JP2002244806A - ペン型座標指示器 - Google Patents

ペン型座標指示器

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JP2002244806A JP2001364502A JP2001364502A JP2002244806A JP 2002244806 A JP2002244806 A JP 2002244806A JP 2001364502 A JP2001364502 A JP 2001364502A JP 2001364502 A JP2001364502 A JP 2001364502A JP 2002244806 A JP2002244806 A JP 2002244806A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 位置を測定するタブレット等の位置検出装置
に対し、その測定すべき位置を指示するとともに、操作
者の操作を通知するペン型座標指示器において、より細
型の構成を実現する。 【解決手段】 ペン型のケース11を有する入力ペン1
0において、コイル105が巻回されてなるフェライト
コア104とフェライトチップ102とを、Oリング1
03を介して対向させ、フェライトチップ102には突
起102aを設け、操作時に突起102aとフェライト
コア104とが接近する構成とする。操作時にフェライ
トチップ102がフェライトコア104に接近すると、
突起102aがフェライトコア104に非常に近接する
ので、フェライトチップ102がコイル105内に進入
しなくとも良好に応答し、フェライトコア104には開
口部や中空部を設ける必要がない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、位置を測定するタ
ブレット等の位置検出装置に対し、その測定すべき位置
を指示するとともに、操作者の操作を通知するペン型座
標指示器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、コンピュータ用の入力装置とし
て、ペンタブレットと呼ばれるポインティングデバイス
が利用されている。ペンタブレットは、板状のタブレッ
トと、このタブレット上で操作者により操作される入力
ペンとにより構成される。そして、操作者が入力ペンで
タブレット上の任意の位置を指示すると、その位置がタ
ブレットによって検出され、位置情報がコンピュータへ
出力される。
【0003】本出願人は、例えば実公平5−4034号
公報に示すように、ペンタブレットの入力ペン等を種々
提案してきた。ここで、従来の入力ペンの一例につい
て、図13を参照して説明する。
【0004】図13は、従来の入力ペンの一例として、
入力ペン90の概略構成を示す断面図である。入力ペン
90は、ボールペンや万年筆等の筆記具とほぼ同形状に
形成されたペン軸91に各部を収容している。
【0005】ペン軸91の先端には、ペン軸91の内部
に連通する芯体92が配設されている。芯体92の基端
部側は、フェライトコア94が有する貫通孔に挿入され
ており、さらに芯体92の基端部は芯ホルダ96に固定
されている。芯ホルダ96は、バネ97を介してペン軸
91に固定されている。芯体92はフェライトチップ9
3を内蔵しており、入力ペン90の非操作状態において
は、フェライトチップ93の3分の2程度が、フェライ
トコア94の貫通孔の中に入った状態となる。そして、
芯体92は、芯ホルダ96とともにバネ97によって支
持されており、バネ97の伸縮方向、即ちペン軸91の
軸方向及びフェライトコア94の貫通孔に沿って、移動
可能である。
【0006】フェライトコア94は円筒状に形成された
フェライトであって、長手方向に沿って貫通孔を有し、
その内部に芯体92が挿入されている。また、フェライ
トコア94の外側面にはコイル95が巻回されており、
コイル95は、ペン軸91内のコンデンサ98と接続さ
れて同調回路99を構成している。
【0007】入力ペン90が具備する同調回路99は、
タブレット(図示略)から所定の同調周波数、例えば周
波数fの電波が発信されると、該電波を受けて励振さ
れ、コイル95には誘導電圧が誘起される。そして、該
電波の発信が停止されると、前記誘導電圧に基づく電流
により、コイル95から所定の周波数の電波が発信され
る。この同調回路99から発信された電波をタブレット
(図示略)で受信することで、タブレット(図示略)上
における入力ペン90の位置を検知できる。
【0008】また、入力ペン90は、ペン軸91の先端
をタブレットに押しつけるように操作される。この操作
時には、芯体92がペン軸91内に押し込まれ、芯体9
2に内蔵されたフェライトチップ93がフェライトコア
94の内部において、基端部側へ向かって移動する。
【0009】上記のように、フェライトコア94にはコ
イル95が巻回されているので、フェライトコア94の
両端とフェライトチップ93との位置関係に変化が生じ
ると、コイル95のインダクタンスが変化する。従っ
て、コイル95を含んで構成される同調回路99におい
ては、フェライトチップ93の移動により、コイル95
のインダクタンスが変化して、同調回路99の同調周波
数が変化する。
【0010】この場合、タブレット(図示略)から周波
数fの無線信号を発信すると、同調回路99の同調周
波数が変化しているため、コイル95に生じる誘導電圧
は、非操作時とは位相がずれたものとなる。このため、
同調回路99からは、タブレット(図示略)から発信さ
れた電波とは位相がずれた電波が発信される。従って、
タブレット(図示略)から電波を発信して同調回路99
を励振するとともに、同調回路99から発せられる電波
における位相差を検知すれば、入力ペン90の操作を検
知することができる。
【0011】上記に例示したように、従来のペンタブレ
ットは、タブレットと入力ペンとを結線する必要がな
く、また、万年筆やボールペン等の通常の筆記具に似た
使用感が得られるので、操作性に富むという利点を有す
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、入力ペ
ン90に例示される従来の入力ペンは、ボールペン等の
通常の筆記具と同様のサイズであり、据え置き型のデス
クトップコンピュータ等に特に好適である。一方、最近
では、PDA(Personal Digital Assistant)と呼ばれ
る携帯型の電子機器が普及するなど、電子機器の小型化
が進んでいる。このため、小型の電子機器に使用するた
めの入力装置についても、小型化が望まれている。しか
しながら、上記従来の入力ペンの構造を変えずに大幅な
小型化を実現するのは難しいという問題があった。
【0013】上記の入力ペン90を例にとれば、小型化
に際しては、単に短小にするだけでなく細型のものにし
なければならないので、フェライトコア94及び芯体9
2を細くする必要がある。しかし、芯体92はフェライ
トチップ93を内蔵しているため、芯体92を細くする
と、フェライトチップ93が内蔵される部分の壁面は肉
薄になってしまう。一般に、芯体92のような部材は樹
脂製であることが多いので、肉薄になることで強度が不
足し、操作時の荷重により塑性変形する恐れがある。そ
して、フェライトコア94の内部で芯体92が変形した
場合、フェライトコア94の内壁に芯体92が当たって
しまい、芯体92が移動しなくなる恐れがある。この状
態では、入力ペン90による入力操作は行えない。従っ
て、芯体92を細くすることは困難である。
【0014】一方、フェライトコア94は芯体92が挿
入される貫通孔を有するので、フェライトコア94を細
くするためには、貫通孔を細くし、かつ、肉薄にしなけ
ればならない。しかし、芯体92の細型化が難しい上、
フェライトは構造材としては脆いものであり、限度を超
えて肉薄にしてしまうと強度不足から割れを生じる恐れ
がある。
【0015】例えば、入力ペン90の製造過程におい
て、フェライトコア94にコイル95の巻線を行う工程
ではフェライトコア94に線材の張力が加わる。また、
該工程はフェライトコア94を固定して行われるが、線
材の張力によってフェライトコア94の固定部分には応
力が集中するので、フェライトコア94には相応の堅牢
性が求められる。さらに、輸送時の振動や製品としての
落下衝撃試験を考慮すれば、フェライトコア94に要求
される強度は決して小さくない。
【0016】そして、フェライトコア94が割れてしま
うとコイル95のインダクタンスが当初の値よりも低下
し、同調回路99の同調周波数がずれてしまうので、入
力装置としての使用に耐えられない可能性がある。
【0017】従って、上記入力ペン90の例では、芯体
92及びフェライトコア94は一定以上の強度を確保す
る必要があり、入力ペン90の構成をそのまま小型化す
ることは困難であった。
【0018】さらに、電子機器が小型化されると、携帯
性の向上がもたらされる一方で、入力操作時における操
作性の低下が懸念される。このため、小型で、かつ操作
性の良い入力装置が求められていた。
【0019】そこで、本発明は、位置を測定するタブレ
ット等の位置検出装置に対し、その測定すべき位置を指
示するとともに、操作者の操作を通知するペン型座標指
示器において、より細型の構成を実現することを目的と
する。
【0020】また、本発明の他の目的は、細型のペン型
座標指示器において、良好な操作性を確保することにあ
る。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような課
題を解決するために、次のような特徴を備えている。な
お、次に示す説明中、括弧書きにより実施の形態に対応
する構成を一例として示す。符号等は、後述する図面参
照符号等である。
【0022】請求項1記載の発明に係るペン型座標指示
器は、位置を測定する位置検出装置に対し、その測定す
べき位置を指示するとともに操作者の操作を通知するペ
ン型座標指示器(例えば、図1に示す入力ペン10)で
あって、開口部の無い端面を有するコア(例えば、図1
に示すフェライトコア104)に巻回されたコイル(1
05)と、このコイルの軸線に沿って、前記コアの端面
に対向して配設される磁性体(例えば、図1に示すフェ
ライトチップ102)とを備え、前記コアと前記磁性体
とは離隔しており、操作者の操作に応じて接近すること
を特徴とする。
【0023】ここで、上記位置検出装置としては、例え
ば、平板形状のケース内に複数のループコイルを備え、
これらのループコイルから所定の発振周波数の電波を発
信し、該電波によりペン型座標指示器内のコイルに誘起
される電圧をもとにペン型座標指示器の位置を検出する
ものが挙げられるが、液晶表示パネル等の表示画面と一
体となって構成されるものとしても良く、また、形状は
平板以外であっても良い。また、上記磁性体としては、
例えばソフトフェライトが挙げられる。さらに、上記コ
アとしては、例えばソフトフェライト等の磁性体やその
他の各種金属を用いた部材が挙げられる。
【0024】請求項1記載の発明によれば、位置を測定
する位置検出装置に対し、その測定すべき位置を指示す
るとともに操作者の操作を通知するペン型座標指示器に
おいて、開口部の無い端面を有するコアに巻回されたコ
イルと、このコイルの軸線に沿ってコアの端面に対向し
て配設される磁性体とを備え、コアと磁性体とは離隔し
て配設されており、操作者の操作に応じて接近する。ま
た、コアの端面には開口部が無く、磁性体とコアとが接
近しても磁性体がコイルの内側に進入することはない。
【0025】従って、本発明に係るペン型座標指示器に
おいては、磁性体がコイルのコアに接近することによっ
てコイルのインダクタンスを変化させ、位置を測定する
位置検出装置に対し、操作者の操作を通知することがで
きる。また、コアの端面には開口部を設ける必要が無い
ので、コアを細くしてもコアの強度不足等を招く恐れが
ない。これにより、コアを細く形成し、コアと磁性体と
をコイルの軸線に沿って配設することで、非常に細いペ
ン型座標指示器を実現できる。
【0026】また、操作者による操作の際には、コアと
磁性体が接近するので、コイルのインダクタンスは増大
する方向へ変化する。位置検出装置とともに使用される
座標指示器には、操作を検知するために加圧時に容量が
変化する可変コンデンサを用いたLC共振回路を採用す
ることがある。このような座標指示器は、操作者による
操作が加わると可変コンデンサの容量が増大し、結果的
にLC共振回路の共振周波数が低い方へシフトするもの
で、感度が良い一方で構造が複雑であり、高価である。
本発明に係るペン型座標指示器は、操作時にコイルのイ
ンダクタンスが増大するので、該コイルを含むLC共振
回路を構成すれば、操作時に共振周波数が低い方へシフ
トする。従って、可変コンデンサを用いた座標指示器と
同様の動作を行うペン型座標指示器を、より簡単な構成
により、安価で実現できる。さらに、操作時におけるコ
イルのインダクタンス変化は、コイルと磁性体とが近接
しているほど顕著である。このため、初期状態における
コイルと磁性体との間の所定の距離を短くすれば、より
確実に操作を検知できる上、より小型のペン型座標指示
器を実現できる。
【0027】請求項2記載の発明は、請求項1記載のペ
ン型座標指示器において、前記コアの端面と前記磁性体
との間に介設される弾性体(例えば、図1に示すOリン
グ103)をさらに備えることを特徴とする。
【0028】ここで、弾性体としては、例えば、ゴムや
可撓性樹脂等によってなるものであり、その形状として
は環状や平板状の部材、或いは部分的に厚みが異なる板
状部材や球体等が挙げられる。
【0029】請求項2記載の発明によれば、コアの端面
と磁性体との間に介設される弾性体により、操作が無い
初期状態ではコアと磁性体とが互いに離隔した状態で保
持され、操作によってコアと磁性体が接近した場合はコ
アと磁性体とが互いに離隔する方向へ付勢され、操作後
は初期状態が復元される。
【0030】従って、操作後の復元動作がスムーズに行
われるので、操作性の良いペン型座標指示器を実現でき
る。即ち、操作時の応答が良好で、かつ速やかに復元す
る機構を簡単な構成によって実現するものであり、容易
に小型化でき、かつ、低コスト化が可能である。また、
一般に、弾性体に力が加わる場合の変形量は加わった力
の大きさに対応するので、コイルのインダクタンスの変
化量から弾性体の変形量を求め、操作時に加えられた力
を求めることも可能である。
【0031】請求項3記載の発明は、請求項2記載のペ
ン型座標指示器において、前記弾性体は、前記コアの端
面においては該端面の一部においてのみ接触し、前記磁
性体の面のうち前記コアの端面に対向する対向面におい
ては該対向面の一部においてのみ接触しており、前記コ
アの端面の一部と前記磁性体の対向面の一部とが、間に
前記弾性体を介さずに対向することを特徴とする。
【0032】請求項3記載の発明によれば、弾性体は、
例えば貫通孔を有する平板形状や環状、或いは球体等に
構成され、コアの端面の一部においては該端面の一部に
おいてのみ接触し、磁性体においてコアの端面に対向す
る対向面においては該対向面の一部においてのみ接触し
ている。即ち、弾性体はコアの端面の全体を覆うもので
はなく、磁性体の対向面全面を覆うものでもない。そし
て、コアの端面と磁性体の対向面とは、その一部におい
て、間に弾性体を介しないで対向しており、この部分に
おいては、コアと磁性体との間における磁気的な相互作
用が弾性体によって阻害されない。
【0033】従って、コアの端面或いは磁性体の対向面
の全面が弾性体で覆われた場合に比べて、操作時にコイ
ルのインダクタンスが顕著に変化する。さらに、操作時
に、弾性体の弾力に比較して大きい力が加わった場合に
は、コアと磁性体とが非常に近接し、或いは接触して、
コイルのインダクタンスがより大きく変化する。これに
より、操作者による操作が鋭敏に、かつ確実に検知され
るので、応答が良好で操作性の良いペン型座標指示器を
実現できる。
【0034】請求項4記載の発明は、請求項2又は3記
載のペン型座標指示器において、前記コアの端面と、前
記磁性体において前記コアの端面に対向する対向面との
少なくともいずれか一方には、前記弾性体の厚みよりも
低い突出部(例えば、図1に示す突起102a)が形成
されてなることを特徴とする。
【0035】請求項4記載の発明によれば、コアの端面
と、磁性体においてコアの端面に対向する対向面との少
なくともいずれか一方には、弾性体の厚みよりも低い突
出部が形成されており、コアと磁性体とが対向する部分
では、突出部と面、もしくは突出部どうしが対向する。
つまり、突出部が無い場合と比較して、初期状態でコア
と磁性体とがより近接しており、操作時にはコアと磁性
体とがさらに接近する。また、突出部の高さは弾性体の
厚みよりも低く、初期状態においてコアと磁性体とは接
触しない。
【0036】コイルのインダクタンスに対する磁性体の
影響はコイルと磁性体との間の距離の2乗に反比例する
ので、コアと磁性体とが近接しているほど操作時にコイ
ルのインダクタンスが急激に変化する。本発明に係るペ
ン型座標指示器は突出部を備えるので、初期状態におけ
る弾性体とコアの間隔を小さくし、操作時に、コアと磁
性体とを速やかに接近させることができる。さらに、突
出部の高さは弾性体の厚みよりも低いので、非操作時に
コアと磁性体とを離隔させておくための構成としては弾
性体を挟んでおけば良いので、構造の複雑化を避けられ
る。従って、操作時にコイルのインダクタンスが鋭敏に
変化し、位置検出装置側において操作者の操作を確実に
検知できるので、良好な応答を示し、操作性の良いペン
型座標指示器を実現できる。
【0037】請求項5記載の発明は、請求項4記載のペ
ン型座標指示器において、前記弾性体は、前記コアの端
面と前記磁性体の対向面とに連通する貫通孔を有する環
状部材であって、前記突出部は、前記弾性体が有する貫
通孔内に向かって突出するものであることを特徴とす
る。
【0038】請求項5記載の発明によれば、弾性体は、
コアの端面と磁性体の対向面とに連通する貫通孔を有す
る環状部材であって、突出部は、弾性体が有する貫通孔
内に向かって突出するものであり、操作によってコアと
磁性体とが接近すると、環状部材である弾性体が変形し
ながら、弾性体の貫通孔に突出する突出部と、対向する
面もしくは突出部とが接近する。
【0039】これにより、本発明に係るペン型座標指示
器の操作時には、環状の弾性体が押圧されることで水平
方向へ突出するように変形するため、比較的小さい力で
弾性体が変形する。従って、弱い力で操作してもコアと
磁性体とを容易に接近させることができ、操作時の抵抗
が小さく、比較的弱い力で操作可能な、利便性に富むペ
ン型座標指示器を実現できる。
【0040】請求項6記載の発明は、請求項5記載のペ
ン型座標指示器において、前記弾性体は前記コアの端面
及び前記磁性体の対向面に対して線接触する環状部材で
あり、前記突出部は、前記弾性体の内側面に沿った側面
を有するものであり、前記磁性体及び前記コアはいずれ
も円柱形状であることを特徴とする。
【0041】請求項6記載の発明によれば、弾性体は、
例えばO(オー)リングのように、コア及び磁性体に対
して線接触する環状部材であり、コアと磁性体とが接近
する際には容易に弾性変形する。また、突出部は、弾性
体の内側面に沿った側面を有し、弾性体の中央部におけ
る空間内へ突出するものであり、弾性体の内側面と突出
部の側面とが当接することで弾性体は支持される。ま
た、コア及び磁性体はいずれも円柱形状である。
【0042】従って、より弱い力で操作しても、確実に
弾性体が変形してコアと磁性体とが接近するので、操作
時の抵抗が小さく、比較的弱い力で操作可能なペン型座
標指示器を実現できる。また、突出部が弾性体を支持す
るので、使用に際してコア、磁性体及び弾性体の相対位
置のずれを防止でき、より信頼性の高いペン型座標指示
器を実現できる。さらに、コアと磁性体とをコアの軸線
に沿って配置し、コアと磁性体との間に弾性体を配設す
る際の位置合わせが容易である。
【0043】請求項7記載の発明は、請求項1から6の
いずれかに記載のペン型座標指示器において、ペン型の
ケース内に前記コア及び前記磁性体を収容してなり、該
ケースの先端には該ケース内外に挿通する芯(101)
を備え、前記磁性体は前記芯の基端部に連結されること
を特徴とする。
【0044】請求項7記載の発明によれば、ペン型のケ
ース内にコア及び磁性体を収容して構成され、該ケース
の先端には該ケース内外に挿通する芯を備えており、磁
性体は芯の外側において芯の基端部に連結され、操作者
の操作によって芯がケース内に押し込まれると、芯とと
もに磁性体が移動してコアに接近し、コイルのインダク
タンスを変化させる。
【0045】従って、操作者の操作に対して確実に磁性
体が移動し、例えば操作者がケースを傾けて操作した場
合のように、操作による力が伝達されにくい場合であっ
ても、磁性体がコアに接近する。これにより、操作者の
操作に確実に応答し、操作性の良いペン型座標指示器を
実現できる。また、磁性体は芯の外側にあるので、芯の
内部に磁性体を収容する空間等を設ける必要がなく、芯
を細くすることができる。即ち、芯に磁性体を収容する
ために芯の内部に空間を形成すると、この空間の壁部は
肉薄になってしまうので、使用に耐えうる強度を確保す
るためには芯を太くせざるを得ない。しかしながら、本
発明に係るペン型座標指示器では、芯は磁性体を内蔵し
ないので、芯を細くしても強度が不足する恐れがない。
このため、芯を細く形成して、より細型のペン型座標指
示器を実現できる。また、芯を細くすると芯を挿通させ
るためのケース先端の孔が小さくて済むため、ケースの
細型化が容易である他、ペン先として機能する芯を細く
することで、細かな操作を行う際の操作性が向上する。
さらに、例えば、芯、磁性体、弾性体及びコアをコアの
軸線に沿って直列に配置した場合、ケースを非常に細く
することが可能であり、より細型のペン型座標指示器を
実現できる。
【0046】請求項8記載の発明は、請求項7記載のペ
ン型座標指示器において、前記コア及び前記磁性体を収
容する前記ケースの中空部には、前記ケースの先端側に
おいて、当該中空部の内径が狭まる段(例えば、図16
に示す段部B)が形成され、前記コアは、前記磁性体に
対向する端面が前記ケースの中空部に形成された段に当
接するように配置されることを特徴とする。
【0047】請求項8記載の発明によれば、コア及び磁
性体を収容するケースの中空部には、ケースの先端側に
おいて、中空部の内径が狭まる段が形成され、コアは、
磁性体に対向する端面がケースの中空部に形成された段
に当接するように配置されるので、コアは、ケースの中
空部から外側へ移動しないように段によって支持されて
いる。これにより、本発明のペン型座標指示器の使用中
等にコアが動くことが無く、がたつきの無い安定した操
作感を実現することができる。また、コアを固定するた
めに接着のような手法を用いる必要がなく、本発明を適
用したペン型座標指示器は少ない工数で容易に製造可能
である。
【0048】請求項9記載の発明は、請求項7または8
記載のペン型座標指示器において、前記コアの前記磁性
体に対向しない側の端面と、前記ケースの中空部におけ
る基端部との間に介設される第2の弾性体(例えば、図
15に示す緩衝部材707)を備えることを特徴とす
る。
【0049】請求項9記載の発明によれば、コアの磁性
体に対向しない側の端面と、ケースの中空部における基
端部との間に第2の弾性体が介設されるので、第2の弾
性体の弾性によってコアを支持することができる。ま
た、コアの長手方向のサイズに公差が生じた場合であっ
ても、この公差を第2の弾性体の弾性によって吸収する
ことが可能となり、コアの公差に関わらずコアを確実に
支持することができるので、安定した操作感を実現でき
る。また、本発明を適用したペン型座標指示器は、コア
の公差を補正する必要がないため、少ない工数で容易に
製造可能である。
【0050】請求項10記載の発明は、請求項9記載の
ペン型座標指示器において、前記コアの前記磁性体に対
向しない側の端面と、前記第2の弾性体との間に介設さ
れる支持部材(例えば、図15に示す基板ホルダー70
3)をさらに備え、前記支持部材は、前記コアの端面に
向かって突出するコア保持突起(例えば、図16に示す
コア保持突起721)を備え、前記コアの前記支持部材
に接する端面には、前記コア保持突起と嵌合する凹部が
形成されてなることを特徴とする。
【0051】請求項10記載の発明によれば、コアの磁
性体に対向しない側の端面と、第2の弾性体との間に支
持部材が介設され、支持部材はコアの端面に向かって突
出するコア保持突起を備え、コアの支持部材に接する端
面には、コア保持突起と嵌合する凹部が形成されてなる
ので、コア保持突起とコアの凹部とが嵌合し、さらに第
2の弾性体と支持部材とによってコアが支持されること
で、コアを確実に支持することができる。これにより、
本発明のペン型座標指示器の使用中等にコアが動くこと
が無く、がたつきの無い安定した操作感を実現すること
ができる。また、コアを固定するために接着のような手
法を用いる必要がなく、本発明を適用したペン型座標指
示器は少ない工数で容易に製造可能である。
【0052】請求項11記載の発明は、請求項10記載
のペン型座標指示器において、前記支持部材と前記コア
の端面との間に介設される調整部材(例えば、図17に
示すリング型フィルム723)をさらに備えることを特
徴とする。
【0053】請求項11記載の発明によれば、支持部材
とコアの端面との間に調整部材が介設されるので、コア
の長手方向のサイズに公差が生じた場合は、この公差に
相当する厚みを有する調整部材を用いれば、公差を補正
することができる。これにより、コアの公差に関わらず
コアを確実に支持することができるので、安定した操作
感を実現できる。また、本発明を適用したペン型座標指
示器は、コアの公差を容易に補正できるので、少ない工
数で簡単に製造可能である。さらに、コアの公差を補正
した場合であっても、ケース内においてコアより基端部
側の各部には影響を及ぼすことがないので、例えばスイ
ッチ等を有するペン型座標指示器に対しても容易に適用
可能である。
【0054】請求項12記載の発明は、請求項7から1
1のいずれかに記載のペン型座標指示器において、前記
コア及び前記磁性体を収容する前記ケースの中空部に
は、前記ケースの先端側において、当該中空部の内径が
狭まる第2の段(例えば、図16に示す段部C)が形成
され、前記芯の基端部には前記ケースの横断面に平行な
平面部が形成されてなり、前記芯は、前記ケースの中空
部に形成された第2の段に前記平面部が接するように配
置されることを特徴とする。
【0055】請求項12記載の発明によれば、コア及び
磁性体を収容するケースの中空部に、ケースの先端側に
おいて中空部の内径が狭まる第2の段が形成され、芯の
基端部にはケースの横断面に平行な平面部が形成され、
芯は、ケースの中空部に形成された第2の段に平面部が
接するように配置されるので、第2の段によって、芯が
ケースの外側へ移動しないように保持される。これによ
り、芯がケースの外側へ動くことが無いので、がたつき
の無い安定した操作感を実現することができる。また、
芯を固定するために芯と磁性体を接着する等の手法を用
いる必要がなく、本発明を適用したペン型座標指示器は
少ない工数で容易に製造可能である。
【0056】請求項13記載の発明は、請求項12記載
のペン型座標指示器において、前記芯の基端部に形成さ
れた平面部には、さらに前記磁性体の端面に向かって突
出する磁性体保持突起(例えば、図16に示すチップ保
持突起722)が形成され、前記磁性体の前記芯に接す
る端面には、前記磁性体保持突起と嵌合する凹部が形成
されてなることを特徴とする。
【0057】請求項13記載の発明によれば、芯の基端
部に形成された平面部には、さらに磁性体の端面に向か
って突出する磁性体保持突起が形成され、磁性体の芯に
接する端面には、磁性体保持突起と嵌合する凹部が形成
されてなるので、磁性体保持突起と磁性体の凹部とが嵌
合することで磁性体と芯が互いに一体となった状態で支
持される。これにより、芯がケースの外側へ向かって移
動したり、ケースの横断面方向に動くことがなく、がた
つきの無い安定した操作感を実現することができる。ま
た、芯を固定するために芯と磁性体を接着する等の手法
を用いる必要がなく、本発明を適用したペン型座標指示
器は少ない工数で容易に製造可能である。
【0058】なお、以上の説明において括弧書きにより
示した符号は、あくまで一例として、請求項記載の構成
要件に対応する図面参照符号を示すものであり、請求項
記載の構成要件を具体的に限定するものでは無い。
【0059】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態を、図1から図18の各図に基づき説明する。
【0060】[第1の実施の形態]図1は、本発明の第
1の実施の形態に係る入力ペン10の構成を示す断面図
である。同図において、11はケース、12は基板ホル
ダー、13は基板、14はコンデンサ、15は同調回
路、101は芯、102はフェライトチップ、103は
O(オー)リング、104はフェライトコア、105は
コイルであり、102aは、フェライトチップ102に
設けられた突起である。なお、図1には、非操作状態に
おける入力ペン10を示す。
【0061】ケース11は、ボールペンやシャープペン
シル等の一般的な筆記具を模して、より小型に形成され
たABS樹脂等の合成樹脂あるいは金属製の筐体であっ
て、中空となっている。ケース11の先端には、ケース
11の内外に挿通する棒状の芯101が配設され、芯1
01の基端部にはフェライトチップ102が固定されて
いる。フェライトチップ102は、例えばソフトフェラ
イト等のフェライト磁石の片体であって、可撓性のOリ
ング103を介してフェライトコア104の先端に対向
している。
【0062】フェライトコア104は、断面が円形や方
形に形成された棒状のフェライトであり、先端面がフェ
ライトチップ102に対向するように配設され、基端部
は基板13に固定されている。また、フェライトコア1
04の側面にはコイル105が巻回されている。
【0063】基板13は、コンデンサ14等が実装され
たプリント基板等であり、基板ホルダー12を介してケ
ース11に固定されている。なお、コンデンサ14は公
知の素子である。そして、基板13上に実装されたコン
デンサ14等の素子と、コイル105とを含んで同調回
路15が構成される。
【0064】ここで、フェライトコア104の先端面は
ほぼ平滑に形成され、フェライトチップ102の、フェ
ライトコア104の先端面に対向する面のほぼ中央に
は、例えば円柱形状の突起102aが形成されている。
【0065】また、Oリング103は、合成樹脂や合成
ゴム等を英字「O」状に形成してなるリングであり、平
面中央部に貫通孔を有し、この貫通孔にフェライトチッ
プ102の突起102aが嵌入している。
【0066】従って、Oリング103を介して、フェラ
イトコア104の端面と突起102aとが対向する構成
となっている。また、Oリング103は、フェライトチ
ップ102とフェライトコア104とを離隔させて保持
するとともに、フェライトチップ102とフェライトコ
ア104とを接近させる方向の押圧力が加わった場合に
は弾性変形する。
【0067】なお、Oリング103は、例えばシリコン
ゴムのような弾性体により構成され、押圧力が加わった
後の初期状態への回復性を考慮すれば、好ましくは純シ
リコン製であり、より好ましくはゴム硬度30度の純シ
リコンである。また、芯101は、摺動時の摩擦に対す
る耐性を考慮して、ポリアセタール樹脂(ジュラコン)
等の合成樹脂製であることが好ましい。
【0068】入力ペン10は、略平板状のタブレット2
0(図2)の上で操作される。操作時には、入力ペン1
0は通常の筆記具と同じくケース11の先端を下方に向
けて保持され、芯101をタブレット(図2)に押しつ
けるように操作される。
【0069】従って、入力ペン10の操作時には芯10
1がケース11の内部に押し込まれることにより、芯1
01とともにフェライトチップ102がフェライトコア
104側へ押圧され、Oリング103が弾性変形して、
フェライトチップ102がフェライトコア104に接近
する。
【0070】そして、フェライトチップ102がフェラ
イトコア104に接近することにより、フェライトコア
104に巻回されたコイル105のインダクタンスが変
化する。即ち、入力ペン10においては、操作時にコイ
ル105のインダクタンスが変化する。
【0071】次いで、入力ペン10を含んでなる座標入
力装置1について説明する。図2は、座標入力装置1の
構成を示す回路図である。図中、20はタブレット、3
0は制御回路、31は信号発生回路、32,33はX方
向及びY方向の選択回路、34,35は送受切替回路、
36はXY切替回路、37は受信タイミング切替回路、
38は帯域フィルタ(BPF:Band Pass Filter)、3
9は検波器、40は低域フィルタ(LPF:Low Pass F
ilter)、41,42は位相検波器(PSD:Phase Shi
ft Detector)、43,44は低域フィルタ(LP
F)、45,46は駆動回路、47,48は増幅器、4
9は電子機器、50は表示装置、51は出力装置であ
る。
【0072】なお、電子機器49としては、例えば、L
CD(Liquid Crystal Display)等によってなる表示装
置50を一体として、若しくは外部に具備したパーソナ
ルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistan
t)、無線通信機能を有する携帯端末装置等が挙げられ
る。また、出力装置51としては、電子機器49に一体
として、若しくは外部接続された印刷装置、無線通信装
置、各種ディスクドライブ、各種半導体メモリデバイス
等が挙げられる。
【0073】図3は、図2に示すタブレット20の要部
構成を示す分解斜視図であり、詳細には、タブレット2
0を構成するX方向のループコイル群21及びY方向の
ループコイル群22の配置状態を示す図である。図3に
示すように、タブレット20は、図中符号Xで示す方向
へ延びるX方向のループコイル群21と、図中符号Yで
示す方向へ延びるY方向のループコイル群22とを備え
て構成される。なお、図中符号X,Yで示す方向は互い
に直交する。
【0074】X方向のループコイル群21は、X方向に
沿って互いに平行で且つ重なり合う如く配置された多数
のループコイル、例えば48本のループコイル21−
1,21−2,…21−48からなる。また、Y方向の
ループコイル群22は、Y方向に沿って互いに平行で且
つ重なり合う如く配置された多数のループコイル、例え
ば上記と同じく48本のループコイル22−1,22−
2,…22−48からなるものである。
【0075】X方向のループコイル群21とY方向のル
ープコイル群22とは、互いに密接して重ね合わされ、
さらに図示しない非金属素材からなるケースに収容され
ている。なお、図3では理解の便宜を図るため、ループ
コイル群21とループコイル群22とを離して図示して
いる。また、符号21−1〜21−48,22−1〜2
2−48で示す各ループコイルは1ターンで構成される
ものとして図示しているが、必要に応じて複数ターンを
なす構成としても良い。
【0076】次に、座標入力装置1の構成及び動作を説
明する。まず、入力ペン10とタブレット20との間に
おける電波の送受信と、その際に得られる信号につい
て、上記図2,3及び図4に示すタイミングチャートに
従って説明する。なお、図4のタイミングチャートにお
いて、後述するように実質的に同一の信号については、
符号を併記して一個のチャートのみを図示する。
【0077】図2に示す制御回路30は周知のマイクロ
プロセッサ等により構成され、信号発生回路31を制御
するとともに、後述する図5のフローチャートに従って
選択回路32,33を介してタブレット20の各ループ
コイルの切り替えを制御する。また、制御回路30は、
XY切替回路36及び受信タイミング切替回路37に対
し、座標検出方向の切り替えを制御する。さらに制御回
路30は、低域フィルタ40,43,44からの出力値
をアナログ・ディジタル(A/D)変換し、後述する演
算処理を実行して入力ペン10による指示位置の座標値
を求めるとともに、受信信号の位相を検出して、これら
を電子機器49に送出する。
【0078】選択回路32は、X方向(図3参照)のル
ープコイル群21から一のループコイルを順次選択する
ものである。また、選択回路33はY方向(図3参照)
のループコイル群22より一のループコイルを順次選択
するものである。これら選択回路32,33は、それぞ
れ制御回路30からの情報に従って動作する。送受切替
回路34は、選択回路32により選択されたX方向の一
のループコイルを駆動回路45並びに増幅器47に交互
に接続するものである。また、送受切替回路35は、選
択回路33により選択されたY方向の一のループコイル
を駆動回路46並びに増幅器48に交互に接続するもの
であって、送受切替回路34,35は後述する送受切替
信号Cに従って動作する。
【0079】信号発生回路31は、所定の周波数f
例えば500 kHz(キロヘルツ)の矩形波信号A、該矩
形波信号Aの位相を90゜(度:Degree)遅らせた信号
B、所定の周波数f、例えば16.625 kHzの送受
切替信号C、及び、受信タイミング信号Dを発生して出
力する。
【0080】信号発生回路31から出力された矩形波信
号Aは、そのまま位相検波器41に送出されるととも
に、図示しない低域フィルタにより正弦波信号Eに変換
され、さらにXY切替回路36を介して駆動回路45,
46のいずれか一方へ送出される。また、信号発生回路
31から出力される矩形波信号Bは位相検波器42へ送
出され、送受切替信号Cは送受切替回路34,35に送
出され、さらに、受信タイミング信号Dは受信タイミン
グ切替回路37に送出される。
【0081】制御回路30からX方向を選択する情報が
出力され、XY切替回路36及び受信タイミング切替回
路37に入力されている状態では、信号発生回路31か
ら出力される正弦波信号Eは駆動回路45に送出されて
平衡信号に変換され、さらに送受切替回路34に送出さ
れる。ここで、送受切替回路34は、送受切替信号Cに
基づいて駆動回路45又は増幅器47のいずれか一方を
切り替えて接続するので、送受切替回路34から選択回
路32に出力される信号は、時間T(=1/2f
毎、上記例によれば32μsec(マイクロ秒)毎に、
500 kHzの信号の出力/停止が繰り返される信号Fと
なる。そして、送受切替回路34から出力される信号F
は、選択回路32を介してタブレット20のX方向の一
のループコイル21−i(i=1,2,…48)に送出
され、該ループコイル21−iにおいては信号Fに基づ
く電波が発生する。
【0082】ここで、信号Fに信号が出力されている期
間を送信期間とし、信号Fに信号が出力されていない期
間を受信期間とする。図4のタイミングチャートに示す
ように、送信期間と受信期間とは上記時間T毎に、交互
に繰り返される。
【0083】タブレット20上において、入力ペン10
が略直立状態、即ち使用状態に保持されると、ループコ
イル21−iから発生した電波によって入力ペン10の
コイル105(図1)が励振され、同調回路15(図
1)において、信号Fに同期した誘導電圧Gが発生す
る。
【0084】その後、送受切替回路34の動作によって
信号Fにおいて信号無しの期間、即ち受信期間に入ると
ともにループコイル21−iが増幅器47側に切り替え
られると、該ループコイル21−iからの電波は直ちに
消滅するが、入力ペン10の同調回路15に生じた誘導
電圧Gは、同調回路15内の損失に応じて徐々に減衰す
る。
【0085】そして、誘導電圧Gに基づいて同調回路1
5を流れる電流により、コイル105から電波が発信さ
れる。コイル105から発信された電波によって、増幅
器47に接続されたループコイル群21−iが励振さ
れ、該ループコイル群21−iにはコイル105からの
電波による誘導電圧が発生する。この誘導電圧は、受信
期間の間のみ送受切替回路34から増幅器47に送出さ
れ、増幅されて受信信号Hとなって受信タイミング切替
回路37に送出される。
【0086】受信タイミング切替回路37には、X方向
又はY方向の選択情報のいずれか一方、ここではX方向
の選択情報と、実質的に送受切替信号Cの反転信号であ
る受信タイミング信号Dとが入力されている。受信タイ
ミング切替回路37は、信号Dが‘Hi’レベルの期間は
受信信号Hを出力し、‘Lo’レベルの期間は何も出力し
ないため、実質的に受信信号Hと同一の信号Iを出力す
る。
【0087】信号Iは帯域フィルタ38に送出される。
帯域フィルタ38は、周波数fを固有の振動数とする
セラミックフィルタであり、信号I中の周波数f成分
のエネルギーに応じた振幅を有する信号Jを検波器39
及び位相検波器41,42に送出する。厳密には、帯域
フィルタ38は、数個の信号Iが帯域フィルタ38に入
力され収束した状態において、これらの信号Jを検波器
39及び位相検波器41,42に送出する。
【0088】検波器39に入力された信号Jは検波・整
流され、信号Kとされた後、さらに遮断周波数の充分低
い低域フィルタ40によって振幅のほぼ1/2に対応す
る電圧値、例えばVxを有する直流信号Lに変換され、
制御回路30に送出される。
【0089】信号Lの電圧値Vxは、ループコイル21
−iに誘起される誘導電圧に基づくものであり、入力ペ
ン10とループコイル21−iとの間の距離に依存した
値、ここではほぼ距離の4乗に反比例した値を示す。こ
のため、ループコイル21−iが異なるループコイルに
切り替えられると、信号Lの電圧値Vxは異なる値とな
る。
【0090】従って、制御回路30において、各ループ
コイル毎に得られる電圧値Vxをディジタル値に変換
し、これらに後述する演算処理を実行することにより、
各ループコイルと入力ペン10との位置関係を求めるこ
とにより、入力ペン10による指示位置のX方向の座標
値が求められる。なお、入力ペン10による指示位置の
Y方向の座標値についても同様にして求められる。
【0091】一方、位相検波器41には、信号発生回路
31により発生された矩形波信号Aが検波信号として入
力され、位相検波器42には、矩形波信号Aと位相が9
0°遅れた矩形波信号Bが検波信号として入力されてい
る。そして、信号Jの位相が矩形波信号Aの位相とほぼ
一致している場合は、位相検波器41はちょうど信号J
を正側に反転した信号M1を出力し、また、位相検波器
42は正側及び負側に対称な波形を有する信号M2を出
力する。なお、位相検波器41から出力される信号M1
は実質的に信号Kと同一である。
【0092】信号M1は、上記の信号Kと同様に、低域
フィルタ43によって信号Jの振幅のほぼ1/2に対応
する電圧値、即ちVxを有する直流信号N1に変換され
制御回路30に送出される。ここで、直流信号N1は実
質的に信号Lと同一である。また、信号M2は、同様に
低域フィルタ44によって直流信号N2に変換され、制
御回路30に送出されるが、図4に示す例では位相検波
器42からの信号M2において正側及び負側の成分が同
一であるため、低域フィルタ44の出力の電圧値は0
[V]となる。
【0093】制御回路30は、低域フィルタ43,44
の出力値、ここでは信号N1,N2をディジタル値に変
換し、得られたディジタル値を用いて下記式(1)で示
される演算処理を実行することにより、位相検波器4
1,42に加わった信号、ここでは信号Jと矩形波信号
Aとの位相差θを求める。
【数1】 θ=−tan−1(VQ/VP) …(1)
【0094】前記式(1)で、VPは低域フィルタ43
の出力に対応するディジタル値を、また、VQは低域フ
ィルタ44の出力に対応するディジタル値を示す。例え
ば、前述した信号Jの場合、信号N1の電圧値はVxで
あるが、信号N2の電圧値は0[V]、即ちVQ=0で
あるから位相差θ=0゜となる。
【0095】ところで、信号Jの位相は、入力ペン10
の同調回路15における同調周波数に対応して変化す
る。即ち、同調回路15における同調周波数が所定の周
波数f と一致している場合、同調回路15には信号の
送信期間及び受信期間とも周波数fの誘導電圧が発生
し、また、これに同期した誘導電流が流れるため、受信
信号H(又はI)の周波数及び位相は矩形波信号Aと一
致することになり、信号Jの位相も矩形波信号Aと一致
する。
【0096】一方、同調回路15における同調周波数が
所定の周波数fと一致していない場合、例えば周波数
よりわずかに低い周波数fの場合は、送信期間に
おいて同調回路15には周波数fの誘導電圧が発生す
るが、この誘導電圧により同調回路15には位相遅れを
伴う誘導電流が流れる。そして、受信期間においてはほ
ぼ周波数fの誘導電圧が生じ、これに同期した誘導電
流が流れるため、受信信号H(又はI)の周波数は矩形
波信号Aの周波数よりわずかに低く、また、その位相も
やや遅れたものとなる。
【0097】前述したように、帯域フィルタ38は周波
数fのみを固有の振動数とするものであるから、その
入力信号の低い方への周波数のずれは位相遅れとして出
力されることになり、従って、信号Jの位相は受信信号
H(又はI)よりさらに遅れたものとなる。
【0098】また、逆に同調回路15における同調周波
数が所定の周波数fよりわずかに高い場合、例えば周
波数fの場合、送信期間において同調回路15には周
波数fの誘導電圧が発生し、同調回路15には位相進
みを伴う誘導電流が流れる。また、受信期間においては
ほぼ周波数fの誘導電圧及びこれに同期した誘導電流
が流れるため、受信信号H(又はI)の周波数は矩形波
信号Aの周波数よりわずかに高く、また、その位相もや
や進んだものとなる。帯域フィルタ38において、その
入力信号の高い方への周波数のずれは、前述した場合と
は逆に位相進みとして出力されることになり、従って、
信号Jの位相は受信信号H(又はI)よりさらに進んだ
ものとなる。
【0099】前述のように、入力ペン10においては、
操作時にフェライトチップ102がフェライトコア10
4に接近する。従って、入力ペン10の操作時にはコイ
ル105のインダクタンスが増大し、同調回路15の同
調周波数は低い周波数に変化する。この同調周波数の変
化は、コイル105のインダクタンスの変化量、即ち、
Oリング103の変形量に対応する。従って、制御回路
30によって前記式(1)で示される演算処理により得
られた位相差θの値をもとに、Oリング103の変形
量、即ち入力ペン10の操作時に加わった力を検出する
ことができる。
【0100】次に、図5及び図6に従って、入力ペン1
0により指示された座標検出動作及び位相検出動作につ
いて詳細に説明する。図5は制御回路30の動作を示す
フローチャートである。また、図6は、タブレット20
における信号検出動作を示すタイミングチャートであ
り、図中、(a)はタブレット20のループコイルへ送
出される正弦波信号を示し、(b)は送信期間と受信期
間の切替状態を示し、(c)はタブレット20のループ
コイルにおける検出電圧を示す。
【0101】まず、座標入力装置1全体の電源が投入さ
れ、測定開始状態になると、制御回路30(図2)は、
X方向を選択する情報をXY切替回路36及び受信タイ
ミング切替回路37に送出するとともに、タブレット2
0が有するX方向のループコイル21−1〜21−48
(図3)のうち、最初のループコイル21−1を選択す
る情報を選択回路32に送り、該ループコイル21−1
を送受切替回路34に接続する。
【0102】続いて、送受切替回路34は、信号発生回
路31から出力された送受切替信号Cに基づいて、ルー
プコイル21−1を駆動回路45並びに増幅器47に交
互に接続する。このとき、駆動回路45は、32μse
cの送信期間において、図6(a)に示すような500
kHzの16個の正弦波信号を該ループコイル21−1へ
出力する。
【0103】上記の送受切替回路34,35による送信
及び受信の切り替えは、図6(b)に示すように一のル
ープコイル、ここでは21−1に対して7回繰返され
る。この7回の送信及び受信の繰返し期間が、一のルー
プコイルの選択期間(448μsec)に相当する。
【0104】この448μsecの選択期間には、一の
ループコイルに対して7回の受信期間が含まれ、増幅器
47の出力としては受信期間毎に誘導電圧が得られる。
ここで得られる誘導電圧は、前述したように受信タイミ
ング切替回路37を介して帯域フィルタ38に送出され
て平均化され、検波器39、位相検波器41,42及び
低域フィルタ40,43,44を経て制御回路30に送
出される。
【0105】そして、制御回路30は、低域フィルタ4
0の出力値をA/D変換して入力し、入力ペン10とル
ープコイル21−1との距離に依存した検出電圧、例え
ばVx1として一時記憶する。
【0106】次いで、制御回路30は、ループコイル2
1−2を選択する情報を選択回路32へ送出し、該ルー
プコイル21−2を送受切替回路34に接続させる。そ
して、入力ペン10とループコイル21−2との距離に
比例した検出電圧Vx2を得てこれを記憶し、以後、同
様にループコイル21−3〜21−48を順次、送受切
替回路34に接続させて、図6(c)に示すような各ル
ープコイル毎の入力ペン10とのX方向の距離に依存し
た検出電圧Vx1〜Vx48(但し、図6(c)にはそ
の一部のみをアナログ的な表現で示す。)を記憶する
(以上、図5:ステップS1)。
【0107】実際には、全てのループコイルで検出電圧
を得る動作には時間がかかり非効率的であるため、入力
ペン10が置かれた位置(xp)に最も近いループコイ
ルを中心として、その前後の数本のループコイルのみに
ついて検出電圧が得られる。なお、これら数本のループ
コイル以外のループコイルにおける検出電圧は無視でき
るほど小さい値である。
【0108】制御回路30は、上記ステップS1におけ
る処理により記憶した検出電圧の電圧値が一定の検出レ
ベル以上であるか否かをチェックし(ステップS2)、
一定の検出レベルより下であれば(ステップS3;N
o)、再度、X方向の各ループコイルの選択及び電圧検
出を繰返す。また、一定の検出レベル以上であれば(ス
テップS3;Yes)、次の処理へ移行する。
【0109】なお、ステップS2で実行されるレベルチ
ェックにおいて、制御回路30は、検出電圧の最大値が
検出レベルに達しているか否か、及び、最大値の検出電
圧を有するループコイルがどのループコイルであるかを
チェックし、検出レベルに達していなければ以後の座標
計算等を停止し、或いは、次回の座標検出動作及び位相
検出動作において選択するループコイルの中心を設定す
る処理を行う。
【0110】続いて、制御回路30は、XY切替回路3
6及び受信タイミング切替回路37に対してY方向の選
択情報を送出し、上記ステップS1の処理と同様にして
選択回路33及び送受切替回路35に切り替えを実行さ
せ、電波を送受信した時の低域フィルタ40の出力値を
A/D変換して得られる入力ペン10とY方向の各ルー
プコイル22−1〜22−48との距離に依存した検出
電圧を一時記憶する(ステップS4)。
【0111】この後、制御回路30は、記憶した検出電
圧のレベルチェックを実行し(ステップS5)、一定の
検出レベルより下であれば(ステップS6;No)、再
度、X方向の各ループコイルの選択及び電圧検出へ戻
る。また、一定の検出レベル以上であれば(ステップS
6;Yes)、記憶した電圧値から入力ペン10による
指示位置のX方向及びY方向の座標値を算出する(ステ
ップS7)。
【0112】ここで、ステップS7における処理の例に
ついて説明する。X方向又はY方向の座標値、例えば前
記座標値xpを求める算出方法の一つとして、前記検出
電圧Vx1〜Vx48の極大値付近の波形を適当な関数
で近似し、その関数の極大値の座標を求める方法があ
る。
【0113】例えば図6(c)に示す最大値の検出電圧
Vx3と、その両側の検出電圧Vx2及びVx4を2次
関数で近似すると、次のようにして算出することができ
る。なお、下記式(2)〜(7)においては、各ループ
コイル21−1〜21−48の中心位置の座標値をx1
〜x48とし、その間隔をΔxとする。
【0114】まず、各検出電圧と座標値については、下
記式(2),(3),(4)が成り立つ。なお、下記式
(2)〜(4)においてa,bは定数(a<0)であ
る。
【数2】 Vx2=a(x2−xp)+b …(2) Vx3=a(x3−xp)+b …(3) Vx4=a(x4−xp)+b …(4)
【0115】また、各ループコイルの中心位置の座標値
については、下記式(5),(6)が成り立つ。
【数3】x3−x2=Δx …(5) x4−x2=2Δx …(6)
【0116】ここで、前記式(5),(6)を前記式
(3),(4)に代入して整理すると、下記式(7)が
導かれる。
【数4】 xp=x2+Δx/2{(3Vx2−4Vx3+Vx4)/(Vx2−2Vx 3+Vx4)} …(7)
【0117】このように、各ループコイルからの検出電
圧Vx1〜Vx48から、ステップS2のレベルチェッ
クの際に求められた最大値の検出電圧と、その前後の検
出電圧を抽出し、これらと該最大値の検出電圧が得られ
たループコイルの1つ前のループコイルの座標値(既
知)とをもとにして、前記式(7)に相当する演算を行
なうことにより、入力ペン10の座標値xpを算出でき
る。
【0118】その後、制御回路30は、X方向のループ
コイル21−1〜21−48(又はY方向のループコイ
ル22−1〜22−48)のうち、最大の検出電圧が得
られたループコイル(ピークコイル)を選択する情報を
選択回路32(又は33)に送出し(ステップS8)、
入力ペン10に対する電波の送受信を複数回、例えば7
回繰返させ、低域フィルタ43,44から得られた出力
値をA/D変換し(ステップS9)、前述のように位相
差θを算出する(ステップS10)。
【0119】得られた位相差θは、制御回路30によっ
て、例えば40゜加算する等の処理により調整され、筆
圧を表す位相情報に変換されて、ステップS7で求めら
れた入力ペン10による指示位置の座標値とともに、電
子機器49へ出力される(ステップS11)。
【0120】以上のステップS1〜11に示す処理によ
って第1回目の座標検出動作及び位相検出動作が終了す
ると、制御回路30は、第2回目以降の座標検出動作と
して、X方向のループコイル21−1〜21−48のう
ち、最大の検出電圧が得られたループコイルを中心とし
て、その前後の一定数、例えば10本のループコイルの
みを選択する情報を選択回路32に送出し、同様に、Y
方向のループコイル22−1〜22−48のうち、最大
の検出電圧が得られたループコイルを中心として、その
前後の一定数、例えば10本のループコイルのみを選択
する情報を選択回路33に送出する。そして、同様に出
力値を得て入力ペン10による指示位置のX方向及びY
方向の座標検出動作並びに位相検出動作を行ない、得ら
れた座標値及び位相情報を電子機器49に転送し、以
下、これら一連の処理を繰返す。これにより、随時、入
力ペン10による指示位置の座標と、操作時の筆圧に係
る情報とを取得できる。
【0121】続いて、上記のように座標入力装置1で使
用される入力ペン10の構成について詳述する。図7
は、フェライトチップ102に形成された突起102a
の高さと、座標入力装置1における検知状態の一例を示
す図であり、(a)は入力ペン10に加わる荷重と座標
入力装置1により検知される筆圧とに関する試験結果を
示すグラフであり、(b)は同図(a)に示す試験の条
件を示す図である。
【0122】なお、図7(a)に示す試験は、次の条件
下で行われたものである。 ・フェライトコア104としては、L6材(TDK製)
を用い、外径φ2.5mm(ミリメートル)、長さ20
mmの構成とした。 ・コイル105は、φ0.07mmの線材による7芯、
46ターンの構成とした。 ・Oリング103は、硬度30度のシリコンゴム製と
し、外径φ2mm、内径φ1mm、線形0.5mmの構
成とした。 ・フェライトチップ102としては、L6材(TDK
製)を用い、外径φ2.5mm、長さ1mmの構成とし
た。
【0123】また、図7(a)中に示す(1)〜(3)
の各試験において、図7(b)に示す突起102aは下
記の構成とした。なお、突起102aの高さは、図7
(b)中符号Xで示す高さであり、突起102aの断面
は円形である。また、下記の値は入力ペン10の非操作
状態における値を示す。 ・条件(1)…外径φ0.8mm,高さ0.3mm。 ・条件(2)…外径φ0.8mm,高さ0.1mm。 ・条件(3)…突起102aは無し。
【0124】図7(a)に示すグラフにおいて、横軸は
入力ペン10に対して加えられる荷重を、縦軸は座標入
力装置1により検知される筆圧レベルを示す。タブレッ
ト20により検知される筆圧レベルの変化は、前述のよ
うに、コイル105のインダクタンスの変化に基づくも
のである。従って、グラフの縦軸方向の変化は、間接的
にコイル105のインダクタンスの変化を示すものであ
【0125】図7(a)に示すように、(3)の条件
下、即ち突起102aが存在せず、フェライトチップ1
02の端面が平滑である場合は、入力ペン10に加わる
荷重の増加に伴って、座標入力装置1により検知される
筆圧レベルも緩やかに上昇している。
【0126】また、(2)の条件下、即ち高さ0.1m
mの突起102aを有する場合は、同図(3)に示す場
合に比べて荷重の増加とともに筆圧レベルが速やかに上
昇し、グラフが速やかに立ち上がっている。
【0127】さらに、(1)の条件下、即ち突起102
aの高さが0.3mmの場合には、荷重の増大に応じ
て、より速やかに筆圧レベルが上昇しており、グラフの
立ち上がりは非常に早い。
【0128】なお、(1)及び(2)のグラフにおい
て、入力ペン10に対する荷重が所定の値を超えると筆
圧レベルがほぼ一定になっているが、この状態は、Oリ
ング103の弾性変形によって突起102aとフェライ
トコア104とが当接したことを示している。
【0129】このように、図7(a)に示す結果から、
入力ペン10に加わる荷重に対する筆圧レベルの変化
は、非操作状態において突起102aとフェライトコア
104の端面とが近接しているほど、鋭敏であるといえ
る。また、突起102aの有無は筆圧レベルの応答に大
きく影響し、突起102aの高さがわずか0.1mmで
あっても、突起102aが無い場合とは明らかに異なる
結果が得られている。さらに突起102aの高さが0.
3mmの場合は、その差が顕著である。従って、フェラ
イトチップ102の端面に突起102aを設けて、非操
作状態でフェライトチップ102とフェライトコア10
4とが近接する構成とすれば、入力ペン10への荷重が
小さい場合でも、検知される筆圧レベルは鋭敏に応答
し、一定以上の筆圧レベルを検知できる。これにより、
弱い力でも確実に動作し、操作性の良い入力ペン10を
実現できる。
【0130】本第1の実施の形態においては、フェライ
トチップ102とフェライトコア104との間にOリン
グ103を介設することにより、フェライトチップ10
2及びフェライトコア104を同一軸線上に配設して、
ケース11の細型化を図っている。この場合、フェライ
トチップ102とフェライトコア104とはOリング1
03の分だけ離隔されてしまうが、フェライトチップ1
02側に突起102aを形成し、突起102aがOリン
グ103の中央に嵌入する構成とすれば、フェライトチ
ップ102とフェライトコア104とをより近接させる
ことができる。
【0131】ここで、図7(a)に示す試験と同一の条
件下で、フェライトチップ102の突起102aの高さ
をさらに変化させた場合の試験結果について説明する。
図14は、フェライトチップ102に形成された突起1
02aの高さと、座標入力装置1における検知状態の別
の例を示す図であり、(a)は入力ペン10に加わる加
重と座標入力装置1により検知される筆圧とに関する試
験結果を示すグラフであり、(b)は同図(a)に示す
試験の条件を示す図である。
【0132】図14(a)に示すグラフは、図7(a)
に示す試験と同一条件下で突起102aの高さのみを変
更した例を追加して示すものである。すなわち、図14
(b)に示すように、突起102aの高さを0.4mm
とした場合の筆圧レベル−荷重特性を、図中(4)とし
て示す。図14(a)に示すように、突起102aの高
さを0.4mmとした場合、突起102aが0.1mm
或いは0.3mmである場合に比べて、荷重に応答して
検知される筆圧レベルの立ち上がりが速やかである。
【0133】図14(a)に示す筆圧レベルの立ち上が
りが速やかであれば、入力ペン10への荷重が小さい場
合であっても、筆圧レベルが鋭敏に応答し、一定以上の
筆圧レベルを検知できる。すなわち、入力ペン10を操
作する操作者が、軽い力で操作を行った場合であって
も、座標入力装置1において操作を確実に検知できる。
【0134】従って、図7(a)および図14(a)に
示す結果から、フェライトチップ102の突起102a
の高さは、0.1mm以上であることが好ましく、さら
に0.3mm以上であればより好ましく、最適な値とし
ては0.4mmが挙げられる。
【0135】なお、ここで、フェライトチップ102お
よびフェライトコア104に用いられる磁性材料の特性
について、説明する。上述のように、図7(a)および
図14(a)に示す試験においては、フェライトチップ
102とフェライトコア104とはL6材(TDK製)
により構成されるものとした。
【0136】しかしながら、フェライトチップ102は
芯101に近接する部材であって、操作者により力が加
わりやすいことから、より強度の高い材料を用いて構成
しても良い。例えば、フェライトチップ102をL9G
材(TDK製)により構成した場合、L6材の曲げ強度
が、一般的なニッケル系フェライトの強度である1.0
E+07(kg/m)程度であるのに対し、L9G材
の曲げ強度は1.8E+07(kg/m)であるか
ら、曲げ強度が約1.8倍まで高められる。なお、L6
材とL9G材との特性の違いから、L6材に代えてL9
G材を用いた場合に座標入力装置1の動作に影響を与え
る可能性がある。例えば、フェライトコア104をL9
G材で構成した場合、コイル105のインダクタンスの
変化が鈍くなる可能性がある。しかし、フェライトチッ
プ102はフェライトコア104に比べて微小な部材で
あるから、フェライトチップ102をL9G材で構成し
た場合の影響はごく軽微であり、座標入力装置1を使用
する上で問題は無い。そこで、フェライトチップ102
をL9G材(TDK製)により構成し、フェライトコア
104をL6材(TDK製)により構成すると、コイル
105における特性と強度の両面から、非常に好まし
い。
【0137】なお実際に、フェライトチップ102にL
9G材(TDK製)を用い、フェライトコア104にL
6材(TDK製)を用いて構成した入力ペン10につい
て、芯101に荷重を加えて耐久性を調べる試験を行っ
たところ、300gの荷重を3回/秒の頻度で加えた場
合に、1000万回以上の荷重に耐えうることが明らか
になった。
【0138】また、さらにフェライトコア104の径を
より太くすることで、フェライトコア104の耐久性を
高めることも可能であり、フェライトコア104の径が
2.5mm以上であれば、入力ペン10に衝撃が加わっ
た場合にも耐えうる高い耐久性が得られるが、3.0m
m以上であれば、より高い耐久性が得られる。
【0139】図8は、入力ペン10におけるフェライト
チップ102及びフェライトコア104の構成例を示す
図であり、(a)は図1に示した構成例を示す断面図で
あり、(b)は同図(a)とは異なる構成例を示す断面
図であり、(c)は同図(a)及び(b)とはさらに異
なる構成例を示す断面図である。
【0140】図8(a)に示すように、図1に示す入力
ペン10においては、ほぼ平滑の端面を有するフェライ
トコア104と、突起102aを有するフェライトチッ
プ102とを対向させる構成とした。しかしながら、フ
ェライトチップ102とフェライトコア104とが、O
リング103を間に介しながら近接する条件は、その他
の構成によっても実現可能である。
【0141】例えば、図8(b)に示すように、フェラ
イトチップ102に代えて、ほぼ平滑の端面を有するフ
ェライトチップ601を用い、フェライトコア104に
代えて突起602aを有するフェライトコア602を用
いても良い。突起602aは、突起102aと同様に端
面の中央に形成された突起であり、Oリング103の貫
通孔に嵌入する。この場合、フェライトチップ601が
有するほぼ平滑の端面とフェライトコア602が有する
突起602aとが、Oリング103を介して対向するの
で、図8(a)に示す構成と同様の効果が得られる。な
お、突起602aは、突起102aと同様に、入力ペン
10の非操作状態において対向する端面に接触しない高
さに形成されるものとする。
【0142】また、例えば、図8(c)に示すように、
フェライトチップ102に代えて、突起603aを有す
るフェライトチップ603を用い、フェライトコア10
4に代えて突起604aを有するフェライトコア604
を用いることも可能である。突起603a,604a
は、突起102aと同様に端面の中央に形成された突起
であり、Oリング103の貫通孔に嵌入する。この場
合、フェライトチップ603が有する突起603aと、
フェライトコア604が有する突起604aとがOリン
グ103を介して対向するので、図8(a)に示す構成
と同様の効果が得られる。なお、突起603a,604
aは、入力ペン10の非操作状態において互いに接触し
ない高さに形成されるものとする。
【0143】図9は、フェライトチップ102及びフェ
ライトコア104に代わる他の構成例を示す図であり、
(a)はフェライトチップ611及びフェライトコア6
12を用いた構成を示す断面図であり、(b)はフェラ
イトチップ614及びフェライトコア615を用いた構
成を示す断面図であり、(c)はフェライトチップ61
6及びフェライトコア617を用いた構成を示す断面図
である。
【0144】上記図8(b)及び(c)には、端面のほ
ぼ中央に棒状の突起が形成された構成例を図示したが、
本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図9
(a)に示すように、フェライトチップ102に代え
て、端面の外縁に外周突起611aを有するフェライト
チップ611を用い、Oリング103に代えて、Oリン
グ103よりも外径が小さく、外周突起611a内に収
容可能なOリング613を用い、フェライトコア104
に代えて、ほぼ平滑な端面を有するフェライトコア61
2を用いる構成とすることも可能である。
【0145】ここで、フェライトチップ611は、図1
0(a)に示すように、略円柱状の部材であって、上面
の外縁部分のみが突出して外周突起611aをなしてお
り、外周突起611aの内側は陥没している。外周突起
611aの内部には、Oリング613が収容される。そ
して、Oリング613の厚みと外周突起611aの高さ
を調整し、図9(a)に示すように、入力ペン10の非
操作状態において外周突起611aがフェライトコア6
12の端面に接触しないように構成すれば、図1に示す
入力ペン10と同様の効果が得られる。
【0146】また、図9(b)に示すように、外周突起
611aと同様の外周突起615aを有するフェライト
コア615を、フェライトコア104に代えて用い、フ
ェライトチップ102に代えてほぼ平滑な端面を有する
フェライトチップ614を用いる構成とすることも可能
である。そして、図9(b)に示すように、入力ペン1
0の非操作状態において外周突起615aがフェライト
チップ614の端面に接触しないように構成すれば、図
1に示す入力ペン10と同様の効果が得られる。
【0147】さらに、図9(c)に示すように、外周突
起611aと同様の外周突起616aを有するフェライ
トチップ616をフェライトチップ102に代えて用
い、外周突起611aと同様の外周突起617aを有す
るフェライトコア617をフェライトコア104に代え
て用いる構成とすることも可能である。この場合、図9
(c)に示すように、入力ペン10の非操作状態におい
て外周突起616aと外周突起617aが互いに接触し
ない構成とすれば、図1に示す入力ペン10と同様の効
果が得られる。
【0148】また、外周突起611a,615a,61
6a,617aは、図10(a)に示す構成だけでな
く、図10(b)に示すフェライトチップ618のよう
に、切欠部618aを備える構成としても良い。この場
合、切欠部618aの数や形状については任意である。
【0149】さらに、例えば図9(a)に示すフェライ
トチップ611とフェライトコア612とを同一軸線上
に保持し、横方向へずれない構成とすれば、Oリング6
13に代えて、可撓性の球を用いることも可能である。
つまり、図1に示すOリング103、及び、図9(a)
に示すOリング613のいずれも、入力ペン10の非操
作状態においてフェライトチップとフェライトコアとを
離隔させて保持し、入力ペン10の操作時に弾性変形す
るものであれば良いので、Oリング613に代えて複数
の球を用いることも可能である。
【0150】図11は、フェライトチップ102が有す
る突起102a、及び、Oリング103の構成例を示す
図であり、(a)は突起102aの構成を示す斜視図で
あり、(b)は同図(a)とは異なる構成例を示す斜視
図であり、(c)は同図(a)及び(b)とはさらに異
なる構成例を示す斜視図である。また、図9(d)は、
図1に示したOリング103の構成を示す斜視図であ
り、(e)は断面図である。(f)は同図(e)とは異
なる構成例を示す斜視図であり、(g)は断面図であ
る。
【0151】入力ペン10におけるフェライトチップ1
02が有する突起102aは、図11(a)に示すよう
に断面円形の棒状としたが、例えば図11(b)に示す
ように、断面が方形の突起605aとして構成しても良
い。この突起605aを有するフェライトチップ605
をフェライトチップ102に代えて入力ペン10に適用
した場合、突起605aがOリング103の貫通孔に嵌
入するのであれば、上記と同様の効果が得られる。
【0152】さらに、図11(c)に示すように、フェ
ライトチップ102に代えて、断面が三角形の突起60
6aを有するフェライトチップ606を用いても良い。
この場合、突起606aがOリング103の貫通孔に嵌
入するのであれば、上記と同様の効果が得られる。な
お、上記突起605a,606aの他、さらに異なる形
状の突起を使用することも勿論可能である。
【0153】また、入力ペン10におけるOリング10
3は、図11(d)及び(e)に示すように、断面が円
形の線材が英字「O」をなす構成とした。このOリング
103は、断面形状が円形であり、フェライトチップ1
02及びフェライトコア104の端面に対して線で接触
する。このため、入力ペン10の操作時に、フェライト
チップ102とフェライトコア104とに挟まれて弾性
変形する際、フェライトコア104の端面に沿って水平
方向へ広がるように変形可能である。即ち、Oリング1
03においては、フェライトチップ102及びフェライ
トコア104に対する接触部が線の状態から面の状態へ
変化するので、Oリング103は入力ペン10の操作時
に弾性変形しやすい。これにより、入力ペン10の操作
時には速やかにOリング103が変形し、フェライトチ
ップ102とフェライトコア104とが近接するので、
図11(d)及び(e)に示すOリング103は、入力
ペン10に好適である。
【0154】しかしながら、図11(f)及び(g)に
示すように、断面が方形の線材が英字「O」状に形成さ
れてなるOリング607を、Oリング103に代えて入
力ペン10に用いることも可能である。この場合、Oリ
ング607はフェライトチップ102及びフェライトコ
ア104に対して面で接触するため、比較的弾性変形し
にくいが、より柔軟な材料によりOリング607を形成
すれば、Oリング103と同様の操作性が得られる。ま
た、入力ペン10を、比較的強い力での操作に適した構
成とする場合、Oリング103より弾性変形しにくいO
リング607は好適である。
【0155】以上のように、入力ペン10においては、
フェライトコア104には開口部や中空部が形成されな
いので、フェライトコア104を細型にしても強度不足
を招く恐れがない。また、芯101及びフェライトチッ
プ102についても、容易に細型化が可能であり、非常
に細型のケース11内に各部を収容して、小型の入力ペ
ン10とすることができる。また、入力ペン10におい
ては、操作時にコイル105のインダクタンスが増大す
るので、高価な可変コンデンサを用いた座標指示器と同
様の動作を行うペン型座標指示器と同様の動作をさせる
ことができる。即ち、位置検出装置とともに使用される
座標指示器には、操作を検知するために加圧時に容量が
変化する可変コンデンサを用いたLC共振回路を採用す
ることがある。このような座標指示器は、操作者による
操作が加わると可変コンデンサの容量が増大し、結果的
にLC共振回路の共振周波数が低い方へシフトするもの
で、感度が良い一方で構造が複雑であり、高価である。
入力ペン10においては、操作時にコイル105のイン
ダクタンスが増大するので、操作時に同調回路15の共
振周波数が低い方へシフトする。従って、可変コンデン
サを用いた座標指示器と同様の動作を行うペン型座標指
示器を、より簡単な構成により、安価で実現できる。
【0156】また、フェライトチップ102とフェライ
トコア104との間にOリング103が介設されるの
で、操作後の復元動作がスムーズに行われ、良好な操作
性が得られる。さらに、コイル105のインダクタンス
の変化量からOリング103の変形量を求めることで、
操作時に加えられた力を求めることも可能である。
【0157】また、Oリング103はフェライトチップ
102とフェライトコア104の端面の全面を覆わない
ように形成されているので、フェライトチップ102と
フェライトコア104とが直接対向する部分が存在する
ので、操作時にはコイル105のインダクタンスが鋭敏
に変化し、操作が確実に検知されるので、入力ペン10
の応答を良好にし、良好な操作性を確保できる。
【0158】また、フェライトチップ102に突起10
2aを設けることにより、初期状態におけるフェライト
チップ102とフェライトコア104の間隔を小さく
し、操作時にフェライトチップ102とフェライトコア
104とを速やかに接近させることができる。さらに、
突起102aの高さはOリング103の厚みよりも低い
ので、非操作時にフェライトチップ102とフェライト
コア104とを離隔させておくための構成としては弾性
体を挟んでおけば良いので、構造の複雑化を避けられ
る。
【0159】さらに、フェライトチップ102とフェラ
イトコア104との間の弾性体としてOリング103を
用いるので、比較的弱い力で操作してもフェライトチッ
プ102とフェライトコア104とを容易に接近させる
ことができる。このため、入力ペン10は、操作時の抵
抗が小さく、比較的弱い力で操作可能である。
【0160】なお、上記第1の実施の形態においては、
フェライトチップ102とフェライトコア104とは円
柱形状として説明したが、本発明はこれに限定されるも
のではなく、フェライトコア104はコイル105を巻
回すことが可能な形状であれば良いし、フェライトチッ
プ102は、芯101に固定可能な形状であれば良い。
また、Oリング103の構成は、上述したものの他、例
えば複数の直方体等の可撓性部材をフェライトチップ1
02に張り付けして代えることも可能である。さらに、
ケース11の形状は筆記具を模した形状に限られず、フ
ェライトチップ102、Oリング103、フェライトコ
ア104、基板ホルダー12、基板13、コンデンサ1
4、同調回路15等を内蔵できる構成であれば特に限定
されず、その他の細部構成についても、特許請求の範囲
に記載した技術思想の範囲内において種々の変更が可能
なのはいうまでもない。
【0161】また、上記第1の実施の形態では、フェラ
イトチップ102、Oリング103、及びフェライトコ
ア104をケース11の先端側に設ける構成としたが、
本発明はこれに限定されるものではなく、ケース11の
後端側に設けても良い。以下、この場合について、図1
2を参照し、変形例として説明する。
【0162】[変形例]図12は、本発明の第1の実施
の形態における変形例として、入力ペン80の構成を示
す断面図である。図12において、81はケース、82
は基板ホルダー、83は基板、84は芯である。また、
図1に示す入力ペン10と同様に構成されるものについ
ては、同符号を付して説明を省略する。
【0163】図12に示す入力ペン80は、ケース11
と同様に、ボールペンやシャープペンシル等の一般的な
筆記具を模して形成された小型の合成樹脂あるいは金属
製のケース81内に、各部を収容して構成される。ケー
ス81の先端には、ケース81の内外に挿通する棒状の
芯84が配設され、芯84の基端部は基板ホルダー82
の一端に固定されている。基板ホルダー82には基板8
3が固定され、基板83には、コンデンサ14を含む各
種素子が実装されている。これら基板83に実装された
各種素子、コンデンサ14及びコイル105を含んで同
調回路15が構成される。
【0164】基板ホルダー82の他端にはフェライトコ
ア104が固定されており、フェライトコア104は、
Oリング103を介してフェライトチップ102に対向
する。そして、フェライトチップ102は、ケース81
の基端部において、ケース81の内面に固定されてい
る。
【0165】入力ペン80は、入力ペン10と同様に、
略平板状のタブレット20(図2)の上で、通常の筆記
具と同じくケース11の先端を下方に向けて保持され、
芯84をタブレット(図2)に押しつけるように操作さ
れる。
【0166】つまり、入力ペン80の操作時には、芯8
4がケース81の内部に押し込まれる。すると、芯84
とともに基板ホルダー82が押圧されるので、基板ホル
ダー82に固定されたフェライトコア104が、ケース
81の基端部側、即ちフェライトチップ102側へ押圧
される。そして、フェライトコア104を介して加わる
押圧力によってOリング103が弾性変形し、フェライ
トコア104と突起102aとが接近する。
【0167】従って、入力ペン80の操作時には、入力
ペン10の操作時と同様に突起102aとフェライトコ
ア104とが接近し、コイル105のインダクタンスが
変化する。このため、入力ペン10に代えて入力ペン8
0を用い、タブレット20の上で操作すると、座標入力
装置1によって、入力ペン80の操作により指示された
座標位置を検知することができる。
【0168】このように、上記第1の実施の形態におけ
る入力ペン10は、芯101側にフェライトチップ10
2を設ける構成としたことで、例えばケース11が斜め
に傾いた状態で操作されても確実に操作に応答するとい
う効果を奏するものであり、より好適である。しかしな
がら、この点を除いては、図12に示す入力ペン80の
ように、フェライトチップ102がケース81の基端部
側に配設された構成であっても同様の効果を得ることが
可能である。
【0169】[第2の実施の形態]続いて、本発明の第
2の実施の形態について説明する。図15は、本第2の
実施の形態における入力ペン70の構成を示す断面図で
ある。なお、図15に示す入力ペン70を構成する各部
の材料については、上記第1の実施の形態における入力
ペン10の各部と共通である。
【0170】図15に示す入力ペン70は、入力ペン1
0と同様に座標入力装置1において座標を指示する目的
で操作者により操作されるペン型の座標指示器である。
入力ペン70は、後尾が開口した中空のケース701
と、ケース701の後尾開口部に嵌め込まれて該開口部
を塞ぐキャップ702、ケース701の中空部に収納さ
れる基板ホルダー703、基板ホルダー703に固定さ
れる基板704、基板704上に実装されるコンデンサ
705、コンデンサ705を含んで構成される同調回路
706、基板ホルダー703に当接して配置されたフェ
ライトコア708、フェライトコア708に巻回された
コイル709、フェライトコア708の先端面とOリン
グ711を介して対向するように配置されたフェライト
チップ710、および、フェライトチップ710に接し
て配置され、先端がケース701の先端から外へ突出す
る芯712等の各部を備えて構成される。さらに、入力
ペン70においては、基板ホルダー703の基端部とキ
ャップ702との間には緩衝部材707が介設される。
なお、以下において、入力ペン70が備える各部につい
てはケース701の先端側を「先端部」、ケース701
の後尾側を「基端部」と称して説明する。
【0171】なお、基板704、コンデンサ705、同
調回路706およびコイル709の各部は、上記第1の
実施の形態における基板13、コンデンサ14、同調回
路15およびコイル105と同様に構成され、同等の機
能を有するものであるから、ここでは説明を省略する。
【0172】入力ペン70の先端においてはケース70
1が開口しており、この開口部からケース701の先端
が突出する。ケース701は、円盤状の基端部と、この
基端部に立設された棒状部とで構成され、基端部はフェ
ライトチップ710に接している。フェライトチップ7
10は、Oリング711を挟んでフェライトコア708
に対向する。なお、フェライトチップ710は、上記第
1の実施の形態におけるフェライトチップ102の突起
102aと同様の突起を有している。さらにフェライト
コア708は、フェライトチップ710と基板ホルダー
703とに挟まれるように配置され、基板ホルダー70
3の基端部は、緩衝部材707を介してキャップ702
に接している。そして、芯712、フェライトチップ7
10、Oリング711、フェライトコア708、基板ホ
ルダー703、キャップ702およびケース701は同
一軸線上に配置されている。緩衝部材707は、発泡ウ
レタンやゴム等の弾性体により構成されたものである。
【0173】ここで、入力ペン70の先端部の構成につ
いて詳細に説明する。図16は、入力ペン70の先端部
を拡大して示す要部拡大図である。図16に示すよう
に、ケース701の内側に設けられた中空部の内径は、
入力ペン70の先端部に向かって3段階に細くなり、入
力ペン70の基端部側から順に図中符号A,B,Cで示
す段部が形成されている。このうち、段部Aとケース7
01の基端部との間において、ケース701の中空部に
は基板ホルダー703等の各部が収容される。フェライ
トコア708の先端は段部Bに接し、基端部分が基板ホ
ルダー703の先端に当接する。また、芯712の基端
部は段部Cに接し、段部Cと段部Bとの間において、芯
712の基端部、フェライトチップ710およびOリン
グ711が収容された構成となっている。
【0174】基板ホルダー703の先端には、ケース7
01の先端側へ向かって突出するコア保持突起721が
形成されており、コア保持突起721は、フェライトコ
ア708の基板ホルダー703側に穿設された穴と嵌合
する。これにより、フェライトコア708と基板ホルダ
ー703とは、入力ペン70の横断面方向へずれないよ
うに固定される。
【0175】さらに、芯712の基端部の円盤状部分に
は、ケース701の基端部側へ向かって突出するチップ
保持突起722が形成され、チップ保持突起722は、
フェライトチップ710の芯712側に穿設された穴と
嵌合する。これにより、フェライトチップ710と芯7
12とは、入力ペン70の横断面方向へずれないよう固
定される。
【0176】以上のように構成される入力ペン70にお
いて、ケース701の中空部に収容された基板ホルダー
703とフェライトコア708は、先端側は段部Bによ
り固定され、基端部側は緩衝部材707を介してキャッ
プ702によって固定される。このため、基板ホルダー
703とフェライトコア708は、緩衝部材707の弾
性力によって固定される。また、フェライトチップ71
0および芯712は、先端側は段部Cにより固定され、
基端部側はOリング711を介してフェライトコア70
8により固定されている。このため、フェライトチップ
710および芯712は、Oリング711が屈曲可能な
範囲において、入力ペン70の基端部側へ移動すること
が可能となる。
【0177】入力ペン70の操作時には、入力ペン70
の先端がタブレット20(図2)表面に押しつけられる
ことにより、芯712がケース701の内部側へ押し込
まれ、芯712とともにフェライトチップ710がケー
ス701の基端部側へ移動する。これにより、フェライ
トコア708に巻回されたコイル709のインダクタン
スが変化することにより、座標入力装置1によって入力
ペン70の操作を検出できる。
【0178】そして、入力ペン70においては、基板ホ
ルダー703とフェライトコア708が緩衝部材707
の弾性力によって固定され、さらに、フェライトチップ
710と芯712とが段部CとOリング711に挟まれ
た構成となっているので、入力ペン70の非操作時に芯
712がケース701の外側へ脱落することも、フェラ
イトコア708や芯712が遊動することも無いので、
座標入力装置1の使用感をより快適なものとすることが
できる。
【0179】また、基板ホルダー703とフェライトコ
ア708とはコア保持突起721により固定され、芯7
12とフェライトチップ710とはチップ保持突起72
2によって固定されるので、基板ホルダー703とフェ
ライトコア708、或いは芯712とフェライトチップ
710とを接着する必要がない。一般に、摺動時の耐久
性を有する樹脂に対して接着剤を用いた場合、強固な接
着力を得ることが難しい。入力ペン70によれば、芯7
12や基板ホルダー703を、接着剤を用いることなく
固定することができるので、耐久性に優れた入力ペン7
0を実現できる上、製造時の工数と作業負担を削減する
ことで、容易に低コストで製造できる。
【0180】さらに、フェライトコア708の製造時に
おける公差により、フェライトコア708の長手方向の
サイズが、設計上のサイズからずれてしまうことがあ
る。入力ペン70においては、公差によってフェライト
コア708の長手方向のサイズが違っても、緩衝部材7
07の弾性によって公差を吸収することが可能である。
これにより、製造時の工数と作業負担をさらに削減し、
より一層低コストで容易に製造できる。
【0181】また、入力ペン70に衝撃が加わった場
合、この衝撃をOリング711とともに緩衝部材707
によって吸収することができるので、より耐久性に優れ
た入力ペン70を実現できる上、良好な操作性を永く保
つことができる。そして、耐久性に優れることから入力
ペン70をさらに細く構成することもできる。
【0182】なお、本第2の実施の形態において、フェ
ライトコア708の製造上の公差による長手方向のずれ
が明らかな場合、リング状に形成された樹脂片等を用い
て公差を補正することもできる。図17は、図16と同
様に入力ペン70の要部を拡大して示す断面図である。
【0183】前述のように、基板ホルダー703の先端
部とフェライトコア708の基端部とはコア保持突起7
21により固定されている。そこで、リング状に形成さ
れたリング型フィルム723を、コア保持突起721に
嵌め込むように装着し、基板ホルダー703とフェライ
トコア708との間にリング型フィルム723が介在す
る構成とすることができる。リング型フィルム723
は、PET(ポリエチレンテレフタレート)等の樹脂製
のフィルムであって、その厚さは、例えば0.1mmで
ある。また、リング型フィルム723は中央に孔を有
し、孔の径はコア保持突起721の外径と同程度または
それ以上である。
【0184】例えばフェライトコア708の長手方向の
サイズが、設計上のサイズより0.3mm短いことが明
らかな場合、0.1mm厚のリング型フィルム723を
コア保持突起721に3枚嵌め込むことにより、基板ホ
ルダー703とフェライトコア708とが0.3mm離
隔される。これにより、フェライトコア708が設計上
のサイズ通りに形成された場合と同様に、入力ペン70
を組み立てることができる。
【0185】なお、同様に、リング型フィルム723と
同様のフィルムを、チップ保持突起722に嵌め込むよ
うに装着することにより、フェライトチップ710の長
手方向のサイズが設計上のサイズとずれた場合に、ずれ
を補正することが可能となる。
【0186】また、リング型フィルム723はフェライ
トコア708の公差を補正して基板ホルダー703とフ
ェライトコア708とを固定する目的で設けられるもの
であるから、リング型フィルム723を用いずに緩衝部
材707のみによって基板ホルダー703とフェライト
コア708とを固定することも可能である。しかしなが
ら、入力ペン70にスイッチを設けた場合、リング型フ
ィルム723を用いることが好ましい。以下、入力ペン
70にスイッチを設けた場合について説明する。
【0187】図18は、図15に示す入力ペン70にス
イッチ73を設けてなる入力ペン71の構成を示す断面
図である。なお、入力ペン71において、入力ペン70
と同一の構成によってなる部分については、同符号を付
して説明を省略する。
【0188】図18中に破線で示すように、入力ペン7
1の側面には、操作者により押圧操作されるスイッチ7
3が設けられている。スイッチ73はケース701の外
装に組み付けられるスイッチであり、基板704上に
は、スイッチ73の押圧操作を検知するための検知部
(図示略)が設けられている。ケース701およびスイ
ッチ73はいずれも合成樹脂等により構成されるので、
製造上の公差は無視できる程度であり、ケース701に
おけるスイッチ73の位置はほぼ一定である。
【0189】ここで、フェライトコア708の製造上の
公差を緩衝部材707の弾性により吸収しようとする
と、基板ホルダー703の位置、すなわち基板704の
位置が、入力ペン71の軸方向に沿って移動することに
なる。基板704が移動すると、スイッチ73の位置
と、スイッチ73の押圧操作を検知する検知部(図示
略)の位置がずれる可能性があるため、好ましいとは言
えない。一方、フェライトコア708の製造上の公差を
リング型フィルム723によって吸収する構成とすれ
ば、フェライトコア708のサイズに関係なく基板ホル
ダー703の位置すなわち基板704の位置は一定であ
る。このため、スイッチ73の位置と、スイッチ73の
押圧操作を検知する検知部(図示略)の位置がずれる恐
れが無い。
【0190】なお、基板ホルダー703とフェライトコ
ア708との間に介設されるリング状の部材は、リング
型フィルム723に限らず、フェライトコア708の公
差に応じたサイズで所定の弾性を有する部材であれば良
く、いわゆるOリングを用いて同様の効果を得ることも
可能である。このOリングは、例えば線径0.4mm、
外径2.2mm、内径1.4mmのサイズに構成する
と、入力ペン71のサイズからみて好適であるが、外径
及び内径は入力ペン71のサイズに応じて変化させても
良く、線径はフェライトコア708の公差により変更さ
せても良い。また、Oリングの材質としては、例えば硬
度70のNBR(ニトリルゴム)が好適である。フェラ
イトコア708の公差として0.4mmの公差を吸収す
るためには、0.1mm厚のリング型フィルム723を
用いると4枚のリング型フィルム723を重ねることと
なるが、線径0.4mmのOリングを用いれば、部品点
数が1個で済む。このため、フェライトコア708の公
差が微細な値に収まらない場合、上記Oリングをコア保
持突起721に嵌め込むように装着し、フェライトコア
708の公差を吸収させれば、作業工程を複雑化するこ
となく確実に公差を補正できる。
【0191】なお、以上の第2の実施の形態における入
力ペン70,71の構成は、あくまで好適な一例を示す
ものであり、例えばリング型フィルム723や上記Oリ
ングを用いる代わりに緩衝部材707を省いて構成する
ようにしても良く、その他、各部を構成する材料等の具
体的な細部構成についても、本発明の趣旨を逸脱しない
限りにおいて任意に変更可能である。
【0192】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、コアの端面には開口部を設ける必要が無い
ので、コアを細く形成して、非常に細いペン型座標指示
器を実現することができる。また、操作時にコイルのイ
ンダクタンスが増大して、該コイルを含むLC共振回路
の共振周波数が低い方へシフトするので、可変コンデン
サを用いた座標指示器と同様の動作を行うペン型座標指
示器を、より簡単な構成により、安価で実現できる。
【0193】請求項2記載の発明によれば、弾性体によ
り操作後の復元動作がスムーズに行われるので、操作性
の良いペン型座標指示器を簡単な構成によって実現でき
る。また、コイルのインダクタンスの変化量から弾性体
の変形量を求め、操作時に加えられた力を求めることも
可能である。
【0194】請求項3記載の発明によれば、操作時にコ
イルのインダクタンスが顕著に変化し、弾性体の弾力に
比較して大きい力が加わった場合にはコアと磁性体とが
非常に近接し、或いは接触して、コイルのインダクタン
スがより大きく変化するので、応答が良好で操作性の良
いペン型座標指示器を実現できる。
【0195】請求項4記載の発明によれば、初期状態に
おける弾性体とコアの間隔を小さくし、操作時にコアと
磁性体とを速やかに接近させることで、応答が良好で操
作性の良いペン型座標指示器を実現できる。さらに、非
操作時にコアと磁性体とを離隔させておくための構成と
しては弾性体を挟んでおけば良いので、構造の複雑化を
避けられる。
【0196】請求項5記載の発明によれば、比較的小さ
い力で弾性体が変形するので、操作時の抵抗が小さく、
軽い力で操作可能なペン型座標指示器を実現できる。
【0197】請求項6記載の発明によれば、操作時の抵
抗が小さく、比較的弱い力で操作可能なペン型座標指示
器を実現できる。また、突出部により弾性体を支持させ
て、コア、磁性体及び弾性体の相対位置のずれを防止
し、より信頼性の高いペン型座標指示器を実現できる。
さらに、コアと磁性体との間に弾性体を配設する際の位
置合わせが容易である。
【0198】請求項7記載の発明によれば、操作者の操
作に対して確実に磁性体が移動し、例えば操作者がケー
スを傾けて操作した場合のように、操作による力が伝達
されにくい場合であっても、操作者の操作に確実に応答
し、操作性の良いペン型座標指示器を実現できる。ま
た、芯を細くすることにより、ケースの細型化と操作性
の向上を図ることができる。
【0199】請求項8記載の発明によれば、コアがケー
スの中空部から外側へ移動しないように段によって支持
されているので、本発明のペン型座標指示器の使用中等
にコアが動くことが無く、がたつきの無い安定した操作
感を実現することができる。また、コアを固定するため
に接着のような手法を用いる必要がなく、本発明を適用
したペン型座標指示器は少ない工数で容易に製造可能で
ある。
【0200】請求項9記載の発明によれば、第2の弾性
体の弾性によってコアを支持することができる上、コア
の長手方向のサイズに公差が生じた場合であっても、こ
の公差を第2の弾性体の弾性によって吸収することが可
能となり、コアの公差に関わらずコアを確実に支持する
ことができ、安定した操作感を実現できる。また、本発
明を適用したペン型座標指示器は、コアの公差を補正す
る必要がないため、少ない工数で容易に製造可能であ
る。
【0201】請求項10記載の発明によれば、コア保持
突起とコアの凹部とが嵌合し、さらに第2の弾性体と支
持部材とによってコアが支持されることで、コアを確実
に支持することができる。これにより、本発明のペン型
座標指示器の使用中等にコアが動くことが無く、がたつ
きの無い安定した操作感を実現することができる。ま
た、コアを固定するために接着のような手法を用いる必
要がなく、本発明を適用したペン型座標指示器は少ない
工数で容易に製造可能である。
【0202】請求項11記載の発明によれば、コアの長
手方向のサイズに公差が生じた場合、この公差に相当す
る厚みを有する調整部材を用いれば公差を補正できる。
これにより、コアの公差に関わらずコアを確実に支持す
ることができるので、安定した操作感を実現できる。ま
た、本発明を適用したペン型座標指示器は、コアの公差
を容易に補正できるので、少ない工数で簡単に製造可能
である。さらに、コアの公差を補正する際に、ケース内
においてコアより基端部側の各部には影響を及ぼさない
ので、例えばスイッチ等を有するペン型座標指示器に対
しても容易に適用可能である。
【0203】請求項12記載の発明によれば、第2の段
によって芯がケースの外側へ移動しないように保持され
るので、がたつきの無い安定した操作感を実現すること
ができる。また、芯を固定するために芯と磁性体を接着
する等の手法を用いる必要がなく、本発明を適用したペ
ン型座標指示器は少ない工数で容易に製造可能である。
【0204】請求項13記載の発明によれば、磁性体保
持突起と磁性体の凹部とが嵌合することで磁性体と芯が
互いに一体となって支持されるので、芯がケースの外側
へ向かって移動したりケースの横断面方向に動くことが
なく、がたつきの無い安定した操作感を実現することが
できる。また、芯を固定するために芯と磁性体を接着す
る等の手法を用いる必要がなく、本発明を適用したペン
型座標指示器は少ない工数で容易に製造可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る入力ペン10
の構成を示す断面図である。
【図2】図1の入力ペン10を含んでなる座標入力装置
1の構成を示す回路図である。
【図3】図2のタブレット20の要部構成を示す分解斜
視図であり、詳細には、タブレット20を構成するX方
向のループコイル群21及びY方向のループコイル群2
2の配置状態を示す図である。
【図4】図2の座標入力装置1における各信号を示すタ
イミングチャートである。
【図5】図2の制御回路30の動作を示すフローチャー
トである。
【図6】図2のタブレット20における信号検出動作を
示すタイミングチャートであり、(a)はタブレット2
0のループコイルへ送出される正弦波信号を示し、
(b)は送信期間と受信期間の切替状態を示し、(c)
はタブレット20のループコイルにおける検出電圧を示
す。
【図7】図1のフェライトチップ102に形成された突
起102aの高さと、図2に示す座標入力装置1におけ
る検知状態の関係を示す図であり、(a)は入力ペン1
0に加わる荷重と座標入力装置1により検知される筆圧
とに関する試験結果のグラフを示し、(b)は同図
(a)の試験条件を示す図である。
【図8】図1の入力ペン10におけるフェライトチップ
102及びフェライトコア104の構成例を示す断面図
であり、(a)は図1に示した構成例を示し、(b)は
フェライトチップ601及びフェライトコア602を用
いた構成例を示し、(c)はフェライトチップ603及
びフェライトコア604を用いた構成例を示す。
【図9】図1のフェライトチップ102及びフェライト
コア104に代わる構成例を示す図であり、(a)はフ
ェライトチップ611及びフェライトコア612を用い
た構成を示す断面図であり、(b)はフェライトチップ
614及びフェライトコア615を用いた構成を示す断
面図であり、(c)はフェライトチップ616及びフェ
ライトコア617を用いた構成を示す断面図である。
【図10】図1のフェライトチップ102に代わる構成
例を示す図であり、(a)はフェライトチップ611の
構成を示す斜視図であり、(b)は、同図(a)とはさ
らに異なる構成例としてのフェライトチップ618を示
す斜視図である。
【図11】図1の入力ペン10が有するフェライトチッ
プ102の突起102a、及び、Oリング103の構成
例を示す図であり、(a)は図1に示した突起102a
の構成を示す斜視図であり、(b)はフェライトチップ
605の構成を示す斜視図であり、(c)はフェライト
チップ606の構成を示す斜視図である。また、図9
(d)は、Oリング103の構成を示す斜視図であり、
(e)はOリング103の構成を示す断面図である。
(f)はOリング607の構成を示す斜視図であり、
(g)はOリング607の構成を示す断面図である。
【図12】本発明の第1の実施の形態における変形例と
して、入力ペン80の構成を示す断面図である。
【図13】従来のペンタブレットにおける入力ペンの一
例として、入力ペン90の構成を示す断面図である。
【図14】図1のフェライトチップ102に形成された
突起102aの高さと、座標入力装置1における検知状
態の別の例を示す図であり、(a)は入力ペン10に加
わる加重と座標入力装置1により検知される筆圧とに関
する試験結果を示すグラフであり、(b)は同図(a)
に示す試験の条件を示す図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態における入力ペン
70の構成を示す断面図である。
【図16】図15に示す入力ペン70の先端部を示す要
部拡大図である。
【図17】図15に示す入力ペン70の先端部を示す要
部拡大図である。
【図18】本発明の第2の実施の形態における入力ペン
70にスイッチ73を設けてなる入力ペン71の構成を
示す断面図である。
【符号の説明】
1 座標入力装置 10,70,71 入力ペン 11,701 ケース 12,703 基板ホルダー 13,704 基板 14,705 コンデンサ 15,706 同調回路 101,712 芯 102,710 フェライトチップ 102a 突起 103,711 Oリング 104,708 フェライトコア 105,709 コイル 707 緩衝部材 721 コア保持突起 722 チップ保持突起 723 リング型フィルム 73 スイッチ A,B,C 段部 20 タブレット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金田 剛典 埼玉県北埼玉郡大利根町豊野台2丁目510 番地1 株式会社ワコム内 Fターム(参考) 5B068 AA05 BD02 BD07 BD23

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 位置を測定する位置検出装置に対し、そ
    の測定すべき位置を指示するとともに操作者の操作を通
    知するペン型座標指示器であって、 開口部の無い端面を有するコアに巻回されたコイルと、 このコイルの軸線に沿って、前記コアの端面に対向して
    配設される磁性体とを備え、 前記コアと前記磁性体とは離隔しており、操作者の操作
    に応じて接近することを特徴とするペン型座標指示器。
  2. 【請求項2】 前記コアの端面と前記磁性体との間に介
    設される弾性体をさらに備えることを特徴とする請求項
    1記載のペン型座標指示器。
  3. 【請求項3】 前記弾性体は、前記コアの端面において
    は該端面の一部においてのみ接触し、前記磁性体の面の
    うち前記コアの端面に対向する対向面においては該対向
    面の一部においてのみ接触しており、前記コアの端面の
    一部と前記磁性体の対向面の一部とが、間に前記弾性体
    を介さずに対向することを特徴とする請求項2記載のペ
    ン型座標指示器。
  4. 【請求項4】 前記コアの端面と、前記磁性体において
    前記コアの端面に対向する対向面との少なくともいずれ
    か一方には、前記弾性体の厚みよりも低い突出部が形成
    されてなることを特徴とする請求項2又は3記載のペン
    型座標指示器。
  5. 【請求項5】 前記弾性体は、前記コアの端面と前記磁
    性体の対向面とに連通する貫通孔を有する環状部材であ
    って、 前記突出部は、前記弾性体が有する貫通孔内に向かって
    突出するものであることを特徴とする請求項4記載のペ
    ン型座標指示器。
  6. 【請求項6】 前記弾性体は前記コアの端面及び前記磁
    性体の対向面に対して線接触する環状部材であり、 前記突出部は、前記弾性体の内側面に沿った側面を有す
    るものであり、 前記磁性体及び前記コアはいずれも円柱形状であること
    を特徴とする請求項5記載のペン型座標指示器。
  7. 【請求項7】 ペン型のケース内に前記コア及び前記磁
    性体を収容してなり、該ケースの先端には該ケース内外
    に挿通する芯を備え、 前記磁性体は前記芯の基端部に連結されることを特徴と
    する請求項1から6のいずれかに記載のペン型座標指示
    器。
  8. 【請求項8】 前記コア及び前記磁性体を収容する前記
    ケースの中空部には、前記ケースの先端側において、当
    該中空部の内径が狭まる段が形成され、 前記コアは、前記磁性体に対向する端面が前記ケースの
    中空部に形成された段に当接するように配置されること
    を特徴とする請求項7記載のペン型座標指示器。
  9. 【請求項9】 前記コアの前記磁性体に対向しない側の
    端面と、前記ケースの中空部における基端部との間に介
    設される第2の弾性体を備えることを特徴とする請求項
    7または8記載のペン型座標指示器。
  10. 【請求項10】 前記コアの前記磁性体に対向しない側
    の端面と、前記第2の弾性体との間に介設される支持部
    材をさらに備え、 前記支持部材は、前記コアの端面に向かって突出するコ
    ア保持突起を備え、 前記コアの前記支持部材に接する端面には、前記コア保
    持突起と嵌合する凹部が形成されてなることを特徴とす
    る請求項9記載のペン型座標指示器。
  11. 【請求項11】 前記支持部材と前記コアの端面との間
    に介設される調整部材をさらに備えることを特徴とする
    請求項10記載のペン型座標指示器。
  12. 【請求項12】 前記コア及び前記磁性体を収容する前
    記ケースの中空部には、前記ケースの先端側において、
    当該中空部の内径が狭まる第2の段が形成され、 前記芯の基端部には前記ケースの横断面に平行な平面部
    が形成されてなり、 前記芯は、前記ケースの中空部に形成された第2の段に
    前記平面部が接するように配置されることを特徴とする
    請求項7から11のいずれかに記載のペン型座標指示
    器。
  13. 【請求項13】 前記芯の基端部に形成された平面部に
    は、さらに前記磁性体の端面に向かって突出する磁性体
    保持突起が形成され、 前記磁性体の前記芯に接する端面には、前記磁性体保持
    突起と嵌合する凹部が形成されてなることを特徴とする
    請求項12記載のペン型座標指示器。
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