JP2006059456A - 高弾性率の支持体を有する光情報記録担体 - Google Patents

高弾性率の支持体を有する光情報記録担体 Download PDF

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Abstract

【課題】 保存安定性に優れ、特に、高温高湿度の条件下において透光層に寸度変化が生じても、ディスクに反りが発生せず、記録・再生を良好に行うことのできる光情報記録担体を提供すること。
【解決手段】 支持体と記録層と透光層とを少なくとも有する光情報記録担体において、該支持体の弾性率が50GPa以上であってかつ密度が9g/cm3以下である、光情報記録担体とする。

Description

本発明は、光学的手段により記録/再生が可能な光情報記録担体に関し、特に高弾性率の支持体を有する光情報記録担体に関する。
従来、レーザ光により1回限りの情報の記録が可能な追記型光情報記録担体として、CD−Rと称される記録担体が広く知られている。CD−Rは、市販のCDプレーヤを用いて再生できる利点を有しており、また最近ではパーソナルコンピュータの普及に伴ってその需要も増大している。また、CD−Rより大容量の記録が可能な情報記録担体として、デジタル・ハイビジョンの録画などに対応するための追記型デジタル・ヴァーサタイル・ディスク(DVD−R)も実用化されている。
これら追記型光情報記録担体としては、例えば、円盤状支持体上に、Auなどからなる光反射層と、有機化合物からなる記録層と、更に、該記録層を保護する透光層(記録層と接着させるための接着層を含む。カバー層ともいう。)とが順次積層された構造のものが知られており、レーザ光が透光層側から照射されることで、記録及び再生を行うことができる。追記型光情報記録担体への情報の記録は、記録層のレーザ光照射部分がその光を吸収して局所的に発熱変形(例えば、ピットなどの生成)することにより行われる。一方、情報の再生は、通常、記録用のレーザ光と同じ波長のレーザ光を追記型光情報記録担体に照射して、記録層が発熱変形した部位(記録部分)と変形していない部位(未記録部分)との反射率の違いを検出することにより行われている。
最近、インターネット等のネットワークやハイビジョンTVが急速に普及している。また、HDTV(High Definition Television)の放映も開始された。このような状況の下で、画像情報を安価簡便に記録することができる大容量の光情報記録担体が必要とされている。上記のDVD−Rは現状では大容量の記録担体としての役割を十分に果たしているが、大容量化、高密度化の要求は高まる一方であり、これらの要求に対応できる記録担体の開発も必要である。このため、光情報記録担体としては、更に、短波長の光で高密度の記録を行うことができる、より大容量の記録担体の開発が進められている。特に、1回限りの情報の記録が可能な追記型光情報記録担体は、大容量の情報の長期保存又はバックアップ用としての使用頻度が高まりつつあるため、その開発に対する要求は強い。
通常、光情報記録担体の高密度化は、記録及び再生用レーザの短波長化、ピックアップに使用する対物レンズの高NA(開口数(Numerical Aperture))化によりビームスポットを小さくすることで達成することができる。最近では、波長680nm、650nm及び635nmの赤色半導体レーザから、更に超高密度の記録が可能となる波長350nm〜500nmの青紫色半導体レーザ(以下、青紫色レーザと称する。)まで開発が急速に進んでおり、それに対応した光情報記録担体の開発も行われている。特に、青紫色レーザの発売以来、該青紫色レーザと高NAピックアップを利用した光記録システムの開発が検討されており、相変化する記録層を有する書換型光情報記録担体及び光記録システムは、既に、DVRシステムとして発表されている(例えば、非特許文献1参照)。これにより、書換型光情報記録担体における高密度化の課題に対しては、一定の成果が得られた。
上述のような青紫色レーザと高NAピックアップを利用した光記録システムに用いる光情報記録担体は、青紫色レーザ光を記録層に照射させる際、高NAの対物レンズの焦点を合わせるために、レーザ光が入射する情報記録担体表面から記録層まで(すなわち透光層を薄化することが好ましい。このため規格上、透光層の厚みは100μmに設定されている。このような光情報記録担体は、上述のように高NAピックアップを利用しているため、ピックアップと透光層との間隔が小さく、光情報記録担体の面ブレによってピックアップと透光層とが接触してしまい、透光層に傷が発生しやすいという問題を有していた。
この問題に対して、透光層上にスピンコート法や真空堆積法を用いて傷つき防止層やハードコート層を設け、透光層の傷つきを防止する方法が既に提案されている(例えば、特許文献1および2参照)。しかしながら、これらの傷つき防止層やハードコート層は、透光層上に枚葉式で設けられるため、生産性が低いという課題を有していた。また、スピンコート法でこれらの傷つき防止層やハードコート層を設ける場合、遠心力により外周部の層厚が厚くなりやすく、厚みの精度が十分ではないという課題を有していた。
一方、セルロースアシレートフィルムのような透明で薄いフィルムを用い、接着剤又は粘着剤を用いて記録層に接着することで透光層を構成する方法がある(例えば、特許文献3および4参照)。透光層の厚さは、通常、接着剤又は粘着剤が硬化し形成された接着層又は粘着層を含め約100μmであるが、照射されるレーザの波長やNAにより最適化される。このような方法で構成された情報記録担体は生産性は優れているものの、市販されているセルロースアシレートフィルムには、15〜20質量%のリン酸エステル系および/あるいはフタル酸エステル系の可塑剤が含まれており、高温高湿度の条件下において可塑剤の移行や揮発による減少などの原因から寸度に変化が生じ、ひいてはカールを生じ、接着力が劣化するなどの問題が生じ、結果的に情報記録ができなくなったり、記録された情報を読み取れなくなったりするという問題がある。
また、環状ポリオレフィンからなるフィルムを透光層に用いた光情報記録担体が特許文献5に記載されているが、表面の耐擦傷性は十分とは言えなかった。
特許第3112467号公報 特開2000−67468号公報 特開2002−170280号公報 特開2002−197723号公報 特開2003−157579号公報 光メモリー国際シンポジウム(ISOM2000)予稿集,p.210−211
本発明は、光学的手段によって情報信号を再生可能な情報記録担体において、保存安定性に優れ、特に、高温高湿度の条件下において透光層に寸度変化が生じても、ディスクに反りが発生せず、記録・再生を良好に行うことのできる情報記録担体を提供することを目的とする。
本発明者らが鋭意検討を行った結果、以下の構成により上記課題を解決できることが判った。
(1) 支持体上に記録層および透光層を具備する光情報記録担体において、該支持体の弾性率が50GPa以上かつ密度が9g/cm3以下であることを特徴とする、光情報記録担体。
(2) 前記透光層のフィルム基材が、セルロースアシレートフイルムであることを特徴とする、(1)に記載の光情報記録担体。
(3) 前記透光層のフィルム基材が、吸湿膨張係数が20〜70ppm/%RHであることを特徴とする、(1)または(2)に記載の光情報記録担体。
(4) 前記支持体がアルミニウム、鉄、ガラスから選択されることを特徴とする、(1)〜(3)のいずれかに記載の光情報記録担体。
(5) 前記支持体が、防汚剤でコートされることを特徴とする、(1)〜(4)のいずれかに記載の光情報記録担体。
(6) 前記防汚剤が、フッ素原子および/またはケイ素原子を含む防汚剤であることを特徴とする、(1)〜(5)のいずれかに記の光情報記録担体。
(7) 前記透光層の表面側に、放射線硬化樹脂からなるハードコート層を有することを特徴とする、(1)〜(6)に記載の光情報記録担体。
(8) 前記透光層の厚さが、50〜300μmであることを特徴とする、(1)〜(7)のいずれかに記載の光情報記録担体。
(9) 前記透光層のフィルム基材が、(A)過酸化物分解剤、(B)ラジカル連鎖禁止剤、(C)金属不活性化剤及び(D)酸捕獲剤からなる群から選択される少なくとも1種の劣化防止剤を含有するセルロースアシレートフィルムであることを特徴とする、(1)〜(8)のいずれかに記載の光情報記録担体。
(10) 350nm〜500nmの波長を有する光により記録されることを特徴とする、(1)〜(9)のいずれかに記載の光情報記録担体。
(11) (1)〜(10)のいずれかに記載の光情報記録担体を、350nm〜500nmの波長を有する光を用いて記録および/または読みとりを行うことを特徴とする、光情報記録方法または光情報再生方法。
本発明によれば、保存安定性に優れ、高温高湿下においても平面性が悪化せず、良好な記録・再生能を有する情報記録担体を提供することができる。また、表面への傷や汚れのつきが防止され、保存安定性に優れた情報記録担体を提供することができる。本発明の情報記録担体は、特に、青紫色レーザと高NAピックアップを利用した光記録システムに有効である。
以下、本発明の情報記録担体について更に詳述する。なお、本明細書において、「(数値1)〜(数値2)」という記載は「(数値1)以上(数値2)以下」の意味を表す。
本発明の情報記録担体は、光学的手段によって情報信号を再生可能な情報記録担体である。本発明の情報記録担体の基本的な構成は、支持体と、支持体上に形成され情報信号を記録可能な記録層と、記録層上に形成され光を透過する透光層とからなる。各々の構成要素は発明内容を阻害しない範囲で相互に入れ替えまたは組み合わせてもよい。各々は少なくとも1つずつ存在することが必要であるが、各々は複数層存在しても1つの層が組成や特性の異なる複数の層から構成されていてもよい。具体的には支持体/記録層/透光層/記録層/透光層のように支持体の片側に2層ずつの記録層と透光層を設けたり、透光層/記録層/支持体/記録層/透光層のように支持体の両面に記録層と透光層を配置したりすることもできる。上記構成以外にも、公知の静電気防止層、潤滑層、保護層、反射層などを設けてもよい。また、支持体の記録層とは反対側にレーベル印刷を施してもよい。
本発明の情報記録担体は、カートリッジ内部に装着されたものであってもよい。また、その大きさに制限はなく、ディスク状情報記録担体の場合には、例えば直径30〜300mmの各種サイズを取ることができ、直径32、51、65、80、88、120、130、200、300mmなどであってもよい。
本発明の情報記録担体において、支持体は、後述する記録層及び透光層などを機械的に保持する機能を持つベースである。
その構成材料は、高弾性率を有するセラミック、金属などが好ましい。セラミックの代表例としてはソーダライムガラス、ソーダアルミノ珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラス、石英ガラスなどを用いることができる。金属としてはアルミ、銅、鉄などを用いることができる。
支持体の密度は、ディスクの軽量化のため、5g/cm3以下であることが好ましく、より好ましくは3g/cm3以下である。
支持体の厚みは、他の層を機械的に保持する必要性から0.3〜3mmが好ましく、望ましくは0.6〜2mmであり、1.1mm±0.3mmの範囲のものが最も好適に用いられる。
支持体の表面には、通常、トラッキング用溝又はアドレス信号等の情報を表わす凹凸(プレグルーブ)が形成される。このプレグルーブの形成は、プレグルーブ層を設けることにより、行ってよい。プレグルーブ層の材料としては、ポリオールのアクリル酸モノエステル、ジエステル、トリエステル、テトラエステル、ペンタエステルおよびヘキサエステルのうちの少なくとも1種のモノマー(又はオリゴマー)と光重合開始剤との混合物を用いることができる。プレグルーブ層の形成は、例えば、まず精密に作られた母型(スタンパ)上に上記のアクリル酸エステル及び重合開始剤からなる混合液を塗布し、更に、この塗布液層上に支持体を載せたのち、支持体又は母型を介して紫外線を照射することにより塗布層を硬化させて支持体と塗布層とを固着させる。次いで、支持体を母型から剥離することにより得ることができる。プレグルーブ層の層厚は一般に、0.01〜100μmの範囲にあり、好ましくは0.05〜50μmの範囲である。
本発明において、支持体のプレグルーブのトラックピッチは、200〜400nmの範囲とすることが好ましく、250〜350nmの範囲とすることがより好ましい。
また、プレグルーブの溝深さは10〜150nmの範囲とすることが好ましく、20〜100nmの範囲とすることがより好ましく、30〜80nmの範囲とすることが更に好ましい。また、その半値幅は、50〜250nmの範囲にあることが好ましく、100〜200nmの範囲であることがより好ましい。
本発明の情報記録担体に後述する光反射層を設ける場合には、光反射層が設けられる側の支持体表面に、平面性の改善、接着力の向上の目的で、下塗層を形成することが好ましい。
下塗層の材料としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高分子物質;シランカップリング剤等の表面改質剤;を挙げることができる。
下塗層は、上記材料を適当な溶剤に溶解又は分散して塗布液を調製した後、この塗布液をスピンコート、ディップコート、エクストルージョンコート等の塗布法により支持体表面に塗布することにより形成することができる。下塗層の層厚は、一般に0.005〜20μmの範囲とすることが好ましく、より好ましくは0.01〜10μmの範囲である。
光反射層は、情報の再生時における反射率の向上の目的で、任意に、支持体と記録層との間に設けることができる。光反射層は、レーザ光に対する反射率が高い光反射性物質を蒸着、スパッタリング又はイオンプレーティングすることにより支持体上に形成することができる。光反射層の層厚は、一般的には10〜300nmの範囲とし、50〜200nmの範囲とすることが好ましい。なお、光反射性物質の反射率は70%以上であることが好ましい。
反射率が高い光反射性物質としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Bi等の金属、半金属又はステンレス鋼を挙げることができる。これらの光反射性物質は単独で用いてもよいし、二種以上の組合せで用いてもよいし、又は合金として用いてもよい。これらのうちで好ましいものは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Al及びステンレス鋼である。特に好ましくは、Au、Ag、Al又はこれらの合金であり、最も好ましくは、Au、Ag又はこれらの合金である。
本発明の情報記録担体において、記録層とは、光学的または磁気的な記録手段により情報信号を該層へ記録することにより情報の記録又は書き換えができる機能を有した層であり、また光学的な再生手段(レーザ光など)により該層から情報信号の再生を行うことができる。記録層は、情報記録担体が再生専用型情報記録担体である場合には高反射率材料を用い、記録・再生型情報記録担体の場合には、記録または再生原理に従って、色素記録用材料、相変化記録用材料、光磁気記録用材料から選択して用いる。記録層の厚みは2〜300nmが好ましく、特に5〜200nmが好適に用いられる。
記録層に用いる光反射率材料としては、金、銀などが用いられる。
色素記録用の記録材料の具体的な例としては、シアニン色素、フタロシアニン色素、ナフタロシアニン色素、アゾ色素、ナフトキノン色素、フルギド色素、ポリメチン色素、アクリジン色素などを用いることができる。
相変化記録用の記録材料としては、インジウム、アンチモン、テルル、セレン、ゲルマニウム、ビスマス、バナジウム、ガリウム、白金、金、銀、銅、錫、砒素などの合金(合金とは酸化物、窒化物、炭化物、硫化物、フッ化物などを含む)を用いることができ、特にGeSbTe、AgInSbTe、CuAlTeSbなどを用いるのが好適である。インジウム合金とテルル合金の積層膜を用いて記録層としてもよい。
光磁気記録用の記録材料としては、テルビウム、コバルト、鉄、ガドリニウム、クロム、ネオジム、ジスプロシウム、ビスマス、パラジウム、サマリウム、ホルミウム、プロセオジム、マンガン、チタン、パラジウム、エルビウム、イッテルビウム、ルテチウム、錫などの合金(合金とは酸化物、窒化物、炭化物、硫化物、フッ化物の例を含む)を用いることができ、特にTbFeCo、GdFeCo、DyFeCoなどに代表されるように遷移金属と希土類の合金で構成するのが好適である。更に、コバルトと白金の交互積層膜を用いて記録層としてもよい。
なお、これら記録層には、再生出力向上や書き換え回数向上、保存安定性向上等の目的で、補助膜、例えばシリコン、タンタル、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、クロム、ジルコニウムなどの合金(酸化物、窒化物、炭化物を含む)や高反射膜(アルミニウム、金、銀など)を併用して積層してもよい。
色素記録用の記録材料を用いる記録層には、再生に用いるレーザ光の波長領域に極大吸収を有する色素を含有していることが好ましく、特に、500nm以下の波長のレーザで記録及び再生が可能なように、その波長領域に極大吸収を有する色素を含有していることがより好ましい。用いられる色素としては、例えば、シアニン色素、オキソノール色素、金属錯体系色素、アゾ色素、フタロシアニン色素等が挙げられる。具体的には、特開平4−74690号公報、特開平8−127174号公報、特開平11−53758号公報、特開平11−334204号公報、特開平11−334205号公報、特開平11−334206号公報、特開平11−334207号公報、特開2000−43423号公報、特開2000−108513号公報、特開2000−158818号公報の各公報に記載されている色素、又は、トリアゾール、トリアジン、シアニン、メロシアニン、アミノブタジエン、フタロシアニン、桂皮酸、ビオロゲン、アゾ、オキソノールベンゾオキサゾール、ベンゾトリアゾール等の色素が挙げられ、シアニン、アミノブタジエン、ベンゾトリアゾール、フタロシアニン等の色素が好ましい。
記録層は、色素記録用の記録材料を用いる場合、前述した色素と、所望により結合剤とを適当な溶剤に溶解して塗布液を調製し、次いで、この塗布液を前述の支持体のプレグルーブ表面、又は光反射層表面に塗布して塗膜を形成した後、乾燥することにより形成することができる。更に、塗布液中には、酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、及び潤滑剤など各種の添加剤を目的に応じて添加されてもよい。
また、色素や結合剤を溶解処理する方法としては、超音波処理、ホモジナイザー処理、ディスパー処理、サンドミル処理、スターラー攪拌処理等の方法を適用することができる。
塗布液の溶剤としては、例えば、酢酸ブチル、セロソルブアセテートなどのエステル;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン;ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルムなどの塩素化炭化水素;ジメチルホルムアミドなどのアミド;シクロヘキサンなどの炭化水素;テトラヒドロフラン、エチルエーテル、ジオキサンなどのエーテル;エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール;2,2,3,3−テトラフロロプロパノールなどのフッ素系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル類などを挙げることができる。上記溶剤は使用する色素及び結合剤の溶解性を考慮して単独で用いてもよいし、二種以上を適宜併用することもできる。
結合剤の例としては、例えば、ゼラチン、セルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴムなどの天然有機高分子物質;及びポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂、ポリビニルアルコール、塩素化ポリエチレン、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期縮合物などの合成有機高分子を挙げることができる。記録層の材料として結合剤を併用する場合に、結合剤の使用量は、色素に対して0.01〜50倍量(質量比)の範囲であることが好ましく、0.1〜5倍量の範囲であることがより好ましい。結合剤を記録層に含有させることにより記録層の保存安定性を改良することも可能である。
このようにして調製される塗布液中の色素の濃度は、一般に0.01〜10質量%の範囲にあり、好ましくは0.1〜5質量%の範囲にある。
塗布方法としては、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、スクリーン印刷法などを挙げることができる。
塗布温度としては、23〜50℃であれば特に問題はないが、好ましくは24〜40℃、更に好ましくは25〜37℃である。
記録層は単層でも重層でもよい。記録層の層厚は、一般に、20〜500nmの範囲にあり、好ましくは50〜300nmの範囲にある。
記録層には、該記録層の耐光性を向上させるために、種々の褪色防止剤を含有させることができる。
褪色防止剤としては、一般的に一重項酸素クエンチャーが用いられる。一重項酸素クエンチャーとしては、既に公知の特許明細書等の刊行物に記載のものを利用することができる。その具体例としては、特開昭58−175693号公報、同59−81194号公報、同60−18387号公報、同60−19586号公報、同60−19587号公報、同60−35054号公報、同60−36190号公報、同60−36191号公報、同60−44554号公報、同60−44555号公報、同60−44389号公報、同60−44390号公報、同60−54892号公報、同60−47069号公報、同63−209995号公報、特開平4−25492号公報、特公平1−38680号公報、及び同6−26028号公報等の各公報、そして日本化学会誌1992年10月号第1141頁等に記載のものを挙げることができる。
一重項酸素クエンチャー等の褪色防止剤の含有量は、記録層の全固形分中、通常、0.1〜50質量%の範囲であり、好ましくは、0.5〜45質量%の範囲、更に好ましくは、3〜40質量%の範囲、特に好ましくは5〜25質量%の範囲である。
記録層の表面には、透光層との密着性と、色素の保存性を高めるために、中間層(バリア層)が形成されていてもよい。バリア層は、Zn、Si、Ti、Te、Sm、Mo、Ge等のいずれか1原子以上からなる酸化物、窒化物、炭化物、硫化物等の材料からなる層であり。また、バリア層は、ZnS−SiO2のようにハイブリット化されたものでもよい。バリア層は、スパッタリング、蒸着イオンプレーティング等により形成すること可能で、その厚さは、1〜100nmとすることが好ましい。
本発明の情報記録担体において、透光層は、収束した再生光を物理的には記録層に導く機能を持ち、同時に記録層を化学的、機械的に保護する機能を持つ。本発明の透光層は支持体の厚みよりも薄く構成されたフィルムからなることが好ましい。
なお、本発明において「透光」とは、記録再生に用いる光学的手段の光の波長(例えば、600〜800nmや350〜450nmの光)に対して事実上透明(透過率70%以上、望ましくは80%以上)であることを意味する。
本発明に透光層に用いる透光性フィルムとしては、延伸により製造されないものが好ましい。延伸を用いて製造すると、延伸方向に光学異方性が生じることがあり、その場合、本発明の情報記録担体の透光層としては好ましくないからである。また、延伸により熱膨張に異方性が生じることがあり、長期の保存安定性の点でも好ましくない。
本発明の透光層の透光性フィルムとしては、例えば、ポリカーボネートフィルム、トリアセテートセルロースフィルム、アートンフィルム(登録商標)(JSR株式会社)、ゼオノアフィルム(登録商標)(日本ゼオン製)等様々なフィルムを用いることができるが、記録層の保護の観点からは、高硬度が得られるトリアセテートセルロースフィルムが好ましい。
さらに、透光性フィルムとして、吸湿膨張係数が20ppm/%RH以上のフィルムを用いることができる。これは、本発明の基板に弾性率は50GPa以上のものを用いているところ、透光性フィルムと基板との吸湿膨張係数の差が大きい場合でも、環境変化による記録担体の変形を防ぐことができるからである。従って、かかるフィルムを用いたとしても情報記録担体の変形による記録再生適性の劣化を防ぐことが出来る。
本発明において、吸湿膨張係数とは、環境を25℃20%RHから25℃80%RHまで変化させたときのフィルムの寸度変化率を意味する。すなわち、25℃20%RHでのフィルムの大きさをL20、25℃80%RHでの大きさをL80としたときに、[{(L80−L20)/L20]/(80−20)]×106が吸湿膨張係数(単位はppm/%RH)である。例えば、フィルムを巾5cm長さ28cmのような長方形に裁断し、25℃20%RHと25℃80%RHとでのフィルム長さを測定することで求めることができる。
透光性フィルムの吸湿膨張係数は、フィルム材料やフィルムへの添加剤の種類・量などを適宜選択することにより調整することができる。具体的には、特定の劣化防止剤を含有させたセルロースアシレートフィルム、塩素系有機溶剤含有量を押えたセルロースアシレートフィルム、特定の多価アルコールエステルを含有するセルロースアシレートフィルムを透光性フィルムとして用いることが好ましい。
本発明の透光層に用いる透光性フィルムとしては、好ましくはセルロース誘導体(特にセルロースアシレート)からなるフィルムである。
セルロースは六員環の基本分子構造をもち、この基本単位内に3つの水酸基(OH)を有している。セルロースを氷酢酸、プロピオン酸、酪酸、無水酢酸、無水プロピオン酸等を用いて水酸基をエステル化することによって、セルロースアシレートは合成することができ、合成条件によって、3つの水酸基のうちの一部、または全てをエステル化することができる。このうち特に水酸基を2個以上置換したセルロースアシレートは、溶剤を用いた流延法または溶融押し出し法によって薄いシート状に加工することができ、合成されたセルロースアシレートは、屈折率が1.5前後の透明体で、固有複屈折が小さく、光入射角度の依存性も小さいという特徴を持つ。そして、このセルロースアシレートにテンションをかけて得られるセルロースアシレートフィルムは、強靱でありながら、材料の固有複屈折を継承して、長手方向、横断方向の複屈折差も抑えられたフィルムとなるので、本発明の透光性フィルムとして好適である。
セルロースアシレートは、セルロース誘導体の合成条件を調整することにより、λ=350〜500nmの透過率を事実上透明(透過率70%以上、望ましくは80%以上)にすることが好ましい。セルロースアシレートは、セルロース誘導体の合成条件によって、黄変したり白化したりするが、このような材料を用いて情報記録担体を構成すると反射率が低下して再生信号出力が劣化することがあるためである。
セルロースアシレートフィルムはそのままでは引裂強度、耐折強度が低く、特に低湿度の状態下では、非常に脆くなり裂け易い欠点があった。柔軟性を与えるため、従来から低分子の可塑剤を添加していた。これらの例としては、リン酸エステル系としてトリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリエチルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェート等が挙げられ、フタル酸エステル系として、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート等が挙げられ、またグリコール酸エステル系としては、エチルフタリルエチルグリコール等が挙げられ、これ以外にはトルエンスルホンアミド系、トリアセチン(グリセリントリアセテート)等が用いられてきた。
しかしながら、上に列記した可塑剤は低分子物質であり、沸点は高いものでも300℃を越えるものはない。他方、セルロースアシレートは、他の物質との相溶性の少ないポリマーとして知られており、また相溶性のある可塑剤でも上記のように沸点が低いという致命的な欠点を有するため製膜の際に可塑剤の移行が激しく、できたフィルムの厚み方向に可塑剤の分布が不均一になるため、フィルムのカールの原因となったり、あるいはフィルムの表面に可塑剤が滲み出すため、その後の加工に著しく支障をきたすことが知られている。そこで、従来から上記欠点を除去するために、即ち常温、低温で耐折強度及び引裂き強度が大きく、かつ抗張力等が低分子可塑剤添加時と比較的変わらず、かつ光学的に透過率の優れた強靱なセルロースアシレートフィルムを得るために、高分子量可塑剤、例えばポリエステルエーテル、ポリエステル−ウレタン、ポリエステルを、あるいは、これら高分子量可塑剤と低分子量可塑剤を併用してセルロースアシレートに混合して用いることが試みられており(例えば、特公昭47−760号公報、特公昭43−16305号公報、特公昭44−32672号公報、特開平2−292342号公報)、ほぼ目的は達成されつつある。しかしながらこれらの支持体を用いると、低分子可塑剤(例えばトリフェニルホスフェート)のみを含んだ支持体に比べて、長期保存下での安定性が著しく低下し、着色、分子鎖の切断等が発生し易いという欠点があることが判った。
本発明では、セルロースアシレートフィルムに於いて、長期保存安定性を達成するため、該セルロースアシレートフィルムに
(A)過酸化物分解剤、
(B)ラジカル連鎖禁止剤、
(C)金属不活性化剤、及び
(D)酸捕獲剤、
のうち少なくとも1種の劣化防止剤を含有させることが好ましい。
あるいは、セルロースアシレートフィルム内に含まれる有機塩素系溶剤の量を10ppm以下とする、またはセルロースアシレートフィルムに脂肪族多価アルコールと1種以上のモノカルボン酸との多価アルコールエステルを含有させることも長期保存安定性を達成するためには好ましい。
本発明で用いることのできる劣化防止剤について説明する。本発明において、(A)過酸化物分解剤としては、下記一般式(A−I)、(A−II)、(A−III)で表わされる化合物、(B)ラジカル連鎖禁止剤としては、下記一般式(B−I)、で表わされる化合物、(C)金属不活性化剤としては、下記一般式(C−I)、(C−II)、(C−III)で表わされる化合物、(D)酸捕獲剤としては、下記一般式(D−I)、(D−II)、(D−III)、(D−IV)、(D−V)、(D−VI)、(D−VII)、(D−VIII)で表わされる化合物が好ましい。
Figure 2006059456
Figure 2006059456
上記一般式(A−I)〜(D−VII)において、Xは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属を表わす。R10はアルキル基、アルケニル基、およびアリール基を表わす。R20、R21およびR22は互いに同一でも異ってもよく、それぞれアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、アルケノキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アルケニルチオ基およびアリールチオ基を表わす。R30およびR31は互いに同一でも異なってもよく、それぞれアルキル基、アルケニル基およびアリール基を表わす。R40はアルキル基を表わす。R41、R42およびYは互いに同一でも異なってもよく、それぞれ水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アルケノキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルキルチオ基、アルケニルチオ基、アリールチオ基、ヒドロキシ基、置換基を有してもよいアミノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アシル基およびアシルオキシ基を表わす。mは0〜2の整数を表わす。また、R60およびR61は互いに同一でも異なってもよく、それぞれアルキル基、アルケニル基、アリール基およびヘテロ環基を表わす。ZはYで定義した基を表わし、nは0〜4の整数を表わす。mが2の時、複数のYは互いに同一でも異なってもよく、同様にnが2〜4の時、複数のZは互いに同一でも異なってもよい。R20とR21、R30とR31、が互いに結合して5〜7員環を形成してもよい。
また、R1、R2およびR3は互いに同一でも異なってもよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環基またはアミノ基を表わす。R1、R2およびR3のうち少なくとも2個の基が互いに結合して、5〜8員環を形成してもよい。またR1とR2が互いに共同して不飽和基となり、これとR3が結合して5〜8員環を形成してもよい。ただし、R1、R2およびR3が同時に水素原子であることはない。M1はアルカリ金属またはアルカリ土類金属を表わし、qはM1がアルカリ金属の時1、M1がアルカリ土類金属の場合2である。R81、R82はそれぞれ互いに同一でも異なってもよく、それぞれアルキル基、アルケニル基、アリール基、およびヘテロ環基を表わしている。M2は、アルカリ金属を表わし、M3はアルカリ金属またはアルカリ土類金属を表わす。uはM3がアルカリ金属の時2、M3がアルカリ土類金属の時1である。R91、R92、R93、およびR94は互いに同一であっても異ってもよく、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、およびヘテロ環基を表わす。R91、R92、R93、およびR94のうち少なくとも2個の基が互いに結合して、5〜8員環を形成してもよい。
一般式(A−I)〜(D−VII)で表わされる化合物をさらに詳細に説明する。Xは水素原子、アルカリ金属(例えばリチウム、ナトリウム、カリウム)、アルカリ土類金属(例えばカルシウム、バリウム、マグネシウム)を表わす。R10、R20、R21、R22、R30、R31、R40、R41、R42、Y、R81、R82、R91、R92、R93、R94、R60およびR61で定義したアルキル基は直鎖、分岐状または環状のアルキル基(例えばメチル、エチル、プロピル、i−プロピル、t−ブチル、シクロヘキシル、t−ヘキシル、t−オクチル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、ベンジル)を表わし、R10、R20、R21、R22、R30、R31、R40、R41、R42、Y、R81、R82、R91、R92、R93、R94、R60およびR61で定義したアルケニル基は直鎖、分岐鎖または環状のアルケニル基(例えばビニル、アリル、2−ペンテニル、シクロヘキセニル、ヘキセニル、ドデセニル、オクタデセニル)を表わし、R10、R20、R21、R22、R30、R31、R40、R41、R42、Y、R81、R82、R91、R92、R93、R94、R60およびR61のアリール基はベンゼン単環、縮合多環のアリール基(例えばフェニル、ナフチル、アントラニル)を表わし、R41、R42、Y、R60、R81、R82、R91、R92、R93、R94、およびR61で定義したヘテロ環基は環構成原子として窒素原子、イオウ原子、酸素原子から選ばれる原子を少なくとも一つ含む5〜7員環状の基(例えばフリル、ピロリル、イミダゾリル、ピリジル、プリニル、クロマニル、ピロリジル、モルホリニル)を表わす。
10はアルキル基、アルケニル基およびアリール基を表わす。R20、R21およびR22は互いに同一でも異なってもよく、それぞれアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、メトキシエトキシ、オクチルオキシ、ベンジルオキシ、シクロヘキシルオキシ、i−プロポキシ、テトラデシルオキシ、オクタデシルオキシ)、アルケノキシ基(例えばビニルオキシ、プロペニルオキシ、シクロヘキセニルオキシ、ドデセニルオキシ、オクタデセニルオキシ)、アリールオキシ基(例えばフェノキシ、ナフトキシ)、アルキルチオ基(例えばメチルチオ、エチルチオ、i−プロピルチオ、シクロヘキシルチオ、ベンジルチオ、オクチルチオ、ドデシルチオ、ヘキサデシルチオ、オクタデシルチオ)、アルケニルチオ基(例えばビニルチオ、アリルチオ、シクロヘキセニルチオ、ヘキサデセニルチオ)、アリールチオ基(例えばフェニルチオ、ナフチルチオ)を表わす。R30およびR31は互いに同一でも異なってもよく、それぞれアルキル基、アルケニル基およびアリール基を表わす。R40はアルキル基を表わす。R41、R42およびYは互いに同一でも異なってもよく、それぞれ水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、R20と同様のアルコキシ基、アルケノキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アルケニルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環オキシ基(例えばイミダゾリジニルオキシ、モルホリニルオキシ、テトラヒドロピラン−3−イルオキシ、1,3,5−トリアジン−2−イルオキシ)、ヒドロキシ基、置換基を有してもよいアミノ基(例えばアミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ、スルホンアミド、ウレイド、ウレタン)、カルバモイル基(例えばN−メチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイル)、スルファモイル基(例えばN−エチルスルファモイル、N−フェニルスルファモイル)、アルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル、ブトキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、オクチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニル、オクタデシルオキシカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(例えばフェニルオキシカルボニル、ナフチルオキシカルボニル)、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子)、ニトロ基、シアノ基、アシル基(例えばアセチル、ベンゾイル、ナフトイル)、アシルオキシ基(例えばアセチルオキシ、ベンゾイルオキシ、ナフトイルオキシ)を表わす。mは0〜2の整数を表わす。R60およびR61は互いに同一でも異なってもよく、それぞれアルキル基、アルケニル基、アリール基およびヘテロ環基を表わす。ZはYで定義した基を表わし、nは0〜4の整数を表わす。mが2の時、複数のYは互いに同一でも異なってもよく、同様にnが2〜4の時、複数のZは互いに同一でも異なってもよい。R20とR21、R30とR31が互いに結合して5〜7員環を形成してもよい。
1、R2およびR3は同一でも異なってもよく、水素原子、脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環基またはアミノ基を表わす。R1、R2およびR3のうちの少なくとも2個の基が互いに結合して5〜8員環を形成してもよい。またR1とR2が互いに共同して不飽和基となり、これとR3が結合して5〜8員環を形成してもよい。ただし、R1、R2およびR3が同時に水素原子であることはない。ここでいう脂肪族基とは直鎖、分岐あるいは環状のアルキル基(例えばメチル、エチル、プロピル、i−プロピル、t−ブチル、シクロヘキシル、t−ヘキシル、t−オクチル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、ベンジル)、アルケニル基(例えばビニル、アリル、2−ペンテニル、シクロヘキセニル、ヘキセニル、ドデセニル、オクタデセニル)、アルキニル基(例えばプロピニル、ヘキサデシニル)を表わし、これらの基は置換基で置換されていてもよい。ここでいう芳香族基とはベンゼン単環、縮合多環のアリール基(例えばフェニル、ナフチル、アントラニル)を表わす。これらの環は置換基を有してもよい。ここでいうヘテロ環とは環構成原子として窒素原子、イオウ原子、酸素原子から選ばれる原子を少なくとも一つ含む5〜7員環状の基(例えばフリル、ピロリル、イミダゾリル、ピリジル、プリニル、クロマニル、ピロリジル、モルホリニル)を表わす。ここでいうアミノ基とは単なるアミノ基であっても置換基を有するN−置換アミノ基であってもよい。
上記各基が有してもよい置換基としては脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環基、アシル基、スルホニル基、スルファモイル基およびカルバモイル基等がある。
1、R2およびR3のうちの少なくとも2個の基が互いに結合して5〜8員環(例えば、ピロリジン環、イミダゾリン環、イミダゾリジン環、ピラゾリジン環、ピペラジン環、ピペリジン環、モルホリン環、インドリン環、キヌクリジン環)を形成してもよい。R1とR2が互いに共同して不飽和基となり、これとR3が結合して5〜8員環(例えばピリジン環、キノリン環、プテリジン環、フェナントロリン環)を形成してもよい。
また、M1はアルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム、バリウム、マグネシウム)を表わす。R81、R82は、それぞれアルキル基、アルケニル基、アリール基およびヘテロ環基を表わしている。これらは、互いに同一であってもよく、異っていてもよい。ここでいうアルキル基とは、直鎖、分岐状または、環状のアルキル基(例えばメチル、エチル、プロピル、i−プロピル、t−ブチル、シクロヘキシル、t−ヘキシル、t−オクチル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、ベンジル)を表わし、アルケニル基は直鎖、分岐鎖または環状のアルケニル基(例えばビニル、アリル、2−ペンテニル、シクロヘキセニル、ヘキセニル、ドデセニル、オクタデセニル)を表わし、アリール基は、ベンゼン単環、縮合多環のアリール基(例えばフェニル、ナフチル、アントラニル)を表わし、ヘテロ環基は環構成原子として窒素原子、イオウ原子、酸素原子から選ばれる原子を少なくとも一つ含む5〜7員環状の基(例えばフリル、ピロリル、イミダゾリル、ピリジル、プリニル、クロマニル、ピロリジル、モルホリニル)を表わす。M2は、アルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム)を表わす。M3は、アルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム)または、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム、バリウム、マグネシウム)を表わす。
91、R92、R93、R94は、それぞれアルキル基、アルケニル基、アリール基およびヘテロ環基を表わしている。これらは互いに同一であってもよく、異っていてもよい。ここでいう、アルキル基とは、直鎖、分岐状または、環状のアルキル基(例えばメチル、エチル、プロピル、i−プロピル、t−ブチル、シクロヘキシル、t−ヘキシル、t−オクチル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、ベンジル)を表わし、アルケニル基は直鎖、分岐鎖または環状のアルケニル基(例えばビニル、アリル、2−ペンテニル、シクロヘキセニル、ヘキセニル、ドデセニル、オクタデセニル)を表わし、アリール基は、ベンゼン単環、縮合多環のアリール基(例えばフェニル、ナフチル、アントラニル)を表わし、ヘテロ環基は環構成原子として窒素原子、イオウ原子、酸素原子から選ばれる原子を少なくとも一つ含む5〜7員環状の基(例えばフリル、ピロリル、イミダゾリル、ピリジル、プリニル、クロマニル、ピロリジル、モルホリニル)を表わす。
91とR92、R93とR94は、それぞれ互いに結合して5〜8員環(例えば、ピロリジン環、イミダゾリン環、イミダゾリジン環、ピラゾリジン環、ピペラジン環、ピペリジン環、モルホリン環、インドリン環、キヌクリジン環)を形成してもよい。
一般式(A−II)で表わされる化合物のうち、R20〜R22のいずれもが、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基から選ばれたものが好ましい。R20〜R22のいずれもがアルキル基、アリール基、アリールオキシ基から選ばれたものはより好ましく、このうち、アリールオキシ基を有する場合はアリールオキシ基のベンゼン環のオルト位に置換基を有するものが好ましい。またR20〜R22のうちの少なくとも2個がアリールオキシ基の場合、この2個のアリールオキシ基のベンゼン環の互いのオルト位、またはオルト位の置換基が結合したものが好ましい。
一般式(B−I)で表わされる化合物のうち、好ましいものは下記一般式(B−I−I)、(B−I−II)で表わすことができる。
Figure 2006059456
式中、R40'は第3級アルキル基を表し、R40''およびR40'''は互いに同じでも異なってもよく、それぞれアルキル基を表す。また、Lは単結合または下記連結基を示す。
Figure 2006059456
ここでR43は水素原子、アルキル基およびアリール基を表わす。R44とR45は同一でも異なってもよく、それぞれ水素原子、アルキル基およびアリール基を表わす。R41、R42、Yおよびmは一般式(B−I)と同じ意味を表わし、Y′はYと同じ意味を表わす。m′とm″はmと同じ意味を表わす。
一般式(D−I)で表わされる化合物のうち、より好ましいものは、pKaが4以上であることが好ましく、さらにpKaが4以上でかつ9以下が好ましく、さらに好ましくは5以上でかつ8以下である。最も好ましくはpKaが5以上でかつ7以下のアミン化合物である。このpKaとはアミン化合物の共役酸の解離定数であり、室温下でEtOH/H2O=4/1の混合溶媒で求めた値である。一般にはこの値は滴定法によって得ることができる。さらにこのアミン化合物は親油性の化合物が好ましく、炭素原子数の総和が8以上が好ましく、さらに好ましくは15以上である。
さらにこのアミン化合物は3級アミンであるものが好ましい。一般式(D−I)で表わされる化合物のうち、最も好ましいものは下記一般式(D−I−I)で表わされるpKa4以上の親油性化合物である。
Figure 2006059456
式中、R1およびR2は一般式(D−I)と同じ基を表わす。Rb1〜Rb5は同一でも異なってもよく、それぞれ水素原子、脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環基、脂肪族オキシ基、芳香族オキシ基、ヘテロ環オキシ基、脂肪族チオ基、芳香族チオ基、ヘテロ環チオ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有してよいアミノ基、スルホニル基、アシル基、アシルオキシ基、スルファモイル基、カルバモイル基、エステル基を表わす。R1とR2、R1とRb5、R2とRb1またはRb1〜Rb5のうちの互いにオルト位にある基が結合して、5〜8員環を形成してもよい。
本発明の好ましい(D)酸捕獲剤としては、上記の他に前記一般式(D−VIII)で表されるアミン化合物も挙げられる。
式(D−VIII)中、X1は単結合または2ないし3価の有機残基を表し、B1はアミノ基を有するアリール基、アリールオキシ基、または含窒素複素環基を表す。但し、X1は−O−、−(CH24−であることはない。pは2または3を表す。X1としては単結合、炭素原子、窒素原子またはリン原子でBaと連結する2または3価残基、−S−、−SO2−、−O−Ar−O−、−O−Ar−(CR45)n−Ar−O−、−O−Ar−SO2−Ar−−O−、−O−CH2−Y1−CH2−O−等の2価の連結基を挙げることができる。
ここで、Arはアリール基、R4、R5はアルキル基、Y1はCR45、−CH2OCH2−を表す。B1はpKa(エタノール/水=4/1の混合溶媒中で測定した値)が4以上のアミノ基を有するアリール基、アリールオキシ基、または含窒素複素環基である。ここで言うアミノ基は、無置換でも置換基を有していてもよい。アミノ基の置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基及び複素環基等を挙げることができる。アミノ基としては特に3級アミノ基が好ましく、環状の3級アミノ基も好ましく用いられる。含窒素複素環基としては、ピロリジノ基、ピペリジノ基。モルホリノ基、ピペラジノ基、ピリジル基、ピリミジル基、キノリル基、イミダゾリル基、ピロリル基、インドリノ基、テトラヒドロキノリル基、イミダゾニリル基、チアゾリニル基、イミダゾリジニル基、チアゾリジニル基等を挙げることができる。上記アミノ酸及び含窒素複素環基はさらに他の置換基を有していてもよい。
本発明の一般式(D−VIII)で表されるアミン化合物において、より好ましい化合物は分子量300以上の実質的に揮散性を有しないものである。
本発明の一般式(D−VIII)で表されるアミン化合物において、最も好ましい化合物は実質的に揮散性を持たず、塩基性基1個当たりの分子量が200以下の化合物である。
一般式(B−I)で表わされる化合物のうち、より好ましくはpKaが4以上でかつ9以下、さらに好ましくは5以上でかつ8以下、最も好ましくはpKaが5以上でかつ7以下の化合物である。
本発明の一般式(A−I)〜(D−VIII)で表わされる化合物の具体例は特開平5−197073号公報の明細書の〔0063〕〜〔0064〕に記載された化合物が挙げられる。
これらの化合物はほとんどものが市販されているため、容易に入手できる。また、一般式(D−I)、(D−VIII)で表わされるアミン化合物の他の好ましい化合物例および合成法は米国特許第4,483,918号明細書、同第4,555,479号明細書、同第4,585,728号明細書、同第4,639,415号明細書、欧州特許出願公開第264,730号明細書、特開昭58−102231号公報、同59−229557号公報、同61−73152号公報、同63−98662号公報、同63−115167号公報、同63−267944号公報等に記載されている。
次に、有機塩素系溶剤の量を10ppm以下としたセルロースアシレートフィルムに関して述べる。
製造直後においてフィルム内に含まれる有機塩素系溶剤(通常主としてメチレンクロライドである)の量を10ppm以下にするためには、置換度2.7以下のセルロースアシレートからなるコア部分を有し、該コア部分の少なくとも片面に、0.5μm〜15μmの膜厚で且つ置換度2.8以上のセルロースアシレートからなる表層を有することを特徴とするセルロースアシレート積層フィルムによって達成される。また、前記目的は、0.5μm〜15μmの膜厚で且つ置換度2.8以上のセルロースアシレートからなる表層は、メチレンクロライドまたはN−メチル−2−ピロリドンを70%以上含む溶媒で調製したドープ、置換度2.7以下のセルロースアシレートからなるコア部分は、アセトンを60%以上含む溶媒から調製したドープで溶液製膜することを特徴とするセルロースアシレート積層フィルムの製造方法によって達成される。
本発明におけるセルロースアシレート積層フィルムにおいて、置換度2.8以上のセルロースアシレートを有する表層と、置換度2.7以下のセルロースアシレートを有するコア部分から成る積層構造を有するフィルムとすることにより、含有溶剤の量を著しく低減できるのと同時に、優れた耐湿熱性を有するセルロースアシレートフィルムとすることができる。置換度2.8以上のセルロースアシレート(以下、セルロースアセテートの場合にはTACともいう)から製膜されたフィルムは、置換度2.7以下のセルロースアシレート(以下、セルロースアセテートの場合にはDACともいう)のフィルムより、格段と透湿性が少ないという優れた特性がある。セルロースアセテートを例にとって説明すると、置換度2.7以下のセルロースアシレートまたはDACの表層に、透湿性が少ない置換度2.8以上のセルロースアシレートまたはTACを設けることにより、外部雰囲気からの湿気の侵入をTACにより防ぐことができ、耐湿熱性の不充分なDACが保護される。これにより、フィルム全体としては経時による湿度及び熱に対する耐性が良好なものとなる。置換度2.8以上のセルロースアシレートまたはTACの置換度は、好ましくは2.8〜3.0であり、より好ましくは2.9〜3.0である。置換度2.7以下のセルロースアシレートまたはDACの置換度は、好ましくは2.0〜2.7であり、より好ましくは2.5〜2.7である。
本発明において、前記積層構造を有するセルロースアシレートフィルムは、一層がTACからなる表層と、それに隣接するDACからなる層とからなる二層重層構造のフィルムの他に、前記DACのコア部分の両面に、TACの表層を設けた三重層構造のフィルムを含んでいる。更に、三重以上の層からなるフィルムも含む。本発明の三重層構造を有するフィルムの場合において、上下表層の厚みは同じ厚みでなくても良いが、同じ厚みである方がフィルムの機械的性質のバランスがとれるなどの理由から好ましい。本発明のフィルムは、コア部分であるDACのフィルム面に偏光膜や感光層等の機能性層を設ければ、二層重層構造のフィルムによって十分防湿目的を達成できる。二層重層構造のフィルムの防湿保存の問題は、フィルムをロール巻きにし、防湿包装して保存するなどにより解決できる。本発明において、好ましくは前記DACのコア部分の両面に、TACの表層を設けた三重以上の層構造のフィルムとすることが好ましい。これにより、フィルムへの湿気の侵入が、いずれの保存状態でも防止でき、長期間にわたり優れた透明性、寸度安定性、耐湿熱性を維持できる。セルロースアセテートの場合について説明したことは他のセルロースアシレートにも適用できる。
更に、TACを有する表層は、0.5〜15μmという薄い層であるので、3重層構成だとしても、使用する有機溶剤の量は著しく削減でき、作業環境上、環境に対する影響上において安全になり、更に残存溶剤により、発生するヘイズ等の問題も改善できる。ここで、前記TACを有する層の膜厚は、好ましくは0.5〜10μmであり、より好ましくは1.0〜5.0μmである。
本発明において、TACを製膜する際に塩素系有機溶剤を使用した場合、従来のセルローストリアセテートフィルムの製造における乾燥条件と大差ない条件で、製造直後のフィルム内に含まれる塩素系有機溶剤の量を10ppm以下にできる。この塩素系有機溶剤の量は好ましくは5ppm以下である。これにより、作業環境上、環境に対する影響上において一層安全になり、更に残存溶剤により、発生するヘイズ等の問題も著しく改善できる。本発明においては、フィルムを上下表層をメチレンクロライドに溶解したセルロースアシレートから製膜した三重層構造とした場合でも、製造直後においてフィルム内に含まれる有機塩素系溶剤(通常主としてメチレンクロライドである)の量を10ppm以下にできる。このように有機塩素系溶剤の量が10ppm以下であるセルロースアシレートフィルムを提供することは、50μm以上のフィルムをメチレンクロライドを有する溶液のドープから製膜した場合には、著しく長時間の乾燥を行わなければ、10ppm以下のフィルムは製造することはできないため、実用上不可能である。
また、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)の沸点はメチレンクロライドのそれに比べて高く、残存溶剤の量が著しく多くなる。本発明においてはTACを有する層の膜厚は最高15μmと薄いので、上下表層を設けた三重層構造のフィルムとした場合でも、製造直後の残存NMPの量が2000ppm以下にできる。残存NMPの量は、好ましくは1500ppm以下である。これにより表層を乾燥するための乾燥負荷は大きくなく、製造上の問題とはならない。また残留溶剤量も少なく、製膜に塩素系溶剤を使用しないですむので、塩素系溶剤残留の問題もない。更に、大量の残存NMPにより発生していたヘイズも防止でき、保存中のフィルムの透明性を維持できる。
非塩素系溶媒で製造されたセルロースアシレートフィルム及びその製造方法については発明協会公開技報公技番号2001−1745号に詳しく記載されている。
次に脂肪族多価アルコールと1種以上のモノカルボン酸との多価アルコールエステルを含有するセルロースアシレートフィルムに関して述べる。本発明の脂肪族多価アルコールエステルは、2価以上の脂肪族多価アルコールと1種以上のモノカルボン酸とのエステルである。
本発明に用いられる脂肪族多価アルコールは、2価以上のアルコールで次の一般式(a)で表される。
一般式(a) R11−(OH)n
式中、R11はn価の脂肪族有機基、nは2以上の正の整数、OH基はアルコール性、及び/またはフェノール性水酸基を表す。
n価の脂肪族有機基としては、アルキレン基(例えばメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基等)、アルケニレン基(例えばエテニレン基等)、アルキニレン基(例えばエチニレン基等)、シクロアルキレン基(例えば1,4−シクロヘキサンジイル基等)、アルカントリイル基(例えば1,2,3−プロパントリイル基等)が挙げられる。n価の脂肪族有機基は置換基(例えばヒドロキシ基、アルキル基、ハロゲン原子等)を有するものを含む。nは2〜20が好ましい。
好ましい多価アルコールの例としては、例えばアドニトール、アラビトール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ジブチレングリコール、1,2,4−ブタントリオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ヘキサントリオール、ガラクチトール、マンニトール、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール、ピナコール、ソルビトール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、キシリトール等を挙げることができる。特に、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ソルビトール、トリメチロールプロパン、キシリトールが好ましい。
本発明の多価アルコールエステルにおけるモノカルボン酸としては、特に制限はなく公知の脂肪族モノカルボン酸、脂環族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸等を用いることができる。脂環族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸を用いると、セルロースアシレートフィルムの透湿性を向上させる点で好ましい。
好ましいモノカルボン酸の例としては、以下のようなものを挙げることができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
脂肪族モノカルボン酸としては、炭素数1〜32の直鎖または側鎖を有する脂肪酸を好ましく用いることができる。炭素数は1〜20であることが更に好ましく、1〜10であることが特に好ましい。酢酸を含有するとセルロースエステルとの相溶性が増すため好ましく、酢酸と他のモノカルボン酸を混合して用いることも好ましい。
好ましい脂肪族モノカルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、2−エチル−ヘキサンカルボン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸等の飽和脂肪酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸等の不飽和脂肪酸等を挙げることができる。これらは更に置換基を有してもよい。
好ましい脂環族モノカルボン酸の例としては、シクロペンタンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロオクタンカルボン酸、またはそれらの誘導体を挙げることができる。
好ましい芳香族モノカルボン酸の例としては、安息香酸、トルイル酸等の安息香酸のベンゼン環にアルキル基を導入したもの、ビフェニルカルボン酸、ナフタリンカルボン酸、テトラリンカルボン酸等のベンゼン環を2個以上有する芳香族モノカルボン酸、またはそれらの誘導体を挙げることができる。特に安息香酸が好ましい。
本発明に用いられる多価アルコールエステルの分子量は特に制限はないが、300〜1500であることが好ましく、350〜750であることが更に好ましい。
本発明の多価アルコールエステルにおけるカルボン酸は一種類でも、二種以上の混合でもよい。また、多価アルコール中のOH基は全てエステル化してもよいし、一部をOH基のままで残してもよい。好ましくは、分子内に芳香環もしくはシクロアルキル環を3つ以上有することが好ましい。
本発明に用いられる多価アルコールエステルの具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるわけではない。
Figure 2006059456
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Figure 2006059456
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多価アルコールエステルの使用量は、セルロースアシレートに対して3〜30質量%が好ましく、5〜25質量%が更に好ましく、特に好ましくは5〜20質量%である。
これらの多価アルコールエステルは、従来セルロースアシレート中に混合されて用いられていたリン酸エステル、たとえばトリフェニルフォスフォートの代替として好ましく用いることができる。すなわちセルロースアシレートフィルム中のリン酸エステルの量を0.1g/m2以下に減らすかあるいは除去したセルロースアシレートフィルムに用いることが好ましい。
本発明の情報記録担体の保存性を改良するためには、透光層の組成を制御すると共に、種々の外的な圧力から情報記録層や透光層の光透過性の変化を生じないようにすることが重要であり、このため透光層が上記透光性フィルム上に、放射線硬化樹脂を含む硬化性組成物から形成される硬化皮膜からなるハードコート層を有することが好ましい。以下、本発明の透光性フィルムを支持体として、該支持体上にハードコート層を塗布したものをハードコートフィルムと称するが、本発明で用いられるハードコートフィルムとしては以下のようなものが挙げられる。
(1)特許第1815116号(特公平2−60696号公報)記載のように層の硬度を上げるために、該層の樹脂形成成分を多官能性アクリル酸エステル系モノマーとし、これにアルミナ、シリカ、酸化チタン等の粉末状無機充填剤および重合開始剤を含有する被覆用組成物を支持体上に塗布したハードコートフィルム。
(2)特許1416240号(特公昭62−21815号公報)記載のアルコキシシラン等で表面処理したシリカもしくはアルミナからなる無機質の装填材料を含む光重合性組成物がさらに架橋有機微粒子を充填したハードコートフィルム。
(3)特開2000−52472号公報記載のハードコート層を2層構成とし、第一層に微粒子のシリカを添加するハードコートフィルム。
(4)特開2000−71392号記載のハードコート層を2層構成とし、下層をラジカル硬化性樹脂とカチオン硬化性樹脂のブレンドからなる硬化樹脂層を使用し、上層にラジカル硬化性樹脂のみからなる硬化樹脂層を使用したハードコートフィルム。
(5)特開2002−248619号公報記載の充填材と樹脂を熔融混練、押出し成型で作製されるハードコートフィルム。
これらのハードコートフィルムは上記明細書記載のままでは充分な硬度が得られない場合が含まれるが、その場合、各々、以下のような調製方法の改善によって所望の硬度を得ることができる。
(1)多官能性アルキルエステルモノマーの官能基数増加、無機充填剤や開始剤量の増量
(2)無機質充填剤の増量
(3)1層目のシリカ量の増量
(4)ラジカル硬化樹脂の比率増加
(5)充填剤の増量
ハードコート層は、単層でも複数層から構成されていてもよいが、製造工程上簡便な単層であることが好ましい。この場合の単層とは、同一の硬化性組成物から硬化形成されたハードコート層を指し、塗布、乾燥後の組成が、同一組成のものであれば、複数回の塗布後、硬化して形成されていてもよい。一方、複数層とは組成の異なる複数の硬化性組成物から硬化、形成された層を指す。
本発明のハードコート層は、活性エネルギー線の照射により硬化する硬化性組成物を塗布後、活性エネルギー線の照射により硬化して形成される。該硬化性組成物の活性エネルギー線照射による硬化収縮率は、0〜15%、好ましくは0〜13%、より好ましくは0〜11%である。
上記硬化収縮率は、用いた活性エネルギー線、例えばUV光の照射前の硬化性組成物の密度と照射硬化後の硬化性組成物の密度を求め、その値から下記数式Aで計算して求めた値である。なお、密度はマイクロメトリック社製MULTIVOLUME PYCNOMETERで測定(25℃)した値である。
数式A : 体積収縮率={1−(硬化前密度/硬化後密度)}×100(%)
本発明のハードコート層のヘイズは7%以下であることが好ましく、5%以下がさらに好ましく、3%以下が最も好ましい。ヘイズの評価法は、日本電色工業(株)製の濁度計「NDH−1001DP」を用いて測定したヘイズ=(拡散光/全透過光)×100(%)として自動計測される値を用いた。
本発明におけるハードコートフィルムは、カールを以下の数式Bで表したときの値が、マイナス15〜プラス15の範囲に入っていることが好ましく、マイナス12〜プラス12の範囲がより好ましく、さらに好ましくはマイナス10〜プラス10である。このときのカールの試料内測定方向は、ウェッブ形態での塗布の場合、支持体の搬送方向について測ったものである。
数式B : カール=1/R (ここで、Rは曲率半径(m))
これは、ハードコートフィルムの製造、加工、市場での取り扱いで、ひび割れ、膜はがれを起こさないための重要な特性である。カール値が前記範囲にあり、カールが小さいことが好ましい。上記範囲にカールを小さくすることと高表面硬度とすることは、ハードコート層形成用の硬化性組成物の硬化前後の体積収縮率を15%以下とすることによって可能である。
カールの測定は、JISK7619−1988の「写真フィルムのカールの測定法」中の方法Aのカール測定用型板を用いて行われる。測定条件は25℃、相対湿度60%、調湿時間10時間である。
ここで、カールがプラスとはフィルムのハードコート層塗設側が湾曲の内側になるカールを言い、マイナスとは塗設側が湾曲の外側になるカールをいう。
また、本発明におけるハードコートフィルムは、上記したカール測定法に基づいて、相対湿度のみを80%と10%に変更したときの各カール値の差の絶対値が、24〜0が好ましく、15〜0がさらに好ましく、8〜0が最も好ましい。これはさまざまな湿度下でフィルムを貼り付けたときのハンドリング性や剥がれ、ひび割れに関係する特性である。
本発明におけるハードコートフィルムの耐ひび割れ性は、ハードコート層塗設側を外側にして丸めたときに、ひび割れが発生する曲率直径が、50mm以下であることが好ましく、40mm以下がより好ましく、30mm以下が最も好ましい。エッジ部のひび割れについては、ひび割れがないか、ひび割れの長さが平均で1mm未満であることが好ましい。この耐ひび割れ性は、ハードコートフィルムの塗布、加工、裁断、貼りつけ等のハンドリングで割れ欠陥を出さないための重要な特性である。
本発明のハードコートフィルムに用いられる支持体は、透明なフィルム状やシート、板状のプラスチックが好ましい。具体的にはトリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース等のセルロース樹脂が好ましい。フィルムの厚みは20〜300μmが好ましく、80〜200μmがより好ましい。支持体の厚みが薄すぎると膜強度が弱く、厚いと剛性が大きくなり過ぎる。シートの厚みは透明性を損なわない範囲であればよく、300μm以上数mmのものが使用できる。
活性エネルギー線硬化塗布液(硬化組成物の塗布液)は、ケトン系、アルコール系、エステル系等の有機溶剤に、上記の多官能モノマーと重合開始剤を主体に溶解して調製する。さらに、表面修飾した硬無機微粒子分散液と軟微粒子分散液を添加して調製することができる。
本発明のハードコート層の作製は、支持体上に活性エネルギー線硬化塗布液をディッピング法、スピナー法、スプレー法、ロールコーター法、グラビア法、ワイヤーバー法、スロットエクストルージョンコーター法(単層、重層)、スライドコーター法等の公知の薄膜形成方法で塗布し、乾燥、活性エネルギー線照射して、硬化させることにより作製することができる。
乾燥は、塗布した液膜中の有機溶媒濃度が、乾燥後に5質量%以下になる条件が好ましく、2質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましい。乾燥条件は、支持体の熱的強度や搬送速度、乾燥工程長さなどの影響を受けるが、できるだけ有機溶媒の含有率の低いほうが重合率を高める点で好ましい。
さらに、支持体とハードコート層の密着性を向上させる目的で、所望により支持体の片面又は両面に、酸化法や凹凸化法等により表面処理を施すことができる。上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、グロー放電処理、クロム酸処理(湿式)、火炎処理、熱風
理、オゾン・紫外線照射処理等が挙げられる。
更に、一層以上の下塗り層を設けることができる。下塗り層の素材としては塩化ビニル、塩化ビニリデン、ブタジエン、(メタ)アクリル酸エステル、ビニルエステル等の共重合体或いはラテックス、低分子量ポリエステル、ゼラチン等の水溶性ポリマー等が挙げられる。さらに下塗り層に酸化錫、酸化錫・酸化アンチモン複合酸化物、酸化錫・酸化インジウム複合酸化物等の金属酸化物や四級アンモニウム塩等の帯電防止剤を含有させることができる。
ハードコート層は、複数層構成でも可能であり、硬度の順に適宜積層して作製することもできる。
更に、高い防汚性を得るために、ハードコート層を形成する、放射線硬化樹脂を含む硬化性組成物に、フッ素原子および/またはケイ素原子を含む防汚剤を含有させて、重合・硬化させて硬化皮膜とする方法がある。
ハードコート層に用いられる、防汚剤としての上記硬化性樹脂の具体的な例としては、フッ素原子および/またはケイ素原子を含有するモノマー、あるいはフッ素原子および/またはケイ素原子を含むモノマーの共重合体、ブロック共重合体、あるいはグラフト共重合体にアクリル基を含有させたポリマーが挙げられる。フッ素含有モノマーとしては、ヘキサフルオロイソプロピルアクリレート、ヘプタデカフルオロデシルアクリレート、パーフルオロアルキルスルホンアミドエチルアクリレート、パーフルオロアルキルアミドエチルアクリレート等に代表されるパーフルオロアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。具体的には、2−パーフルオロオクチルエチルメタアクリレート、2−パーフルオロオクチルエチルアクリレート(日本メクトロン(株)製)、M−3633、M−3833、R−3633、R−3833等のアクリレート化合物((株)ダイキンファインケミカル研究所製)、AFC−1000,AFC−2000、FA−16等(共栄社化学(株)製)、メガファック531A(大日本インキ(株)製)などの重合性基を含有する化合物が挙げられる。フッ素を含有する共重合体としては、主鎖が炭素原子のみからなり、かつ、含フッ素ビニルモノマー重合単位と側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する重合単位とを含んでなる共重合体があり、具体的には下記一般式(1)で表される共重合体が挙げられる。
Figure 2006059456
(一般式(1)中、Mfは含フッ素ビニルモノマー、Lは炭素数1〜10の連結基を表し、mは0または1を表す。Xは水素原子またはメチル基を表す。Aは任意のビニルモノマーの重合単位を表し、単一成分であっても複数の成分で構成されていてもよい。x、y、zはそれぞれの構成成分のモル%を表し30≦x≦60、40≦y≦80、0≦z≦65を満たす値を表す。)
一般式(1)におけるMfで表される含フッ素ビニルモノマーとしてはフルオロオレフィン類(例えばフルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン等)、(メタ)アクリル酸の部分または完全フッ素化アルキルエステル誘導体類(例えばビスコート6FM(商品名、大阪有機化学製)やM−2020(商品名、ダイキン製)等)、パーフルオロアルキルスルホン酸メタアクリルアミド、完全または部分フッ素化ビニルエーテル類等が挙げられるが、パーフルオロオレフィン類が好ましく、溶解性、透明性、入手性等の観点からはヘキサフルオロプロピレンが特に好ましい。本発明の共重合体は側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する重合単位を必須の構成成分として有する。共重合体への(メタ)アクリロイル基の導入法は特に限定されるものではないが、例えば、(1) 水酸基、アミノ基等の求核基を有するポリマーを合成した後に、(メタ)アクリル酸クロリド、(メタ)アクリル酸無水物、(メタ)アクリル酸とメタンスルホン酸の混合酸無水物等を作用させる方法、(2) 上記求核基を有するポリマーに、硫酸等の触媒存在下、(メタ)アクリル酸を作用させる方法、(3) 上記求核基を有するポリマーにメタクリロイルオキシプロピルイソシアネート等のイソシアネート基と(メタ)アクリロイル基を併せ持つ化合物を作用させる方法、(4) エポキシ基を有するポリマーを合成した後に(メタ)アクリル酸を作用させる方法、(5) カルボキシル基を有するポリマーにグリシジルメタクリレート等のエポキシ基と(メタ)アクリロイル基を併せ持つ化合物を作用させる方法、(6) 3―クロロプロピオン酸エステル部位を有するビニルモノマーを重合させた後で脱塩化水素を行う方法などが挙げられる。これらの中で本発明では特に水酸基を含有するポリマーに対して(1) または(2) の手法によって(メタ)アクリロイル基を導入することが好ましい。
これらの(メタ)アクリロイル基含有重合単位の組成比を高めれば皮膜強度は向上し、含フッ素ビニルモノマー重合単位の種類によっても異なるが、一般に(メタ)アクリロイル基含有重合単位は40〜80モル%を占めることが好ましく、45〜75モル%を占めることがより好ましく、50〜70モル%を占めることが特に好ましい。
本発明に有用な共重合体では上記含フッ素ビニルモノマー重合単位および側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する重合単位以外に、一般式(1)におけるAで表される、基材への密着性、ポリマーのTgの調整(皮膜硬度に寄与する)、溶剤への溶解性、透明性、滑り性、防塵・防汚性等種々の観点から適宜他のビニルモノマーを共重合することもできる。これらのビニルモノマーは目的に応じて複数を組み合わせてもよく、合計で共重合体中の0〜65モル%の範囲で導入されていることが好ましく、0〜40モル%の範囲であることがより好ましく、0〜30モル%の範囲であることが特に好ましい。
併用可能なビニルモノマー単位には特に限定はなく、例えばオレフィン類(エチレン、プロピレン、イソプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等)、アクリル酸エステル類(アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸アリル、アクリル酸トリメトキシシリルプロピル等)、メタクリル酸エステル類(メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸アリル、メタクリル酸トリメトキシシリルプロピル等)、スチレン誘導体(スチレン、p−ヒドロキシメチルスチレン、p−メトキシスチレン等)、ビニルエーテル類(メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、グリシジルビニルエーテル、アリルビニルエーテル等)、ビニルエステル類(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、桂皮酸ビニル等)、不飽和カルボン酸類(アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸等)、アクリルアミド類(N,N−ジメチルアクリルアミド、N−tertブチルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド等)、メタクリルアミド類(N,N−ジメチルメタクリルアミド)、アクリロニトリル等を挙げることができる。好ましくはビニルエーテル誘導体、ビニルエステル誘導体であり、特に好ましくはビニルエーテル誘導体である。
一般式(1)中、Lは炭素数1〜10の連結基を表し、より好ましくは炭素数1〜6の連結基であり、特に好ましくは2〜4の連結基であり、直鎖であっても分岐構造を有していてもよく、環構造を有していてもよく、O、N、Sから選ばれるヘテロ原子を有していてもよい。好ましい例としては、*−(CH22−O−**、*−(CH22−NH−**、*−(CH24−O−**、*−(CH26−O−**、*−(CH22−O−(CH22−O−**、―CONH−(CH23−O−**、*―CH2CH(OH)CH2−O−**、*−CH2CH2OCONH(CH23−O−**(*はポリマー主鎖側の連結部位を表し、**は(メタ)アクリロイル基側の連結部位を表す。)等が挙げられる。mは0または1を表す。
一般式(1)中、Xは水素原子またはメチル基を表す。硬化反応性の観点から、より好ましくは水素原子である。
x、y、zはそれぞれの構成成分のモル%を表し、30≦x≦60、40≦y≦80、0≦z≦65を満たす値を表す。好ましくは、35≦x≦55、30≦y≦60、0≦z≦20の場合であり、特に好ましくは40≦x≦55、50≦y≦70、0≦z≦10の場合である。
ケイ素含有モノマーとしてはポリジメチルシロキサンと(メタ)アクリル酸等の反応によるシロキサン基を有するモノマーが挙げられる。末端(メタ)アクリレートのシロキサン化合物の具体例としては、X−22−164A、X−22−164B、X−22−164C、X−22−2404、X−22−174D、X−22−8201、X−22−2426(信越化学工業(株)製)などが挙げられる。
本発明の透光層は支持体や記録層を含む基板と粘着層を介して貼り合わせることが好ましい。粘着層を設置する工程において、あらかじめ一方の面にハードコート層が形成された透光性フィルムのハードコート層塗設面と異なる面に、粘着層を連続的に設けることができる。粘着層を設ける方法としては、予め形成された粘着層を貼り付ける方法(以下、適宜、間接法と称する)と、透光性フィルムの表面に、直接、粘着剤を塗布し、乾燥させることで粘着層を形成する方法(以下、適宜、直接法と称する。)と、の2つに大別することができる。
間接法の場合における「予め形成された粘着層を貼り付ける方法」とは、例えば、透光性フィルムと同じ大きさの離型フィルムの表面に、連続的に粘着剤を塗布し、乾燥させることで、離型フィルムの一方の面全域に粘着層を設け、その粘着層を透光性フィルムに貼り付ける方法を示す。その結果、透光性フィルムの他方の面全域には、離型フィルム付きの粘着層が設けられることになる。
直接法は、ロール状に巻回された透光性フィルムの先端を、所定の塗布領域まで送り出し、その透光性フィルムの一方の面の先端から末端まで、粘着剤を連続的に塗布し、塗膜を形成した後、順次、その塗膜を乾燥させて、透光性フィルムの他方の面全域に粘着層を設ける方法である。
上記の間接法及び直接法において、粘着剤の塗布手段としては、従来公知の塗布手段を用いることができる。具体的には、スプレー法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、スクリーン印刷法などが挙げられる。
また、乾燥手段としては、加熱乾燥、送風乾燥など、従来公知の手段を用いることができる。
粘着剤としては、アクリル系、ゴム系、シリコン系の粘着剤を使用することができるが、透明性、耐久性の観点から、アクリル系の粘着剤が好ましい。かかるアクリル系の粘着剤としては、2−エチルヘキシルアクリレート、n−ブチルアクリレートなどを主成分とし、凝集力を向上させるために、短鎖のアルキルアクリレートやメタクリレート、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレートと、架橋剤との架橋点となりうるアクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド誘導体、マレイン酸、ヒドロキシルエチルアクリレート、グリシジルアクリレートなどと、を共重合したものを用いることが好ましい。主成分と、短鎖成分と、架橋点を付加するための成分と、の混合比率、種類を、適宜、調節することにより、ガラス転移温度(Tg)や架橋密度を変えることができる。
上記粘着剤と併用される架橋剤としては、イソシアネート系架橋剤、エポキシ樹脂系架橋剤、メラミン樹脂系架橋剤、尿素樹脂系架橋剤、キレート系架橋剤が挙げられるが、この中でも、イソシアネート系架橋剤がより好ましい。かかるイソシアネート系架橋剤としては、トリレンジイソシアネート、4−4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、o−トルイジンイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等のイソシアネート類、また、これらのイソシアネート類とポリアルコールとの生成物、また、イソシアネート類の縮合によって生成したポリイソシアネート類を使用することができる。これらのイソシアネート類の市販されている商品としては、日本ポリウレタン社製、コロネートL、コロネートHL、コロネート2030、コロネート2031、ミリオネートMR、ミリオネートHTL;武田薬品社製のタケネートD−102、タケネートD−110N、タケネートD−200、タケネートD−202;住友バイエル社製、デスモジュールL、デスモジュールIL、デスモジュールN、デスモジュールHL;等を挙げることができる。
透光性フィルムのハードコート層が設置された以外の面に粘着層が形成されるが、その後の工程においてロール状に巻き取られ、ハードコート層と粘着層とが密着してしまうこと防止するためにも、粘着層の表面には、離型フィルムが貼り付けられていることが好ましい。上述のように、間接法においては、予め、離型フィルムを貼りつけた状態とすることができる。一方、直接法の場合には、粘着層が透光性フィルムの表面に形成された後に、その粘着層の表面に離型フィルムを貼り付ける工程を新たに加えることが好ましい。
ここで、粘着層の表面に貼り付けられる離型フィルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、トリアセテートセルロースフィルムなどが挙げられる。
本発明なる情報記録担体の透光層の厚みは、支持体の厚みよりも薄いことが好ましい。情報記録担体が傾いたときに増加する収差を考慮すると、その厚みは50〜300μmが相応しく、望ましくは60〜200μm、更に望ましくは70〜120μmである。また厚みの一面中でのバラツキは最大で±3μm、望ましくは±2μm以下とする。更に望ましくは±1μm以下とする。
本発明の光情報記録担体は、例えば、次のようにして情報の記録、再生が行われる。まず、光情報記録担体を所定の線速度(0.5〜10m/秒)、又は、所定の定角速度にて回転させながら、透光層側から対物レンズを介して青紫色レーザ(例えば、波長405nm)などの記録用の光を照射する。この照射光により、記録層がその光を吸収して局所的に温度上昇し、例えば、ピットが生成してその光学特性を変えることにより情報が記録される。上記のように記録された情報の再生は、光情報記録担体を所定の定線速度で回転させながら光学的手段として青紫色レーザを用いてレーザ光を透光層側から照射して、その反射光を検出することにより行うことができる。
記録・再生用の光学的手段となる500nm以下の発振波長を有するレーザ光源としては、例えば、390〜415nmの範囲の発振波長を有する青紫色半導体レーザ、中心発振波長425nmの青紫色SHGレーザ等を挙げることができる。
また、記録密度を高めるために、ピックアップに使用される対物レンズのNAは0.7以上が好ましく、0.85以上がより好ましい。
以下に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
光情報記録担体の作製
A.支持体、記録層の作製
スパイラル状のグルーブ(深さ100nm、幅120nm、トラックピッチ320nm)を有し、厚さ1.1mm、直径120mmのアルミニウム基板のグルーブを有する面上に、Agをスパッタして100nmの厚さの光反射層を形成した。
その後、オラゾールブルGN(フタロシアニン系色素、cibaスぺシャリティケミカル社製)20gを2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール1リットル中に添加し、2時間超音波処理を行って溶解し、記録層形成用の塗布液を調製した。調製された塗布液を、光反射層上に回転数を300〜4000rpmまで変化させながら、23℃、50%RHの条件でスピンコート法により塗布した。その後、23℃、50%RHで1〜4時間保存して形成された記録層の膜厚は100nmであった。そして、記録層上に、ZnS−SiO2を厚さ5nmになるようにスパッタし、中間層(バリア層)を形成した。
B.透光層(ハードコートフィルム)の作製
記録層上に設置される透光層(ハードコートフィルム)は、支持体側から順に粘着層、透光性フィルム、ハードコート層、場合によってはさらにその上に設置される防汚層からなる。ここでは粘着層、透光性フィルム、ハードコート層、場合によってさらに防汚層からなる透光層の作製例を示し、以下に、透光性フィルム(セルロースアシレートフィルム)の製造法、ハードコート層塗布、防汚層塗布の順に記載する。
1−1.セルロースアシレートフィルム(TAC)の製造法
くり返し単位が−〔O−(CH22−OCO−(CH24CO〕−のアジピン酸とエチレングリコールからなる平均分子量2125の両未満ジヒドロキシポリエステルとトリレンジイソシアナート(TDI)とを処理し、平均分子量7300のメチレンクロライド可溶性ポリエステル−ウレタン樹脂を合成した。この化合物をPU−1とする。このPU−1に、セルロースアセテートを加え、下記の組成のドープを得た。
セルローストリアセテート 100質量部
(置換度2.85、6位置換度0.90)
PU−1 15質量部
メチレンクロライド 270質量部
ブタノール 7質量部
メタノール 70質量部
この組成物を密閉容器に投入し、加圧下で、80℃に保持しながら、攪拌して完全に溶解する。次にこのドープを濾過し、冷却して25℃に保持しながら回転する直径30cmのジャケット付ドラム上に流延した。ドラムは伝熱性、耐蝕性、平面性を兼ねる必要からSB材の上に、約50μmのNi層を鍍金し、さらに約40μmのハードクロム鍍金を2回施した表面を、0.01〜0.05Sの超鏡面研磨したものを使用した。このときドラムは、ジャケットに冷水を通水し、表面温度は0℃となるように保持しておく。流延速度は3m/分に固定し、流延位置から流延方向に270度回転した位置で剥取ロールを介してフィルムを剥離し、3.15m/分の速度でベースをひきとり、流延方向に5%流延する。剥ぎ取ったベースは、両サイドを固定し、70℃の熱風によって乾燥し、厚さ80μmのフィルムを得た。湿度を変化させたときのフィルムの長さを測定することによって求められた吸湿膨張係数は、70ppm/%RHであった。
2.ハードコート層の形成
2−1.ハードコート層塗布液の調製
(1)塗布液の調製
メチルイソブチルケトン(MIBK)/イソプロパノール(IPA)混合溶媒中にジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA;日本化薬(株)製)60質量部とコロイダルシリカ(MIBK−ST;日産化学工業(株)製)40重量部と光ラジカル重合開始剤(イルガキュア184、チバガイギー社製)0.12質量部を撹拌しながら混合し、ハードコート層塗布液を作製した。
2−2.ハードコートフィルムの作製(ハードコート層の塗布)
(1)単層ハードコートフィルムの作製
製膜した80μmのセルロースアシレートフィルムの両面をコロナ処理し、ハードコート層を設置する面に屈折率1.55、ガラス転移温度37℃のスチレン−ブタジエンコポリマーからなるラテックス(LX407C5、日本ゼオン(株)製)と酸化錫・酸化アンチモン複合酸化物(FS−10D、石原産業(株)製)を重量で5:5の割合で混合し、乾燥後の膜厚が200nmとなるよう塗布し、帯電防止層付き下塗り層を形成した後、上記ハードコート層用塗布液を3μmの厚みになるようにエクストルージョン方式で塗布、乾燥し、紫外線を照射(500mJ/cm2)してハードコートフィルムを作製し、ロール状に巻き取った。
C.ハードコートフィルムと基板との貼合わせ
次のようにして、上記Aで支持体上に設けた記録層上に、中間層を介して、上記Bで作製したハードコートフィルムを貼り合わせることによって光情報記録担体を作製した。
1.粘着層の形成
アクリル系共重合体(溶剤:酢酸エチル/トルエン=1/1)と、イソシアネート系架橋剤(溶剤:酢酸エチル/トルエン=1/1)と、を100:1(質量比)で混合し、粘着剤塗布液Aを調製した。この粘着剤塗布液Aを用いて、間接法にて、離型フィルムの表面に粘着層を設けた。
ロール状に巻回されたポリエチレン製離型フィルムを搬送しながら、その離型フィルムの表面に乾燥後の厚さが20μmとなるように粘着剤塗布液Aを塗布した。その後、乾燥領域において100℃で乾燥させ、粘着層が設けられた離型フィルムを得た。
2.光情報記録担体用透明シートの製造
ハードコートフィルムのハードコート層が設けられた逆の面に、粘着層が設けられた離型フィルムを、粘着層が当接するように貼り合せた。その後、このハードコート層及び粘着層が設けられたハードコートフィルムを、再びロール状に巻き取り、その状態で、23℃、50%RHの雰囲気で、72時間保持した。
そして、ハードコート層及び粘着層が設けられたハードコートフィルムを、送り出し、上記基板と同じ形状に打ち抜いた。これにより、透光性フィルムの一方の面に粘着層を有し、他方の面にハードコート層を有する光情報記録担体用透明シートを得た。
3.光情報記録担体の作製(支持体、記録層へのハードコートフィルムの貼合わせ)
ディスク状の光情報記録担体用透明シートから、粘着剤側の離型フィルムを剥がし、中間層と、粘着層と、をローラによる押し圧手段によって貼り合わせ、光情報記録担体を作製した。
<実施例2>
支持体に、スパイラル状のグルーブ(深さ100nm、幅120nm、トラックピッチ320nm)を有し、厚さ1.1mm、直径120mmの鉄基板のグルーブを有する面上に、Agをスパッタして100nmの厚さの光反射層を形成し、実施例1と同様にして、実施例2の光情報記録担体を作製した。
<実施例3>
支持体に、スパイラル状のグルーブ(深さ100nm、幅120nm、トラックピッチ320nm)を有し、厚さ1.1mm、直径120mmのガラス基板のグルーブを有する面上に、Agをスパッタして100nmの厚さの光反射層を形成し、実施例1と同様にして、実施例3の光情報記録担体を作製した。
<実施例4>
ハードコート基材にポリカーボネートを使用したハードコートフイルムと、支持体に、スパイラル状のグルーブ(深さ100nm、幅120nm、トラックピッチ320nm)を有し、厚さ1.1mm、直径120mmのアルミニウム基板のグルーブを有する面上に、Agをスパッタして100nmの厚さの光反射層を形成し、実施例1と同様にして、実施例4の光情報記録担体を作製した。
<比較例1>
支持体に、スパイラル状のグルーブ(深さ100nm、幅120nm、トラックピッチ320nm)を有し、厚さ1.1mm、直径120mmのポリカーボネート基板のグルーブを有する面上に、Agをスパッタして100nmの厚さの光反射層を形成し、実施例1と同様にして、比較例1の光情報記録担体を作製した。
D.測定
1.反り角
テストサンプルを作製した部屋は、相対湿度が平均68%、温度が23℃のクリーンルームであり、基板本体及び透過性シートを共にその部屋に数日間放置させて吸水させた。その後テストサンプルを相対湿度が15%、温度が23℃のデシケータに垂直に入れ、テストサンプルを十分脱水(デシケータ内に約85時間放置)させた。その後、相対湿度が平均68%、温度が23℃の部屋に戻し、反り角の経時変化(3日間)を調べた。その経時変化の絶対値を反り角の変化量とした。また、この時の湿度変化量は53%(=68%−15%)となる。なお、反り角の変化量は、製造マージン等で若干異なるものであるが、0.2°以内であれば実用上問題なく、良好な記録・再生能を有する情報記録担体を提供できるとされている。
2.記録特性評価
これらの情報記録担体をλ=405nmで発光する青紫レーザーと、開口数NA0.7
の対物レンズから構成されるピックアップを有した記録再生装置に装着して、最短ピット
長を0.24μmに設定したD8−15変調信号の記録と再生を行い信号再生ジッターを
測定した。ジッターは小さいほど好ましく、具体的には5%以下を○、5%より高いものを×とした。
作製した光記録媒体と、その各種測定結果を表1に示す。
Figure 2006059456
表1により、弾性率が50GPa以上であって、かつ密度が9g/cm3以下である支持体を用いた本発明は、高温高湿度の条件下においても、用いるハードコート基材の種類にかかわらず、反り角変化量が極めて小さいところ、記録・再生を良好に行うことができることが明らかとなった。

Claims (11)

  1. 支持体上に記録層および透光層を具備する光情報記録担体において、該支持体の弾性率が50GPa以上かつ密度が9g/cm3以下であることを特徴とする、光情報記録担体。
  2. 前記透光層のフィルム基材が、セルロースアシレートフイルムであることを特徴とする、請求項1に記載の光情報記録担体。
  3. 前記透光層のフィルム基材が、吸湿膨張係数が20〜70ppm/%RHであることを特徴とする、請求項1または2に記載の光情報記録担体。
  4. 前記支持体がアルミニウム、鉄およびガラスから選択されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の光情報記録担体。
  5. 前記支持体が、防汚剤でコートされることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の光情報記録担体。
  6. 前記防汚剤が、フッ素原子および/またはケイ素原子を含む防汚剤であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の光情報記録担体。
  7. 前記透光層の表面側に、放射線硬化樹脂からなるハードコート層を有することを特徴とする、請求項1〜6に記載の光情報記録担体。
  8. 前記透光層の厚さが、50〜300μmであることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の光情報記録担体。
  9. 前記透光層のフィルム基材が、(A)過酸化物分解剤、(B)ラジカル連鎖禁止剤、(C)金属不活性化剤及び(D)酸捕獲剤からなる群から選択される少なくとも1種の劣化防止剤を含有するセルロースアシレートフィルムであることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の光情報記録担体。
  10. 350nm〜500nmの波長を有する光により記録されることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の光情報記録担体。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の光情報記録担体を、350nm〜500nmの波長を有する光を用いて記録および/または読みとりを行うことを特徴とする、光情報記録方法または光情報再生方法。
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