JP2006064004A - 遮断弁装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ガス漏洩やガス供給不良等のような流体の流通に関する問題の発生を回避しつつ固着の発生を予防して、常に正常な弁動作を行う状態を確保することを可能とした遮断弁装置を提供する。
【解決手段】 駆動制御回路5は、固着予防ロジックによる弁体2の駆動制御機能を備えている。弁体2が所定期間Tth以上に亘って全閉状態を継続したとき、または所定期間Tth経過毎のタイミングで、弁体2を全閉状態から所定の位置まで移動させて半開状態とし、その後、また全閉状態へと戻す。あるいは逆に、弁体2を全開状態から所定の位置まで移動させて半閉状態とし、その後、また全開状態へと戻す。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えばガスメータに内蔵されて、都市ガスのような可燃性ガスなどの緊急遮断や、その逆に復帰などを行うための、遮断弁装置に関する。
例えば都市ガスやLPG(液化プロパンガス)用などの、いわゆるガスメータでは、ガス漏洩や種火の不慮の消失などに起因した種々の危険事態の発生を防止するために、遮断弁装置が内蔵されて用いられている。
具体的には、いわゆるマイコン内蔵式ガスメータ(マイコンメータとも呼ばれる)には、少なくとも、流量計測装置と、マイクロコンピュータと、遮断弁装置と、感震装置とが内蔵されており、流量計測装置によって計測されるガスの流量を、マイクロコンピュータによって監視する。そしてマイクロコンピュータが、ガスの流量やその継続時間等の情報に基づいて、ガス漏洩などの異常が発生したと判定した場合や、地震が発生したと判定した場合には、遮断弁装置を駆動して弁体を開放状態から遮断状態にすることで、ガスメータから下流側へのガスの供給を遮断する。あるいは、例えばユーザが長期間に亘って住居を留守にする場合などには、ガスの使用も長期間に亘って使用中断状態となるので、その間の安全確保のために、強制的に遮断実行命令を入力することで、弁体が開放状態から遮断状態にされる。
そして異常事態が解消された場合、あるいは長期継続されていた使用中断状態からガスの使用を再開する場合には、安全確認の後、ユーザまたはガス管理会社の担当者等が弁体移動命令入力手段を押して強制的に遮断解除(開放)実行命令を入力することで、マイクロコンピュータが遮断弁装置を駆動して、弁体を遮断状態から開放状態にする。
上記のような遮断弁装置の駆動方式としては、電磁式ソレノイドを動力源として用いた、いわゆる電磁弁方式が採用されてきた。この方式の遮断弁装置では、弁体は完全に閉状態か完全に開状態かのいずれかの状態を、長期間に亘って継続することとなる。
このため、例えば長期間に亘って開状態を続けているうちにソレノイド部品や弁体部品等に固着が生じてしまい、例えばガス漏洩のような危険な状態が発生して緊急遮断が必要なときに弁体を閉状態にすることができなくなる虞がある。そこで、所定の時間(期間)が経過する毎に、ガスを使用していないときを見計らって、電磁式ソレノイドに通電し弁体を動かして閉状態にするという、いわゆる自動テスト遮断を行うという技術が提案されている(特許文献1)。
また、近年では、フィードバック制御系が不要で比較的簡易な駆動制御回路によって実用上十分な回転精度を得ることができ、かつ比較的強力な軸出力トルクを得ることが可能な、ステッピングモータを動力源として用いる方式のものが提案されている。
このステッピングモータ方式の遮断弁装置では、ステッピングモータの出力軸の回転運動を、ウォーム歯車機構またはカム機構などのような運動変換機構によって直線運動に変換し、その運動変換機構によって駆動される弁体を導通口(の弁座)に対して遠近方向に直線的に移動させることで、ガス供給の開放・遮断を行う。より具体的には、弁体を弁座に押し付けることで遮断状態とし、弁体を弁座から十分に引き離すことで開放状態とするように設定している。
ところが、前述したように、遮断弁装置では一般に、弁体が、長期間に亘って開放状態または遮断状態に固定されている場合が多い。このため、弁体のゴム部材と弁座との間や、運動変換機構などに、固着が発生する虞がある。従って、ステッピングモータ方式の遮断弁装置の場合でも、弁体を遮断状態から開放状態へと移動させようとする場合や、逆に開放状態から遮断状態へと移動させようとする場合に、固着に起因した大きな抗力に対してステッピングモータの出力トルクが負けてしまい、弁体を移動させることができなくなる虞がある。
このような不都合を解消するために、遮断状態や開放状態で弁体に加えられる応力を、若干緩和するという手法が提案されている(特許文献2)。すなわち、弁体を遮断状態から開放状態へと移動する場合、または開放状態から遮断状態へと移動する場合に、弁体を最大限の距離に亘って移動させた後、ステッピングモータに若干の逆回転を行わせることで、例えば弁体と弁座との間の応力を緩和させるという手法である。
特開平11−132821号公報 特開2003−194252号公報
しかしながら、電磁弁方式の遮断弁装置では、完全に閉状態(遮断状態とも呼ぶ)か完全に開状態(開放状態とも呼ぶ)かの、いずれかの状態にしかできない。従って、自動テスト遮断は、ユーザがガスを全く使用していない時刻を見計らって実行しなければならない。
ところが、例えば一日中継続してガスを消費することが多いユーザの場合、ガスを全く使用していないときは殆どないので、自動テスト遮断を行うことができず、固着の発生を回避できなくなるという問題があった。
また逆に、長期間に亘ってユーザが留守にする場合や、空き家の状態が続く場合には、安全確保のために、遮断弁装置を長期間に亘って遮断状態にすることになる。このような場合、遮断状態が長く続くと、その状態で弁体と弁座とが固着したり、電磁ソレノイドが固着したりする虞がある。
しかし、このような遮断状態での固着を予防するための、言うなれば自動テスト復帰の手法は、従来は提案されていなかった。
あるいは、このような遮断状態での固着を予防するためには、自動テスト遮断とは逆方向の弁体の移動を行えばよいようにも考えられる。しかし、実際には、例えば長期間のうちにガスメータの下流側の配管が劣化してガス漏洩の可能性がある場合に、弁体を自動テスト復帰させて開放状態にすると、本当にガス漏れが発生してしまう虞がある。
また、上記の遮断状態や開放状態で弁体に加えられる応力を若干緩和するという手法を、ステッピングモータ方式の遮断弁装置に適用したとしてもなお、例えば遮断状態では弁体と弁座とが接触した状態にあるので、それら同士の固着を免れることはできない。
すなわち、ガスメータは一般に戸外に設置されるので、その環境下での温度や湿度に因って弁体のゴム部材などに劣化が生じ、それが弁体と弁座とを固着させる要因となる。このような固着を上記の手法によって防ぐためには、弁体の位置(押し付け応力)を弁座と接触しなくなるまで緩めた状態にしなければならないことになるが、それでは安全な遮断状態ではなくなるので、現実的ではない。
また、弁体が開放状態で長期間に亘って保たれている状態の場合には、弁体と弁座との固着については発生する虞はない。しかし、例えば長期に亘って開放状態に保っているうちに運動変換機構が内部的に固着したりステッピングモータの出力軸と軸受とが固着したりするなどして、弁体を開放状態から遮断状態へと移動させることができなくなる虞がある。
このような開放状態での固着についても、上記の手法によって防ぐことは不可能である。何故なら、弁体の位置を最大限まで開放状態にした後にステッピングモータを若干逆回転して停止させても、停止以降はその状態を保ったままなのであるから、その状態で運動変換機構が内部的に固着することについては、回避することができないからである。
あるいは、電磁弁方式で提案されている自動テスト遮断の手法を、このステッピングモータ方式の遮断弁装置に適用することも考えられるが、実際には、かえって別の危険性が増す虞がある。すなわち、ユーザがガスを使用している状態のときに遮断状態にすると、例えばユーザがガスレンジを使用中の際には、火の立ち消えが発生したり正常なガスの消費状態が継続不能になったりするという虞がある。
このように、従来提案されている手法では、ガス使用中または遮断中の安全性を確保しながら遮断弁装置における固着を予防することは、極めて困難あるいは不可能であった。
ここで、弁体を遮断状態から開放状態(全開状態)へと移動させる場合の方が、開放状態から遮断状態へと移動させる場合よりも固着の発生確率が高く、それに起因した不都合が発生しやすい傾向にあるが、ガス供給上の危険度は低い。他方、弁体を開放状態から遮断状態へと移動させる場合は、固着の発生確率は低いが、しかし、いざというときに遮断ができないことになるので、ガス供給上の危険度が高い。従って、これら両方の場合のいずれでも、固着に起因した弁体の移動不能状態の発生を予防することが要請される。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、ガス漏洩やガス供給不良等のような流体の流通に関する問題の発生を回避しつつ固着の発生を予防して、常に正常な弁動作を行う状態を確保することを可能とした遮断弁装置を提供することにある。
本発明による第1の遮断弁装置は、弁体と、前記弁体によって塞がれることで流体の流れを遮断するように設けてなる導通口と、ステッピングモータと、前記ステッピングモータの出力軸の回転運動を直線運動に変換して前記弁体の前記導通口に対する移動運動を行う運動変換機構と、前記ステッピングモータに駆動電圧を入力して当該ステッピングモータの駆動制御を行う駆動制御回路とを備えた遮断弁装置であって、前記駆動制御回路は、前記弁体が所定期間以上に亘って閉状態を継続したときまたは所定期間経過毎に、前記弁体を前記閉状態から所定の半開状態の位置まで移動させ、その後また前記閉状態へと戻すように、前記駆動制御を行う、という構成を備えている。
第1の遮断弁装置では、駆動制御回路が、弁体が所定期間以上に亘って全閉状態を継続したとき、または所定期間経過毎に、弁体や運動変換機構等が全閉状態で固着することを予防するために、その弁体を全閉状態から所定の半開状態の位置まで移動させる。そしてその半開状態に移動させた後、また閉状態(遮断状態)へと戻す。
本発明による第2の遮断弁装置は、弁体と、前記弁体によって塞がれることで流体の流れを遮断するように設けてなる導通口と、ステッピングモータと、前記ステッピングモータの出力軸の回転運動を直線運動に変換して前記弁体の前記導通口に対する移動運動を行う運動変換機構と、前記ステッピングモータに駆動電圧を入力して当該ステッピングモータの駆動制御を行う駆動制御回路とを備えた遮断弁装置であって、前記駆動制御回路は、前記弁体が所定期間以上に亘って開状態を継続したときまたは所定期間経過毎に、前記弁体を前記開状態から所定の半閉状態の位置まで移動させ、その後また前記開状態へと戻すように、前記駆動制御を行う、という構成を備えている。
第2の遮断弁装置では、駆動制御回路が、弁体が所定期間以上に亘って全開状態を継続したとき、または所定期間経過毎に、弁体や運動変換機構等が全開状態で固着することを予防するために、その弁体を全開状態から所定の半閉状態の位置まで移動させる。そしてその半閉状態に移動させた後、また開状態(開放状態)へと戻す。
ここで、前記弁体よりも下流側での圧力値を計測する圧力値計測手段をさらに備え、かつ前記駆動制御回路は、前記圧力値計測手段によって計測された圧力値が、大気圧超の所定の値に設定された圧力しきい値以上の場合、または前記計測された圧力値の時間的変化が所定の変化しきい値以下である場合のうち、少なくともいずれか一つの場合(あるいは両方に該当する場合とすることも可)には、前記弁体が所定期間以上に亘って閉状態を継続したときまたは所定期間経過毎に、前記弁体を前記閉状態から所定の半開状態の位置まで移動させ、その後また前記閉状態へと戻すように、前記駆動制御を行う、という構成としてもよい。
すなわち、弁体よりも下流側での圧力値が、大気圧超の所定の値に設定された圧力しきい値以上である場合には、その下流側にガスなどの流体の漏洩を引き起こす要因となる事態が発生していないものと見做すことができる。また、計測された圧力値の時間的変化が所定の変化しきい値以下である場合には、その下流側でユーザがガスなどの流体の使用を開始していないものと見做すことができる。従って、この場合には、弁体を完全に閉状態から所定の半開状態の位置まで移動させても、ガス漏洩等のような危険な事態を招く虞が、さらに少ない。
また、前記流体の流量値を計測する流量値計測手段をさらに備え、前記駆動制御回路は、前記流量値計測手段によって計測された流量値が、前記半閉状態にしても流体の供給不良が発生する虞がないものとして設定された所定の流量しきい値以下〜0超である場合には、前記弁体が所定期間以上に亘って開状態を継続したときまたは所定期間経過毎に、前記弁体を前記開状態から所定の半閉状態の位置まで移動させ、その後また前記開状態へと戻すように、前記駆動制御を行うようにしてもよい。
すなわち、流量値が所定の流量しきい値以下〜0超である場合には、下流側で流体の供給不良が発生する虞がないと見做すことができる。従って、この場合には、流体の供給不良が発生する虞なく、弁体を完全に開状態から所定の半閉状態の位置まで移動させることができる。
また、さらには、前記半開状態における前記弁体の位置を、下流側へと流れる前記流体の流量が微少漏洩流量検知しきい値未満となるような位置に設定することが、さらに望ましい。
すなわち、このように設定することにより、弁体の位置を完全閉状態から半開状態にしたときに、仮にその下流側でガス微少漏洩のような危険な事態を招き兼ねない事態が生じていたとしても、弁体と導通口との間を通って下流側へと流れる流体の流量は微少漏洩流量検知しきい値未満であるから、ガス微少漏洩に起因した種々の危険な事態が生じる虞が回避される。
また、前記半閉状態における前記弁体の位置を、下流側へと流れる前記流体の流量値が供給不良を発生することのないものとして設定された流量しきい値以下の値となるような位置に設定することが、さらに望ましい。
すなわち、このように設定することにより、弁体の位置を完全開状態から半閉状態にしたときに、その下流側でユーザがガスのような流体を消費している状態であったとしても、弁体と導通口との間を通って下流側へと流れる流体の流量は、供給不良が生じる流量しきい値以上の大きさであるから、供給不良のような不都合な事態の発生が回避される。
また、前記流体の流量値を計測する流量値計測手段をさらに備え、前記駆動制御回路は、前記流量値計測手段によって計測された流量値が0である場合には、前記弁体が所定期間以上に亘って開状態を継続したときまたは所定期間経過毎に、前記弁体を前記開状態から完全に閉状態まで移動させ、その後また前記開状態へと戻すように前記駆動制御を行う、という構成を備えるようにしてもよい。
すなわち、流量値が0とは、流体が下流側へと全く流れていないということであるから、この場合には、弁体を全開状態から全閉状態まで移動させ、その後また全開状態へと戻しても、下流側には不都合は全く生じることがない。
また、前記駆動制御回路は、所定の危険回避のために設定された条件下で前記弁体が閉状態にある場合には、当該弁体を前記半開状態にする制御動作を行わないようにしてもよい。
すなわち、危険回避のために設定された条件下で弁体が閉状態にあるときに、弁体を半開状態にしてしまうと、折角の危険回避のための遮断の意味がなくなる。従って、このような場合には、上記のような種々の条件を満たしていても、弁体を半開状態にする制御動作は行わない。
なお、上記の流体が、可燃性のガスであり、上記の弁体と、導通口と、ステッピングモータと、運動変換機構と、駆動制御回路とを、ガスメータに内蔵して用いるようにすることは、望ましい一態様である。すなわち、上記の第1または第2の遮断弁装置は、例えば都市ガスやLPガスの流量を計測するための、いわゆるガスメータなどにおいて、特に好適に利用可能である。
本発明の遮断弁装置によれば、ガス漏洩やガス供給不良等のような流体の流通状態に関する不都合を生じることなく、固着状態の発生を予防して、正常な弁動作を行う状態を常に確保することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る遮断弁装置を内蔵してなるガスメータの概要構成を表す模式図であり、図2は、それに用いられるステッピングモータおよび運動変換機構ならびに弁体を部分的に抽出して表した一部省略断面図である。図3は、弁体2の位置(状態)を、全閉状態から半開状態とした後に再び全閉状態に戻す第1の固着予防ロジックによる動作を模式的に表した図である。なお、図1では、導通路容器の内部の構成を明確に表現するために、導通路容器の正面部分を一部カットオフして示してある。
このガスメータにおける遮断弁装置は、導通口1と、弁体2と、ステッピングモータ3と、運動変換機構4と、駆動制御回路5と、弁体移動命令入力手段としての復帰ボタン装置6および遮断キー装置7と、弁体移動検知手段としての流量変化検知回路8とから、その主要部が構成されている。この遮断弁装置は、都市ガスやLPガスのような可燃性ガス用のガスメータに内蔵される。
導通口1は、ガスを導通させる導通路容器9に設けられている。導通口1の周囲は弁座10となっており、その弁座10にゴム部材からなる弁体2の周縁部を押し付けて密着させることで、ガスの流れを遮断するように設定されている。
弁体2は、運動変換機構本体12のフランジ板部11の表面(図2では下面)に貼り付けられていて、運動変換機構本体12が直線運動すると、その運動変換機構4と共に、導通口1に対して遠近方向に直線的に移動するように設定されている。この弁体2は弁座10に押し付けられてガスの導通を確実に遮断することができるようにするために、合成ゴムのような柔軟性および弾力性の高い部材からなる。
運動変換機構4は、運動変換機構本体12と、ウォーム歯13と、ガイド切欠き15と、ガイド板16とからなる。運動変換機構本体12は、その筒状の側壁14の内側に、ステッピングモータ3が所定の寸法的遊びを有して収容され、その筒状の側壁14に沿って移動することが可能に設定されている。また、その側壁14には、ガイド切欠き15が設けられており、ステッピングモータ3の側面に突出するように設けられたガイド板16が所定の寸法的遊びを有して挿通される。そしてその底部のほぼ中央には、雌ネジ状のウォーム歯受け溝17を刻設してなる受け孔18が設けられている。他方、ウォーム歯13は、ステッピングモータ3の出力軸19の先端寄りに設けられており、運動変換機構本体12の受け孔18と噛み合わされる。
この運動変換機構4では、上記のような構成により、ステッピングモータ3の出力軸19の回転に伴って、ウォーム歯13が受け孔18に対して相対的にその軸方向に移動することで、運動変換機構本体12がステッピングモータ3に対して相対的に移動して、運動変換機構本体12のフランジ板部11の表面に貼り付けられている弁体2が、導通口1(弁座10)に対してその遠近方向に移動することとなる。このようにして、この運動変換機構4では、ステッピングモータ3の出力軸19の回転運動が弁体2の直線運動に変換される。
ステッピングモータ3は、例えば駆動電圧波形の周波数に対応して出力トルクが変化する一般的なものである。すなわち、周波数を高くすると低トルクとなり、周波数を低くすると高トルクとなる。または、駆動電圧波形のデューティ比や実効電圧値もしくは平均電圧値(波形平均値)に対応して出力トルクが変化する特性を有する。また、それらを組み合わせることで、さらに多様な駆動制御のバリエーションが可能であることは勿論である。また、極数やモータサイズについても、消費電力量ができるだけ低くて所望のトルクを出力することが可能なものであれば、どのようなものでも構わないことは言うまでもない。
復帰ボタン装置6および遮断キー装置7は、弁体2を移動させる命令(弁体移動命令とも呼ぶ)を入力するための手段である。復帰ボタン装置6は、ユーザやガス管理担当者等によってボタン61が押下されると、弁体2を遮断状態から開放状態へと移動させる命令信号を駆動制御回路5へと入力する。また、遮断キー装置7は、例えばガスメータの外部に保管されている電磁キー71を遮断キー装置7に近付けると、その遮断キー装置7に内蔵されているリードスイッチ72がオン状態になって、弁体2を開放状態から遮断状態へと移動させる命令信号を駆動制御回路5に入力する。これら復帰ボタン装置6および遮断キー装置7それ自体については、一般的なもので構わないことは勿論である。
流量・圧力計測回路8は、導通路容器9よりも下流側に設けられた、流量計測器(図示省略)によって計測されたガスの流量値Qと、圧力計測器(図示省略)によって計測されたガス圧力値Pとを算出する。
駆動制御回路5は、駆動電圧を入力してステッピングモータ3を駆動するものである。そのステッピングモータ3に入力する駆動電圧の周波数(またはデューティ比もしくは平均電圧値あるいはそれらの組み合わせ)の設定によって、ステッピングモータ3の出力トルクを制御する。そして、ステッピングモータ3に入力する駆動電圧パルスの合計パルス数によって、そのステッピングモータ3の回転数N(または回転角度θ)を制御して、弁体2の直線運動を実用上十分な精度で制御することができるように設定されている。
また、この駆動制御回路5は、復帰ボタン装置6または遮断キー装置7によって弁体移動命令が入力されると、それに対応して弁体2を移動させる制御を実行するという機能や、いわゆる感震遮断などの一般的な遮断機能を備えている。
この駆動制御回路5は、いわゆるマイコン(マイクロコンピュータ、あるいはMPU;マイクロプロセッシングユニット)をハードウェアとして用いてソフトウェア的に構築してもよく、あるいはディスクリートな電子部品をプリント配線基板上に実装することで構築してもよいことは勿論である。
この駆動制御回路5は、下記のような固着予防ロジックによる駆動制御をステッピングモータに対して行う機能を備えている。すなわち、
[1]第1の固着予防ロジック;
弁体2が所定期間Tth以上に亘って全閉状態を継続したとき、または所定期間Tth経過毎のタイミングで、図3に示すように、弁体2を全閉状態(A)から所定の位置まで移動させて半開状態(B)にする。そしてその後、また全閉状態(C)へと戻す。但し、このような固着予防ロジックによる駆動制御を行うのは、さらに次の条件(a)および条件(b)に纏めたような条件に適合した場合である。
条件(a); 計測されたガスの圧力値Pが、圧力しきい値Pth以上である場合(P≧Pth)。なお、圧力しきい値Pthとは、大気圧Pair 超の所定の値(Pth>Pair )に設定されたものである。
すなわち、弁体2が全閉状態であるのに、ユーザが誤ってガスの使用を試みるなどして、下流側末端のガス栓を開放状態にした場合には、全閉状態における弁体2よりも下流側での圧力値Pが、圧力しきい値Pth未満ないし大気圧Pair と同等にまで急激に低下する。逆に言えば、圧力値Pが圧力しきい値Pth未満〜大気圧Pair のように低下している場合には、下流側末端のガス栓が開放状態になっている確率が極めて高い。そして、そのように下流側末端のガス栓が開いた状態になっているときに、弁体2をユーザが半開状態にすると、ユーザ側(下流末端)でガスを不用意に噴出させてしまう虞がある。そこで、そのような不都合を回避するために、上記の条件(a)のような圧力しきい値を用いた判定を行う。すなわち、計測されたガスの圧力値Pが、圧力しきい値Pth以上である場合(P≧Pth)には、下流側末端のガス栓が閉じられている(あるいはガスが使用されていない)状態にあるので、弁体2を半開状態にしてもガスの不用意な噴出は発生しないと判定できるから、弁体2を半開状態にする制御を行う(図3の(A)→(B)→(C))。しかし、計測されたガスの圧力値Pが、圧力しきい値Pth未満である場合(P<Pth)には、下流側末端のガス栓が開放状態にあるのでガスの不用意な噴出が発生する虞があるものと判定されるから、弁体2を半開状態にする制御は行わないで、全閉状態を保つようにする(図3(A)の状態を保つ)。
条件(b); 計測されたガスの圧力値Pの時間的変化率ΔP/Δtが、所定の変化しきい値(ΔP/Δt)th以下の場合(ΔP/Δt≦(ΔP/Δt)th)。
すなわち、弁体2の下流側でガス漏れやその他の何らかの異常事態が発生している場合には、圧力値Pに、変化しきい値(ΔP/Δt)thを超えた急峻な変化を生じることが多い。これは逆に言えば、圧力値Pに、変化しきい値(ΔP/Δt)thを超えた急峻な変化が生じた場合には、ガス漏れやその他の何らかの異常事態が発生している確率が高い、ということである。そして、それとは裏腹に、ガスの圧力値Pの時間的変化率ΔP/Δtが、所定の変化しきい値(ΔP/Δt)th以下の場合(ΔP/Δt≦(ΔP/Δt)th)には、ガス漏れやその他の何らかの異常事態が発生している確率は低い、ということである。また、そのようにガス漏れ発生と判断することができないほど、ガスの圧力値Pの時間的変化率ΔP/Δtが低ければ、弁体2を半開状態にしても、不都合が生じる確率は極めて低いことが想定される。このような理由から、ΔP/Δt≦(ΔP/Δt)thである場合に、弁体2を半開状態にする制御を行うが(図3の(A)→(B)→(C))、ΔP/Δt>(ΔP/Δt)thである場合には、半開状態にする制御は行わないで、全閉状態を保つようにする(図3(A)の状態を保つ)。
また、上記の半開状態(図3(B))における弁体2の位置は、その弁体2の開度に応じて下流側へと流れるガスの流量値Qが所定の微少漏洩流量検知しきい値Qlow-th未満(Q<Qlow-th)となるような位置S1に設定することが好適である。このように設定することで、下流側へと流れるガスの流量を微少漏洩流量検知しきい値Qlow-th未満に抑えることができ、かつ半開状態の継続時間も短いので、たとえ下流側でガス漏洩の要因となる何らかの事象が実際に発生していたとしても、下流側に流れるガスの流量(半開状態の継続時間内での積算流量)を微少なものに抑えて、ガス漏洩に起因した種々の不都合や危険性を回避することができるからである。
ここで、上記の条件(a),(b)のうちいずれか一方を、半開状態の制御を行うための前提条件にしてもよいが、条件(a)かつ条件(b)を前提条件としてもよい。条件(a)かつ条件(b)とすることにより、上記のような種々の不都合の回避をさらに確実にすることができるからである。
[2]第2の固着予防ロジック;
弁体2が所定期間Tth以上の時間に亘って全開状態を継続したとき、または所定期間Tthが経過する毎のタイミングで、図8に示すように、弁体2を全開状態(図8(A))から半閉状態(図8(B))である所定の位置S2まで移動させる。そしてその後、また全開状態へと戻す(図8(C))。
但し、このような固着予防ロジックによる駆動制御を行う場合とは、計測されたガスの流量値Qが、所定の流量しきい値Qhigh-th以下〜0超の場合である(Qhigh-th≧Q>0)。ここで、流量しきい値Qhigh-thとは、下流側でガスを消費中のときに弁体2を半閉状態にしても供給不良が発生しないと想定される流量範囲のうちの最大限の流量値として設定されたものである。
また、上記の半閉状態(図8(B))における弁体2の位置S2としては、その弁体2の開度に応じて流れるガスの流量値Qが、その下流側でガス消費中であっても供給不良を発生しないものとして設定された流量しきい値Qhigh-th以下の値となるように、設定することが好適である。何故なら、これらの条件を満たす場合には、例えば下流側でユーザがガスを使用中のときに弁体2を半閉状態にしても、そのユーザのガス消費機器等に対するガスの供給不良が発生する虞が極めて低いからである。
ここで、上記の他にも、例えば、計測されたガスの流量値Qが0で安定的である場合には、下流側でユーザがガスを消費していないものと見做すことができる。従って、この場合には、弁体2が所定期間Tth以上に亘って全開状態を継続したとき、または所定期間Tth経過毎に、弁体2を全開状態から全閉状態まで移動させ、その後、また全開状態へと戻すようにしてもよい。あるいは、逆に、全閉状態の場合には、そこから全開状態まで移動させ、その後、また全閉状態へと戻すようにしてもよい。
また、例えば地震発生時などのように、危険回避のために設定された所定の条件下で、いわゆる緊急遮断として弁体2が全閉状態にある場合には、上記[1],[2]の固着予防ロジックによる駆動制御を行うべきタイミングであっても、弁体2を半開状態にする制御動作は行わず、全閉状態を継続することが望ましいことは言うまでもない。
次に、この遮断弁装置の作用について説明する。
図4,図5,図9は、この遮断弁装置の動作の主要な流れを表した簡易フローチャートである。
この第1の固着予防ロジックでは、図4に示したように、時刻の情報をT=0にリセットし(S1)、時間カウントを開始する(S2)。そのTの値のモニタリングを継続し(S2のNのループ)、所定の時間Tthが経過して時間カウントがT=Tthに至ると(S2のY)、固着予防ロジックによる一連の動作を実行する(S3)。ここで、S3の固着予防ロジックは、第1と第2との両方を総称したものである。
あるいは、図示は省略したが、例えばT=24時間に設定し、例えば午前3時のような深夜の一定の時刻毎のように、1日毎に1回ずつ、固着予防ロジックによる駆動制御を行うようにしてもよい。または、Tをさらに長期間に設定して、例えば30日毎に1回実行するようにしてもよい。この時間Tは、長時間に設定するほど、固着予防ロジックによる駆動制御動作の単位時間あたりの実行回数が少なくなって、その長い1周期の間に固着が発生する確率が高くなるが、それとはトレードオフで、固着予防ロジックによる動作で消費される電力量を少なくすることができる。また逆に、短時間に設定するほど固着予防ロジックによる駆動制御動作の実行回数が多くなって、その1周期の間に固着が発生する確率は低くなるが、それとはトレードオフで、頻繁に繰り返される固着予防ロジックによる動作で消費される電力量が多くなる。従って、そのようなメリットとデメリットとを勘案して、時間Tを適切な値に設定することが望ましい。
この半開状態を行う第1の固着予防ロジックでは、図5に示したように、まず、そのとき弁体2が閉状態であるか開状態であるかを検出する(S51)。図3(A)に示したように閉状態である場合には(S51のY)、さらに、そのときの圧力値Pを計測する(S52)。そしてその圧力値Pを、圧力しきい値Pthと比較する(S53)。
その比較の結果、P≧Pthの場合には(S53のY)、そのとき遮断弁装置よりも下流側での配管や各種ガス器具(いずれも図示省略)にガス漏洩や圧力異常低下が発生していないものと判定することができる。何故なら、Pth>Pairという大小関係に設定されているので、もし漏洩が発生した場合には圧力値Pが低下してP<Pth、あるいはさらに低下してP=Pairになる確率が高いが、その逆ならば(つまりP≧Pthならば)、ガス漏洩等が発生している確率は低いからである。従って、S53のYの場合には、図3(B)に示したように、弁体2を所定の位置S1まで移動させて半開状態にする(S54)。この移動を行うことによって、弁体2が全閉状態で固着することを予防することができる。
ここで、この第1の固着予防ロジックによる駆動制御動作では、下流側へと流れるガスの流量値Qが微少漏洩流量検知しきい値Qlow-th未満となる位置S1まで、弁体2を移動させるように設定されている。
図1に示したような構造の遮断弁装置では、弁体2を全開状態から全閉状態へ向けて絞って行くと、その1ストローク中の所定の位置S2付近から急峻に流量Qが低下しはじめる。具体的には、開度の指標として弁体2の位置(全開を1ストロークの基準点S=0としたときの位置)Sを横軸に取り、それに対応する流量Qを縦軸に取ると、S−Qグラフは、図6に一例を示すような極めて特徴的な曲線を描くことが、本発明者による実験によって確認された。すなわち、開度に対応して流れることが可能な流量Qは、弁体2の開度(位置S)を絞り込んで行くことに対応して、全開状態でQ0から、少しずつしか低減して行かない。この傾向は、全開状態から意外に遠い位置S2まで継続する。そして、位置S2の付近から、流量Qは急峻に低下して行き、Qlow-th未満にまで至る。その流量Qlow-thに対応する位置(開度)をS1とする。この位置S1を半開状態での弁体2の位置とすることで、もし仮にこの半開状態のときに下流側に微少漏洩の要因が生じていたとしても、微少漏洩流量検知しきい値Qlow-th未満の流量のガスを流すだけに止めることができる。
そして、弁体2を半開状態(図3(B))にした後、図3(C)に示したように、全閉状態へと戻す(S55)。このときの弁体2の移動によっても、弁体2の固着や運動変換機構4等の機械的な動作の渋り等を予防することができる。ここで、半開状態それ自体については継続させる必要性はないので、半開状態にした後には、直ちに全閉状態に戻すことが望ましい。
ここで、第1の固着予防ロジックによる動作を実行するか否かを判別するための条件としては、図5にS53として示したような圧力値PをPthと比較することの他にも、図7にS73として示すようなバリエーションを適用することも可能である。すなわち、圧力値Pの時間的変化率(ΔP/Δt)を計測し、その時間的変化率が、例えば環境温度の自然変化等に起因した圧力変化率の最大値以上の所定の値として設定された変化しきい値(ΔP/Δt)th以下である場合には(S73のY)、そのときにガス漏洩発生の確率や下流側でユーザがガス器具の使用を開始した確率は低い。従って、弁体2を短時間なら半開状態にしても危険性は極めて低い。そこで、この場合には、弁体2を半開状態へと移動させる動作を行う。
あるいは、S53とS73とを組み合わせて、P≧Pth(S53のY)かつΔP/Δt≦(ΔP/Δt)th(S73のY)の場合に、弁体2を半開状態へと移動させる動作を行い、P<Pth(S53のN)の場合またはΔP/Δt>(ΔP/Δt)th(S73のN)の場合には行わないようにすることなども可能である。
このようにして、第1の固着予防ロジックによれば、弁体2が全閉状態で固着することを予防することができる。
図8は、弁体2の位置(状態)を、全開状態から半閉状態とした後に再び全開状態に戻す第2の固着予防ロジックによる動作を模式的に表した図であり、図9は、その動作の主要な流れを表した簡易フローチャートである。
この第2の固着予防ロジックの開始タイミングおよび周期Tについては、既に図4に基づいて説明した通りである。
この第2の固着予防ロジックでは、図5のS51および図9に示したように、まず、そのとき弁体2が閉状態であるか開状態であるかを検出する(図5のS51)。図8(A)に示したように開状態である場合には(S51のN)、さらに、そのときの流量値Qを計測する(図9のS91)。そして、その流量値Qを、流量しきい値Qhigh-thと比較する(S92)。
その比較の結果、0<Q≦Qhigh-thである場合には(S92のY)、そのとき弁体2を半閉状態にまで絞ったときに、下流側でガスを使用中であっても、ガス供給不良が発生する虞がない。そこで、図8(B)に示したように、弁体2を所定の位置S2まで移動させて半閉状態にする(S93)。この移動を行うことによって、弁体2が全開状態で固着することを予防することができる。
この半閉状態の駆動制御動作では、弁体2を、流量しきい値Qhigh-thに対応する所定の位置S2まで移動させるように設定されている。このような設定とすることで、このとき下流側でガスの消費を行っている場合に、弁体2を半閉状態にしても、下流側で供給不良が発生することのないように十分な流量のガスを流すことができる。
そして、弁体2を半閉状態にした後、図8(C)に示したように、全開状態へと戻す(S94)。このときの移動によっても、弁体2の固着や運動変換機構4等の機械的な動作の渋り等を予防することができる。ここで、半閉状態を継続する必要性はないので、半閉状態にした後には直ちに全開状態に戻すようにすることが望ましい。
このようにして、弁体2が全開状態で固着することを予防することができる。
なお、上記の他、計測されたガスの流量値Qが0である場合には、下流側でユーザがガスを消費していないものと見做すことができる。従って、そのような場合には、弁体2が所定期間Tth以上に亘って開状態を継続したとき、または所定期間Tth経過毎に、弁体2を全開状態と全閉状態との間でその全ストロークに亘って移動させるようにしてもよい。
また、例えば地震発生時のいわゆる感震遮断のような、危険回避のために設定された所定の条件下で、弁体2が自動的に全閉状態にある場合には、その弁体2を半開状態にする制御動作は行わず、閉状態を継続することが望ましいことは言うまでもない。
また、半開状態における弁体の位置S1や半閉状態における弁体の位置S2は、上記のような設定のみには限定されないことは勿論である。半開状態の位置S1としては、基本的に(定性的に言えば)、弁体2と弁座10との間が完全に離れ、かつ運動変換機構4が動き渋りや固着状態から脱出するに必要十分なストロークを確保できる位置に設定することが望ましい。
本発明に係る遮断弁装置は、都市ガスやLPガスのような可燃性のガスの漏洩等の防止のためにガスメータに内蔵されて利用されることが可能である。あるいはその他にも、液体燃料や液化燃料のような液体用の遮断弁装置としても適用可能である。
本発明の一実施の形態に係る遮断弁装置を内蔵してなるガスメータの概要構成を表す模式図である。 ステッピングモータおよび運動変換機構ならびに弁体を部分的に抽出して表した一部省略断面図である。 弁体を全閉状態(A)から半開状態(B)とした後に再び全閉状態(C)に戻す第1の固着予防ロジックによる動作を模式的に表した図である。 固着予防ロジックの実行開始タイミングを表すフローチャートである。 第1の固着予防ロジックによる動作の主要な流れを表したフローチャートである。 弁体の位置Sとそれに対応する流量Qとの相関関係を示すS−Q曲線の典型的な一例を表したグラフ図である。 第1の固着予防ロジックによる動作を実行するか否かを判別するための条件(判定ステップ)の1バリエーションを表した図である。 弁体を全開状態(A)から半閉状態(B)とした後に再び全開状態(C)に戻す第2の固着予防ロジックによる動作を模式的に表した図である。 第2の固着予防ロジックによる動作の主要な流れを表したフローチャートである。
符号の説明
1…導通口、2…弁体2、3…ステッピングモータ、4…運動変換機構、5…駆動制御回路、6…復帰ボタン装置、7…遮断キー装置、8…流量・圧力計測回路、9…導通路容器、10…弁座、11…フランジ板部、12…運動変換機構本体、13…ウォーム歯、15…ガイド切欠き、16…ガイド板、17…ウォーム歯受け溝、18…受け孔、19…出力軸

Claims (9)

  1. 弁体と、前記弁体によって塞がれることで流体の流れを遮断するように設けてなる導通口と、ステッピングモータと、前記ステッピングモータの出力軸の回転運動を直線運動に変換して前記弁体の前記導通口に対する移動運動を行う運動変換機構と、前記ステッピングモータに駆動電圧を入力して当該ステッピングモータの駆動制御を行う駆動制御回路とを備えた遮断弁装置であって、
    前記駆動制御回路は、前記弁体が所定期間以上に亘って閉状態を継続したときまたは所定期間経過毎に、前記弁体を前記閉状態から所定の半開状態の位置まで移動させ、その後また前記閉状態へと戻すように、前記駆動制御を行う
    ことを特徴とする遮断弁装置。
  2. 弁体と、前記弁体によって塞がれることで流体の流れを遮断するように設けてなる導通口と、ステッピングモータと、前記ステッピングモータの出力軸の回転運動を直線運動に変換して前記弁体の前記導通口に対する移動運動を行う運動変換機構と、前記ステッピングモータに駆動電圧を入力して当該ステッピングモータの駆動制御を行う駆動制御回路とを備えた遮断弁装置であって、
    前記駆動制御回路は、前記弁体が所定期間以上に亘って開状態を継続したときまたは所定期間経過毎に、前記弁体を前記開状態から所定の半閉状態の位置まで移動させ、その後また前記開状態へと戻すように、前記駆動制御を行う
    ことを特徴とする遮断弁装置。
  3. 前記弁体よりも下流側での圧力値を計測する圧力値計測手段をさらに備え、
    前記駆動制御回路は、前記圧力値計測手段によって計測された圧力値が、大気圧超の所定の値に設定された圧力しきい値以上の場合、または前記計測された圧力値の時間的変化が所定の変化しきい値以下である場合のうち、少なくともいずれか一つに該当する場合には、前記弁体が所定期間以上に亘って閉状態を継続したときまたは所定期間経過毎に、前記弁体を前記閉状態から所定の半開状態の位置まで移動させ、その後また前記閉状態へと戻すように、前記駆動制御を行う
    ことを特徴とする請求項1記載の遮断弁装置。
  4. 前記流体の流量値を計測する流量値計測手段をさらに備え、
    前記駆動制御回路は、前記流量値計測手段によって計測された流量値が、前記半閉状態にしても流体の供給不良が発生する虞がないものとして設定された所定の流量しきい値以下〜0超である場合には、前記弁体が所定期間以上に亘って開状態を継続したときまたは所定期間経過毎に、前記弁体を前記開状態から所定の半閉状態の位置まで移動させ、その後また前記開状態へと戻すように、前記駆動制御を行う
    ことを特徴とする請求項2記載の遮断弁装置。
  5. 前記半開状態における前記弁体の位置を、下流側へと流れる前記流体の流量が所定の微少漏洩流量検知しきい値未満となるような位置に、設定してなる
    ことを特徴とする請求項1または3記載の遮断弁装置。
  6. 前記半閉状態における前記弁体の位置を、下流側へと流れる前記流体の流量値が当該下流側で供給不良を発生しないものとして設定された流量しきい値以下の値となるような位置に、設定してなる
    ことを特徴とする請求項2または4記載の遮断弁装置。
  7. 前記流体の流量値を計測する流量値計測手段をさらに備え、
    前記駆動制御回路は、前記流量値計測手段によって計測された流量値が0である場合には、前記弁体が所定期間以上に亘って開状態を継続したときまたは所定期間経過毎に、前記弁体を前記開状態から完全に閉状態まで移動させ、その後また前記開状態へと戻すように、前記駆動制御を行う
    ことを特徴とする請求項2記載の遮断弁装置。
  8. 前記駆動制御回路は、所定の危険回避のために設定された条件下で前記弁体が閉状態にある場合には、当該弁体を前記半開状態にする制御動作を行わない
    ことを特徴とする請求項1ないし7のうちいずれか1項に記載の遮断弁装置。
  9. 前記流体が、可燃性のガスであり、
    前記弁体と、前記導通口と、前記ステッピングモータと、前記運動変換機構と、前記駆動制御回路とが、ガスメータに内蔵して用いられるものである
    ことを特徴とする請求項1ないし8のうちいずれか1項に記載の遮断弁装置。
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