JP2006060690A - 適応型インバータ - Google Patents

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Abstract

【課題】駆動能力を低下させず反応時間を自在に制御でき、極めて少ない素子数で実現でき、実装面積の縮小、低消費電力化が可能な適応型インバータを提供する。
【解決手段】入力端子、出力端子、及び閾値制御端子を有し、閾値制御端子CNTに入力される閾値制御電圧信号の電圧値により論理閾値電圧を連続的に制御することが可能な論理閾値可変インバータ2と、論理閾値可変インバータ2の入力信号又は出力信号が遷移する時点から所定の時間だけ遅延して、論理閾値可変インバータ2の閾値制御電圧信号の電圧値を当該入力信号又は出力信号の論理レベルに応じた電圧値に切り換える制御信号生成回路3とを備えた構成とする。これにより、論理閾値の動的切替により駆動能力・反応時間を自在に制御できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、入力電圧の遷移特性とは独立に出力電圧の遷移の反応時間及び駆動能力を調節することが可能な適応型インバータに関する。
近年、LSIにおける素子の微細化、高集積化が進み、1個のLSIチップ上に数十億個以上のトランジスタが集積されるようになりつつある。かかるLSIチップの高集積化の進展に伴い、チップ内の素子特性のばらつきにより、安定した回路性能を得ることが困難化するという問題が生じる。すなわち、素子特性のばらつきを考慮して安定した回路性能を確保するためには、素子特性のばらつきによるマージンを考慮した回路設計が必要とされるが、回路規模が極めて大きくなると、マージンを考慮した回路設計は極めて困難となる。そこで、今後のLSIの更なる高集積化・高性能化を進展させるためには、素子特性のばらつきとマージン設計の複雑さを克服することが極めて重要な課題である。
そこで、近年、クロックスキュー等を調節するなどして、高い性能を実現する新しいLSI高性能化技術が研究・開発されている(非特許文献1〜3参照)。これらは、LSIの製造後にLSIチップ内部の特性を調節することにより、素子特性のばらつきを吸収し、LSIの高性能化を実現しようとするものであり、いわゆる、調整機能内蔵LSIということができる。更に、将来的には、LSIチップ内に、チップ内の素子特性のばらつきをそのLSI自身が自動補正する機能を組み込んだ自律適応型LSIが登場すると見込まれる。自律適応型LSIにおいては、LSIチップの製造ばらつきを不確定要素とするマージン設計が不要となる。これにより、LSIの設計・製造コストの大幅な低減が可能となる。また、LSIの用途や使用環境の変化などにも自動的に適応して最適な性能を実現する、全く新しいタイプの学習型LSIへの展開が期待される。
上述の自律適応型LSIの要素回路技術の一つとして、入力信号の遷移に対する出力信号の遷移の遅延時間(以下、「反応時間」という。)や駆動能力を自由に制御することのできる適応型インバータが必要となる。
出力負荷に応じてインバータの駆動能力を変更する技術としては、インバータの出力側にMOS容量を接続し、負荷に応じてMOS容量のキャパシタンスを変化させる技術が公知である(特許文献1参照)。
また、インバータの反応時間を制御する技術としては、インバータの出力端子に接続された容量負荷のキャパシタンスを変化させることで反応時間を制御する技術(特許文献3参照)や、インバータの出力端子に電気的にインピーダンス制御が可能な負抵抗(以下、「電子制御負抵抗」という。)を接続し、この電子制御負抵抗のインピーダンスを制御することで反応時間を制御する技術(特許文献4参照)が公知である。
図16は特許文献2に記載の適応型インバータの回路構成を表す図である。この適応型インバータは、MOSトランジスタM,Mからなるインバータ100を有し、MOSトランジスタM側には、MOSトランジスタMを介して電源電圧VDDが印加され、MOSトランジスタM側にはMOSトランジスタMを介して低電圧VSSが印加されている。MOSトランジスタM,Mのゲートには、それぞれ、放電制御電圧信号BP,BNが印加されている。
また、インバータ100の出力側には、MOSトランジスタM,Mを介してコンデンサC,Cが接続されている。MOSトランジスタM,Mのゲートには、それぞれ、コンデンサC,Cとインバータ100の出力側との結合を制御するものであり、MOSトランジスタM,Mのコンダクタンスは、制御電圧信号VCN,VCPにより制御される。
インバータ100の反応時間は、MOSトランジスタMへの供給電流IM1又はMOSトランジスタMからの供給電流IM2に比例する。すなわち、供給電流IM1,IM2を大きくすれば反応時間は短くなり、逆に供給電流IM1,IM2を小さくすれば反応時間は長くなる。供給電流IM1,IM2の制御は、放電制御電圧信号BP,BNにより制御することができる。これにより、インバータ100における遅延を直接調節し、反応時間を制御することができる。
しかし、供給電流IM1,IM2をあまり小さくすると反応時間の制御精度が下がり好ましくない。従って、この場合、制御電圧信号VCN,VCPによりMOSトランジスタM,Mのコンダクタンスを減少し、コンデンサC,Cをインバータ100の出力ノードに接続する。これにより、供給電流IM1,IM2が小さい領域でも反応時間を制御することができる。
図17は特許文献3に記載の適応型インバータの回路構成を表す図である。この適応型インバータは、通常のCMOS型のインバータ110の出力側に、インバータ112,113、及び可変インピーダンス114がリング状に接続されてなる電子制御負抵抗(以下、「ECNR」という。)111が接続された構成からなる。
インバータ112のゲインを−A、インバータ113のゲインを−A、可変インピーダンス114のインピーダンスをZ、A=1+Aとすれば、電子制御負抵抗111のインピーダンスZinは、近似的にZin=Z/(1−A)=−Z/Aで与えられる。従って、ECNR111は負のインピーダンスであり、可変インピーダンス114のインピーダンスZを制御することによりZinの制御が可能である。尚、可変インピーダンス114は、通常のトランスミッション・ゲートを用いて構成することができ、トランスミッション・ゲートの2つのゲートに入力する相補的な制御電圧信号によってそのインピーダンスを制御することができる。
インバータ110の出力端子はインバータ112の入力端子に接続されている。可変インピーダンス114を制御することにより、ECNR111の負抵抗値を制御することができる。この負抵抗値の変化は、インバータ110の出力電圧がインバータ112の閾値電圧に達するまでの時間に影響を及ぼし、インバータ110の出力端子に現れる信号の遷移時間が制御される。
図17の適応型インバータの動作を模式的に表すと図18のようになる。図18は、インバータ110の出力電圧の時間変化を表している。インバータ110の出力電圧が点Aから点Bにかけて上昇する。このとき、インバータ112の出力電圧はVd、インバータ113の出力端子は0に保持されている。従って、インバータ110の出力端子から可変インピーダンス114を通りインバータ113の出力端子に転換電流(diverting current)が流れる。この転換電流により、インバータ110の出力電圧の上昇速度は抑制される。点Bにおいて、インバータ110の出力電圧は閾値電圧Vthに達する。これにより、インバータ112の出力電圧が0に遷移し、インバータ113の出力電圧はVdに遷移する。インバータ113の出力電圧がVdに遷移すると、今度は、インバータ113の出力端子から可変インピーダンス114を通りインバータ110の出力端子に電流が流れる。これにより、インバータ110の出力電圧の上昇は加速され、点CにおいてVdに到達する。
インバータ110の出力電圧がVdから0に遷移する場合も、同様にして、点D,E,Fの順に変化する。
このように、インバータ110の出力電圧が遷移するとき、インバータ110の出力端子には実効負抵抗が働く。この実効負抵抗の値は可変インピーダンス114のインピーダンスZを制御することによって制御することができる。従って、インバータ110の出力電圧の遷移時に、インバータ110の出力電圧が閾値電圧Vthに達するまでの時間、すなわち反応時間を制御することが可能となる。
特開2002−198796号公報 米国特許第5,012,142号明細書 米国特許第5,479,129号明細書 特開2002−222944号公報 特願2003−20651号明細書 特願2003−93644号明細書 Murakawa, M.; Adachi, T.; Niino, Y.; Kasai, Y.; Takahashi, E.; Takasuka, K.; Higuchi, T.; "An AI-calibrated IF filter: a yield enhancement method with area and power dissipation reductions," Solid-State Circuits, IEEE Journal of, Volume: 38, Issue: 3, March 2003, Pages:495-502 Deleganes, D.; Douglas, J.; Kommandur, B.; Patyra, M.; "Designing a 3 GHz, 130 nm, Intel Pentium(登録商標) 4 processor," VLSI Circuits Digest of Technical Papers, 2002. Symposium on, 13-15 June 2002, Pages:130-133 Takahashi, E.; Kasai, Y.; Murakawa, M.; Higuchi, T.; "A post-silicon clock timing adjustment using genetic algorithms," VLSI Circuits, 2003. Digest of Technical Papers. 2003 Symposium on, 12-14 June 2003, Pages:13-16 有馬裕,浅野種正,「利得係数可変MOSトラン ジスター An Adjustable βMOSトランジスタ (A-MOS)」,第5回システムLSIワークショップ、 ポスター発表、電子情報通信学会集積回路研究専門委員会、pp.271-274、2001年11月 27日 Yutaka Arima, Naoki Nakanose, and Tanemasa Asano, "A Logic Threshold Voltage Conversion Circuitry with Variable Channel-Size MOSEFT", The Transactions of The IEICE, Vol. J86-C No.8, pp.894-901, August 2003.
しかしながら、上記図16に示した従来の技術では、インバータの反応時間を変化させるために、MOSトランジスタM,Mのコンダクタンスを減少させてインバータへの供給電流を減少させると、インバータの駆動能力が著しく減少する。また、インバータを通して伝搬する信号の電圧振幅の振れが減少し、実際にはインバータの反応時間を長くするよりはむしろ短くさせるという問題が生じる。
また、上記図16や図17に示した従来の技術は、もっぱら遅延線への適用を想定したものであり、インバータの反応時間をインバータ単体の場合にくらべて長くすることはできるが、短くすることができない。従って、変化の鈍った入力信号の遷移点を敏感に検出して出力電圧を遷移させるような反応時間の制御を行うことができない。従って、上述のような自律適応型LSIの要素回路として使用するには、機能的に不十分である。
また、インバータの出力端子に接続したキャパシタや電子制御負抵抗で行う場合、反応時間の制御をインバータの出力端子からの電流の引き込みにより行うため、必然的に出力遷移時におけるインバータの駆動電流が増加する。従って、インバータにおける消費電力が大きくなるといった問題もある。
そこで、本発明の目的は、インバータの駆動能力を大きく低下させることなく反応時間を自在に制御することが可能であり、かつ極めて少ない素子数で実現でき、実装面積の縮小、低消費電力化が可能な適応型インバータを提供することにある。
本発明に係る適応型インバータの第1の構成は、入力端子、出力端子、及び閾値制御端子を有し、前記閾値制御端子に入力される閾値制御電圧信号の電圧値により論理閾値電圧を連続的に制御することが可能な論理閾値可変インバータと、前記論理閾値可変インバータの入力信号又は出力信号が遷移する時点から所定の時間だけ遅延して、前記論理閾値可変インバータの前記閾値制御電圧信号の電圧値を当該入力信号又は出力信号の論理レベルに応じた電圧値に切り換える制御信号生成回路とを備えていることを特徴とする。
論理閾値可変インバータ(Variable Threshold Inverter : 以下、「VT−INV」という。)の入力信号が遷移する場合、入力信号が変化し始めた後に論理閾値電圧を過ぎる時点付近に、VT−INVの出力電圧が遷移(LレベルからHレベル又はその逆の遷移をいう。)し始める。入力信号が変化し始める時点から出力電圧が遷移し始めるまでの遅延時間を「反応時間」という。入力信号の変化速度が一定であれば、反応時間は、入力電圧の初期電圧(入力電圧が変化し始める直前の電圧)と論理閾値電圧との差にほぼ比例する。すなわち、初期電圧と論理閾値電圧との差によって反応時間を制御することができる。また、VT−INVの論理閾値電圧の変化は、VT−INVを構成するMOSトランジスタの利得係数の変調により生じているので、VT−INVの駆動能力は論理閾値電圧により変調される。従って、初期電圧と論理閾値電圧との差によってVT−INVの駆動能力を制御することができる。
そこで、上記第1の構成においては、制御信号生成回路は、VT−INVの入力信号又は出力信号が遷移した場合、その遷移時から遅れて閾値制御電圧信号の電圧値を切り替え、VT−INVの論理閾値電圧を切り換える。これにより、VT−INVの入力信号又は出力信号の各論理値に対し、独立に初期電圧と論理閾値電圧との差を調節し、反応時間又は駆動能力を調節することが可能となる。
ここで、制御信号生成回路において論理閾値可変インバータの入力信号が遷移する時点から閾値制御電圧信号の電圧値を切り換えるまでの「所定の時間」は、特に限定するものではないが、論理閾値可変インバータの入力信号が切り替わる最小時間間隔よりも短い時間間隔で、且つVT−INVの反応時間よりも長い時間に設定される。
本発明に係る適応型インバータの第2の構成は、前記第1の構成において、前記制御信号生成回路は、前記論理閾値可変インバータの入力信号が遷移する時点から所定の時間だけ遅延して、遷移後の前記入力信号の電圧値と前記論理閾値可変インバータの論理閾値との差が一定の値となるように、前記論理閾値可変インバータの前記閾値制御電圧信号の電圧値を切り換えることを特徴とする。
このように、制御信号生成回路が、遷移後の前記入力信号の電圧値と前記論理閾値可変インバータの論理閾値との差が一定の値となるように閾値制御電圧信号の電圧値を切り換えることで、入力信号の立ち上がり及び立ち下がりにおけるVT−INVの反応時間を一定とすることができる。
本発明に係る適応型インバータの第3の構成は、前記第1又は2の構成において、前記制御信号生成回路は、前記論理閾値可変調インバータの入力信号を所定の時間だけ遅延するとともにそれを反転増幅又は非反転増幅した前記閾値制御電圧信号を生成し前記論理閾値可変インバータの閾値制御端子に入力するものであることを特徴とする。
この構成によれば、制御信号生成回路における反転増幅又は非反転増幅の利得を調整して閾値制御電圧信号のレベルを調整することにより、論理閾値可変調インバータの反応時間を所定の値に調節することが可能となる。
本発明に係る適応型インバータの第4の構成は、前記第1又は2の構成において、前記制御信号生成回路は、前記論理閾値可変調インバータの出力信号を所定の時間だけ遅延するとともにそれを反転増幅又は非反転増幅した前記閾値制御電圧信号を生成し前記論理閾値可変インバータの閾値制御端子に入力するものであることを特徴とする。
この構成によれば、制御信号生成回路における反転増幅又は非反転増幅の利得を調整して閾値制御電圧信号のレベルを調整することにより、論理閾値可変調インバータの駆動能力を所定の値に調節することが可能となる。
本発明に係る適応型インバータの第5の構成は、前記第3又は4の構成において、前記制御信号生成回路は、前記論理閾値可変調インバータの入力信号又は出力信号の何れかを所定の時間だけ遅延させた遅延信号を生成する遅延回路と、前記遅延信号を増幅し前記閾値制御電圧信号として前記論理閾値可変インバータの閾値制御端子に出力する増幅回路であって、外部から入力される利得制御電圧信号による利得制御が可能な出力振幅変調回路と、を備えていることを特徴とする。
この構成によれば、利得制御電圧信号により出力振幅変調回路における利得を調整することにより、論理閾値可変調インバータの反応時間又は駆動能力を自由に調節することが可能となる。
本発明に係る適応型インバータの第6の構成は、前記第5の構成において、前記出力振幅変調回路は、利得制御電圧信号により抵抗値の制御が可能な第1の電子制御可変インピーダンス、及び、前記第1の電子制御可変インピーダンスに直列接続され、前記利得制御電圧信号により第1の電子制御可変インピーダンスに対して相補的に抵抗値が制御される第2の電子制御可変インピーダンスからなる可変分圧インピーダンスを備え、前記可変分圧インピーダンスの両端には、それぞれ、前記遅延回路が出力する遅延信号及びその反転信号が入力され、前記可変分圧インピーダンスの第1及び第2の電子制御可変インピーダンスの接続ノードが前記論理閾値可変調インバータの閾値制御端子に接続されていることを特徴とする。
この構成によれば、第1及び第2の電子制御可変インピーダンスは、利得制御電圧信号の電圧により分圧比が変化する可変分圧インピーダンスとして機能する。従って、利得制御電圧信号の電圧を制御することにより、第1及び第2の電子制御可変インピーダンスの接続ノードの電圧を制御することができる。そして、当該接続ノードに出力される遅延信号の利得を正から負の範囲にわたり変化させることができる。当該接続ノードは、論理閾値可変調インバータの閾値制御端子に接続されており、当該接続ノードに出力される信号は、閾値制御電圧信号として閾値制御端子に入力される。従って、利得制御電圧信号の電圧により、遅延信号に対する閾値制御電圧信号の利得を制御することができる。
ここで、利得制御電圧信号の電圧は電源電圧と接地電圧の中間の電圧に設定される。
本発明に係る適応型インバータの第7の構成は、前記第6の構成において、前記第1及び第2の電子制御可変インピーダンスは、入力端子及び出力端子の間に、チャネルを挟む一方の端子と他方の端子とがそれぞれ接続されたPチャネル型の第1のMOSトランジスタ、並びに、前記入力端子及び出力端子の間に、チャネルを挟む一方の端子と他方の端子とがそれぞれ接続されたNチャネル型の第2のMOSトランジスタから構成されたトランスミッション・ゲートであり、前記第1の電子制御可変インピーダンスの第1及び第2のMOSトランジスタのゲートには、それぞれ前記利得制御電圧信号及びその相補電圧信号が入力され、前記第2の電子制御可変インピーダンスの第2及び第1のMOSトランジスタのゲートには、それぞれ前記利得制御電圧信号及びその相補電圧信号が入力されるものであることを特徴とする。
ここで、利得制御電圧信号の「相補電圧信号」とは、利得制御電圧信号が増加すれば減少し、利得制御電圧信号が減少すれば増加するように、利得制御電圧信号に対して相補的な変化をする信号をいう。
以上のように、本発明によれば、VT−INVの入力信号が遷移した場合、制御信号生成回路は、その遷移時から遅れて閾値制御電圧信号の電圧値を切り替えることにより、VT−INVの入力信号のそれぞれの論理値に対し、独立に反応時間を調節することが可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
〔1〕適応型インバータの全体構成
図1は本発明の実施例1に係る適応型インバータの構成を表す図である。本実施例に係る適応型インバータ1は、論理閾値可変インバータ(以下、「VT−INV」という。)2、及び制御信号生成回路3を備えている。
VT−INV2は、入力端子IN、出力端子OUT、及び閾値制御端子CNTを有する3端子素子である。VT−INV2は、入力端子INに入力される入力信号に対して、その論理反転電圧の出力信号を出力端子OUTに出力するものである点においては通常のインバータと同様であるが、閾値制御端子CNTに入力される閾値制御電圧により、論理閾値を連続的に制御することが可能である点で通常のインバータとは異なる。以下、閾値制御端子CNTに入力される閾値制御電圧のことを「閾値制御電圧信号」という。
制御信号生成回路3は、入力端子Ci、出力端子Co、及び利得制御端子Ccを有している。制御信号生成回路3の入力端子Ciは、VT−INV2の入力端子INに接続され、制御信号生成回路3の入力端子Coは、VT−INV2の閾値制御端子CNTに接続されている。制御信号生成回路3の利得制御端子Ccには、外部回路からの利得制御電圧信号VCcが入力される。
制御信号生成回路3は、VT−INV2の入力信号が遷移(HからL又はLからHへの遷移をいう。)する時点から所定の時間だけ遅延して、VT−INV2の閾値電圧信号の電圧値VCNTを、当該入力信号の論理レベルに応じた電圧値に切り換える動作を行う。
〔2〕論理閾値可変インバータ(VT−INV)
〔2.1〕VT−INVの全体構成
次に、VT−INV2について、詳細に説明する(非特許文献5,特許文献6参照)。図2は図1のVT−INV2の回路構成を表す図である。図2(a)に示す通り、VT−INV2は、pチャネル型のチャネル・サイズ可変調MOSトランジスタ(Variable channel Size Metal Oxide Semiconductor:以下、「VS−MOS」という。)4、及びnチャネル型のVS−MOS5を備えている。VS−MOS5の詳細に関しては後述する。VS−MOS4,5は、通常のMOSトランジスタと同様、チャネルを挟む2つの端子(ソース及びドレイン)及びゲートを有するほか、チャネル幅を制御するためのチャネル幅制御電圧を入力するための制御ゲートを備えている。
VS−MOS4,5のゲートは、ともに入力端子INに接続されている。VS−MOS4のチャネルを挟む2つの端子のうち一方には電源電圧Vdが印加され、他方は出力端子OUTに接続されている。また、VS−MOS5のチャネルを挟む2つの端子のうち一方は接地され、他方は出力端子OUTに接続されている。また、VS−MOS4,5の制御ゲートは、共に閾値制御端子CNTに接続されている。すなわち、VT−INV2は、通常のCMOS接続されたVS−MOS4,5の制御ゲートが、共通の閾値制御端子CNTに接続された構成を有する。かかるVT−INV2は、図2(b)の記号により表される。
〔2.2〕チャネル・サイズ可変調MOSトランジスタ(VS−MOS)
ここで、VS−MOS4,5についての補足説明を行う。VS−MOSは、制御ゲートに加える制御ゲート電圧Vcgによって、その実効的チャネル・サイズを連続的に変化させることを可能としたMOSトランジスタである。実効的なチャネル・サイズが可変なMOSトランジスタとしては、制御ゲートをメイン・ゲートに対して斜めに設けた構成のものが既に公知である(特許文献4,非特許文献4参照)。また、本発明者は、従来のLSI製造プロセスを一切変更することなく製造することが可能なVS−MOSを以前に考案している(特許文献5参照)。
図3は図2のチャネル・サイズ可変調MOSトランジスタ(VS−MOS)のレイアウトの一例を表す図である。VS−MOSは、ソース(Source)11、ドレイン(Drain)12、及びメイン・ゲート(Main Gate)13を備えており、これらは通常のMOSトランジスタと同様である。ソース11,ドレイン12,メイン・ゲート13には、それぞれ、コンタクト・ホール11a,12a,13aが形成されている。
VS−MOSでは、更にメイン・ゲート13の両側に、制御ゲート(Control Gate)14,15を備えていることを特徴とする。制御ゲート14,15にも、それぞれコンタクト・ホール14a,15aが設けられている。
制御ゲート14,15は、ソース11又はドレイン12の領域を、チャネル幅方向に完全に分断するのではなく、一方の端に幅Scの隙間14b,15bが形成されている。この隙間14b,15bは、メイン・ゲート13の中心に対して互いに対極の位置に形成されている。尚、隙間14b,15bの位置については、特に図3のような位置に限定されるものではない。また、制御ゲート14,15の形状についても特に限定されるものではないが、通常は矩形でよい。
以上のようなレイアウト構成により、VS−MOSは、メイン・ゲート13の実効的チャネル・サイズを、制御ゲート14,15に印加される制御ゲート電圧Vcgにより変調することが可能となる。VS−MOSの変調特性は、図3に示した、制御ゲート14,15のゲート長Lc,制御ゲートの隙間14b,15bの間隔Sc,制御ゲート14,15とメイン・ゲート13との間隔Sv,メイン・ゲート13のゲート長L,及びメイン・ゲート13のゲート幅W等のレイアウト上の形状パラメータ値により決定される。
次に、VS−MOSにおける実効的チャネル・サイズの変調動作の原理について簡単に説明する。図4はデバイス・シミュレーションにより算出されたn型のVS−MOS内のポテンシャルと電流の分布を表す図である。図4(a)はVcg=V=V=3.0V、図4(b)はVcg=1.0V,V=V=3.0V、図4(c)はVcg=0.0V,V=V=3.0Vのバイアス電圧条件等におけるシリコン表面のポテンシャル(0.1V毎の等高線)と電流(矢印の向きと大きさ)を示している。ここで、Vはメイン・ゲート13に印加される電圧(以下、単に「ゲート電圧」という。)、Vはドレイン12に印加されるドレイン電圧である。
図4(a)の場合、制御ゲート14,15のチャネル抵抗は比較的低いので、制御ゲート14,15の隙間14b,15bへの電流集中はあまり生じない。そして、ポテンシャルの等高線は、メイン・ゲート13の幅方向にほぼ平行となる。その結果、電流はメイン・ゲート13の長方向に流れ、実効的なチャネル・サイズは通常のMOSトランジスタとほぼ同様である。
図4(b)の場合、制御ゲート14,15のチャネル抵抗が隙間14b,15bの部分の拡散抵抗よりも高くなる。従って、隙間14b,15bの部分への電流の集中が生じる。メイン・ゲート13と制御ゲート14,15間の拡散領域(幅Svの部分。以下同じ。)を流れるゲート幅方向に沿った電流によって、ゲート幅方向に電位差が生じる。その結果、ポテンシャルの等高線はメイン・ゲート13に対してやや斜めとなる。メイン・ゲート13の電流も、やや斜めに流れるようになる。このときの実効的チャネル・サイズは、チャネル幅がやや狭く、チャネル長がやや長く変形される。
図4(c)の場合、制御ゲート14,15はOFF状態であり、隙間14b,15bの部分への電流集中は最大となる。拡散領域部やメイン・ゲート13の部分のゲート幅方向の電位差も最大となる。その結果、ポテンシャルの等高線はメイン・ゲート13に対して更に斜めとなる。そして、メイン・ゲート13の中央部の電流は最も斜めに流れるようになる。従って、実効的チャネル・サイズは、チャネル幅が最も狭く、チャネル長が最も長く変形される。
以上のような原理により、VS−MOSは制御ゲート電圧Vcgにより、メイン・ゲート13の実効的チャネル・サイズが変調される。従って、制御ゲート電圧Vcgによりドレイン電流Iを変調することができる。ドレイン電流Iの変調の程度は、メイン・ゲート13と制御ゲート14,15に挟まれた幅Svの拡散領域で生じるメイン・ゲート13の幅方向の電位差の変化量により左右される。すなわち、制御ゲート14,15のゲート長Lc、隙間14b,15bの間隔Sc、制御ゲート14,15とメイン・ゲート13との間隔Svなどのレイアウト形状とメイン・ゲート13と制御ゲート14,15とに挟まれた拡散領域の不純物濃度(NSv)を調整することによって、VS−MOSの変調特性を設計することができる。
図5は制御ゲート電圧Vcgに対するVS−MOSの利得係数βの変調特性の一例を示す図である。このVS−MOSの利得係数βの変調特性は、VS−MOSの形状パラメータ等によって決定される。nチャネルのVS−MOSの場合、制御ゲート電圧Vcgが0〔V〕からある一定の閾値までの間は、利得係数βnは略一定値を保つ。これは、制御ゲート14,15の下部にチャネルが形成されないため、メイン・ゲート13の下部では、実効的なチャネル長が最も長く、実効的なチャネル幅が最も狭い状態に保たれるためである。
一方、制御ゲート電圧Vcgが閾値を超えると、図5のβn(a),βn(b)に示したような曲線に沿って利得係数βnが増加する。これは、制御ゲート電圧Vcgの増加に伴って実効的なチャネル長が短くなり、実効的なチャネル幅が広くなるためである。
pチャネルのVS−MOSの場合、nチャネルのVS−MOSとは正反対の特性を示し、制御ゲート電圧Vcgの変化に伴って、図5のβp(a),βp(b)に示したような曲線に沿って利得係数βnが変化する。
〔2.3〕VT−INVの動作特性
以上のようなVS−MOS4,5の特性により、VT−INV2の入出力電圧特性は図6のようになる。
VT−INV2の論理閾値電圧Vinvは、通常のインバータと同様に、(数1)により表される。
Figure 2006060690
(数1)において、Vtp,Vtnは、それぞれ、pチャネルのVS−MOS4,nチャネルのVS−MOS5の閾値電圧を表す。βp,βは、それぞれ、VS−MOS4,5の利得係数を表す。尚、各々の添字(n,p)は、チャネルのタイプを表す。(数1)により、VT−INV2の論理閾値電圧Vinvは、CMOS論理ゲートを構成するVS−MOS4,5の利得係数βp,βnの比で設定することができることが分かる。
VT−INV2の閾値制御端子CNTには、閾値制御電圧VCNTが印加される。図6(a)は閾値制御電圧を固定したときの論理閾値可変調インバータの入力電圧VINと出力電圧VOUTとの関係を表す図であり、図6(b)は閾値制御電圧VCNTと論理閾値電圧Vinvとの関係を表す図である。図6に示したように、閾値制御電圧VCNTを制御することにより、VS−MOS4,5の利得係数の比βn/βpを連続的に制御することができる。その結果、VT−INV2の閾値電圧βを連続的に制御することが可能となる。
〔3〕制御信号生成回路
次に、制御信号生成回路3について説明する。図7は図1の制御信号生成回路の構成を表す図である。制御信号生成回路3は、遅延回路21、及び出力振幅変調回路22を備えている。
遅延回路21は、入力端子Ciを介してVT−INV2の入力端子INに接続されており、入力信号VINが入力される。遅延回路21は、入力された入力信号VINを一定の時間だけ遅延させた遅延信号Vdinを出力する。
出力振幅変調回路22は、遅延回路21から遅延信号Vdinが入力され、外部回路からは利得制御端子Ccを介して利得制御電圧信号VCcが入力される。利得制御電圧信号VCcはアナログ信号である。出力振幅変調回路22は、遅延信号Vdinを増幅して閾値制御信号を生成し出力する。遅延信号Vdinを増幅する際の利得は、利得制御電圧信号VCcにより制御することができる。
図8は図7の制御信号生成回路3の回路構成の一例を表す図である。遅延回路21は、2つのインバータ23,24を備えている。インバータ23の伝達時間により、入力信号VINを遅延して遅延信号Vdinを生成し、出力振幅増幅回路22に出力する。インバータ24は、この遅延信号Vdinを反転し、この反転信号を出力振幅増幅回路22に出力する。
出力振幅変調回路22は、2つの電子制御可変インピーダンス26,27を直列接続して構成された可変分圧インピーダンス25を備えている。電子制御可変インピーダンス26,27は、それぞれ、利得制御電圧信号VCc及びその相補電圧信号(Vd−VCc)により、その抵抗値が相補的に制御される。すなわち、電子制御可変インピーダンス26の抵抗値が増加すると電子制御可変インピーダンス27の抵抗値が減少し、電子制御可変インピーダンス26の抵抗値が減少すると電子制御可変インピーダンス27の抵抗値が増加する。
電子制御可変インピーダンス26,27の一端は共通の接続ノードに接続され、制御信号生成回路3の出力端子Coを介してVT−INV2の閾値制御端子CNTに接続されている。また、電子制御可変インピーダンス26の他端はインバータ23の出力端子に、電子制御可変インピーダンス27の他端はインバータ24の出力端子に接続されている。
これにより、可変分圧インピーダンス25の両端には遅延信号Vdin及びその反転信号(Vd−Vdin)が入力され、閾値制御端子CNTには閾値制御電圧信号VCNTとして可変分圧インピーダンス25の両端の電位差2Vdin−Vdを各電子制御可変インピーダンス26,27の抵抗値で分圧した値(2Vdin−Vd)R27/(R26+R27)が出力される。ここで、R26,R27は、それぞれ電子制御可変インピーダンス26,27の抵抗値を表す。閾値制御電圧信号VCNTの利得は、利得制御電圧信号VCc及びその相補電圧信号(Vd−VCc)によりR26,R27を制御することによって制御することが可能である。
電子制御可変インピーダンス26,27には、トランスミッション・ゲート(以下、「TG」という。)を使用することができる。また、遅延信号Vdinの反転信号(Vd−Vdin)は、遅延回路21の入力により代用してもよい。
図9は図7の制御信号生成回路の回路構成の他の一例を表す図である。この例では、遅延回路21において、遅延信号Vdinの反転信号(Vd−Vdin)は、遅延回路21の入力で代用し、図8におけるインバータ24は省略している、また、電子制御可変インピーダンス26,27には、それぞれ、TG28,TG29を使用している。
TG28,29は、入出力端子間にソース及びドレインがそれぞれ接続されたPチャネル型の第1のMOSトランジスタ、並びに、入出力端子間にソース及びドレインがそれぞれ接続されたNチャネル型の第2のMOSトランジスタから構成されている。TG28の第2及び第1のMOSトランジスタのゲートには、それぞれVCc及びその相補電圧信号(Vd−VCc)が入力される。TG29の第1及び第2のMOSトランジスタのゲートには、それぞれVCc及びその相補電圧信号(Vd−VCc)が入力される。
図10は図9の制御信号生成回路3の入出力電圧特性を表す図である。利得制御端子Ccに与えられる利得制御電圧信号VCcによって、制御信号生成回路3の利得は滑らかに変化するとともに、その入出力特性も変化する。
例えば、利得制御電圧信号VCcが高い場合(VCc〜Vd)は、制御信号生成回路3の利得は負であり、図10の実線のような反転入出力特性を示す。利得制御電圧信号VCcが徐々に低くなるにつれ、その振幅はVd/2を中心に縮小される。そして、利得制御電圧信号VCcがVd/2の場合は、制御信号生成回路3の利得は0となり、入力信号VINによらず出力電圧VCo(=閾値制御電圧VCNT)は一定(Vd/2)となる。更に、利得制御電圧信号VCcが低くなると、制御信号生成回路3の利得は正となり、図10の破線のような非反転入出力特性となる。更に、利得制御電圧信号VCcが低くなるとその利得が増大し、振幅が増大する。
尚、図8、図9では、利得制御電圧信号VCcとともにその相補電圧信号(Vd−VCc)を外部から入力する構成を示したが、制御信号生成回路3に相補電圧生成回路を組み込んでもよい。
図11は図9の制御信号生成回路3に相補電圧生成回路を付加した回路構成の一例を表す図である。図11においては、制御信号生成回路3に相補電圧生成回路30が組み込まれている。相補電圧生成回路30は、電源Vdと接地間に直列接続された、pチャネル型のMOSトランジスタ30a、及びnチャネル型のMOSトランジスタ30bを備えている。MOSトランジスタ30bのゲートには利得制御電圧信号VCcが入力される。MOSトランジスタ30aは、ダイオード接続されており、ゲート及びドレインから相補電圧信号(Vd−VCc)が出力される。
〔4〕適応型インバータの動作
以上のような構成の本実施例に係る適応型インバータ1について、以下その全体動作を説明する。図12は本発明の実施例1に係る適応型インバータ1の論理閾値の動的制御の一例における論理レベルと論理閾値との関係を表す図である。図12(a)は適応型インバータ1が高速状態(あるいは高駆動能力状態)に調整されている場合、図12(b)は適応型インバータ1が中速状態(あるいは中駆動能力状態)に調整されている場合、図12(c)は適応型インバータ1が低速状態(あるいは低駆動能力状態)に調整されている場合を表している。
まず、従来のCMOSインバータと比較すると、従来のCMOSインバータでは、その論理閾値は常にほぼVd/2付近に固定されている。それに対し、本実施例に係る適応型インバータ1は、その論理閾値は動的に制御される。
例えば、高速状態(図12(a))においては、閾値制御電圧VCNTは図10の実線のように変化する。また、図6(b)より、論理閾値電圧VINVは閾値制御電圧VCNTを反転した特性となる。従って、適応型インバータ1の入力信号VINがLレベルの場合には、適応型インバータ1の論理閾値電圧VINV(Low)は、Vd/2よりも低い電圧となる。一方、適応型インバータ1の入力信号VINがHレベルの場合には、適応型インバータ1の論理閾値電圧VINV(High)は、Vd/2よりも高い電圧となる。
逆に、低速状態(図12(c))においては、閾値制御電圧VCNTは図10の点線のように変化する。従って、適応型インバータ1の入力信号VINがLレベルの場合には、適応型インバータ1の論理閾値電圧VINV(Low)は、Vd/2よりも高い電圧となる。一方、適応型インバータ1の入力信号VINがHレベルの場合には、適応型インバータ1の論理閾値電圧VINV(High)は、Vd/2よりも低い電圧となる。
中速状態(図12(b))においては、閾値制御電圧VCNTは図10のVd/2の直線の付近の状態となり、入力信号VINによらずほぼ一定値となる。従って、論理閾値電圧VINVもほぼ一定となる。
このように、適応型インバータ1の入力信号VINのレベルに応じて論理閾値電圧VINVを制御することにより、入力信号VINの遷移時において、遷移前の入力信号VINの信号電圧と論理閾値電圧VINVの差を、遷移前の入力信号VINの信号電圧に依らずほぼ一定とし、且つその差の値を利得制御電圧信号VCcにより自由に制御することが可能となる。従って、遷移方向に依らず反応時間を一定としつつ、反応時間を自由に制御することが可能となる。駆動能力に関しても同様である。
図13は本発明の実施例1に係る適応型インバータ1の動作を表すタイミングチャートである。図13において、制御信号生成回路3内の遅延回路21が出力する遅延信号VCidは、常に一定の遅延時間Tdで反応している。また、図13に論理閾値VINVの時間変化を破線で示した。入力信号VINの遷移前の電圧値と論理閾値VINVとの差が、利得制御電圧信号VCcにより制御され、その結果、反応時間Ta1〜Ta3の制御が為されていることが分かる。
図14は本発明の実施例2に係る適応型インバータの構成を表す図である。本実施例に係る適応型インバータ1’は、実施例1と同様、VT−INV2、及び制御信号生成回路3を備えている。
本実施例においては、制御信号生成回路3には、VT−INV2の出力信号VOUTが入力されている点で実施例1とは異なる。
図15は本発明の実施例2に係る適応型インバータ1’の動作を表すタイミングチャートである。尚、図15の例は、図13の例よりも、適応型インバータ1’の出力側の負荷が大きい場合を想定している。
この場合も、制御信号生成回路3内の遅延回路21が出力する遅延信号VCidは、常に一定の遅延時間Tdで反応している。但し、適応型インバータ1’では、制御信号生成回路3の入力に、適応型インバータ1’の出力信号VOUTが与えられているので、反転信号の遅延信号となっている。論理閾値VINVの時間変化は、図15に破線で示されている。この場合も、入力信号VINの遷移前の電圧値と論理閾値VINVとの差が、利得制御電圧信号VCcにより制御され、その結果、反応時間Ta4〜Ta6の制御が為されていることが分かる。この論理閾値の変化は、(数1)より、VS−MOS4,5の利得係数β,β(実効ゲート幅/実効ゲート長)の変調によって生じていることから、適応型インバータ1’の駆動能力は論理閾値VINVと同様に変調されている。
本発明の実施例1に係る適応型インバータの構成を表す図である。 図1の論理閾値可変インバータの回路構成を表す図である。 図2のチャネル・サイズ可変調MOSトランジスタ(VS−MOS)のレイアウトの一例を表す図である。 デバイス・シミュレーションにより算出されたn型のVS−MOS内のポテンシャルと電流の分布を表す図である。 制御ゲート電圧Vcgに対するVS−MOSの利得係数βの変調特性の一例を示す図である。 VT−INVの入出力電圧特性を表す図である。 図1の制御信号生成回路の構成を表す図である。 図7の制御信号生成回路の回路構成の一例を表す図である。 図7の制御信号生成回路の回路構成の他の一例を表す図である。 図9の制御信号生成回路の入出力電圧特性を表す図である。 図10の制御信号生成回路に相補電圧生成回路を付加した回路構成の一例を表す図である。 本発明の実施例1に係る適応型インバータの論理閾値の動的制御の一例における論理レベルと論理閾値との関係を表す図である。 本発明の実施例1に係る適応型インバータの動作を表すタイミングチャートである。 本発明の実施例2に係る適応型インバータの構成を表す図である。 本発明の実施例2に係る適応型インバータの動作を表すタイミングチャートである。 特許文献2に記載の適応型インバータの回路構成を表す図である。 特許文献3に記載の適応型インバータの回路構成を表す図である。 図17の適応型インバータの動作を模式的に表した図である。
符号の説明
1,1’ 適応型インバータ
2 論理閾値可変インバータ(VT−INV)
3 制御信号生成回路
4,5 チャネル・サイズ可変調MOSトランジスタ(VS−MOS)
11 ソース(Source)
12 ドレイン(Drain)
13 メイン・ゲート(Main Gate)
14,15 制御ゲート(Control Gate)
11a,12a,13a,14a,15a コンタクト・ホール
14b,15b 隙間
21 遅延回路
22 出力振幅変調回路
23,24 インバータ
25 可変分圧インピーダンス
26,27 電子制御可変インピーダンス
28,29 トランスミッション・ゲート(TG)
30 相補電圧生成回路
30a,30b MOSトランジスタ
IN 入力端子
OUT 出力端子
CNT 閾値制御端子
Ci 入力端子
Co 出力端子
Cc 利得制御端子

Claims (7)

  1. 入力端子、出力端子、及び閾値制御端子を有し、前記閾値制御端子に入力される閾値制御電圧信号の電圧値により論理閾値電圧を連続的に制御することが可能な論理閾値可変インバータと、
    前記論理閾値可変インバータの入力信号又は出力信号が遷移する時点から所定の時間だけ遅延して、前記論理閾値可変インバータの前記閾値制御電圧信号の電圧値を当該入力信号又は出力信号の論理レベルに応じた電圧値に切り換える制御信号生成回路と、
    を備えていることを特徴とする適応型インバータ。
  2. 前記制御信号生成回路は、前記論理閾値可変インバータの入力信号が遷移する時点から所定の時間だけ遅延して、遷移後の前記入力信号の電圧値と前記論理閾値可変インバータの論理閾値との差が一定の値となるように、前記論理閾値可変インバータの前記閾値制御電圧信号の電圧値を切り換えることを特徴とする請求項1記載の適応型インバータ。
  3. 前記制御信号生成回路は、
    前記論理閾値可変調インバータの入力信号を所定の時間だけ遅延するとともにそれを反転増幅又は非反転増幅した前記閾値制御電圧信号を生成し前記論理閾値可変インバータの閾値制御端子に入力するものであることを特徴とする請求項1又は2記載の適応型インバータ。
  4. 前記制御信号生成回路は、
    前記論理閾値可変調インバータの出力信号を所定の時間だけ遅延するとともにそれを反転増幅又は非反転増幅した前記閾値制御電圧信号を生成し前記論理閾値可変インバータの閾値制御端子に入力するものであることを特徴とする請求項1又は2記載の適応型インバータ。
  5. 前記制御信号生成回路は、
    前記論理閾値可変調インバータの入力信号又は出力信号の何れかを所定の時間だけ遅延させた遅延信号を生成する遅延回路と、
    前記遅延信号を増幅し前記閾値制御電圧信号として前記論理閾値可変インバータの閾値制御端子に出力する増幅回路であって、外部から入力される利得制御電圧信号による利得制御が可能な出力振幅変調回路と、
    を備えていること
    を特徴とする請求項3又は4記載の適応型インバータ。
  6. 前記出力振幅変調回路は、
    利得制御電圧信号により抵抗値の制御が可能な第1の電子制御可変インピーダンス、及び、前記第1の電子制御可変インピーダンスに直列接続され、前記利得制御電圧信号により第1の電子制御可変インピーダンスに対して相補的に抵抗値が制御される第2の電子制御可変インピーダンスからなる可変分圧インピーダンスを備え、
    前記可変分圧インピーダンスの両端には、それぞれ、前記遅延回路が出力する遅延信号及びその反転信号が入力され、
    前記可変分圧インピーダンスの第1及び第2の電子制御可変インピーダンスの接続ノードが前記論理閾値可変調インバータの閾値制御端子に接続されていること
    を特徴とする請求項5記載の適応型インバータ。
  7. 前記第1及び第2の電子制御可変インピーダンスは、入力端子及び出力端子の間に、チャネルを挟む一方の端子と他方の端子とがそれぞれ接続されたPチャネル型の第1のMOSトランジスタ、並びに、前記入力端子及び出力端子の間に、チャネルを挟む一方の端子と他方の端子とがそれぞれ接続されたNチャネル型の第2のMOSトランジスタから構成されたトランスミッション・ゲートであり、
    前記第1の電子制御可変インピーダンスの第1及び第2のMOSトランジスタのゲートには、それぞれ前記利得制御電圧信号及びその相補電圧信号が入力され、
    前記第2の電子制御可変インピーダンスの第2及び第1のMOSトランジスタのゲートには、それぞれ前記利得制御電圧信号及びその相補電圧信号が入力されるものであること
    を特徴とする請求項6記載の適応型インバータ。


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