JP2006060008A - シート状複合磁性体及びシート品 - Google Patents

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Abstract

【課題】 単層構造であっても高いノイズ抑制効果を発揮可能なEMI対策用等に適したシート状複合磁性体を提供する。
【解決手段】 扁平状で良好な導電性の軟磁性金属磁性粉を、樹脂等を主材とする結合材に混合し、攪拌して複合磁性材ペースト1を作製し、これをリリース用フィルム2に一定厚みで塗布し、乾燥させる。それから、圧延、必要に応じて架橋処理を行ってから、リリース用フィルム2を剥がすことでシート状複合磁性体10が得られる。ここで、シート状複合磁性体10が半導電性となるように、軟磁性金属磁性粉同士の接触が生じる程度に、扁平状の軟磁性金属磁性粉のアスペクト比や混合比率を設定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、シート状複合磁性体及びシート品に係り、とくに電磁波の吸収性のみならず電磁シールド性能にも優れたEMI対策用等に適したシート状複合磁性体及びシート品に関する。
電磁ノイズの対策手法として、磁性材料の磁気損失効果を利用したシート状の複合磁性体が近年注目を集めている。EMI対策を目的とした複合磁性体としては、下記特許文献1にあるように電磁波をできるだけ複合磁性体に取り込むことを目的として、複合磁性体に高い絶縁性をもたせたものが提案されている。
特開平9−93034号公報
また、シート状の複合磁性体をEMI対策用として使用する場合には、下記特許文献2のように回路素子や基板並びにケーブル等の電磁ノイズ源と推定される箇所に直接装着して使用される。
特開平9−312489号公報
また、電磁波の吸収性だけでなく電磁シールド性能を高めるために、絶縁性を有する複合磁性層にさらに導電体層を付加させた形態のものも下記特許文献3のように提案されている。
特開平7−212079号公報
前記特許文献1,2で述べたようなノイズ源に直接装着して使用する複合磁性体の場合、本発明者の研究の結果、複合磁性体に対して前記特許文献1,2にあるような高い絶縁性は必要ではないことが判明した。さらに言えば、後述するように、ある程度の導電性を複合磁性体に持たせた方が、より高いノイズ抑制効果を発揮することが判明した。また、前記特許文献3の場合、少なくとも導電体層と磁性層の2層を必要とするという問題が発生する。また、2層を設ける必要があるため、全体の厚みが大きくなる。
本発明は、上記の点に鑑み、単層構造であっても高いノイズ抑制効果を発揮可能なEMI対策用等に適したシート状複合磁性体を提供することを第1の目的とする。
また、本発明は、前記シート状複合磁性体の表面に誘電体層を設けることで高いノイズ抑制効果を発揮可能で表面の絶縁性を確保できるEMI対策用等に適したシート品を提供することを第2の目的とする。
さらに、本発明は、前記シート状複合磁性体の表面に導電体層を設けることで高いノイズ抑制効果を発揮可能で、表面に導電性の必要な用途に利用できるEMI対策用等に適したシート品を提供することを第3の目的とする。
本発明のその他の目的や新規な特徴は後述の実施の形態において明らかにする。
上記目的を達成するために、本発明に係るシート状複合磁性体は、少なくとも軟磁性金属磁性粉と結合材とを含み半導電性であることを特徴としている。
前記シート状複合磁性体において、表面抵抗率が0.01Ω/□〜100Ω/□であるとよい。
前記シート状複合磁性体において、前記軟磁性金属磁性粉が、Fe−Ni系合金粉であるとよい。
本発明に係るシート品は、前記シート状複合磁性体の表面の少なくとも一部の面に絶縁性誘電体層をもつことを特徴としている。
前記シート品において、前記誘電体層を配した面の表面抵抗率が1GΩ/□以上であるとよい。
前記誘電体層の少なくとも一部の面が粘着性を有するとよく、また、前記誘電体層の一層の平均厚さが3μm〜15μmであるとよい。さらに、少なくとも前記誘電体層の一部がポリアミド樹脂であるとよい。
前記シート状複合磁性体の表面の少なくとも一部の面に導電体層をもつシート品としてもよく、前記導電体層の少なくとも一部の面が粘着性を有するようにしてもよい。
前記シート品において、塩素並びに臭素系材料を含有せず、かつ難燃性を有する構成が望ましい。
前記シート品で前記誘電体層をもつ場合において、シート幅1mm当たりの引張強度が1N以上であるとよい。
本発明に係るシート状複合磁性体は、少なくとも軟磁性金属磁性粉と結合材とを含み半導電性であるため、EMI対策用に使用した場合に単層構造であっても高いノイズ抑制効果を発揮可能である。
また、本発明に係るシート状複合磁性体の表面の少なくとも一部の面に絶縁性誘電体層をもつシート品は、ノイズ発生源に直接装着する場合に、装着面の絶縁性を確保でき、短絡事故発生を防止できる。
さらに、本発明に係るシート状複合磁性体の表面の少なくとも一部に導電体層をもつシート品は、高いノイズ抑制効果を発揮可能であるとともに、表面に導電性が必要な用途に好適に利用できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態として、シート状複合磁性体及びシート品の実施の形態を図面に従って説明する。
実施の形態1
図1で本発明の実施の形態1に係るEMI対策用に適したシート状複合磁性体について説明する。扁平状で良好な導電性の軟磁性金属磁性粉を、樹脂等を主材とする結合材に混合し、攪拌して複合磁性材ペースト1を作製し、これを図1(A)のようにPET等のリリース用フィルム2に一定厚みで塗布し、乾燥させる。それから、圧延、必要に応じて架橋処理を行ってから、リリース用フィルム2を剥がすことで図1(B)のシート状複合磁性体10が得られる。ここで、シート状複合磁性体10が半導電性となるように、換言すれば、導電性金属ほど低抵抗ではなく、かつ絶縁体ほど高抵抗でもない、中間の抵抗値を呈するようにするため、軟磁性金属磁性粉同士の接触が生じる程度に、扁平状の軟磁性金属磁性粉のアスペクト比や混合比率を設定する。
具体的に言えば、シート状複合磁性体10の表面抵抗率が0.01Ω/□〜100Ω/□の範囲であることが望ましい。これは、表面抵抗率が0.01Ω/□未満では、渦電流損により、高周波領域では複合磁性体の透磁率が低下してしまうためであり、また、100Ω/□より大きい場合には、EMI抑止効果についての、導電性による効果が低下してしまうためである。
このように、複合磁性体に適切な導電性をもたせることにより、導電特性並びに磁気特性の両方の作用により、後述するように、複合磁性体が絶縁性のときよりも高い電磁干渉抑制効果を発揮する。
前記良好な導電性の軟磁性金属磁性粉としては、鉄、鉄−シリコン合金、鉄−シリコン−アルミ合金、鉄−クロム合金、鉄−ニッケル合金等の各種金属磁性材料を用いることができる。特に鉄−ニッケル合金は、耐腐食性に優れるため、磁性粉の導電性の維持が可能であり、かつ、高い透磁率を持つために本発明の磁性粉用材料として好適である。
また、前記軟磁性金属磁性粉においては、アスペクト比の高い扁平形状のものを用いることによって、磁性粉同士の接触が生じて、適切な導電性が確保され、また、磁性粉の反磁界が抑制されるため、高い透磁率を得ることが可能となる。このような、アスペクト比の高い磁性粉は、球状のアトマイズ粉をアトライタ等を用いて、加工が可能である。アスペクト比については特に限定されないが磁性粉の反磁界を抑えるために20以上とすることが好ましい。
前記軟磁性金属磁性粉の結合材への充填量は特に限定されず、前記軟磁性金属磁性粉の導電率や透磁率、粒度分布、粒子形状等を考慮し適宜調整すればよいが、電磁気特性上からは20体積%以上とすることが好ましく、柔軟性の要求されるシートとしての機械特性上からは60体積%以下とすることが好ましい。
シート状複合磁性体10の結合材としては、柔軟性を有するのであれば、特に限定されず、各種熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂並びに各種合成ゴムが使用される。そのなかでも比較的安価で、熱安定性に優れ、柔軟性に優れ、また、環境対策として、塩素、臭素系材料を含まないアクリルゴム、エチレン−エチルアクリレート共重合樹脂(EEA)が好適に使用される。また必要に応じて、可塑剤や酸化防止剤、架橋剤、難燃剤等の添加剤を加えても良い。
この実施の形態1に係るEMI対策用に適したシート状複合磁性体10よれば、次の通りの効果を得ることができる。
(1) シート状複合磁性体10は軟磁性金属磁性粉と結合材とを含み半導電性(好ましくは表面抵抗率:0.01Ω/□〜100Ω/□)であるため、導電特性及び磁気特性の両方の作用により、複合磁性体が絶縁性のときに比べ、単層構造であっても高いノイズ抑制効果を発揮可能である。すなわち、近傍磁界の抑制効果の向上(換言すれば、電磁干渉抑制効果の向上)及び伝送線路を伝搬するノイズに対する減衰効果の向上を図ることができる。
(2) 前記軟磁性金属磁性粉として、アスペクト比の高い扁平形状のものを用いれば、磁性粉同士の接触が起こることにより、適切な導電性を確保でき、磁性粉の形状に伴う反磁界が抑制されるため、高い透磁率を得ることが可能となる。
(3) シート状複合磁性体10に用いる軟磁性金属磁性粉として、耐腐食性に優れるFe−Ni系合金粉を用いれば、軟磁性金属磁性粉の導電性の維持が確実に可能であり、かつ高い透磁率を持つので、所望の磁気特性並びに導電性の両方の特性を得ることが可能となり、前記ノイズ抑制効果の向上に有効である。
なお、上記実施の形態1において、軟磁性金属磁性粉に加えてカーボン、グラファイト、各種非磁性金属等の非磁性導電性粉を添加して適切な導電性を持たせてもよいが、軟磁性金属磁性粉として適切な導電性を有するものを用い、他の非磁性導電性粉を用いない方が、特性上並びに生産上好ましい。
実施の形態2
図2で本発明の実施の形態2に係るEMI対策用に適したシート品について説明する。本発明の実施の形態1で述べたシート状複合磁性体10は、ノイズ発生源に直接装着して使用されることが多いが、この場合、ノイズ発生源への装着面については絶縁性が要求される場合がある。つまり、シート状複合磁性体10自体は半導電性であるため、導電体を装着したときにショートが発生する箇所にはそのままでは適用困難である。このため、本実施の形態2では複合磁性体10の表面に、図2(A)に示す絶縁性の誘電体層20を付加している。ここでは、誘電体層20としてPET、PPS、ポリイミド、ポリアミド等の絶縁性樹脂フィルム21の両面に絶縁性粘着剤を塗布して絶縁性粘着層22を形成したものを用いている。絶縁性粘着剤としては、ゴム系樹脂やアクリル系樹脂等の各種粘着剤を用いることができる。誘電体層20を設ける領域は全面でもよいし、必要な領域のみに設けるようにしてもよい。
なお、PET等のリリース用フィルム23は粘着剤塗布で形成した粘着層22の表面を覆っておくためのものであり、使用時には剥がされて除去されるものである。
そして、図2(A)の誘電体層20の片側の粘着層22を覆っていたリリース用フィルム23を剥がし、粘着層22の露出した粘着面を図2(B)のようにシート状複合磁性体10に貼り付け、一体化してシート品30とする。実際の使用に際しては、残りの片側の粘着面を覆っていたリリース用フィルム23を剥がし、ノイズ発生源等に直接貼り付けて装着すればよい。
前記誘電体層20の絶縁性としては、1MΩ/□以上が一つの目安であるが、安全性を考慮し、1GΩ/□以上とすることにより、より高い安全性が確保される。
前記誘電体層20の厚さについて考察すると、その厚さを大きくした場合、絶縁性並びに機械強度を向上させることは可能となる一方、シート品全体としては、磁性体層厚さの比率が相対的に減少するため、磁気特性が相対的に低下し、また、特に誘電体層としてフィルムを用いた場合には、柔軟性が低下するという問題がある。従って、誘電体層20の平均厚さは15μm以下のできるだけ薄い厚さであることが望まれるが、誘電体層を薄くした場合、絶縁性の低下、ピンホール発生の問題があるため、厚さを薄くしすぎると絶縁性の確保が非常に問題となり、フィルム自体の取り扱い性が低下し、複合磁性体10への装着が困難となる。このため、前記誘電体層20の平均厚さは、絶縁性を確保するために3μm以上とすることが好ましいといえる。
前記誘電体層20としてフィルムを用いた場合、フィルム材料は複合磁性体よりも一般的に機械強度が高いため、複合磁性体10に誘電体層20を付加することにより、複合磁性体単体時よりも機械強度を向上させることが可能となる。とくに、強度の高い樹脂フィルム21を用いた場合、シート幅1mm当たりの引張強度を1N以上とすることができる。前記樹脂フィルム21の中でポリアミド樹脂フィルムは、機械的強度が大きいため、3μm程度まで薄型化が可能であり、また、薄くても比較的取り扱い性に優れるため、本発明用の誘電体層として比較的好ましい。
また、ポリアミド樹脂は、高い難燃性を有するため、ポリアミド樹脂を誘電体層20として使用し、また、シート状複合磁性体10に水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、赤燐、リン酸エステル等の非ハロゲン系難燃剤を適宜添加することにより、ハロゲンフリーで難燃性を有するEMI対策用に適したシート品30を実現できる。
また、難燃性を得るためにシート状複合磁性体10に水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、赤燐、リン酸エステル等の非ハロゲン系難燃剤を添加した場合、複合磁性体の機械特性が低下するが、誘電体を一体化、特に樹脂フィルム21として強度の高いポリアミド樹脂フィルムを一体化することにより、機械特性に優れ、かつ難燃性を有するEMI対策用に適したシート品30が得られる。
この実施の形態2に係るEMI対策用に適したシート品30よれば、次の通りの効果を得ることができる。
(1) シート状複合磁性体10の表面の少なくとも一部に絶縁性誘電体層20(好ましくは表面抵抗率が1GΩ/□以上)をもつことにより、高い表面絶縁性が確保でき、ノイズ発生源に直接装着して使用しても、短絡事故の発生を防止できる。
(2) 前記誘電体層20の少なくとも一部の面が粘着性を有するため、その粘着性を利用してケーブル等のノイズ発生源等に直接貼り付けて装着できる。
(3) 前記誘電体層20の平均厚さを3μm〜15μmとすることにより、シート品の柔軟性を損なわずかつ絶縁不良の発生を防止できる。
(4) シート状複合磁性体10に非ハロゲン系難燃剤を添加するとともに、樹脂フィルム21として強度の高いポリアミド樹脂フィルムを一体化することにより、機械特性に優れ、かつ難燃性を有するEMI対策用に適したシート品30を実現できる。
なお、実施の形態2では、ノイズ発生源等に直接貼り付ける便宜のために絶縁性誘電体層20に絶縁性粘着層を設けたが、直接貼り付ける必要のない用途の場合、前記絶縁性粘着層を省略可能である。また、シート状複合磁性体10に対して絶縁性粘着剤を直接塗布して絶縁性粘着層を形成する構成も可能である。
実施の形態3
本発明の実施の形態2で述べたEMI対策用に適したシート品は片面のみに誘電体層を設けたが、両面に誘電体層を設けた構成を本発明の実施の形態3として図3で説明する。
図3(A)に示す第1の絶縁性誘電体層20は実施の形態2の場合と同様にPET、PPS、ポリイミド、ポリアミド等の絶縁性樹脂フィルム21の両面にゴム系樹脂やアクリル系樹脂等の絶縁性粘着剤を塗布して絶縁性粘着層22を形成した構成である。なお、PET等のリリース用フィルム23は粘着層表面を覆っておくためのものである。
図3(B)に示す第2の絶縁性誘電体層25はPET、PPS、ポリイミド、ポリアミド等の絶縁性樹脂フィルム26の片面にゴム系樹脂やアクリル系樹脂等の絶縁性粘着剤を塗布して絶縁性粘着層27を形成した構成である。なお、PET等のリリース用フィルム28は粘着層22の表面を覆っておくためのものである。
そして、図3(A)の第1の絶縁性誘電体層20の一方の粘着面を覆っていたリリース用フィルム23を剥がすとともに、第2の絶縁性誘電体層25の片面の粘着面を覆っていたリリース用フィルム28を剥がし、図3(C)のように第1及び第2の誘電体層20,25の粘着層22,27の露出した粘着面をシート状複合磁性体10に貼り付け、その両側に一体化してEMI対策用に適したシート品40とする。実際の使用に際しては、第1の誘電体層20の残りの片側の粘着面を覆っていたリリース用フィルム23を剥がし、ノイズ発生源等に直接貼り付けて装着すればよい。
この実施の形態3に係るEMI対策用に適したシート品40によれば、実施の形態2の効果に加えて以下の効果を得ることができる。
(1) シート品40はノイズ源等への装着側が絶縁性となっているだけでなく、装着面の反対側も絶縁性となっており、シート品40の装着に伴う短絡事故の発生を確実に防止できる。
(2) シート状複合磁性体10の両面が誘電体層20,25で補強されることになるため、機械的強度の向上を図ることができる。とくに、誘電体層20,25として強度の高いポリアミド樹脂フィルムを用いれば、よりいっそうの強度向上が可能である。例えば、シート幅1mm当たりの引張強度1N以上を十分確保できる。
上記実施の形態2,3では絶縁性の誘電体層として樹脂フィルムに粘着剤を設けたものを例示したが、前記誘電体層を、ウレタン系、アクリル系、スチレン系、ポリオレフィン系等の各樹脂によるコーティング処理で形成してもよい。コーティングの場合は薄くするとピンホール発生の問題があるため、前記誘電体層を薄くしたい場合には樹脂フィルムの使用がどちらかと言えば好ましい。
実施の形態4
導電性を積極的に利用する用途には、本発明の実施の形態1で述べたシート状複合磁性体に導電体層を設ければよく、この場合を本発明の実施の形態4として図4に示す。この図において、EMI対策用に適したシート品50は、シート状複合磁性体10の片面に導電体層51が一体化されている。この導電体層51は、例えば金属箔52に導電性粘着剤を塗布して導電性粘着層53を形成したものであり、金属箔52の片面はシート状複合磁性体10に固着されている。使用前の状態ではシート品50の粘着面はPET等のリリース用フィルム54で覆われている。
実際の使用に際しては、導電性粘着層53を覆っていたリリース用フィルム54を剥がし、ノイズ発生源等に直接貼り付けて装着すればよい。
この実施の形態4に示したEMI対策用に適したシート品50によれば、接触面との導電性を必要とする用途に好適に利用できる。
なお、実施の形態4において、直接貼り付けの必要のない用途には、導電性粘着層53を省略できる。また、金属箔を省略してシート状複合磁性体10に直接導電性粘着層を形成する構成としてもよい。さらに、導電性が必要な部分のみに導電体層51を設け、その他の領域には絶縁性誘電体層を設けることにより、導電性と絶縁性の必要な面の使い分けができる。
以下、本発明に係る半導電性のシート状複合磁性体及びこれを用いたシート品の実施例について詳述する。
複合磁性体に用いる軟磁性粉
累積50%径約30μmのモリブデンパーマロイアトマイズ粉を出発材料とし、アトライタで累積50%径約100μm、比表面積約1.5m/g、アスペクト比約80の扁平状に加工した。この加工による歪みを除くために窒素雰囲気中にて600℃で1時間熱処理を実施し、この粉を本実施例の磁性粉として使用した。
複合磁性体に用いる結合材
結合材として、エチレン−エチルアクリレート共重合樹脂を主材として用い、その他、添加剤として、水酸化物、赤燐、リン酸エステル等の難燃剤や架橋のための過酸化物等の架橋剤を加えたものを結合材として使用した。
シート状複合磁性体
前記結合材をトルエンで溶解し、この溶解したものに前記軟磁性粉を混合攪拌して、ペーストを作成した。このペーストをナイフコーターにてリリース用PETフィルムに塗布乾燥させた後、カレンダーロールで圧延し、ロール状に巻き取った後、加硫釜で架橋を行い、厚さ0.1mmの半導電性のシート状複合磁性体を作成した(試料1とする。)。
ここで、試料1の材料配合量は下記表1の通りである。

表1

軟磁性粉 79重量部
結合材 主材 13重量部
添加剤 8重量部
誘電体層1
厚さ4μmのポリアミドフィルム(東レ製ミクトロン)の両面にそれぞれ厚さ5μmのアクリル系粘着剤を塗布し、厚さ75μmのリリース用PETフィルムで裏打ちしたものを作成した。
誘電体層2
厚さ4μmのポリアミドフィルム(東レ製ミクトロン)の片面に厚さ5μmのアクリル系粘着剤を塗布し、厚さ75μmのリリース用PETフィルムで裏打ちしたものを作成した。
試料2
前記試料1に、リリース用PETフィルムを剥がして誘電体層1を貼り合せし、シート状複合磁性体の片側に誘電体層を一体化した試料2を作成した。
試料3
前記試料2に、リリース用PETフィルムを剥がして誘電体層2を貼り合せし、シート状複合磁性体の両側に誘電体層を一体化した試料3を作成した。
比較試料1
比較的絶縁性の高いシート状複合磁性体として以下のものを使用した。軟磁性粉として表面に酸化皮膜を有するFe−Al−Si合金粉末80重量部、有機結合材としてABS樹脂20重量部を有するもの。厚さ0.1mmとする。
比較試料2
導電性材料としてアルミ蒸着膜付きPETフィルムを使用した。
磁気特性
インピーダンスマテリアルアナライザ(アジレントテクノロジー製4291B)を用いて測定した本実施例の複合磁性体(試料1)の複素透磁率を図5の実線に示すとともに、比較のために、比較試料1の透磁率も同時に示す(但し、μ’:複素透磁率の実数部、μ”:複素透磁率の虚数部)。
絶縁性(表面抵抗)
本実施例のシート状複合磁性体(試料1)に関し、四探針法(JIS K 7194)にて、表面抵抗率を測定した結果、約10Ω/□であった。さらに、試料2について誘電体層側の表面抵抗率をリング電極法(JIS K 6911)にて測定したところ、約100GΩ/□であった。また、試料3について、試料2とは逆の誘電体層面について表面抵抗率を測定したところ、約1TΩ/□であった。
比較試料1について、表面抵抗率を測定したところ、約500MΩ/□であった。なお、比較試料2の表面抵抗率は0Ω/□であった。
EMI対策効果
EMI対策効果を確認するため、ここでは以下の3つの方法にて評価を行った。
評価方法1:マイクロストリップラインでの近傍磁界抑制効果(図6)
マイクロストリップライン上の近傍磁界について、マイクロストリップライン上に試料を装着した場合としない場合について近傍磁界プローブを使って測定する。
評価方法2:マイクロストリップラインでの伝送信号の減衰効果(図7)
マイクロストリップライン上に試料を装着した場合としない場合の伝送信号のレベルを測定する。
評価方法3:同軸線路での伝送信号の減衰効果(図8)
同軸線路の中心導体に試料を巻き付けたときと巻き付けないときの伝送信号のレベルを測定する。
なお、上記の評価方法1,2,3で用いている減衰比は、以下の式で求められる値を意味する。
減衰比(dB)=試料未装着時のS21(dB)― 試料装着時のS21(dB)
評価結果
評価方法1での評価結果を図9に示す。本実施例に係る試料2は比較試料1と比較して、高い近傍磁界抑制効果を示している。また、200MHz以下では、比較試料2よりも高い近傍磁界抑制効果を示している。
評価方法2での評価結果を図10に示す。本実施例に係る試料2は比較試料1,2よりも高い伝送抑制効果を示している。
評価方法3での評価結果を図11に示す。本実施例に係る試料2は比較試料1,2よりも高い伝送抑制効果を示している。
引張強度
JIS K 6251に基づき評価した結果を以下に示す。なお、引張強度はシートの単位巾あたりの値である。
試料1 0.7N/mm
試料2 1.4N/mm
試料3 2.3N/mm
比較試料1 0.5N/mm
比較試料2 1.5N/mm
難燃性
試料3についてUL510の方法にて難燃性を評価した結果、難燃性が得られることが確認された。
以上本発明の実施の形態及び実施例について説明してきたが、本発明はこれに限定されることなく請求項の記載の範囲内において各種の変形、変更が可能なことは当業者には自明であろう。
本発明の実施の形態1であって、(A)はEMI対策用に適したシート状複合磁性体の製造過程を示す説明図、(B)はシート状複合磁性体の正断面図である。 本発明の実施の形態2であって、(A)は誘電体層の正断面図、(B)は誘電体層をシート状複合磁性体の片面に設けたEMI対策用に適したシート品の正断面図である。 本発明の実施の形態3であって、(A)は第1の誘電体層の正断面図、(B)は第2の誘電体層の正断面図、(C)は第1の誘電体層をシート状複合磁性体の一方の面に、第2の誘電体層をシート状複合磁性体の他方の面に設けたEMI対策用に適したシート品の正断面図である。 本発明の実施の形態4のEMI対策用に適したシート品の正断面図である。 本発明の実施例に係るEMI対策用に適したシート状複合磁性体(試料1)の磁気特性を比較試料1と対比して示すグラフである。 評価方法1(マイクロストリップラインでの近傍磁界抑制効果)を示す説明図である。 評価方法2(マイクロストリップラインでの伝送信号の減衰効果)を示す説明図である。 評価方法3(同軸線路での伝送信号の減衰効果)を示す説明図である。 評価方法1による試料2の減衰比の周波数特性を比較試料1,2と対比して示すグラフである。 評価方法2による試料2の減衰比の周波数特性を比較試料1,2と対比して示すグラフである。 評価方法3による試料2の減衰比の周波数特性を比較試料1,2と対比して示すグラフである。
符号の説明
1 複合磁性材ペースト
2,23,28 リリース用フィルム
10 シート状複合磁性体
20,25 誘電体層
21,26 絶縁性樹脂フィルム
22,27 絶縁性粘着層
30,40,50 シート品
51 導電体層
52 金属箔
53 導電性粘着層

Claims (13)

  1. 少なくとも軟磁性金属磁性粉と結合材とを含み半導電性であることを特徴とするシート状複合磁性体。
  2. 表面抵抗率が0.01Ω/□〜100Ω/□であることを特徴とする請求項1記載のシート状複合磁性体。
  3. 前記軟磁性金属磁性粉が、Fe−Ni系合金粉であることを特徴とする請求項1又は2記載のシート状複合磁性体。
  4. 請求項1,2又は3記載のシート状複合磁性体の表面の少なくとも一部の面に絶縁性誘電体層をもつことを特徴とするシート品。
  5. 前記誘電体層を配した面の表面抵抗率が1GΩ/□以上であることを特徴とする請求項4記載のシート品。
  6. 前記誘電体層の少なくとも一部の面が粘着性を有することを特徴とする請求項4又は5記載のシート品。
  7. 前記誘電体層の一層の平均厚さが3μm〜15μmであることを特徴とする請求項4,5又は6記載のシート品。
  8. 少なくとも前記誘電体層の一部がポリアミド樹脂からなることを特徴とする請求項4,5,6又は7記載のシート品。
  9. 請求項1,2又は3記載のシート状複合磁性体の表面の少なくとも一部の面に導電体層をもつことを特徴とするシート品。
  10. 前記シート状複合磁性体の表面の少なくとも一部の面に導電体層をもつことを特徴とする請求項4,5,6,7又は8記載のシート品。
  11. 前記導電体層の少なくとも一部の面が粘着性を有することを特徴とする請求項9又は10記載のシート品。
  12. 塩素並びに臭素系材料を含有せず、かつ難燃性を有することを特徴とする請求項4,5,6,7,8,9,10又は11記載のシート品。
  13. シート幅1mm当たりの引張強度が1N以上であることを特徴とする請求項4,5,6,7,8,9,10又は11記載のシート品。
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