JP2005283270A - 粉体評価方法、希土類焼結磁石及びその製造方法 - Google Patents

粉体評価方法、希土類焼結磁石及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005283270A
JP2005283270A JP2004096364A JP2004096364A JP2005283270A JP 2005283270 A JP2005283270 A JP 2005283270A JP 2004096364 A JP2004096364 A JP 2004096364A JP 2004096364 A JP2004096364 A JP 2004096364A JP 2005283270 A JP2005283270 A JP 2005283270A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rare earth
powder
evaluation method
surface area
specific surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004096364A
Other languages
English (en)
Inventor
Tokuji Sakamoto
篤司 坂本
Makoto Iwasaki
信 岩崎
Tsutomu Ishizaka
力 石坂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP2004096364A priority Critical patent/JP2005283270A/ja
Publication of JP2005283270A publication Critical patent/JP2005283270A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Powder Metallurgy (AREA)
  • Hard Magnetic Materials (AREA)

Abstract

【課題】 粉体を成形した成形体における割れ、欠けの発生に対し、粉体を的確に評価し得る粉体評価方法を提供する。
【解決手段】 微粉砕した粉体を評価する粉体評価方法である。所定の温度で熱処理した後、比表面積を測定する。評価対象となる粉体は、例えば希土類焼結磁石の製造に用いられる希土類合金粉である。熱処理の温度は、100℃以上、800℃以下とする。熱処理は、真空中、不活性ガス雰囲気中、水素ガス雰囲気中のいずれかで行う。
【選択図】 図7

Description

本発明は、粉体を的確に評価するための粉体評価方法に関するものであり、特に、希土類合金粉の成形体における割れや欠け等が発生する度合いの評価指標としての粉体評価方法に関する。さらに、本発明は、前記粉体評価方法を応用した希土類焼結磁石及びその製造方法に関する。
希土類焼結磁石、例えばNd−Fe−B系焼結磁石は、磁気特性に優れていること、主成分であるNdが資源的に豊富で比較的安価であること等の利点を有することから、近年、その需要は益々拡大する傾向にある。
希土類焼結磁石の製造方法としては、粉末冶金法が知られており、低コストでの製造が可能なことから、広く用いられている。粉末冶金法では、先ず、原料合金インゴットを粗粉砕及び微粉砕し、粒径が数μm程度の希土類合金粉を得る。このようにして得られた希土類合金粉を磁場中で磁場配向させ、磁場を印加した状態でプレス成形を行う。磁場中成形後、成形体を真空中、または不活性ガス雰囲気中で焼結し、さらに時効処理を行う。
希土類焼結磁石を前述の粉末冶金法により製造する場合、希土類合金粉を成形した成形体を焼結することで、最終製品となる希土類焼結磁石を得るようにしており、使用する希土類合金粉の選択が焼結磁石の品質を確保する上で重要となる。そこで、使用する希土類合金粉の選定の基準として、粒径や比表面積(BET値)等が検討されている(例えば、特許文献1や特許文献2等を参照)。
特開2001−143950号公報 特開平11−251123号公報
ところで、前述のような粉末冶金法により希土類焼結磁石を作製する場合、焼結前の成形体が圧粉体であるために強度が弱く、成形体に割れや欠け等が発生し易いという問題があり、歩留まりに大きな影響を与えている。このような成形体の割れや欠けは、使用する希土類合金粉に依存しており、例えば粉砕毎に成形体に割れや欠け等が発生する度合いにばらつきが生ずる。
したがって、このような希土類合金粉の成形体に割れや欠け等が発生する問題に対して、使用する粉体(希土類合金粉)を的確に評価する必要があるが、現状では、必ずしも十分に評価方法が確立されているとは言い難い。例えば、レーザー回折法による平均粒径による評価や、単なる比表面積の測定による評価では、前記成形体の割れ、欠けの発生と相関がとれず、評価方法としては適していない。
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、粉体を成形した成形体における割れ、欠けの発生に対して良好な相関を示し、粉体を的確に評価し得る粉体評価方法を提供することを目的とする。また、本発明は、粉体評価を確立することで、成形体における割れや欠けの発生を抑え、希土類焼結磁石を歩留まり良く製造可能とすることを目的とする。
本発明者らは、上述の目的を達成するために、長期に亘り種々の検討を重ねてきた。その結果、比表面積の測定前に、粉体に対して熱処理を施すことで、その後測定される比表面積の値と成形体の割れ、欠けの度合いに、良好な相関が得られるとの知見を得るに至った。本発明は、このような知見に基づいて完成されたものである。すなわち、本発明の粉体評価方法は、微粉砕した粉体を評価する粉体評価方法であって、所定の温度で熱処理した後、比表面積を測定することを特徴とする。
粉体に対して予め熱処理することにより比表面積と成形体の割れ、欠けの度合いの間に良好な相関が得られることのメカニズムについては、その詳細は不明であるが、本発明者らは、次のように推測している。すなわち、例えば希土類合金粉等の粉砕に際しては、粉砕助剤(有機物)が用いられており、粉砕後の粉体の表面には、使用した粉砕助剤が例えばカーボン(炭素)の形態で残存することが予想される。このように粉体表面にカーボンが付着すると、比表面積の測定に影響を与え、測定される比表面積値は、実際の希土類合金粉の比表面積値とは異なり、その結果、単なる比表面積値の測定では、粉体を正確に評価できないものと考えられる。
本発明の粉体評価方法では、予め粉体に対して熱処理を施すことで、例えば付着するカーボン等が分解除去され、その後、比表面積を測定することで、粉体自体の比表面積が正確に測定されるものと推測される。その結果、粉体の状態が的確に把握され、成形体の割れや欠け等に対する評価方法として適した粉体評価が実現される。
本発明の希土類焼結磁石や、その製造方法は、前記粉体評価方法を応用することで、歩留まりの改善を実現したものである。すなわち、本発明の希土類焼結磁石は、粉体評価方法により評価された希土類合金粉を用いて成形された成形体が、焼結されてなることを特徴とするものである。また、本発明の希土類焼結磁石の製造方法は、希土類合金粉を成形した後、成形体を焼結し、希土類焼結磁石を製造するに際し、前記希土類合金粉を所定の温度で熱処理した後、比表面積を測定し、評価することを特徴とする。
本発明の粉体評価方法によれば、粉体を成形した成形体における割れ、欠けの発生に対して良好な相関を示し、粉体を的確に評価し得る粉体評価方法を提供することが可能である。また、本発明によれば、粉体評価を確立することで、成形体における割れや欠けの発生を抑え、希土類焼結磁石を歩留まり良く製造することが可能である。
以下、本発明を適用した粉体評価方法、希土類焼結磁石及びその製造方法について、詳細に説明する。
本発明の粉体評価方法は、粉体を成形して成形体とした時にの割れや欠けに対する評価方法である。成形体において、割れや欠けを抑えるためには、どのような粉体を用いたらよいか、ということを判定するための基準となる評価方法である。
本発明の粉体評価方法は、基本的には比表面積によるものである。ここで、比表面積の値としては、ガス吸着法(BET法)による測定値を採用する。ただし、本発明では、粉砕した粉体の比表面積をそのまま測定するのではなく、粉体に対して予め熱処理を行った後、比表面積の測定を行う。
前記熱処理における熱処理温度は、100℃以上、800℃以下であることが好ましい。熱処理温度が100℃未満であると、例えば粉体の表面に付着するカーボンを十分に分解することができない等の理由により、熱処理による効果を十分に得ることができず、測定した比表面積値が、成形体における割れ、欠けの発生に対して良好な相関を示さなくなるおそれがある。逆に、前記熱処理温度が高すぎると、粉体の焼結温度に近づき、粉体自体に悪影響を及ぼすおそれがある。より好ましくは、100℃〜500℃である。
また、前記熱処理は、真空中、不活性ガス雰囲気中、水素ガス雰囲気中のいずれかで行う。例えば、粉体が希土類合金粉である場合、空気中で熱処理を行うと、急激に酸化が進んでしまう。希土類合金粉の酸化を防止するためには、前記真空中、不活性ガス雰囲気中、水素ガス雰囲気中で熱処理することが好ましい。ここで、例えば真空中で熱処理する場合、真空度は、10-3Pa程度とすることが好ましい。不活性ガス雰囲気中、水素ガス中で熱処理する場合、圧力は98〜294kPa とすることが好ましい。ここで不活性ガスとしては、Arガス及びN2ガス等を用いることができる。
前述のような熱処理の後、比表面積を測定して粉体が成形に適したものか否かを判定するが、このとき、例えば予め前記測定される比表面積と成形体強度との相関、あるいは不良発生率(割れ欠けの発生率等)との相関をとっておき、この相関データに基づいて前記適否を判断する。判定に際しては、前記熱処理後の比表面積に加えて、例えばレーザ回折法により測定される平均粒径(D50)等を併用し、より正確な判定を行うようにすることも可能である。
前述の粉体評価方法は、成形、焼結に供される粉体全般の評価に適用し得るものであるが、特に、例えば希土類焼結磁石の製造に適用して好適である。以下、希土類焼結磁石の製造方法について説明する。
先ず、製造対象となる希土類焼結磁石は、希土類元素、遷移金属元素及びホウ素を主成分とするものである。磁石組成は、目的に応じて任意に選択すればよい。
例えば、R−T−B(Rは希土類元素の1種又は2種以上、但し希土類元素はYを含む概念である。TはFeまたはFe及びCoを必須とする遷移金属元素の1種または2種以上であり、Bはホウ素である。)系希土類焼結磁石とする場合、磁気特性に優れた希土類焼結磁石を得るためには、焼結後の磁石組成において、希土類元素Rが20〜40重量%、ホウ素Bが0.5〜4.5重量%、残部が遷移金属元素Tとなるような配合組成とすることが好ましい。ここで、Rは、希土類元素、すなわちY、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Yb及びLuから選ばれる1種、または2種以上である。中でも、Ndは、資源的に豊富で比較的安価であることから、主成分をNdとすることが好ましい。また、Dyの含有は異方性磁界を増加させるため、保磁力Hcjを向上させる上で有効である。
あるいは、添加元素Mを加えて、R−T−B−M系希土類焼結磁石とすることも可能である。この場合、添加元素Mとしては、Al、Cr、Mn、Mg、Si、Cu、C、Nb、Sn、W、V、Zr、Ti、Mo、Bi、Ga等を挙げることができ、これらの1種または2種以上を選択して添加することができる。これら添加元素Mの添加量は、残留磁束密度等の磁気特性を考慮して、3重量%以下とすることが好ましい。添加元素Mの添加量が多すぎると、磁気特性が劣化するおそれがある。
勿論、これら組成に限らず、希土類焼結磁石として従来公知の組成全般に適用可能であることは言うまでもない。
上述の希土類焼結磁石を製造するには、粉末冶金法が採用される。粉末冶金法による製造方法による製造プロセスは、基本的には、合金化工程、粗粉砕工程、微粉砕工程、磁場中成形工程、焼結・時効工程、加工工程、及び表面処理工程とにより構成される。なお、酸化防止のために、焼結後までの各工程は、ほとんどの工程を真空中、あるいは不活性ガス雰囲気中(窒素雰囲気中、Ar雰囲気中等)で行う。
合金化工程では、原料となる金属、あるいは合金を磁石組成に応じて配合し、真空あるいは不活性ガス、例えばAr雰囲気中で溶解し、鋳造することにより合金化する。鋳造法としては、溶融した高温の液体金属を回転ロール上に供給し、合金薄板を連続的に鋳造するストリップキャスト法(連続鋳造法)が生産性等の観点から好適であるが、本発明はそれに限ったものではない。原料金属(合金)としては、純希土類元素、希土類合金、純鉄、フェロボロン、さらにはこれらの合金等を使用することができる。凝固偏析を解消すること等を目的に、必要に応じて溶体化処理を行ってもよい。溶体化処理の条件としては、例えば真空またはAr雰囲気下、700〜1500℃領域で1時間以上保持する。
合金はほぼ最終磁石組成である単一の合金を用いても、最終磁石組成になるように、組成の異なる複数種類の合金を混合してもよいも良い。混合は合金・原料粗粉・原料微粉のどの工程でもよいが、混合性から合金での混合が望ましい。
粗粉砕工程では、先に鋳造した原料合金の薄板、あるいはインゴット等を、粒径数百μm程度になるまで粉砕する。粉砕手段としては、スタンプミル、ジョークラッシャー、ブラウンミル等を用いることができる。粗粉砕性を向上させるために、水素を吸蔵させた後、粗粉砕を行うことが効果的である。
前記粗粉砕工程は、複数の粉砕手段を組み合わせた複数工程により構成することも可能である。例えば、粗粉砕工程を、水素粉砕工程と機械的粗粉砕工程の2工程とすることが可能である。水素粉砕工程は、鋳造した原料合金に水素を吸蔵させ、相によって水素吸蔵量が異なることを利用して、自己崩壊的に粉砕する工程である。これにより、粒径数mm程度の大きさに粉砕することができる。機械的粗粉砕工程は、先にも述べたようなブラウンミル等の機械的手法を利用して粉砕する工程であり、前記水素粉砕工程により数mm程度の大きさに粉砕された原料合金粉を、粒径数百μm程度になるまで粉砕する。水素粉砕工程を行う場合、機械的粗粉砕工程は省略することも可能である。
前述の粗粉砕工程が終了した後、通常、粗粉砕した原料合金粉に粉砕助剤を添加する。粉砕助剤としては、例えば脂肪酸系化合物等を使用することができるが、特に、脂肪酸アミドを粉砕助剤として用いることで、良好な磁気特性を有する希土類焼結磁石を得ることができる。粉砕助剤の添加量としては、0.03〜0.4重量%とすることが好ましい。この範囲内で粉砕助剤を添加した場合、焼結後の残留炭素の量を低減することができ、希土類焼結磁石の磁気特性を向上させる上で有効である。
粗粉砕工程の後、微粉砕工程を行うが、この微粉砕工程は、例えばジェットミルを使用して行われる。微粉砕の際の条件は、用いる気流式粉砕機に応じて適宜設定すればよく、原料合金粉を平均粒径が1〜10μm程度、例えば3〜6μmとなるまで微粉砕する。ジェットミルは、高圧の不活性ガス(例えば窒素ガス)を狭いノズルより開放して高速のガス流を発生させ、この高速のガス流により粉体の粒子を加速し、粉体の粒子同士の衝突や、ターゲットあるいは容器壁との衝突を発生させて粉砕する方法である。ジェットミルは、一般的に、流動層を利用するジェットミル、渦流を利用するジェットミル、衝突板を用いるジェットミル等に分類される。
微粉砕工程の後、磁場中成形工程において、原料合金微粉(希土類合金粉)を磁場中にて成形する。具体的には、微粉砕工程にて得られた原料合金微粉を電磁石を配置した金型内に充填し、磁場印加によって結晶軸を配向させた状態で磁場中成形する。磁場中成形は、縦磁場成形、横磁場成形のいずれであってもよい。この磁場中成形は、例えば800〜1500kA/mの磁場中で、130〜160MPa前後の圧力で行えばよい。
本発明では、前記希土類合金粉の磁場中成形に際し、使用する希土類合金粉を前述の粉体評価方法で評価し、その適否を判定する。すなわち、前記微粉砕工程により得られた希土類合金粉を熱処理し、比表面積を測定する。そして、測定結果を、例えば比表面積と成形体強度の相関図、あるいは比表面積と割れ欠けの発生率との相関図と照らし合わせ、十分な成形体強度が得られ、割れや欠けの発生が少ないと予想される場合には、そのまま使用する。比表面積が低く、成型体にしたときの割れや欠けの発生が予想される場合には、成型圧をあらかじめ高くし割れ欠けの発生を抑える方策をとってもよいし、また影響が少ない程度で他の粉砕粉に混ぜ再利用しても良い。また合金化工程に戻し、再度粉砕工程を経て再利用することも可能である。
次に焼結・時効工程において、焼結及び時効処理を実施する。すなわち、原料合金微粉を磁場中成形後、成形体を真空または不活性ガス雰囲気中で焼結する。焼結温度は、組成、粉砕方法、粒度と粒度分布の違い等、諸条件により調整する必要があるが、例えば1000〜1150℃で5時間程度焼結すればよく、焼結後、急冷することが好ましい。焼結後、得られた焼結体に時効処理を施すことが好ましい。この時効処理は、得られる希土類焼結磁石の保磁力Hcjを制御する上で重要な工程であり、例えば不活性ガス雰囲気中あるいは真空中で時効処理を施す。時効処理としては、2段時効処理が好ましく、1段目の時効処理工程では、800℃前後の温度で1〜3時間保持する。次いで、室温〜200℃の範囲内にまで急冷する第1急冷工程を設ける。2段目の時効処理工程では、550℃前後の温度で1〜3時間保持する。次いで、室温まで急冷する第2急冷工程を設ける。600℃近傍の熱処理で保磁力Hcjが大きく増加するため、時効処理を一段で行う場合には、600℃近傍の時効処理を施すとよい。
前記焼結・時効工程の後、加工工程及び表面処理工程を行う。加工工程は、所望の形状に機械的に成形する工程である。表面処理工程は、得られた希土類焼結磁石の酸化を抑えるために行う工程であり、例えばメッキ被膜や樹脂被膜を希土類焼結磁石の表面に形成する。
以上の製造プロセスによれば、焼結前の成形体に使用する希土類合金粉(原料合金微粉)を本発明の粉体評価方法で評価し、成形体としたときに割れ、欠けの発生が少ないと予想されるもののみを使用しているので、割れや欠けによる歩留まりの低下を最小限に抑えることができる。また、不良と判断された希土類合金粉についても、焼結前にこれを判定して再利用することができるので、原料コスト削減にも繋がる。
次に、本発明の具体的な実施例について、実験結果を基に説明する。
<比較例1>
原料合金の組成としては、Nd24.5重量%、Pr6.0重量%、Dy1.8重量%、Co0.5重量%、Al0.2重量%、Cu0.07重量%、B1.0重量%、残部Feとした。原料となる金属あるいは合金を前記組成となるように配合し、ストリップキャスト法により原料合金薄板を溶解、鋳造した。
得られた原料合金薄板を水素粉砕した後、ブラウンミルにて機械的粗粉砕を行い、原料合金粗粉を得る。原料合金粗粉に粉砕助剤として、脂肪酸アミド0.1重量%を添加した。次いで、気流式粉砕機(ジェットミル)を使用して高圧窒素ガス雰囲気中で平均粒径D50=4.1μmとなるように微粉砕を行い、希土類合金粉を得た。
各微粉砕工程毎に得られた希土類合金粉のサンプルを12ロット抽出し、各微粉砕工程毎に得られた希土類合金粉のサンプルを抽出し、レーザー回折法により平均粒径(D50)を測定した。ロットにより、平均粒径(D50)の値に若干のバラツキが認められた。そこで、平均粒径(D50)の相違による成形体強度の相違、及び割れ欠けの発生率の相違を調べた。
成形体強度の測定
得られた各粉体を磁場中成形し、所定の形状の成形体を得た。磁場中成形では、前記粉体を1200kA/mの磁場中において、成形圧147MPaで成形した。磁場方向はプレス方向と垂直な方向である。
成形体強度は日本工業規格JIS R 1601に準じて行った。すなわち、図1に示すように、成形体11を丸棒状の2本の支持具12,13の上に載置し、成形体11上の中央位置にやはり丸棒状の支持具14を配置して荷重を加えた。成形体11のチップサイズは、20mm×18mm×6mmとした。また、抗折圧を加える方向は、プレス方向とした。
割れ欠けの発生率の測定
得られた各粉体を磁場中成形し、所定の形状の成形体を得た。磁場中成形では、前記粉体を1200kA/mの磁場中において、成形圧147MPaで成形した。磁場方向はプレス方向と垂直な方向である。成形体の形状は70mm×40mm×5mmとした。得られた成型体を1030℃で4時間の焼結後、外観から割れ欠けの有無を目視で確認し、割れ欠けの発生率を求めた(試料数n=100個)。
前記平均粒径(D50)の値と得られた成形体の強度の関係、及び前記平均粒径(D50)の値と得られた成形体における割れ欠けの発生率の関係を図2及び図3にそれぞれ示す。また、具体的データを表1に示す。レーザー回折法により測定される平均粒径(D50)の値と成形体強度、あるいは割れ欠けの発生率の間には、特に相関は認められなかった。
<比較例2>
さらに、比較例1で得られた各微粉砕工程毎に、得られた希土類合金粉について熱処理を行わずに比表面積を測定(湯浅アイオニクス(株)製マルチソーブ12)し、同様に比表面積と成形体強度の関係、及び比表面積と割れ欠けの発生率の関係を調べた。結果を図4、図5、及び表1に示す。単に希土類合金粉の比表面積を測定しただけでは、やはり比表面積と成形体強度、及び割れ欠けの発生率の間に相関は認められなかった。
<実施例>
そこで、先ず、先の比較例1で得られた各微粉砕工程毎に得られた希土類合金粉のサンプルを抽出し、これら希土類合金粉に対して熱処理を施した。熱処理は、容量60Lの管状炉を用い、約1.0×10-3Paの真空中、熱処理無し〜900℃で4時間行った。
図6に、熱処理を施した希土類合金粉における、熱処理温度と比表面積の関係を示す。図6から明らかなように、微粉砕した希土類合金粉に対して熱処理を行うことで、熱処理後の希土類合金粉の比表面積が増加していることがわかる。
次に、300℃の熱処理後の希土類合金粉の比表面積と成形体強度の関係、及び300℃の熱処理後の希土類合金粉の比表面積と割れ欠けの発生率の関係を調べた。成形方法は、先の各比較例の場合と同様である。図7及び図8に、熱処理後の希土類合金粉の比表面積と成形体強度の関係、及び熱処理後の希土類合金粉の比表面積と割れ欠けの発生率の関係を示す。また、具体的データを表1に示す。この図7、図8、及び表1から明らかなように、熱処理後の希土類合金粉の比表面積と成形体強度の間には、良好な相関が認められる。また、熱処理後の希土類合金粉の比表面積値は、割れや欠けの発生率とも良好な相関を示した。
Figure 2005283270
以上の実施例、比較例の結果からも明らかなように、熱処理後の比表面積を測定することで、不良発生率を的確に判断することができる。したがって、焼成工程前に不良発生率を判断できることになり、希土類永久磁石を歩留まり良く製造することができる。
抗折強度の測定法を説明する概略斜視図である。 希土類合金粉の平均粒径(D50)と成形体強度の関係を示す図である。 希土類合金粉の平均粒径(D50)と割れ欠けの発生率の関係を示す図である。 希土類合金粉の熱処理無しでの比表面積と成形体強度の関係を示す図である。 希土類合金粉の熱処理無しでの比表面積と割れ欠けの発生率の関係を示す図である。 希土類合金粉の熱処理温度と比表面積の関係を示す図である。 熱処理後の希土類合金粉の比表面積と成形体強度の関係を示す図である。 熱処理後の希土類合金粉の比表面積と割れ欠けの発生率の関係を示す図である。

Claims (11)

  1. 微粉砕した粉体を評価する粉体評価方法であって、所定の温度で熱処理した後、比表面積を測定することを特徴とする粉体評価方法。
  2. 前記粉体は、希土類合金粉であることを特徴とする請求項1記載の粉体評価方法。
  3. 前記希土類合金粉は、R(Rは希土類元素の1種又は2種以上、但し希土類元素はYを含む概念である。)、T(TはFe又はFe、Coを必須とする1種又は2種以上の遷移金属元素である。)及びBを含むことを特徴とする請求項2記載の粉体評価方法。
  4. 前記希土類合金粉は、希土類焼結磁石に用いられることを特徴とする請求項2又は3記載の粉体評価方法。
  5. 前記熱処理の温度は、100℃以上、800℃以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の粉体評価方法。
  6. 前記熱処理は、真空中、不活性ガス雰囲気中、水素ガス雰囲気中のいずれかで行うことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の粉体評価方法。
  7. 予め前記熱処理後の比表面積と粉体を用いて成形される成形体の強度との相関、または不良発生率との相関を求めておき、測定した比表面積から前記相関に基づいて粉体を評価することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の粉体評価方法。
  8. 請求項2乃至7のいずれかに記載される粉体評価方法により評価された希土類合金粉を用いて成形された成形体が、焼結されてなる希土類焼結磁石。
  9. 希土類合金粉を成形した後、成形体を焼結し、希土類焼結磁石を製造するに際し、
    前記希土類合金粉を所定の温度で熱処理した後、比表面積を測定し、評価することを特徴とする希土類焼結磁石の製造方法。
  10. 前記希土類合金粉は、R(Rは希土類元素の1種又は2種以上、但し希土類元素はYを含む概念である。)、T(TはFe又はFe、Coを必須とする1種又は2種以上の遷移金属元素である。)及びBを含むことを特徴とする請求項9記載の希土類焼結磁石の製造方法。
  11. 原料合金を粗粉砕する粗粉砕工程及び微粉砕する微粉砕工程を有し、前記微粉砕工程後の希土類合金粉を評価することを特徴とする請求項9又は10記載の希土類焼結磁石の製造方法。
JP2004096364A 2004-03-29 2004-03-29 粉体評価方法、希土類焼結磁石及びその製造方法 Pending JP2005283270A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004096364A JP2005283270A (ja) 2004-03-29 2004-03-29 粉体評価方法、希土類焼結磁石及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004096364A JP2005283270A (ja) 2004-03-29 2004-03-29 粉体評価方法、希土類焼結磁石及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005283270A true JP2005283270A (ja) 2005-10-13

Family

ID=35181832

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004096364A Pending JP2005283270A (ja) 2004-03-29 2004-03-29 粉体評価方法、希土類焼結磁石及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005283270A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1260995B1 (en) Preparation of permanent magnet
CN107622853B (zh) R-t-b系稀土类永久磁铁
JP2006270087A (ja) 希土類焼結磁石の製造方法
JP4033884B2 (ja) 希土類焼結磁石の製造方法
JP4282016B2 (ja) 希土類焼結磁石の製造方法
JP3367726B2 (ja) 永久磁石の製造方法
JP4415374B2 (ja) 希土類焼結磁石の製造方法
JP2008214661A (ja) 希土類焼結磁石の製造方法
JP6691667B2 (ja) R−t−b系磁石の製造方法
JP2003049234A (ja) 希土類磁石用焼結体の製造方法
JP2006258616A (ja) 配向度評価方法、希土類焼結磁石及びその製造方法
JP4853629B2 (ja) 希土類焼結磁石の製造方法
JP2005283268A (ja) 粉体評価方法、希土類焼結磁石及びその製造方法
JP4282002B2 (ja) R−t−b系焼結磁石用合金粉末、その製造方法及びr−t−b系焼結磁石の製造方法
JP2005197301A (ja) 希土類焼結磁石及びその製造方法
JP2006058207A (ja) 成形体評価方法、希土類焼結磁石及びその製造方法
JP2005136356A (ja) 希土類焼結磁石の製造方法
JP2005283270A (ja) 粉体評価方法、希土類焼結磁石及びその製造方法
JP2008045214A (ja) 焼結希土類磁石合金製造用粉末
JP4076080B2 (ja) 希土類永久磁石の製造方法
JP2006265610A (ja) 希土類焼結磁石の製造方法
JP2007059619A (ja) 潤滑剤の除去方法
JP2020155633A (ja) R−t−b系永久磁石
JP4506981B2 (ja) 希土類焼結磁石の製造方法
JP2005288493A (ja) 合金薄板の製造方法及び製造装置、合金粉末の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070319

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081027

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090213

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090625