、その導線をさらに巻いて第2コイル118を形成したような構成となっており、コイル116と第2コイル118とは、一つの長いコイルを折り返したような構成であるということができる。
図8は、本発明を適用した第5の実施の形態に係る座標指示器15の構成を示す断面図である。なお、本第5の実施の形態では、図1に示す座標指示器11と同一の部材には図8中に同符号を付して、説明を省略する。
フェライトコア128は、フェライトコア122(図1)とほぼ等しい外径を有するフェライト材であって、フェライトコア121側の端面に、突起128aが形成されたものである。
従って、座標指示器15は、座標指示器11(図1)と同様に座標入力装置1に利用した場合に、座標入力装置1において、より確実に座標指示器15における操作を検知できる。
図9は、本発明を適用した第6の実施の形態に係る座標指示器16の構成を示す断面図である。なお、本第6の実施の形態では、図1に示す座標指示器11と同一の部材には図9中に同符号を付して、説明を省略する。
すなわち、座標指示器16においては、芯114の基端にフェライトコア128が配設され、フェライトコア121が、Oリング123を介してフェライトコア128に対向する。また、フェライトコア128においてフェライトコア121に対向する端面には、突起128aが形成されている。
ここで、座標指示器15(図8)と座標指示器16とを比較した場合、座標指示器15においては、芯114とともにフェライトコア121が変位するのに対し、座標指示器16においては、芯114とともにフェライトコア128が変位する。また、フェライトコア128は、フェライトコア121よりも短いサイズとなっている。
従って、座標指示器16においては、より小さな部材が変位することになるので、座標指示器16の操作時にコイル116のインダクタンスがより一層鋭敏に変化し、座標指示器16における操作を座標入力装置1によって検知しやすくなるという効果が期待できる。
図10は、本発明を適用した第7の実施の形態に係る座標指示器17の構成を示す断面図である。なお、本第7の実施の形態では、図1に示す座標指示器11と同一の部材には図10中に同符号を付して、説明を省略する。
一方、フェライトコア131は、フェライトコア121(図1)とほぼ等しい外径を有する棒状のフェライト材であって、長さはフェライトコア121(図1)のほぼ半分、すなわちフェライトコア130とほぼ同じ長さである。
つまり、座標指示器17においては、フェライトコア121(図1)のほぼ半分の長さを有する2つのフェライトコア130,131が配設され、フェライトコア131とフェライトコア130とはOリング123を挟んで対向し、かつ、この対向面において、フェライトコア130には突起130aが設けられている。
このように、図10に示す座標指示器17の構成によれば、細型で、より高い耐衝撃性及び信頼性を有し、かつ、より良好な操作性を実現可能な座標指示器を提供できる。
11,12,13,14,15,16,17 座標指示器
101 上部ケース
102 基板ホルダ
103 セラミックパイプ
104 先端ケース
111 基板
112 コンデンサ
113 同調回路
114 芯
115 チューブ
116 コイル
117,118 第2コイル
121,122,125,126,128,130,131 フェライトコア
Claims (8)
- 位置を測定する位置検出装置に対し、その測定すべき位置を指示するとともに操作者の操作を通知する座標指示器であって、
各々磁性体からなり、所定の間隔をおいて並べて配設される2つのコア体と、
前記2つのコア体の少なくとも一部を収容するチューブと、
前記チューブの側面に巻回された導線からなるコイルと、を備え、
前記操作者の操作に応じて前記2つのコア体を接近させることを特徴とする座標指示器。 - 前記2つのコア体の間に挟まれる位置に弾性体を配設したことを特徴とする請求項1記載の座標指示器。
- 前記2つのコア体のうち少なくとも一方は、複数の磁性体により構成されることを特徴とする請求項1または2記載の座標指示器。
- 前記コイルの少なくとも一部は、前記コイルの導線を当該コイルの一部にさらに重ねて巻回した二重の構成となっていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の座標指示器。
- 前記2つのコア体のうち少なくとも一方は、他方のコア体と対向する対向面に突起を有することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の座標指示器。
- 前記コイルの外側に巻き付けられる緩衝体をさらに備えることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の座標指示器。
- 前記弾性体は、Oリングであることを特徴とする請求項2から6のいずれかに記載の座標指示器。
- 前記チューブは、アルミナ若しくはジルコニアからなるものであることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の座標指示器。
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