JP2006058207A - 成形体評価方法、希土類焼結磁石及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 例えば成形体焼結後における割れや欠け等の発生を、非破壊で的確に評価し得る成形体評価方法を提供する。
【解決手段】 粉体を圧縮成形してなる成形体を評価する成形体評価方法であって、成形体の電気抵抗値により成形体を評価する。具体的には、予め電気抵抗値と不良発生率との相関を求めておき、測定した電気抵抗値から相関に基づいて成形体を評価する。粉体は、希土類合金粉であり、例えばR(Rは希土類元素の1種又は2種以上、但し希土類元素はYを含む概念である。)、T(TはFe又はFe、Coを必須とする1種又は2種以上の遷移金属元素である。)及びBを含むものである。成形体は、例えば希土類焼結磁石に用いられる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、成形体を的確に評価するための成形体評価方法に関するものであり、特に、希土類合金粉の成形体における割れや欠け等が発生する度合いを評価するための成形体評価方法に関する。さらに、本発明は、前記成形体評価方法を応用した希土類焼結磁石及びその製造方法に関する。
希土類焼結磁石、例えばNd−Fe−B系焼結磁石は、磁気特性に優れていること、主成分であるNdが資源的に豊富で比較的安価であること等の利点を有することから、近年、その需要は益々拡大する傾向にある。
希土類焼結磁石の製造方法としては、粉末冶金法が知られており、低コストでの製造が可能なことから、広く用いられている。粉末冶金法では、先ず、原料合金インゴットを粗粉砕及び微粉砕し、粒径が数μm程度の希土類合金粉を得る。このようにして得られた希土類合金粉を磁場中で磁場配向させ、磁場を印加した状態で圧縮成形を行う。磁場中成形後、成形体を真空中、又は不活性ガス雰囲気中で焼結し、さらに時効処理を行う。
ところで、希土類焼結磁石の製造においては、成形体焼結後の焼結体に割れ、欠け、クラック等の不良が発生し易いことが知られており、例えば特許文献1等において問題視されている。焼結後の不良発生は希土類焼結磁石の歩留まりや生産性に大きな影響を与えることから、焼結前にこのような不良を引き起こし易い成形体を予想し、当該成形体を使用しないようにすることが望ましい。
特開2001−143950号公報
しかしながら、割れや欠け等の不良発生の度合いを焼結前の成形体で予想することは極めて難しい。例えば、成形体の強度を破壊試験により測定し、測定した成形体強度を不良発生の度合いの指標とする評価方法が知られているが、以下のような問題を抱えており、成形体評価方法としては不適当であると言わざるを得ない。例えば、破壊試験によって測定された成形体強度はデータのばらつきが大きく、成形体強度と実際の不良発生率との間の相関関係は良好とは言いがたいためである。また、破壊試験は当然ながら抜き取り検査にならざるを得ないため、全ての成形体について評価することは不可能である。さらに、一般に、破壊試験測定用装置は大規模であり、価格が高いというデメリットもある。
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、例えば成形体焼結後における割れや欠け等の発生を、非破壊で的確に評価し得る成形体評価方法を提供することを目的とする。また、本発明は、成形体評価を確立することで、希土類焼結磁石を歩留まり良く製造可能な希土類焼結磁石の製造方法、及びこの製造方法により得られる希土類焼結磁石を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述の目的を達成するために、長期に亘り種々の検討を重ねてきた。その結果、電気抵抗値の低い成形体ほど焼結後の不良発生率が低く、焼結後の不良発生の度合いを評価するための指標として電気抵抗値が極めて有効であるという知見を見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明に係る成形体評価方法は、粉体を圧縮成形してなる成形体を評価する成形体評価方法であって、成形体の電気抵抗値により前記成形体を評価することを特徴とする。
前述のように本発明では、成形体の電気抵抗値を測定し、この電気抵抗値により成形体を評価している。詳細は不明であるが、成形体の電気抵抗値と当該成形体焼結後の割れや欠け等の不良発生率との間には極めて良好な相関関係があることから、成形体評価に電気抵抗値を利用することにより、割れや欠け等の不良発生率が的確に把握される。また、データばらつきも小さいという利点もある。また、本発明の評価方法は、評価にあたり成形体を破壊する必要がないため、評価後の成形体も当然ながら次工程に供することができる。したがって、抜き取り検査はもちろん、実際の製造工程で成形体の全数を評価することも可能である。さらに、成形体の電気抵抗値は、極めて簡単な方法で測定可能であり、大規模な測定装置等は一切不要であり、低コストである。
本発明の希土類焼結磁石やその製造方法は、前記成形体評価方法を応用することで、歩留まりの改善を実現したものである。すなわち、本発明の希土類焼結磁石は、前記成形体評価方法により評価された成形体が、焼結されてなることを特徴とするものである。また、本発明の希土類焼結磁石の製造方法は、希土類合金粉を成形した後、成形体を焼結し、希土類焼結磁石を製造するに際し、前記成形体について電気抵抗値を測定し、測定した電気抵抗値により希土類合金粉の成形体を評価することを特徴とする。
本発明によれば、成形体を破壊することなく極めて簡単な方法で、例えば焼結後に割れや欠け等を発生しやすい成形体を的確に評価し得る成形体評価方法を提供することが可能である。また、本発明によれば、例えば成形体焼結後の割れや欠け等の不良発生率の低い成形体を使用でき、希土類焼結磁石を歩留まり良く製造することが可能である。
以下、本発明を適用した成形体評価方法、希土類焼結磁石及びその製造方法について、詳細に説明する。
本発明の成形体評価方法は、粉体を圧縮成形してなる成形体について、例えば成形体焼結後の割れ、欠け、クラック等の不良の発生の度合いを、非破壊で評価する方法である。
本発明の評価方法の対象となる成形体は、粉体を任意の形状に圧縮成形することにより形成される成形体であれば限定されるものではない。ここで、成形体を構成する粉体としては、金属粉末、合金粉末、セラミックス粉末等、圧縮成形法を適用可能な粉体をいずれも使用可能である。また、粉体の導電性も特に問わず、半導体、導電体、誘電体等いずれでも構わない。また、圧縮成形の方法としても、特に限定されるものではない。
本発明では、基本的には、評価対象となる成形体の電気抵抗値を測定し、得られた測定値により当該成形体を評価する。成形体の電気抵抗値は、例えば4端子法等、通常の電気抵抗値の測定方法により測定される。
測定された成形体の電気抵抗値により、当該成形体が焼結後に割れや欠け等の不良を発生しにくいものであるか否かを判定するが、このとき、例えば、予め前記測定される電気抵抗値と不良発生率(例えば、割れ欠けの発生率)との相関をとっておき、この相関データに基づいて前記適否を判断する。
本発明の成形体評価方法は、前述のように、粉体を圧縮成形してなる成形体全般の評価に適用し得るものであるが、特に、例えば希土類焼結磁石の製造に適用して好適である。以下、希土類焼結磁石の製造方法について説明する。
先ず、製造対象となる希土類焼結磁石は、希土類元素、遷移金属元素及びホウ素を主成分とするものである。磁石組成は、目的に応じて任意に選択すればよい。
例えば、R−T−B(Rは希土類元素の1種又は2種以上、但し希土類元素はYを含む概念である。TはFe又はFe及びCoを必須とする遷移金属元素の1種又は2種以上である。Bはホウ素である。)系希土類焼結磁石とする場合、磁気特性に優れた希土類焼結磁石を得るためには、焼結後の磁石組成において、希土類元素Rが20〜40重量%、ホウ素Bが0.5〜4.5重量%、残部が遷移金属元素Tとなるような配合組成とすることが好ましい。ここで、Rは、希土類元素、すなわちY、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Yb及びLuから選ばれる1種、又は2種以上である。中でも、Ndは、資源的に豊富で比較的安価であることから、主成分をNdとすることが好ましい。また、Dyの含有は異方性磁界を増加させるため、保磁力Hcjを向上させる上で有効である。
又は、添加元素Mを加えて、R−T−B−M系希土類焼結磁石とすることも可能である。この場合、添加元素Mとしては、Al、Cr、Mn、Mg、Si、Cu、C、Nb、Sn、W、V、Zr、Ti、Mo、Bi、Ga等を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を選択して添加することができる。これら添加元素Mの添加量は、残留磁束密度等の磁気特性を考慮して、3重量%以下とすることが好ましい。添加元素Mの添加量が多すぎると、磁気特性が劣化するおそれがある。
勿論、これら組成に限らず、希土類焼結磁石として従来公知の組成全般に適用可能であることは言うまでもない。
上述の希土類焼結磁石を製造するには、粉末冶金法が採用される。粉末冶金法による製造プロセスは、基本的には、合金化工程、粗粉砕工程、微粉砕工程、磁場中成形工程、焼結・時効工程、加工工程、及び表面処理工程とにより構成される。なお、酸化防止のために、焼結後までの各工程は、ほとんどの工程を真空中、又は不活性ガス雰囲気中(窒素雰囲気中、Ar雰囲気中等)で行う。
合金化工程では、原料となる金属、又は合金を磁石組成に応じて配合し、真空又は不活性ガス、例えばAr雰囲気中で溶解し、鋳造することにより合金化する。鋳造法としては、溶融した高温の液体金属を回転ロール上に供給し、合金薄板を連続的に鋳造するストリップキャスト法(連続鋳造法)が生産性等の観点から好適であるが、本発明はそれに限ったものではない。原料金属(合金)としては、純希土類元素、希土類合金、純鉄、フェロボロン、さらにはこれらの合金等を使用することができる。凝固偏析を解消すること等を目的に、必要に応じて溶体化処理を行ってもよい。溶体化処理の条件としては、例えば真空又はAr雰囲気下、700〜1500℃領域で1時間以上保持する。
合金はほぼ最終磁石組成である単一の合金を用いても、最終磁石組成になるように、組成の異なる複数種類の合金を混合してもよいも良い。混合は合金・原料粗粉・原料微粉のどの工程でもよいが、混合性から合金での混合が望ましい。
粗粉砕工程では、先に鋳造した原料合金の薄板、又はインゴット等を、粒径数百μm程度になるまで粉砕する。粉砕手段としては、スタンプミル、ジョークラッシャー、ブラウンミル等を用いることができる。粗粉砕性を向上させるために、水素を吸蔵させた後、粗粉砕を行うことが効果的である。
前記粗粉砕工程は、複数の粉砕手段を組み合わせた複数工程により構成することも可能である。例えば、粗粉砕工程を、水素粉砕工程と機械的粗粉砕工程の2工程とすることが可能である。水素粉砕工程は、鋳造した原料合金に水素を吸蔵させ、相によって水素吸蔵量が異なることを利用して、自己崩壊的に粉砕する工程である。これにより、粒径数mm程度の大きさに粉砕することができる。機械的粗粉砕工程は、先にも述べたようなブラウンミル等の機械的手法を利用して粉砕する工程であり、前記水素粉砕工程により数mm程度の大きさに粉砕された原料合金粉を、粒径数百μm程度になるまで粉砕する。水素粉砕工程を行う場合、機械的粗粉砕工程は省略することも可能である。
前述の粗粉砕工程が終了した後、通常、粗粉砕した原料合金粉に粉砕助剤を添加する。粉砕助剤としては、例えば脂肪酸系化合物等を使用することができるが、特に、脂肪酸アミドを粉砕助剤として用いることで、良好な磁気特性を有する希土類焼結磁石を得ることができる。粉砕助剤の添加量としては、0.03〜0.4重量%とすることが好ましい。この範囲内で粉砕助剤を添加した場合、焼結後の残留炭素の量を低減することができ、希土類焼結磁石の磁気特性を向上させる上で有効である。
粗粉砕工程の後、微粉砕工程を行うが、この微粉砕工程は、例えばジェットミルを使用して行われる。微粉砕の際の条件は、用いる気流式粉砕機に応じて適宜設定すればよく、原料合金粉を平均粒径が1〜10μm程度、例えば3〜6μmとなるまで微粉砕する。ジェットミルは、高圧の不活性ガス(例えば窒素ガス)を狭いノズルより開放して高速のガス流を発生させ、この高速のガス流により粉体の粒子を加速し、粉体の粒子同士の衝突や、ターゲット又は容器壁との衝突を発生させて粉砕する方法である。ジェットミルは、一般的に、流動層を利用するジェットミル、渦流を利用するジェットミル、衝突板を用いるジェットミル等に分類される。
微粉砕工程の後、磁場中成形工程において、原料合金微粉(希土類合金粉)を磁場中にて成形する。具体的には、微粉砕工程にて得られた原料合金微粉を電磁石を配置した金型内に充填し、磁場印加によって結晶軸を配向させた状態で磁場中成形する。磁場中成形は、縦磁場成形、横磁場成形のいずれであってもよい。この磁場中成形は、例えば800〜1500kA/mの磁場中で、130〜160MPa前後の圧力で行えばよい。
本発明では、前記磁場中成形工程後に得られる成形体を、前述の成形体評価方法で評価し、その適否を判定する。すなわち、得られた成形体について電気抵抗値を測定し、その測定結果を電気抵抗値と不良発生率(例えば、割れや欠けの発生率)との相関図と照らし合わせ、不良発生率が小さいと予想される場合には、当該成形体を次工程の焼結工程に供する。電気抵抗値が高値を示し、焼結後に割れや欠け等の不良が高率で発生すると予想される場合には、当該成形体を粉砕し、影響が少ない程度で他の粉砕粉に混ぜ再利用してもよいし、合金化工程に戻し、再度粉砕工程を経て再利用してもよい。
次に焼結・時効工程において、焼結及び時効処理を実施する。すなわち、原料合金微粉を磁場中成形後、成形体を真空又は不活性ガス雰囲気中で焼結する。焼結温度は、組成、粉砕方法、粒度と粒度分布の違い等、諸条件により調整する必要があるが、例えば1000〜1150℃で5時間程度焼結すればよく、焼結後、急冷することが好ましい。焼結後、得られた焼結体に時効処理を施すことが好ましい。この時効処理は、得られる希土類焼結磁石の保磁力Hcjを制御する上で重要な工程であり、例えば不活性ガス雰囲気中又は真空中で時効処理を施す。時効処理としては、2段時効処理が好ましく、1段目の時効処理工程では、800℃前後の温度で1〜3時間保持する。次いで、室温〜200℃の範囲内にまで急冷する第1急冷工程を設ける。2段目の時効処理工程では、550℃前後の温度で1〜3時間保持する。次いで、室温まで急冷する第2急冷工程を設ける。600℃近傍の熱処理で保磁力Hcjが大きく増加するため、時効処理を一段で行う場合には、600℃近傍の時効処理を施すとよい。
前記焼結・時効工程の後、加工工程及び表面処理工程を行う。加工工程は、所望の形状に機械的に成形する工程である。表面処理工程は、得られた希土類焼結磁石の酸化を抑えるために行う工程であり、例えばメッキ被膜や樹脂被膜を希土類焼結磁石の表面に形成する。
以上の製造プロセスによれば、焼結前の成形体を本発明の成形体評価方法で評価し、焼結後の割れ、欠けの発生が少ないと予想されるもののみを使用しているので、焼結後の割れや欠けによる歩留まりの低下を最小限に抑えることができる。また、不良と判断された成形体についても、焼結前にこれを判定して再利用することができるので、原料コスト削減にも繋がる。
次に、本発明の具体的な実施例について、実験結果を基に説明する。以下では、成形体の電気抵抗値の測定を利用した評価方法(図1)、及び成形体の強度の測定を利用した評価方法(図2)の2つの評価方法を比較した。
<希土類焼結磁石の製造>
先ず、以下のようにして、評価対象となる成形体及びこれを焼結した希土類焼結磁石を作製した。原料合金の組成としては、Nd24.5重量%、Pr6.0重量%、Dy1.8重量%、Co0.5重量%、Al0.2重量%、Cu0.07重量%、B1.0重量%、残部Feとした。原料となる金属又は合金を前記組成となるように配合し、ストリップキャスト法により原料合金薄板を溶解、鋳造した。
得られた原料合金薄板を水素粉砕した後、ブラウンミルにて機械的粗粉砕を行い、原料合金粗粉を得る。原料合金粗粉に粉砕助剤として、脂肪酸アミド0.1重量%を添加した。次いで、気流式粉砕機(ジェットミル)を使用して高圧窒素ガス雰囲気中で平均粒径D50=4.1μmとなるように微粉砕を行い、希土類合金粉を得た。
得られた粉体を磁場中成形し、所定の形状の成形体を得た。磁場中成形では、前記粉体を1200kA/mの磁場中において、成形圧147MPaで成形した。磁場方向はプレス方向と垂直な方向である。このとき、同じ組成の粉砕10ロット分の金属微粉を同じ条件で磁場中成形する工程を繰り返し、10ロット分の成形体を得た。成形体の寸法は、20mm×18mm×6.5mmとした。
<不良発生率の測定>
割れ欠け等の不良発生率は、70mm×40mm×5mm形状の各成形体を1030℃で4時間焼結した後、外観から割れ欠けの有無を目視で確認することにより求めた。サンプル数nは100個とした。結果を図3(a)に示す。なお、本実験では、不良発生率が7.5%以下のロットを良品、7.5%を超えるロットを不良品と判定する。図3(a)に示すように、ロット5及びロット10が不良品と判定され、それ以外のロット(ロット1〜4、6〜9)が良品と判定された。
<成形体の電気抵抗値による評価方法(実施例)>
各成形体の電気抵抗値は、図1に示すように、成形体1を金メッキを施したベリリウム銅板2間で挟み込み、ベリリウム銅板2にリード線を介して接続された電気抵抗測定装置3により測定した。ベリリウム銅板2の寸法は、10mm×30mm×1mmとした。測定方向は、成形体1の長手方向とした。また、電気抵抗値は、四端子法により測定した。サンプル数nは10とした。結果を図3(b)に示す。電気抵抗値の低い成形体ほど不良発生率が小さいという考え方によると、図3(b)からは、ある電気抵抗値(ここでは85Ωとする)以上であるロットが不良品と予想され、その値未満のロットが良品と予想される。
<成形体の強度による評価方法(比較例)>
各成形体の抗折強度測定は、日本工業規格JIS R 1601に準じて行った。すなわち、図2に示すように、成形体11を丸棒状の2本の支持具12,13の上に載置し、成形体11上の中央位置にやはり丸棒状の支持具14を配置して荷重を加えた。また、抗折圧を加える方向は、プレス方向とした。また、丸棒状の支持具12,13,14の半径は3mm、支点間距離は10mm、荷重点移動速度は0.5mm/分とした。また、成形体11の長手方向と支持具14とを互いに平行となるように配置した。サンプル数nは10個とした。結果を図3(c)に示す。
なお、従来の成形体強度に基づく成形体評価方法では、成形体強度の低いものほど不良発生率が高いと考えられている。この考えによると、抗折強度が高いほど、すなわち図3(c)のグラフの上方ほど焼結後の不良発生率が低く、逆にグラフの下方ほど焼結後の不良発生率の高いロットであると予想される。図3(a)及び図3(b)とは逆に、図3(c)からはある抗折強度(ここでは0.7MPaとする)未満のロットが不良品と予想され、それ以上のロットが良品と予想される。
<各評価方法の検討>
先ず、図3の各グラフのうち、各ロットの不良発生率(図3(a))と成形体電気抵抗値(図3(b))との関係に着目した。図3(a)において、不良品と判定されたロット5及びロット10は、電気抵抗値も高い値を示し、不良品と予想された(図3(b))。つまり、図3(a)と図3(b)とを比較するとグラフの形状がほぼ一致しており、成形体の電気抵抗値と焼結後の割れ欠け等の不良発生率との間には良好な相関関係があることが確認された。
次に、図3の各グラフのうち、各ロットの不良発生率(図3(a))と成形体抗折強度(図3(c))との関係に着目した。図3(a)において不良品と判定されたロット5は、成形体強度も低い値を示し、不良品と予想された(図3(c))。ところが、図3(a)で良品と判定されたロット7は、著しく低い強度を示し、不良品と予想され、実際の判定とは異なる評価結果となった(図3(c))。さらに、図3(a)において不良品と判定されたロット10は、図3(c)では成形体強度が基準値を上回り、良品と予想され、実際の判定とは異なる評価結果となった。つまり、図3(c)と図3(a)とでは、評価と実際の結果とで一致しない点があった。
また、各ロットの成形体電気抵抗値を横軸にとり、割れ欠け等の不良発生率を縦軸にとったグラフを図4に示す。また、各ロットの抗折強度を横軸にとり、割れ欠け発生率を縦軸にとったグラフを図5に示す。図4及び図5の比較から明らかなように、成形体抗折強度と割れ欠け発生率との相関に比べ、成形体電気抵抗値と割れ欠け等の不良発生率とは非常に良好な相関関係を示した。
以上の結果からも明らかなように、成形体の電気抵抗値を測定することで、ロットごとの焼結後の不良発生率を的確に把握することができた。したがって、成形体の焼結工程前に不良発生率を判断できることになり、希土類焼結磁石を歩留まり良く製造することができることがわかった。
成形体の電気抵抗値の測定方法を説明する概略斜視図である。 抗折強度の測定法を説明する概略斜視図である。 不良発生率と成形体の電気抵抗値との相関、及び不良発生率と成形体の電気抵抗値との相関について説明する図であり、(a)は各ロットと不良発生率との関係を示す特性図、(b)は各ロットと成形体電気抵抗値との関係を示す特性図、(c)は各ロットと成形体強度との関係を示す特性図である。 成形体の電気抵抗値と不良発生率との関係を示す特性図である。 成形体の抗折強度と不良発生率との関係を示す特性図である。
符号の説明
1 成形体、2 ベリリウム銅板、3 電気抵抗測定装置

Claims (8)

  1. 粉体を圧縮成形してなる成形体を評価する成形体評価方法であって、成形体の電気抵抗値により前記成形体を評価することを特徴とする成形体評価方法。
  2. 前記粉体は、希土類合金粉であることを特徴とする請求項1記載の成形体評価方法。
  3. 前記希土類合金粉は、R(Rは希土類元素の1種又は2種以上、但し希土類元素はYを含む概念である。)、T(TはFe又はFe、Coを必須とする1種又は2種以上の遷移金属元素である。)及びBを含むことを特徴とする請求項2記載の成形体評価方法。
  4. 前記成形体は、希土類焼結磁石に用いられることを特徴とする請求項2又は3記載の成形体評価方法。
  5. 予め前記電気抵抗値と不良発生率との相関を求めておき、測定した電気抵抗値から前記相関に基づいて成形体を評価することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の成形体評価方法。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれかに記載される成形体評価方法により評価された成形体が焼結されてなる希土類焼結磁石。
  7. 希土類合金粉を成形した後、成形体を焼結し、希土類焼結磁石を製造するに際し、
    前記成形体について電気抵抗値を測定し、測定された電気抵抗値により希土類合金粉の成形体を評価することを特徴とする希土類焼結磁石の製造方法。
  8. 前記希土類合金粉は、R(Rは希土類元素の1種又は2種以上、但し希土類元素はYを含む概念である。)、T(TはFe又はFe、Coを必須とする1種又は2種以上の遷移金属元素である。)及びBを含むことを特徴とする請求項7記載の希土類焼結磁石の製造方法。
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