JP2006163798A - 座標指示器、および、座標入力装置 - Google Patents

座標指示器、および、座標入力装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 筆圧検出機能を有する座標入力装置において、座標指示器が傾いた状態で操作された場合であっても、ユーザの筆圧を正確に検出できるようにする。
【解決手段】 棒状のケース11にコイル16を内蔵する入力ペン10において、ケース11の先端から一部が突出する芯101と、ケース11内で芯101と一体に移動可能なフェライトコア121と、ケース11内においてフェライトコア121とは所定距離離隔して固定配置され、コイル16が巻回されたフェライトコア131とを備え、フェライトコア121に突起部121aが形成され、フェライトコア131には、突起部121aに対向する表面形状を有する嵌合部131aが形成されている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、タブレットと組み合わせて使用される座標指示器、および、この座標指示器を含んで構成される座標入力装置に関する。
近年、コンピュータ等の入力デバイスとして、ペンタブレットと呼ばれる座標入力装置が知られている。この座標入力装置は、ペン型の座標指示器と、操作面となる平板状のタブレットとによって構成され、ユーザは、座標指示器を手に持ってタブレット上で操作を行う。従来の座標入力装置は、ユーザがペン座標指示器を手に持って操作した場合に、ユーザが加えた力、すなわち筆圧を検出する機能を有する(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1に開示された座標指示器は、ペン型の筐体と、この筐体の先端から突出する芯とを備え、ユーザの筆圧により芯が筐体内に押し込まれる。筐体内には、芯の移動量に応じて互いに接近する2個のフェライトコアが内蔵され、一方のフェライトコアにはコイルが巻回されている。このため、ユーザの操作によって芯が筐体に押し込まれると、2個のフェライトコアが接近し、コイルのインダクタンスが変化する。このコイルのインダクタンスの変化を検出することにより、ユーザの筆圧が検出される。
特開2002−244806号公報
上記従来の座標指示器は、筐体内に押し込まれる芯の移動量に基づき、ユーザの筆圧を検出するため、ユーザの操作の仕方によっては、筆圧を正確に検出できない場合があるという問題があった。
すなわち、ユーザが座標指示器を垂直に立てて操作を行った場合は、ユーザの筆圧が芯を押し込む方向に加わり、上記した2個のフェライトコアが接近する。このとき、ユーザが加えた筆圧と芯が押し込まれる移動量とは略比例することとなり、正確に筆圧筆圧を検出できる。
しかしながら、ユーザが座標指示器を斜めに傾けて操作した場合、芯がタブレットの操作面に対して斜めに押し付けられ、ユーザの筆圧が芯に対して斜めに加わる。この場合、芯は、筆圧によって筐体の軸よりもさらに大きく傾斜しながら押し込まれるように移動する。このため、ユーザが加えた筆圧と、芯が押し込まれる移動量とが比例せず、ユーザの筆圧を正確に検出できないという問題があった。
そこで、本発明は、筆圧検出機能を有する座標入力装置において、座標指示器が傾いた状態で操作された場合であっても、ユーザの筆圧を正確に検出できるようにすることを目的としている。
上記課題を解決するため、本発明は、少なくとも一つのコイルを棒形状の筐体に内蔵し、このコイルと外部の位置検出装置との間の電磁誘導作用により、前記位置検出装置に対して位置を指示する座標指示器において、前記筐体の一端からその一部が突出し、前記筐体内に前記筐体に対して相対的に移動可能に支持された芯部と、前記芯部に固定され、前記筐体内で当該芯部と一体に移動可能な第1の磁性体と、前記筐体内に前記第1の磁性体とは所定距離離隔して固定配置され、前記コイルが巻回された第2の磁性体と、を備え、前記第1の磁性体あるいは前記第2の磁性体のうちいずれか一方の磁性体に設けられ、所定の凹形状を有する凹部と、前記他方の磁性体に設けられ、前記凹部に対向する表面形状を有し、前記他方の磁性体に向けて突設された凸部とを備えたことを特徴とする。
さらに、本発明において、前記筐体の先端に、前記芯部がその軸に対して横方向の成分を含む外力を受けた場合に、当該芯部に当接するリング部材をさらに備える構成としてもよい。
また、本発明において、前記凸部が円錐台形状に形成され、前記凹部が、前記凸部を収容する円錐台形状に形成された構成としてもよい。
また、本発明において、前記凸部が半球形状に形成され、前記凹部が、前記第凸部を収容する半球形状に形成された構成としてもよい。
さらに、本発明において、前記第1の磁性体と前記第2の磁性体とを離隔した状態で保持する弾性体を備える構成としてもよい。
この場合、前記弾性体を、前記第1の磁性体と前記第2の磁性体とに接する板状部材またはリング状部材としてもよい。
また、この場合、前記弾性体を、前記第1の磁性体と前記第2の磁性体とに接する球体としてもよい。
さらに、本発明において、前記筐体がペン型形状を有する構成としてもよい。
本発明は、少なくとも一つのコイルを棒形状の筐体に内蔵した座標指示器と、前記座標指示器のコイルとの間の電磁誘導作用により、前記座標指示器により指示される位置を検出する位置検出装置とを含んで構成される座標入力装置において、前記座標指示器は、前記筐体の一端からその一部が突出し、前記筐体内に前記筐体に対して相対的に移動可能に支持された芯部と、前記芯部に固定され、前記筐体内で当該芯部と一体に移動可能な第1の磁性体と、前記筐体内に前記第1の磁性体とは所定距離離隔して固定配置され、前記コイルが巻回された第2の磁性体と、を備え、前記第1の磁性体あるいは前記第2の磁性体のうちいずれか一方の磁性体に設けられ、所定の凹形状を有する凹部と、前記他方の磁性体に設けられ、前記凹部に対向する表面形状を有し、前記他方の磁性体に向けて突設された凸部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、芯に対して加わる力の方向が筐体の軸に沿った方向であっても、斜めの方向であっても、共振回路の共振周波数が、芯に加わる力に応じて(略比例して)確実に変化するので、位置検出装置において芯に加わる力を正確に検出することができる。
以下、図面を参照しつつ本発明を適用した実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る座標入力装置1の概略構成を示す図である。図1に示すように、座標入力装置1は、ユーザが手に持って操作する入力ペン(座標指示器)10と、入力ペン10の操作台となる平面(以下、操作面という。)を有するタブレット20(位置検出装置)と、タブレット20と同一筐体に収容され、タブレット20上における入力ペン10の位置を検出する検出装置(位置検出装置)100と、を含んで構成される。また、検出装置100は、後述する電子機器49に外部接続される。
入力ペン10は、ボールペン等の一般的な筆記具を模した形状となっていて、ユーザは、入力ペン10を手に持ち、タブレット20の操作面において、あたかも文字や絵を描くように操作を行う。
図2は、入力ペン10の構成を示す一部破断図である。この図2には、入力ペン10の非操作状態を示す。
図中、11はケース(筐体)、12a、12bは基板ホルダー、13は基板、14はコンデンサ、15は共振回路、16はコイル、101は芯(芯部)、121はフェライトコア(第1の磁性体)、121aは突起部(凸部)、131はフェライトコア(第2の磁性体)、131aは嵌合部(凹部)、141は弾性板(弾性体)、161はリング(リング部材)である。
ケース11は、筆記具を模して形成された合成樹脂(ABS樹脂等)製の筐体であって、図2に示すように中空となっている。ケース11の一端は先細りに形成され、この端には孔が穿設されており、この孔に、ケース11の内外に挿通する棒状の芯101が配設される。
以下の説明においては、芯101側の一端をケース11の先端とし、反対側の一端をケース11の基端とする。
基板13は、コンデンサ14等が実装されたプリント基板等であり、ケース11の先端側に位置する基板ホルダー12aと、ケース11の基端側に位置する基板ホルダー12bとに挟まれて、ケース11内に固定されている。なお、コンデンサ14は公知の素子である。そして、基板13上に実装されたコンデンサ14を含む素子と、後述するコイル16とを含んで共振回路15が構成される。
ケース11内においては、基板ホルダー12aに接してフェライトコア131が配設され、フェライトコア131は弾性板141を介してフェライトコア121に対向し、フェライトコア121の先端側には芯101が固定されている。なお、芯101とフェライトコア121とは、接着等の手段により固定されていてもよいし、あるいは、フェライトコア121に窪みを形成し、この窪みに芯101の基端部を嵌め込むことによって固定される構成としてもよい。
フェライトコア121は、例えばソフトフェライト等のフェライト磁石を円柱形状に形成した片体であり、フェライトコア131は、フェライト磁石をフェライトコア121より長尺の円柱形状に形成した棒状部材である。フェライトコア121とフェライトコア131とは同径に形成される。
また、フェライトコア131の側面にはコイル16が巻き回され、このコイル16は基板13に実装されたコンデンサ14等に電気的に接続され、これらコンデンサ14等とともに共振回路15を構成する。
弾性板141は、シリコンゴム等の弾性体により構成され、入力ペン10の非操作状態において、フェライトコア121とフェライトコア131とを所定の距離だけ離隔させる。弾性板141は、入力ペン10の操作時に押圧力が加わると弾性変形して、フェライトコア121とフェライトコア131とが接近する。また、弾性板141は、押圧力が消失した場合には、元の状態に復元し、フェライトコア121とフェライトコア131とを上記所定の距離だけ離隔させた状態を保つ。
芯101は、ケース11の先端に穿設された孔の内側において、ケース11の内外に挿通するよう配設された棒状部材であり、先端部分は先細りに形成されている。入力ペン10の操作時には、芯101はタブレット20の操作面に押し付けられ、当該操作面上を摺動させる等して、入力ペン10の操作面から外力を受ける。この芯101は、摺動時の摩擦に対する耐性を考慮して、ポリアセタール樹脂(ジュラコン)等の合成樹脂製であることが好ましい。
また、芯101の基端部はフェライトコア121の先端側に固定され、入力ペン10の操作時に外力が加わると、芯101はフェライトコア121とともに、ケース11の内部に向けて、あるいはケース11を傾ける方向に変位する。
さらに、ケース11の先端に穿設された孔の縁において、ケース11の内側にはリング161が配設される。リング161は、芯101の側面を囲むように位置し、入力ペン10の非操作状態においては芯101に接触しないが、後述するように芯101に対して斜め方向の外力が加わった場合に、芯101の側面に当接する。この場合、芯101が直接ケース11の内面に当接しないので、リング161により芯101を保護することができる。
図3(a)〜(c)および図4(a)〜(c)は、入力ペン10の先端部分の構成および操作状態を示す要部拡大断面図である。
図3(a)は入力ペン10がタブレット20の操作面に対して垂直に保持された状態を示し、図3(b)は、図3(a)に示す状態で入力ペン10に鉛直方向の外力が加わった状態を示し、図3(c)は、図3(b)に示す状態で、さらに大きい同方向の外力が入力ペン10に加わった状態を示す。図4(a)は、入力ペン10がタブレット20の操作面に対して斜めに保持された状態を示し、図4(b)は、図4(a)に示す状態で入力ペン10に鉛直方向の外力が加わった状態を示し、図4(c)は、図4(b)に示す状態で、さらに大きい同方向の外力が入力ペン10に加わった状態を示す。
なお、以下の説明においては、フェライトコア121とフェライトコア131とが対向する面において、当該対向面の外周側の端部を、それぞれ対向面端部121b、対向面端部131bとする。
図3(a)に示すように、フェライトコア121において、フェライトコア131に対向する側には円錐台形状の突起部121aが形成され、フェライトコア131に向かって凸になっている。また、フェライトコア131において、フェライトコア121に対向する側には、円錐台形状の凹部である嵌合部131aが形成されている。嵌合部131aは、突起部121aとほぼ同じか大きいサイズに形成され、嵌合部131aに突起部121aが収まるようになっている。そして、弾性板141は、突起部121aと嵌合部131aとの対向面において、突起部121aと嵌合部131aとの両方の表面に密着するように、コーン型に形成されている。なお、弾性板141は、弾性体をコーン型に形成したものを突起部121aと嵌合部131aとの間に挟んだものであってもよいし、あるいは、流動性を有する材料を突起部121aと嵌合部131aとの間に充填して硬化させ、弾性を持たせたものであってもよい。
続いて、入力ペン10の操作について説明する。
図3(a)に示す非操作状態では、入力ペン10は、タブレット20の操作面に対して垂直に立てられている。ここで入力ペン10が操作され、図3(b)中に矢印で示すように、芯101の先端に鉛直方向の外力が加わると、この外力により弾性板141が弾性変形して、芯101がケース11内に押し込まれる。これにより、芯101とともにフェライトコア121がフェライトコア131に近づく方向に変位し、フェライトコア121とフェライトコア131とが接近する。この図3(b)に示す状態で、さらに大きい外力が芯101に加わると、図3(c)に示すように、弾性板141がより大きく弾性変形し、フェライトコア121とフェライトコア131とがさらに接近する。
そして、フェライトコア121とフェライトコア131との間の距離が変化することで、フェライトコア131に巻回されたコイル16のインダクタンスが変化するため、共振回路15の共振周波数が変化する。したがって、検出装置100によって共振回路15の共振周波数の変化を検出することで、芯101に加わる外力、すなわち、ユーザが入力ペン10をタブレット20に押し付ける際の筆圧を検出できる。
また、図4(a)に示すように、タブレット20の操作面に対して入力ペン10が傾いた状態、すなわち芯101がタブレット20の操作面に斜めに接する状態において、入力ペン10をタブレット20の操作面に押し付ける操作が行われると、図4(b)の図中矢印で示すように、鉛直(タブレット20の操作面に対して垂直)方向の外力が加わる。この場合、芯101に対して斜めに外力が加わり、芯101が横に押されてリング161に当接する。ここで、芯101はフェライトコア121と一体となってリング161との接点を支点として回転しようとするので、弾性板141が弾性変形することにより、フェライトコア121が変位して、突起部121aの側面が嵌合部131aに接近する。また、フェライトコア121の変位により、フェライトコア121とフェライトコア131との対向面において、外周側の端部である対向面端部121bと対向面端部131bとが、互いに接近する。このため、フェライトコア121とフェライトコア131との間の距離が小さくなり、フェライトコア131に巻回されたコイル16のインダクタンスが変化する。
さらに、図4(b)に示す状態で、さらに同方向の大きな外力が芯101に加わった場合、図4(c)に示すように、芯101はフェライトコア121とともに大きく変位し、フェライトコア121とフェライトコア131との間の距離がより小さくなる。これにより、コイル16のインダクタンスは、より大きく変化する。
このように、入力ペン10の操作時には、入力ペン10の芯101がタブレット20の操作面に対して垂直に位置する場合に加え、芯101がタブレット20の操作面に対して斜めに位置する場合も、芯101に加わる外力により芯101とともにフェライトコア121が変位し、突起部121aが嵌合部131aに接近する。これにより、フェライトコア121とフェライトコア131との間の距離が変化して、コイル16のインダクタンスが変化する。コイル16のインダクタンスは、フェライトコア121とフェライトコア131との間の距離が縮まるほど、大きく変化するので、コイル16のインダクタンスの変化を直接または間接的に検出することにより、芯101に加わる外力すなわち筆圧を検出できる。
図5は、座標入力装置1の構成を詳細に示す回路図である。また、図6は、タブレット20の要部構成を示す分解斜視図であり、詳細には、タブレット20を構成するX方向のループコイル群21およびY方向のループコイル群22の配置状態を示す図である。図7は、検出装置100における信号の変化を示すタイミングチャートである。図7のタイミングチャートにおいては、実質的に同一の信号について、符号を併記して一個のチャートのみを図示する。
以下、図5〜図7の各図を参照して、座標入力装置1が備えるタブレット20および検出装置100について説明する。
検出装置100は、制御回路30、信号発生回路31、X方向選択回路32、Y方向選択回路33、送受切替回路34、35、XY切替回路36、受信タイミング切替回路37、帯域フィルタ(BPF:Band Pass Filter)38、検波器39、低域フィルタ(LPF:Low Pass Filter)40、位相検波器(PSD:Phase Shift Detector)41、42、低域フィルタ(LPF)43、44、駆動回路45、46、増幅器47、48を備えており、これらの各部はタブレット20と同一の筐体に納められる。
また、検出装置100は、表示装置50および出力装置51を備える電子機器49に接続される。
電子機器49は、入力ペン10の操作により入力を行うことが可能な機器であって、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等によってなる表示装置50を一体として、もしくは外部に具備したパーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)、無線通信機能を有する携帯端末装置等として構成される。また、出力装置51は、電子機器49に一体、もしくは電子機器49側に外部接続された印刷装置、無線通信装置、各種ディスクドライブ、各種半導体メモリデバイス等として構成される。
図6に示すように、タブレット20は、図中符号Xで示す方向へ延びるX方向のループコイル群21と、図中符号Yで示す方向へ延びるY方向のループコイル群22とを備えて構成される。なお、図中符号XおよびYで示す方向は、同一平面上において互いに直交する。
X方向のループコイル群21は、X方向に沿って互いに平行で且つ重なり合う如く配置された多数のループコイル、例えば48本のループコイル21-1、21-2、…、21-48を備えている。また、Y方向のループコイル群22は、Y方向に沿って互いに平行で且つ重なり合う如く配置された多数のループコイル、例えば上記と同じく48本のループコイル22-1、22-2、…、22-48を備えている。
X方向のループコイル群21とY方向のループコイル群22とは、互いに密接して重ね合わされ、さらに図示しない非金属材料からなる平板状のケースに収容されている。なお、図6中においては、理解の便宜を図るため、ループコイル群21とループコイル群22とを離して図示している。また、符号21-1〜21-48、22-1〜22-48で示す各ループコイルは1ターンで構成されるものとして図示しているが、必要に応じて複数ターンをなす構成としてもよい。
図5に示す制御回路30は周知のマイクロプロセッサ等により構成され、信号発生回路31を制御するとともに、選択回路32、33を介してタブレット20の各ループコイルの切替を制御する。このループコイルの切替動作については図8のフローチャートを参照して後述する。また、制御回路30は、XY切替回路36および受信タイミング切替回路37に対し、座標検出方向の切替を制御する。さらに制御回路30は、低域フィルタ40、43、44からの出力値をアナログ・ディジタル(A/D)変換し、後述する演算処理を実行して入力ペン10による指示位置の座標値を求めるとともに、受信信号の位相を検出して、これらを電子機器49に送出する。
選択回路32は、X方向(図6)のループコイル群21から一のループコイルを順次選択するものである。また、選択回路33はY方向(図6)のループコイル群22より一のループコイルを順次選択するものである。これら選択回路32、33は、それぞれ制御回路30からの情報に従って動作する。
送受切替回路34は、選択回路32により選択されたX方向の一のループコイルを駆動回路45並びに増幅器47に交互に接続するものである。また、送受切替回路35は、選択回路33により選択されたY方向の一のループコイルを駆動回路46並びに増幅器48に交互に接続するものであって、送受切替回路34、35は後述する送受切替信号Cに従って動作する。
信号発生回路31は、所定の周波数f0、例えば500kHz(キロヘルツ)の矩形波信号A、該矩形波信号Aの位相を90度遅らせた信号B、所定の周波数fk(例えば16.625kHz)の送受切替信号C、および、受信タイミング信号Dを生成して出力する。
信号発生回路31から出力された矩形波信号Aは、そのまま位相検波器41に送出されるとともに、図示しない低域フィルタにより正弦波信号Eに変換され、さらにXY切替回路36を介して駆動回路45、46のいずれか一方へ送出される。また、信号発生回路31から出力される矩形波信号Bは位相検波器42へ送出され、送受切替信号Cは送受切替回路34、35に送出され、さらに、受信タイミング信号Dは受信タイミング切替回路37に送出される。
制御回路30からX方向を選択する情報が出力され、XY切替回路36および受信タイミング切替回路37に入力されている状態では、信号発生回路31から出力される正弦波信号Eは駆動回路45に送出されて平衡信号に変換され、さらに送受切替回路34に送出される。ここで、送受切替回路34は、送受切替信号Cに基づいて駆動回路45または増幅器47のいずれか一方を切り替えて接続するので、送受切替回路34から選択回路32に出力される信号は、時間T(=1/2fk)毎、上記例によれば32μsec(マイクロ秒)毎に、500kHzの信号の出力/停止が繰り返される信号Fとなる。そして、送受切替回路34から出力される信号Fは、選択回路32を介して、タブレット20におけるX方向の一のループコイル21-i(i=1、2、…、48)に送出され、該ループコイル21-iにおいては信号Fに基づく電波が発生する。
ここで、信号Fが出力されている期間を送信期間とし、信号Fが出力されていない期間を受信期間とする。図7のタイミングチャートに示すように、送信期間と受信期間とは上記時間T毎に、交互に繰り返される。
タブレット20上において、入力ペン10が使用状態に保持されると、ループコイル21-iから発生した電波によって入力ペン10のコイル16(図2)が励振され、共振回路15(図2)において、信号Fに同期した誘導電圧Gが発生する。
その後、送受切替回路34の動作によって信号Fが出力されていない期間、即ち受信期間に入るとともにループコイル21-iが増幅器47側に切り替えられると、該ループコイル21-iからの電波は直ちに消滅するが、入力ペン10の共振回路15に生じた誘導電圧Gは、共振回路15内の損失に応じて徐々に減衰する。
そして、誘導電圧Gに基づいて共振回路15を流れる電流により、コイル16から電波が発信される。コイル16から発信された電波によって、増幅器47に接続されたループコイル群21-iが励振され、該ループコイル群21-iにはコイル16からの電波による誘導電圧が発生する。この誘導電圧は、受信期間の間のみ送受切替回路34から増幅器47に送出され、増幅されて受信信号Hとなって受信タイミング切替回路37に送出される。
受信タイミング切替回路37には、X方向またはY方向の選択情報のいずれか一方、ここではX方向の選択情報と、実質的に送受切替信号Cの反転信号である受信タイミング信号Dとが入力されている。受信タイミング切替回路37は、信号DがHighレベルの期間は受信信号Hを出力し、Lowレベルの期間は何も出力しないため、実質的に受信信号Hと同一の信号Iを帯域フィルタ38に出力する。
帯域フィルタ38は、周波数f0を固有の振動数とするセラミックフィルタであり、信号I中の周波数f0成分のエネルギーに応じた振幅を有する信号Jを検波器39および位相検波器41、42に送出する。厳密には、帯域フィルタ38は、数個の信号Iが帯域フィルタ38に入力され収束した状態において、これらの信号Jを検波器39および位相検波器41、42に送出する。
検波器39に入力された信号Jは検波・整流され、信号Kとされた後、さらに遮断周波数の充分低い低域フィルタ40によって振幅のほぼ1/2に対応する電圧値Vxiを有する直流信号Lに変換され、制御回路30に送出される。
信号Lの電圧値Vxiは、ループコイル21-iに誘起される誘導電圧に基づくものであり、入力ペン10とループコイル21-iとの間の距離に依存した値、ここではほぼ距離の4乗に反比例した値を示す。このため、ループコイル21-iが異なるループコイルに切り替えられると、当該ループコイルにおける信号Lの電圧値Vxiは異なる値となる。
したがって、制御回路30において、ループコイル毎に得られる電圧値Vxiをディジタル値に変換し、これらに後述する演算処理を実行することにより、各ループコイルと入力ペン10との位置関係を求めることにより、入力ペン10による指示位置のX方向の座標値が求められる。また、入力ペン10による指示位置のY方向の座標値についても同様にして求められる。
一方、位相検波器41には、信号発生回路31により発生された矩形波信号Aが検波信号として入力され、位相検波器42には、矩形波信号Aと位相が90度遅れた矩形波信号Bが検波信号として入力されている。そして、信号Jの位相が矩形波信号Aの位相とほぼ一致している場合は、位相検波器41は信号Jを全波整流した場合と同様の波形を有する信号M1を出力し、また、位相検波器42は正側および負側に対称な波形を有する信号M2を出力する。なお、位相検波器41から出力される信号M1は実質的に信号Kと同一である。
信号M1は、上記の信号Kと同様に、低域フィルタ43によって信号Jの振幅のほぼ1/2に対応する電圧値、即ちVxiを有する直流信号N1に変換され制御回路30に送出される。ここで、直流信号N1は実質的に信号Lと同一である。また、信号M2は、同様に低域フィルタ44によって直流信号N2に変換され、制御回路30に送出されるが、図7に示す例では位相検波器42からの信号M2において正側および負側の成分が同一であるため、低域フィルタ44の出力の電圧値は0V(ボルト)となる。
制御回路30は、低域フィルタ43、44の出力値、ここでは信号N1、N2をディジタル値に変換し、得られたディジタル値を用いて下記式(1)で示される演算処理を実行することにより、位相検波器41、42に加わった信号、ここでは信号Jと矩形波信号Aとの位相差θを求める。
θ=−tan-1(VQ/VP)…(1)
上記式(1)で、VPは低域フィルタ43の出力に対応するディジタル値を、また、VQは低域フィルタ44の出力に対応するディジタル値を示す。例えば、前述した信号Jの場合、信号N1の電圧値はVxiであるが、信号N2の電圧値は0V、即ちVQ=0であるから位相差θ=0゜となる。
ところで、信号Jの位相は、入力ペン10の共振回路15における共振周波数に対応して変化する。即ち、共振回路15における共振周波数が所定の周波数f0と一致している場合、共振回路15には信号の送信期間および受信期間とも周波数f0の誘導電圧が発生し、また、これに同期した誘導電流が流れるため、受信信号H(またはI)の周波数および位相は矩形波信号Aと一致することになり、信号Jの位相も矩形波信号Aと一致する。
一方、共振回路15における共振周波数が所定の周波数f0と一致していない場合、例えば周波数f0よりわずかに低い周波数f1(f1<f0、かつ、f1がf0とほぼ等しい)の場合は、送信期間において共振回路15には周波数f0の誘導電圧が発生するが、この誘導電圧により共振回路15には位相遅れを伴う誘導電流が流れる。そして、受信期間においてはほぼ周波数f1の誘導電圧が生じ、これに同期した誘導電流が流れるため、受信信号H(またはI)の周波数は矩形波信号Aの周波数よりわずかに低く、また、その位相もやや遅れたものとなる。
前述したように、帯域フィルタ38は周波数f0のみを固有の振動数とするものであるから、その入力信号の低い方への周波数のずれは位相遅れとして出力されることになり、したがって、信号Jの位相は受信信号H(またはI)よりさらに遅れたものとなる。
また、逆に共振回路15における共振周波数が所定の周波数f0よりわずかに高い場合、例えば周波数f2(f1>f0、かつ、f2がf0とほぼ等しい)の場合、送信期間において共振回路15には周波数f0の誘導電圧が発生し、共振回路15には位相進みを伴う誘導電流が流れる。また、受信期間においてはほぼ周波数f2の誘導電圧およびこれに同期した誘導電流が流れるため、受信信号H(またはI)の周波数は矩形波信号Aの周波数よりわずかに高く、また、その位相もやや進んだものとなる。帯域フィルタ38において、その入力信号の高い方への周波数のずれは、前述した場合とは逆に位相進みとして出力されることになり、したがって、信号Jの位相は受信信号H(またはI)よりさらに進んだものとなる。
前述のように、入力ペン10においては、操作時にフェライトコア102がフェライトコア104に接近する。したがって、入力ペン10の操作時にはコイル105のインダクタンスが増大し、共振回路15の共振周波数は低い周波数に変化する。この共振周波数の変化は、コイル16のインダクタンスの変化量に対応する。コイル16のインダクタンスは、フェライトコア121とフェライトコア131との接近の度合いに応じて変化するものであり、芯101およびフェライトコア121の変位量、すなわち弾性板141の変形量に対応する。そして、弾性板141の変形量は、弾性板141に加わる外力に応じたものとなるから、制御回路30によって上記式(1)で示される演算処理により得られた位相差θの値をもとに、入力ペン10の操作時に芯101に加わった力を検出できる。
次に、図8および図9に従って、検出装置100による座標検出動作および位相検出動作について詳細に説明する。図8は検出装置100の動作を示すフローチャートである。また、図9は、図8に示す動作における各信号の状態を示すタイミングチャートであり、図9において、(a)はタブレット20のループコイルへ送出される正弦波信号を示し、(b)は送信期間と受信期間の切替状態を示し、(c)はタブレット20のループコイルにおける検出電圧を示す。
以下に説明する動作においては、タブレット20における入力ペン10の位置のX座標をxp、Y座標をypと表記する。
まず、検出装置100の電源が投入され、測定開始状態になると、制御回路30(図5)は、XY切替回路36および受信タイミング切替回路37に対してX方向を選択する情報を送出するとともに、タブレット20が有するX方向のループコイル21-1〜21-48(図6)のうち、最初のループコイル21-1を選択する情報を選択回路32に送り、該ループコイル21-1を送受切替回路34に接続する。
続いて、送受切替回路34は、信号発生回路31から出力された送受切替信号Cに基づいて、ループコイル21-1を駆動回路45並びに増幅器47に交互に接続する。このとき、駆動回路45は、32μsecの送信期間において、図9中に(a)で示すような500kHzの16個の正弦波信号を該ループコイル21-1へ出力する。
上記の送受切替回路34、35による送信および受信の切替は、図9中に(b)で示すように一のループコイル、ここでは21-1に対して7回繰り返される。この7回の送信および受信の繰返し期間が、一のループコイルの選択期間(448μsec)に相当する。
この448μsecの選択期間には、一のループコイルに対して7回の受信期間が含まれ、増幅器47の出力としては受信期間毎に誘導電圧が得られる。ここで得られる誘導電圧は、前述したように受信タイミング切替回路37を介して帯域フィルタ38に送出されて平均化され、検波器39、位相検波器41、42および低域フィルタ40、43、44を経て制御回路30に送出される。
そして、制御回路30は、低域フィルタ40の出力値をA/D変換して入力し、入力ペン10とループコイル21-1との距離に依存した検出電圧、例えばVx1として一時記憶する。
次いで、制御回路30は、ループコイル21-2を選択する情報を選択回路32へ送出し、該ループコイル21-2を送受切替回路34に接続させる。そして、入力ペン10とループコイル21-2との距離に比例した検出電圧Vx2を得てこれを記憶し、以後、同様にループコイル21-3〜21-48を順次、送受切替回路34に接続させて、図7(c)に示すようなループコイル毎の入力ペン10とのX方向の距離に依存した検出電圧Vx1〜Vx48(但し、図9(c)にはその一部のみをアナログ的な表現で図示する。)を記憶する(以上、図8:ステップS1)。
なお、実際には、全てのループコイルで検出電圧を得る動作には時間がかかり非効率的であるため、入力ペン10の位置(xp)に最も近いループコイルを中心として、その前後の数本のループコイルのみについて検出電圧を得る。これら数本のループコイル以外のループコイルにおける検出電圧は無視できるほど小さい値であるため、検出電圧=0Vとみなして処理することとなる。
続いて、制御回路30は、上記ステップS1における処理により記憶した検出電圧の電圧値をチェックする(ステップS2)。このステップS2で実行されるレベルチェックにおいて、制御回路30は、検出電圧の最大値が検出レベルに達しているか否か、および、最大値の検出電圧を有するループコイルがどのループコイルであるかをチェックし、検出レベルに達していなければ以後の座標計算等を停止し、あるいは、次回の座標検出動作および位相検出動作において選択するループコイルの中心を設定する処理を行う。
そして、制御回路30は、検出電圧の電圧値が一定の検出レベル以上であるか否かを判別する(ステップS3)。ここで、検出電圧の電圧値が一定の検出レベルより下であれば(ステップS3:No)、再度、X方向の各ループコイルの選択および電圧検出を繰り返す。また、検出電圧の電圧値が一定の検出レベル以上であれば(ステップS3:Yes)、ステップS4に移行する。
ステップS4で、制御回路30は、XY切替回路36および受信タイミング切替回路37に対してY方向の選択情報を送出し、上記ステップS1の処理と同様にして選択回路33および送受切替回路35に切替を実行させ、電波を送受信した時の低域フィルタ40の出力値をA/D変換して得られる検出電圧、すなわち入力ペン10とY方向の各ループコイル22-1〜22-48との距離に依存した検出電圧を一時的に記憶する。
その後、制御回路30は、記憶した検出電圧のレベルチェックを実行し(ステップS5)、検出電圧が一定の検出レベル以上であるか否かを判別する(ステップS6)。
ここで、検出電圧が一定の検出レベルより下であれば(ステップS6:No)、再度、X方向の各ループコイルの選択および電圧検出へ戻る。また、検出電圧が一定の検出レベル以上であれば(ステップS6:Yes)、制御回路30は、記憶した電圧値から入力ペン10による指示位置のX方向およびY方向の座標値を算出する(ステップS7)。
ここで、ステップS7における処理について例を挙げて説明する。入力ペン10の位置座標を求める算出方法の一つとして、上述した検出電圧の極大値付近の波形を適当な関数で近似し、その関数の極大値の座標を求める方法がある。
例えば、図9(c)に示す最大値の検出電圧Vx3と、その両側の検出電圧Vx2およびVx4を2次関数で近似すると、次のようにして算出することができる。なお、下記式(2)〜(7)においては、各ループコイル21-1〜21-48の中心位置の座標値をx1〜x48とし、隣接するループコイルの中心位置どうしの間隔をΔxとする。
まず、各検出電圧と座標値については、下記式(2)、(3)、(4)が成り立つ。なお、下記式(2)〜(4)においてa、bは定数(a<0)である。
Vx2=a(x2−xp)2+b…(2)
Vx3=a(x3−xp)2+b…(3)
Vx4=a(x4−xp)2+b…(4)
また、各ループコイルの中心位置の座標値については、下記式(5)、(6)が成り立つ。
x3−x2=Δx…(5)
x4−x2=2Δx…(6)
ここで、上記式(5)、(6)を上記式(3)、(4)に代入して整理すると、下記式(7)が導かれる。
xp=x2+Δx/2{(3Vx2−4Vx3+Vx4)/(Vx2−2Vx3+Vx4)}…(7)
このように、各ループコイルからの検出電圧Vx1〜Vx48から、ステップS2のレベルチェックの際に求められた最大値の検出電圧と、その前後の検出電圧を抽出し、これらと該最大値の検出電圧が得られたループコイルの1つ前のループコイルの座標値(既知)とをもとにして、上記式(7)に相当する演算を行うことにより、入力ペン10のX方向の座標値xpを算出できる。また、入力ペン10のY方向の座標値ypについても、最大値の検出電圧および両側の検出電圧に基づき、同様の方法により算出できる。
その後、制御回路30は、X方向のループコイル21-1〜21-48(またはY方向のループコイル22-1〜22-48)のうち、最大の検出電圧が得られたループコイル(ピークコイル)を選択する情報を選択回路32(または選択回路33)に送出し(ステップS8)、入力ペン10に対する電波の送受信を複数回、例えば7回繰り返させ、低域フィルタ43、44から得られた出力値をA/D変換し(ステップS9)、上述したように、上記式(1)の演算処理によって位相差θを算出する(ステップS10)。
得られた位相差θは、制御回路30によって、例えば40゜加算する等の処理により調整され、筆圧を表す位相情報に変換されて、ステップS7で求められた入力ペン10による指示位置の座標値とともに、電子機器49へ出力される(ステップS11)。
以上のステップS1〜11に示す処理によって第1回目の座標検出動作および位相検出動作が終了すると、制御回路30は、第2回目以降の座標検出動作として、X方向のループコイル21-1〜21-48のうち、最大の検出電圧が得られたループコイルを中心として、その前後の一定数、例えば10本のループコイルのみを選択する情報を選択回路32に送出し、同様に、Y方向のループコイル22-1〜22-48のうち、最大の検出電圧が得られたループコイルを中心として、その前後の一定数(例えば、10本)のループコイルのみを選択する情報を選択回路33に送出する。そして、同様に出力値を得て入力ペン10による指示位置のX方向およびY方向の座標検出動作並びに位相検出動作を行い、得られた座標値および位相情報を電子機器49に転送し、以下、これら一連の処理を繰り返す。これにより、随時、入力ペン10による指示位置の座標と、操作時の筆圧に係る情報とを取得できる。
このように、本実施形態に係る座標入力装置1によれば、ユーザが入力ペン10を手に持ってタブレット20上で操作を行い、タブレット20の操作面における任意の点を指示した場合に、指示された点の位置座標を、検出装置100によって正確かつ速やかに検出することができる。
さらに、検出装置100は、ユーザが入力ペン10の芯101をタブレット20の操作面に押し付ける操作を行った場合、ユーザが入力ペン10に加えた力(いわゆる筆圧)を検出することが可能である。
すなわち、芯101がタブレット20の操作面に押し付けられた場合に、芯101に加わる外力により弾性板141が弾性変形して、芯101とともにフェライトコア121が変位してフェライトコア131に接近し、フェライトコア121とフェライトコア131との間の距離が小さくなる。これにより、フェライトコア131に巻回されたコイル16のインダクタンスが変化して、共振回路15の共振周波数が変化するので、検出装置100によって共振回路15の共振周波数の変化を検出することで、ユーザが入力ペン10に加えた力を検出できる。
特に、フェライトコア121とフェライトコア131との対向面においては、突起部121aおよび嵌合部131aが形成され、嵌合部131aに突起部121aが収まる格好となっている。このため、突起部121aの嵌合部131aに対向する面は、三次元的に対向している。
したがって、従来のように二つのフェライトコアが平面で対向している(二次元的に対向している)場合には、芯側のフェライトコアが斜めに傾いた場合に、一部はコイル側のフェライトコアに近接するものの、他の一部はコイル側のフェライトコアから離間することとなり、コイルのインダクタンス変化量が相殺され、共振回路の共振周波数の変化も微小になってしまっていたのに対し、芯101がその軸方向に移動しても、芯101がその軸方向に対して斜めに傾いた場合でも、突起部121aは、嵌合部131aに近接することとなり、いずれも場合も、コイル16のインダクタンス変化量が大きくなって共振回路15の共振周波数の変化量も大きくなる。
これらの結果、芯101に印加される外力の向きに拘わらず、外力の大きさに応じてコイル16のインダクタンスが変化し、印加された外力の大きさを検出装置100によって確実に検出することが可能となる。
したがって、本実施形態の構成によれば、タブレット20に体する入力ペン10の角度に拘わらず、ユーザが入力ペン10に加えた筆圧をより正確に検出できる。
さらに、ケース11の先端には、芯101の周囲を囲むリング161が配設されており、芯101が、芯101の軸に対して横方向の成分を含む外力(斜め方向または横方向の外力)を受けた場合に、芯101がリング161に当接し、その接点を支点として回転するように変位する。このため、リング161のサイズや位置を適宜調整し、芯101のタブレット20との接触点からリング161までの距離と、リング161からフェライトコア121までの距離の比を調整することにより、フェライトコア121を外力に応じて大きく変位させることができる。この場合、同じ大きさの外力が加わった場合に、突起部121aが嵌合部131aにより近い位置まで接近するので、コイル16のインダクタンスが大きく変化し、検出装置100によって外力の大きさを検出しやすくなるという効果が見込まれる。
なお、上記実施形態において、各種信号の周波数や動作に係る時間等はあくまで一例であって、例えば、ループコイル21-1〜21-48およびループコイル22-1〜22-48の数は48本に限定されず、タブレット20のサイズや検出精度等に応じて変更可能である。
また、上記実施形態においては、フェライトコア121の突起部121aは円錐台形状であり、嵌合部131aは円錐台形状の凹部として説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その他の形状とすることも可能である。以下、その一例について、変形例として説明する。
[変形例1]
図10は、第1の変形例としての入力ペン10の構成を示す要部拡大断面図であり、入力ペン10のケース11、基板ホルダー12a等の各部については図示を省略する。なお、上記実施形態と同様に構成される各部については同符号を用い、説明を省略する。
図10に示す構成では、上記実施形態におけるフェライトコア121に代えてフェライトコア122が配設され、フェライトコア131に代えてフェライトコア132が配設される。また、フェライトコア122とフェライトコア132との間には弾性板142が配設される。
フェライトコア122は、フェライトコア132と対向する面において、半球形状の突起部122aが形成されている。一方、フェライトコア132には、フェライトコア122と対向する面に、半球形状の凹部である嵌合部132aが形成され、嵌合部132aに突起部122aが所定距離離隔した状態で収まるよう構成されている。弾性板142は、弾性板141と同様に弾性を有する材料により構成され、突起部122aと嵌合部132aの両方に密着するようドーム状に形成される。
ここで、フェライトコア122とフェライトコア132とが対向する面において、当該対向面の外周側の端部を、それぞれ対向面端部122b、対向面端部132bとする。
図10に示す構成では、芯101に対して、芯101の軸に沿った方向に外力が加わった場合、芯101とともにフェライトコア122がケース11内に押し込まれる方向に変位し、弾性板142が押圧されて屈曲変形し、突起部122aが嵌合部132aに接近するので、フェライトコア122とフェライトコア132との間の距離が小さくなる。また、芯101の軸に対して斜め方向や横方向の外力が加わった場合、この外力によって芯101とフェライトコア122とが一体となって傾くように変位する。この場合、フェライトコア122の変位により、突起部122aが嵌合部132aに接近し、また、対向面端部122bと対向面端部132bとが接近するので、フェライトコア122とフェライトコア132との間の距離が小さくなる。
したがって、図10に示すように、半球形状の突起部122aを有するフェライトコア122と、半球形状の凹部である嵌合部132aを有するフェライトコア132とを用いた場合、芯101に外力が加わることにより、芯101に加わる外力の方向に関わらず、フェライトコア122とフェライトコア132との間の距離が変化し、コイル16のインダクタンスが変化する。このため、上記実施形態と同様に、タブレット20に対する入力ペン10の角度に関わらず、ユーザが入力ペン10に加えた力を確実に検出できるとの効果が得られる。
また、突起部122aおよび嵌合部132aを半球形状とすることにより、複雑な面を有する形状とした場合に比べて容易に製造可能であるという利点がある。
なお、本変形例2における弾性板142としては、弾性体を予めドーム形状に形成したものであってもよいし、あるいは、流動性を有する材料を突起部122aと嵌合部132aとの間に充填して硬化させ、弾性を持たせたものであってもよい。
また、上記実施形態においては、フェライトコア121とフェライトコア131との間に弾性板141が配設され、変形例1においてはフェライトコア122とフェライトコア132との間に弾性板142が配設された構成となっていた。これら弾性板141、142は必須のものではなく、非操作時においてフェライトコア121とフェライトコア131とを離隔した状態で保持するとともに、操作時に加わる外力により変形して、フェライトコア121とフェライトコア131とを接近させ、かつ、外力が消失した後に元の状態に復元するものであれば、コイルばね等を用いることも可能である。以下、その具体的な例について説明する。
[変形例2]
図11は、上記実施形態の第2の変形例としての入力ペン10の構成を示す要部拡大断面図であり、入力ペン10のケース11、基板ホルダー12a等の各部については図示を省略する。なお、上記実施形態と同様に構成される各部については同符号を用い、説明を省略する。
図11に示す構成では、上記実施形態における弾性板141に代えて、ばね143が配設されている。ばね143は、いわゆる押しばね(圧縮コイルばね)である。
ばね143の両端は、突起部121aの先端面と嵌合部131aの底部とに接着固定され、入力ペン10の非操作時においてフェライトコア121とフェライトコア131とを所定の距離だけ離隔させて保持する。
入力ペン10の操作により、芯101に対して芯101の軸方向の外力が加わり、芯101とともにフェライトコア121がケース11内に押し込まれる方向に変位しようとした場合、ばね143に対しては、ばね143を圧縮する方向に力が加わる。ここで、ばね143が圧縮変形することにより、突起部121aが嵌合部131aに接近して、フェライトコア121とフェライトコア131との間の距離が小さくなる。
また、芯101の軸に対して斜め方向の外力が芯101に加わった場合、芯101とフェライトコア121とが一体となって斜めに傾く方向に変位しようとする。この場合、ばね143には、ばね143の軸に対して横方向(せん断方向)の力が加わり、この力に応じてばね143が変形する。そして、ばね143の変形によってフェライトコア121が変位することにより、突起部121aが嵌合部131aに接近するとともに、対向面端部121bが対向面端部131bに接近する。これにより、フェライトコア121とフェライトコア131との間の距離が小さくなる。
したがって、図11に示すように、フェライトコア121とフェライトコア131とがばね143を介して対向する構成とした場合、芯101に外力が加わることにより、芯101に加わる外力の方向に関わらず、フェライトコア121とフェライトコア131との間の距離が変化し、コイル16のインダクタンスが変化する。このため、上記実施形態と同様に、タブレット20に対する入力ペン10の角度に関わらず、ユーザが入力ペン10に加えた力を確実に検出できる。
さらに、ばね143は弾性板141に比較して単純な形状であるから、製造コストの低減が期待できる。
[変形例3]
図12には、第3の変形例として、変形例1(図10)で上述した構成において、ばね143を用いた例を示す。図12に示す構成においては、フェライトコア122の突起部122aと、フェライトコア132の嵌合部132aとの間にばね143が配設され、ばね143の両端は、突起部122aの先端面と嵌合部132aの底部とに各々固定される。
図12に示す構成では、入力ペン10の非操作時において、ばね143の弾性により、フェライトコア122とフェライトコア132とが離隔した状態で保持される。そして、芯101に対して芯101の軸方向の外力が加わり、芯101とともにフェライトコア122がケース11内に押し込まれる方向に変位しようとした場合、ばね143に対して、ばね143を圧縮する方向に力が加わる。ここで、ばね143が圧縮変形することにより、突起部122aが嵌合部132aに接近して、フェライトコア122とフェライトコア132との間の距離が小さくなる。
また、芯101の軸に対して斜め方向の外力が芯101に加わった場合、芯101とフェライトコア122とが斜めに傾く方向に変位しようとする。この場合、ばね143には、ばね143の軸に対して横方向(せん断方向)の力が加わり、この力に応じてばね143が変形する。そして、ばね143の変形により、フェライトコア122が変位して、突起部122aが嵌合部132aに接近するとともに、対向面端部122bが対向面端部132bに接近する。これにより、フェライトコア122とフェライトコア132との間の距離が小さくなる。
したがって、図12に示すように、フェライトコア122とフェライトコア132とがばね143を介して対向する構成とした場合、芯101に外力が加わることにより、芯101に加わる外力の方向に関わらず、フェライトコア122とフェライトコア132との間の距離が変化し、コイル16のインダクタンスが変化する。このため、上記実施形態と同様に、タブレット20に対する入力ペン10の角度に関わらず、ユーザが入力ペン10に加えた力を確実に検出できる。
さらに、ばね143は弾性板142に比べて単純な形状であるから、製造コストの低減が期待できる。
[変形例4]
図13には、第4の変形例として、上記実施形態における入力ペン10において、弾性板141に代えてテーパーばね144を用いた例を示す。この変形例4においては、上記実施形態で説明したフェライトコア121とフェライトコア131との間に、テーパーばね144が配設される。
テーパーばね144は、いわゆる押しばね(圧縮コイルばね)であり、一端から他端に向けて徐々に幅および断面積が拡大するようテーパーが付された形状となっている。テーパーばね144の端のうち、幅広の端がフェライトコア121側となり、幅が狭い端がフェライトコア131側となって、フェライトコア121とフェライトコア131とに挟まれる。このため、円錐台形状の突起部121aがテーパーばね144の内部に入り込んだ格好となっている。なお、テーパーばね144の両端が、フェライトコア121およびフェライトコア131に接着固定される構成としてもよいし、フェライトコア121とフェライトコア131とに挟まれてテーパーばね144が移動しない状態が保たれる場合は、特に接着等を施さなくてもよい。
図13に示す構成では、入力ペン10の非操作時において、テーパーばね144の弾性により、フェライトコア121とフェライトコア131とが離隔した状態で保持される。そして、芯101に対して芯101の軸方向の外力が加わり、芯101とともにフェライトコア121がケース11内に押し込まれる方向に変位しようとした場合、テーパーばね144に対しては、テーパーばね144を圧縮する方向に力が加わる。ここで、テーパーばね144が圧縮変形することにより、突起部121aが嵌合部131aに接近して、フェライトコア121とフェライトコア131との間の距離が小さくなる。
また、芯101の軸に対して斜め方向の外力が芯101に加わった場合、芯101とフェライトコア121とが一体となって斜めに傾く方向に変位しようとする。この場合、テーパーばね144には、テーパーばね144の軸に対して横方向(せん断方向)の力が加わり、この力に応じてテーパーばね144が変形する。そして、テーパーばね144の変形により、フェライトコア121が変位して、突起部121aが嵌合部131aに接近し、また、対向面端部121bが対向面端部131bに接近する。これにより、フェライトコア121とフェライトコア131との間の距離が小さくなる。
したがって、図13に示すように、フェライトコア121とフェライトコア131とがテーパーばね144を介して対向する構成とした場合、芯101に外力が加わることにより、芯101に加わる外力の方向に関わらず、フェライトコア121とフェライトコア131との間の距離が変化し、コイル16のインダクタンスが変化する。このため、上記実施形態と同様に、タブレット20に対する入力ペン10の角度に関わらず、ユーザが入力ペン10に加えた力を確実に検出できる。
さらに、テーパーばね144は、弾性板141に比べて単純な形状であり、フェライトコア121の突起部121aに被せるだけで取付可能であるから、製造コストの低減が期待できる。
[変形例5]
図14には、第5の変形例として、上記変形例1(図10)で説明した構成において、弾性板141に代えてテーパーばね144を用いた例を示す。この変形例5においては、上記実施形態で説明したフェライトコア122とフェライトコア132との間に、テーパーばね144が配設される。テーパーばね144の端のうち、幅広の端がフェライトコア122側となり、幅が狭い端がフェライトコア132側となって、フェライトコア122とフェライトコア132とに挟まれて固定される。このため、半球形状の突起部122aがテーパーばね144の内部に入り込んだ格好となっている。
図14に示す構成では、入力ペン10の非操作時において、テーパーばね144の弾性により、フェライトコア122とフェライトコア132とが離隔した状態で保持される。そして、芯101に対して芯101の軸方向の外力が加わり、芯101とともにフェライトコア122がケース11内に押し込まれる方向に変位しようとした場合、テーパーばね144に対しては、テーパーばね144を圧縮する方向に力が加わる。ここで、テーパーばね144が圧縮変形することにより、突起部122aが嵌合部132aに接近して、フェライトコア122とフェライトコア132との間の距離が小さくなる。
また、芯101の軸に対して斜め方向の外力が芯101に加わった場合、芯101とフェライトコア122とが一体となって斜めに傾く方向に変位しようとする。この場合、テーパーばね144には、テーパーばね144の軸に対して横方向(せん断方向)の力が加わり、この力に応じてテーパーばね144が変形する。そして、テーパーばね144の変形により、フェライトコア122が変位すると、突起部122aが嵌合部132aに接近し、また、対向面端部122bが対向面端部132bに接近するので、フェライトコア122とフェライトコア132との間の距離が小さくなる。
したがって、図14に示すように、フェライトコア122とフェライトコア132とがテーパーばね144を介して対向する構成とした場合、芯101に外力が加わることにより、芯101に加わる外力の方向に関わらず、フェライトコア122とフェライトコア132との間の距離が変化し、コイル16のインダクタンスが変化する。このため、上記実施形態と同様に、タブレット20に対する入力ペン10の角度に関わらず、ユーザが入力ペン10に加えた力を確実に検出できる。
さらに、テーパーばね144は、弾性板142に比べて単純な形状であり、フェライトコア122の突起部122aに被せるだけで取付可能であるから、製造コストの低減が期待できる。
[変形例6]
図15には、第6の変形例として、フェライトコアの外周に押しばねを配置した構成を示す。この図15に示す構成においては、上記実施の形態におけるフェライトコア121に代えてフェライトコア123が配設され、フェライトコア131に代えてフェライトコア133が配設される。
フェライトコア123は、フェライトコア121と同様に、円柱形状のフェライトの片体であり、フェライトコア133に対向する面において円錐台形状の突起部123aが形成されている。フェライトコア133は、円柱状のフェライトの棒状部材であり、フェライトコア123に対向する面には、円錐台形状の凹部である嵌合部133aが形成されている。
突起部123aおよび嵌合部133aはいずれも円錐台形状であり、嵌合部133aに突起部123aが収まる構成となっている。ここで、フェライトコア123とフェライトコア133とが対向する面において、当該対向面の外周側の端部を、それぞれ対向面端部123b、対向面端部133bとする。
また、フェライトコア123の一部は細径に形成されており、フェライトコア123の側面において、細径部分と他の部分との境界は段差となっている。一方、フェライトコア133の一部は細径に形成されており、フェライトコア133の側面において、細径部分と他の部分との境界は段差となっている。
そして、フェライトコア123の細径部分はフェライトコア133側にあり、フェライトコア133の細径部分はフェライトコア123側にある。すなわち、フェライトコア123とフェライトコア133との対向面において、互いの細径部分が連通する配置となっている。
そして、フェライトコア123の細径部分とフェライトコア133の細径部分とに跨るように、フェライトコア123およびフェライトコア133の側面には、ばね145が巻回されている。ばね145は、押しばね(圧縮コイルばね)であり、その両端は、フェライトコア123の側面における段差と、フェライトコア133の側面における段差とに、それぞれ係合している。
図15に示す構成では、入力ペン10の非操作状態において、フェライトコア123とフェライトコア133とは、ばね145の弾性によって互いに離隔した状態に保持される。そして、芯101に対して芯101の軸方向の外力が加わり、芯101とともにフェライトコア123がケース11内に押し込まれる方向に変位しようとした場合、ばね145に対しては、ばね145を圧縮する方向に力が加わる。ここで、ばね145が圧縮変形することにより、突起部123aが嵌合部133aに接近して、フェライトコア123とフェライトコア133との間の距離が小さくなる。
また、芯101の軸に対して斜め方向の外力が芯101に加わった場合、芯101とフェライトコア123とが斜めに傾く方向に変位しようとする。この場合、ばね145には、横方向(せん断方向)または、ばね145を撓ませる方向の力が加わり、この力に応じてばね145が変形する。そして、ばね145の変形により、フェライトコア123が変位することで、突起部123aが嵌合部133aに接近し、また、対向面端部123bが対向面端部133bに接近する。これにより、フェライトコア123とフェライトコア133との間の距離が小さくなる。
したがって、図15に示すように、フェライトコア123とフェライトコア133とが対向し、ばね145により支持される構成とした場合、芯101に外力が加わることにより、芯101に加わる外力の方向に関わらず、フェライトコア123とフェライトコア133との間の距離が変化し、コイル16のインダクタンスが変化する。このため、上記実施形態と同様に、タブレット20に対する入力ペン10の角度に関わらず、ユーザが入力ペン10に加えた力を確実に検出できる。
また、ばね145は、ばね143やテーパーばね144に比べて大きいサイズであり、より汎用的なものを利用できるので、製造コストの低減が期待できる。さらに、フェライトコア123およびフェライトコア133の外側に配設されることから、突起部123aおよび嵌合部133aの形状に関係なく取付可能である。
[変形例7]
図16には、第7の変形例として、変形例6(図15)の構成において、フェライトコア123に代えて、半球形状の突起部124aを有するフェライトコア124が配設され、フェライトコア133に代えて、半球形状の凹部である嵌合部134aを有するフェライトコア134が配設された構成を示す。
フェライトコア124は、フェライトコア123と同様に一部が細径に形成され、フェライトコア124の側面において、細径部分と他の部分との境界は段差となっている。
また、フェライトコア134は、フェライトコア133と同様に一部が細径に形成され、フェライトコア134の側面において、細径部分と他の部分との境界は段差となっている。さらに、フェライトコア124とフェライトコア134との対向面において、互いの細径部分が連通する配置となっている。
そして、フェライトコア124の細径部分とフェライトコア134の細径部分とに跨るように、フェライトコア124およびフェライトコア134の側面には、ばね145が巻回されている。ばね145の両端は、フェライトコア124の側面における段差と、フェライトコア134の側面における段差とに、それぞれ係合している。
突起部124aおよび嵌合部134aはいずれも半球形状であり、嵌合部134aに突起部124aが収まる構成となっている。また、フェライトコア124とフェライトコア134とが対向する面において、当該対向面の外周側の端部を、それぞれ対向面端部124b、対向面端部134bとする。
図16に示す構成では、入力ペン10の非操作状態において、フェライトコア124とフェライトコア134とは、ばね145の弾性によって互いに離隔した状態に保持される。そして、芯101に対して芯101の軸方向の外力が加わり、芯101とともにフェライトコア124がケース11内に押し込まれる方向に変位しようとした場合、ばね145に対しては、ばね145を圧縮する方向に力が加わる。ここで、ばね145が圧縮変形することにより、突起部124aが嵌合部134aに接近して、フェライトコア124とフェライトコア134との間の距離が小さくなる。
また、芯101の軸に対して斜め方向の外力が芯101に加わった場合、芯101とフェライトコア124とが斜めに傾く方向に変位しようとする。この場合、ばね145には、横方向(せん断方向)または、ばね145を撓ませる方向の力が加わり、この力に応じてばね145が変形する。そして、ばね145の変形により、フェライトコア124が変位することで、突起部124aが嵌合部134aに接近し、また、対向面端部124bが対向面端部134bに接近する。これにより、フェライトコア124とフェライトコア134との間の距離が小さくなる。
したがって、図16に示すように、フェライトコア124とフェライトコア134とが対向し、ばね145により支持される構成とした場合、芯101に外力が加わることにより、芯101に加わる外力の方向に関わらず、フェライトコア124とフェライトコア134との間の距離が変化し、コイル16のインダクタンスが変化する。このため、上記実施形態と同様に、タブレット20に対する入力ペン10の角度に関わらず、ユーザが入力ペン10に加えた力を確実に検出できる。
また、ばね145は、ばね143やテーパーばね144に比べて大きいサイズであり、より汎用的なものを利用できるので、製造コストの低減が期待できる。さらに、フェライトコア124およびフェライトコア134の外側に配設されることから、突起部124aおよび嵌合部134aの形状に関係なく取付可能である。
[変形例8]
図17には、第8の変形例として、上記実施形態の構成において、弾性板141を用いずに、フェライトコア121およびフェライトコア131の側面にばね145が配設された構成を示す。
ばね145は、フェライトコア121とフェライトコア131とに跨るように、フェライトコア121およびフェライトコア131の側面に巻き回される。ばね145の両端部は、それぞれ、フェライトコア121の側面およびフェライトコア131の側面に接着固定される。
図17に示す構成では、入力ペン10の非操作状態において、フェライトコア121とフェライトコア131とは、ばね145の弾性によって互いに離隔した状態に保持される。そして、芯101に対して芯101の軸方向の外力が加わり、芯101とともにフェライトコア121がケース11内に押し込まれる方向に変位しようとした場合、ばね145に対しては、ばね145を圧縮する方向に力が加わる。ここで、ばね145が圧縮変形することにより、突起部121aが嵌合部131aに接近して、フェライトコア121とフェライトコア131との間の距離が小さくなる。
また、芯101の軸に対して斜め方向の外力が芯101に加わった場合、芯101とフェライトコア121とが斜めに傾くように変位しようとする。この場合、ばね145には、横方向(せん断方向)または、ばね145を撓ませる方向の力が加わり、この力に応じてばね145が変形する。そして、ばね145の変形により、フェライトコア121が変位することで、突起部121aが嵌合部131aに接近し、また、対向面端部121bが対向面端部131bに接近するので、フェライトコア121とフェライトコア131との間の距離が小さくなる。
したがって、図17に示すように、フェライトコア121とフェライトコア131とが、ばね145により支持される構成とした場合、芯101に外力が加わることにより、芯101に加わる外力の方向に関わらず、フェライトコア121とフェライトコア131との間の距離が変化し、コイル16のインダクタンスが変化する。このため、上記実施形態と同様に、タブレット20に対する入力ペン10の角度に関わらず、ユーザが入力ペン10に加えた力を確実に検出できる。
さらに、図17に示す構成においては、フェライトコア121およびフェライトコア131の外側に段差を設ける等の加工を施す必要がないので、フェライトコア123やフェライトコア133を用いる場合に比べて、より簡単に実現可能である。
[変形例9]
図18には、第9の変形例として、上記実施形態の入力ペン10において、フェライトコア121とフェライトコア131との間に、弾性板141に代えて弾性球体146を介設し、さらに、フェライトコア121とケース11の内面との間に弾性を有するOリング147を配設した構成を示す。
弾性球体146およびOリング147は、いずれも合成ゴムまたは天然ゴム等の弾性を有する材料により構成され、外力に応じて弾性変形し、外力の消失後は元の状態に復元する。
Oリング147は、芯101の基端部、すなわち芯101とフェライトコア121との境界部分において、芯101の側面とケース11の内面とを離隔させるように配設される。
図18に示す構成では、入力ペン10の非操作状態において、フェライトコア121とフェライトコア131とは、弾性球体146の弾性によって互いに離隔した状態に保持される。そして、芯101に対して芯101の軸方向の外力が加わり、芯101とともにフェライトコア121がケース11内に押し込まれる方向に変位しようとした場合、弾性球体146に対しては、弾性球体146を圧縮する方向に力が加わる。ここで、弾性球体146が圧縮変形することにより、突起部121aが嵌合部131aに接近して、フェライトコア121とフェライトコア131との間の距離が小さくなる。
また、芯101の軸に対して斜め方向の外力が芯101に加わった場合、芯101とフェライトコア121とが斜めに傾く方向に変位しようとする。この場合、芯101は、ケース11の先端に穿設された孔の縁に当接し、この孔の縁を支点として回転するように、すなわち、芯101の基端部がケース11の内面に近づく方向に変位しようとする。このため、芯101の基端部においては、芯101がOリング147を押圧する力が加わる。この力により、Oリング147が弾性変形すると、芯101とともにフェライトコア121がケース11の内面に近づくように変位して、突起部121aが嵌合部131aに接近し、また、対向面端部121bが対向面端部131bに接近するので、フェライトコア121とフェライトコア131との間の距離が小さくなる。
したがって、図18に示すように、フェライトコア121とフェライトコア131とが弾性球体146により支持され、さらに、芯101がOリング147により支持される構成とした場合、芯101に外力が加わることにより、芯101に加わる外力の方向に関わらず、フェライトコア121とフェライトコア131との間の距離が変化し、コイル16のインダクタンスが変化する。このため、上記実施形態と同様に、タブレット20に対する入力ペン10の角度に関わらず、ユーザが入力ペン10に加えた力を確実に検出できる。また、弾性球体146およびOリング147は非常に単純な形状であり、安価に実現可能である上、突起部121aおよび嵌合部131aの形状に関わらず使用可能である。このため、弾性球体146を用いることで製造コストの低減が期待できる。
なお、弾性球体146に代えて、弾性体として、弾性球体146と同材料を円柱形状に形成したものを用いることも可能である。この場合、フェライトコア121、131と弾性体とが平面で当接するので、より一層の安定性の向上が期待できる。
さらに、弾性球体146に代えて、合成ゴムまたは天然ゴム等の弾性を有する材料により構成されるOリング(リング状部材)を配設することも可能である。この場合、突起部121aの先端にOリングが乗り、その上から嵌合部131aが被さり、突起部121aの先端と嵌合部131aの底部との間にOリングが挟まれる構成としてもよいし、或いは、突起部121aがOリングに嵌め込まれ、突起部121aの側面と嵌合部131aの側面とがOリングを挟んで対向するようにしてもよい。この場合も、弾性球体146を用いた場合と同様の効果が得られる。
[変形例10]
図19には、第10の変形例として、変形例9(図18)に示す構成において、Oリング147を排し、フェライトコア121の側面とケース11の内面との間にOリング148が配設され、フェライトコア131の側面とケース11との間にOリング149が配設された構成を示す。
図19に示す構成において、Oリング148およびOリング149は、いずれも合成ゴムまたは天然ゴム等の弾性を有する材料により構成され、外力に応じて弾性変形し、外力の消失後は元の状態に復元する。
Oリング148は、フェライトコア121の側面に巻き付くように配設され、フェライトコア121の側面とケース11の内面とに接し、フェライトコア121をケース11から離隔させて支持する。また、Oリング149は、フェライトコア131の側面に巻き付くように配設され、フェライトコア131の側面とケース11の内面とに接し、フェライトコア131を、ケース11から離隔させて支持する。
図19に示す構成では、入力ペン10の非操作状態において、フェライトコア121とフェライトコア131とは、弾性球体146の弾性によって互いに離隔した状態に保持される。そして、芯101に対して芯101の軸方向の外力が加わり、芯101とともにフェライトコア121がケース11内に押し込まれる方向に変位しようとした場合、弾性球体146に対しては、弾性球体146を圧縮する方向に力が加わる。ここで、弾性球体146が圧縮変形することにより、突起部121aが嵌合部131aに接近して、フェライトコア121とフェライトコア131との間の距離が小さくなる。
また、芯101の軸に対して斜め方向の外力が芯101に加わった場合、芯101とフェライトコア121とが斜めに傾く方向に変位しようとする。この場合、芯101は、ケース11の先端に穿設された孔の縁に当接し、この孔の縁を支点として回転するように変位しようとする。このため、フェライトコア121は、ケース11の内面に近づくように変位しようとして、Oリング148を押圧する力が加わる。この力により、Oリング148が弾性変形すると、フェライトコア121がケース11の内面に近づくように変位して、突起部121aが嵌合部131aに接近し、また、対向面端部121bが対向面端部131bに接近するので、フェライトコア121とフェライトコア131との間の距離が小さくなる。
したがって、図19に示すように、フェライトコア121とフェライトコア131とが弾性球体146により支持され、さらに、フェライトコア121がOリング148により支持される構成とした場合、芯101に外力が加わることにより、芯101に加わる外力の方向に関わらず、フェライトコア121とフェライトコア131との間の距離が変化し、コイル16のインダクタンスが変化する。このため、上記実施形態と同様に、タブレット20に対する入力ペン10の角度に関わらず、ユーザが入力ペン10に加えた力を確実に検出できる。また、弾性球体146、Oリング148およびOリング149は、いずれも非常に単純な形状であり、安価に実現可能である上、突起部121aおよび嵌合部131aの形状に関わらず使用可能である。このため、弾性球体146を用いることで製造コストの低減が期待できる。
なお、弾性球体146に代えて、弾性体として、弾性球体146と同材料を円柱形状に形成したものを用いることも可能である。この場合、フェライトコア121、131と弾性体とが平面で当接するので、より一層の安定性の向上が期待できる。
さらに、弾性球体146に代えて、合成ゴムまたは天然ゴム等の弾性を有する材料により構成されるOリング(リング状部材)を配設することも可能である。この場合、突起部121aの先端にOリングが乗り、その上から嵌合部131aが被さり、突起部121aの先端と嵌合部131aの底部との間にOリングが挟まれる構成としてもよいし、或いは、突起部121aがOリングに嵌め込まれ、突起部121aの側面と嵌合部131aの側面とがOリングを挟んで対向するようにしてもよい。この場合も、弾性球体146を用いた場合と同様の効果が得られる。
[変形例11]
図20には、第11の変形例として、変形例8(図17)に示す構成をケース11に収め、ケース11の先端部分を一部取り除いて芯101を大きく露出させた構成を示す。なお、図20においては、基板ホルダー12a、基板13等の各部は図示を省略する。また、図20に示す構成において、上記実施形態ならびに変形例1〜10と同様に構成される各部については同符号を付して説明を省略する。
図20に示す構成においては、上記変形例8(図17)と同様に、フェライトコア121とフェライトコア131とに跨るようにばね145が配設され、ばね145の両端は、フェライトコア121の側面とフェライトコア131の側面とにおいて、それぞれ接着固定されている。
また、図20に示す構成では、ケース11の先端部分が一部切除されたように短くなっており、芯101が、大きく露出する。このため、芯101が斜めに傾いた場合に、ケース11の先端の縁に当接しにくくなっている。このため、芯101が、芯101の軸に対して、より大きく傾くように変位するようになっている。従って、図20に示す構成によれば、芯101に対して斜め方向の外力が加わった場合に、芯101とともにフェライトコア121が大きく変位することにより、フェライトコア121とフェライトコア131との間の距離が大きく変位する。これにより、ユーザが入力ペン10に加えた力を確実に検出できる。
ここで、上記実施形態並びに変形例として示した構成を用い、実際に測定を行った結果を、実施例として示す。
[実施例]
図21は、本発明を適用した実施例における入力ペン10の構成を示す要部断面図である。なお、図21においては、基板ホルダー12a、基板13等の各部は図示を省略する。また、図21に示す構成において、上記実施形態ならびに変形例1〜10と同様に構成される各部については同符号を付して説明を省略する。
図21に示す構成においては、上記実施形態における入力ペン10において、フェライトコア121とフェライトコア131との間に、弾性板141に代えて弾性体150が介設され、さらに、フェライトコア121とケース11の内面との間に弾性を有するOリング151が配設されている。
弾性体150は、ゴム等の弾性を有する材料により構成された柱状部材であり、Oリング151は、ゴム等の弾性を有する材料により構成されたリング状部材である。
これら弾性体150およびOリング151は、いずれも外力に応じて弾性変形し、外力の消失後は元の状態に復元する。
そして、弾性体150により、フェライトコア121とフェライトコア131とは所定の距離だけ離隔して保持され、外力に応じて接近する。また、Oリング151により、フェライトコア121はケース11の内面から離隔した状態を保ち、芯101に対し、芯101を傾ける方向の外力が加わった場合には、Oリング151の弾性により、芯101およびフェライトコア121はケース11の内面に接近する。
図22は、芯101に荷重を加えた場合に検出装置100により検出された位相差を示す図表である。
図22においては、タブレット20の操作面の鉛直線と、芯101の軸とがなす角度をθとして、θを0度、30度、45度、53度、60度にした場合について、検出装置100により検出された位相差と、芯101に加わった荷重との関係をグラフに示す。例えばθ=0度であれば、芯101がタブレット20の操作面に対して垂直な場合に相当する。図中、(1)はθ=0度の場合、(2)はθ=30度の場合、(3)はθ=45度の場合、(4)はθ=53度の場合、(5)はθ=60度の場合を示す。
図22における縦軸は、検出装置100により検出された位相差Δφ(度)である。横軸は、芯101に対して加わる荷重(芯先鉛直荷重)の大きさを示す。芯先鉛直荷重とは、タブレット20の操作面に対して鉛直方向の荷重である。従って、例えばθ=0度の場合、芯先鉛直荷重は芯101の軸に沿った方向の荷重となり、θ=30度の場合、芯先鉛直荷重が加わる方向は、芯101の軸に対して30度の傾きを有する。
図22に(1)で示すように、θ=0度の場合、芯先鉛直荷重は芯101の軸に沿った方向に加わる。この場合、芯101に加わる荷重が増大すると、これに伴って検出装置100により検出される位相差が鋭く立ち上がっており、芯101に加わる荷重を検出装置100によって速やかに、かつ正確に検出できることを示している。この(1)の場合は、タブレット20の操作面に対し、入力ペン10を垂直に立てて操作を行った場合に相当する。
また、図22に(2)〜(5)で示す場合は、タブレット20の操作面に対して入力ペン10を傾けて操作を行った場合に相当する。これらの場合においては、芯先鉛直荷重は、芯101の軸に対して斜め方向から加わっている。これらの場合においても、検出装置100により検出される位相差は、芯101に加わる荷重に対して的確に応答し、鋭敏に立ち上がっている。特に、図中に(5)で示すθ=60度の場合には、入力ペン10をタブレット20の操作面に対してほぼ寝かせた状態で測定しているが、この場合においても、芯101に加わる荷重を検出装置100により確実に検出できることが明らかとなった。
そして、図22中に(1)〜(5)で示すいずれの場合においても、芯先鉛直荷重が350〜400(gf)に達するまでの間、検出装置100により検出される位相差は殆ど同じように立ち上がっている。このことから、タブレット20の操作面に対する入力ペン10の角度に拘わらず、芯101に加わる荷重を同じように検出できることが明らかである。従って、入力ペン10を傾けた状態で操作しても、入力ペン10を垂直に立てて操作した場合と変わりなく、荷重を検出できるといえる。
このように、実施例2においては、入力ペン10をタブレット20の操作面に対して垂直に立てて操作を行った場合、および、入力ペン10をタブレット20の操作面に対して傾けて操作を行った場合のいずれも、タブレット20における操作を検出装置100において正確に検出できるといえる。
図23は、図21および図22に示す実施例の比較対象として、従来の入力ペンを用いて、芯に荷重を加えた場合に検出装置により検出された位相差を示す図表である。なお、図23中に示す縦軸(位相差Δφ)、横軸(芯先鉛直荷重)および入力ペンの角度θは、いずれも図22と同様の事項を示す。
図23に示すように、従来の入力ペンを用いた場合には、θが大きくなるほど、すなわちタブレットの操作面に対する入力ペンの傾きが大きいほど、検出される位相差の立ち上がりが鈍くなる。従って、入力ペンの傾きが変化すると、芯先鉛直荷重が同じであったとしても、検出される位相差が小さくなってしまう。これは、入力ペンを傾けた場合に、ユーザの操作に対する応答が低下することを意味する。
これに対し、図22に示すように、本発明を適用した実施例における入力ペン10を用いれば、入力ペン10を傾けた場合に、入力ペンを垂直に立てた場合と何ら変わりなく、芯に加わる荷重に対して良好に応答するので、ユーザは入力ペンの傾きを意識することなく操作することが可能であり、本発明が極めて有効であることが明らかである。
なお、上述した実施形態および各変形例は、本発明の実施態様の例を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用可能であることは勿論である。例えば、上述した実施形態では、円錐台形状の突起部121aを有するフェライトコア121や、半球形状の突起部122aを有するフェライトコア122を用いる構成について説明したが、これらフェライトコア121、122に代えて、球形の突起を有するフェライトコアや、先端が尖った突起を有するフェライトコアを用いることも可能である。また、これらのフェライトコアと対向するフェライトコアにおいては、上記の突起を収めることが可能な凹部を有するものであればよく、その形状は特に限定されない。
さらに、上述した実施形態および各変形例においては、芯101側のフェライトコア121、122、123、124に突起部を設け、コイル16側のフェライトコア131、132、133、134において、上記突起部に対応する表面形状を有する嵌合部を設ける構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、コイル16側のフェライトコアに突起部を設け、芯101側のフェライトコアにおいて、当該突起部に対応する表面形状を有する嵌合部を設ける構成とすることも勿論可能である。
また、ばね143、テーパーばね144、およびばね145は、いずれも、共振回路15とタブレット20との間における信号の送受信を妨げない材料で構成されることが好ましく、合成樹脂製であればより好ましいが、その他の材料を用いることも可能である。さらに、ばね143、145、およびテーパーばね144に代えて、ゴム等の弾性体を筒状に形成したものを用いることも可能である。また、弾性板141、142に代えて、合成ゴムまたは天然ゴム等の弾性を有する材料により構成されるOリング(リング状部材)を配設することも可能である。さらに、上記実施形態および変形例においてはリング161を設けた構成を示したが、ケース11の先端と芯101との間に介設され、芯101が傾く際に支点となる機能を有するものであれば、その形状は任意である。勿論、リング161を省いた構成としても十分な効果が得られる。さらに、リング161に代えて、リング161または同等の機能を有する部材を用いることにより、或いは、ケース11の先端に、芯101側に突出するリング161と同形状の突起を設けることにより、芯101が傾く場合の変位が大きく確実になり、高い効果が得られる。また、ケース11の形状はペン型に限定されず、ユーザが手に持って操作可能であり、かつ、タブレット20の操作面に芯101を押し付けることが可能な形状であればよく、その他の細部構成についても任意に変更可能である。
本発明を適用した実施形態に係る座標入力装置の概略構成を示す図である。 入力ペンの構成を示す一部破断図である。 入力ペンの先端部分の構成および操作状態を示す要部拡大断面図であり、(a)は入力ペンが後述するタブレット20に接する状態を示し、(b)は入力ペンに鉛直方向の外力が加わった状態を示し、(c)は、さらに大きい同方向の外力が入力ペンに加わった状態を示す。 入力ペンの先端部分の構成および操作状態を示す要部拡大断面図であり、(a)は、入力ペンが傾いてタブレット20に接する状態を示し、(b)は傾いた入力ペン10に鉛直方向の外力が加わった状態を示し、(c)は傾いた入力ペンに、より大きい同方向の外力が加わった状態を示す。 座標入力装置の構成を詳細に示す回路図である。 タブレットの要部構成を示す分解斜視図である。 検出装置における各信号の状態を示すタイミングチャートである。 検出装置の動作を示すフローチャートである。 図8に示す動作における各信号の状態を示すタイミングチャートである。 本発明を適用した実施形態について、第1の変形例の構成を示す要部拡大断面図である。 本発明を適用した実施形態について、第2の変形例の構成を示す要部拡大断面図である。 本発明を適用した実施形態について、第3の変形例の構成を示す要部拡大断面図である。 本発明を適用した実施形態について、第4の変形例の構成を示す要部拡大断面図である。 本発明を適用した実施形態について、第5の変形例の構成を示す要部拡大断面図である。 本発明を適用した実施形態について、第6の変形例の構成を示す要部拡大断面図である。 本発明を適用した実施形態について、第7の変形例の構成を示す要部拡大断面図である。 本発明を適用した実施形態について、第8の変形例の構成を示す要部拡大断面図である。 本発明を適用した実施形態について、第9の変形例の構成を示す要部拡大断面図である。 本発明を適用した実施形態について、第10の変形例の構成を示す要部拡大断面図である。 本発明を適用した実施形態について、第11の変形例の構成を示す要部拡大断面図である。 本発明の実施例における入力ペンの構成を示す要部断面図である。 本発明の実施例における測定結果を示す図表である。 本発明の実施例と比較するため、従来の入力ペンを用いた場合における測定結果を示す図表である。
符号の説明
1 座標入力装置
10 入力ペン(座標指示器)
11 ケース(筐体)
12a、12b 基板ホルダー
13 基板
14 コンデンサ
15 共振回路
16 コイル
20 タブレット(位置検出装置)
100 検出装置(位置検出装置)
101 芯(芯部)
121、122、123、124 フェライトコア(第1の磁性体)
121a、122a、123a、124a 突起部(凸部)
131、132、133、134 フェライトコア(第2の磁性体)
131a、132a、133a、134a 嵌合部(凹部)
141、142 弾性板(弾性体)
143、145 ばね(弾性体)
144 テーパーばね(弾性体)
146 弾性球体(弾性体)
147、148、149 Oリング
150、151 Oリング
161 リング(リング部材)

Claims (9)

  1. 少なくとも一つのコイルを棒形状の筐体に内蔵し、このコイルと外部の位置検出装置との間の電磁誘導作用により、前記位置検出装置に対して位置を指示する座標指示器において、
    前記筐体の一端からその一部が突出し、前記筐体内に前記筐体に対して相対的に移動可能に支持された芯部と、
    前記芯部に固定され、前記筐体内で当該芯部と一体に移動可能な第1の磁性体と、
    前記筐体内に前記第1の磁性体とは所定距離離隔して固定配置され、前記コイルが巻回された第2の磁性体と、を備え、
    前記第1の磁性体あるいは前記第2の磁性体のうちいずれか一方の磁性体に設けられ、所定の凹形状を有する凹部と、
    前記他方の磁性体に設けられ、前記凹部に対向する表面形状を有し、前記他方の磁性体に向けて突設された凸部と、
    を備えたことを特徴とする座標指示器。
  2. 前記筐体の先端において、前記芯部がその軸に対して横方向の成分を含む外力を受けた場合に、当該芯部に当接するリング部材をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の座標指示器。
  3. 前記凸部は円錐台形状に形成され、前記凹部は、前記凸部を収容する円錐台形状に形成されたことを特徴とする請求項1または2記載の座標指示器。
  4. 前記凸部は半球形状に形成され、前記凹部は、前記第凸部を収容する半球形状に形成されたことを特徴とする請求項1または2記載の座標指示器。
  5. 前記第1の磁性体と前記第2の磁性体とを離隔した状態で保持する弾性体を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の座標指示器。
  6. 前記弾性体は、前記第1の磁性体と前記第2の磁性体とに接する板状部材またはリング状部材であることを特徴とする請求項5記載の座標指示器。
  7. 前記弾性体は、前記第1の磁性体と前記第2の磁性体とに接する球体であることを特徴とする請求項5記載の座標指示器。
  8. 前記筐体はペン型形状を有していることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の座標指示器。
  9. 少なくとも一つのコイルを棒形状の筐体に内蔵した座標指示器と、前記座標指示器のコイルとの間の電磁誘導作用により、前記座標指示器により指示される位置を検出する位置検出装置とを含んで構成される座標入力装置において、
    前記座標指示器は、
    前記筐体の一端からその一部が突出し、前記筐体内に前記筐体に対して相対的に移動可能に支持された芯部と、
    前記芯部に固定され、前記筐体内で当該芯部と一体に移動可能な第1の磁性体と、
    前記筐体内に前記第1の磁性体とは所定距離離隔して固定配置され、前記コイルが巻回された第2の磁性体と、を備え、
    前記第1の磁性体あるいは前記第2の磁性体のうちいずれか一方の磁性体に設けられ、所定の凹形状を有する凹部と、
    前記他方の磁性体に設けられ、前記凹部に対向する表面形状を有し、前記他方の磁性体に向けて突設された凸部と、を備えること、
    を特徴とする座標入力装置。
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