JP2006062380A - 無軌道式の自動走行台車 - Google Patents

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Abstract

【課題】 台車全体の軽量化、小型化並びに低コスト化が図れ、かつ、メンテナンスを含めたランニングコストの低減も可能としつつ、直線経路に限らず曲線経路でも簡単なステアリング制御で正確かつ円滑に走行させることができる無軌道式の自動走行台車を提供すること。
【解決手段】 複数の床面走行用車輪4,5,6と、車輪駆動機構9と、走行経路に沿わせて床面に設けた誘導マーク19を検出する検出手段20と、この検出手段20による誘導マーク19の検出結果に基づいて前記車輪4,5の向きを制御する操向制御機構21とを備えた無軌道式の自動走行台車であって、前記床面走行用車輪4,5,6として、台車本体1の一側に台車本体1に対して縦軸心まわりに回動可能に支持された前後一対の走行車輪4,5を、他側に一つの走行車輪6をそれぞれ設け、前記操向制御機構21により、前後一対の走行車輪4,5が縦軸心まわりに所定角度逆回転するように構成してある。 【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば工場内に点在配置されている各種の加工装置間等にわたってワークを搬送するような場合に用いられる自動走行台車に関し、詳しくは、台車本体下部に複数の床面走行用車輪を備え、そのうち少なくとも一つの車輪を駆動回転させることにより、床面に設けた誘導マークに沿って所定の走行経路を往復駆動走行可能に構成されている無軌道式の自動走行台車に関する。
従来の自動走行台車として、直線搬送専用の軌道式自動走行台車がある。この自動走行台車は、図21〜図23に示すように、台車本体51の走行方向前後両側にそれぞれ床面走行用の左右一対の走行車輪52,52および53,53を配置し、これらのうち、走行方向一方側の左右一対の走行車輪52,52をそれぞれスプロケット54,55およびチェーン56を介して左右同期駆動式のモータ57,57に連動連結させてある。また、台車本体51の走行方向前後両側の中央部には床面FLに敷設のレール58の両側面58aに摺接する一対のカムフォロア(ローラ)59,59からなる走行ガイド機構60を設け、これら走行ガイド機構60による直線走行ガイド作用と走行車輪52,52の駆動作用とにより台車本体51をレール58に沿わせて走行移動させるように構成されている。
特開2004−34833号公報
しかし、上記従来の軌道式の自動走行台車では、例えば、工場内の全体レイアウト等からみて加工装置間を直線的に結ぶことができず、ワークを受け渡しする両装置が互いに直角をなす向きに配置されていたり、両装置のセンターがずれて配置されていたりする場合に、両装置間に一つのレール58を敷設してそれに沿わせて台車を走行させるだけでは所定どおりのワーク搬送が行えない。従って、このような場合、二つ以上のレール58を組み合わせて敷設して各レール58に沿わせて台車を走行させる乗り継ぎ方式の構成等を採用する必要があり、レール58の設置費用が非常に高くなるとともに、ワークの乗り継ぎに時間がかかり、搬送効率が大変悪くなることは避けられないという難点がある。
また、前記レール58は、工場内において作業者が通行する通路を横断する状態で設置されることが多い。そのため、作業者はレール58を横断する際に躓かないように注意しなければならないのに加え、作業用手押し台車等とともにレール58を横断する際にはかなりの労力が必要となる。しかも、前記レール58の溝内にゴミや塵・埃等が溜まってしまうと自動走行台車の作動に不具合が生じるため、前記レール58を定期的に清掃する必要がある。
そこで、前記レール58により生じる不都合を解決することができるものとして、レールを不要とする無軌道式の自動走行台車がある。この無軌道式の自動走行台車は、複数の床面走行用車輪とその車輪駆動機構を備えているとともに、走行経路に沿わせて床面に設けた誘導マークを検出するセンサおよびそのセンサによる誘導マークの検出結果に基づいて左右の走行車輪の回転速度を制御する操向制御装置を備えていることにより、台車本体の直線走行も曲線走行も共に可能にしている。
しかし、上記従来の無軌道式の自動走行台車では、曲線経路での駆動走行を可能とするために、前記センサによる誘導マークの検出結果に基づいて内外輪の周速度差を補正制御するような複雑かつ高価な操向制御装置等が必要で、台車全体が重量化、大型化するばかりでなく、部品点数が多く非常に高価なものになる。
また、図21〜図23に示したような四輪タイプの自動走行台車では、床面FLに凹凸部や傾斜部があると、四つの走行車輪52,53が均等に床面FLに接地せず、一部の車輪に異常負荷がかかって他の車輪よりも磨耗の程度が大きくなりやすい。そのため、補修や部品交換等のメンテナンスを短いサイクルで行う必要があり、そのメンテナンス費用を含めてランニングコストが非常に高いものとなる問題もある。
そこで、前記四輪タイプであることにより生じる不都合を解決することができるものとして、図24に示すような三輪タイプの無軌道式の自動走行台車がある。この三輪タイプの自動走行台車では、床面に凹凸部や傾斜部が存在しても、車輪が均等に床面に接地して、全車輪が均一的に磨耗するので、メンテナンス費用を含めたランニングコストを低く抑えることができる。
しかし、上記従来の三輪タイプの無軌道式の自動走行台車では、前側中央に操舵用の前輪61を配置し、後側の左右に後輪62,63を配置していたので、台車本体64を前後に移動させるときのステアリングの制御が複雑になるという問題がある。すなわち、前記三つの車輪61〜63の配置が原因となって、台車本体64が後退するときに大きくふらつき易く、そのときのステアリング操作の制御が非常に複雑かつ困難となる。また、台車を前進させるときと、後退させるときとで、前輪の向きと台車の曲がり角度の大きさとの関係が変わるので、この点からもステアリングの制御が複雑になる。
この発明は上述の事柄に留意してなされたもので、その目的は、台車全体の軽量化、小型化並びに低コスト化が図れ、かつ、メンテナンスを含めたランニングコストの低減も可能としつつ、直線経路に限らず曲線経路でも簡単なステアリング制御で正確かつ円滑に走行させることができる無軌道式の自動走行台車を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の無軌道式の自動走行台車は、複数の床面走行用車輪と、車輪駆動機構と、走行経路に沿わせて床面に設けた誘導マークを検出する検出手段と、この検出手段による誘導マークの検出結果に基づいて前記車輪の向きを制御する操向制御機構とを備えた無軌道式の自動走行台車であって、前記床面走行用車輪として、台車本体の一側に台車本体に対して縦軸心まわりに回動可能に支持された前後一対の走行車輪を、他側に一つの走行車輪をそれぞれ設け、前記操向制御機構により、前後一対の走行車輪が縦軸心まわりに所定角度逆回転するように構成してあることを特徴としている(請求項1)。
具体的には、前記前後一対の走行車輪がそれぞれ台車本体に対して車輪とともに縦軸心まわりに回転する支持部により支持され、一方の支持部に台車本体の内側に向けて第一リンクベースが連設され、他方の支持部に台車本体の外側に向けて第二リンクベースが連設され、前記操向制御機構が、上記二つのリンクベースと、これら二つのリンクベースを連結するベース連結ロッドと、前記検出手段の検出結果に基づいて所定の位相となるように回転する回転部と、前記回転部と第一リンクベースまたは第二リンクベースとに両端が連結されたリンクロッドとを備え、前記回転部の回転がリンクロッドおよびベース連結ロッドを介して前記二つの支持部に伝達されることにより、二つの支持部がそれぞれの縦軸心まわりに逆回転するように構成してある(請求項2)。
また、前記誘導マークは光反射式帯状体で構成し、前記検出手段は光照射部と反射式光電管とで構成することができる(請求項3)。
請求項1〜3に係る発明では、従来の無軌道式の自動走行台車のように、曲線走行を可能とするための内外輪の周速度差を補正制御するような複雑な操向制御装置等が不要であるので、台車全体の軽量化、小型化並びに低コスト化を図ることができる。また、本発明の自動走行台車は三輪タイプであり、床面に凹凸部や傾斜部があったとしても、各走行車輪は均等に床面に接地しそれら全車輪に均等に負荷がかかるので、全車輪をほぼ平均的に磨耗させることが可能であり、それだけメンテナンスのサイクルを長くとれ、一部の走行車輪の偏った磨耗に伴う補修や部品交換等に要するメンテナンス費用を削減してランニングコストの低減を図ることができる。
しかも、本発明の自動走行台車の前後一対の走行車輪は、いわゆる2WS構造となっているので、少しのステアリング操作によって走行台車の向きを左右に所定角度だけ変えることができ、これにより、走行台車が直線経路だけでなく曲線経路も正確かつ円滑に走行し、しかも前後一対の走行車輪のいずれか一方しか接地していない場合でも、その向きを確実に変えることができる。また、本発明の自動走行台車は、前記2WS構造によって、前進および後退のいずれの移動時にも、ステアリング操作による曲がり角度を一定とすることができ、前輪のみが操舵用となっている図24に示した従来の自動走行台車と比べて、ステアリング操作に関する制御が非常に容易となる。
図1〜図20は、この発明の一実施の形態を示す。この実施の形態に係る無軌道式の自動走行台車(以下、台車という)の本体1は、図1〜図3において左側にある第一地点Pと右側にある第二地点Qとの間を往復走行し、二つの地点P,Q間においてワークWの搬送を行うように構成されている。以下、図1〜図3における第二地点Q側(右側)を前側、第一地点P側(左側)を後側といい、それに伴って、台車本体1が第二地点Q側に向かって移動するときを前進、第一地点P側に向かって移動するときを後退という。
図1および図5に示すように、前記台車本体1は、平面視ほぼ矩形状のシャーシ2を備え、このシャーシ2の走行方向前後には、図8および図9にも示すように、バンパー3,3が連結固定されている。そして、図1、図5、図8および図9に示すように、台車本体1の下側には、複数(この実施の形態では三つ)の床面走行用車輪4,5,6が設けられている。詳しくは、台車本体1の一側(図1において上側)に台車本体1に対して縦(鉛直)軸心まわりに回動可能に支持された前後一対の走行車輪4,5が、他側(図1において下側)のほぼ中央に一つの走行車輪6がそれぞれ設けられている。
前記走行車輪4,5は、台車本体1の前後にほぼ対称となるように配置されており、図1、図5〜図7、図9、図11、図12、図14〜図18に示すように、台車本体1に対して車輪4,5とともに縦(鉛直)軸心まわりに回転するように設けられたブラケットよりなる支持部7,8によって支持されている。ここで、前記支持部7,8は、図11に示すように、例えばボールベアリング機構bにより台車本体1に対して縦軸心まわりに回転自在に構成されている。
また、図1、図7、図11および図16に示すように、後輪5は車輪駆動機構9により駆動され、この車輪駆動機構9は、モータ(例えばシンクロナスモータ)等よりなり、台車本体1の前進移動および後退移動を可能とし、かついずれの移動時にも、高速18m/minと低速5.3m/minとで移動させることができるように構成されている。さらに、台車本体1には、図1および図14に示すように、前輪4の回転を規制して走行中の台車本体1を停止(減速)させるためのブレーキ(例えば無励磁ブレーキ等の電磁ブレーキ)10が設けられている。
さらに、図1、図5、図6、図7および図11に示すように、台車本体1の前側には、前進時減速用近接スイッチ11および前進時停止用近接スイッチ12が設けられ、後側には、後退時減速用近接スイッチ13および後退時停止用近接スイッチ14が設けられている。そして、図1に示すように、前記前進時減速用近接スイッチ11に対応する減速用ドック15と、前進時停止用近接スイッチ12に対応する停止用ドック16とが、床面における第二地点Q付近に前後方向に若干位置をずらして設けられている。同様に、前記後退時減速用近接スイッチ13に対応する減速用ドック17と、後退時停止用近接スイッチ14に対応する停止用ドック18とが、床面における第一地点P付近に設けられている。
一方、床面には、図1および図3に示すように、台車本体1の走行経路に沿わせて高い光反射特性を備えた光反射式帯状体よりなる誘導マーク19が設けられており、台車本体1は、図1、図5、図6、図7、図8、図9、図12および図14に示すように、前記誘導マーク19を検出する検出手段20を備えている。この検出手段20は、光照射部および反射式光電管によって構成され、台車本体1の前後に1対ずつ設けられている。
また、台車本体1には、図5および図15に示すように、前記検出手段20による誘導マーク19の検出結果に基づいて前記車輪4,5の向きを制御する操向制御機構21が設けられている。すなわち、この操向制御機構21は、前記支持部8に台車本体1の内側(図5では下側)に向けて連設された第一リンクベース22と、前記支持部7に台車本体1の外側(図5では上側)に向けて連設された第二リンクベース23と、これら二つのリンクベース22,23を連結するベース連結ロッド24と、前記検出手段20の検出結果に基づいて所定の位相となるように回転する回転部25と、前記回転部25と第一リンクベース22または第二リンクベース23とに両端が連結されたリンクロッド26とを備えている。
前記第一リンクベース22は、支持部8とともに支持部8の縦軸心まわりに回動するように構成されており、図5、図7および図11に示すように、この第一リンクベース22によって、後側の前記一対の検出手段20が保持されている。また、前記支持部7には、図5および図14に示すように、台車本体1の内側(図5では下側)に向けて第二リンクベース延長部27が連設され、この延長部27と一体的に形成された第二リンクベース23は、支持部7とともに支持部7の縦軸心まわりに回動するように構成されている。そして、図5、図6および図14に示すように、前記第二リンクベース延長部27によって、前側の前記一対の検出手段20が保持されている。
前記回転部25は、図10、図13、図17および図18に示すように、モータ(例えばシンクロナスモータ)によって左右方向(図1では上下方向となる方向)に延びる水平軸を中心として所定半径の円を描くように回転する。そして、回転部25は、通常はニュートラル状態となっており、前記モータの駆動により、台車本体1の前側に近づいた位相と後側に近づいた位相との少なくとも二つの定まった位相となるように構成されている。
そして、前記操向制御機構21は、前記回転部25の回転がリンクロッド26およびベース連結ロッド24を介して前記二つの支持部7,8に伝達されることにより、二つの支持部7,8がそれぞれの縦軸心まわりに逆回転し、これにより、前後一対の走行車輪4,5が縦軸心まわりに所定角度逆回転するように構成されている。すなわち、台車本体1は、前後一対の走行車輪4,5を2WS構造としてある。
また、図2、図3、図6、図7、図8、図9、図11および図14において、28は第一地点Pおよび第二地点Q付近の床面に台車本体1の走行経路に沿うように設けられ、台車本体1を所定の位置(第一地点Pおよび第二地点Q)に正確に導くための板状のガイド部材であり、例えば、鉄板よりなり、図3に示すように、先端部が尖っている。そして、図6、図7、図9、図11および図14に示すように、台車本体1には、前記ガイド部材28によってガイドされる一対のローラ部材29が前後にそれぞれ設けられている。
さらに、図8および図9において、30は第一地点Pおよび第二地点Q付近の床面に立設され、台車本体1を第一地点Pおよび第二地点Qに停止させるためのストッパ部材であり、このストッパ部材30に台車本体1の前後に設けたストッパ当接部31(図5、図8、図9参照)が当たるように構成されている。
また、図2および図4において、32は台車本体1の上方に設けられた回転式警戒信号灯であり、台車の走行時にその周囲にいる作業者等に台車の走行を知らせるとともに台車に接触しないよう注意を促すためのものである。
図2〜図4において、33は台車本体1の上方に設けられたコンベア装置であり、第一地点Pおよび第二地点QにおいてワークWの積み卸しを行う際に駆動するように構成されている。すなわち、この実施の形態では、各地点P,Qの近傍にそれぞれワークWの加工装置(図示していない)が配置されており、第一地点PにおいてワークWが前段の加工装置から台車に移され、台車が第二地点Qに移動した後、この第二地点Qにおいて台車から後段の加工装置へとワークWが移される。
図2および図4において、34は台車に電力供給や制御信号の出力を行うためのケーブルであり、一端が台車に接続され、その中間部は複数のレール移動体35により適宜の間隔で吊り下げ支持されている。そして、各レール移動体35は、台車本体1の走行経路にほぼ沿うように配置されたレール36に移動自在に保持されている。
図2、図4、図6および図8において、37は制御盤、電線等を収容するためのボックス体であり、図6〜図8において、38は台車の転倒防止用の部材である。
次に、上記の構成からなる台車の作動について説明する。台車本体1は、所定のサイクルに従って第一地点P、第二地点Q間を往復移動し、下記の(1)〜(8)に示す作動を繰り返す。以下、この台車の作動について図1をも参照しながら説明する。
(1)まず、第一地点Pにおいて停止した状態が所定時間(例えば5秒間)継続し、この間に、ワークWが前段の加工装置等からコンベア装置33に積み込まれる。
(2)続いて、車輪駆動機構9により後輪5が駆動され、ワークWがコンベア装置33上に載置された状態の台車本体1が第二地点Qに向けて移動を開始し、この移動開始から所定時間後(例えば約0.5秒後)に速度が所定の高速(例えば18m/min)となり、その後、この高速での移動が継続される。
(3)そして、移動開始から所定時間後(例えば約8秒後)に、第二地点Q付近に設けられた減速用ドック15に台車本体1の前進時減速用近接スイッチ11が到達し、台車本体1は減速を開始し、この減速開始から所定時間後(例えば約0.5秒後)に速度が所定の低速(例えば5.3m/min)となり、その後、この低速での移動が継続される。
(4)その後、減速開始から所定時間後(例えば約2秒後)に、第二地点Q付近に設けられた停止用ドック16に台車本体1の前進時停止用近接スイッチ12が到達し、台車本体1は第二地点Qにおいて停止した状態となる。
(5)第二地点Qにおいて停止した状態が所定時間(例えば5秒間)継続し、この間に、ワークWがコンベア装置33から後段の加工装置等に移載される。
(6)続いて、車輪駆動機構9により後輪5が駆動され、台車本体1が第一地点Pに向けて移動を開始し、この移動開始から所定時間後(例えば約0.5秒後)に速度が所定の高速(例えば18m/min)となり、その後、この高速での移動が継続される。
(7)そして、移動開始から所定時間後(例えば約8秒後)に、第一地点P付近に設けられた減速用ドック17に台車本体1の後退時減速用近接スイッチ13が到達し、台車本体1は減速を開始し、この減速開始から所定時間後(例えば約0.5秒後)に速度が所定の低速(例えば5.3m/min)となり、その後、この低速での移動が継続される。
(8)その後、減速開始から所定時間後(例えば約2秒後)に、第一地点P付近に設けられた停止用ドック18に台車本体1の後退時停止用近接スイッチ14が到達し、台車本体1は第一地点Pにおいて停止した状態となる。
そして、台車本体1は、上記(1)〜(8)の作動を繰り返す際に、前記検出手段20および操向制御機構21によって、所定の走行経路から外れて走行することが防止される。すなわち、台車本体1は、前進時には、前側の一対の検出手段20によって誘導マーク19を検出する。この検出は、図19に示すように、誘導マーク19の左右両側にそれぞれ検出手段20の光照射部からの光を照射することで行われる。
すなわち、図19においてSで示す方向に台車本体1が移動する場合、進行方向に向かって左側の検出手段20からの光の照射エリアLと、右側の検出手段20からの光の照射エリアRとがともに誘導マーク19上に存在するときには、両方の検出手段20がON状態となり、操向制御機構21によって車輪4,5の向きが変えられることはない(図20(B)参照)。
また、前記照射エリアLおよびRがともに誘導マーク19上に存在しなくなれば、両方の検出手段20がOFF状態となり、台車本体1は停止するように構成されている。なお、このような状態になるのは、例えば、台車本体1等に何かが衝突した場合など、不具合が生じたときに限られる。
そして、前記照射エリアLのみが誘導マーク19上に存在するときには、左側の検出手段20がON状態になるとともに右側の検出手段20がOFF状態になり、この検出結果に基づいて、操向制御機構21が車輪4,5の向きを変える。図15を参照しながら詳述すると、まず、回転部25が前記検出結果に基づいて所定の位相(台車本体1の後側に近い位相)となるように回転し、この回転に伴ってリンクロッド26が後側(図15では左側)に所定距離だけ移動する。そして、この移動により、前記リンクロッド26に連結された第一リンクベース22および支持部8が支持部8の縦軸心を軸として図15において右回りに所定角度回転する。これにより、後輪5も同様に右回りに所定角度回転する。そして、第一リンクベース22の右回りの回転に伴って、第一リンクベース22に連結されたベース連結ロッド24が後側(図15では左側)へと所定距離だけ移動し、このベース連結ロッド24に連結された第二リンクベース23が、支持部7とともに支持部7の縦軸心を軸として図15において左回りに所定角度回転する。これにより、前輪4も同様に左回りに所定角度回転する。
上記の作動により、台車本体1は図20(C)に示す状態となり、その進行方向が所定角度だけ左側に向き、やがて照射エリアLとともに照射エリアRが誘導マーク19上に戻る。
反対に、前記照射エリアRのみが誘導マーク19上に存在するときには、右側の検出手段20がON状態になるとともに左側の検出手段20がOFF状態になり、この検出結果に基づいて、操向制御機構21が車輪4,5の向きを変える。図15を参照しながら詳述すると、まず、回転部25が前記検出結果に基づいて所定の位相(台車本体1の前側に近い位相)となるように回転し、この回転に伴ってリンクロッド26が前側(図15では右側)に所定距離だけ移動する。そして、この移動により、前記リンクロッド26に連結された第一リンクベース22および支持部8が支持部8の縦軸心を軸として図15において左回りに所定角度回転する。これにより、後輪5も同様に左回りに所定角度回転する。そして、第一リンクベース22の左回りの回転に伴って、第一リンクベース22に連結されたベース連結ロッド24が前側(図15では右側)へと所定距離だけ移動し、このベース連結ロッド24に連結された第二リンクベース23が、支持部7とともに支持部7の縦軸心を軸として図15において右回りに所定角度回転する。これにより、前輪4も同様に右回りに所定角度回転する。
上記の作動により、台車本体1は図20(A)に示す状態となり、その進行方向が所定角度だけ右側に向き、やがて照射エリアRとともに照射エリアLが誘導マーク19上に戻る。
ここで、台車本体1は、後退時には、後側の一対の検出手段20によって誘導マーク19を検出し、この検出方法と操向制御機構21の作動とは前進時と同様であるので、その説明を省略する。
なお、この発明は、上記の実施の形態に限られず、種々に変形して実施することができる。具体的には、上記実施の形態では、後輪5が車輪駆動機構9により駆動され、前輪4がブレーキ10により停止作動される構成について述べているが、このような構成に限られず、例えば、後輪5がブレーキ10により停止作動され、前輪4が車輪駆動機構9により駆動されてもよい。
また、図示および説明を簡単にするために前記誘導マーク19をほぼ直線状にしてあるが、誘導マーク19は直線状に限られず、曲線部分を有していてもよい。
さらに、上記実施の形態では、誘導マーク19を光反射式帯状体により構成し、検出手段20を光照射部および反射式光電管によって構成してあるが、例えば、誘導マーク19を磁石(磁性体)よりなる帯状体により構成するとともに、検出手段20を磁気を感知する磁気センサにより構成してもよい。
この発明の一実施の形態に係る無軌道式自動走行台車の構成を概略的に示す説明図である。 前記自動走行台車の構成を概略的に示す側面図である。 前記自動走行台車の構成を概略的に示す平面図である。 前記自動走行台車の構成を概略的に示す正面図である。 前記自動走行台車の構成を概略的に示す横断面図である。 前記自動走行台車の要部の構成を概略的に示す正面図である。 前記自動走行台車の要部の構成を概略的に示す背面図である。 前記自動走行台車の要部の構成を概略的に示す側面図である。 前記自動走行台車の要部の構成を概略的に示す縦断面図である。 前記自動走行台車における操向制御機構の構成を概略的に示す説明図である。 前記自動走行台車の要部の構成を概略的に示す部分透視背面図である。 図11のA矢視図である。 図11のB矢視図である。 前記自動走行台車の前部の構成を概略的に示す縦断面図である。 前記自動走行台車における操向制御機構の構成を概略的に示す平面図である。 前記自動走行台車における操向制御機構の要部の構成を概略的に示す背面図である。 前記自動走行台車における操向制御機構の構成を概略的に示す説明図である。 前記自動走行台車における操向制御機構の構成を概略的に示す部分透視側面図である。 前記自動走行台車の検出手段の作動を概略的に示す説明図である。 (A)、(B)および(C)は、前記自動走行台車の操向制御機構の作動を概略的に示す説明図である。 従来の四輪タイプの軌道式自動走行台車の構成を概略的に示す平面図である。 上記従来の自動走行台車の構成を概略的に示す側面図である。 上記従来の自動走行台車の構成を概略的に示す正面図である。 従来の三輪タイプの軌道式自動走行台車の構成を概略的に示す説明図である。
符号の説明
1 台車本体
4 前輪
5 後輪
6 走行車輪
9 車輪駆動機構
19 誘導マーク
20 検出手段
21 操向制御機構

Claims (3)

  1. 複数の床面走行用車輪と、車輪駆動機構と、走行経路に沿わせて床面に設けた誘導マークを検出する検出手段と、この検出手段による誘導マークの検出結果に基づいて前記車輪の向きを制御する操向制御機構とを備えた無軌道式の自動走行台車であって、前記床面走行用車輪として、台車本体の一側に台車本体に対して縦軸心まわりに回動可能に支持された前後一対の走行車輪を、他側に一つの走行車輪をそれぞれ設け、前記操向制御機構により、前後一対の走行車輪が縦軸心まわりに所定角度逆回転するように構成してあることを特徴とする無軌道式の自動走行台車。
  2. 前記前後一対の走行車輪がそれぞれ台車本体に対して車輪とともに縦軸心まわりに回転する支持部により支持され、一方の支持部に台車本体の内側に向けて第一リンクベースが連設され、他方の支持部に台車本体の外側に向けて第二リンクベースが連設され、前記操向制御機構が、上記二つのリンクベースと、これら二つのリンクベースを連結するベース連結ロッドと、前記検出手段の検出結果に基づいて所定の位相となるように回転する回転部と、前記回転部と第一リンクベースまたは第二リンクベースとに両端が連結されたリンクロッドとを備え、前記回転部の回転がリンクロッドおよびベース連結ロッドを介して前記二つの支持部に伝達されることにより、二つの支持部がそれぞれの縦軸心まわりに逆回転するように構成してある請求項1に記載の無軌道式の自動走行台車。
  3. 前記誘導マークを光反射式帯状体で構成し、前記検出手段を光照射部と反射式光電管とで構成してある請求項1または2に記載の無軌道式の自動走行台車。
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